令和6年10月8日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今前で言っていたのは、国スポ、障スポまであと何日といった表記をさせていただいているのですが、これは総合開会式までの日です。会期前に行われる競技がたくさんあるので、佐賀県からのアドバイスで会期前から行われる日でカウントダウンをして県を盛り上げたらいいよという、そういうアドバイスをいただいたので申し上げておりました。また直して、皆さんに告知していきたいと思います。「露寒や心して生き色求む」、今日は暦の上では寒露でございますが、近江八幡市出身の人間国宝志村ふくみ先生の展覧会「色と言葉のつむぎおり」が今日から始まりますが、昨日、この内覧会に行かせていただいて感じたことを今朝読んだ句でございます。ずいぶん涼しくなってまいりました。大津祭も始まりますし、湖国の色も変わってまいります。どうぞお体御自愛をいただければと存じます。
今申し上げたように、佐賀国スポ「SAGA2024」ということで、今回から初めてスポーツ大会なりました。コロナ過で延期もございましたが、初めてのスポーツ大会ということで、様々な趣向を凝らして「新しい大会へ。「新しい大会へ。すべての人に、スポーツのチカラを。」というスローガンで取組をされておられ、とても素晴らしいおもてなしをいただき、また開会式と競技運営を拝見させていただきました。開会式に出させていただくと同時に、選手の激励をいたしました。私自身は伊万里市で行われているホッケー、そして玄海町で行われた相撲、さらには唐津で行われたバドミントンと3種目、おもてなし広場の視察も含めてさせていただきました。どの種目でも滋賀県選手団がちょうど試合をしてくれているときでしたので、熱く応援をすることができました。昨日もレスリングで稲葉選手、藤井選手が、またアーチェリー少年女子でそれぞれ優勝されるなど、素晴らしい活躍もしてくれております。ぜひ、滋賀県選手団がそれぞれの種目で活躍してくれておりますので、皆様方御注目いただければと存じます。
もう1つは、資料を既に提供させていただいておりますし、改めて今日配らせていただいておりますが、「滋賀けんせつみらいフェスタ2024」、今回10周年という節目でございます。今週末の10月12日土曜日、希望が丘文化公園で開催させていただきます。インフラ整備等で、また災害復旧等でただいま御尽力をいただいている建設産業でございますが、なかなかその担い手が確保困難だということもございまして、産・学・官がみんなで連携して開催しているもので、毎年それぞれの世代、多くの方にお越しいただいております。建設重機の試乗体験など、60を超える体験ブースも用意されているということでございます。ぜひ現場のスケール感ですとか、建設産業等の仕事を見て、触れて、楽しんで、学んでいただければ幸いでございます。今回は無人のリモコン操作できる重機なども展示される予定でございます。
それでは私の方から1点、土木交通部の若手職員が新たに始めた動きについて紹介させてください。滋賀県職員のパーパスというものを約1年かけて、志の再確認という意味も込めてみんなで議論をして定めました。「琵琶湖とくらしを守る。」、「三方よしで笑顔を広げる。」、「豊かな未来をともにつくる。」というパーパスですけれども、つくって終わり、言葉だけでということにならないように、その実践、具現化を今年度から各職員、各職場に対して呼びかけていたところでございます。そういうものも受けて、土木交通部の若手職員が「横断歩道利用者ファースト運動」をやってみようと思うということで、今取り組み始めようとしてくれています。言わずもがな御存知のとおり、横断歩道は歩行者優先です。運転者は横断歩道の手前で減速をする義務、また停止する義務がございますが、これもよく御承知のとおり、なかなか守られていないという現状もございます。滋賀県は、以前の調査で最も止まらない県だということを指摘されたこともございました。この取組を通じて、「歩行者よし、ドライバーよし、社会よし!三方よしの横断歩道」というスローガンを掲げながら、まず県庁職員が率先して実施していこうと。私達職員が公私問わずハンドルを握る際には、信号機のない横断歩道で歩行者が待機されていれば、車の一時停止を率先して実践する、つまりアクションを起こそうということでございます。まずは10月25日から順次、土木交通部所管の公用車約200台にスローガンを掲げたマグネットシールを貼ることといたしました。自ら実践することとPR活動をすることで、社会全体に共感の輪を広げていけたらいいなと思っております。目標としては、JAFという機関が毎年公表されている信号機のない横断歩道における車の一時停止率について、近畿で現在3位のところをNO.1にしようと。近畿でNo.1だけではなく、ゆくゆくは全国で1番歩く人に優しい県になれるといいねということを目指しているところでございます。ぜひこういった取組を全庁に広げると同時に、パーパスの実践、具現化ということで第2弾、第3弾皆さんに御紹介していけるよう頑張っていきたいと思います。
私からは以上でございます。
[中日新聞]
最初に国スポの話がありましたけど、実際佐賀に行かれて、取り入れたいなと思ったことが何かございましたらお願いいたします。
【知事】
たくさんありましたが、今回からスポーツ大会になったということで、ちょっとこの写真ではなかなか見ていただけないのですが、いろいろなものがすごくおしゃれになっていました。例えば、「SAGA2024」ということで全てのロゴデザインが統一され、それぞれの競技をピクトグラムでカラフルに紹介され、とてもおしゃれなデザインの統一性が取れた、そういう大会づくり、まちづくりをされていらっしゃるのが印象的でした。そして「するスポーツ」、「みるスポーツ」、「支えるスポーツ」ということで、すべての人に、スポーツのチカラをということをいろいろな場面で表現、実践されておられ、例えば開会式の入場行進で、今までであればトラックをずっと歩くところを真ん中から出てきて天皇皇后両陛下に向かって御挨拶して自分たちのところに行くと。しかも、開会式も今まで(栃木大会以外は)ずっと立ったままだったのですが、今回は座って開会式に臨んでいくという、事前に椅子が並べてある開会式でございました。また、各競技会場にはそれぞれの市町がおもてなし広場を出され、それぞれの特産物の販売だとか、いろいろな交流・イベントをなさっておられました。例えば、こういう開会式の非常にアットホームで、そしてフランクなこういう演出は、ぜひ本県でもできる限りやれたらいいねということであるとか、各市町のおもてなし、これも今準備しているところですので、そういう中で佐賀県のいいところを取り入れていけたらいいなと思っています。と同時に、佐賀県にはなかったもので滋賀県でやろうとしている環境に対する取組だとか様々ございます。座って開会式に臨むというのは今、本県でもその方向で考えようとしているところです。しかし、椅子が並ぶとフィールドでなかなかいろいろな演目が実施できないのでちょっと場所が限られるとか、いろいろな課題があるようでして、いろいろ整理しながら、皆さんにもまた御案内していきたいなと思っています。
[中日新聞]
自民党の新総裁に石破さんが選出され、内閣総理大臣にも就任されたことへの受け止めをお願いいたします。
【知事】
前も申し上げたように、この難局を、大役、重責を担われるのでエールを送りたい、また地方のことを大切に、そして様々な要職を経験してこられたその手腕をいかんなく発揮していただけるように御期待申し上げたい。また、地方からも一緒に頑張っていきたいというのがございますが、何となく日に日に元気がなくなってきていらっしゃるようにも見えるので、私達の想像を超える激務、またプレッシャーがあるのかもしれませんが、元気に頑張っていただきたいなと思います。
[中日新聞]
それに付随して、選挙の日程もいよいよ決まりかけてきたということで、その点に関してもお願いいたします。
【知事】
昨日、立候補予定者の方に対して説明会を開催する準備を選挙管理委員会の職員が一生懸命やってくれておりまして、たまたま通りかかりましたので激励したのですが、やはり公正な選挙が適正に執行されるように頑張ってくれると思いますし、県内国政選挙だけではなくて、地方選挙、首長選挙なども行われ、日程やいろいろな資料、配布物、準備物が錯綜することも予想されますので、それらも乗り越えて、公正に執行されるよう意を用いてまいりたいと思います。とはいえ、国政選挙はそんなに毎年何回も行われるものではないので、この機に自分たちの思いが1票に託されるよう、皆さんには投票に行っていただければというふうに思います。
[中日新聞]
医療福祉拠点についてお伺いします。先日の厚生・産業・企業常任委員会で報告があり、元々人材育成機能と医療福祉センター機能が入り、2027年の提供開始予定が、人材育成機能に関しては1年遅れということで、時期もバラバラで、賑わい創出に関してもなかなか難しさを感じるというような話があったのですが、このことに関して、今のところ順調に進んでいると言えるのか、何かしら問題がありうまく進んでいないと感じられているのか、どういった印象をお持ちでしょうか。
【知事】
まず、県庁の隣にある大切な県有地を使って、県民の皆様方の御期待と御負託に応えられるような施設や機能を整備するという大きな、大切なプロジェクトだと思っています。現時点、おかげさまで着実に進めることができているのではないかと思っています。もちろんいろいろな課題がございますが、思ったようになかなか条件が整わないとか、かかる費用をどうするのだとか、全ての土地利活用で元々想定していたとおりにいかないという課題はございますが、そういうものもこうすればいいのではないかという方向性、光も見出しつつありますので、おかげさまで着実に進みつつあるのではないかと思っています。特に医療、福祉、介護などの人材を養成する機能と、そういった方々、組織を束ねる医療福祉センター機能、これらを持ち合わせたものを県庁に隣接するところに整備するというプロジェクトですので、これは将来の滋賀にとっても大事なプロジェクトだと思っています。今想定されているスケジュール、方向性がきちんと具現化できるように努めていきたいと思いますし、その過程を丁寧に皆さんに御説明することが必要だと思います。
[日本経済新聞]
石破総理に対して、日に日に元気がなくなっていくように見えるとのことですが、これは見た感じなのか、あるいは総裁選のときに言っていた選挙はしばらくやらない、安全保障、外交の話、アジア版NATOをつくるなどの発言が総理になった途端、選挙はやるし、外交、安全保障問題に関しては全然喋らなくなっているなど、何を指して元気がないと感じていらっしゃいますか。
【知事】
両面あると思います。私もテレビやメディアを通じて見る石破総理ですので、もしかすれば見えないところでより元気に振舞われてるのかもしれませんが、私が報道機関を通じて見る石破総理が日に日に総裁選、その前の国会議員の活動のときに比べると、石破さんらしくないなと思うこともあります。それはやはり御自身がやろう、やりたいと思って総裁選のときに訴えてこられたことが、今即そのままこの所信表明のスケジュールの中で述べられることばかりではないと思いますので、そういったことも要因としてあるのではないかと思います。そういうことというのは県政でもままあって、知事はこういうことがやりたいと思っても、なかなか財政の面、そして検討が十分じゃないということなどから、すぐに打ち出せない、予算化ができないことなんかもあるので、そういうジレンマを少しお感じになってらっしゃるのではないかなと。すいません、勝手に推察しているところです。
[日本経済新聞]
知事は永田町時代に石破さんと直接お会いしてお話したとかそういった経験はありますか。
【知事】
ありますよ。もちろん大先輩ですし、石破総理が与党でいらっしゃった時、野党でいらっしゃった時、そしてまた与党になられた時、幹事長でいらっしゃった時、大臣でいらっしゃった時、それぞれの場面でいろいろな御薫陶をいただきました。
[日本経済新聞]
そこと比べて元気がないという感じですか。
【知事】
根っこにある石破先生のお人柄というのは変わらないと思うんですけど、総理をなさったときに、石破さんのお人柄がちょっとうまく出ていないような気がします。ただそういうものなのかもしれません。私も総理になったことはないのでわかりませんが。
[日本経済新聞]
それはもう党内の力関係とか地位の成せるところというふうに捉えておられますか。
【知事】
ただ、どうなんですかね。その前の菅さんとか岸田さんとか安倍さんはそんなに変わった感がなかったことと比べると、なんか、いやその前の野田さんだって、菅さんだって、鳩山さんだってそんなに変わった感がなかったんですけど、ちょっとなんか石破さん変わった感、変わられた感がすごく大きいような印象を受けます。
[日本経済新聞]
もうちょっと具体的に何が変わったと思われますか。
【知事】
もっとおっしゃりたいことをおっしゃればいいのになと思います。私なんかもそうは言いながらも、知事になる前はこんなこと言っていたじゃないか、今言わなくなったよねということもありますよ。丸くなったとか。何かここでやるって言っていたことを、ちょっとその先にやるという言い方をしたりして、何かちょっとトーンダウンだなって言われることもありますので石破さんのああいう振舞いというのは理解するところもあるんですけど、今回何度目かの挑戦で総裁になられ、信頼回復の途に期待されてなられたわけですから、何かもっと言っていただいてもいいなという思いがあります。
[日本経済新聞]
今知事がおっしゃったようなことを石破さんが前原さんに言われて、「本音で言うと党内で叩かれる」というそれも本音なんでしょうけどね。総理の所信表明演説を日経のAIで分析したところ主要ワードの中で一番多かったのは「地方創生」だった。「安全保障」なんかは非常に少ない。地方創生に関しては公約として交付金を当初予算ベースで倍増させるとか、うちの政治部の取材では地方に半導体などの戦略的な工場、生産拠点を持ってくるという構想がある。これは地方自治体にとってはかなりインパクトが大きいのかなと思いますが、知事はどう受け止めていらっしゃいますか。
【知事】
ここは石破政権に強く、大きく期待するところですね。初代の地方創生担当大臣でいらっしゃいますし、地方こそ成長の主役と評されて地方創生2.0として再起動させ、「新しい地方経済・生活環境創生本部」を創設しようと。おそらくこういったところには地方の代表者も入ってくることになると思います。そういう中で具体的にどういったものがつくられていくのかというのは期待したい。また、その成長の根幹を農林水産業に定められ、この一次産業を少しテコ入れしようとされている表現が出ています。これは滋賀県にも大きく影響するところがたくさんありますので、そういう部分は注目し、また我々も一緒にやっていきたいと思います。
[日本経済新聞]
県政についてですが、ジェンダー平等債は来年度予算の歳入に組み込む方向で間に合いそうですか。
【知事】
現時点で来年度予算の歳入にこのジェンダー平等債を組み込むところまではなかなか難しいと思いますが、プランの作成、そしてジェンダー平等債をどのようにつくっていくのかということなどは何らかの形で頭出しできるようにしようとは今言っているところです。
[日本経済新聞]
来年度内に募集するといったことも考えられるということですか。
【知事】
どこまでいけるかはわかりませんが、できるだけ早く、かつ県庁の中、県庁職員だけでつくるんじゃなくて、みんなでつくるというのをどのようにしたらできるのかというのを今考えています。
[日本経済新聞]
県庁職員以外とはどんなところでしょうか。
【知事】
いろいろ広く県庁の外で働かれている方やこのことに思いを持たれている方などと一緒につくるということを志向 できないか考えています。
[日本経済新聞]
それはワークショップみたいなことをやるのでしょうか。
【知事】
ワークショップも一つのやり方でしょうし、今はいろいろなデジタルツールでいろいろな意見が入れられ、どういう意見が多くて、どういう意見に収斂されているのかというのも、それぞれ人の手を借りずにできるというようなシステムもあるようですので、そういうものの活用も模索していきたいと思います。
[日本経済新聞]
財政課の中でチームをつくってやって検討されているんですか。
【知事】
財政課も入っていると思いますが、女性活躍のメンバーもいますし、財政課以外のスタッフも一緒に考えていきたいと思います。
[日本経済新聞]
特別なチームをつくって、ワーキンググループのような形ですか。
【知事】
プロジェクトチームのような形で今部局横断で考え始めてくれていると思います。
[共同通信]
ジェンダー平等債に関連してお伺いしたいんですけれども、県庁の幹部の方々の女性の登用率はどれぐらいなんでしょうか。
【知事】
正確な数字は後でまた答えさせますが、10%を少し超えてきていたレベルだと思います。何とかそれを参事級以上で10数%まで引き上げたいねということで今、様々なポジティブアクションやいろいろなエンカレッジをしようとしているところです。
[共同通信]
増えてきているという感じなんでしょうか。
【知事】
その時々の上がり下がりは若干あるのかもしれませんが、総じて上昇トレンドをつくり出せているのではないかと思います。元々その世代の母集団が十分じゃないということや、いきなり係長を部長にするわけにもいきませんので、着実な育成ということも図りつつ、能力を見て、適材適所でということからすると、1足飛びにはいきませんが上昇トレンドはつくれているのではないかなと思います。
[共同通信]
先週東京都でカスタマーハラスメントに関する防止条例ができました。滋賀県でも職員の名札を名字だけにするという取組を始めたりされていますが、東京都のようにもっと踏み込んだ政策を何か考えていらっしゃることはありますか。
【知事】
お客様に対応する社員の皆さん店員の皆さん駅員の皆さん、また例えば県庁もそうですし自治体の職員、こういった方々が窓口のお客様やその他電話も含めたやり取りの中で、とてもきついハラスメントと受けて取れるような対応を強いられるということはよくないことだと思います。なので、そういったことをどうやって防いでいくのか。社会的に喚起していくのかということは常に考えていかなければいけないと思っています。その一環でさっきおっしゃったような名札の変更ですとか(職員から)アイディア、意見を聞きながらできる取組を実践しているところです。東京都のような条例を定めて、他の都道府県でも御検討されているということも聞いていますが、(条例は)一つのやり方だと思いますが、国でも法的措置を何らか考えていこうという部分もありますので、県で今条例をつくることは考えていませんが、個々具体の取組で、カスタマーハラスメントを防ぐような取組ができるように努めていきたいと思います。
[共同通信]
実際に何かすごくひどいカスタマーハラスメントを受けたという話は聞いたことはありますか。
【知事】
日々、もしくは今の時点で私のところにこの部署でこんな事例だということはありませんが、ときによっては、人によっては、内容によってはとてもきついことを長時間個人で受けてしまっている例というのもないわけではないと思いますので、そういったことをどう防いでいくのか、もしくはそれをどうチーム、組織でカバーし合っていくのかということはとても重要な課題だと思います。
[NHK]
伊吹山の登山道の復旧が少し遅れているというということですが、改めて最新の状況と目処というのを教えていただけたらと思います。
【知事】
伊吹山の登山道の復旧は昨年来、進めているところです。元々あった登山道から崩落もございましたので、ちょっと場所を迂回して整備しようと、特に7合目付近ですね。こういったことについては地元と調整をしているということです。今年7月にも雨で被災しましたので、登山道については現地調査を行って、更なる対応案を検討している。この場所は4合目から5合目付近。この7合目付近の迂回と4合目から5合目の新たな被災に対する調査ということを踏まえると、令和7年春の再開は現時点では見通せない状況になっておりますが、できるだけ早い時期に復旧できるように努めようとしているところです。これから雪が降ったり、また雨が降って崩れたりということもありますので、安全を第一に考えていきたいと思います。
[NHK]
やはりまだ復旧の時期は見通せない状況ということですか。
【知事】
この時期にということが言えるようになればお伝えしたいと思いますが、現時点まだその確約発表はできないと思います。
[NHK]
新たに発生する調査費用の目処などはまだ見えていない感じですか。
【知事】
調査費用というか必要な費用は予算で措置、また工面させていただいているところですし、登山道の復旧で追加に必要な予算というのは、まだ現時点で必要だということは聞いておりません。
[京都新聞]
冒頭に佐賀の国スポに出席して「国スポまであと〇日」という表記を変えようというお話をされましたが、これは先方のどなたからどういうアドバイスを受けて変えようとおっしゃったのでしょうか。
【知事】
これは変えようというよりも総合開会式までは355日で1年を切って準備を進めていくぞということにしておりますが、これは来年の9月28日から逆算してカウントしていますが、9月6日から会期前の日程が始まります。そのときからもう全国からアスリートや応援の人が来られます。そういった時からもう国スポは始まっているんだということをできる限り次の滋賀県さんはPRしたらいいよということを佐賀県の知事はじめ、皆さんからアドバイスをいただいて「なるほど、そうだな」と思い、変えられるところは変えていこうと。
[京都新聞]
それは実際に佐賀で会期前に競技が始まっているのにまだカウントダウンが残っていることで混乱が生じ、滋賀へのアドバイスになったのでしょうか。
【知事】
いえ、混乱とまでは聞いていません。佐賀県でも会期前の行事や種目がございましたので、そこのおもてなしや競技運営を一生懸命されていたと。ただその事前の盛り上げとか、いろいろなイベントの開催というのがどうしてもこの日(=国スポ総合開会式)を中心に設定されますので、なかなかこれ以降の盛り上がりと、その前の盛り上がりにちょっと差が生じてしまったので、もうちょっとうまくやれればよかったなという、そういう前向きな反省からですね。
[京都新聞]
実際にそのカウントダウンを競技のスタートに合わせるのか、あるいは両方を並記されるのか、そのあたりいかがですか。
【知事】
どういう方向でやるのかを検討させています。今はこの総合開会式を目がけてやっていますが、その前の会期前の種目というものに合わせた日付と、総合開会式までの日付を並記することも一つのアイディアだと思います。
[京都新聞]
フリースクールの件でお伺いします。昨年10月に東近江市長のフリースクールや不登校に関する不適切発言がありました。それから1年で各自治体や県での様々な対策等の動きが広がっているかと思います。改めて、あの発言に対する知事のお考えと、どのように県政の動きに関係したのか教えていただけますか。
【知事】
子どもたちの育ち・学んでいる状況、置かれている状況というのは時々そして様々だと思います。学校に行って学ぶ子、学校に行きたくても行けない子、そして行っていても様々な悩みを抱えている子など様々ありますので、昨年の首長会議以降、私達がこのフリースクールや不登校をどう支え合うのかという仕組みを考える際に、いろいろな事情のある子どもたちを、いろいろな選択肢で支えていけるようにしようと。従って学校での学びを支えるSC 、SSWそして学校内サポートルームもそうですし、そして学校外のフリースクールをはじめとする学びの場をどのように支えていくのか、さらには子どもたちを支えることと、その子どもたちの周りにいる保護者、親御さんへの寄り添いをすることなども大変重要だということから今年度から市町と連携しながらアンケート調査をやりながらその名目で一定支援の措置もしていこうという、そういう制度設計もしていますので、今年度やったことをまた来年度、再来年度にいかしていこうと思っています。
[京都新聞]
その協力費の名目で月5千円を支払っているかと思うのですが、担当者に聞きますと本年度で終了と。来年度以降は金銭的支援、特に家庭への支援について何かお考えはあるのでしょうか。
【知事】
今年度やっていること、やろうとしていることを踏まえて、来年度以降どうするのかというのは考えていきたいと思います。市町や学校現場そして関係者の皆さんの御意見もよくお聞きしてつくっていきたいと思います。
[京都新聞]
施設への直接補助についてお伺いします。昨年知事はその補助については憲法89条の兼ね合いがあるということで、その整合性について国とも整理していかなければならないとおっしゃっていました。県としての見解はまとまっているのでしょうか。
【知事】
まだ現時点でこういう考え方で、こういう制度設計で、こういう支援をするというところまでは行っておりません。おっしゃったように公費を投入して施設を支援することについては、憲法上の制約があるという見解もあれば、そういったものをいろいろな理屈で乗り越えて実施に至っている都道府県もありますし、現に通わせている保護者の方から、運営されている関係者の方々から支援の必要性等についても御要望いただいておりますので、県として来年度にどういうことをどこまでやれるのか、やらなければいけないのかということはなお検討中です。
[京都新聞]
実際に滋賀県の自治体でも近江八幡市が施設補助を始められていますし、福岡県や茨城県なども行っています。そうした中で施設補助へのネックになっている要因は憲法の問題なのか、財政面なのか、あるいは知事のお考えなのか、それとは別なのか、どの辺りが一番厳しいところなんでしょうか。
【知事】
何が厳しいのかということよりも、憲法をはじめとする法の制約というのがあるのかないのか、それらを乗り越えるためにどういう理屈や建て方をすればいいのか。というのは重要な課題だと思います。そういったものを仮に一定の財政を投入してやるということにした場合、それが持続可能なのかどうかということもよく考えないといけませんし、県だけでやるのか、市町と協調してやるのか、その負担割合をどうするのかというのも重要な視点だと思いますので、この辺りの制度設計を県が主体となってつくり、提案し、相談し、合意形成できれば整って実施ということになると思います。
[京都新聞]
県として協議会という新しい話し合う場も設けられていますが、知事御自身が例えばフリースクールを視察されるとか、取材をしている中でそういう声も聞くのですが、そのあたりの思いや考えがありましたら教えていただけますか。
【知事】
そうですね、身体は一つですし、時間の制約もございますが、必要だと判断したときには現地・現場にも伺って関係者の皆さんと意見交換をしたいと思います。
[朝日新聞]
石破首相のお話が出ましたが、それに関連して知事のリーダー像についてお伺いします。先ほどのやり取りの中で理想を掲げて知事になられていろいろな諸問題があってうまく実現できていないこともある。また、今回石破さんが就任前に言っていたことが総理になったら言行不一致、あるいは発言がぶれていると批判されていることに関し知事御自身も思い当たることがあるとおっしゃっていました。具体的にはどういったことでしょうか。
【知事】
毎回選挙のときにマニフェストとまでは言えませんが、次の4年間でこんなことをしますという公約をまとめ、最近では「人の健康」「社会・経済の健康」そして「自然の健康」そして県庁の仕事のやり方ということで百数十項目の政策内容を出させていただいておりますが、概ね信託・選任されれば県庁内ではそれをどう具現化するのかということを各部局に落とし込んで実施しようとしてくれています。毎年フォローしていますけれども、ほぼ全ての分野で着手や実施ということができているのではないかと思います。例えばこの間、書いたことでまだまだだなということでいえばシルバー人材センターをどのように活性化していくのかということとか、公約には書いていませんでしたけれども、言ってまだできていない、できる道筋もまだ十分じゃないということで言えば「びわ湖の日」を休日にしようじゃないかということを投げかけて「おいおい、そんなに休みが増えたらどうやって勉強するんだい」というようなことなどでちょっと頓挫をし、今は「ラーケーション」、愛知県のいろいろな休み方改革ということの中でどういう具現化ができるのか。また「びわ活」ということで休むことも大事だけど、活動を充実させるということでどのようにその趣旨を反映させるのかということで、何とか言ったこととの整合を取ろうとしているということもございます。ので言ったことがそのまま何か形になって実現したことばかりではないという事例は県政にも私にもあるということです。
[朝日新聞]
今の話に絡んで知事の思い描くリーダー像について伺えればと思います。リーダーというのはまだ実現されていないこともこうなればもっと世の中良くなるとか、こうなればもっと良い社会になるというような理想をきちんと示すことが不可欠だと思います。それがないと単に権力が欲しかっただけ、長に就きたかっただけなのかということになります。一方でその理想がなかなか実現できないままではリーダーとして失格かなと思います。まだ実現できていない掲げた理想を実現するために現実的な戦略を立てていくということが求められるのかなと思います。私が大学時代に尊敬していた1960年代の若者の社会運動を研究されていた先生が「詩人の魂と耕作者の魂を両方兼ね備えることが必要だ」ということをおっしゃっていてことを思い出しました。こうしたことを踏まえ、知事の描くリーダー像を教えてください。
【知事】
今度また2人で対談、じっくり語り合いたいテーマですね。ただ本質・根元のテーマだと思います。今御紹介いただいた詩人と耕作者の魂というのもいいなと思いました。私が知事になってから手帳にも書きながら常に反芻しているのは「愛と平常心」です。危機管理のこともありますし、万人に慈しみの心を、そしてあらゆる生き物に愛情をというのは大事にしなければいけないというのは常に思っているところです。おっしゃったように先のことを指し示す、こっちの方向へ行けばみんな幸せになるんじゃないか、課題が克服できるんじゃないか、十いう指し示しは大事でしょうし、リーダーシップはフォロワーシップだと思いますので、先頭を歩くよりも、しんがりを歩く人の気持ち、もしくは1人が百歩歩くよりも100人が一歩歩むつもりでという、こういう思想や視点、視座というのは、私は大事にしたいなと思っていますのでこうやって言っていることが具現化できるように、実践できるように努めていきたいと思います。