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知事定例記者会見(2025年3月25日)

令和7年3月25日

(県政記者クラブ主催)

【知事】

 おはようございます。今日もよろしくお願いします。万博まであと19日ということでございます。いよいよ20日を切ってきたということですね。週末の23日、これは関西パビリオンの完成記念お披露目会が現地・夢洲で開催されました。私は他の公務との関係で行けなかったのですが江島さんが行かれ、市長、知事、みんなで現地を確認させていただいということでございます。明日26日の16時からは2025年日本国際博覧会滋賀推進会議「万博しが」の第3回の会議を危機管理センターで開催させていただきます。開幕直前となります今回、万博テーマ事業プロデューサーの御一人でいらっしゃいましてシグニチャーパビリオンの「いのちめぐる冒険」をプロデュースされましたアニメーション監督の河森正治さんに御講演をいただきますので、いよいよ開幕という気運を一緒に高めていければなと考えているところでございます。ぜひお時間許せば、御取材等よろしくお願いいたします。

 それでは資料に基づきまして3点御案内・御紹介させていただきます。1点目は不登校の理解促進を目的としたリーフレットをつくりましたという御案内です。不登校というものに対する偏見ですとか、理解不足による心無い態度というものが不登校の状態にある子どもやその保護者、周りの方々に精神的な苦痛を与えてしまったり、行きづらさに繋がるということがあり不登校に関する社会の理解の輪を広げていくことが重要だと考えております。今年度の滋賀県子ども県議会、これは昨年12月25日に開催されましたが、この場で子ども議員の方から、子どもが過ごしやすい学校にするため不登校に対する理解を広げるためのパンフレットをつくって配布することを御提案いただき、教育長の答弁で一緒に考えてみましょう、進めましょうという趣旨で答弁をさせていただきました。この子ども議員が作成してくれた案をもとに、職員が一緒に内容や表現、レイアウトなどについて話し合って作成をしたと。2月に行った振り返りの場でもみんなで話し合いをしたということでございます。先生方向け、教員や保護者向けの支援ガイドブックは他府県でもつくられているということでございますが、こういった社会的周知を目的としたガイドブックの作成というのは全国的にも数少ないということだそうでございます。特に伝えたい内容は3点。1点目は不登校の主な要因は「やる気が出ない」「不安や抑うつ」などは誰もが抱えうる悩みであり、誰にでも起こりうることであるということ。2つ目は本人も周囲に理解してもらえない不安を感じているんだということ。3点目は友達が不登校になったときに従来どおりの関わり方をすることが大切だということ、こういったことをお伝えしております。子どもへの周知だけではなくて、このみんなでつくったパンフレットなどを通じて、地域全体、社会全体で不登校の子どもやその保護者への共感的な支援の輪、理解の輪を広げていきたいと考えております。先般19日に成立した子ども基本条例でも子どもの意見を反映する、尊重するということが条文にも盛り込まれ、その具現化が求められ必要になっておりますのでそういった趣旨からもこういったリーフレットの作成について御確認、発信をいただけたら幸いでございます。

 続きまして、話題を変え「鉄道版ビワイチパス」について御紹介いたします。4月1日からKANSAI MaaSアプリにおいて発売される「鉄道版ビワイチパス」第2弾でございます。現在、滋賀県観光キャンペーン「いこうぜ♪滋賀・びわ湖」の特別企画として、JR西日本が「鉄道版ビワイチパス」を発売していただいているところでございますが、聞いてますと大変好評だということだそうでございます。従って4月からバージョンアップして、引き続き「鉄道版ビワイチパス」を発売していただけることとなりました。現在発売中の「鉄道版ビワイチパス」との違いはJR周遊区間が敦賀駅まで延びたということです。また「いこうぜ♪滋賀・びわ湖」アンバサダーを務めいただいております西川貴教さんを起用したロゴマークのオリジナルアクリルキーホルダーが先着でもらえるということでございます。発売期間は4月1日から今年の9月29日まで連続する2日間が利用可能。JR線自由周遊区間や近江鉄道線全線乗車券、長浜おでかけパスポートなどがセットとなっていると。なおJRの草津線や信楽高原鐡道SKRにつきましては同じ4月1日から発売されます「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」に含まれております。こちらは4,000円で1日有効。県全域でお得に鉄道での周遊が可能になるということでございます。この企画、JR西日本様には商品造成を始めPRのためのチラシ制作など多大なる御尽力をいただいているところでございます。滋賀県といたしましても、観光関連施設へのチラシの設置、各イベント、SNS等でのPRを実施いたします。梅が満開になって、これから桜の開花もございます。新緑そして秋、様々なシーズンでお出かけに公共交通、JRなどを御利用いただいて、県内での周遊観光をお楽しみいただければと考えているところでございます。私も利用しましたけど、大変便利なパスでございます。

 それでは3点目、伊吹山保全対策についてでございます。もう既に御取材いただいているメディアの方もいらっしゃいますが、先般、滋賀県と米原市が設置した伊吹山保全対策合同プロジェクトチームにおきまして今後の対策の方針となる伊吹山の将来像と対策の内容およびスケジュールを取りまとめ、ロードマップも策定いたしましたのでお知らせいたします。昨年7月、伊吹山の麓で3回の土砂流出被害を受け、緊急対策は昨年12月末までに完了したところでございますが、このロードマップにおきましては、抜本的な対策として勝山谷川の土砂災害対策、南側斜面の復旧対策、そしてニホンジカの捕獲を進めることとしております。麓の伊吹地区に繋がります勝山谷川では土砂災害対策として新たに治山堰堤、砂防堰堤等の整備を行いまして、南側斜面におきましては表土の流出を抑え、草や木といった植生の復元を進めていきます。ニホンジカの対策につきましては、生息状況の調査結果を踏まえつつ、更なる捕獲を推進していくことといたします。現在通行止めとなっている南側斜面の登山道につきましては令和7年、今年の夏ごろに復旧工事を完成させ、保全対策の作業道路として利用する予定でございます。待ち望んでいらっしゃる方が多いことは十分承知をしておりますが、安全確保の観点から登山道復旧工事完了後すぐの登山利用の再開は困難だと考えております。登山道としての再開につきましては南側斜面での各種保全対策に一定の目途がついた段階で、安全性も十分に考慮しつつ、地元の皆さん、そして私ども県そして米原市で協議を行い、再開の可否について判断をさせていただきたいと考えております。これらの保全対策に着実に取り組むことによりまして、地域生活の安全・安心の確保と、大事な草花、生き物で賑わう魅力あふれる伊吹山の復旧を図ってまいりたいと存じます。手話で通訳しにくい事々もございましたので速度を落として発言させていただきました。よろしく御理解いただければと思います。私からは以上です。

 

[京都新聞]

 まず、今御説明いただいた伊吹山の関係ですが登山道の再開については、この南側の斜面での保全対策に一定目途をつけてということで大まかな目標であったり時期も含めてまだ示すのは難しいということでしょうか。

 

【知事】

 そうなんです。何年とか、いつ再開って言えれば一番いいんですけど、ちょっとまだ示せないというのが現状です。ちなみに保全対策でどれぐらいの期間でやるんだということについては概ね10年という期間を想定していますが、現地を御存知の方も多いと思いますが結構斜面が急で、えぐれてて、削れてて、流れてきてということで大変作業が厳しい。また今の時期は雪が積もっていて、冬季はいけない、作業ができないという事々もございますので、もう少し時間がかかってしまうとか、1にも2にも安全を確認した上で再開することが必要だと思いますので、ちょっとこの時点で時期の目途を申し上げることは困難でございますが、できるだけ作業を着実に進行・完遂させて、地元の方にもその状況を説明しながら、再開の時期が御案内できるように努めていきたいと思います。

 

[京都新聞]

 ありがとうございます。もう一つ提供いただいた鉄道版のビワイチ、好評で第2弾ということなんですが第1弾の利用状況のデータや実績はあるのでしょうか。

 

【知事】

 それ必ず聞かれるなと今聞いていて思いました。ただ、発売元はJR西日本なんで具体的な売り上げなどの数値についてはお答えできないと答えろと書いてあります。他のICOCAでもこういうデジタルパスをつくられているそうなんですけれども、これも聞いている話ですけど、このビワイチパスは10倍の売り上げがある。じゃあそれがどれぐらいなのかというのはまたJR西日本に聞いていただけると幸いです。

 

[京都新聞]

 最後に、県の行政とは直接関係ないかもしれないのですが、最近山林火災が各地で相次いでいて被害も甚大で、なかなか鎮火するのも難しい、また住民の方が避難するといった状況も出てきていると思います。滋賀県としてというか、市町との連携にもなると思うのですが、こうした大規模な山林火災が起きた場合の備えについてはどう考えていらっしゃって、何か具体的な取組があるようでしたらお教え願えればと思います。

 

【知事】

 まず冬季含めて春のこの時期ですね。乾燥などで火災が発生しやすい状況がございます。全国でも頻発しておりますので、まずは林野火災を起こさない、こういう注意喚起を今行っているところです。焚き火をしない、特に枯れ草などのある場所では焚き火をしない。そして風が強く吹いているとき、乾燥しているときは焚き火や火入れ、こういうものをしないでくださいという呼びかけをさせていただいております。ぜひ皆さんに御協力をいただきたいと。とはいえ起こってしまった場合につきましては、消防そして必要な場合は自衛隊の出動を願ってできるだけ早期の鎮火、対応をするように努めてまいりたいと存じます。他の地域で起こっている事々なども情報を集め、何が原因なのか、どういったことが課題なのか、共有・保有させていただいて、本県の対策にも生かしていきたいと考えているところでございます。

 

[毎日新聞]

 先ほどもお話少しあったのですが、県の子ども基本条例のことでお聞きします。先日の議会でも案が可決されて、いよいよ来年度から子どもの権利室なども新設されてスタートしていくと思いますが、改めてどのように条例を運用していきたいかというところをお願いします。

 

【知事】

 先ほども県政経営会議の後に、子ども政策推進本部第3回の本部員会議を開催いたしまして、この子ども基本条例が成立したことを改めてみんなで確認し、具体の取組を着実に進めていくように確認をしたところでございます。この子ども基本条例が成立した県政が、例えば優しくなったとか、楽しくなったとか、みんなの多様な声が言いやすくなった、反映されるようになったといったことに繋がるようにしようじゃないかと、本部長として決意、呼びかけを申し上げたところでございます。具体的には、子どもの権利を保障する枠組み、これには子どもの権利委員会も10月に設置して、具体の取組を行っていきますし、子どもの意見を尊重、反映することについても規定に盛り込まれておりますので、ガイドラインもつくって、その具現化を行っていくと。特に子どもの意見ということについては、言語化された意見のみならず、非言語の表現についても意見として組み入れることができるようにしようということですとか、声を聞かれにくい子ども、障害のある子どもや若者、外国人の子どもや若者、その特性に応じて適当な方法できちんと尊重、反映できるようにするということなどなど、ぜひそれぞれの部局テーマごとに多岐にわたると思いますので、努めて行動、言動してまいりたいと考えているところでございます。

 

[毎日新聞]

 関連してリーフレットのこともお聞きします。先ほど、先生や保護者を対象にしたリーフレットは他府県でもあるけれども、もう少し社会全般に広げて周知していくというのは珍しいとお話がありました。今回、その対象を広げて配布される狙いといいますか、効果を教えてください。

 

【知事】

 このリーフレットの中にも書いてありますが、誰にでも起こりうる、かつ本人もそうですが、保護者や御家族も周りに理解してもらえないということによる不安や生きづらさといったことがありますので、学校の先生とか、その当事者だけではなく、みんなで理解することが出ていきやすい、付き合いやすい、学びやすい、こういう環境に繋がるのではないか。これが議員からの指摘でもあったと思いますし、せっかく子ども議員発案、そしてみんなでつくったリーフレットなので、社会全体に問いながら、こうやって子どもの声を聞いて、こういう取組が行われるということと合わせて、周知していくことができればと思います。

 

[日本経済新聞]

 質問というかコメントがいただきたいです。今日、京都府内の市町村に対して、国側が北陸新幹線のルートについて初めて説明することを記事にするのですが、バックグラウンドとして、今近隣どうなっているかをコメントで入れたくて、これまでの立場は変わってないと思うのですが、知事にお聞かせ願いたいのは、1つはですね、毎回聞かれている米原ルート。石川県とか、とにかく早くやりたいという自治体は米原ルートを推し始めているのですが、これに対する滋賀県知事の姿勢をお聞かせ願えますか。

 

【知事】

 まず、そういったルートに含まれる京都府内の自治体に対してより詳しい状況等、また課題や可能性について御説明されるということであれば、そのことにより理解が広がり深まり、早期着工、早期全線開通ということに繋がるよう期待したいと思います。また、様々な今のルート、小浜・京都ルートというのに課題があり、早く繋げた方がいいからということで、以前は検討し、今ルートにはなっていない米原ルートというものの可能性について言及される方がいらっしゃると承知をしておりますが、滋賀県の知事としてそれを望むものではございませんし、やはり敦賀から以西、小浜から京都と決めたルートの課題を克服して、丁寧かつ着実に事業を行っていくことが私は望ましいと思っておりますので、そういったことに繋がるよう努力をしていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

 米原ルートではなくて、もう決めた今の京都ルートを進めるべきだという考えの背景は、これは理由とすれば、もう決めたことだからということなのでしょうか。

 

【知事】

 基本計画を決めてから半世紀、当然地元の御期待も強いでしょうし、さらには様々な交通体系もそれを前提につくられてきているでしょうから、敦賀以西についてルートを京都、大阪というものに決めて、水を含め、土砂のことを含めて様々な課題が出てきておりますが、それらをどうやって克服するかという調査や、議論も併せて行われておりますので、そういったことに基づく取組が私は肝要ではないかというふうに考えております。

 

[日本経済新聞]

 もう1つ、並行在来線の可能性です。湖西線が、仮に米原ルートではなく今のルートであっても、北陸新幹線が今のルートでつくられても、湖西線が並行在来線なのではないかという議論も一時あって、今どうなっているかわかりませんけれども、滋賀県内に並行在来線が存在するかどうかについての知事のコメントをいただけますか。

 

【知事】

 まず、敦賀以西が小浜そして京都、大阪という現在決めているルートで通るとすれば、滋賀県内は通りませんので、県内に新幹線が通らない、その自治体において、並行する在来線が存在するという例はありませんので、そういうこれまでの経緯やルールからしても、北陸新幹線敦賀以西の整備やルートにおいて並行在来線は存在しないという主張をさせていただいているところです。現在の方針でいえば、並行在来線の経営分離に同意がなければ、着工条件の1つが整わないことになっておりますので、私どもは敦賀以西の北陸新幹線の着工に伴う並行在来線は滋賀県内に存在しないということで繰り返し申し上げておりますので、そのことを早期に確認することも着工条件を整えていくために必要なことではないかと思います。

 

[日本経済新聞]

 今の並行在来線の問題に関しては、国あるいはJR西日本側の態度は今のところどんな感じなのでしょうか。

 

【知事】

 特にここを並行在来線にしますとか、どの線を考えていますという情報が、直近、私どもに寄せられているところはありません。

 

[日本経済新聞]

 あくまで並行在来線がないと、仮に今のルートのまま北陸新幹線がつくられた場合に、並行在来線が湖西線かどうかわかりませんけれども、滋賀県内に並行在来線があって、それを第3セクター化しろと言われた場合には、それをあくまで拒否するということですか。

 

【知事】

 私どもは新幹線が通らない自治体ですので、その通らない自治体において、つくる北陸新幹線の並行在来線が存在するとは考えておりませんが、仮にそういったことを求められたとしても当然応じられる状況ではないということです。

 

[日本経済新聞]

 伊吹山について、登山道のことはそうなのですが、バスとかドライブウェイ、マイカーで行ける道はどうなのでしょう。やはり雪がなくなったら再開するのでしょうか。

 

【知事】

 岐阜県とまたがるこの伊吹山。車で登っていただく。ルートというのは4月19日に雪をどけたうえで、例年通り開通する予定だと聞いておりますので、問題ないと理解をしております。そのため、そちらを通って多くの方が山頂をお楽しみいただくことというのはできると思います。

 

[日本経済新聞]

 行けるのが8合目まででしたでしょうか。それとも山頂まででしたでしょうか。

 

【知事】

 駐車場のあるところが何合目かどうかは詳しくわかりませんけれども、そこから少し歩いて登っていただいて、いわゆる山頂の碑のあるところまで行っていただけます。

 

[日本経済新聞]

 歩いて登るその短い部分、駐車場から山頂までについては登山道としては考えてないという、つまり、今回閉鎖する登山道には含まれないということでしょうか。

 

【知事】

 含まれないです。この冬の状況、雪が解けてどうなっているのかという直近の安全確認をする必要があると思いますが、今回の事業の中に駐車場から山頂まで歩いて登るところまでは含めておりません。

 

[読売新聞]

 伊吹山の保全対策について、先ほどおおむね10年間かけてやるということで御説明がありましたが、これはつまり登山道の再開は少なくとも10年間はできないというものなのか、その間に工事の目処がつけば、その間でもできるというものなのかどういうことになるのでしょうか。

 

【知事】

 先ほど申し上げたように、私どもが予定している保全対策というのはいろいろ状況を確認しながら厳しい環境の中でやりますので、おおむね10年というのを想定しております。そのため、その間できるだけ作業が、事業が着実に推進するようにしようと。ですから、10年間登山道が再開できないのかというと、必ずしもそうではないと思います。再開できるところがあれば協議の上で再開していきたいと思いますが、逆に言うと10年と言っていても遅れてしまう可能性もありますので、その御期待に応えられないこともありうるということですので、明確にいつということが申し上げられないということです。

 

[読売新聞]

 ロードマップで様々工事の工程も書かれていますけれども、とりあえずここまではやらないと絶対再開できないみたいなラインというのはあるのでしょうか。今の御説明だと、少なく見積もっても10年未満の数年間は再開できないのかなというふうに受け止めたのですが、そういうことで大丈夫でしょうか。

 

【知事】

 特にえぐれて削れているところがここでは写真出せないのですが、皆さんも山に直近行かれたときの御記憶、写真等で御覧になったことあると思いますが、山肌の植生が無くなって、そういったものに雨や風が当たって、それらが崩れて、崩れるもので削られて、そしてえぐられていく。ここ(山の麓)から見るとそんなにわからないかもしれませんが、結構な高低差があります。それがまたさらに削られて、上からコロコロ大きな石が転がってくるとか、下で当たったら大けがをしてしまうということもありますので、そういうことが無くなるような対策をこれからやっていくことになります。配布資料(伊吹山保全対策に係るロードマップ)に実線で示しているとおり今年度、様々な事業を、特に登山道の復旧というところで今年度から来年度にかけて様々やり始めていますが、進捗につきましては、状況見て進む、止まる、変えるということも余儀なくされるでしょうから、それらを繰り返しながら、着実に行っていきたいと思っております。そのため、目途を申し上げることはできないと思います。基本、今あるルートを登っていただけるように復旧しようとしているのですね。

 

[担当課]

 今の登山道を復旧させる予定でございます。

 

【知事】

 南側の登山道を、グーッと行き来しながら登っていくような形でそこを歩いていただけるようにしようと思っているのですが、少し状況を見て、対応していきたいと思います。

 

[読売新聞]

 少なくとも今後、年単位で登れないということは避けられないわけでしょうか。

 

【知事】

 この夏のシーズンに登っていただけるかというと、作業道として使いますが、歩いて登っていただくことはできません。

 

[読売新聞]

 復旧しても作業道という使い方をするから、当面少なくとも年単位では歩いて登るということは南側の斜面についてはできないという事ですね。

 

【知事】

 はい。この1年は、登っていただけることはほぼないと思います。

 

[読売新聞]

 別の件で、今日、令和6年度最後ということなのですが、1年どこで区切るかという話なのですが、今年度振り返ってこういうことができた、逆にこういうことができなかったなど振り返ってみていかがでしょうか。また、来年度どのように、何に取り組んでいきたいとかというのはありますでしょうか。

 

【知事】

 年度の振り返りは、先般の議場でもいくつか申し上げました。世界の状況が大きく変わり流動化する中、自然災害、気候変動等にも慄きながら、また齢は重ね、高齢化、長寿化伴う課題が顕在化する。生まれてくる子どもの数が以前よりも減る。したがって人口が減少するという局面にあって、琵琶湖を真ん中に滋賀県らしく、持続可能な共生社会をつくっていこう、ともにいきる健康しがをつくろうという取組は、おかげさまで、様々進捗することもあったのではないかと思っています。先ほど一例出しましたけれども、こういった不登校を巡る状況ですとか、それらに理解を広げる取組、また子どもの声を聞く「子ども・子ども・子ども」の取組を進めるための条例の制定など多くの方の御理解、お力添えをいただいて進捗した事々も多くあったと思っていますが、今、冒頭に申し上げた大きな変化に対してはまだまだやらなければいけないことがたくさんあるのだろうなと思います。新年度はまず万博がありますし、そして10年がかりで準備してきた「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」大会、いわゆるビッグイベントを迎えますので、おもてなしをする、お迎えをするということと合わせて、健康づくりやまちの活性化、そういったことに繋がるように、また一人一人が輝く、一つ一つの街が輝く、そういう取組に進化、昇華させていきたいというふうに思っているところですので、かなり県庁的には忙しい年度に、今それぞれが担っている、抱えている仕事に加えて、国スポ・障スポに対して総動員をかけているという状態になりますので、スケジュールが変わったり、またやることを整理、見直したりしながら、この1年を頑張って過ごしていきたいというふうに思っているところです。

 

[NHK]

 不登校の理解促進リーフレットについてですが、非常に不登校の数が増えているということで、10年前に比べて小学校は5倍、中学校が2倍となっているんですけれども、そもそもこの要因について知事はどう考えていらっしゃるのかということと、先ほどおっしゃってくださったように、不登校は甘え、さぼりではなくて誰もがなる。子ども側に要因があるわけではないというメッセージを伝えていく上で、どこに要因があってどこを改善していくのかということについて知事はどのように考えていらっしゃるのかお願いいたします。

 

【知事】

 まず数が多くなっているということについては、いろいろな要因がありますので一概に表現することというのは難しいと思います。心の問題もあれば、そして社会や仕組み、学校のあり方等適用しない、そういう状況もあると思いますし、したがって、どういう原因・要因があったとしても、その一人一人、一つ一つの状況や心の悩みに対応できるような取組、姿勢が必要ではないかと思いますので今回、民間施設に通う子どもたちを支援する市町を支援する枠組みもつくりましたし、学校内でのサポートルームの取組も強化することにしておりますので、そういったことが効果を上げるようにまた確認をしていきたいと思います。後段お尋ねのあった誰にでも起こりうるということを踏まえてどうするのかということだと思いますが、パンフレットにもありますように、まず誰にでも起こりうるんだから悩むことに悩みすぎない。また悩んだとき、困ったときにどこに相談すればいいのかということがわかりやすい。そして相談した人たちに適切な対応がされるようにするということが重要だと思いますので、そういったことを学校、子どもたちに関わる人たちだけではなく、社会全体で取り組めるようにつくっていきたいなと思っています。

 

[時事通信]

 男女共同参画への方針などを策定したパートナーしがプラン2025の改定についてお尋ねします。計画期間が令和7年度までということで次年度が計画期間の最後の年になります。これまでの知事の会見の中で目標設定については、これを受けて行政・県庁内だけでなく、広く皆さんと考えるようなプラットフォームづくりも必要というお話もありましたが、目標設定を含めて令和7年度最後の年についてどのように取組を進めていきたいか、お考えをお願いします。

 

【知事】

 手元にパートナーしがプランの情報、資料がありませんので具体的な項目を申し上げることができないんですけれども、まずこのプランに書かれている取組を目標に沿って着実に来年度がひとつ目標年次になりますのでこれを完遂させていく。と同時に男性女性そして多様な性もそうです。一人一人、国籍もそうです。様々な事々について、それを理由に差別を受けたり偏見の目で見られることがないような多様性と包摂性のある滋賀、社会づくりをしていくということに繋がる次のプランづくりが来年度非常に重要な時期を迎えますので、多くの方々の御意見を聞きながら滋賀県らしいプランになるように努めていきたいと思います。最近心配していますのは、多様性とか包摂性とか公正性というものについて国をあげてそうじゃないんじゃないかという見解が示されることをとても危惧していますので、ともに暮らす滋賀県がそういう方向に流れないようにどういうプランをつくっていけばいいのか、取組をすればいいのかというのは考えていきたいと思います。

 

[時事通信]

 そのプランを踏まえて、一つジェンダー平等債の発行というのも繋げていくとこれまでもお話があったかと思います。早期実現・導入に向けて進めていくと従来の知事も発言されているかと思うんですけれども、今後の導入の時期感も含めてどのように取組を進めていきたいかお伺いします。

 

【知事】

 改めてまず男女共同参画を進めていくにあたり、今あるアンコンシャス・バイアスを含め、ジェンダー・ギャップを解消し、ジェンダー平等を実現していくこと、これは極めて重要なテーマだと思います。なので、次のプランづくりの中においても、現状がどうなっていて、さらにどういう対策が必要なのかという議論を深めていきたい。ジェンダー・ギャップを解消し、ジェンダー平等を実現していくための一つのツールとしてジェンダー平等債という金融の面からも投資をする方、企業活動をする方々の御理解を得ながら進める一つのツールとして導入を検討しておりますので、プランの改定の議論と併せて具体の制度設計を進めていきたい。また明らかにできる時点で皆さんに明らかにさせていただいて、御期待いただけるように、御理解いただけるように努めていきたいと思います。

 

[時事通信]

 パートナーしがプランの設定は2025年度末ということで設定と同時に導入ということも可能性としてはあり得るということなのでしょうか。

 

【知事】

 来年度は一つの区切りの年度で、再来年度以降の新たなプランづくりを行っていきますので、この再来年度以降の新たなプランを強力に推進するためのツールとしてのジェンダー平等債を検討していますので、新しいプランをこういった内容で、この時期からスタートしますよと言える段階で、このジェンダー平等債の発行の時期、その内容条件等についてもお知らせできるのではないかと思います。この時点でいつですというのを申し上げるのは少し困難ですので、もう少しお時間をいただければと思います。

 

[朝日新聞]

 定例会議に参加させていただいて2年半になるんですけども、本当に気持ちよく仕事をさせていただくことができたということについては、本当に感謝します。そして滋賀県がもっと良い滋賀県になってほしいと思い考えていることがありまして、それについてお尋ねしたいと思います。それは心理的安全性ということです。Googleが実施したプロジェクトアリストテレスという調査で導いた一つの結論なんですけども、Googleが社内にある世界中の200近くのチームを調査して、どんなチームが効果的であったり収益性が高いのか、その条件は何なのかということを調べたプロジェクトです。そこで最も重要な要素としてたどり着いたのがこの心理的安全性ということで、それは質問や自分の意見を述べたり、アイディアを披露したり、あるいは過ちを認めても誰も馬鹿にしたり罰したり邪魔だと思われたりしない。このチームなら大丈夫だと信じられる安心感のことを言うということです。心理的安全性が高いチームは離職率が非常に低く、多様なアイディアをうまく利用することができ、収益性も高かったと。それから効果的に働いているとマネージャーから評価される機会が非常に多かったという特徴があったと報告書でまとめています。この心的安全性については滋賀県の来年度の人事異動のプレスリリースに「心理的安全性が確保された活気あるチームづくりに努めてまいります」と記載もあったので、このことについては知事もいろいろお考えかと思います。実際この心理的安全性については知事はどのようにお考えになっていますでしょうか。

 

【知事】

 私の方こそ武部さんには様々な根源的・本質的な御質問、投げかけをいつもいただきますので、大いなる刺激をいただいてることに敬意を表し、感謝申し上げたいと思います。今お尋ねいただいた心理的安全性というテーマは県庁組織をつくる、それぞれの職場を見る、そして職員のパフォーマンス、エンゲージメントを上げるという意味においても、とても大切で最も起点になる姿勢や考え方だと思います。いろいろな形でそれはつくられるし、もしくは阻害されると思います。雰囲気づくりもあるでしょう。また、何を言っても許される、そういった組織づくりというのもあるのかもしれません。よく協議なんかで意見を求めても、こんなこと言ったらちょっとわかってないなと思われるから言えないとか、上司がいるので私が発言するのは待った方がいいんじゃないかとかですね、こういったことが散見されますので、できる限りそういったことがなく自由に発言、表現ができるような組織・雰囲気づくりというのは、私自身も努めてやっていきたいと思います。ただなかなかそうできないときや、そうならない場所もあるように聞いていますので、それらを改善・克服していけたらいいなと思います。

 

[朝日新聞]

 心理的安全性については気になったことがありまして、今年2月18日にレガシー2025創出推進本部員会議があり、引き続き滋賀県障害者雇用対策本部員会議がありました。これは県政経営会議に続く会議だったので全ての部長クラスの滋賀県の幹部の皆さんが参加されていたのですが、非常に時間が短かったという事情もあったかもしれませんが、この二つの会議は、質問意見もほぼ出なかったという会議でした。それを見てて本当に滋賀県は心理的安全性について大丈夫なのかということが気になりました。トランプ政権の2期目の初会議の模様がテレビで公開されたんですけども、その公開された範囲内ではありますが閣議で誰も発言しなかったんです。トランプ大統領がイーロン・マスクについてどうなんだと、これについて文句あるやつはいるのかみたいな賛否を求めても、誰1人答えなかったのが非常に印象的でした。知事も先ほどいろいろ散見されるというふうにおっしゃいましたけれども、この心理的安全性について特に心砕いているとか、こういうことを大事にするために気にしていらっしゃることなど、お考えなどを聞かせていただければと思います。

 

【知事】

 まずトランプ新政権の閣議と県の会議を比較していただいて、光栄というべきか、ただそういった状況をどのように見ればいいのかということだと思います。御質問の中で例に挙げていただいた会議というのは、その場ではそういう状況だったと思いますが、そこに至る過程で担当者含めて侃々諤々やってきた、そういう一つの集大成としての会議でしたので、その場で何か述べるということはなかったという面もあったのではないかと思いますが、せっかくある会議の機会などで、そのとき思っていることや必要なことが自由に発言できる雰囲気づくりや仕組みというのはこれからも努めて大事にしていきたいと思います。特に知事として気をつけていることは何かと言われると、私が最初に発言してしまうと、もうそれで決まったり終わったりすることが多いので、なるべく聞いてから発言するようにはしています。発言についてもあまり多くを言うと打ちのめされる感が出てしまうと良くないなと思いますので、ポイントを絞って申し上げるようにはしていますが、まだまだ改善しないといけないことはあると思います。

 

[朝日新聞]

 それぞれの庁内の会議でそんなにみんながシーンしているとは思わないんですけれども、とはいえこうしたせっかく時間を取って幹部が集まっている会議で誰も発言しないというようなことがあると、この発言しなかった幹部のもとでの会議も周りのものが言いにくくなったりしないかなということも懸念しました。ただ三日月知事も常々寛容性を大事にするということもおっしゃっていますし、弱さを認めあおうということもおっしゃっていますので、こうした心理的安全である滋賀県庁というのをこれからもつくっていただけたらと思います。この滋賀県のこういう公の場で公務員失格だみたいなことを言われるようなことはないというふうに僕も信じたいと思っています。まさにこの会見が非常に心理的安全性が高い場だったと感じているのは僕だけかもしれませんが、本当にここではいろいろ言いたいことや聞きたいことを聞かせていただきました。この会見は週1回ですけどもぜひ続けてほしいと思っています。こうした記者の指摘というのは時々あまり愉快でない指摘もあるかと思いますが、やはり様々な気づきや学びというのはあると思いますし、あと記者の皆さんもこういう場なんでどんどん指摘や質問、批判などきちんとどんどんしていただいて、それが滋賀県や県政運営が一層良くなることに繋がると思いますし、一旦出ていっても帰ってきたくなるような滋賀県にぜひしていただければと思っています。どうもありがとうございました。

 

【知事】

 まとめられちゃったんで返しにくいんですけど、ありがとうございました。この週に1回会見させていただくということは、後ろにもたくさんおりますが準備する職員はそれはそれで大変な面もあり、かつ私自身の心理的安全性というものが高かったのか保てていただろうかというと省みるところもたくさんあるのですが、皆さんのペンの先、皆さんのマイクのもと、そしてカメラの向こうに多くの方々の目や心、お気持ち、耳等があるということを常に意識しながら私もこの場に臨んで、わからないことをわからないと申しあげたり、自分自身の言葉でできる限り語りながら、キャッチボールをさせていただくというのを大事にしているつもりですので、最後におっしゃっていただいたようなことも糧、励みにしながらこれからも開かれた県政というものつくっていきたいと思います。ありがとうございました。

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