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知事定例記者会見(2025年3月11日)

令和7年3月11日

(県政記者クラブ主催)

会見の画像

【知事】

 今日もよろしくお願いいたします。東日本大震災から14年という節目です。後ほど県庁内でも一分間の黙祷の時間を取らせていただきます。今なお避難されている方や、また大切な人、モノを失われた方など被災された多くの方々に心を寄せたいと思います。またその後、昨年の能登半島地震含め、幾多の災害に見舞われているわけですが、そういった災害、被災地、被災者に寄り添うということとあわせて、そういった災害を教訓として大切な命、暮らしを守っていく、生き延びていく、そういう防災をみんなでつくっていきたいと思います。

 先週末はびわ湖開きも行われました。久しぶりにいいお天気のもとNHK連続テレビ小説の出演者、妃海風さんをお迎えしてのびわ湖開きということでございましたし、大津港に「BIWAKO」というモニュメントも大津中央ロータリークラブの皆さんが設置をしていただいたということもございました。

 また一昨日には第3回となります「びわ湖マラソン2025」。7,000人を超えるランナーの皆さん、そして3,000名近いボランティアの皆さんに御参加いただいて、こちらも好天のもと開催することができました。どこのテレビ局かわかりませんけど、行き絶え絶えで、めっちゃしんどい時にインタビューをしてきたというね。もうほとんど答えられなかったですけど。(モニタの写真を指して)頑張って答えている様子がございますが、私はペアリレーに初めて出場し、26キロと16キロを分けて走ることができましたが、多くの方と声を掛け合いながら、雪化粧する山々そして琵琶湖の風景を楽しみながらステーションでいただく水や食べ物、こういったものも楽しみながら走ることができたと。あと一番感動的だったのはゴール地点で完走された方を最終ランナーまで約2時間、出迎えたんですけれども、その場面で多くの方から「いいコースやったな」「走れてよかったわ」「応援ありがとう」「来年も来るから」ということで多くのお声がけいただきながら完走者を迎えられたことは、また頑張ろうと思える瞬間でしたね。今年は国スポ・障スポもございますので、スポーツをする・みる・支える、みんなで機運を盛り上げ「健康しが」の取組をさらに前に進めていきたいと思います。

 既に御案内していますが、湖国・滋賀の春の風物詩の一つ、びわ湖ホールでの「びわ湖の春 音楽祭」こちらが4月26日土曜日、4月27日日曜日の両日開催されます。お手元にパンフレットもあろうかと思いますが、2日間で25の公演が開催されます。テーマが「挑戦」となっているんですかね。いろんな挑戦をそれぞれの方がされるんでしょうけれども、一つの挑戦として、県内の高校生などでつくる合同合唱団とびわ湖ホール声楽アンサンブルとの競演という新たな試みもあるということですので、ぜひお楽しみいただければと思います。チケットの一般発売が今週末の15日土曜日ということでございますのでお求めいただければと存じます。

 それでは資料に基づきまして2つ御紹介いたします。1つ目は「建築物木材利用促進協定」を県内の建築関係5つの団体と締結することになりました。本県としては4件目の協定となります。この協定を締結させていただくのは、滋賀県建築士事務所協会様はじめ滋賀県建築士会様など県内の建築設計に関する5つの団体の皆さんとであります。令和3年10月に通称でございますが「都市(まち)の木造化推進法」この改正法の施行がございましたし、令和5年3月には、これは県議会で「滋賀県県産材の利用の推進に関する条例」を制定していただきました。こういったことを契機に県内の建築物の木材利用、これは木造化も木質化も含めてですけれども利用促進を通じて、CO2ネットゼロ社会づくりの推進、またSDGsの達成、切って・使って・また植えるという循環を回していくという取組をぜひ進めていきたいということで今回の関係団体にも御理解・共有をいただき協定を締結することになりました。都道府県内の主要な建築団体全ての皆さんと同時に協定を締結するのは全国初の取組だということだそうでございます。これまでたねやさんをはじめ個別の企業の方々との協定でございましたが、今回は県域の関係団体との協定ということでございますので、県内の建築業界全体で設計される皆さんですから、こういうことで県産材使えませんかという御指南も途中、途中もいただけるということでございますので建築物への県産材、また木材の利用促進の機運が高まって、もって県内のびわ湖材の利用も一層広がることを期待しております。締結式は来週18日火曜日に行います。

 もう1点、「琵琶湖ハンドブック四訂版」を発行させていただくことになりましたのでお知らせをさせていただきます。これは琵琶湖の「小事典」と言われる(サンプルを手に取って)表紙のサンプルです。こういう表紙のデザインになるそうです。今回は7年ぶりの改訂ということでございます。「THEしがパーク」の取組とか「びわ活」「琵琶湖の全層循環」そして昨年議決された「世界湖沼の日」など琵琶湖に関わる最新のトピックスを追加いたしました。また各項目に該当するMLGsのゴールを掲載しております。公開は3月21日金曜日から。滋賀県ホームページで掲載いたしますほか、県内図書館等でも閲覧いただけます。また、滋賀県の環境学習センター、こちらは琵琶湖博物館の中にございますが、こちらでも貸し出しがされます。「紙媒体が欲しいな」「手に取りたいな」という方は県民情報室にて1冊800円で、今回からはじめて有料ということで800円でお買い求めいただけます。あわせて概要版の「びわ湖を学ぼう」という、こちらは無償で頒布させていただきます。今回の琵琶湖ハンドブック四訂版発行を記念いたしまして「琵琶湖なんでも相談室」を、ちょうど春休みの方も多いんじゃないでしょうか、3月21日から4月30日まで期間限定でインスタグラム上にオープンします。琵琶湖に関する疑問を県環境政策課のインスタグラムアカウントで受付いたしまして、琵琶湖の各分野のプロフェッショナルが疑問にお答えをいたします。今回のこのハンドブックは電子書籍化も行います。こちら電子書籍は無料ということだそうでございます。また概要版の「びわ湖を学ぼう」の方は英語版を作成いたしまして大阪・関西万博でも配布予定でございます。ただ予算に入っておりますので、議決され次第作成に取りかかりまして、8月27日「世界湖沼の日」以降、万博会場でお配りする予定でございます。御覧になった方も多いと思いますが、たくさんの内容が詰まった非常に読みごたえのある、それぞれの疑問に寄り添い、答えてくれるとても良いハンドブックでございますので、ぜひ概要版を含めて最新の琵琶湖の状況を御覧いただければと存じます。私からは以上でございます。

 

[京都新聞]

 今発表いただいた琵琶湖ハンドブックですが、資料にも「関西万博を契機に琵琶湖の魅力を世界へ」と書かれていて概要版について会場で配布されるというお話がありましたが、何かそれ以外にこのハンドブックの情報や内容を世界もしくは万博を機会にした発信というので予定されていることはあるのでしょうか。

 

【知事】

 それ以外にといいますか、まず関西パビリオンの中にある滋賀県ブースは「Mother Lake ~びわ湖とともに脈々と~」というテーマで4月13日から半年間展示いたしますし、ウィークも2回ありますし、滋賀県デイもございますので、折りに触れ、琵琶湖を取り巻く生き物や環境のことは御紹介する機会があろうかと思いますので、いろいろな機会を利用して琵琶湖の最新の状況、歴史とともに御紹介していきたいと思っています。またそこをゲートウェイにして、実際に見に来ていただくとか、楽しんでいただく、感じていただく、そういう機会も大事にしたいと思いますので、シガリズム含めて観光と絡めて様々な誘いをしていければというふうに思っております。

 

[京都新聞]

 国内外から観光も含めて万博に来られ、関西を訪れる方が増えると予想されている中での滋賀の観光発信について伺いたいのですが、先般の議会の方でも「そこ滋賀」の話が出ておりました。大阪や京都へ万博を機に訪れる方を滋賀に呼び込む上で、拠点も含めて滋賀に呼び込むための観光戦略をどのように考えていらっしゃるでしょうか。

 

【知事】

 いろいろな方策があろうかと思います。当然旅行される前、どこに行こうかな、アジア、日本、日本の中のどこにという計画される方々に訴求するコンテンツ含めてのプロモーション。先般もフランス等で行いましたので、こういった取組をエリア・ターゲット・タイミング見ながら行っていくということと、あわせて先ほど申し上げたように万博をゲートウェイにして、実際にパビリオン会場に来られた方に滋賀の観光を御紹介するということもございますし、「ここ滋賀」含め現に来られてる方、これは旅前のプロモーションと違って旅中のプロモーションと言われるそうですけれども「他にどっか行くとこない」「近くでどっかいいとこない」という方々に御紹介する、そういうプロモーションもあわせてやっていくということも大事にしていきたいと思います。とりわけ4月からは関西、またお隣の京都にもたくさんの方がお越しいただきますので、そういった方々に滋賀の場所、またいいところ、美味しいもの、そういったことを効果的にPRできるように、残念ながら「そこ滋賀」というのは、コロナもあって現在は設置していない状況でございますが、代わりにどういう場所で設置するのかということも含めて現在検討しているところですので、場所にしろ、またSNS・ Webでの紹介にしろ、より効果的な方策で皆さんにPRしていけるように努めていきたいと思います。

 

[京都新聞]

 最後に話が変わるのですが、びわ湖ホールの休館が発表されたかと思います。聴きに行く方も演奏される方も含めて利用が多い施設だと思います。またその周辺地域にとっては人流の拠点といいますか、びわ湖ホールがあることでうまれる人の流れであったり、賑わいもあるかと思うのですが1年半以上休館することに対して、演奏の機会の確保、音楽鑑賞の機会の確保であったり、あるいは周辺の賑わいが失われないようにであったり、そういった点で県として何か対応しようと考えていらっしゃることはあるでしょうか。

 

【知事】

 現時点はありません。基本はびわ湖ホールをよりよくリニューアルするために最善を尽くしていきたいと思います。ただおっしゃったように長期に渡る期間多くの方々がお運びいただいている施設を閉じさせていただくことになりますので、びわ湖ホールで行っていることや文化芸術の鑑賞の機会を、またびわ湖ホールへの関心をきちんと繋ぎとめるためにもアウトリーチ含めて出かけていって、いろいろなPR活動をしていくことになると思います。あわせて大津市にとっても非常に多くの方が周遊される場所でもありますので、大津市などと連携いたしまして、どのように人の流れを今後も確保していくのかということについては、これはしっかりと話し合って、必要な対策を講じていきたいと思います。

 

[京都放送]

 大阪・関西万博まで約1か月余りということで、段々と開催時期が迫ってきている中で、少し盛り上がりに欠けていると感じているのですが、知事としてはどのように思われていますでしょうか。また、今回の琵琶湖ハンドブック四訂版を大阪・関西万博にどのように関連させていく予定があるのかという、2点についてお伺いできたらと思います。

 

【知事】

 大阪・関西万博までいよいよ近づいてきました。段々とパビリオンの展示内容やいろいろな興行の内容、催事の内容、こういったものが明らかになってきましたし、チケットの販売環境なども随時、改善されてきているようですので、段々と関心が高まり、少しずつ予定に入りかけ始めているのではないかと思っています。まずは無事に開幕を迎え、そしてより多くの方々に安全にお楽しみいただける環境をつくるために尽力をしてまいりたいと思います。2,800万人を超える方々が御来場され、350万人を超える外国人の方々の御来場も予定されておりますので、万博会場でのお楽しみと、万博会場から滋賀県への誘いを行っていけるように、我々も努力をしていきたいと思います。また併せて、先ほど琵琶湖ハンドブックを御紹介しましたが、琵琶湖と繋がる水の繋がりの上にある夢洲で「いのち輝く未来社会のデザイン」ということで、万国博覧会が開催されますので、当然このような琵琶湖をはじめとする水の恵み、その中での命を、どのように守り、育まれてきたのか、ということを御紹介する良いチャンスでもありますし、「世界湖沼の日」の認定もされましたので、そういったことをPRするとか、我々も単に来られた方に受身で見せるだけではなくて、各国や各企業等がいろいろな展示をここでされるでしょうから、私やいろいろな職員が見に行って、最新の知見、そしてこれからの取組、それらを感じて、これからの政策に生かしていくようなことも積極的にやっていけたらと思っています。そして何より、子どもたちを万博に招待するという取組を行っていますので、その中で子どもたちが安全に楽しみながら、将来に向かって夢を描けるような、そういったことも後押ししていければと思っております。

[NHK]

 国スポ・障スポ大会について、昨日も日本スポーツ協会の有識者会議の方で国スポ・障スポ大会の改革の方向性についての提言が取りまとめられまして、トップアスリートが参加しやすいような時期や時間を柔軟性に設定することや、施設の整備改修費用を必要最低限にすることなどが盛り込まれたのですが、これについて今年の開催県である滋賀県の知事としてどのように受け止められていますでしょうか。

 

【知事】

 「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ大会」を開催させていただく滋賀県としては、200日後に迫ったこの大会を盛り上げて、全国から来られる方々を温かくお迎え、おもてなしをして、そして健康づくりも含めて、スポーツを「する」「見る」「支える」、このレガシーを、その後の県づくりに生かしていく、「健康しが」づくりに生かす、この事に全力を注いでいきたいと思っております。ただ、この国スポ・障スポ大会を開催するために、また今後、開催するために、これまでかけてきた労力と同じものをかけ続けるのかというこの提起を全国知事会からさせていただいて、日本スポーツ協会でもこの間、有識者会議等を設けて、精力的に検討していただいて、先ほどお尋ねの中で御紹介いただいたようなことを含めて、改革の提言案が取りまとめられたと承知をしております。私も詳細全てをつまびらかに見たわけではないのですが、通年開催や、開閉会式の簡素化、いろいろな施設基準の見直しなども盛り込まれているようでございますので、最終どのように決定されるのかということや、今後は日本スポーツ協会の中でもこの提言案をもとに、議論が行われると承知をしておりますので、最終の着地点をしっかりと見極めていきたいと思っております。今後の2巡目の後半、そして3巡目に向けた大事な議論だと思いますので、ここは知事としても、強い関心を持って注視していきたいと思っております。

 

[NHK]

 通年開催や式の簡素化について、国スポ・障スポ大会を御経験されている身としてはどのように受け止められますか。

 

【知事】

 まず今年の会期も、そして概要も、既に今、準備・検討をさせていただいておりますし、例えば、その中においても、開閉会式などはアスリートファーストで長時間ではなく短時間でとか、あと華美なものではなくて、できるだけ効率的で簡素なものでということで、今、準備を進めておりますので、それはしっかりと完遂しつつ、既にいろいろなアンケート調査で申し上げておりますので、それらを反映されての提言案だと承知をしておりますが、更に必要であれば、今年の開催県として得られた経験等を申し上げていきたいと思います。

 

[NHK]

 議会で示された国スポ・障スポ大会の経済効果の試算結果について、試算方法とその結果の受け止めについてお伺いします。

 

【知事】

 予算特別委員会の中である議員の方からのお問い合わせに基づいて、答弁させていただいた内容のことをお尋ねいただいているのだと思いますが、国スポ・障スポ大会の経済波及効果について尋ねられて、滋賀県統計課で作っております経済波及効果試算ツールで大会に関するこれまでの契約実績、そして予算、先催県の状況等に基づいて試算いたしました結果、県内経済への波及効果額として約1326億円程度を見込んでいる、とお答えさせていただいたところです。内訳といたしましては、様々な施設整備等により約990億円余、そして開催をする経費、競技力を向上する対策等に約300億円、そして選手、監督、観覧者など、来られる方、参加される方の消費支出等による440億円、といった数値を見込んで、お答えしていると思います。

 

[NHK]

 国スポ・障スポ大会は、開催することで様々な価値があるとは思いますが、国スポ・障スポ大会の経済価値について、知事としてどのように受け止めておられますか。

 

【知事】

 経済の価値、経済というものをどう捉えるのか、価値、効果というものをどこまで含めるのかという考えは多々あると思います。ただ、県内の経済波及効果を簡易な効果試算ツールで見込んだだけでも、こういった試算ができるということで言えば、小さくない効果を生み出す大きなイベントではないかと思います。一方で、施設整備等の経費や、職員、大会スタッフの皆さんが動く際の経費、こういった経費と合わせると労力の面でかかるコストもございますので、そういったものの意味合いの中で、今後こういったイベントをどう考えていくのか、ということも論じられていくのだと思います。ただ、お尋ねの中にもあったように、発生する費用やこのように算出できる効果以上に、全国のアスリートの方と交流できることや、応援をすることによって感動が共有できる、様々なトップアスリートの競技が見れるといった、有形無形の様々な効果を発現できると思いますので、費用は最小限に、効果を最大限に生み出すことができるよう努めていきたいと思います。

 

[中日新聞]

 東日本大震災から14年ということで、防災危機管理局から、県内には130人以上の方が未だに避難されており、滋賀県職員もカウンターパートにより福島県に派遣されているということをお聞きしましたが、そういった教訓を引き継いでいく取組などについて、現在行われていることや今後実施されるものはありますでしょうか。

 

【知事】

 福島県と私達はカウンターパートで応援を続けてきましたので、実際、被災地福島県から避難され、現在も滋賀県内にお住みの方もいらっしゃいますし、

県職員、直近では特に防災、土木や農水のインフラ復旧を担当する職員を中心に継続的に派遣をしてきましたので、彼ら彼女ら、そして被災者の方々とのやり取りの中で波及される、波及していく被災地の教訓というものもあったと思います。

私自身は知事になる前、国会議員時代に何回か被災地に行かせていただき、知事になってからも視察等で行かしていただいた教訓を基に、想定したことまでしかできないということや、訓練でできないことは本番でもできない、ということや、想定以上のことが起こるということも想定しながら、自治体の防災対策は積み重ねていかなければならない、ということを折に触れ、申し上げているところですし、原発の防災については、やはり若狭湾に多くの原発施設がございますので、立地自治体には十分配慮しながらも、いざ事が起こったときに被害が起こりうる自治体としての責任というものを果たしていかなければならない、必要な訓練等もこれからもしっかり行っていき、いざという時に行動できるようにしておきたいと思います。

 

[中日新聞]

昨年実施された県庁内の予告なし訓練のような継続的な取組などはありますでしょうか。

 

【知事】

常に担当者も変わりますし、時間の経過とともに薄れるものもあるとすれば、定期的に能力を確認するための訓練といったものは、積み重ねていきたいと思います。またやり方も含めて更に考えていきたいと思います。

 

[共同通信社]

3月16日で北陸新幹線の延伸から1年になるかと思うのですが、福井県としては東京へのアクセスが向上したという反面、宿泊が伸びていないという報道が出たり、関西からの集客が伸び悩んでいるという地元の人の声を聞いたりしているのですが、知事の元には、どのような声が届いていて、どのように考えておられるのかをお聞かせ願えますでしょうか。

 

【知事】

北陸新幹線の敦賀以西延伸の早期着工、早期開業に向けては、いろいろな声が私のところにも寄せられています。私の立場としては、やはり高速鉄道のネットワークというのは、繋がっていた方が良い、繋げるのであれば、早く繋げた方が良いと思いますので、敦賀まで繋がってきたものをできるだけ早く、京都、大阪といった北陸と歴史的にも結びつきの強い関西地域と繋がっていけるように我々も努力をしていきたいと思っています。もちろん県内で「米原ルート」と言われる方には、国として決めているのは小浜から京都、ということになっているということと併せて、新幹線というのは繋がって良い面もあれば、繋がることで発生する費用との見合いで考えなければいけないこともあるし、新幹線が高速で繋がることで良いこともあれば、そうではないこともあるのではないかという、議論の種を皆様に投げかけていきたいと思います。

 

[時事通信]

生成AIの活用についてお尋ねします。中国発の生成AIとして今年1月にDeepSeekが発表されました。ChatGPTと同様に一部無料で利用できるといった点や開発コストを低く抑えられたという特徴がある一方で、個人情報の流出に懸念の声も上がっていて、政府機関などに対して利用するかどうか、内閣官房の専門部署に助言を求めて判断するよう注意喚起もしているということです。またこうしたことを受けて一部自治体でも業務用パソコンに対して使用制限をかけているということですが、現在滋賀県庁の業務用PCの中でも、ChatGPTが使用できたり活動方針として非公開情報を入力しないことということを示されていると思いますが、今後のDeepSeekを含む生成AIの活用方針について改めて知事のお考えをお願いいたします。

 

【知事】

私ども県としては既に生成AIの活用方針、これはバージョン1.5まで出させていただいております。こういった生成AIというものは活用ルールを遵守して、活用場面というものも参考にしながら積極的に活用しようと。特に発想を広げるための情報収集とか、壁打ちでやり取りしながらそうかそういう考えもあるかということとか、挨拶文なんかは私どもの挨拶よりも良い挨拶をタイミングに応じて出してくる場合もありますので。なるほどすごいなと思いながら見ることもありますし、答弁なんかだと定型的なものだともうこの生成AIでつくった方が基本になるものはいいものもできてくるのかもしれません。正確なものも含めて。ただ、入力する情報の取り扱いは今お尋ねがあったように個人情報を含む流出してはいけないものを入れないようにということとか、出てきたものの真偽 を確かめる、鵜呑みにするのではなくて、しっかりと確かめて公的な情報として発信するようにしようということなどは守りつつ、こういったツールを生かして生活をしていく、仕事をしていくということは積極的にやっていきたいというふうに思っています。

 

[時事通信]

具体的にDeepSeekの使用についての知事のお考えは今の段階ではございますでしょうか。

 

【知事】

特にありません。私個人的にはまだDeepSeekというそのもの自体を使ったことはありませんが、他のこういった生成AIのツールと同様に、今申し上げたような形で、特にどの国がとか、後で出てきたとかいうことだけをもって、何か規制をしたり、使わない使うということを積極的に、逆に消極的にやるということはないのではないかと思います。ただ、使う過程の中で何か問題があるとすれば行政として使っていくわけですから、慎重な判断、検討もしていきたいと思います。

 

 

[時事通信]

 関連で最後に一点だけお尋ねします。来年度の当初予算案の関係でもこの生成AIを活用した政策、例えば県民の声広場へのAI活用で自動応答システムを搭載し、声を収集したり分析したりということで政策の改善に繋げていきたいというものもあるかと思いますが、生成AI全体の活用として今後どういうふうに広げていきたいというお考えがありましたらお願いいたします。 

 

【知事】

 私も最新最高のものに常にこの分野で触れているわけではないので、どこまでのことができるようになっているのかというのはまだまだ未知ですが、この前の高校生サミットで出てきたような、チャットシステム、自動で応答するようなあの簡易なシステム一つとっても、きちんと情報が入っていれば、こちらから投げかけることに対して瞬時に回答が返ってくる。ましてや自動でそういったものがどんどん蓄積される頭脳を持つものであるとすれば、DeepSeekが可能なものであるとすれば、もうどんどん高度なものが我々の能力以上に返ってくる可能性はあるんだと思いますし、どんどん進化していくと思いますので、そういうものはまだまだ未知数だと思いますね。ただもう人間を超えているとすれば、人間が制御できなくなるのも近いのかもしれないという危機感を持って、こういうものに接していくということも必要なんだと思います。国際的にこういったものをどういうふうに使っていこうか、どう向き合っていこうかということも広島を機に、サミットでも議論されたというふうに承知をしておりますので、こういった知見はさらに共有し、高めていく努力もしていきたいと思っています。

 

 

[毎日新聞]

 びわ湖マラソンのことで伺いたいんですけども、今回ペアリレーマラソンを初めて導入されて、非常に好評で募集の定員に達するのも早かったとお聞きしました。またペーサーという役割もすごいランナーからは心強かったというふうにお聞きしました。こういった今回新たに導入された取組というのは、来年のマラソンにも取り入れていかれるお考えでしょうか。

 

【知事】

 例えば今回スタートする方がみんなこの競技場の中で待っていただけました。去年まではコロナのこともあったんですけど、隣のグランド、そのまた隣の場所にいていただいて、順次ここに入ってきていただいてスタートしていただくというところでしたが、一同にみんなが集まってみんなでスタートして、最初にスタートした人と後でスタートする人がみんなで頑張れを送ってということとか、今おっしゃったように、風船をつけたピンク色のTシャツ着た人が要所要所にいらっしゃって、15分おきか4時間のペース、4時間半のペース、この方についていけばそのペースで走ることができるということもございました。何より今回お天気も良くて、そして多くのサポーターの皆さんが、この写真には写っていませんけど沿道でお水のサーブ、食べ物のサーブ、声かけ、応援をしていただいた、そういうおかげ様でとってもいい大会が出来たのではないかなと思っています。またペアリレーという初めての試みもすることができましたので。もうちょっとどういうことだったのかというのは参加された方のいろいろな御感想も投稿されたりしているでしょうし、いろいろなお声も寄せられているでしょうから、ちょっと集約して来年に向けては考えていきたいと思います。(走ってみて)どうでしたか。

 

[毎日新聞]

 会場にはいきましたが、走れなかったです。

 

【知事】

 会場にはいらっしゃったんですけど走れなかったとすれば、また次回お楽しみいただければと思います。今回嬉しかったのは、僕も走りましたけど、いろいろなゼッケンの方、47都道府県全ての方が来られたんで、いろいろな地域の方からいろいろなお声がけいただいて、「青森から来ました」とか「沖縄から来ました」とか、そういう全国からお客様をお迎えすることのできるレースになったというのはなんか感慨深かったですね。あともう一つ嬉しかったのは、だんだん良くなってるねと。コースとかいろいろなおもてなしとか、トイレとかね。今回皇子山球場も大津市さんに御理解いただいて開けていただいたりとか、ゴール地点で選手の皆さんが着替えるテントをちゃんと立てましたので雨は降りませんでしたけど、日陰でお休みいただくこともできたということとか、すごく毎年いろいろなことを考えてくれているという御感想はいただいているのでこれは励みにしたいなと思っています。それにしても、ゴール直後にインタビューするのはやめてほしいなと。

 

[朝日新聞]

 今回の議会でも提案している滋賀県子ども基本条例案のことについてお伺いしたいと思います。この条例については広報活動あるいは啓発活動の充実ということも条文に盛り込まれていますが、この条例について当事者である子どもたち自身に知ってもらう、理解してもらうための政策としてはどのようなことを考えていらっしゃいますか。

 

【知事】

 まずつくる過程においてもできる限り多くの子どもたちの意見を集めてつくってきたつもりですので、この過程は皆さんにも御確認いただけるように成立後例えばこの条例の周知のためのパンフレットを作成して、かつその内容をワークショップで県内いくつかの地域で開催して、皆さんに御存知いただけるようにしていきたいこととか、当然子どもといっても年齢に応じた理解度、能力というものも差が出ますので、小学生向け、中高生向け、一般向け、分けてつくって理解を広げていきたいと思っております。また議会でも何点か取り上げられましたけど、新たに設置いたします子どもの権利委員会ですね。これは10月1日に設置予定でございますので、子どもの権利って何だい、どうなってるんだ、どうすればいいんだという御疑問等もあろうかと思いますので、出前講座等を実施しながら理解を広げていければと思います。

 

[朝日新聞]

 年齢に応じてということをおっしゃいましたけども、この条例を理解してもらいたい対象として考えている年齢というのは何歳以上の子どもを考えていらっしゃいますか。

 

【知事】

 そうですね、私なんかがよく子どもたちに話しかけるのは、小学校に入る前の子どもたちにもその年齢にわかりやすい言い方で、嫌なことはしないようにしようとか、いいものはいいねって言ってあげるようにしようとかというのは心がけているつもりなので、その年代にも僕たち私たちのルールがみんなで議論して決められたんだということは何らかの形で知らせられたらいいなと思っています。

 

[朝日新聞]

 年齢に応じてアプローチの仕方も変えてですね、わかりやすく伝えるという取組をされていくということは了解しましたけれども、ただこの条例そのものもですね、そういう解説書だとかそういうだけじゃなくて、この条例そのものを子ども自身が読んで理解するということも大事なのかなと思います。今回の条例を見てもですね、子どもが意見表明するために提供される条例として、子どもにとって十分かつわかりやすいものにするということが明記されています。まさにこの条例そのものが子どもが意見表明するために提供される情報として非常に重要なものだと思っています。そうしたときに、今回この条例を僕も読みましたが、やっぱりまさに条例で非常に難しい言葉を使い、書き方も普通の条例の書き方をしているので、僕も一読して理解ができないところもあって何度も読み返したりしたところもありました。そうしたときに、この子ども基本条例というのは一体誰のためにつくって、誰が読むということを想定して、この条例案をつくったのかということはちょっと考えてもいいのかなと思います。今回子どもの意見表明という非常にこれまでにないところまで踏み込んで、子どものためを思ってつくったという条例であるなら、従来の条例とは違った、本当に子ども自身が読めるような条文にするという取組があってもよかったのではと思います。今さら議会に出している条文そのものを変えるのは難しいのかもしれませんが、せめてルビを振る、あるいは子ども自身が自分のために書かれた条例ってどんなのかというのを本人が読めるぐらいなものにしていくということは、この条例の趣旨からしたら非常に大事なことなんじゃないかと思います。今までの条例でそんなものがあるとはとても思えないので、条例としては異質かもしれませんが、やっぱり新しいことにチャレンジするならちょっとやり過ぎじゃないかというぐらいのことがあってちょうどいいんじゃないかとおもいますので、是非そういうところをまだ何かしら対応可能ならば考えられたらどうかなと思いますがいかがでしょうか。

 

【知事】

 後ろに座っている県職員がすごい質問されるなと思いながら、みんなうなずきながら自分たちの部署に当てられたらどうしようかなと考えながら聞いている顔がとても印象的だったんですけど、後段おっしゃったようなことはよく受け止めて条文条例案はもう出していますので変えられませんが、こういう条例がとおりました。こういうルールが定められ、こういうことになりますということをできるだけわかりやすい言葉で、その年代ごとの子どもたちへ伝えられるように努力していきたいと思いますし、今後議会に出すときにも子どもが手に取ってもわかりやすくするという工夫はいろいろな形でしていきたいと思います。

 

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