令和6年12月4日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
12月4日になりまして、ずいぶん寒くなってきました。また、気ぜわしくなってきました。今月もどうぞよろしくお願いいたします。関西広域連合は12月1日に設立14周年となりました。また任期の始まりが今日なんですけれども12月4日から関西広域連合長として2期目がスタートしました。気持ちも新たに役割を果たしてまいりたいと存じます。「防災力」の強化、阪神淡路大震災から30年、また大阪関西万博があるので「産業力」の強化、さらには文化庁京都移転を活かしながら「文化力」の発信の強化。さらには琵琶湖をはじめ豊かな自然、生態系、サービスなど関西にはたくさんございますので、ユネスコのジオパークもございます、環境保全力を保ち・高めていこうということ、そして日本で最初、現在日本で唯一の広域自治体として「広域自治力」を強化・進化させていこうという、こういうことを公約に、またモットーに頑張っていきたいと思っております。
今期のアユ漁が12月2日に始まりました。解禁直前に天気が荒れていたということで、初日の漁獲量は598kg、昨年の2割程度となっていたということでございます。2日目、昨日12月3日には568kgということでございます。今日は風が強くて漁にあまり出られていないという、こういうこともございます。初日の水揚げは低調となりましたが、水産試験場の調査結果からアユの生息数としては昨年と同程度存在していると考えられることから、年末に向けてのエリ漁は昨年並みの漁獲が期待できるものと滋賀県庁水産課長は見ております。引き続き、漁獲状況を注意深く見守り、アユ資源の分析を進めてまいりたいと存じます。
本県ではですね、「子ども・子ども・子ども」というのを県政の柱に据えて取り組んでおりますが、現在、子どもの権利を守ることを明確に位置付ける滋賀県子ども基本条例や、子ども・若者政策の総合的な計画であります「淡海子ども・若者プラン」の次の計画の検討を進めているところです。そこでこの度、昨日の議会でも一部答弁いたしましたが、条例やプランに子どもの意見を反映するため、優しい言葉づかいやイラストを用いた子ども向けの資料で、思ったこと、感じていることなど回答していただくアンケートを概ね18歳ぐらいまでの子どもを対象に今月20日までの期間で実施しているところです。県の条例や計画に子どもの意見を反映しようとすることは県としてもあまりこれまでやったことのない新たな試みでございますので、思うところ、考えることを気軽に書いて回答もしくは投稿していただけたら嬉しいなと思っております。この会見をどれだけの子どもたちが見ているか分かりませんが、知事からのメッセージとしてどうか積極的に御参加していただければ嬉しいなと思います。
それでは資料に基づきまして今日は2点申し上げます。1つは「保育のしごとマッチングフェスタ」を開催します。来月1月18日です。今年4月1日時点の待機児童数が353人と急増しています。その要因としてはもちろんその世代の方がたくさんこちらにお住みになっているということもあるんですが、それを担っていただく保育士さんが不足しているということが大きいのではないかと見ています。こうした状況を打開するために、当初予算の内容を一部見直しまして、こちらのフェスタは緊急開催することといたしました。現在11月定例会議に提出の11月補正予算案に計上している取組もございます。これは保育現場のPR動画をつくることや保育現場を有償インターンとして体験していただく、こういうことと合わせて、今回このマッチングフェスタで潜在保育士さん、資格を持ってるんだけど現在保育の現場で働いていないという方々の掘り起こしといいますか、呼びかけ・マッチングを進めていきたいなと考えているところです。潜在保育士の皆さんをメインターゲットといたしまして、再就職支援研修と就職相談会を組み合わせまして職業紹介、相談会、実務に役立つ保育体験というものを同時にできるフェスタという形態での開催は滋賀県でははじめての試みとなります。場所はイオンモール草津で実施いたします。保育所、認定こども園、地域型保育事業所などの様々な施設からフルタイムだけでなく、短時間パートの求人もたくさん集めて、取り揃えて皆様方に御紹介しようと思っております。実に160もの園の求人情報を一挙にお届けする予定でございまして、いろいろなタイプの園がございますので、それぞれに合った園を探していただければというふうに思います。希望される方には、園の見学の予約もできるということでございます。また、こうした潜在保育士の皆さんは、現場を離れたブランクが不安だという方も多いということで、再就職にハードルを感じられる方もいらっしゃるかもしれません。そういう意味で、このフェスタで専門家による相談会も開催いたしますし、子どもたちと一緒に参加できる遊びの体験、ミニコンサートも実施いたします。滋賀県内の子どもたちの笑顔のために、ぜひ保育士資格をお持ちの方のお力を貸していただきたい、その資格を生かしてお仕事をしていただける環境づくりを進めていきたいと思いますので、ぜひ気軽にマッチングフェスタに御参加いただければと存じます。
もう1つは、12月19日に実施いたします「県庁本館オープンDAY」についてお知らせをいたします。この県庁舎の本館は令和6年12月19日で国登録有形文化財への登録からちょうど10年の節目を迎えます。登録10年のこの節目を記念し、庁舎の見どころに説明パネルを展示いたしまして来庁された方どなたでも自由に見学いただける「県庁本館オープンDAY」を開催いたします。同時に「登録有形文化財登録10周年記念滋賀県庁本館ツアー」を開催する予定です。11月19日から募集をスタートいたしましたが定員60名のところ、現時点で約400名の御応募をいただいているという、大変好評いただいているところです。せっかく応募いただいたのに抽選にもれてしまって見学できないという方が多くいらっしゃるということになりそうですので、また県庁本館の誇るべき建築の造形美など、その魅力を紹介し、後世に継承する機運情勢も図れればということで「県庁本館オープンDAY」をこの12月19日、同じ日に開催することといたしました。オープン箇所は記載のとおりでございますが、本館正面玄関、本館階段、本館中庭、本館3階東側廊下などでございます。県庁本館オープンDAYマップも見てもらいながら見学いただければと思います。このマップは県のホームページから御確認をいただけます。当日12月19日お昼には、滋賀県警音楽隊によるランチタイムコンサートを開催予定です。雨天の場合は中止させていただきますが、場所は本館正面玄関噴水前ということでございます。演目は当日のお楽しみとなっております。さらに12月19日に県庁本館の歴史や建築に係る魅力を紹介した動画を県公式YouTubeで公開いたします。知事室、議場をはじめ普段は県庁職員でも立ち入りが制限されている塔屋の内部なども御覧いただけるということですので、ぜひ御視聴をいただければと存じます。手話通訳が難しそうな内容だったので、少しゆっくりお話をさせていただきました。ありがとうございました。
[読売新聞]
保育のしごとマッチングフェスタの件で2点お伺いします。保育士不足解消のために開催するということですが、県内での保育士不足の要因、なぜ増えているのか改めてお伺いします。
【知事】
いろいろな要因があると思います。子どもたちと一緒に、子どもたちに向き合いながら、一部親御さんにも寄り添いながらお仕事をしていただく保育士さんは、それぞれの現場でやりがいを持って頑張っていただいていると思うんですが、それを必要とする方に比べて、そこで働く人がどうしてもアンバランス・ミスマッチが起きてしまっているということであるとか、他にもたくさん仕事がありますので、そういった仕事と比較しながら保育士ではないお仕事を選ばれているということもあろうかと思います。同じ保育士の仕事でもより条件の良い滋賀県以外の職場で保育士として頑張っていらっしゃる方もいらっしゃるのかもしれませんので、そういった事々が相まって、子どもは日中保育所で過ごして、私達は働きたい、過ごしたいという、そういうニーズに、働いていただく保育士の数が追いついていないという、こういう現状だと思います。
[読売新聞]
あともう1点なのですが、今回こういった形式は初めてということで、初めての開催で何とも数は読めないと思います。どれぐらいの数のマッチング、潜在保育士の方が期待できるかなどお考えがあればお聞かせください。
【知事】
そこは全くわからないですね。イオンモール草津で開催させていただきますので、お買い物ついでの方、また告知を御覧いただいた方、興味・関心ある方がお越しいただけると思います。雨天、また寒い日でも屋内ですので、また他の用事と組み合わせて御参加いただくことも可能ですので、通常外での開催に比べて多くの方がお越しいただけるんではないかと期待はしております。しかし、たくさん来てほしいという160もの園の求人に比べてどれぐらいの方が見学したいな、話聞きたいなという、このオファーをしていただけるのかというのは全くわかりませんが、お仕事に興味・関心ある方、資格を持っているけれども現在離れてらっしゃる方々の1人でも多くの方にお越しいただけたら嬉しいなと思います。また、もしかすると、預けたいとか、その年代のお父さんお母さんが来られることもあるのかもしれません。そういった方からはいろいろなニーズをお伺いする場にもなるのかもしれませんので、そこで出たお声なども参考に、これからの施策づくりに生かしていけたらいいなと思います。
[県担当者]
参加の目標としましては50人というふうに考えておりまして、先着50名の方にはプレゼントを予定しております。
【知事】
先着50人の方にはプレゼントも用意しているようでございますので、ぜひ50人以上は来てほしいなという思いを持ってやっています。
[NHK]
万博まであと130日ということで、学校行事として参加される学校数が11月末でまとまったかなと思うんですけども、9月から変更ありましたでしょうか。
【知事】
11月29日(金)を締切として、万博子ども招待事業の学校行事での活用希望の結果が出ました。県内の小中学校、高校、特別支援学校など全部で407校のうち、活用を希望する学校は60校、約1万5000人の児童生徒が参加したいという希望となっております。したがって、差し引き希望されない学校は347校と、未回答は0ですので全ての結果が出そろったということでございます。
[NHK]
その結果の受け止めをお願いいたします。
【知事】
来年度のことを今年お尋ねしましたので、来年度のいろいろな事業、行事などはある程度固まっている学校も多かったのかもしれません。また、学校でみんなで行くということになると、なかなかどういったところでどういうものが見られるのかという情報がだんだん出てきていますが、まだ今の時点で明らかではないことからすると、学校で授業、行事として組み立てるということの難しさもまだまだあったのではないかなと思います。そのため、今回こういった希望調査結果を受けて、それ以外の一般申し込みも開始しておりますので、せっかくの機会を生かしながら、楽しみながらこれからに繋げられるようなことになればいいなと思っております。
[NHK]
社会福祉法人グローの件について、10月28日にグローの再発防止に向けての会見ということがありました。内容としては、現理事長が退任されて、3人の方による外部評価の仕組みの立ち上げ等の発表がありましたが、知事は内容をどのようにお聞きになりましたでしょうか。
【知事】
昨日も議場で答えましたが、まずハラスメントの事案ということについて、判決の結果、事実認識をグローも明らかにされました。社会福祉法人の理事長として自覚と責任を欠いたものだと、原告の人権を侵害する断じて許されない行為であったということであるとか、法人としてこの人権侵害行為を未然に防止できなかったことを重く受け止められて、判決における示唆を真摯に受け入れますという、まずこの事実認識を明確にされておられますので、私もそのとおりだと思います。そこから発生の原因を分析され、今後の対応、再発防止について表明もしくは記載をされておられますので、そういった事々がきちんと行われるのかどうか、県としても確認、また必要な指導等を行っていきたいと思います。
[NHK]
第三者委員会を法人で立ち上げられるということなのですが、県としての調査であったり、県の外部委員会の立ち上げなどはお考えでしょうか。
【知事】
県としては指定管理を出させていただいているという関係がございますので、その関係の中で今回記載されたことが、もしくはとられようとすることがどのように行われているのかということの確認をさせていただきたいと思っておりますので、県として第三者機関を設置するというようなことは考えておりません。しかし、昨日も答弁しましたが、こういった指定管理を受けていただく法人等でこういう事案が起こったときに、どのような対応をとればいいのかということは、この間の指定、認定の手続きに瑕疵はなかったと県は考えているのだけれども、至らなかったことや反省すべき点を今後の教訓にする事々をしっかり考えていかなければならないと思っておりますので、それをどのような形で行うのかということは引き続き検討していきたいと思います。
[NHK]
以前グローについて質問させていただいたときに、お墨付きを与えてきた者の責任ということを言わせていただいたと思います。今回グローの判決を受けて、原告の方のお1人がコメントを出していらっしゃって、その中で「彼の暴力を助長し、長年にわたる被害を生み出してきた背景には、周囲で見て見ぬふりをしてきた権力を持つ人たちにも大きな責任があると考えています。容認や同調、静観は結果として暴力を加担することに他なりません。」という声明を出されています。改めて、グローと一緒に仕事をしていて県も権力だと思うのですが、その部分でどういうふうに受け止められるでしょうか。
【知事】
そういう面は強く自制し、そして自戒していきたいと思います。結果、そういった法人等に仕事をおまかせしたり、もしくはそういった法人等と様々な行事を一緒にすること、もしくはいろいろな認定等をそういった法人に対して出すことがその法人の行っていることを、そのこと自体と全て関わりがあるということばかりではないのかもしれませんが、間接的に助長させるものであったり、お墨付きを与えるものになってしまうようなことは我々強く自制し、自戒しなければならないと思います。
[NHK]
知事が何回かおっしゃっていたオーストラリアでの子どものSNS利用禁止を定める法律が成立しましたけれども、受け止めと滋賀県ではということでお考えをお聞かせください。
【知事】
このことは、強い関心を持って見ています。この年代の人に会う度に、オーストラリアでこうなったけどどう思うかと尋ねて歩いています。その年代の子どもたちですから、日本ではやるべきじゃないという反対の声の方が多いです。しかし、少しオーストラリア政府、できれば駐日の大使館にも情報共有を求めてどういう経過でこうなってきたのか、またどういう議論が行われてきたのかなどもわかる範囲内で情報収集させていただいて、例えば高校生と語る場で題材として使ってみるとか、ケーススタディとして滋賀県でもこういったSNSで情報を得たり、またSNSが原因でいろいろな人間関係のトラブルが起こっているとするならば、どのようにこういった危機に向き合っていけばいいのかということを考える材料にしていきたいなと思っています。
[びわ湖放送]
アユ漁のことについてお聞きします。年末までには、去年並みの漁獲量が期待できるということでお話いただいたと思いますが、とはいえやはり初日のかなりの少なさというところで漁師さんも非常に不安にされている方もいらっしゃると思います。また、今年の県の調査で卵の数の調査でも平年を下回る結果となっているということなので、やはり不安の声は広がっているのかなと思うのですが、その辺りについての知事の今の受け止めはいかがでしょうか。
【知事】
とても気を揉んでいます。自然のことですし1年魚なのでどうなるのだろう、どうしているのだろう、どこにいるのだろう、どれぐらい取らせていただけるのだろうかという気を揉んでいます。聞いていますと、12月に漁獲するのは主に活アユ、生きたまま獲ってそれを養殖などに使う注文量が13.3tあるのだそうです。昨年は14tということですので、何とかいただいた注文量は今月のうちに確保できるのではないかと見られているということです。10月生まれのアユがこの月末から来月にかけてずっと出てくる、もしくは取れるようになってくるということなのですが、こちらは様々な調査等、例えば人工河川による放流ですとか、天然河川での産卵の結果も昨年が少なかったのであまりよくないのかもしれませんが、昨年の約2倍、平年の約45.7%ということで一定量卵を産んでくれているので、そういうものが育って取れてくるのではないかと県の水産課では見ています。そういう状況を期待しながら、現場の漁師さんと日々の状況の確認をしていきたいと思っています。
[京都新聞]
今の流れでお聞きしたいのですが、今年の年明けからはアユは記録的な不漁で、県の方でも経営支援の融資制度を創設するなど下支えといいますか、サポートにあたってこられたと思います。今年もちょっと出だしは厳しいということで、こういったその支援策というのは一定年度で終わるのか、ある程度継続していかれるのかどういったお考えでしょうか。
【知事】
まずは状況がどうなるのか、どう動くのか、どう変わるのかというのは見て、そして関係者ともよく議論をして、その後必要な対策というのは考えていくことになると思います。もう少し詳しく言うと、今年はその解禁直前、11月の月末に荒れた日が続いたので、エリのつぼ網、最後にアユが集まる部分の網を設置する準備が進められなかったというようなこともあるそうです。しかし、水産試験場の調査結果からは、主に12月に漁獲される9月生まれのアユの生息数は昨年と同程度存在すると見ておりますので、もう少し状況を見ていきたいというふうに思います。
[京都新聞]
昨年が良くなかったので同程度というのがあまり安心材料にならないように思いますが。
【知事】
おっしゃるとおりです。全然安心材料にはならないので、私もとても気を揉んでいます。
[京都新聞]
万博の関係で学校の話は出たのですが、個別申し込みの何か直近の状況がありましたらお願いします。
【知事】
個別一般申し込みの状況は、11月末時点で約800件いただいております。今後、学校行事としての活用は希望しないけれどもという学校の皆さんにも御協力いただきながら、周知していきたいなというふうに思っております。
[京都新聞]
昨日の代表質問で県庁舎のあり方について一体的に検討していきたいというお話をされていたかと思います。多分来年度以降の話になってくるのかなと思うのですが、今、知事としてどういう場で、どういうスケジュール感でというお考えでしょうか。
【知事】
県庁舎でしょうか。
[京都新聞]
はい。今後の建て替えであったり、改修であったりというところを見通したような検討をしていくとお話になられていたと思います。
【知事】
まず県庁舎等は、ここもそうですが県民にとって、県行政にとって極めて重要な場所、空間、建物ですので、有効に活用するということと同時に、この本館は文化財でもございますので、その価値、魅力を皆さんにより知っていただく建物だと思っています。しかし、例えば段差があったり、狭かったり、また追加で建てさせていただいた建物等とどのように有機的に結びつけていくのか、また古くなった建物をどうするのか。一部報道等でもありました、迷路のようでたどり着けないというようなことをどのように改善していくのかという課題がございますので、そういったことをあわせて今、どのような形でこの県庁舎をリニューアルしていくのかということを考え始めているというところです。他の県、市の庁舎等を見学させていただいたり、またどういう方策があるのかというようなことなどについても、今はまだ勉強しているところです。今年度いっぱいぐらいで、来年度以降どうしていくのかということについて、スケジュール、方向性をお示ししていけたらいいなと思っております。
[京都新聞]
昨日の代表質問での答弁の中では、県庁が少し県民から遠い存在になっているのではないかと感じているというお話もありましたけども、県庁見学ツアーには申し込みが多かったようで注目されている部分もあるのかなと思いますが、昨日の答弁では県民交流拠点としての機能も必要だとお話になられていましたが、これから県庁にどのような新しい役割を加えていきたいとお考えでしょうか。
【知事】
私も全ての県庁に行ったことはないんですけど、(県庁では)窓や扉が閉まっていたりしますが、市役所ではそんなことあんまりないですよね。また、いろいろと楽しめるスペースがそれぞれ庁舎で工夫してつくられているようなところもありますよね。うちもサロンとか会議室、食堂なんかありますけど、もっと楽しめるスペースをつくれるのかなということとか、そういうことなどをどこまでやるのかということはあると思いますが、もう少し追求してもいいのではないかなという御意見もあります。私自身ちょっと遠いよな。皆さんに来てください。いつでもどうぞと言えるような状況でもないので、そういうものをどう考えたらいいのかなというのは、今みんなで議論しているところです。
[共同通信]
総務省の調査で県内の空き家率が低下したというデータが出ていまして、首都圏とかに次ぐ割合だったんですけれども、知事としては空き家率が低下した要因をどのように考えておられて、さらに減らすために取り組むことや他の自治体ができる施策など何か考えていらっしゃることはありますか。
【知事】
私も報道でこの結果、状況を知りました。県としても空き家を有効活用したり、必要とする方にマッチングしたり、様々な取組をしておりますがそのことが奏功したのかどうかというところまではまだまだ見てみないといけないなと思っています。必要とする方が一定数いらっしゃるとすれば、そういった方々に使っていない空き家になっている住宅を提供できている、繋ぐことができているということなのかもしれませんし、ここは特に南部地域を中心に滋賀県に住みたいんだけど、家が欲しいんだけど、家が借りたい、家が買いたいというニーズも一定あるとすれば、そういうものは追い風にしていきたいなというふうに思っています。ただ一方で、そもそも建物のスペック、安全性がどうなのかって見る人だとか、そういう情報をきちんと流通させる業者さんとの関係とか連携とか、まだまだできることあろうかと思いますのでそういった追求はしていきたいと思います。
[日本経済新聞]
冒頭で今日から連合長の2期目がはじまり、5つの重点項目をおっしゃっていましたが、重点項目について順位付けはできるのでしょうか。
【知事】
どこからと言うと全てになるんですけど、機構に係る自治に係ることなので、ベーシックな部分としては広域自治力の向上、これは15年目を迎えて20年に向かっていきますのでこの間の歩みを検証しながら、さらにどういった方向性を探るのかという場の設定、機会の設定というのはいるんじゃないかと思っています。万博がいよいよ始まりますので、ここに我々パビリオンを出したり、ゲートウェイとして誘いをしたりということで臨みますので、そういった効果が最大限発揮できるように、また産業に結びつくようというこういう取組は、来年度はチャンスですので、ここはしっかりやっていきたいと思っています。
[日本経済新聞]
広域自治領としての価値を高めるために、やや中央集権的な感じに向かうんでしょうか。これまでは緩やかな感じで意見をまとめて運営されてきたと思いますが、もう少し連合長のリーダーシップを強めたりは考えておられますか。
【知事】
まず中央集権東京一極集中ではない国土の双眼構造を目指すという大きな目標を私達は持っていますので、それを担うためにどういう自治の姿また形があるのかということは追求していきたい。それを論じ決めていくその過程は連合長だけが何か言って牽引していくというよりは、ここはみんなで議論をして、時間はかかるかもしれないけれども一致点を見出して進んでいくというスタイルは大事にしていきたいと思います。
[日本経済新聞]
何か新しい組織をつくるとか、12の構成自治体の上に何か一つ(組織を)載せるといったことはあり得るのでしょうか。
【知事】
基本的に肥大化は戒めたいと思っていますので、何か新たな組織をつくるということは考えていませんが、来年度から本格的に奈良県が全部加入することに伴って、広域行財政改革ということを受け持っていただいて、さらにどういう広域連携ができるのか、もしくは役割分担し直すのかという議論をスタートさせますので、その中でもいろいろなテーマが出されるのではないかなと期待をしています。
[時事通信]
昨日東京都の小池知事が所信表明の中で、2025年度からフレックスタイム制を活用した週休3日制度を導入すると表明しました。この他の自治体でも茨城県などが4月から選択的週休3日制を教員や交代制勤務の職員を除く全職員を対象として導入をしています。目的としては子どもの送り迎えや介護が必要な方の通院、リスキリングなどの利用を想定しているということですが、改めて働き方改革の観点や昨日も代表質問であった人材確保の観点からも、滋賀県内でこうした週休3日制の導入を含めた働き方改革の政策について、知事の見解や考えを教えてください。
【知事】
滋賀県でも近日受けた定期監査の結果について監査委員の先生方と議論をしている中でもですね、多様な働き方を追求して人材の確保また育成をすべきではないか。人口減の中職員の争奪が行われているので更なる働き方改革をやるべきではないかという御趣旨の御指摘御意見をいただいているので、その際にもどういうことができるのか、今例に出していただいた週休3日制なども含めてどう考えていったらいいのかというのを議論していこうとしています、と答えていますので、すぐに全てということではないんでしょうけど、あらゆることをテーブルに乗せて考えていきたいなと思います。
[中日新聞]
保育士不足の要因には働く環境の厳しさや現場の難しさもあると思いますが、保育の現場への支援や処遇改善などそういった点で何かしら考えられていることはありますでしょうか。
【知事】
処遇改善に向けては、国でもそういった処遇改善が可能になる財源を確保しながら順次行っていただいておりますので、それらを現場で担っていただく法人にもお届けし適切にお給料等に反映されるようにしていくということがまず一つあると思います。それ以外にも、もっと業務を軽減、改善すべきことがあるのではないかという視点とか、それぞれのおうちに、お父さんお母さんにいろいろと保育士の先生がやり取りをされたり、教室を綺麗に飾るためにいろいろと作業なさってくださったりとか、いろいろなお仕事がたくさんあって大変だということをどのように軽くしていくのかという好事例なども現場にはあろうかと思います。そういうものを共有したりということを関係団体等々とより積極的にやっていくということはあるんじゃないかなと思います。ただまだまだそれ以外にも、悩みや課題があるとすれば、こういったフェスタやまた先ほど申し上げたいろいろな現場の皆さんとの意見交換の中で、さらに見いだしていけたらいいなというふうに思っています。
[司会]
本日の定例会議はこれにて終了させていただきます。次回の定例会議は12月の17日火曜日の10時30分からということになりますので、よろしくお願いします。それでは本日の定例会議を終わります。
【知事】
(毎日新聞のインターン生に対して)質問してくれたらよかったのに。どうぞどうぞ。記者のみなさんよろしいですか。せっかくなので。
[毎日新聞インターン生]
先日11月の兵庫県知事選で斎藤候補が再選されましたが、そ の再選にSNSが結構影響したんじゃないかなという見方もする専門家の方もおられ、私たち大学生の間でもその話になるとSNSとメディアの関係というものに対して、この先どうなっていくんだろうかみたいな漠然とした不安を抱えているという話をよく聞きます。メディアとSNSのあり方、今後のSNS規制みたいなところも含めて知事はどのように考えておられますか。
【知事】
改めてインタビューか何か個別にやりましょうか。とても大事な視点だと思います。SNSと略されていますけど、「ソーシャル・ネットワーク・サービス」ということであるとすれば、その機能を使うことで、ソーシャルなネットワークが形成されていくということですので、これは私達人間をある意味では幸福にしたり便利にしたりするツールだと思います。ただ一方で、そこで出される情報、そこで喧伝される情報などが人を扇動したり、また誤った情報に付和雷同することになる面もあるとすれば、それはその弊害としてあるんだと思いますね。やはりそういったものを正しく使おうとか、リテラシーを持って使おうということを啓蒙する役割の一つをメディアの皆さんが担ってらっしゃるのではないかなと思いますので、そういう意味での役割というのは極めて重要なのではないかと思います。
[毎日新聞インターン生]
SNSのことに関して追加で御質問したいんですけれども、昨日の代表質問も見させていただいて、三日月さんがいろいろな世代の方の声に、例えば高校生の方だったりとか、そういった方の声に耳を傾けられているなとすごく感じて、そういう高校生の声とかって今SNSで発信する方もすごく多いと思うので、SNSを利用していくからこそそういった声に気づくことができるという面もあると思うんですけれども、三日月さんが知事としてSNSを使用していく上で気をつけていらっしゃることや考えがあったら教えていただきたいなと思います。
【知事】
おっしゃるとおりで、SNSがあるから出される声、聞ける声、集められる声ってあると思うのでそのツールその機能は大事にしたいと思います。私が気をつけていることは誰が出しているのかということもあるのかもしれませんけど、それが事実かどうかということはその一次情報だけで見て何かを言うということは極力しないように、裏づけを取ったり、自分自身で見たり、自分の自身の中でかみ砕いて言うようにはしています。そのことだけで言うと間違っている可能性もあるのでそこは気をつけているつもりですけど、ただ十分チェックできているのかどうかというのは怪しい面もありますので、これはまたメディアの皆さんからもいろいろチェックしたり指摘していただけるとありがたいなと思います。