令和7年5月13日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日もよろしくお願いいたします。まず県内で交通事故が多発をしております。4月30日に既に「高齢者事故多発警報」が発令されておりますが、その後も県内の交通事故でお亡くなりになる方が出ております。ちなみに申し上げれば、既に資料提供しておりますが、4月29日現在の概数で発生件数は前年同期比でプラス26件。お亡くなりになる方がプラス8名ということでございまして、このプラス8名というのも1月から4月でお亡くなりになった方が15名で昨年同期比でプラス8名ということですので、大変多くの死者が出ているということです。改めて思いやりとともにゆとりを持って、そして気をつけて運転しようということを呼びかけると同時に、歩く方々も気をつけて歩行等を行っていきましょうということを呼びかけたいと思います。
もう1点、大阪・関西万博が開幕して1ヶ月となります。既に報道等で御承知のとおり、関係者を含めた来場人数は300万人を超えてきていますし、この関係者・スタッフ等を除いたとしても250万人という大変多くの方が御来場いただいているということです。既に本県からの教育旅行でも1万人を超える児童・生徒が来場されているようですし、私も現地で偶然会った県内の高校生からも、とっても楽しそうに、それぞれのパビリオン、会場内での学びをしている様子を感じたこともございます。また、万博を契機として、産業面での交流も動き出しておりまして「Tech Tour SHIGA」というものを通じまして、海外企業等に対して県内の視察先を御提案・調整するこの枠組みを通じて、既に万博のナショナルデーに合わせて来日された南米・ガイアナの政府・企業関係者、アフリカ・セネガルの政府・企業関係者が県内企業の視察もされたというふうに聞いております。また、明日は関西広域連合長としての面談ということにもなりますが、イル・ド・フランス州の議長をはじめ関係者の皆さんが御来県される予定でありますので、万博を更に充実したものにしていくということと共に、この機会をいかして様々な交流の機会をつくっていくことに取り組んでいきたいと思います。
資料がなくて恐縮ですが、この万博の機を生かして、今日午後にJR西日本様において広報発表される予定と聞いておりますが、観光列車「はなあかり」がこの夏、大阪-敦賀間を運行し、県内も通っていただくと。また、様々な食、駅でのおもてなし、サービスなどを連携して行うということとなっておりますのでぜひこの点も報道機関各位の様々な御注目もいただければ幸いでございます。
それでは資料に基づきまして今日は2点申し上げます。1点目は大津港について、大津港の活性化と再整備を推進するため基本構想を策定いたしました。この大津港は平成11年に概成していると。大型船の桟橋とか緑地花噴水などを持っている県内最大の港湾ということになっておりますが、老朽化が進んでいるということが課題だと。この間、びわ湖疏水船ができたり、LAGOクルーズなどが運行されたりということで需要も増えている。また、新しい琵琶湖文化館が令和9年12月に開館予定で今工事を行っております。防災拠点としての役割も重要だということで新しい需要に基づく対応、環境の変化に基づく対応、こういったものが求められているという状況にございます。こういったことを踏まえまして、また賑わいを創出させるために、県、大津市、関係団体で議論をした上で、20年後の目指す姿および基本理念を取りまとめたところでございます。日本一賑わいのある湖の港を目指しながらですね、様々な取組をしようということで、基本理念は記載の3点でございます。今後はこの基本構想を踏まえまして、これから10年間の取組を実施方針として策定しようという作業に入ってまいりますので、また皆様方の御注目や御指導もいただければと思います。
もう1つ話題を変えて水素拠点形成に向けたコンソーシアムを始動させますという話題でございます。滋賀県における水素供給拠点の形成に向けた検討を始めるために、企業等と連携いたしました「しが水素拠点形成コンソーシアム」を設立いたしまして、キックオフイベントとして6月2日にセミナーを開催いたします。滋賀県は御案内の通り全国有数の工業県でございます。産業分野の脱炭素化に向けて電化の難しい熱利用分野において、水素エネルギーの活用の促進が重要だということでございます。滋賀県の産業分野において、化石燃料の代替としての水素需要ポテンシャルを年間20万トンの試算をしておりまして、この需要を賄うための供給体制の構築に向けた検討を進めております。このコンソーシアムにおいて、先行する臨海部の水素プロジェクトとの連携も見据えた県内需要家の皆さんと、供給を繋ぐ方策を検討いたしますとともに、その端緒として近畿・東海・北陸の結節点である米原エリアにおいて水素の供給拠点の形成に向けた実現可能性を探ってまいります。6月2日月曜日、米原市役所の市民交流センターコンベンションホールで米原市との共催でセミナーを開催いたします。オンラインでの御参加も可能となっております。国の動向、企業の取組など御講演も行われるということでございます。会員の皆様に限らずどなたでも参加可能、御関心のある方の参加を歓迎ということでございますので、ぜひ御興味・御関心のある方の御参加を呼びかけ申し上げたいと思います。私からは以上でございます。
[京都新聞]
発表いただいた部分で、水素の拠点形成についてお尋ねします。米原エリアにおいての拠点形成に向けた実現可能性を探るというところで、米原という特定の地名が出てきたのですが、この理由としては前に書いていらっしゃるような近畿や東海北陸との結節点であるという場所を重視されているということなのでしょうか。
【知事】
当然地の利は踏まえた上で、かつ先行地域だったかな。様々な再エネ導入等の国にも認定された地域でもありますので、そういったことも考え合わせて、ここで拠点が形成できればと考えております。
[京都新聞]
先行する臨海部のプロジェクトとの連携も見据えたというお話がありました。昨年、福井県知事との懇談の際にも水素での連携の話が出ていました。これはそういったところを見据えて、言及されているのでしょうか。
【知事】
おっしゃる通りです。福井県知事との会談の中でもこの水素に関して連携しようということを話し合いました。既に敦賀港で北陸電力様が活用するアンモニアの受入が計画されているということですので、こういったことは視野に入れながら、どういうことができるのか。需要量がどれぐらいあるのかという調査を連携して行うということ等も想定しています。
[京都新聞]
スケジュール感ですが、拠点の形成に向けた可能性をどれぐらいのスパンで探っていき、拠点が形成されるとしたらいつ頃以降になるというふうに見ていらっしゃるでしょうか。
【知事】
そういったこともコンソーシアム、もしくはセミナー等で皆さんの御意見を聞きながら探っていきたいと思っています。今の時点で何年にどういう拠点をどれぐらいの規模で、またどういった費用負担で、投資効果でつくれるのかというのはまだ未知数のところがあるのですが、官民連携して、また県市協働しながら、何かしらやはりこの工業県の、内陸部の米原において、産業、暮らしをより良くするための水素利用の拠点をつくっていけるようにしていきたいというふうに考えております。
[京都新聞]
湖岸緑地の有料化について、ゴールデンウイーク前から始めていらっしゃると思うのですが、この実績といいますか、どういう状況で周辺の駐車場を含めて、どういう状況だったか、課題があったのかどうかその辺りをお願いします。
【知事】
今日資料を御提供できてないので改めて担当から説明させますが、概ね聞いておりますのは、トラブルなく、かつ特に連休後半の晴天時は有料であっても満車となる等、多くの御利用がいただけているのではないかと。かつ有料と無料が混在しますので、有料であれば無料のところに車が流れるのではないかという懸念もありまして、一部調べましたところ、周辺の無料駐車場では一部枠外駐車も散見されたということでございますが、おおむね適切に利用いただけたのではないかということでございます。特に帰帆島から志那という南の人気エリアと言われる地域は、バーベキュー、キャンプ、釣り等で多くの御利用があったということで、人気エリアの駐車率は112.5パーセント、そのうち有料エリアが100パーセント、無料エリアが135パーセントと。全体のこの人気エリアの、例えば県外ナンバーの割合はどうだったかというと65.0パーセントということで、県外から来られる方含め、有料、無料ともに多くの方に御利用いただけた、そういう意味からすると、有料化についても一定の御理解が得られた御利用状況ではないかと思っておりますが、さらにどういう課題があるのかということについては、委託の事業者の皆さんとも連携して調べていきたいと思いますし、かねてから申し上げておりますようにトイレをはじめとする水回り、この御利用の環境を整える、向上させる取組をさらに進めていきたいというふうに思います。
[京都新聞]
有料化自体がマナーの向上であったりというところも狙いだったかと思うのですが、駐車マナー以外の利用状況、特にゴミが捨ててあったりとかというようなことは、従前と比べてどうだったのでしょうか。
【知事】
この時点で何か特段綺麗になった、特段悪くなったということが把握できているわけではありませんが、例えば今日のこういう良いお天気、御利用も多いということでしょうから、一定期間を通じてどういう状況になるのかというのは見て、都度御報告、共有していきたいと思います。
[京都新聞]
最後に造林公社の関係で、今日午前中に造林公社についての180億円を超える債務については放棄する方向であるというような説明があったかと思います。今後の森林の管理についても一定の方向性が示されたと思います。これについて知事のお考えと、今後いろいろ課題も出てくると思います。市町との調整も含めて課題もあると思うのですが、このあたりどういった課題があって、どういうふうに乗り越えていきたいとお考えでしょうか。
【知事】
まず滋賀県がお預かりする琵琶湖、その水源地域である山、その山の保水力等を保つ森林、それらを作る造林という関係性の中で、滋賀県では昭和の時代に造林公社を2つつくり、地権者の皆様方との契約を交わし、造林を行ってきたということがございます。ただ御案内のとおり、なかなかその生育、十分管理できなかったということであるとか、世界の国々との木材市況の関係の中で、切っても売れない、売れても安い、また切る人がいないという状況があったということの中で、造林公社の債務が大きく膨れ上がるという状況がございますが、一方で冒頭申し上げたように、水源林の山をどう管理するのか、保全していくのかという大きな使命もある中で、この造林公社のあり方を、この債務の取扱いとあわせて、現在検討させていただいてるという状況でありますので、財政ストックのこの債務をどうするのかという問題と、琵琶湖をお預かりする滋賀県の山をどのように保全するのかということの両面を睨んだ解決策を見出していきたいというふうに考えております。ただ、契約者がいる話でもありますので、この辺り丁寧に議論をするということや、当然契約者は県内の市町の市民・町民、従って、市や町の御意向というものも丁寧に伺う必要もあろうかと思いますので、この辺りを今鋭意検討し、議論を重ねているところです。まだこの時点で何か決まったことを確定的に申し上げられる状況にはないということです。
[京都新聞]
債務でいいますと兵庫県さんも一部持ってらっしゃる部分があって、そのあたりも方向性が確定した後に兵庫県さんとの間で話合いが持たれるということなのでしょうか。
【知事】
当然下流府県である兵庫県さん、また債権者である兵庫県さんと議論をし、合意をするということも当然必要なことだと思っておりますので、その議論がきちんと行われる土台、すなわち方針というものをきちんと持てるように検討を積み重ねてまいります。
[読売新聞]
造林公社について、不採算の森林について契約解除した後に水源の保全のため県と市町で連携して管理をしていくという方針だったかと思います。一方で、原則は所有者と市町の管理ということだったのですが、県はどういうふうに公的な管理という面で関わっていくのでしょうか。
【知事】
まだそれはこれから議論を積み重ねて方向性を見出していくということだと思います。おっしゃったとおり、契約者のいる市町がどのようにこれを受けるのか、受け切れるのか、また琵琶湖を全体としてお預かりしている滋賀県が、また造林公社をつくって様々な運営をしてきた県がどのように関わっていくのかということについては、まだこの時点で決まった方向性を持てているわけではありませんが、ここは一定市町と連携した対応というのは当然必要になってこようかと思います。
[読売新聞]
首長さんも一部委員で入っておられて、その意見を述べておられたのが、県が主導的にやってくれないと我々だけでは負担です、と率直におっしゃっていたのですが、その辺り踏まえて県としてはどういうことがしていけるのでしょうか。
【知事】
今日は代表とする委員の方が述べられたとすれば、その他の市町の方々がどのようにお考えを述べられるのか、これから市長会や町村会の皆さんとも議論をしていかなければならないと思いますので、そのあたり伺った上で、だからとて県だけとか市町だけということにはなかなかならないとすれば、どういう方向性が見いだせるのかというのを探っていきたいと思います。
[読売新聞]
冒頭発表のあったJRの鉄道が停まるという「はなあかり」の件について、どこで何をどうするということは、今具体的に決まっているのでしょうか。
【知事】
おそらくJR西日本様の方から資料提供が詳しくあると思いますので、またそこで御確認をいただければと思いますが、大阪から敦賀に行くその道程として、湖西線や北陸線、琵琶湖線を経由していただくと。当然経由されるのですから、途中停まる駅も県内の駅でつくられるということですし、この「はなあかり」の特徴は、駅でのおもてなしであるとか、車内での食や、また調度品含めた装飾の物々に、その通る県のものを活用してPRするということが特徴的なことになっているようでございますので、こういったことに我々も連携して取り組んでいきたいというふうに思います。湖西線と北陸線、琵琶湖線でこういったことができるというのをとても楽しみにしているところです。
[読売新聞]
県内の駅で停まって何か地域の食べ物を味わってもらったりとか、地元の方がおもてなししたりとかそういう場面があるということなのでしょうか。
【知事】
そのように理解をしています。
[NHK]
北陸新幹線の件について、昨日、東京で建設促進同盟会の大会があったということで、石川県から米原ルートを含めた検討をし直すような声が一部出たということですが、改めて北陸新幹線の現状をどのように捉えられているのかと、滋賀県の立場を教えていただければと思います。
【知事】
昨日、北陸3県等が主催される形で北陸新幹線の建設促進大会が行われ、関西広域連合長として参加をさせていただいて、要望、意見表明をさせていただきました。御案内のとおり、昨年敦賀まで開通し、敦賀以西については小浜市を通り京都、大阪とルートは決まっておりますし、どこを通るのかということについても、昨年末に2案に絞り込まれて現在必要となる調査等が行われていると。そして、調査の進捗状況等を沿線住民の方々に説明する機会も設けられているということでございますが、主に昨日の大会、その後の要望活動においても、こういった高速鉄道ネットワークは繋がってこそ効果を発揮するものでありますので、1日も早く小浜から京都、大阪まで繋がって多くの方々が乗り換えなく御利用できる状況をつくり出せるように早期の認可・着工をお願いしたいと、それを要望していこうということについてみんなで議論、決議し、要望させていただいたということです。しかし、一部これから延伸をしていく際にある課題、例えば京都市域で提起されている建設発生土をどうするのかとか、水の問題をどうするのかとか。こういった事々についてきちんと解決、克服すると同時に、その状況を説明すべきだという要望を私もさせていただきましたし、このことに時間を要しているので、もし大きな前提変更があるならば、10年前に立ち返って米原ルートを検討してはどうかということが、石川県知事から昨年の夏に行われた石川県民会議の決議事項として御紹介、御披歴があったということですけれども、福井県、富山県、そして関西広域連合長である私からも関西広域連合としても滋賀県としても、米原ルートを望むことも求めることもしていないということをはっきり申し上げた上で、全体の決議の中にはそういった文言は盛り込まれなかったというのが昨日のことであります。しかし、やはり大きなプロジェクトですので、伴う課題がまだまだあるということはみんなで認識・共有いたしましたし、課題を乗り越えたとしても財源をどうするのか、そして地方負担はどうなるのか、並行在来線はどうなるのかというまだまだ伴う課題もありますので、そういったことをみんなで解決できるように取組を進めてまいりたいと考えております。
[NHK]
10年前に言っていた米原ルートという話がまた出てくるように、やはり本当にいつ繋がるのかということの焦りがいろいろな揺らぎになっているのかなというふうに見えるんですけれども、揺らがないために、揺らぎを少なくして不安を抑えるためにはまずはどういうことが必要で、一体誰がどういうことをすべきなのでしょうか。
【知事】
このような大きなプロジェクトですので、多額の費用がかかる、その費用負担をどうするのか、その財源をどうつくっていくのかということはもちろんございますし、トンネルを掘って鉄道を通していくということであれば、掘ったときに出てくる土をどうするのか、また水がどうなるのかということについて、これは丁寧な説明が要るだろうということだと思います。そのことについては、事業を行う国、鉄道運輸機構などが現在も行い始めていただいておりますが、既に行っております北陸新幹線事業推進調査、その事業の調査に基づく進捗状況、結果等を丁寧に沿線住民の皆さんに説明をして理解を得ていくということが、まず大事になってくるのではないかと思いますし、最後は国のプロジェクトですので、現在ルートを決めてきているように、国が決めて、財源を捻出して着工条件を整えていくということが必要になってくるのでないかと思います。
[NHK]
スクールランチについて、大津高校が先んじてスクールランチを始められ、ニーズ調査ということで県教育委員会に尋ねさせていただいたのですが、そもそもの知事の問題意識としてお弁当を持ってきている生徒の母親に負担が偏っているのではないかということだと思います。今年1月に45校の高校を調査されたところお弁当を持っているか、校内の購買で買うか、もしくは通学途中のスーパー等で買うかというところで、昼食については間に合っているのでニーズはないというふうなお答えでした。もちろん間に合わせてはいると思います。間に合わせているというところに問題があると思うのですが、間に合わせていることでニーズがないと言われてしまうと、母親の負担がいつまでも変わらない状況が続くのかなと思います。この点いかがでしょうか。
【知事】
今御質問いただいたような御懸念や御意見は受け止めたいと思います。どういうニーズ調査がどの方々を対象にどのように行われ、どういう結果が出たのかということについて私は詳細把握をしておりませんが、そもそも私が申し上げたのは、高校生の昼ご飯を楽しく美味しく、そしてできるだけ負担少なく食べられるようにしようということで、主に女性、母親に偏っているのではないかと言われるこの昼食の準備等をできるだけ負担少なくしようということで、このスクールランチをつくっていきませんかということを提起させていただきましたので、もちろん学校に通う子どもたち、保護者、先生方、そしてそれに御協力いただける事業者さんがいるとすれば、その協力体制をどのように御意見を聞いてつくっていくのかということがまず第一歩になると思いますが、全て受身でやるのではなくて、もう少し、もう少し後押しする、ニーズを掘り起こし顕在化させて採用するということが必要ではないかという趣旨で、さらに調べて対応するように私は教育委員会に話を既にしておりますので、今年度学年も変わり、それぞれ高校にいる子どもたちの体制も変わっていますので、しっかり調べて対応してくれるのではないかと期待をしております。
[NHK]
実際に大津高校に行き、子どもたちにお話を聞きました。朝コンビニ等で何を買うかというと、おにぎりとかパンを買ってお弁当は買わない、その理由は学校の中に電子レンジがないからとのことでした。朝、コンビニの電子レンジで温めてもらい持って行っても学校の中で温めなおすことができないので、結果として温めなおさなくてもいいパンやおにぎりになるということで、先生が言うには栄養バランスを考えると好ましくないということなので、やはり電子レンジがないということは私も当たり前と思っていましたが、知事がおっしゃったようにそれをいつでも美味しく楽しく食べることを考えるとこれはどうなのかということと、1回学校に入ってしまうと、例えばお弁当忘れたときに提出して先生の許可を得ないと外出できないという学校がほとんどらしく、その許可が手間なのでお昼ごはんを食べずに済ませたりすることがあると聞きました。学校の設備の不十分さであったり、子どもを管理するための謎ルール的なものが高校生の昼食を美味しく楽しくしていないのではないかという印象を受けました。そのあたりいかがでしょうか。
【知事】
高校生のことは高校生自身も考えたらいいと思いますので、知事もそう言ってるのだからどうしようかというのをみんなで考えて、電子レンジが必要だというのであれば声を上げてあげればいいし、学校を出て買いに行けるようにしようというのであればそういうルールをみんなでつくればいいし、そういった校内の自治を、また過ごす環境の充実・整備を我々が後押ししてあげられるような体制をつくっていきたいと思います。
[中日新聞]
万博開幕から1か月ということで、滋賀県ブースとしての手応えと課題を教えていただけますでしょうか。
【知事】
おかげさまで万博全体の来場者も大変多いということでありますし、うち関西パビリオンも既に直近の数字で、パビリオン全体で12万人を超えてきて滋賀県ブースだけでも約6万5000人という数字になってきています。私ももう既に5、6回行っていますけれども、行くたびに関西パビリオンをお待ちになる方や、滋賀県ブースをお待ちになる方を見ておりますので、そういう意味で概ね好調、好評いただいているのではないかと思います。課題はやはり予約重視、待っていただいて御入場と、実は中はそんなに詰まっているわけじゃないし、もちろん鳥取県、福井県、滋賀県とお待ちいただいているブースもある一方で、そうじゃないブース、時間帯もあるのであれば、もう少し入っていただいてもいいんじゃないかというお声であるとか。滋賀県ブースも約20分の映像で大変御好評いただいているのですが、あまりにもクオリティが良いので、最初から最後まで御覧になる方がほとんどで、1回入ると次の方入っていただくのに20分待たなくちゃいけないということなので、もう少し回転良くする工夫がないか。あと待っていただくときに、もっと入口で信楽焼であるとか、滋賀県内の企業であるとか、そういったことをPRできるようなこと。また真ん中の大関西広場というのにもスタンプがあったり、映像が流れるような仕掛けになっているので、そのエリアの満足度をもう少し高めることができないかなど。もう既にこの4月、5月の上旬までの間に様々な課題も提起されておりますので、今後5か月間、より良くするためにどういう工夫・改善ができるのかというのを考えていきたいと思います。
[中日新聞]
滋賀県ブースに来ていただいた方には、せっかくなら滋賀県のほうにも来てもらうというのが狙いだとは思うのですが、その辺りは誘客の部分で今のところ何かありそうですか。
【知事】
まだ、滋賀県ブースに来ました、だから滋賀県に行きました、というのがどれぐらい紐付けて取れているのかというのは定かではありませんので、この時点で申し上げることはできないのですが、何かしらのこのPR効果、そういったものの連関がどのように取れるのかということも含めて今後考えていきたいと思います。関西パビリオンもゲートウェイとして、関西、滋賀を始めとする関西に周遊観光していただくゲートウェイになろうということを目標にしていますので、そのあたりの取り方も含めて考えていきたいと思います。
[中日新聞]
水素拠点について、米原エリアというのは米原近くも含めるためにこういったエリアというような言い方にされているのか、米原市ではなく米原エリアという言い方にしている理由はあるのでしょうか。
【知事】
米原エリアは米原市ということで、イコールです。ただ、米原市でないと駄目なのかという周辺市のいろいろな御要望がもしあるとすれば、別にそういうものを排除するわけではないので、エリアという使い方をしていると思います。基本は米原市で考えています。
[毎日新聞]
万博について、関西パビリオンは予約制になっていると思います。予約できない人、やり方わからないとか、そういう人は入れない現状はどうお考えでしょうか。
【知事】
そういった方々がどれぐらいいらっしゃるのかというのは十分掴めていないと思います。おそらく行こうとする方が行くために入るパス、そして予約。こういうものをクリアして来られていると思うのですが、もうそれができないので、わかりにくいので取れないので、止めた、行けないという方がどれぐらいいらっしゃるのかというのは今後掴めたら掴んでいきたいというふうに思います。
[毎日新聞]
大津港活性化の話で、このイメージパースを見ると、右上の方に船に羽が生えているのですが、こういうのも飛ぶのでしょうか。想定されているのでしょうか。
【知事】
これがどういう乗り物なのかというのは説明書きがあるわけではないので。しかし、今この間もそうですけど、水上飛行機とか、こういったことも滋賀県内、琵琶湖で実験しようという動きもないわけではなかったので、近い将来こういうモビリティというものも出てくることを想定したイメージをつくったのではないかなと思っています。
[毎日新聞]
過去に何度か検討された民間もあったと聞くのですが、水上飛行機が飛べない根本的な理由が何かあるのですか。
【知事】
空飛ぶ車もそうだと思いますが、やはり安全性がまず第一だと思います。かつ、飛ばしたときにどれぐらいペイするのかしないのか。例えばラグジュアリーな予約制の、あまりたくさん乗れないけれども一定の費用を払えば観光地から琵琶湖に飛んでくるということも想定されて、様々な試みもされておりますけれども、それが頻繁に飛んでこないとすれば、やはりそういった様々な課題がまだまだ克服されず、事業ベースに乗ってこないということもあるのではないかと思います。
[毎日新聞]
基本構想を策定されたということで、今後実施方針策定に向けてスケジュールは決まっているのでしょうか。
【知事】
今年度、この基本構想の実現のための実施方針を策定しようということですので、まず今年度が1つの大きなステップになると思います。今年度中にどこまでいけるのかというのは、みんなで話し合ってみないとわからないことがありますが、話し合いばかりして何も進まないということも、せっかく基本構想をつくったのにもったいない話なので、できるだけ早く合意形成できて次のステップに進んでいけるように、ともに努力をしていきたいと思います。
[毎日新聞]
もう一度万博について、知事御自身は自分で入場の予約をされて入っておられるのですか。関係者パスですか。
【知事】
厳密に言うと、私も通期パスを購入し、妻、娘のサポートを得ながら予約をし、行こうと試みた日はあったのですが、その日は天気が悪く、もしくは他の都合もあったのでキャンセルをして、次に備えているという状況です。
[毎日新聞]
知事御自身が自分で指で操作しながら予約されたのですか。
【知事】
そうです。もう既に通期パスを買っていますので。もちろん公務で行くことも多いです。公務で行くことも多いのですが、公務が終わって、もしくは公務の前に自分で行きたいパビリオンとか、自分でやりたいことがあったときは自分で予約できるようにしとこうと思って、自分でパスを買って予約できるようにしてあります。
[毎日新聞]
難しくなかったですか。
【知事】
難しいです。難しいですし、あれスマホのどこに行ったっけと言いながら、いろいろ家族のサポートを得ながらやっているということとか、複数名で友達と行くとか、子どもと行くとかというときに、いろいろ予約をしたりすることの難しさがあるというのも聞いていますので、そのあたりをどのように改善していくのかということも課題であり可能性かなと思います。
[毎日新聞]
知事の場合、御家族のサポートがあったからできたと。
【知事】
そうですね。ただいろいろな相談とか、お手伝いとかそういう環境も整えられていると聞いていますし、ぜひこの2025年万博にも行っていただきたいと思いますが、もしやってみられてこういったことが課題だということがあれば、また御提起いただければなと思います。