令和7年3月18日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
どうぞ今日もよろしくお願いいたします。大阪・関西万博の開幕まではあと26日ということでございます。昨日も理事会がございまして、私もWebで参加させていただきました。おかげさまでチケットの販売も1,000万枚を超える状況になってきたということですし、ここにきて販売状況もかなり上向きになってきたということも聞いております。更なる機運の醸成や、もちろん安全対策含め、暑さへの対策など万全を尽くしながら子どもの招待、またパビリオン、滋賀県ブースの出展、滋賀県への誘い、オープンファクトリーなどなど活用しながらですね、この機会を生かす取組を進めていきたいと思います。万博会場内で実施いたします7月24日の滋賀県デイの出演者の発表も第3弾ということでいたしましたので、また御注目いただければと思います。
わたSHIGA輝く国スポ・障スポ、会期前競技までが172日、総合開会式までがあと194日ということになりましたのでこちらも準備を更に進めてまいりたいと思います。新年度4月1日からは新たな体制もつくって皆様方にそのこともお知らせしながら、さらに準備を加速させてまいりたいと思いますので、報道機関各位のお力添えも賜れれば幸いでございます。先週末16日の日曜日に草津市のYMITアリーナで行われた大同生命SVリーグ で東レアローズ滋賀のホームゲームを観戦いたしましたが、その場で東レ様から国スポ・障スポの運営スタッフが着用する再生素材でできたウエア4,000着を贈呈いただいたところでございます。こういったお力添えに感謝申し上げたいと思います。また平和堂様におかれては、ボランティア参加記念品の御協賛なども既にいただいているところでございますが、3月8日土曜日からはJR彦根駅前のアルプラザ彦根にPRブースも開設いただいたということでございます。こうした御寄付や御協賛、広報啓発またボランティアの参加など様々お呼びかけをしながらですね、さらに皆様方の御参加・御協力を募り、みんなが輝く、一人ひとりが輝く大会を施行してまいりたいと存じます。
また、資料をお手元に配っていると思いますが、明日3月19日水曜日から東京日本橋・高島屋で第36回琵琶湖夢街道大近江展が開催されるということでございますので、東京に行かれる方につきましては御参加、また一度御覧いただければと思います。
また、中学生の水の作文コンクール。こちらも先日資料提供させていただいておりますが、4月1日から5月2日まで作品を募集することとなります。今回から「世界湖沼の日」特別賞を新設することになりましたので、ぜひ奮って御参加いただければと思います。
それでは今日は資料に基づいて一点御紹介をいたします。今も申し上げたとおり「大阪・関西万博」「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」「世界湖沼の日」など滋賀・びわ湖に多くの御関心をいただけるこの好機でございますので、誰でも気軽にびわ湖について学んでいただけるショート動画を制作しました。全部で12本、全て1分程度の長さになっているということでございます。コンセプトは「小学生が家に帰ってから親に自慢したくなるような豆知識」ということだそうでございまして動画を見た後に、思わず周りの人たちに伝えたくなるような内容を意識してつくったということでございます。ちょっと御覧いただければと思います。
(動画放映)
この会見の前に協議したんですけど、日本語だけなんで英語表記もこれから努力してつくろうということを計画しているところでございます。こういったわかりやすい内容で短くまとめた動画を皆さんにお知らせしながらですね、先般お知らせいたしました琵琶湖ハンドブックの概要版とあわせて御活用いただいて、学びを深めていただければと思います。この動画は琵琶湖ハンドブックと同じ3月21日金曜日に公開する予定でございます。滋賀県公式YouTubeでも配信をいたしますので、御覧ください。私からは以上でございます。
[京都新聞]
今のショート動画のことで多くの人に見てもらいたい、子どもさんが見て親御さんに自慢するような中身になっているということですが広く見てもらうための取組としてどういったことを考えていらっしゃいますか。
【知事】
はい、こういう場でお知らせすることもそうなんですけれども検索でひかかるような取組・工夫をしようと。例えばハッシュタグを付けるとかですね、それ以外にもいくつかあるようでございますので、そういったものを追求していきたいと思います。
[京都新聞]
先ほど英語版というようなお話もありましたが万博などの機会を生かして海外の方にも琵琶湖のことを知ってもらうという取組をしていこうということでしょうか。
【知事】
そうですね「Mother Lake ~びわ湖とともに脈々と~」という万博会場でのPR等につきましては、日本語のみならずできる限り英語表記も含め御紹介ができるように今取り組んでいるところですので、せっかくつくったこの動画も今は日本語しかありませんが英語表記で世界の皆さんから「あ、そうなのか」と学んでいただけるような知っていただけるような努力をしようと考えております。
[京都新聞]
話変わりまして、北陸新幹線に関して石川県の馳知事が今の小浜・京都ルートが京都での工事が難航していることを念頭に、解決のめどが立たない場合は米原ルートを含めた検討を行い1日も早い整備を目指すべきだというふうに議会でお話になられたという報道がありました。こういった石川県政トップである馳知事の発言について、米原ルートとなれば県内を通るわけですが三日月知事としてはどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
【知事】
特にありません。が、今もお尋ねの中で触れていただいたようにせっかく富山、石川、福井・敦賀まで繋がってきた新幹線をできるだけ早く、京都、大阪に繋いでいこうというそういう思いの表れ、様々な課題をどうやって乗り越えるとかという中での御発言だと受け止めておりますので、今も政府与党をして、それぞれの当事者をして、様々ある課題をどのように克服するのかということについて御検討いただいていると承知をしておりますので、それらが進捗することを期待しております。
[京都新聞]
これまでも繰り返し述べていらっしゃるとは思うんですけども、三日月知事としては現行の京都から新大阪に繋がるルートの早期整備をこれからも求めていかれるということでしょうか。
【知事】
そうですね、私どもから米原ルートということを申し上げておりません。願ってもないものが来るとは思っておりません。負担するつもりもありません。そういう状況の中でどのように引いていかれるのかというのはいささか疑問でございますが、私どもは前から申し上げているとおり小浜・京都・大阪を通していくルートに決まっているわけですから、その決まったルートの課題を克服し、もちろん丁寧な説明や対応というのも必要だと思いますがそれらをクリアした上で、着工に結びつけていく、そして早期開通・供用に結び付けていくということが重要だと考えます。
[京都新聞]
最後に副知事と教育長の人事のことでお伺いいたします。先だって副知事に理事員をされている東さん、教育長には子ども若者部長をされている村井さんを充てる人事案が発表されました。この人事案の狙いといいますか、お2人に期待されることは何でしょうか。
【知事】
副知事も教育長も、副知事は知事を支えて全庁に目配りをしながら、そして教育長は教育行政の最高責任者としての大変重要な仕事でございますのでそれぞれ任期に応じてそのときの最適任者をどのように御提示するのかということが重要だと考え、豊富な経験を持つ東勝氏を江島さんの後任の副知事として提案をさせていただいております。財政も人事もそして商工労政、さらには東京本部にもいましたし、私が最初に知事になったときの秘書課長でもありましたので、そういう意味で、今のメンバーの中では最適任と考えております。また教育長の福永さんの後任には初代子ども若者部長である村井さん。今も教育委員会といろいろな調整をしながら子ども若者行政をやっていただいておりますのでそういったことも生かしながら、かつ村井さん御自身もお人柄、そして御経験、教育行政を担うにふさわしい方だと思いますので提案をさせていただきました。
[京都放送]
びわ湖について学べるショート動画についてですが英語バージョンを検討されるということですが、万博会場での上映であるとか、琵琶湖がユネスコ文化遺産に登録されているので世界に向けて琵琶湖をどのように発信される予定があるのか、ご予定がありましたら教えてください。
【知事】
世界湖沼の日が定められましたし、世界農業遺産に「琵琶湖システム」が認定されてもおりますし、祈りと暮らしの水遺産ということで日本遺産の構成要素でもありますので、この琵琶湖と、琵琶湖とともにある私達の暮らし、歴史、育まれてきた文化、産業、こういうものはできる限りわかりやすくその内実とともにですね、御紹介できるようにこういった動画、そして展示、いろいろな説明、ハンドブックもそうですね、あらゆるツールを使って行っていきたいと思っております。特に今年は国スポ・障スポもありますし、何より万博があると。そして世界湖沼の日が定められて最初の年でもありますので、より精力的にいろいろな素材をつくって、出して、お届けしていきたいと思います。これのみならずブースでの出展もそうですし、いろんなツールがありますので、そういったものを組み合わせて、ちょっと知りたい時に検索すれば引っかかる努力を様々積み重ねながら、皆さんにお届けをしていきたいと思います。
[日本経済新聞]
先ほどの副知事の人事に関して追加でお聞きします。東さんに何か特別なミッションというか、特にこの分野で期待している、そういったものはありますか。
【知事】
まずはお諮りした人事案、どのように処理、そして御議決をいただくのかっていうことを待ちたいと思いますが、副知事は全体を見渡すバランスも必要ですのでそういう私の目の行き届かないところ、庁内外見ていただきながら情報を共有していただくということがまず必要だと思います。具体的にどういうミッションをこのタームで東新副知事にお願いするのかということについては今考えているところでございますので、また決まり次第皆さんにお伝えしたいと思います。
[日本経済新聞]
先ほど知事が「東京にもいたし」とメンションされたので霞が関とか永田町とかその辺りとのパイプを期待しているのかなと思ったのですが、例えば万博の事とか彦根城の世界遺産登録など、多少岸本副知事と役割が重なるかもしれないですがそのあたりはいかがですか。
【知事】
そうですね、以前は経験豊かな退職直前の方が東京本部長を引き受けられるということが多かったんですけれども、私になってからそして東さんあたりから、これから庁内で幹部になっていただく方に東京本部長になっていただくようにというふうに変えました。従って精力的に動いていただいて、いろいろな人脈、関係をつくっていただいた上で、経験をしていただいた上で、それを庁内での政策づくりに反映させようという思いでございますので、そういう意味で私が東京本部長にあてた方が副知事になられるとすれば初めてのことですので、そういう意味でも様々な取組について手腕を発揮していただくことを期待しています。
[中日新聞]
今の副知事人事の質問に重ねてですが、江島さんを1期のタイミングで2期目に再任ということをせず変えるというのは何か背景があったのでしょうか。
【知事】
任期1期何年という、副知事の場合であれば4年というのがありますので、タイミングタイミングで出処進退を考えていくということはどなたのどの人事に対してもやっていることですので、かつ優れた方でもとても頑張っていただいている方でも永遠に担っていただくことができないとすれば、どのタイミングでどなたにバトンタッチしていくのか、これが県行政の継続性という観点からも重要だということですので、江島さんも私の右腕左腕いろいろなサポートをしていただいたとても信頼できる優秀な副知事でいらっしゃいましたけれども、このタイミングでバトンタッチしようということを決断させていただいて提案をしております。
[中日新聞]
話変わりまして、今国会で石破さんの10万円の商品券問題がいろいろ噴出していますがこれについての受け止めと、石場さんは違法性がないという説明をされていますがそういった諸々の説明に対しての知事のお考えをお聞かせ願えればと思います。
【知事】
総理として苦労されている、頑張っていらっしゃる、当選1回生の方を労おうということで会を催され、そして少しでも気持ちをお示ししたいということで今報じられているようなことが行われたのではないかと思いますが、ちょっとタイミングが悪かったということとか、ちょっとこのタイミングでそういう金額でそういう渡し方かということについて、強い御批判を受けていらっしゃるのではないかなと思います。今予算の審議が参議院で佳境に入っていますし、与党少数の中で様々な修正、説明、調整を余儀なくされていらっしゃると思いますので、国民生活が影響を受けることがないようにより良い形で国の予算が決められるようにそういった今お尋ねいただいたような問題が足かせにならないことを願っているところです。
[中日新聞]
確認ですがタイミングが悪かったというそのタイミングというのは、世間的にやはり政治とお金の問題というのが注目されたこのタイミングという認識で大丈夫ですか。
【知事】
そうですね。やはりこの政治と金、政治家の様々な行動というのが注視されている。以前よりも厳しい目で見られている。そういう状況下で、ここでやられるのかという思いは多くの方がお持ちになるんじゃないかなと思います。もちろんそのこと、その行動自体がどうなのかということも当然問われることなのかもしれませんが。様々な気持ちの示し方というのは時々あったのかもしれません。
[日本経済新聞]
先ほどの副知事の人事に関して追加でお聞きします。東さんに何か特別なミッションというか、特にこの分野で期待している、そういったものはありますか。
【知事】
まずはお諮りした人事案、どのように処理、そして御議決をいただくのかっていうことを待ちたいと思いますが、副知事は全体を見渡すバランスも必要ですのでそういう私の目の行き届かないところ、庁内外見ていただきながら情報を共有していただくということがまず必要だと思います。具体的にどういうミッションをこのタームで東新副知事にお願いするのかということについては今考えているところでございますので、また決まり次第皆さんにお伝えしたいと思います。
[日本経済新聞]
先ほど知事が「東京にもいたし」とメンションされたので霞が関とか永田町とかその辺りとのパイプを期待しているのかなと思ったのですが、例えば万博の事とか彦根城の世界遺産登録など、多少岸本副知事と役割が重なるかもしれないですがそのあたりはいかがですか。
【知事】
そうですね、以前は経験豊かな退職直前の方が東京本部長を引き受けられるということが多かったんですけれども、私になってからそして東さんあたりから、これから庁内で幹部になっていただく方に東京本部長になっていただくようにというふうに変えました。従って精力的に動いていただいて、いろいろな人脈、関係をつくっていただいた上で、経験をしていただいた上で、それを庁内での政策づくりに反映させようという思いでございますので、そういう意味で私が東京本部長にあてた方が副知事になられるとすれば初めてのことですので、そういう意味でも様々な取組について手腕を発揮していただくことを期待しています。
[中日新聞]
今の副知事人事の質問に重ねてですが、江島さんを1期のタイミングで2期目に再任ということをせず変えるというのは何か背景があったのでしょうか。
【知事】
任期1期何年という、副知事の場合であれば4年というのがありますので、タイミングタイミングで出処進退を考えていくということはどなたのどの人事に対してもやっていることですので、かつ優れた方でもとても頑張っていただいている方でも永遠に担っていただくことができないとすれば、どのタイミングでどなたにバトンタッチしていくのか、これが県行政の継続性という観点からも重要だということですので、江島さんも私の右腕左腕いろいろなサポートをしていただいたとても信頼できる優秀な副知事でいらっしゃいましたけれども、このタイミングでバトンタッチしようということを決断させていただいて提案をしております。
[中日新聞]
話変わりまして、今国会で石破さんの10万円の商品券問題がいろいろ噴出していますがこれについての受け止めと、石場さんは違法性がないという説明をされていますがそういった諸々の説明に対しての知事のお考えをお聞かせ願えればと思います。
【知事】
総理として苦労されている、頑張っていらっしゃる、当選1回生の方を労おうということで会を催され、そして少しでも気持ちをお示ししたいということで今報じられているようなことが行われたのではないかと思いますが、ちょっとタイミングが悪かったということとか、ちょっとこのタイミングでそういう金額でそういう渡し方かということについて、強い御批判を受けていらっしゃるのではないかなと思います。今予算の審議が参議院で佳境に入っていますし、与党少数の中で様々な修正、説明、調整を余儀なくされていらっしゃると思いますので、国民生活が影響を受けることがないようにより良い形で国の予算が決められるようにそういった今お尋ねいただいたような問題が足かせにならないことを願っているところです。
[中日新聞]
確認ですがタイミングが悪かったというそのタイミングというのは、世間的にやはり政治とお金の問題というのが注目されたこのタイミングという認識で大丈夫ですか。
【知事】
そうですね。やはりこの政治と金、政治家の様々な行動というのが注視されている。以前よりも厳しい目で見られている。そういう状況下で、ここでやられるのかという思いは多くの方がお持ちになるんじゃないかなと思います。もちろんそのこと、その行動自体がどうなのかということも当然問われることなのかもしれませんが。様々な気持ちの示し方というのは時々あったのかもしれません。
[NHK]
3月8日の国際女性デーに合わせて、上智大学の三浦まり教授などが国の統計資料などをもとに都道府県版ジェンダーギャップ指数というデータを発表されていまして、その中で滋賀県は県の管理職の女性が多かったり、市町の管理職の女性の割合が高い等で行政分野では3位ということで非常に高かったようなんですけれども、一方で教育では41位、経済では44位とちょっと課題も見えてきていると思いますが、このジェンダーギャップの問題について、知事はどのあたりが課題だと感じていらっしゃって、今後どういうところをさらに改善していこうと考えられているかお願いいたします。
【知事】
タイミングに合わせて、その時々の統計資料で分野ごとにテーマごとに都道府県を比較評価されるこの指標は私もいつも注目して見ております。良かったことは励みにしながら、まだまだ課題だと思うことは改善に向けて努力をしたいという思いです。そういう中で、ジェンダーギャップをどのように捉えているのかということなんですけれども私は大きく二つあると思います。一つはどちらかというと家庭の役割や地域の役割を固定的に女性が担うことが多い状況の中で、例えば給料であるとか立場であるとかそういうものに男女間のギャップが厳然として存在してしまっている。その事が社会や企業、職場の多様性を十分保てなかったり、意思決定の面でみんなのための意思決定ができていないのではないかと。またイノベーションも起こらないのではないかと。こういったことをどのように乗り越え、こういうことが一つ。二つ目はアンコンシャスな形で知らず知らずのうちにそういったことが蔓延してしまって、男性はこういうもの女性はこういうものということで固定化され、これも様々な意思決定や行動の面でそれがずっと続いてしまうと。なかなか変えられないと。こういったことがあろうかと思いますので、この両面からアンコンシャスな無意識のうちにやってしまうような言動を改めていく取組や、今あるギャップをポジティブアクションを含めて解消するような様々な取組をしていく。県でも今様々な審議会等の男女割合を変えていく取組、特に防災会議などは新たに委員を増やして多くの方々の御意見、とりわけ災害時に多くの問題を抱える女性も男性も高齢者の方々もそういう声が届けられるような意思決定の仕組みを整え始めているところでありますので、そういったことに結びつけていきたいと思います。ただ、まだまだ経済や教育の面で届かないところについても、どういったところに問題があるのかというのを見定めながら、様々な取組を進めていきたいと思います。
[NHK]
ありがとうございます。個別の細かい項目の中で、なんでだろうと思ったところが1点あります。それが4年制大学への進学率だったんですけれども男子が57.2%に対して女子は46.8%と他の府県に比べても差が開いていて、例えば京都なんかは女性の方が高くなっているんですけれども、同じように影響を受けやすい府県でそれほど大学が遠いわけでもないのに10ポイント以上男子と女子で差があるというのは何か滋賀県の特性があるのでしょうか。
【知事】
すいません、どの時点のどの統計を取ってそのように出ているのかということもあろうかと思いますので、今申し上げたように例えば教育の面で経済の面でどういったところが劣っているのか、課題なのかというのを分析した上で、どういう手が打っていけるのかというのを考えていきたいと思います。
[読売新聞]
昨日滋賀地域交通計画の骨子案が発表されまして、地域交通の現状維持として交通税の創設も視野にというお話だったと思います。改めて知事として昨日の骨子案の公表も踏まえて、現状の交通税に対する捉え方、検討のあり方についての御見解を伺えますでしょうか。
【知事】
はい、これまでの議論ですね、ビジョンを昨年策定して、ビジョンを具現化するための計画づくりを行っておりまして、ワークショップやフォーラムを開催してきました。その中での議論をもとに地域交通計画の骨子案として、議会の皆様方もって県民の皆様方にこの時点の考え方というものをお示しさせていただいたということです。これまでの議論からいたしますれば、シナリオを3つつくりまして議論をしてきました。地域交通が充実した暮らし。そして車と地域交通の両方を利用する暮らし。さらには移動を市場原理に委ねるという暮らし。このABC3つを提示しながら議論してきましたけれども、概ねこの最初に申し上げた地域交通が充実した暮らしですとか、車と地域交通の両方を利用する暮らしを支持する御意見が多かったのではないかということと、さらには県内も地域がいろいろですので、地域交通主体で移動できる暮らしを追求できるところや、送迎とか自家用車、ボランティア輸送等で移動することを前提としてつくっていくことが必要な地域がございますので、こういうこれまでの議論とそれぞれの地域の特性を踏まえて、今ある既存の手段を維持する、強化するためにどれだけ必要なのか。さらには新たな投資、目指す姿を実現するために追加で必要な取組等も提示した上で、費用等も概算でお示しをさせていただきました。こういった望む暮らし、移動というものを実現するためにこの骨子案をお示しいたしましたので、それらを実現するためにさらにどういう取組をしていく必要があるのかということを議論していく素材にしていきたいと思います。したがって実現するためには財源が必要である。新たな投資を含めて足らない部分を例えば交通税というもので担った場合、どういう暮らしや社会になるのかということを今後お示ししながら議論していきたいと思います。
[日本経済新聞]
交通税という表現は去年の3月にまとめられたビジョンの文言ですよね。今回の文言は相当踏み込んでいる感じがします。県の税制審議会の答申の表現も結構踏襲しているのかなと思ったんだけども、「広く負担してもらう」とか「そういった手段が適当」だとか、最後には交通税をきちんと明記して、このあり方って言っているけども「検討する」とはっきり言っている。この1年間でずいぶんスタンスが強くなったなという印象を普通は受けますよね。こういう表現を使うというのは知事の指示ですか。
【知事】
もちろん私自身としてどういうこの時点での骨子案としてのお示しの仕方がいいのかというのは、検討、協議した上で出させていただいております。いつまでも表現が変わらないというのもこの間の議論をどのように考えるのかということからするといかがなものかと思いますので、今よりも交通なり移動の手段が少なくなっていい、充実しなくてもいいという御意見はこの間のフォーラムやワークショップではほとんどなかったと。もちろん受益者負担ということは原則とすべきではないかということは多く御意見をいただきました。当然受益者負担というものは乗った人が払う、事業者が頑張って経営をしていくというのは原則になっていると思いますが、それだけでは足りない部分をどのように支えるのか。つくるのか。また、そういったものが維持強化される社会というものがもたらす効果というものをどのように見るのか。ということを考えれば、税制審議会でも御議論いただいた、広くみんなで分かち合う、負担を分担し合う税という選択肢を示していくというのもこれは自治体のあり方として責任のある姿でないかなと思います。当然国がやるべきではないのという議論もありますが、国がやらないときに自治体で考えていくという姿勢も常に持ちながら議論することも必要ではないかと考えておりますので、この骨子案を示す段階で、皆さんのお手元にもあると思いますが新たな財源負担を利用者や交通事業者以外の主体も含め広く分かち合うことが望ましいという表現であるとか、安定的な財源である必要があるということと、地域交通を支える税(交通税)の在り方について、公論熟議で検討し、この計画の中にも記載するということを申し上げてお示しをいたしました。ただ例えば県議会でも、多くの御意見をいただきましたし、そしてこういう会見を御覧になっていただいている方からまた多くの御意見御提言等もいただくでしょうから、そういうものを十分踏まえて計画づくりに反映させていこうと思います。
[日本経済新聞]
わかりました。かなり意識してやっぱり書きぶりを変えているということですね。つまり毎回毎回同じ書きぶりではどうかという発言がありましたけれども、それはやはり意図的に書きぶりを変えているという。このベクトルとすれば要するに導入に近い方向にちょっと受け止められるような表現になってると。
【知事】
受け止めはそれぞれの方の受け止めとして理解をしていきたいし、私自身もそれをおっしゃっていただけるなら受け止めたいと思います。言葉は言霊ですのでいつも考えて書き、そしてお届けしているつもりです。
[日本経済新聞]
言霊というのは要するに何度も何度も言っていると、それがいつか実現するということが前提となった言葉だと思うんですよね。多分国語辞典を見ても。つまり実現するといいなという知事の意思の表れですか。
【知事】
何をもって実現というかということですけど、従来から申し上げているとおり、私達が暮らす上でもちろん車で移動ということもあります。歩いて移動ということもあります。自転車で移動ということもありますが公共交通を使って目的地まで移動ということは多くあります。そのことによって会いたい人に会える。行きたいところに行ける。そして様々な暮らしが充実するという、福祉の面でも教育の面でも大変重要なこれは生活の営みだと思います。そういうもので発展してきた滋賀県が高齢化していく中でいろいろな課題がある状況をどのように乗り越えていくのかという中で、当然国の補助金も使います、利用者も負担します、事業者も頑張るがそれだけでは足りない財源や負担があるとすればそれをどうやって賄いますかという問いかけは常にやることが私は責任ある自治の姿ではないかなと考えておりますので、ここでもそのことをお示しさせていただきました。
[朝日新聞]
今、ちょうど税の話が出たので、税に対しての知事のお考えをお聞かせいただければと思います。昨今、霞が関界隈で財務省解体を訴えるデモが続いています。見ていると、少なからずの人数が参加していて、そこでは財務省の職員に対して税金泥棒といった罵声を浴びせたりとか、あるいは、財務省には日本人は1人もいないといったような誤った情報がいろいろ飛び交っているということです。それだけではなく、例えば史上最高の税収であるにもかかわらず、なぜ能登の復興がされないのかという指摘があったりします。こうした疑問や不信については、そう言いたくなる気持ちについてはある程度わかる気もするような意見もあります。こういうふうに今広く税を取られていくことについての不安や不信あるいは反発みたいな空気がある程度広がっているという現状があるのかなと感じています。行政は税収をもとに施策を進めていくという役目があるわけですが、この滋賀県という行政の長として、こうした税に対する不信や不満、反発が広がっている状況についてどのようにお考えでしょうか。
【知事】
私は財務省解体デモ、今お尋ねいただいたような事象がどこで、どういった形で、どれぐらいの規模で、どういう主張をなさっているのかというのを直接見たことがありませんのでそこは定かではありませんが、そういった国の省庁、私は大切な役割を果たしていると思うこの財務省を解体せよというような主張が強く、大きくなされるということは、建設的なことではないと思います。行政や自治が問われているかと思います。今ある状況、そして多くの方々の気持ち、そういうものを汲み取りながらどういう行政を行っていくのかということが必要だと思いますので、例えば今例に出された震災からの復興とか、痛税感とか、重税感とか、暮らしの物価が上がっていて厳しい苦しいという気持ちをそういう形で主張するのではなく、然らばどういう施策をつくっていくのかという議論が、例えば国レベルでもそうですし、自治体レベルでも行われることが望ましいのではないかと思います。そういう状態が可能になるように私は知事として努力を続けていきたいと思います。
[朝日新聞]
国会でももちろんデモだけではなくて減税あるいは無償化といった国民負担とは逆方向の主張が非常に歓迎されるような空気というのが広がっているように感じます。そのため、こうした国民と市民の間で、そしてその税に対するいろいろ反発する気持ちがあり、国会の中でもこうした国民負担ということではなく、もらう側の求める声が非常に強くなっているという状況の中で、例えば県として新たな税を県民に求めていくということがもしあるとするならば、どういうことがあれば県民の理解や納得を得ることができるのか、そのために何が重要なのかということについては、知事としてどういうふうに考えていらっしゃいますか。
【知事】
大変本質的なお問いだと思いますが、それに対して月並みな表現で恐縮なのですが、やはり信、「信頼」。この行政ならばということは、当然これは税のみならずですけれども、様々な規制に対してもそうでしょうし、ここは重要なものになってくるのではないかと思います。
[朝日新聞]
まさに、自治体への信頼感というのは非常に重要だと思います。例えば、北欧のフィンランドなどは税負担が日本に比べて遥かに高いところでありますけれども、それでも幸福度は非常に高くて世界ナンバー1です。そうしたところでは税金泥棒とかあるいはそういった趣旨のデモがあるとはとても考えにくいわけですけれども、なぜ他の国ではそういうことが起こらず、日本ではこういうことが起きているのかというのを考えると、やはり今知事がおっしゃったように、政府に対しての信頼感が非常に揺らいでいるという状況があるのかなと思います。そうしたときに、税をもとに施策を行っていく政府や自治体が信頼感というのを得ていくことができるかというのを考える上で、1つはこの税というものが一体誰のために何のために使うのかということをしっかりとそのイメージを届けることがやはり必要なのかなということです。あともう1つはその税を使って何をやったのか、いわゆる所得税や住民税と違って県としてもしも新たな税金を考えるのであれば、目的をはっきりさせることになると思いますので、その税金を使ってどういう成果が成し遂げられるのか、成し遂げたのか、あるいはここまでしかできずこういうことができなかったということをきちんと示すということが非常に重要なのかなと思います。これからどういう形の施策になっていくかはともかくとして、この税を導入することに対して必要とされる自治体への信頼を回復するためにどういうことが求められているかということについて、どんなふうに考えていらっしゃいますか。
【知事】
例えば税制審議会で議論している森林づくり県民税とか、産業廃棄物税とか、それぞれの税目ごとに使途や目的等を定めて、引き続きその税を創設し続けるのか、また変えていくのかという議論は丁寧にしておりますので、これはこれからも大事にしていきたいと思っております。税のことを語る前に、やはりどういう暮らしを一緒に住んでいるこの滋賀で、ともに生きるために、支え合っていくためにしていくのかということを、できるだけわかりやすく、そして同じ目線で暮らしと直結する形で話し、語り、共有していく。それらを実現するために、例えば税というものがあったらどうなるのか、どう変わるのかということを示していくというこのプロセスが大事だと思いますので、例えば交通についても、先ほどからお尋ねがあるように、今プロセスを大事に歩んでいるところですので、そこはこれからも大事にしていきたいと思います。そういう中に一緒につくっていくという信頼関係とか、協調関係、競争関係が生まれてくるのではないかと思います。
[朝日新聞]
この税の場合は、前にもお話させていただいたことがありますけども、税についてもいろいろありますが、やはり損得の感情を超えたところ、もっとより深い、知事がおっしゃるとおり、どうより良い社会をつくって生活を良くしていくのかという、損得を超えたある意味哲学みたいなところの議論というのをもっと理解を広げていくということがやはり県民に理解や納得を得る大きな足がかりになっていくのかなと思うので、そこはこれからいろいろな議論がされていくと思いますけれども、そこは時間をかけてでも丁寧にやっていかれることが必要なのかなと思います。
【知事】
私は滋賀に一緒に住んでいる方を信じていますので、だからこそこの税の議論も逃げずに問いかけ投げかけながら、この交通のあり方や暮らしのあり方を一緒に考えておりますので、これからも引き続き丁寧に進んでいきたいと思います。