令和7年2月20日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日もよろしくお願いいたします。暦の上では雨水も過ぎて本格的な春の到来ということなんですけれども、この頃は沈丁花の花の開花も楽しみにしているんですが、今年はいつも以上に寒くてなかなか花開かない、こういうことがございます。大雪への備えも、今週降雪にも見舞われていますし、明日以降週末にもさらに冬型の気圧配置が続く見込みだということでございます。特に気象台が出してる情報によりますと、雪の降り方「ユキフル」という大雪条件判定資料というのを出されているんですが週末は3型、4型の雪の降り方だと。すなわち湖東、東近江、甲賀にたくさん雪が落ちるのではないかと言われておりますのでそれぞれ気をつけて、また予測・予報等を十分御確認の上行動をしていただきますように呼びかけたいと存じます。
議会の冒頭でも申し上げましたし、昨日午後から担当が資料提供、記者レクもさせていただきましたが、先週琵琶湖の全層循環が確認できたということでございます。また、底層の溶存酸素量の回復も確認できたということでございます。1つの生態系、琵琶湖を含めた生態系の極めて重要な営みでございますので、一安心ということでございますが、昨日も議会でもいろいろと指摘されたように気候変動、温暖化の影響というのが琵琶湖を始め、いろいろなところに出てきているということがあるようですので、注視し、研究・調査もしながら今後の対応に繋げていきたいと思います。
関西広域連合ではですね、資料にもお配りしておりますように、万博開幕1か月前ということで3月12日に「琵琶湖・淀川流域シンポジウム×ごみゼロ大作戦」を開催いたします。これも「いのち輝く未来社会のデザイン」万博に向けてということで、「いのちを育む“水”のつながりプロジェクト」と題して実施をしております。これまでも開幕500日前、400日前、300、200の節目に清掃活動を行ってきました。今回は1か月前ということで、会場を京都「みやこメッセ」周辺、琵琶湖疏水に面する道路などでごみ拾いをするということでございます。シンポジウムには世界的な自然写真家であられる高砂淳二さんが来ていただいて、『水がつなぐ地球』をテーマに御講演をいただく予定でございます。みんなで考えるシンポジウムと体を動かしてきれいにする活動と組み合わせたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
それでは資料に基づいて今日は2点申し上げます。まず1点目は“シガリズム”の高付加価値体験の予約受付を始めますという御案内です。本日2月20日から「楽天トラベル観光体験」で予約受付を開始いたします、彦根城内で徳川宗家第19代当主でいらっしゃいます徳川家広さんと交流できる体験プログラムについてお知らせをいたします。滋賀県とびわこビジターズビューローで現在展開しております滋賀県観光キャンペーン「いこうぜ♪滋賀・びわ湖」の連動企画として、「楽天トラベル観光体験」を運営する楽天グループ株式会社へ委託、連携して滋賀でしか味わえない高付加価値の体験プログラムの造成に取り組んでいるところです。今回公開されましたのは彦根城内の楽々園を特別に貸し切って、彦根藩の井伊家が仕えていた徳川宗家、こちらの第19代当主でいらっしゃいます徳川家広さんと対面して交流できるという特別なプログラムです。家広さんから直接、江戸時代をつくり上げてきた徳川家や日本のルーツについて学ぶことができることに加えまして、歴史に詳しいガイドによる解説や、人力車でのお出迎え、近江牛のランチ等が付いた1日1組限定の完全プライベートツアーということでございまして、料金は1組あたり178万円。オプションで鉄砲隊による歓迎セレモニーも追加可能と。江戸時代を再現したような非日常を体験できると。この彦根城のプログラムの他にも、資料にはついていませんが、漫画「ちはやふる」でおなじみの近江神宮で競技かるたの永世名人から手ほどきを受ける体験など、様々な高付加価値シガリズム体験を「楽天トラベル観光体験」で公開していると。ホームページ等でもそのラインナップは紹介をしておりますので、ぜひ御確認いただければと思います。もうちょっといい名前がないかなということで、今担当に考えさせているところでございます。
もう1つ、こちらも資料がございます。前回発表、説明を見送らせていただきました都市公園湖岸緑地の適正利用促進方策についてでございます。まず湖岸緑地は公園ですので、休憩や散歩、自由に誰でも利用できるということが原則であり前提でございます。ただバーベキュー、キャンプとか一定の区域を長時間利用されるということ、また様々な問題・トラブルなきよう適正に利用していただく、そういったことを追求いたしまして昨年度と今年度にかけて社会実験を4回実施してきました。そこで「北山田1」「志那1(南)」「志那1(中)」「志那2」の公園で、ゲート式駐車場の暫定導入等を実施させていただきたいと考えております。取組として満車か空車かを管理するゲート式駐車場を暫定導入することと、予約制バーベキュー・キャンプ場の導入を検討すること、さらには利用ルールの見直しを進めていきたいと存じます。こういった事々の導入に伴って新たに発生する必要となるコストは利用者に一部御負担を求めていきたいと考えております。あわせてトイレなどのハード整備にも取り組みます。その中でまず、ゲート式駐車場の暫定導入は今年の春の大型連休前から、人気エリアとなっております「北山田1」「志那1(南)」「志那1(中)」「志那2」という、お手元資料に地図もあると思いますが、そちらの4か所の駐車場で運用を始めることといたしまして、ゲート等の設置運営に必要となるコストについて、利用者に一部御負担を求めていきたいと存じます。料金につきましては30分まで無料、30分以降は1時間ごとに200円、最大料金を設定いたしまして平日は800円、休日は1,000円にしようと。なお概ね1年間の利用状況を踏まえて、適正利用の効果、収支の結果、こういったものを検証いたしまして、必要に応じて見直しも行っていこうと。今後も誰もがいつでも楽しく過ごすことのできる公園「THEシガパーク」を目指しまして、利用者や学識経験者等から広く御意見等をお聞きしながら、これは所管の別を問わず、県内の公園全ての利用ルールの見直しに必要な検討も進め、令和11年度からの適正利用促進方策の本格導入に向けて取組を進めていきたいと考えております。私からは以上でございます。
[読売新聞]
今御説明のあった湖岸緑地の利用方法について、ゲートの設置や運営にかかるとありましたが、示されました駐車場の料金設定の根拠を教えてください。
【知事】
後ほど担当からも詳しく説明させますが、指定管理者がいらっしゃいますので、その指定管理者の様々な検討の結果も受けて設定したということでございます。
あまり高すぎてもなんだし、低すぎるのもどうかということで、例えばちょっと訪れられる軽易な利用を損ねることもないようにとか、これ以上上がらないという設定の仕方も取り入れてみようとか、基本的には他の事例なども参考に設定されたのではないかと推察しています。
[読売新聞]
とりあえず暫定導入をして1年間検証をするということですが、今回つける4か所については恒久的につけるということでいいのかということと、その先々、他にもたくさん駐車場あると思いますが、そういったところへの有料化の導入拡大みたいなことというのはお考えとしてはあるのでしょうか。
【知事】
いずれも、今回の、令和10年度までとさせていただきます暫定導入によるこの取組の結果や経過、内容等を精査して、この箇所をどうするのか、続けるのか続けないのか、他はどうするのかも含めて考えていきたいと思います。
[読売新聞]
改めて、今無料のものが有料化になるということで、利用者の方に、使っていただく方にどうやって理解を求めていくか、どのように使ってほしいかみたいな呼びかけがありましたらお願いします。
【知事】
そういったこともあり、今年の春の連休前から当該箇所の暫定導入、ゲート式駐車場の導入というものをさせていただこうと思っておりますので、その前の期間を利用して周知に努めるとともに、現地での御案内等も怠らないようにしていきたいと思っております。また、これはあくまで公園は自由に誰もが利用できるというのが原則でございますが、長く利用される方であるとか、バーベキュー、キャンプはその後の検討にもよりますが、特別な目的で利用される方については、そういった必要な対価等をお支払いいただくということなどにどういう御理解が得られ、どういう行動変容になるのかというようなことについても、この暫定導入の間に考えていきたいと思っております。併せてトイレなども綺麗にしようという取組も行いますので、ぜひ御理解をいただいて御協力賜れればと存じます。
[読売新聞]
別の件で、2月24日でロシアがウクライナに侵攻して3年を迎えます。少し停戦に向けた動きというのもアメリカの大統領が変わってあるようではありますが未だ続いていて、日本、滋賀県にも避難民の方がまだ一部おられるのかなと思います。避難民の方々の現状と、これまでの支援とこれから、まだ終わっていないがどうやって支援していくかみたいなところをありましたらお話しください。
【知事】
ロシアによるウクライナ侵攻からもうすぐ3年ということですが、報道によれば、未だ戦闘は続いています。米国とロシアが話をされ、停戦に向けた動きも進んでいると報じられておりますが、当該ウクライナがどのように関与されているのかということについてもいろいろな声が上がっているということからすると、なかなか難しい面もあるのかなというふうに思っております。しかし、一刻も早くこういった戦闘状態、侵攻状態が解消される、現地に平和が訪れるということを願っております。滋賀県内に、これまで25名の避難民の方を受け入れてきたということでございますが、既に帰国、転出された方もいらっしゃるということで、1月末の時点で県が把握している人数は21名ということになっております。それぞれいろいろな事情をお持ちで、いろいろなお仕事をされたりしながら安定して生活されていると聞いておりますが、今後必要な支援等があれば、様々な機関と連携しながら検討していきたいと思います。
[読売新聞]
お仕事されている方もいて、人によってはこのままできれば日本に残りたいという御意向の方もいらっしゃるのかなとは思います。そういった方々が滋賀県に今後も住み続けるということになったとしたら、滋賀県としてはどういう関わり、支援がしていけるのか、またそういうことが必要かお考えはありますでしょうか。
【知事】
国と国とでまずどういう取決めをするのかということはあると思います。入管なり、そこに住まれるということについてどういう御身分を保障するのかという整理は必要だと思いますし、個々置かれておられる状況が異なると思いますので、そういったことに市町と一緒に寄り添いながら考えていくということが基本になるのではないかと思います。
[NHK]
湖岸緑地の件について、改めまして昨年度と今年度の4回の社会実験の結果のどういう部分を踏まえて、今回の方針を判断されたのかというところを説明いただけたらと思います。
【知事】
まず、基本的には一部料金をいただいて、そして適正に御利用いただく空間づくりのために長く利用される方は一部その御負担をといったことについて、これまで4回行ってきた中で、例えばそもそも有料がどうなのか、予約制や時間制というものをどのように考えるのかということについて、メリットデメリットを確認してまいりました。この間の社会実験は人を投入してやってきましたので、それを続けるということは現実的ではないだろうと。したがって、一定機械式なのか自動なのか、そういったものも導入させていただいて、自由な御利用は妨げないようにしつつも、長く利用される方等については一部料金等御負担いただくという、こういう措置を取らせていただくことが必要かつ有効ではないかと考えましたので、この間の社会実験の結果等も踏まえ、この春から、夏前からですけれども、暫定導入の実施に踏み切ろうとしているところでございますが、その後のこととか、それ以外の箇所については、この間の結果を受けて検討していきたいと思います。
[NHK]
利用ルールの見直し等にも着手されるということなのですが、どういう公園、どういう湖岸緑地の使い方であったりとか、その辺を目指した利用ルールの見直しであったりとか、どういうビジョンを持って考えていかれるのでしょうか。
【知事】
具体また皆さんの御意見も聞きながら考えていきたいと思いますが、この間も申し上げているように、例えば琵琶湖のそばにある公園、自然の中にある広場、公園というのは、基本私達が原則自由に憩いの場、憩いの空間として利用させていただく、利用するというのが前提、原則だと思います。しかし、一部の方が長くその場所を占拠、占有しながら楽しむということについて、それも他の方と同じように無料、フリーでいいのかといったことですとか、その中で出されるごみの処理、その中で使われるトイレ等の維持管理を全て公費で負担し続けるということだけでいいのかということから、この間社会実験でどのような反応、対応が必要なのかということについて検討をしてきましたので、皆さんのための公園をより適切に、より綺麗にこれからも使い続けていただくための措置として、今回暫定導入の措置を取らせていただきたいと思っておりますが、無料であったものが有料になるということについてのいろいろな御意見ですとか、また有料なら使わないようにしよう、無料のところに行こうとか、そういう反応がどのように出るのかというなことなども丁寧に見極めながら、また我々が直接全てを管理するということよりも、指定管理の事業者さんが管理されておられますので、そういった方々がこの対応をどのように受け止めていただけるのかというようなことなども、これは丁寧に見極めていきたいと思っております。
[NHK]
県内の下水道管の破損等が原因の道路陥没が昨年度までの過去5年間で12件あったと報道がありましたが、埼玉ほどの大規模なものではないが似たような事例が小規模で県内でも起きているということについての受け止めと、対策等考えていらっしゃることがあればお願いいたします。
【知事】
まず、既に各社でも報じられておりますが、昨日の県議会では、4年度5年度の数字を申し上げましたが、令和元年度から令和5年度までの5年間で、下水道管に起因する陥没は12件発生していると、そのうち一部は深さ2.9メートルのところにある下水道管から汚水が噴き出したことが原因で起こった事例もあると聞いております。陥没の下がり具合は約30センチだったと聞いていますが、下水道管そのものは2.9メートルの深さのところにあったということでございます。したがって、この下水道施設の老朽化というのは今後も避けられない。我々点検もし、必要な維持修繕、更新等も行っていますが、それを上回るペース、そこではつかみ切れないところでこういったことも起こることは十分想定されますので、だからこそ、日頃の点検を注意深くやるということですとか、計画的な維持修繕、管理をするということが必要だと思いますので、県だけではなくて、市町管理の下水道管もございます。市町管理では直径2メートル以上は4キロメートル少々でございますが、県全体で2メートル以上だけでも25キロメートル、そして多くの長い供用延長の下水道管が私達の生活のために埋め込まれていますので、そういったものの適正管理に今後も努めていきたいと考えております。
[NHK]
別件になりますが、米の価格が下がらないということで、9月に新米がまだ入る前に品薄だということで価格が上がり、新米が出たら解消するのではないかということでしたけれども、やはり依然として高く、一部の業者によって買い占めが起きているのではないかとも言われています。この米の価格の高騰についてどう受け止めていらっしゃるか、何か考えていらっしゃることがあればお願いいたします。
【知事】
どこでどうなっているのかというのが私達にもなかなかつかみ切れない状況がある中で、直近の現状だけ言うと米の価格が上がる前、みずかがみ5キロ2000円ちょっとだと思いますが、直近では3000円を超えています。そして、少し高付加価値で皆さんにお求めいただこうということでつくったきらみずきは、高騰する前は約2400円だったのが、今3600円を超えているということですので、そういう意味で確実に価格が上がっています。全体に物価が上がっているということの中だとか、いろいろな資材価格高騰の価格転嫁が行われているという面もあるのかもしれませんが、巷間聞いておりますと、生産された昨年産の米がその前年より18万トン増えたにもかかわらず、主要な集荷業者の集荷量が21万トン減っているというようなことがあるので、どこに行ったのだと、誰が買っているのだということがあると思います。基本市場の中で流通する、取引される米ですので、それらを制限したり、制約するということは難しいのだと思いますが、こういったことに今後対応していくことも必要なのではないかと思いますので、今私どもも農政水産部に、この近江米のトレーサビリティをどのように考えるのか、そして今買い取って売る人、さらには最終消費者、買い求める人のことが大きく報じられておりますが、つくる人たちにどのような影響が及んでいるのか、及んでいないのかといったことをよく確かめながら、一大米生産県でもありますので、今後の対応、対策を考えていきたいと思います。
[京都新聞]
湖岸緑地に戻りますが、今回ゲート式駐車場の暫定投入ということで、春の大型連休までにというお話だったと思います。暫定投入にかかる費用というのがどれぐらい発生して、それについては何か行政としての予算措置といったようなことはあるのでしょうか。
【知事】
どれぐらい費用かかるのか。
[都市計画課]
今回、指定管理者の自主事業として設置していただきますので、公費についてはかかっていない、かけない形で事業を行います。
【知事】
それは答えになっていないと思いますが、いくらかかるのかというのはまた改めて回答いたします。
[京都新聞]
要するに県の予算措置は必要ないということでしょうか。
【知事】
はい。県の公費を投入してやる事業ではないということです。
[京都新聞]
また、将来的な検討だと思うのですが、予約制バーベキューやキャンプ場をもし仮に民間活用で行うのであれば、さっきおっしゃっていた、公園というのは基本的には自由に誰でも使えるというところと少し方向性が変わってしまうようにも思います。一方で、自由にしておけばルール違反が起きたりといったようなところもあって、その辺りの難しさなど、どのように感じられているのでしょうか。
【知事】
とても難しい、しかし大事なことだと思います。基本、自然の中にある、私達が共有しているこの場所、その中でつくらせていただいている公園というのは、自由、無料が利用原則だと思います。その恵みをみんなが享受すると。しかし、場所が良いから、キャンプ、バーベキューの適地だから長く使って、そしてたくさん火を焚いたり、ごみも出して使おうということに対してまで無料であり続けていいのかということの中から、今回一部を有料で、駐車料金を御負担いただくということで支弁していただくということでどうかとやらせていただきますので、その反応などを見ながら、エリア分けをしていくことになるのか、全体でルールを定めていくことになるのか、この辺りをよく考えていきたいと思います。
[滋賀報知新聞]
先週13日の衆議院の総務委員会で、村上総務大臣が「今世紀末には人口が半減する」「全国は300から400の市で済むことであって、市と国が直結して交渉できるシステムができれば、極論県庁は全部いらない」というような御発言をされたというのがちょっと問題になっておりまして、今週月曜日の知事有志による会議にwebで参加された三日月知事は「こういった発言が出てきていることに強い違和感を覚える」、「知事会からも何か声を出すべきでは」という御提言をされたと思います。総務大臣の発言に対する受け止めを改めて伺ってもよろしいでしょうか。
【知事】
月曜日のWebミーティングでも申し上げたとおり、全体のやりとりまで承知しているわけではありませんが、総務大臣が70年後のこととは言えですね、国、総務省、総務大臣の立場で、地方自治体がなくてもいいような、数が減ってもいいようなことをおっしゃるということについては強い違和感を抱かざるを得ないというのは私の気持ちだし、それらを束ねている、声を上げている、全国知事会など地方から、やはりおかしいんじゃないかという声を上げるべきではないかと考えております。ただ、人口減少局面に入って、今よりも大きく減ってきたときに、自治体のあり方がどうあるべきなのかをみんなで考えていくことは、必要だと思いますし、我々は日本で最初、日本で唯一の広域自治体である関西広域連合を組織して、今府県を越えて広域自治を推進しておりますので、そういう中でもこういった局面でどのような自治体づくりをすればいいのかということを考える材料にはしていきたいなと思います。
[滋賀報知新聞]
総務大臣も個人的な見解であり長期スパンの話であるというお話はされておられ、今のシステムを前提とした自治のあり方以外のものを考える必要がこれから出てくるのではというような御発言もされておられるようです。昨年末弊社が知事にインタビューをさせていただいたときもそうでしたし、知事の年頭の御挨拶でも、県庁舎もそうですし、県内の各地域であったり人であったりっていうものがちょっと老いてきている部分があるというお話もあったと思います。今世紀末の70年先となるとかなり先の話にはなりますが、県庁のあり方として新しいシステムというのを知事はどのようにつくっていくべきか何かお考えや思いはありますでしょうか。
【知事】
人口というものは、一番正確な統計資料だと言われていますので、その人口が例えば今から70年経ったときに、2100年近くになったときに、今の半減ということが想定されるときに、自治体の形、姿がどのようになるべきなのか、なっているのかということは、みんなで考えていく必要があると思いますね。ただ人口が減ったからといって、みんながひとところにお住まいになるわけでないとすれば、その分散された国土、地域をどのような単位でまとめていくのか、自治を行っていくのかという視点もいるでしょうし、あと都道府県、市町村というレベルがありますけれども、こういったものをどのように考えていくのか、役割分担していくのかということもあると思います。石破総理の施政方針演説の中にも「広域リージョン」という今まで出てこなかった言葉も入っていました。もしかすると、そういったことも想定されながら検討を呼びかけられているのかもしれませんので、このあたりよく政府の考えや総務省の考えなども確かめていきたいと思います。我々は我々として自治体の人口推計を基に、どういう自治を追求するのかということを関西広域連合や滋賀県内首長会議等でも議論する場というのを積極的に持っていきたいと思います。
[毎日新聞]
湖岸緑地の駐車場有料化についてですが、今回導入されるのは4か所ということですが、そうするとこれ以外の駐車場に車が集中してしまったり、路上駐車などマナー違反みたいなことも想定されるかと思いますが、そういったことへの対応で考えておられることはありますでしょうか。
【知事】
この間の社会実験の際にもですね、ここが有料なんだったら無料のところに止めようということで無料の駐車場の御利用が増加したというようなこともあったようですので、今回もそういったことは十分考えられますので、そういったときそれがどれぐらい起こるのかということとか、そういったときにどのような対応が必要なのか有効なのかということも今後見極めていきたいと思います。
[毎日新聞]
シガリズムについてですが、徳川家広さんと交流できるということですが、割とコースの値段がお高めだなと思いました。これは想定としてはツアー客だったりとか、参加人数も2人から10人ということですがどういった方の利用を想定されているのでしょうか。
【知事】
どういった方というよりも全ての旅行客の皆さんがそれを望まれるわけではないのかもしれませんが、私のための私達のための特別な体験をしたい、その場所でというニーズというのは旅行には必ずあると思います。もちろん値段や内容にもよると思いますが。特にこの滋賀の持っている文化財だとか、こういった体験というのは、ものを組み合わせれば十分価格訴求力、少し高い価格でも行くよ、やるよ、買うよという方はいらっしゃるんじゃないかということは以前から指摘されておりましたので、こういったことをつくってみて、どのような反応があるのかということを確かめていきたいという思いもあり、今回つくらせていただきました。もちろん御家族という方もあるでしょうし、グループでという御利用もあるのかもしれません。
[日本経済新聞]
湖岸緑地のゲート式駐車場について、県で予算措置をしないということはゲート式駐車場の設備をつくって、それを回収するために料金をかけるということでしょうか。
【知事】
基本はそういうことです。
[日本経済新聞]
それで余ったお金で、トイレ等を整備するという理解でよろしいでしょうか。
【知事】
どういう収支になるのかというのはやってみないとわかりませんけども。
[日本経済新聞]
余ればという感じですか。
【知事】
基本自主事業でやるということは出てきた収益の中から公園を良くするための様々な施策も取れるということです。
[日本経済新聞]
だからあくまで別に儲けようというわけじゃなくて、駐車場の車をコントロールするためにこういった設備が必要で、設置のために県の予算は使わないから受益者負担でやってくれという話ですよね
【知事】
基本はそうです。
【日本経済新聞】
1年間の暫定措置なんで1年後に検討するかもしれませんが、県の内外、例えば夏にテントを張ってあるところを見ると大体駐車場で県外ナンバーが半分ぐらい。京都と大阪が多くて、日経の支局にも読者からたまに電話があって、県がこういうことをやろうとしているけども、迷惑をかけているのは大阪とか京都の人なので滋賀の人がなんでお金を払わないといけないのかという、こっちに言われても困るなっていう声もあるのですが、今回は県の内外無差別だと思うんですけども、例えば姫路城みたいに1年後に県の内外を区別していくといったこともありえると考えてよろしいですか。
【知事】
その点も重要な論点だと思いますね。今回のこの暫定導入は、令和11年3月までの期間で実施しようとしております。おっしゃったように県外から来られて御利用されている方も当然多くいらっしゃるわけで、県民と県外から来られる方とを少し分けた対応もという御意見があることは私も十分承知をしているんですけれども、今回暫定導入するシステムでその対応をすることは予定しておりません。今後の課題かと思いますね。
[日本経済新聞]
暫定期間は4年間ということですが、1年間の利用状況を踏まえて見直しをするとのことですが、1年後にあんまりドラスティックな見直しはないという感じですか。
【知事】
特に利用料金ですね。今回もどういう定め方をすればどういう料金抵抗、価格弾性があるのかというのは我々も手探りですので、今回こういう定めをさせていただきましたがその後利用状況等をみて、この料金の必要な見直しを検討して実施しようという趣旨で考えています。その辺りはまた状況を見たいなと思います。
[日本経済新聞]
1年後にその見直す対象として例えば料金をもうちょっと上げるとか下げるとか、あるいはこの4か所だけではなく、他のところにもゲートをつくってみるとか、そういったことは1年後の検討課題ではあるのでしょうか。
【知事】
十分検討課題だと思います。こういった場所の設定の仕方をして、周辺にも同様の公園があったときに、この箇所だけ駐車料金が30分までは無料だけどこういう料金設定をした場合、それでも払って止めていただけるのか、もう止めるのをやめて他に止めて御利用だけということになるのか、そのあたりの動きもちょっとわからないのでそこはみてみたいと思います。
[日本経済新聞]
4年間の暫定期間の中の最初の1年ぐらいで今おっしゃったような部分は見直していく可能性があるということですね。
【知事】
十分あると思います。
[日本経済新聞]
バーベキューとかキャンプ場とかについての予約制は今回導入しないんですよね。
【知事】
今回この暫定導入と併せて検討をしたいと思っています。どの場所でどういうニーズがあるのか来年度事業者にサウンディング調査をして。もし早く導入できるということであれば導入を考えたいと思いますが。でもこういう湖岸というのは季節にもよりますけれども、とっても見晴らしが良くて気持ちが良くてバーベキューとかキャンプの適地でもあります。ただその分長く止まって使われるのであれば、一定対価をお支払いしていただくという理屈が通るのか通らないのか。
[日本経済新聞]
予約制のバーベキューとかキャンプ場の利用というのは有料ですよね。
【知事】
当然予約ですし料金設定もこれからになると思いますが、どのレベルであれば、どういう御利用があると見込めるのか。これは我々よりもむしろそういった業界、事業者の皆さんの方が詳しいでしょうから。
[日本経済新聞]
いずれにしても有料が前提となるわけですね。
【知事】
無料でということであれば今と変わりませんので、民間が入ってくるということであれば有料が前提だと思います。
[日本経済新聞]
それも1年後の見直しの対象になるんですか。
【知事】
今回サウンディング調査をやってみてどういった反応があるのか、もうすぐにでもいくよ、やれるよ、この料金とセットでいこうよということになるのか。それとは別にやらしてくれということになるのか。そこは事業者の皆さんの御意向もよく確かめてみたいと思います。
[日本経済新聞]
いずれにしろ4年間の暫定期間の中でもいろいろ変化がありうるということですね。
【知事】
これまでに4回社会実験をやらせていただきましたけれども、どちらかというとたくさん利用される時期にやってきました。一年をおしなべてやってみてどういう結果になるのか収支になるのか、それが出ないとやはり指定管理を受けていただく事業者も引き続きやろうとか他でもやろうということにはなかなかならないので、(検討には)一定期間いるんじゃないかなと思っています。
[日本経済新聞]
指定管理の業者は今の指定管理業者が基本的にやることになるんですか。
【知事】
今回の暫定導入で事業者を変えることはありません。今の事業者に自主事業としてやっていただくと。その後はまだその定めはありません。
[日本経済新聞]
暫定措置を行うのはこの4月の大型連休からですか。
【知事】
大型連休の前ですね。
[日本経済新聞]
配布資料には大型連休からと書いてありますが。
【知事】
大型連休には始められるようにしようということです。またこの日からというのがわかればお知らせするようにいたします。
[日本経済新聞]
だいたい大型連休の頃からということでしょうか。
【知事】
そうです。それで間違いないです。
[中日新聞]
知事はよく世界一の魅力を持つ琵琶湖岸の公園ということをおっしゃると思うのですが、今回の取組というのはそれを目指す上でどういった位置づけなのでしょうか。また最終的な理想はどういった公園なのでしょうか。やはり無料で駐車料金を取らないというのが知事の考える理想なのか、知事はどういったような公園を理想とされていますか。
【知事】
国民的資産である琵琶湖ですので。そして四季折々、いろいろな風景が楽しめる広々とした空間の中にある公園ですので、いろいろな気持ちを持ってその公園に来られる方があると思いますが、それぞれがくつろげる、憩える、楽しめる、そういう公園というのが理想であり、原則ですね。この空間をこれからも長く、より多くの方に感じていただけるようなものとして引き継いでいくということが大事なことではないかと思います。ただ良い場所であるがゆえに、コロナもあったから外で広々と食事したり泊まったりというニーズも出てきましたし、こういう場所があるんだったらもっと民間でビジネスで使える形もあるんじゃないかとか、周辺にお住まいの方とのいろいろな事々もありますので、そういったものを考えて適正に全ての人が楽しく利用できるよう空間にするためにはどうしたらいいのかということの一つに、長く利用されるんであれば、ちょっとその分料金を払っていただいて、その料金でよりよい公園、トイレとか電気とかそういったものも進められるんじゃないかと。進められるのであれば本格導入していきませんかということなので、より広く長く楽しめるというのが理想であり、それを実現していくための一里塚になればいいなと思います。