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知事定例記者会見(2024年10月29日)

令和6年10月29日

(県政記者クラブ主催)

知事定例会見にて壇上で話す三日月知事の写真。知事の横に資料表示用の大きなモニターが映っている。

【知事】

 今日もよろしくお願いいたします。総選挙が終わりました。まずはそれぞれ様々な関わりをされた方、立候補された方や選挙事務を担われた方、運動された方、様々な方に心から敬意を表したいと思います。新しい政権ができて非常に短い期間で行われた解散そして総選挙でした。何を争点に何を視点に選べばいいのかよく分からないというお声も聞かれたことも報じられています。投票率がよくなかったと思います。滋賀県で54.93%ということで過去2番目に低い、ということでございますので、どういったことが影響・作用しているのか。県の選管ともよく研究・議論してみたいなと思います。投票率が高くない、多くの方が投票されていないということは日本の社会、また民主主義にとって良くないことだと思います。どこに原因や事情があるのかというのは個人的にも、また県としても探ってみたいと思います。とはいえこういう状況の中ではありますが、多くの声、様々受けとめられて、一つの結果が出ましたので、この結果に基づく国政、衆議院の構成というものを見守っていきたいし、結果として政権与党が過半数割れするという状況が生まれておりますので、どういう枠組みで、またどういう政策を重視して政権を構成されるのかということは重大な関心を持って注視しているところであります。いずれにいたしましても補正予算でありますとか、新年度の予算編成と大変重要な課題が山積している中ですので、やらなければいけないことがありますので、安定した政権をつくっていただけるよう、また私たち地方にも様々な指針・メッセージを発していただくよう期待したいと思います。

 昨日まで佐賀県で行われた全国障害者スポーツ大会に参加してまいりました。昨日が閉会式ということで、いよいよ来年「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」、滋賀県での開催ということになりますので、その旗を佐賀県知事から引き継いで参りました。いよいよこういった日数(会期前競技まであと312日/国スポ開催まであと334日/障スポ開催まであと361日)が近づいてきましたので、みんなで盛り上げて準備をしていきたいと思います。この佐賀県での大会、障害者スポーツ大会の結果ですが金メダル20個を含む合計47個のメダルということでございまして、私も水泳競技と陸上競技を昨日視察いたしました。水泳競技は出場された方全てが目標記録の達成、陸上競技においては出場された方全てがメダルを受賞ということで、大変アスリートの皆さん、関係者の皆さんが御奮闘されたということがございました。また障害者スポーツ大会はボランティアの方が、今回佐賀県では「サガンティア」と呼んでいらっしゃったのですが、大変多くの方が支えて、参加されて、御覧になっていらっしゃいました。手話通訳の方もそうですが、いろんな方が応援をしてくださっている様子がとても印象的でした。スポーツをする・観る・支えるという「すべての人に、スポーツの力を。」という、この佐賀大会から強く打ち出されているメッセージを滋賀県でも引き継いで、また滋賀県らしい大会をつくることによって皆さんをお迎えしたい、おもてなししたい。そして「ともに生きる健康しが」づくりに向けて、スポーツの力を大いに生かしていきたいなと思っているところでございます。

 もう一つ、いよいよ秋から冬へということで、いろんなイベントが目白押しでございまして皆さんのお手元にもたくさんの資料をお配りしておりますが、一点だけ紹介させてください。11月2日、大阪・関西万博のプレイベント「滋賀ミライEXPO」をびわ湖ホールで開催します。「万博×未来」をテーマに万博の見どころや滋賀の様々な関わりや取組をゲストを交えて紹介するトークステージの他、県内ベンチャーが開発される人型ロボットや、空飛ぶクルマの実機の展示などを行う予定です。高橋ユウさんやJPさんなど滋賀県出身の御活躍されている方々でありますとか、近江高校吹奏楽部など多彩な出演者、またミャクミャクも出演してくれるということでございますのでぜひ皆さんも御参加いただければと存じます。

 ちなみに佐賀障スポで滋賀県選手団の方と現地で記念写真を撮ったのですが、このたすきをかけていらっしゃるコスチュームの方が佐賀県のスタッフの方です。ちなみにこの方々はグランドソフトボールといって目の不自由な方がプレーするアスリートの方々ですが、このお2人は佐賀県の専門学校生の学生さんです。目の不自由な方のガイドヘルパーをしてくださって、ずっと現地で同行してくださり、滋賀県選手団の皆さんとすごく仲良くなり、「今度滋賀に遊びに来てや」「お世話になったな」とかそういう交流をされているようでした。事程左様にあっちこっちでそういう交流がうまれていまして、もちろん国スポも多くの方が来られるのですが、この障スポならではの人と人との心の交わりみたいなものも沢山ありましたので、ぜひ滋賀県でもそういうレガシーをつくっていきたいなと思っております。

 それでは資料に基づきまして2点お伝えをいたします。まず1つは「きらみずき」近江米新品種、昨年度デビューをいたしましたが今年度から生産量が大幅に増えて、いよいよ本格的なデビューとなります。10月上旬から既に堅田にあります「米プラザ」をはじめとする道の駅や「きてかーな」をはじめとする直売所で販売をしておりますが、平和堂をはじめとする沢山のお米を売るお店での販売が11月2日(土)に決まりました、そのお知らせでございます。この「きらみずき」は県の農業技術振興センターが10年以上の年月をかけて開発してきたものであります。気候変動の影響、暑さに強い品種をつくろうと、また安定的につくりやすい品種をつくろうと。さらには当然味が良いお米で環境にも優しくネオニコチノイドをはじめとする殺虫剤・殺菌剤を使わない、またオーガニックを追求しようと、こういったかたちでつくってきました。そういう栽培方法ですので生産者の皆さんが非常に暑い中、尽力をされたり、田んぼを見て回ったりということで御努力されているその結晶でもあります。今年も夏が非常に高温でした。全国的にお米の収量・品質に対して厳しい環境となりましたが、この「きらみずき」はその特性を大いに発揮いたしまして、まだ現場からの報告だけですが一等米比率が90%程度ということで大変高い品質を保持することができているということでございます。この「きらみずき」は食べられた方は御存知だと思いますが、非常に粒が大きくて、みずみずしい。すっきりとしながらみずみずしい甘さがあると。また、ぷっくり、しっかりとした米粒の食感もあるということでございますので、ぜひ皆さんも御賞味いただければと思います。何より山をはじめとする環境、生きもののことを考えながら持続可能な米づくりをすると。世界農業遺産に認められた琵琶湖システムを保持する形で、こういった取組をさらに進めていきたいと思っております。このパッケージが目印ですのでぜひ皆さんお買い求めいただければと思います。

 もう一つはキャッシュレス決済本格導入ということでございます。大阪・関西万博は「未来社会の実験場」ということでございますので、この機に滋賀県でも「手のひら県庁」、様々な決済が24時間どこからでもできるような取組を追求していきたいというのが私の3期目の公約でもあります。まずここでは県の各受付窓口におけるキャッシュレス決済の本格導入についてお知らせいたします。このキャッシュレス決済は収納方法の多様化による県民の皆様の利便性向上を図るという目的で実施いたします。来年度末に廃止を予定しております収入証紙に代わる収納手段が必要となったことにあわせまして、年々比率が高まりつつありますキャッシュレス決済の需要に応えていこうとするものです。まず使用できる決済ブランドに関して、クレジットカードはVISA等、二次元コードはPayPay等、電子マネーはICOCAなどの交通系ICカード、WAON等の流通系ICカードが利用できるということでございます。利用可能な窓口に関して、県庁内の所属地方機関、県警などの申請件数が多い93の所属にキャッシュレス決済ができる端末をトータルで149台設置する予定でございます。対象手続きに関しては、多くの県民の皆様が申請されます運転免許更新手数料や旅券(パスポート)交付手数料など全体として約640種類の手続きが対象となります。11月中旬から順次対応を開始いたします。詳細は今後、滋賀県のホームページの中でお知らせをいたします。ぜひ現金をじゃらじゃら現地で管理しなければならない、もしくはお支払いをしなければならないという状況を改善していきたいと思いますので、ぜひ皆様方の御理解、御協力をよろしくお願いします。私からは以上です。

 

[中日新聞]

 総選挙に関して県内の状況をみるとこれまで4回続いた自民の全勝が今回崩れました。その点含めて県内の結果に関して受け止めをお願いします。

 

【知事】

 まず4つあった選挙区が3つになり、それぞれ広くなったり変わったりということがあったと思います。御対応いただいた方、選ぶ方も含めていろいろと戸惑いや御苦労もあったのではないかなと推察いたします。結果としては小選挙区では1区で斎藤アレックスさん(維新公認)、2区では自由民主党のうえの賢一郎さん、3区では自由民主党の武村のぶひでさん。そして比例で小寺裕雄さん、さらには自由民主党の大岡としたかさん、参政党の北野ゆうこさん。ということで県内から投票された方々が選ばれた結果として決まったということでございます。いろいろなことが作用してこの結果が出たのだと思います。それぞれ審判を受けた方々はいろいろな声をこの機に聞かれているでしょうから、ぜひまたそういったものを我々も共有させていただいて今後の糧・教訓にしたいなと思います。あまり多くを申し上げませんが、総理は納得と共感ということを強くおっしゃっていますが、その根底にあるべき信頼というものがやはり必要不可欠だったのではないかと思いますし、そこがなければ外交のこと、安全保障のこと、社会保障のこと、経済のこと、様々語ってもなかなか聞いてもらえない状況というのが、私も国政選挙をやっているときに何回かそういうことがありましたけれども、そういったことが大変重要だったのではないかと思います。ただ、もう結果が出て、与党が過半数割れしたというこの状況を受けてどうするのかというのが問われている、これは日本の社会、民主主義として問われていることでもありますので、そこをどのように動かしていかれるのかということについては関心を持ってみていきたいと思います。

 

[中日新聞]

 先ほど投票率のお話もありましたが、今回裏金によって政治不信が高まっているという声もあります。そういった点も含めて投票率が低かった事情等を探っていきたいとお話がありましたが、具体的にはどういったことをされたいとお考えでしょうか。

 

【知事】

 どういう探り方ができるのかということにもよると思いますが、期日前がどうだったのか、年齢別にどうだったのか、一定期間経って出される分析等もございます。そういうものも見ながら、どういう傾向と特徴があったのかということについては私達も見ていきたいと思います。いろいろなところで言われていますが、確かに政治資金の問題は一つの大きな争点だったのではないかと思います。たくさん報じられていましたし、ただそれ以外の重要課題がどれぐらい語られたのか。子どものことや環境ことや経済のこと。安全保障と外交のこと。そこにどれぐらい有権者の方が関心を持たれたのか。特に自民党、公明党以外の政党も候補者を出されていましたが、そのことによる政権交代というのは、投票そのもので直接的にイメージしにくいものでもありましたし、こういったことがどのように作用したのか。何より問題だなと思ったのは、政権がすぐにできてすぐに解散されましたけれど、何をされた政権で何をしようとされているのかというのがやっぱりいまいちよくわからなかったということをおっしゃる方が多かったように思います。それが結果、投票に足が遠のかれた一つの要因になったのではないかと思います。

 

[中日新聞]

 過半数割れで県内に何かしら影響があると考えておられることはありますか。

 

【知事】

 衆議院なり、参議院の過半数をときの与党が結果得られないという選挙というのは過去衆参とも何回かあったわけで、その度に与党の枠組みを構成する様々な話し合いや、また政策による離合集散が行われてきたというのがあります。今回も何らかの形で首班を決めるための多数派工作が行われていくと思いますのでそこは見ていきたいです。何より多数が一定固まらないと予算がなかなか通っていかないということがあります。経済のこと、地方の行政のこと、待ったなしの課題がたくさんありますので、予算を初めとする様々な審議がこのことによって停滞することがないように。必要な議論が与党だけで決まるとかではなく、与野党できちんと協議し合意の上決まるということは私は望ましいことだと思いますが、停滞したりなかなか決まらないということがあっては困るのでそういうことがないように願いたいと思います。

 

[日本経済新聞]

 きらみずみについてですが、全体的に新米が出てもまだ米の価格が高止まりしていて、JAの通販ではキャンペーン値引き後の価格で、「きらみずき」が5キロで4750円、滋賀県産のコシヒカリは3620円となっています。5キロで3000円台というベース自体がすごく高くて、この辺りはマーケットが決めることなのでどうしようもないと思いますが、値引き前だとと5キロで5000円を超える「きらみずき」が消費者に選ばれるのか、知事はどうお考えでしょうか。

 

【知事】

 私達は良い米を、美味しい米を、環境にも良い形でつくっていきたい、お届けしたい、これがまず第1です。と同時につくる方の努力、御苦労がきちんと報われる価格形成をしようとしています。当然肥料代もかかる、物流代もかかる、人件費も上がる、こういった事々もよく見ながら、価格転嫁が適正に行われているのかという視点。これは今大変重視している。したがって良いものは良い価格をつけてお取引していただけるように、決して安易な安売りはしないようにしようということを言っておりますので、ここは大事にしたい。ただおっしゃったように、今品薄感からの高騰ですとか、価格が上がっている、賃金年金等がなかなか上がらない中で、相対的にお米の価格が高くて買えない、食べられないというこういうお声がどのように「きらみずき」の販売に作用するのかというのは、今回の販売を通じてよく見てみたいと思います。他のものと比べてどうなのかとか、どういう層がどこでどれぐらいこの「きらみずき」を支持していただけるのか、こういうオーガニックで殺菌剤殺虫剤を使わないというつくり方と売り方をどのように皆さんが御覧になるのかというのはよく見た上で、来年度以降の価格戦略にも生かしていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

 総選挙の県政への影響は予算以外には特にないですか。

 

【知事】

 新しく当選された方もいらっしゃいますので、丁寧に県政課題を御説明し、滋賀県のためにも様々な形でお力添えいただけるような環境づくりをするということだと思います。関西広域連合もお預かりしていますので、そういう意味でしっかりとしたパイプをつくりつつ、地方への分権、関西の新時代をつくるということについても最大限の努力を傾注していきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

 関西広域連合長の2期目についてですが、11月21日に広域連合の委員会があるので、そこで互選という形で決まると思いますが、2期目もということでよろしいですか。

 

【知事】

 先日行われた関西広域連合の委員会の打ち合わせで、選挙日程が決まりました。11月21日に選挙が行われるということを決定しましたので、そこに向けてどのように臨んでいくのかというのを今最終考えているところです。

 

[日本経済新聞]

 まだそこで手を挙げるかどうかは決めていないということですか。

 

【知事】

 今やっていることと、これからやらなければいけないこと、その中で私が果たすべき役割というのを考えた上で決めていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

 50%よりも上ですか。下ですか。

 

【知事】

 やはり継続して担うべき責任というのは強く自覚しております。

 

[京都新聞]

 衆院選の関係で投票率についてですが、期日前の投票に関して今回急な選挙ということもあって、期日前投票所の入場券が自治体によってかなり届くのにばらつきがありました。そのことも投票率に影響したんじゃないかという話もあります。こういった民主主義の権利を行使する機会で自治体間にばらつきが出るというのをよくないのかなという気もするんですけども、そのあたり反省点として何かお考えはありますでしょうか。

 

【知事】

 選挙実務に関わっていただいた方々は、法令に定められた形で、そして与えられた職責を適切にかつ忠実に果たしていただいた。またその事に日夜御苦労いただいたと思います。そのことには思いを寄せたい。これは町も市も県もいずれもそうだと思います。ただおっしゃったように、どうしても物理的に時間がかかってしまって、結果届くのが遅くなり、(入場券を)持っていなくても投票できるんだけれども、持っていないと行っちゃいけないという誤解を招いてしまったようなところもあって、そのことが期日前投票の出だしがなかなか伸び悩むことにどう影響したのかというのは見てみないとわからないなと思いますね。そのこととか、あと誰に入れたらいいんだろうとか、どう考えたらいいんだろうというお悩みもあったのかもしれません。

 

[京都新聞]

 社会福祉法人グローの前理事長と法人に対して賠償命令があり、知事も法人からのコメントを注視したいという旨のコメントを出されました。月曜日に法人のコメントがホームページ上で出ましたが、そのコメントに対する知事の評価を教えてください。

 

【知事】

 まずセクシャルハラスメントは重大な人権侵害でありますので、これは許されざる行為ということでございます。特に元理事長による性加害行為等が事実として認められたというこの判決結果は大変重くて、そのことは遺憾だと言わざるを得ないと思います。法人においては安全配慮義務違反が判決の結果認められたということでございます。したがって法人にはこの判決を真摯に受け止めていただいて、今後適切な運営に取り組んでいただきたい。これは法人も施設もありますが。そういったことについて一定の見解を明らかにされたと承知しておりますが、単なる見解の発出に終わることなく、それらが適切に履行されているのかどうかというのを見ていく責任も私達にあろうかと思いますのでそういったことをしっかり果たしていきたいと思います。

 

[京都新聞]

 社会福祉法人グローは県立の2施設の指定管理者をしており、女性活躍の認定企業にもなっています。今回の判決を受けて指定管理であったり女性活躍企業の認証に対して見直されるというお考えはないのでしょうか。

 

【知事】

 今回の判決をもって直ちに何か見直さなければならないということはないのではないかと思っております。それぞれ女性活躍の認証は認定時において、また指定管理についてはその指定管理を更新するもしくは審査する過程において、それぞれその時々の項目に応じてやっておりますので、この判決を持って何かを変えなければいけないということはないと思いますが、判決の結果を踏まえてどういう対応、行動をこの法人が取っていかれるのかということもよく見た上で、今後のあり方については考えていきたいと思います。

 

[京都新聞]

 鳥インフルエンザ疑いの事例が長浜で発生しましたが、今のところまだその確定等には至っていないという理解でいいでしょうか。

 

【知事】

 今の時点で確定はしておりません。おっしゃったとおり先週、長浜市で死亡野鳥を回収いたしましたので、昨日簡易検査を行ったところ陽性を確認いたしまして、今、国においてこの確定検査が行われているところでございますので、その結果を待っているところでございます。今の時点で何か確たる連絡が来ているわけではありません。ただこういう季節になってきて、既に何県かで鳥インフルエンザが確認されておりますので、担当防疫部局に対しまして、体制を強化するように指示したところです。また飼養されている方々に改めての防疫対策の呼びかけも行っています。

 

[読売新聞]

 衆議院選挙の投票率が低かったことについて、県選管からは一日一斉啓発ということで街頭でのポケットティッシュ配布やインターネットに広告を出したぐらいの啓発はされたと聞いています。ただそれだけで投票率が上がるのかという話があり、今回の選挙は急に決まったこととはいえ、衆議院選挙は任期があり定期的に行われることなので、特に若い人に向けての啓発という意味では普段からできることもあるんじゃないかと思うのですが、県選管としてできることは何かあったと思われますか。

 

【知事】

 ぜひ読売新聞さんで特集研究記事をつくっていただいてですね、いろいろな都道府県のいろいろな取組事例を比較されて検証もしていただければ参考にしてみたいなと思います。おっしゃったとおり、何が影響、作用してこういう結果になっているのかというのは私なりにも見たいなと思っています。当然広く多く啓発するということも大事だと思いますし、先ほど用紙がいつ届くのか、まだ届かなくても投票できるというお知らせをするということも含めた投票環境をどのように充実するのかということもあるでしょうし、なにより何が争点になり、どういう期待があって、選挙に対する熱が社会的に上がるのか上がらないのか。中には前回よりも投票率が上がった県があって、その県ではどういう選挙事情があったのか、もしかすると激烈な選挙が行われていて、運動員の方が社会的にも選挙運動を他よりも相当熱を入れてやられたということも影響しているのかもしれませんので様々あると思います。そのあたりは何か一つの原因でこうだ。一つの対策をやればこうなるということではないのかもしれませんが、ただ大切な投票権がより多くの方に行使していただけるような環境を整えるということのためにどういうことができるのかというのは、市町の選管、そして県の選管も一緒に考えていきたいと思います。

 

[読売新聞]

 例えば、若い人の投票率は必ず毎回言われていることですが、今回ももう少しすればわかるかもですが、こういうことをやっていったらいいのではみたいなところはあったりするのでしょうか。

 

【知事】

 以前も会見で申し上げたかもしれませんけれども、できる限り手軽な形で投票できる環境整備です。今は市町選管中心に大変御尽力いただいて、期日前投票ですとか、商業施設等での投票ですとか、いろいろな環境が改善されてきていますが、さらにどういったことができるのかということは大変重要だと思いますし、よく聞くのは、なかなか平日に仕事のある方が平日の昼間に、夜間も一定程度伸ばしていただいていますが、期日前でも投票に行きにくいということであるとか、私も個人的に投票に行く時間を確保するのは非常に難しくて、走るように投票に行って、某報道機関の出口調査に追いかけられたということがありましたけれども、なかなか投票に行く時間を確保することが大変な方も多いのではないかなと思います。そういうことをどう乗り越えていくのかということも、課題、可能性ではないかなと思います。

 

[読売新聞]

 石破総理の言う「納得と共感」の根底には信頼が必要で、それがないと政策は聞いてもらいにくいのではないかということですが、今回、まだ自民党が与党としてその信頼を得られないまま選挙に入ってしまったという捉え方なのでしょうか。

 

【知事】

 私もこういう立場で、またその渦中にいるわけではなく、候補者でもなく、見ているだけですのでわからないところもありますが、もちろん私の知らないところで多くの御努力をされていることだと思いますが、やはり納得と共感の前提に信頼が必要だというのはあると思います。納得と共感を強調された石破さんであるだけに、かつその様々な政治とお金の問題が問題視された後総理になられ、そのことを有権者の皆さんに問うとおっしゃった選挙だったと思うのですが、途中で公認されてなかったところにお金を配られたというような報道がありましたし、公認する、しないということについてもいろいろとこれでいいのかということが問われたりもしておりました。また、この間やろうとおっしゃって総裁選挙での公約にされたことが、その後の政権において、どのように取り扱われるのかということがいまいちわからないまま、総選挙になってしまったというようなことなどもありましたので、そういう事々も「あれ、やってくれると思ったのにどうなってんのかな」ということが、その前に起こった事々と一緒になって多くの皆さんのお怒りを買ってしまったということもあったのかもしれませんし、野田代表をはじめ政権を担当されて総理までされた方が、一定の現実性、御経験を持って語られたことなども多くの有権者の支持を集めたのかもしれませんので、いずれにしろ、全国で様々な選挙事情の中で戦われた方々とこれから接することもあるでしょうから、いろいろとお伺いをしてみたいなと思います。

[NHK]

 社会福祉法人グローの話について、今回セクハラということが認められたわけなのですが、やはりセクハラというのは、今回この方がただのおじさんではなくて非常に社会的に信頼される法人の理事長であった方が非常に嫌がることをしたということだと思います。やはり、この法人の社会的信頼というのは、もちろんNHKの審査員になってくださっていたりしてNHKもあるのですが、県も施設管理者にしたりとか様々な福祉の分野でこの法人に対してのお付き合いがあって、ある種その信頼に肉付けしていったというか信頼の根拠になっていた部分があると思います。その責任というところも私はあるのかなと思っていて、そこについて知事はどう考えられますか。

 

【知事】

 県として知事として、これまでグローと様々な関わり、ある意味では一緒にやってきていろいろな契約をしてきて、そのことが1つはグローの信用になりこういう体質を生んでしまったり、こういった事態が起こっても改善がなかなか行われなかったということに繋がっているのではないかという御指摘は、これは重く受け止めなければならないと思います。結果的に県が契約することや、県がそういった法人がやられていることを前向きに報じたり、評価することが、そういった差別や人権侵害を助長してしまうこと、もしくはそれを良しとしているのではないかという誤解を与えることに繋がるということは決してよくないことだと思います。以前あったサン・グループ事件においても、こういったことが指弾されて、県も大変大きな責任を負ったということがございますので、今回のグローの件で、どういう責任を県が果たさなければいけないのか、背負わなければいけないのかということについてもよく考えたいと思います。

 

[NHK]

 判決文の中でグローの安全配慮義務違反というのが、代表者を対象にしたセクハラの規定がないこと、代表者に対してセクハラの講習を行っていないことというところが認められました。ここは何か資格というか、特に小さい団体さんとかでは割とあることなのかなと思うのですが、その辺りはいかがですか。

 

【知事】

 おっしゃるとおり、判決文を全て詳しく読めているわけではありませんけれども、どういったところが人権侵害事案を生むことに繋がったのか。また、そういったものを防ぐために、起こさないようにするために、起こった場合に迅速に解決や救済に導くためにどういう取決めが行われ、どういうことが行われていればよかったのかということについても、当然法人も考えられるでしょうけれども、法人と契約がある、もしくは長年付き合ってきた県としても考えていかなければならないことだと思います。同時に、今おっしゃった小さい法人が、理事長をはじめ大きな影響力をお持ちになる方が運営されていて、なかなかそういったことが、決してハラスメントは起こらないようにされていると思いますが、どうしても起こりやすいことになる環境を考えて、どういう対策をとっていかなければならないのかということも今回の事例をもとに教訓にしていきたいと思います。

 

[京都新聞]

 障スポについてお伺いします。先ほどいろいろとボランティアさんとか、御覧になられて発見とか気づきがあったのかなと思うのですが、特に視察したからこそ見えてきた部分、佐賀県の知事ともお話はされているかなと思います。国スポのときも、後ろにもある開催まであと何日の部分で実際にアイデアをもらって、それを反映されているということがありましたけども、障スポに関しまして、何か視察して具体的にこれを取り入れようとか、そういったアイデア、かなり多彩なアイデアが佐賀県はされていましたけども、これは何かできるのではないかみたいなのがありましたら教えていただけますか。

 

【知事】

 私自身はいつも送り出すこと、結果を聞くことはあったのですが、現地でこういう開催状況をみたのは初めてでしたので、とても感じることがたくさんありました。先ほども申し上げたように、アスリートの皆さんはじめ、支援される方、例えば車椅子を押す方もそうですけど、多くの方が関わられる大会ですので、そういった心の交流がたくさんあるということとか、応援もたくさんありますので、そういうものはスポーツする人にとってもそうですし、まちを元気にする、もしくはユニバーサルデザインのまちをつくって、そういうきっかけづくりにもなるんだろうなと思いました。子どもたちもたくさん見に来ていて応援したり、あと佐賀大会から頑張ったアスリート、優秀な成績を収めた1位、2位、3位の方へのメダルをガイドランナーにも差し上げたり、ボッチャのボールを投げるお手伝いをするサポーターの方にも出すとか、トータルでその方の頑張りを顕彰するような、そういう仕組みをつくられたり、障スポでは初めてだったと思いますが、正式競技をネット中継されて、その現地でなくても御覧になることができるといったこの2つのことは、一概に引き継いでいけるようにしようじゃないかということで話しています。これもあまり皆さん御存知ないのかもしれませんけど、国スポは47都道府県対抗でやられているのですが、障スポは参加機会の確保拡大という意図があってなのか、政令市もチームをつくって参加されますので、47都道府県と政令市がそれぞれチーム、選手団を派遣しています。当然その受け入れ、様々な準備等もありますので、例えばそういうこととか、あと閉会式の様子ですが、国スポと全然違います。ほぼ全ての方が障スポの閉会式に参加されて、いろいろなアトラクションを御覧になったり、「よかったね」「次も頑張ろうね」「日頃の生活でも頑張ろうね」ということを口々に言い合って、讃え合って帰っていかれるというところもとても印象に残りましたので、やはりこの障スポの閉会式は「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」のグランドフィナーレになるので、どういうつくり方をするのかということについてはあと1年あるので、よく考えてやろうじゃないかということを言って帰ってきました。

 

[京都新聞]

 動画配信については、されるということでいいでしょうか。

 

【知事】

 今それを準備しているところです。

 

[京都新聞]

 あと、やはりボランティアさんが1つ大きな役割を担われているのかなと思います。滋賀では、要約筆記や手話ボランティアに関しましてはもう募集を上回る応募があるということだと思うのですけれども、一般のボランティアに関してはまだ募集されているのかなと思います。今の集まり具合、あとやはり障害特性に応じた事前の知識とかいろいろな配慮というのがボランティアさんに求められるのかなと思うのですが、その辺の大会気運も含めましてあと1年という中で、県民への何か呼びかけみたいなのがありましたら教えていただけますか。

 

【知事】

 スポーツをすること、みること、支えることの喜びをみんなで共有する絶好の機会が1年後に滋賀で開催されますので、ぜひスポーツを支えるボランティアやスタッフや関係者として関わっていただくことについても、今後より広く、皆さんに呼びかけていきたいなと思います。おっしゃったように、もちろんボランティアとして登録され様々な活動される方がたくさんいらっしゃるのですが、大会会場で受付をする方も手話で御挨拶をされたり、たくさんの方が来られるので駅員さんとか運転手さんもそういった配慮ができる様々な対応、私が行ったお店ではお客様でたくさんの方が来られるので、店員に手話だとか、目の見えない方にどのように御案内したらいいのかということについても改めて教育しましたということをおっしゃっていて、「なるほど、そういうことがまちのバリアフリーに繋がるところもあるのではないのかな」と思いました。あと、陸上と水泳を観戦しましたが、それぞれの協会の方が国スポとは違う競技運営になります。この短水路で、隣には必ずライフセーバーの方が待機されて、何かあったらすぐ飛び込めるようにするとか、音を頼りに幅跳びをするときは会場内静かにしてくださいといったことというのはほぼ国スポ大会ではないことです。例えば、そういうことをみんなで体験すると「こういう配慮をすることによってこういう楽しみ方ができるのか」ということがわかる。これは、やはり社会のユニバーサルデザイン化にとっても、非常に有意義なことだと思いましたので、滋賀県も最大限準備すると同時に、一過性のものに終わらせないように努力をしたいと思います。

 

[京都新聞]

 投票率のことでお伺いします。期日前投票に関しては、投票場の数も微増ですけれども増えているという中で、投開票日当日の投票所に関しては10年前と比べると多分920か所ぐらいから750か所、県内で170か所ぐらいは減っているのかなと思います。もちろん市町が一義的には担当はするとは思うのですが、知事として、この全国的に減っているという辺りの御認識はいかがお考えでしょうか。

 

【知事】

 以前の会見でも申し上げたのかもしれませんが、期日前投票の環境、そして投票日当日の投票所の設定の仕方、これは立会人の方をどのように確保するのか、どれぐらいの時間空けるのかということも含めて、これは市町も相当御苦労いただいていると思うので、まずは事実確認をどこに、どれぐらいの数があったのか、なかったのか。減ったのか、増えたのかというのを見ると同時に、そのことがどういう原因によってそうなっているのかということを市町と共有させていただいて、今後どういう対策をとればいいのか、場合によっては鳥取県が先行してなさったような立ち合いをオンラインですることによって、わざわざそこに行かなくても監視、確認することができれば、今までなくなった投票所を再設定することができるのかもしれませんし、そこはもう一度市町の選挙管理委員の皆さんともよく議論したいなと思います。

 

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