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知事定例記者会見(2024年10月17日)

令和6年10月17日

(県政記者クラブ主催)

知事定例会見にて壇上で話す三日月知事の写真。知事の横に資料表示用の大きなモニターが映っている。

【知事】

 おはようございます。金木犀の香りが大変香しい季節でございます。総選挙も公示されまして、それぞれ候補者、陣営の皆さんには敬意を表したいと思いますし、取材をいただく皆様方の御苦労にも心を寄せたいと思います。

最近起こったことで印象に残っていることとすれば、湖国三大祭の大津祭は晴天の下、開催できてよかったなと思っております。大変多くの方がお越しいただけたのではないかなと思っています。お天気に恵まれたということもあるのかもしれませんが、外国人の方も多く来られていたのではないかなという印象を持ちました。

 また、ノーベル賞の受賞がそれぞれ発表され、自然科学の3賞のうち物理学と化学は、人工知能・生成AIに関連することでしたので、時代の流れを反映しているなと思いましたし、平和賞につきましては日本原水爆被害者団体協議、「被団協」の皆さんが受賞されました。特に被団協の皆様方は証言しにくかったことも多々あったと思う中、証言により核兵器の悲惨さ、もしくはその使用の愚かさについて世界に証言・発信を続けてこられたということでございまして、この事がノーベル平和賞として認められたということの意味は大変大きいのではないかと思います。いずれにいたしましても、私達もそういった受賞、内容を咀嚼いたしまして、今後の県政にもいかしていきたいと思っております。折しも来年は戦後80年ということで、一つの節目でございますのでみんなでこういったものを噛み締めていきたいと思います。

 さて、SAGA2024国スポに週末行ってまいりました。15日の総合閉会式に参加をし、来年開催させていただく滋賀県に国スポ旗を受け継いでまいりました。大変重い国スポ旗ですこういったものを受け継ぎましたので「おもてなし」「準備」「盛り上げ」に万全を尽くしてまいりたいと思います。結果は滋賀県選手団として総合8位ということでこういった賞をいただいてまいりました。開催前年で1桁の8位入賞というのは非常に弾みのつく、入賞自体は昭和56年のびわこ国体以来。長年なかなかできなかったことをこの間の競技力向上の結果として、成果して、また何より選手の皆さん、スタッフの皆さん、そして指導者の皆さんの頑張りによってですね、この結果を得られたということは大変大きかったと思います。私も一昨日まで6日間佐賀県に入りまして、8種目視察をさせていただきました。陸上、柔道、銃剣道、なぎなた、そしてホッケー、スポーツクライミング、相撲、バドミントンいうことでそれぞれの市町でおもてなしの状況でありますとか、例えばスポーツクライミングなんかは初めて見させていただきましたが滋賀県チームの優勝と。会場も大変な盛り上がりということでしたので、来年竜王町で開催される時に大変楽しみだなと思いましたし、柔道は残り30秒まで東京都と競りながら、女子の決勝ですが東京都と5人対決して、最後の大将対決で残り30秒で一本負けしてしまって、残念ながら2位になりましたけれども、非常に肉薄した好ゲームでございました。また、なぎなたであるとか柔剣道という競技も初めて見たのですが来年、なぎなたは彦根市で、そして銃剣道は高島市で開催させていただきますので、そういったことも、特におもてなしですね。それぞれの市町が大変温かな、様々な振る舞い・おもてなしをしていただいておりました。ホッケーが開催された伊万里市では梨を、そして銃剣道が開催された大町町ではたろめんを。更には、(モニタの写真を指し示し)これは「梨」ですね。これが「たろめん」ですね。これは口を大きく開けて食べていますけど「海苔」ですね、佐賀有明海の海苔。そういったものをいろいろと振舞ってらっしゃる、そういうこともございましたので、ぜひこういったことも参考にしていきたいなと思っております。何より今回の佐賀大会から初めて国民体育大会から国民スポーツ大会になったということで、佐賀県が様々なチャレンジをされておられました。配信とかナイトゲームとか、個人表彰とか、こういった事々をどのように受け継いでいくのかということについては、ぜひ参考にして滋賀県らしくアレンジして考えていきたいなと思っておりますし、スポーツの力を全ての人にというメッセージやスローガン、モットーというのは、ぜひバトンとして受け継いで滋賀県でも体現・具現化していきたいと思っております。再来週26日(土)からは全国障害者スポーツ大会が開催されますので、そのときにもまた佐賀県を訪れてどのような準備をすればいいのかということについて視察・調査をさせていただく予定でございます。あと用意していただいている写真、(モニタを指し示し)これが受け継いだ大変重い国スポの旗ですね。佐賀県の山口知事から受け継ぎました。佐賀大会は通常総合閉会式も陸上競技場で行われるところアリーナで開催されたということでございます。このバトンというのが国民スポーツ大会になって新たにつくられたバトンでございまして佐賀県がつくっていただいたのですが、ぜひこの新しくなった大会のいろんな思いをバトンにして託すので、引き継いでいってほしいというメッセージが込められているところでございます。用意した写真は以上です。滋賀県でいよいよ9月28日に総合開会式を行われますが、9月6日からは会期前競技が行われますので、総合開会式からではなく、このようなかたちで会期前競技から盛り上げていこうと、こういう準備をはじめところでございます。

 さて、今日は資料に基づきまして1点御紹介をさせていただきます。滋賀県のまちのあり方、暮らしのあり方、そしてそれらをつくる地域交通のあり方について探る、まちのあり方、暮らしのあり方、地域交通のあり方をつくる・探るワークショップの第2回目を開催いたします。1回目は7月から9月にかけて開催いたしました。高校生、大学生、事業者の皆様方など大変多くの皆さんに御参加いただいたところです。1回目の湖北地域のワークショップに私も参加させていただきました。初回の開催でしたので、いろいろと緊張感も見られたのですが、多くの方から電車・バス・タクシー、その運行本数の少なさ、不便さ、多くのお声をいただきましたし、デマンド交通とかバスの乗り方とか、まだまだ行っている政策の周知が足りていないということについても実感したところでございます。それ以外にも県内で6ヶ所開催させていただいたことをもとに、今回2回目開催させていただきます。それぞれの暮らし、こんな暮らしになったらいいなという暮らしの実現のために必要な移動や交通のあり方についてどんなことをやればいいのかという具体的な施策と、どれぐらい費用が必要なのだろうかと。それをどのように負担・分担すればいいのだろうか、というようなことを是非より突っ込んで議論を行っていきたいと思います。日程は11月16日(土)、今回は甲賀地域からスタートしまして、来年1月まで1回目と同様県内6地域で実施いたします。原則、第1回目のメンバーの方々に継続して御参加いただき、議論を深掘りできればと思っておりますが1回目出たけど2回目出られへんわという方もいらっしゃると思いますので追加募集を若干名ですけれどもしたいと思っております。これに先立ちまして1回目のワークショップの結果を先週金曜日から「SHIGA SMART ACCESS 2040s」特設ページで公表・紹介させていただいております。ワークショップの資料、ファシリテーターの方の御説明の動画、各グループの発表内容等を掲載しておりますし、御意見を受け付けるフォームも設置しておりますので、御参加いただけなかった方、また御関心のある方々の御意見を寄せていただければと思います。ともに生きる「健康しが」の実現に向けて、日々の暮らし、まちのあり方をどのようにすればいいのか、未来の地域交通について一緒に考えていきたいと思います。報道機関各位の御取材や御参画もよろしくお願いします。私からは以上でございます。

 

[中日新聞]

 佐賀国スポに関して、佐賀県の様々なチャレンジを滋賀県らしくアレンジしたいというお話がありましたが、具体的に滋賀県らしさをどういったところで出したいお考えですか。

 

【知事】

 現地佐賀の会見でも申し上げたのですが、それぞれ各地で各競技・種目協会の皆さん、そして市町の皆さんが大変温かく、おもてなしをしながらこの会場を設営したり、運営をされておられました。こういったことはまず基本としてしっかりやっていきたい、受け継いでいきたいと思います。その上で、先ほど申し上げた、いろいろな配信とか、その場に行かなくても見れるということとか、従来の表彰だけではなくて大会記録をつくった方にいろいろな商品を贈呈するとか、MVPを選ぶとか、ナイトゲームの時に所によってはアルコール飲料も提供するかたちで観れるようにするとか、こういった事々をされておられましたので、結果どうだったのかということもよく事務局、スタッフの皆さんとも共有させていただいて、滋賀県でどこまでできるのか、また総合開会式でこれまでのように行進して両陛下の前で手を上げるというスタイルではなくて、それぞれの都道府県のパフォーマンスとして盛り上げるという行進の仕方いうのもこれまでにないやり方でしたので、こういった事々をどれくらい追求できるのかというのは考えていきたいと思います。滋賀県らしさということで言えば、環境面については今、MLGsとも絡めてペットボトル素材のウェアをつくったり、今回の佐賀大会でも各会場で協賛飲料メーカーからたくさんのペットボトルをもらったのですが、行く会場、行く会場でペットボトルをもらえますのでペットボトルだらけになりました。例えばマイボトルでそういった飲料を提供するとかですね、こういったことなんかは滋賀県らしくアレンジして追求できればと思っていますし、おもてなしの面ではですね、ボランティアの方々、平和堂さんにHOPカードの御協力もいただいて、今募っているところですのでそういった方々のおもてなしを充実させるとか、宿泊とか移動がよりスムーズにできるよう今調整をしているところです。特に障害のある方含めた共生、ともに生きるということもみんなでつくっていきたいと思っておりますので、そのため障害のある方の総合開会式の入場料を無料にするとかですね、いろんなことを今検討しているところです。基本になることと佐賀で新たにチャレンジされたこと、滋賀県がやろうとしていることをうまくミックスしながら表現できたらいいなと思っているところです。

 

[中日新聞]

 彦根城についてですが、事前評価の結果が先週出ましたが、改めてそのことの受け止めと、2027年の世界遺産登録を目指すことに変更はないかということを改めてお伺いできればと思います。

 

【知事】

 既に10月8日ですか、コメントも出させていただいておりますが、審査機関であるイコモスから事前評価報告書が示されて、私としては大きな一歩をまた踏み出すことができたということで手応えを感じているところであります。同時に今後、推薦書を作成するにあたって、さらに説明を充実すべき点について様々な御示唆をいただきました。例えば単独、シリアルでいくのかとか、同様の時代につくられたお城とどのように違ってどのように差別化するのかということをもっと詳しく説明してほしいというようなことなど、様々な御指摘御示唆をいただいておりますので、こういったことをつめて、また次の段階に向けて、力を入れて整えていきたいと思っているところです。こういったことごとで住民の皆さんの御関心も高まってきているのではないかと思いますので、専門家が専門機関の審査機関とやり取りするだけではなくて、彦根城の価値、選ばれた後の活性化をどのようにやっていくのかということとセットで準備を進めていけたらいいなと思っています。

 

[中日新聞]

 どこかとセットで登録を目指すという場合は、知事から他の県の知事等にお願いするといった話も出てくるものなのでしょうか。

 

【知事】

 知事からということよりも、まずはそれぞれの例えば国宝なら国宝、同時代につくられたお城ならお城、天守なら天守でどのようなものが現存しているのかということはリストとしてすぐに出せるものですし、それぞれの違いについては一定学術的にも事務的にも整理できると思いますので、知事が知事に連絡をするということは現時点必要ないのかなと思っています。ただ、この間のイコモスとのやり取りを含め、事前評価制度導入による様々な調査を含め、滋賀県が彦根市さんと一緒にかなり進めてきたことがございますので、こういったことを情報共有するというようなことは、事務的にはできるんじゃないかと思っています。

 

[中日新聞]

 15日に衆院選が公示されましたが、知事としては今回の選挙の争点等をどのように考えていらっしゃいますか。

 

【知事】

 第50回になる衆議院総選挙でございますし、そう度々開催されるものではありませんので、この貴重な機会を有効に使っていただきたいと思います。大切な1票、投票権、参政権を大事に行使していただきたいと思います。私達は選挙管理委員会事務局もお預かりしていますので、そういったことが可能になるように市町とともに万全を尽くしてまいりたいと思います。政治的にはそれぞれの公約を述べられると思いますので、これまでやってこられたこと、そしてこれから何をやろうとされているのか、その人となりも含めてよく見極めて、一票一票投じていただければと思います。これ以上述べると長く熱くなりますのでこれぐらいにとどめておきます。

 

[日本経済新聞]

 大津祭についてですが、知事がおっしゃったように外国人の方も見に来るなど以前よりもだんだん知名度が高くなり、注目をされるというのは非常にいいことかなと思いますが、タクシーの運転手や商店街の方の話では、見に集まっている人々はだんだん増えているが、担い手が少なくなっていると感じるとのことです。担い手不足は大津祭に限らず全国各地で起きている現象だと思いますが、例えば今年は大津駅の前に提灯が立ち、3社ぐらいがスポンサーになってくれたようですが、去年はスポンサーがなくて提灯が立てられなかったらしいです。今後、担い手をどう確保するか、あるいはお金をどうするかとか、マンションに住んでいる新住民の方にどのように参加してもらうかなどについて、行政ができることはあるのでしょうか。

 

【知事】

 まず、これも定量的に計れているわけではないですが、私も宵宮と本祭と短時間ですけども巡らせていただいたときに「近くにいたけどこんなにええもんとは知らんかったわ」とか、お天気が良かった、コロナ明けでたくさんの方で盛り上がったということもあったとは思うんですけど、近隣の方も改めて価値や魅力を再認識された御感想を漏らしていらっしゃる方は多かったんじゃないかなと思いました。そういう意味で、まず一つは盛り上げですね。観光も含めて事前そして関わる人がどのように努力なさっているのかということは重要だと思います。二点目はおっしゃったように担い手がかなり厳しくなっている。私も何年か前、お神輿担ぎに参加しましたし、今回も県庁からボランティアとして秘書課長も山の引き手で参加してくれていましたし、広報課長や何人かも神輿担ぎにいってくれたりなど、この地域で仕事をさせていただいているもののゆかりを生かした様々な取組をしています。私が巡ったときも、お囃子の人もそうでしたし、曳く人もそうでしたが、どこどこから参加してますとおっしゃる方がいらっしゃったので、こういう担い手を増やしていく取組というのも、まだまだできることがあるんじゃないかなと思います。それも一つ目に申し上げた盛り上げとか、魅力の発信とか、そういうことと相乗効果で相まっていくものでもあるので、そういう好循環ができたらいいなと思います。今年はこの大津祭がロンドンに行ってPRするような機会もつくられているようですので、祇園祭とまた違う楽しみ方があるねとか、何かからくりが近くで見れていいねとか、何かそういうことがまだちょっと大津祭ならではの魅力として発信できていったらいいなと思います。

 

[日本経済新聞]

 先ほど御紹介のあった第2回の滋賀地域交通ワークショップについてですが、知事も1回目は北部の方で参加され、来年の3月には滋賀地域交通計画の骨子を策定していくということですが、知事がイメージされていた滋賀県に欠けているもの、望まれているものと、ワークショップの参加者が望まれているもので違いなどはありましたか。

 

【知事】

 まず基礎データとして県政世論調査にも出ているように、14年連続で不満だとおっしゃる方が様々な県政課題のトップであり続けているということからすれば、もっと何とかしてほしいより良くしてほしいという願い、想いの詰まったテーマなんだと思い、そういうつもりで、このワークショップ参加すると乗りたいけど本数がないとか高いとか、そういったことを口々におっしゃる方は、やはり予想どおり多かった。ただ、意外にデマンド交通を含め、路線サービスを含め、やれていることもあるんだけれども、まだまだ知られていないことが多かったということがあるので、今回1回目事業者の皆さんにも御参加いただいて、いろいろな事情の説明とともに施策、サービスの御紹介なども行われましたので、そういったものをもっと繋ぐということでもやれることはあるんじゃないのかなと思いました。

[日本経済新聞]

 また財源の話になりますが、国の方でも鉄道というものをインフラとして認めて、この維持、発展にお金を使っていくという方向に転じています。実際のところ地方の公共交通はもはや一企業ではまかないきれなくなってきている。それは多分多くの人の共通認識だと思いますが、改めて交通税というものが必要だと考えたりされていますか。

 

【知事】

 今のお尋ねに一足飛びにそのとおりですというつもりはありません。決してまだそういう状況ではないとは思います。官か民かということではなくて、官民もという公も民間部門もという連携のあり方というのを追求していくべきではないかなと思います。これまでもそうでしたし、多くの地域でそうですが、民間企業の皆さんが利用される方から対価を得て、収益を出しながら持続的に経営を行うという可能性はもっと追求していきたいし、それらを例えば街づくりの面で、費用負担の面で、公共が下支えをするという可能性ももっともっとあるんだと思います。今近江鉄道、信楽高原鐡道も含めてですけども、そういったことをやろうとしている。それで何か良くなってきたねということがあれば、それをどう広げていくのということだと思います。モビリティとか移動というのは、技術が日進月歩進展してきてますので、そういったものをもっと取りこんでどういうサービスの改善ができるのかというのは、もっともっとやっていきたいと思います。ただ最後四つ目として、そういったことが可能になるためにも、利用者の負担、現存の国や地方自治体の補助金、民間企業の頑張りだけでは、財源が足りないとすれば、新たな財源の可能性として交通税というものも考えればどういうふうになるのかということは、これは逃げずに考えていく必要があるんじゃないのかというのが滋賀県のスタンスです。

 

[日本経済新聞]

 先ほど中日さんもおっしゃった彦根城についてですが、事前評価制度のイコモスから返答はかなり好意的だと思いました。シリアル、つまり他と一緒にという道もどうかということが非常に抑制的な書き方でしたが、要するにちょっと勧めている感じがしました。大名統治機構というのは非常にいい視点だと思いますが、それを彦根城だけで代表させるというのは、外国人から見たら普通シリアルでと思うと思います。県の担当者の方はあくまで単独を狙うんだとおっしゃっておられましたが、知事はシリアルにするかどうかこの辺りの可能性についてどうお考えですか。

 

【知事】

 まず、一般論として同時代の同様のもので括れるものがあれば括って出して評価をいただくというのは、例えば北東北と北海道の縄文遺跡だとか様々な産業遺跡の面でもあると思います。だから可能性としてあると思いますが、私達はその保存の具合もそうですし、江戸、中央幕府との近さなども含めて、この彦根城単独で普遍的価値が証明できるのではないかということでこれまで調査や検討を進めてきましたので、この方針は貫いていきたいと思いますが、今もお尋ねあったように、同時代につくられた大名統治ということで言えば同様だと思われるお城もしくは城下町、そういうものをどのように考えるのかをさらに示してほしいということについては、これまでもやってきたつもりですけど、なお示せるものを探してよりわかりやすく示すことによって、なるほどやはり彦根城は他のお城と違う特徴や価値を持っているということを理解していただけるように努めていきたいというふうに思います。

 

[日本経済新聞]

 12月3日で任期が切れる関西広域連合長、これを続投するか否か、この辺りの結論は出ましたでしょうか。

 

【知事】

 今、1期2年の後、その後引き続きやらせていただくとすれば、どういう政策を行っていけばいいのかというのを考えてございまして、これまでやってきたことと、これからやらなければいけないこと等を整理して、しかるべき手続きに臨んでいきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

 続投に意欲を見せたというふうに書いてもよろしいですか。

 

【知事】

 引き続き関西広域連合を15年、16年、17年と発展させていくために、今連合長になっている私がどのように考えているのかということを、この改選期に向けて整理していくという状況です。

 

[NHK]

 11日に県議会が閉会しまして、土地開発公社の解散が可決され、3月に解散するということで既定路線ではあるのですが、今後の工業団地の造成、企業誘致のビジョン等これまで担ってきた役割を、誰がどのような形で担っていくのかというところを改めて御説明いただけたらありがたいです。

 

【知事】

 今お尋ねいただいたように、土地開発公社につきましては、解散させていただくべく、今、準備、調整を進めているところです。おっしゃったように、これまで長い歴史の中で、この土地開発公社が果たしてきた役割というのもございます。特にそういう専門性とか、機動性、交渉ノウハウというものを解散後、どの組織でどのように引き継ぐのかということについて、県民を代表する議会の皆様から御心配、ある意味では反面御期待も含めていただいたと思っていますので、そういったことが付帯決議として付されたと理解をしております。こういったことを踏まえて、どのような組織体制を整備、構築するのかということは、来年度に向けて鋭意検討していきたいと思います。特に産業用地を含め、市町のそういった用地、土地開発ということに対する需要もしくは相談にどのように応じていくのか。用地を巡る業務、事務というのは何も土地開発公社だけではなくて、公共事業ですとか、地籍の調査とか、いろいろな形でやっていますので、そういったものとの連携をどのように図っていくのかとか、いろいろな課題があろうかと思います。今回いただいた付帯決議を出すに至った議論なども、もう1回しっかり内容を吟味、検討して、組織体制整備の検討に活かしていきたいと思います。いずれにしろ、解散して終わりということでは決してなく、こうやって受け継いでいきます、こうやって需要に応じていきますということを示していきたいと思います。

 

[NHK]

 関西万博に関しては、9月6日に教育旅行、学校行事の無料招待の希望が締め切られて、11月まで延長するということなのですが、この時点で407校のうち参加希望が55校、希望しないというのが202校という結果が出てしまいましたけれども、知事の受け止めを教えてください。

 

【知事】

 まだまだ事前の情報が限られている中で、半年前でいろいろなパビリオンの情報なども報道を通じてたくさん出始めましたが、まだまだ限られている中で回答いただき、回答いただいた中で希望するという学校が一定数あるということについては前向きに捉えて、その学校がきちんと校外学習等の目的を達せられるように、我々も寄り添って対応していきたいと思います。今日も国に対して安全対策も含めて要望活動に私が行けないので事務局長が広域連合を代表して行っていますけれども、そういったことを国や協会に対してもしっかりと対応していきたいというふうに思っております。今回の調査の中でわかったことは、会期の前半に行きたい、4月5月に行きたいという学校が多いということもありましたので、そういったことにどのように対応していくのか。そうするとやはり、1~3月は結構重要で、下見はどうなるのだろうとか、どこに着ければどう歩いて巡れるのだろうとか、そういう情報をできるだけ前倒しで、始まったら出しますではなくて、始まる前からの情報提供がより重要になってこようかと思います。また、引き続き防災対策に対する御懸念、安全対策に対する御心配もあろうかと思いますので、そういったことなどもきちんと情報をお届けできるようにしていきたいと思っております。まだまだ回答していただけていない約4割の学校がございますので、万博に行けば小学校なら、中学校なら、高校なら、特別支援学校なら、こんなプログラム、こんな学習ができるということがもう少しわかってくれば選択肢に入ってくる学校もあろうかと思いますので、そういったことを精力的にしていきたいと思います。

 

[NHK]

 202校が希望をしないということは、期待というより不安が上回っていると思うのですが、どういったところが不安が期待を上回っていると考えますか。

 

【知事】

 学校として行くということについては、もう既に決まっているスケジュールもあるでしょうし、やはりそれはそれで相当大変だと思います。バスを仕立てて、みんなを連れて行って、迷子にならないように見たり、いろいろな事前のプログラムを組んだりということもあろうかと思いますので、それを万博でやるのではなくて、それ以外の機会をつくってやろうとされているのではないかと思います。ただ、万博そのものに対する期待ということは、この調査結果だけで測れるものではないと思います。学校としては行かないけれども、個人で行かれるとか、その年代年代に応じた興味関心というのは一定あろうかと思いますし、これから醸成されていくものもあると思いますので、そういった機会を我々がきちんと保障していく、整理していくということで努めていければいいなと思います。

 

[共同通信]

 先ほど、ノーベル平和賞に被団協が選ばれたという話があり、12月10日が授賞式で、来年戦後80年になるということで、咀嚼してというお話がありましたが、県として平和に向けた取組を新たにするといったことについて、今知事が何か考えていらっしゃることはあるのでしょうか。

 

【知事】

 やはりこれまでの歴史を顧みて、平和をつくる、それらを維持する。そういうことに対して私達ができることというのは、まだまだたくさんあるのだと思います。人と人との交流を積み重ねていくということもそうですし、歴史を正しく学ぶということもそうです。被害に遭われた方々、そして残された遺族、そういった方々の塗炭の苦しみや悲しみに耳を傾け、心を寄せるということもあろうかと思います。県でも県立の平和祈念館がございますので、そういった場所での展示、そして遺族会と連携した次世代の様々な学び、こういったものを積み重ねていく。特に、来年は1つの大きな節目を迎えますので、やはり80年というのは、身をもって体験された方が80歳以上になられたりということでいうと、もう既に変わり始めていますが1世代変わっていく、そのことが現実的になっていくということですので、記憶、教訓を引き継いでいくということがより重要になってこようかと思いますので、そういう視点に立った様々な企画、プログラムを県としてもつくっていくということに注力していきたいと思います。

 

[京都新聞]

 前の質問の確認がほとんどなのですが、彦根城に関しては2027年度の登録を目指す方針というところは変わりないということでよかったでしょうか。

 

【知事】

 令和9年、2027年の登録を目指して頑張っていくということでございます。

 

[京都新聞]

 シリアル推薦については、基本的には単独、選択肢としては全く排除するものではないというようなことでしょうか。

 

【知事】

 私達は彦根城こそが、彦根城のみが保存状況も含めて顕著な普遍的な価値を有しており、表現できているのではないかと思い、これまで様々な手続に臨んでいきました。それは変わりませんが、他と比べて、他も一緒にするとしたらどうなるのかを更に示してというのが今回の御指摘だったと思うので、これまでもやってきたことはあると思いますが、なおこの時点でいただいたこの御指摘に対してどのように答えればいいかということを磨いて、お示しをしていきたいと思います。

 

[京都]

 地域交通のワークショップについて、2回目から財源の話も入るというところで先ほど交通税の話も出ましたけれども、ワークショップの話の中で、交通税に触れる機会というのが2回目ぐらいから出てくるということになるのでしょうか。

 

【知事】

 既に1回目から、目指す姿と現状とのギャップをどのように埋めていったらいいのかという中に、選択肢の1つとして交通税というものは入っていますので、既にこれまでこうしたやり取りも含めて行政側からも私からも提案、定義させていただいておりますので、そういうことが議題もしくは議論をテーマになることはあると思う。ただ、だからといってそのワークショップを持って何か結論が出ていく、決まっていくというものではまだないのではないかと思います。

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