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知事定例記者会見(2024年9月17日)

令和6年9月17日

(県政記者クラブ主催)

知事定例会見にて壇上で話す三日月知事の写真。知事の横に資料表示用の大きなモニターが映っている。

【知事】

 おはようございます。今日もよろしくお願いします。今日は中秋の名月、きれいなお月さまが見られるように期待をしたいと思います。先々週から米国出張してまいりました。今回の目的は3点です。1.姉妹県州であるミシガン州との交流、2.第54回日本米国中西部会への出席、3.OBONソサエティとの平和交流ということでございます。ミシガン州とは56周年となる姉妹協定の歴史がございます。今回6年ぶりとなる第23期の49名からなる友好親善使節団とともに、私は団長として訪問させていただき、歓迎式典に出席しました。ホームステイ先のホストファミリーの皆さん、関係者の皆さん約100名の皆さんと交流をさせていただきました。また、旭化成社のノバイ事務所の訪問ですとか、残念ながらホイットマー州知事との面会は叶わなかったのですが、州政府関係者と面会いたしまして、若者の交流、湖沼保全を通じた交流の深化など60周年に向けた議論をキックオフさせていこうという、こういった投げかけをさせていただきました。2点目、オハイオ州コロンバスで開催されました日本米国中西部会に参加をいたしまして、滋賀県のPR等、メンバーとしてスピーチの機会をいただいておりましたので、スピーチをさせていただきました。また、オハイオ州に進出されておられます、彦根市本社のフジテック社様を視察・訪問させていただきましたし、オハイオ州立大学において自動運転技術センターの訪問等をさせていただきました。また3点目、オレゴン州ポートランドでは戦争遺留品の返還活動を行っていただいておりますOBONソサエティの皆さんと面会させていただき、今後の平和交流、遺留品返還活動の促進等について意見交換をさせていただくとともに、オレゴン州ポートランドは路面電車・ケーブルカーをはじめとする公共交通先進地域でございますので、まちづくりの視察をさせていただいたということでございます。こういった視察・交流内容を今後の県政にいかしてまいりたいと存じます。

 もう1点は、先般11日にはフォーラムを開催したところでございますが、県立高専につきまして、令和10年、2028年4月設置・開校を目指しておりますが、初代校長予定者を内定いたしましたので御紹介させていただきます。予定者は、お手元にもペーパーが配布されているのではないかと思いますが、京都大学名誉教授、京都大学理事・副学長などを歴任されてこられた北村隆行さんでございます。令和6年10月1日付で校長予定者として、県立高専総合ディレクターとして御就任いただき、県と公立大学法人滋賀県立大学とが一体となって進めてまいります、県立高専の設置・開校準備の陣頭指揮をとっていただく予定にしております。本日午後13時30分から御本人による記者会見を予定しておりまして、詳しい御所見等聞いていただければと思います。

 それでは資料に基づきまして2点申し上げます。

 1点目、観光キャンペーンについてです。「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」など、様々な観光キャンペーンをこの間、展開してまいりました。コロナ禍を経て、本格的にシガリズム観光キャンペーンを促進するためにタイトル「いこうぜ♪滋賀・びわ湖」と銘打ったキャンペーンを実施いたします。このタイトルには1.滋賀県に観光に行こうよ、というそういう呼びかけの意味とか、2025年に開催されます2.大阪・関西万博を契機に滋賀に行こう、いよいよ開催されます3.わたSHGA輝く国スポ・障スポを契機に滋賀に行こう、など様々な思いを込めているところでございます。テーマは「水・びわ湖」。シガリズムのコンセプトもいかしながら、「水・びわ湖」をテーマに「観る感動」「体験する感動」「食す感動」3つの感動を提供していきたいと思っております。アンバサダーには滋賀ふるさと観光大使の西川貴教さんに御就任いただき、西川さんには、マエストロ(指揮者)のようなイメージでキャンペーンを盛り上げていただければと考えます。期間は今週21日(土)から。いよいよ秋の観光シーズンになりますので21日(土)からスタートいたしまして、来年10月31日までを予定しているところでございます。今後、各種媒体で積極的に広報を行いますとともに、JR西日本と連携したデジタルスタンプラリーや、岐阜県、福井県と連携した周遊企画など、様々な関係団体と連携した企画を展開していく予定でございます。イメージ動画があるということですので、30秒ほど御覧ください。

<イメージ動画>

 ということで万博会場の大阪・関西からの誘客、北陸新幹線が延伸された敦賀・福井など、様々な主体の皆さんと連携してこのキャンペーンを盛り上げていきたいと思います。私からは3つ、既に担当には指示をしているところでございまして、若干、男性的な呼びかけとイメージが勝っていますので、あらゆる世代の方が楽しくシガリズム観光に来てもらえるようにしようということでありますとか、ついつい青色、JR西日本との連携がとかく強調されるんですが、それはそれで大事にしつつ、せっかく岐阜や福井と連携しますので東海をはじめとする色々な事業者の皆さんと連携できるようにしようということ、そして3つ目はデータですね。どれだけ来られてるのか、来られてないのか、どこに行かれているのか、何をされているのかなどなど、様々なデータを途中段階で収集また共有させていただいて、今後の観光促進にも繋げていこうということを申し上げておりますので、メディアそして県民の皆さんにもよろしく御注視また御関心をいただければ幸いでございます。

 2つ目の話題提供は、こちらも資料が配布されているかと思いますが、「ごみゼロ大作戦×〇〇atびわ湖」の開催についてでございまして、こちらは万博開幕200日前のイベントとして関西広域連合共催で9月25日水曜日に開催いたします。「いのち輝く未来社会」のデザインをテーマとする万博ですので、関西広域連合として昨年度から「いのち育む“水”のつながりプロジェクト」を推進しております。これまで開幕500日前、400日前、300日前の節目に様々な皆さんと一緒に清掃活動を行ってきました。今回は少し趣向を変えまして環境保全に取り組む団体だけではなく、様々なスポーツ、文化に関連する団体などにも御参加・御協力をいただきながらごみ拾いとレクリエーションの要素を掛け合わせた、そういうイベントにしようじゃないかということを考えているところです。こういった活動によりまして1.地域や水辺が綺麗になること、またレクレーションを通じて2.楽しみながら学べること、さらには参加者間で3.新たなつながりや広がりが生まれること、いわゆるこういった分野の三方よしの清掃活動になり、環境保全にも興味・関心を持つ方が増えればいいなということを期待しているところでございますし、万博が終わった後のレガシーとして継続されるように繋げていきたいなと考えているところでございます。私も参加する予定で準備をさせていただきます。ぜひメディアの皆様方の積極的な御取材等いただければ幸いでございます。私からは以上です。

 

[中日新聞]

 今回の訪米の収穫はどういったところにあるのでしょうか。

 

【知事】

 大統領選挙真只中の2ヶ月に迫った米国、しかも中西部は極めて注目度の高い、そして日本企業も様々な御活躍をされているエリアでありますので、観るテレビのほとんどが大統領選でしたし、語られることもそれにまつわることが多かった、そういう意味ではそういったところの肌感覚を現地で感じることが出来た、ということがまず1つですね。そして、やはりミシガン州との強い絆、温かい友情・友好というのは私たちもありがたくも幅広くあるなということは実感いたしました。これは現地ミシガン州でも感じましたし、中西部会の場においてミシガン州管轄されている日本国の駐デトロイト総領事からもそういった御評価をいただくなど、これらをさらに次の世代に発展していきたいと強く思えたこと。そして3つ目として、OBONソサエティとの交流、これはもちろん滋賀県だけにとどまるものではありませんが、戦争遺留品を返還する活動をしていただいている、させていただいていることを、ぜひ今後さらに促進させていくために、さらにどういったことをしなければならないのかなというような有意義な意見交換をすることができました。この日だけでも数点、レックスさん御夫妻のもとに全米から寄せ書き・日の丸等が届けられる。多い時だと、年間数百点届けられるものをどのように還していこうかと、御本人を特定して、御遺族の御理解を得てと、ここにはやはり米国各州のそして国内各都道府県の協力が重要なのではないかと、こういったことで一致をいたしまして、今後、全国知事会などでもこういった取組についてさらに理解が広がるように努めていきたいということをこの場で表明させていただきましたので、そういったことに繋げていきたいと考えております。

 

[中日新聞]

 県立高専について、今回、北村さんを校長に選ばれた理由と、期待されることはどういったところにありますか。

 

【知事】

 まず、新しい学校をつくるというときに、校長、先頭に立ってカリキュラムづくりや学校運営の指針をつくっていただく校長先生は極めて重要だと考えておりましたので、この間、様々な方々と協議・検討をしてきたところでございまして、最も重視したことは、学校をマネジメントする能力、そしてそういったことをより効率的に発信するためのコミュニケーション能力、対外発信力、こういったことなどを見ながら検討してきました。もちろん御本人がエンジニア、研究者としてどういった御実績を積み重ねていらっしゃるのかといったようなことも当然見させていただきました。京都大学という最高学府、その中枢にいらっしゃって、ナノ力学という御本人の専門分野の確立とともに、理事・副学長として大学の経営にも関わってこられた。また、学長補佐として様々なリーダーシップを発揮してこられた、そういう御経験もございますので、そういったところは非常に重要ではないかと思っております。またこのナノ力学の分野において、JST科学技術振興機構のさきがけ事業の研究・総括を務められたり、米国NASAでの研究の御実績があったりというようなことなどもございましたので、何回か面会を重ねた上で、滋賀県の新たにつくる県立高専の校長先生にふさわしい人材だということでございます。ぜひいろいろな可能性を持つエンジニア育成の教育の充実、また教育というのは先生が生徒に施すだけではなくて、皆でともに学び合うという、そういったこともございますし、高専ですから経済界をはじめ、地域の皆さんと一緒に育っていく、育てていく、そういう思想を持った高専をつくる、その先導役を果たしていただくことを期待したいと思います。

 

[中日新聞]

 10月1日付で高専準備の従事を開始ということですが、何年までとか任期は決まっているのでしょうか。

 

【知事】

 特段期限をつけてお願いしているわけではございません。

 

[中日新聞]

 いこうぜ滋賀で、西川さんにマエストロとして就任してもらったということですが、具体的に西川さんはどんなことをやってくださるのでしょうか。

 

【知事】

先ほど御紹介した動画のようにいろいろなキャンペーンに出てきていただいておりますし、この見る・体験する・食す、こういった事々を御紹介するときに、西川さんは中心的に振るというか、動いていただくという、そういったことになろうかと思います。ただ西川さんだけではなくて一緒に出る人とか、もっと大事にしようと言っています。ちょっと最近、筋肉ムキムキの西川さんだけじゃなくてですね、ちょっと柔らかいイメージですとか、楽しいイメージですとか、そういったところもちょっと出せるといいねという話をしています。

 

[日本経済新聞]

オハイオ州立大学で自動運転センターを訪問されたということで、自動運転にかなり関心があると思うのですが、来年度やると言われている県内での自動運転の実証実験について、現状の進捗状況はどんな感じでしょうか。

 

【知事】

そちらについては、場所、内容を詳しく聞けているわけではありません。今、調整中です。

せっかく採択された事業ですので、今後に繋がる何らかの実験はやりたいと考えております。

 

[日本経済新聞]

この間新横浜で株式会社マクニカの幹部とも会ってきたのですが、かなりやる気、というかもう完全にやる気でした。

 

【知事】

米国行ったときには、例えばサンフランシスコで完全自動運転型のタクシーが運行されているというお話ですとか、オハイオ州立大学でもネクストカーということで、無人で運転・運行が可能な状態をどうつくるのかという様々なデータ集積、実験が繰り重ねられていることを拝見いたしました。

しかし、寒いときどうするのか、事故が起こったときにどうするのか、まだまだそういった課題を乗り越えるための努力がされているというところでしたので、そういう意味で共通している課題はたくさんあると思いました。

 

[日本経済新聞]

高専の校長先生について、北村さんに決まったということですが、候補者は何人ぐらいいらっしゃったのでしょうか。

 

【知事】

 私のレベルで何人と言えるところまではありませんけれども、当然複数名選択肢に入れて選んできました。

 

[日本経済新聞]

今回滋賀県立大学と連携するということもあって、私の予想だと滋賀にもう少しゆかりのある人、この方がゆかりがないと思わないですが、滋賀県立大学の学長経験者とか、滋賀大学の学長経験者、あるいはもっと人を集めるために西川さんレベルの有名人、滋賀を出てスタートアップで成功した人とか、そんな人かなと思ったのですが、極めて実務的な感じだと思いました。これは京都大学と関係を深めるという意味があるのでしょうか。

 

【知事】

先ほども申し上げたように、高専ですので、教育をする場所であり、そして様々な教育機関としてガバナンスも求められる、マネジメントも必要となるということですので、そういった能力は重視しました。当然、発信力が期待される、ネームバリューが期待されるとか、そういった声がなかったわけでもありませんが、そういったことだけに拘泥せずに、ガバナンス・マネジメントは重視していました。最後に御指摘のあった滋賀県とも非常に関わりの強い、そして日本の国際的な最高学府である京都大学との関係というのは、きちんとつくれるといいねということは考えながら選んだのも事実です。

 

[日本経済新聞]

 京都大学との関係というのは、具体的に言えば、例えば講師、教員の方々を京都大学から連れてくるとか、あるいは実験とか実習において京都大学の施設が使えるようにするとか、そういったことも将来的にはあるのかなと思ったのですが、この辺りの可能性はいかがでしょうか。

 

【知事】

 公立滋賀県立大学法人内に高専をつくりますので、大学というところに対する理解は必要だと感じました。また、様々な講師、実験、研究などでの連携、こういったところで人の関わりですとか、研究に対する協力、そういったことが取れるとすれば、それらは大いに活用していきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

 観光キャンペーンについて、おっしゃるように、秋に始めるキャンペーンにしてはずいぶん水を強調しているなというふうに思って、何となく夏のキャンペーンという感じがしました。それは琵琶湖が中心だからしょうがないのかもしれませんが、岐阜県とか福井県との連携、これはこれまでも観光面で滋賀県と連携するケースが結構あったのでしょうか。

 

【知事】

 大なり小なり、県が行う観光キャンペーンを、県だけに留まらず、とりわけ近隣府県に、特に観光素材の提供ということにどちらかというと偏っていたと思いますが、やってきたことはあると思います。しかし、今回北陸新幹線で敦賀が開業して、こういったデジタル素材が出来上がりましたので、重点的にサイネージで流すとか、いろいろなキャンペーンを現地で展開するとか、そういったことは精力的にやっていきたいなと思います。また、万博、国スポとか、他県から多くの方が来られるビッグイベントが来年控えていますので、そういったものと連動したキャンペーンはぜひやっていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

 岐阜県はともかくとして、福井県との連携は北陸新幹線の延伸、これは1つのきっかけになったということなのですね。

 

【知事】

 それは大きいと思います。やはり、多くの方が福井県に来られているということですので、当然、福井県の敦賀が目的地となる方も多いでしょうけれども、他に近くにどこに行けばいいかなということを考えられる方は多いでしょうから、その重要な選択肢にこの滋賀県が入っていくように訴求していきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

 確かに敦賀に行く人がずいぶん増えて、恐竜博物館は何10%増という入館者らしいです。そのため、その辺の果実を滋賀県も取りに行くという感じでしょうか。

 

【知事】

 はい。意外に御存知ない方が多いと思います。敦賀まで来て、こんなに滋賀、琵琶湖が近いということ、そういったことを御紹介するだけでも多くの皆さんの選択肢になるのではないかなと思います。まだまだできることはあると思います。

 

[日本経済新聞]

 9月の上旬、総務大臣が地方公務員の地域手当について、県内での格差の是正を来年の4月からやるということで、どんな影響があるかわからないですけども、滋賀県内で地方公務員のこういった手当の格差は実際今あるのかどうか、それは来年の春になくなるとしてどんな影響があるのか、このあたり教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

 この間も、この地域手当については様々な御議論があったり、御要望いただいたりしてきました。例えば、県内市町間の格差があると人を集めるときに苦労するとか、隣接する府県との関係で差があると困るなということがございました。現在、県職員は一律で支給割合、これは現行6%に統一してやっていますので、県内でそういった差が生じるということはありませんが、隣接する県との差というのは依然として残っているということがありますし、そもそもこの6%というのが妥当なのかということもございます。いずれにしろ、人事委員会でこのことを御検討いただくと思いますので、その勧告を受けてどうするかというのを考えていきたいと思います。

[日本経済新聞]

 アメリカに行って大統領選に触れてきて、どっちが優勢だなというのはありましたでしょうか。

 

【知事】

 全く拮抗しているという感じでした。私も直接見たということよりもメディアを通して見た感じ、また多くの方が話されている感覚、感じはかなり拮抗しているという状況でしたが、帰国の途上で見たテレビ討論なんかの様子を見ると、ハリスさんの大人の対応といったものにかなりの御評価が集まっているような印象は受けます。しかし、2年間かけて大々的にやるキャンペーンと、2ヶ月で総理が決まっていいねとアメリカから揶揄されるこの状況と、我々はこの民主主義についてどう考えればいいのかということについては、考えながら帰国の途についておりました。

 

[日本経済新聞]

 それは誰かに揶揄されたのですか。

 

【知事】

 アメリカの方に言われました。

 

 

[滋賀報知新聞]

 観光キャンペーンの「いこうぜ♪滋賀・びわ湖」に関連してお尋ねします。万博、国スポに合わせて、何か県に来てもらえないかなという思いもあるという話も先ほどあったのですが、知事が従前おっしゃってらっしゃるのが、万博だけ、国スポのときだけで何か盛り上がるのではなく、その後に残るような、繋がるようなことをしていかなければという話は様々な機会でお話されていると思います。つい先週、昨年の県の観光入り込み客数の確定値の報告があり、コロナ過よりは回復をしてきているということだったのですが、コロナ過前に比べますと、まだ9割の回復で同等の値まではまだ戻っていない。外国人に関しては、コロナ過前の7割ぐらいだったと思うのですが、このキャンペーンを通じてどういった効果が期待できるのかということ、また万博、国スポ後にどういったものがこのキャンペーンで残っていったらいいと思われるか、何か思いがあれば教えてください。

 

【知事】

 とても重要なことだと思います。今の2つの御質問というのは相互に関連すると思います。まずは万博もそうです。これは2820万人という多くの方々が万博に来られることが想定されておりますし、そういった方々というのは何も万博だけ、パビリオンだけというわけじゃありませんので、関西、滋賀、エリア内を御周遊いただくということを想定しながら準備をしていく。国スポ大会もそうです。全国から多くの方が競技のため、応援のためとはいえ、御来県されます。そういった方も、競技、スポーツ、応援だけではなくて、観光やいろいろな体験をお楽しみいただくということですので、お手元のパンフレットにもありますように、おもてなし力を上げるという、こういったことは重要だと思います。何ができるんだ、何が食べられるのか、どんなものがあるんだということについて、多言語で表現するとか、参拝して終わりではなくていろいろな体験ができるとか、そういった事々をぜひつくると同時に御紹介をする。そしてこの1年間のキャンペーンで様々な課題も見えてくると思います。まだまだちょっと人が来ないとか、来てもらったけども満足度がいまいちとか、1回聞いたら終わりということがあれば、それらを次の改善に役立てていくということをもってレガシーにしていけたらいいなと思っております。そういう意味でおもてなし力の向上、改善というのが極めて重要ではないかと思います。

 

[京都新聞]

 教育旅行で万博に県内の子どもたちが行くということで、希望するかどうかという意向調査をされていたと思うのですが、今のところ、その希望されているところが1割強くらい、どちらか決めていない、回答していないところも結構多いという話がありまして、今の状況をどのように考えておられますか。

 

【知事】

 今お尋ねいただいたことは、県内の小中高校、特別支援学校など約400校に対して、9月6日を締切りとして校外学習、修学旅行など学校行事で子ども招待事業に参加されますか、そういった事業を活用されますかという希望を問うたところ、まず約6割の学校から回答があった。そのうち、参加、活用を希望しますというのが55校ということ、約1万4000人の児童生徒が参加する予定。しかし、希望しない学校というのが200校あったということだと思います。いろいろな事情、都合がある中での回答だと思いますので、それらを尊重しながら、希望された学校が希望通り行けるように準備と調整を精力的にしていきたいと思いますし、まだまだこれから検討の上、希望される学校などもありますので、この締切りにこだわらない柔軟な対応を行っていきたいと思います。また、学校行事以外にも参加される枠や可能性というものを残しておりますので、こういったことで御案内ができるようにしていきたいと思います。

 

[京都新聞]

 元々の想定というのはどういうところだったかというのはあると思います。個人で行かれるお子さんが仮に増えるとした場合に、以前にこの事業費の試算が3~4億円というところも議会に提出されたかと思いますが、教育旅行で行く子どもが想定より少なくて、個人が増えたら何か変動というのがあったりするものでしょうか。

 

【知事】

 その辺りの見積もり、見極めというのは、まだするには情報が十分ではないかと思います。もう少し希望や状況が出そろって見極めた上で、そういった想定を確定してまいりたいと思います。

 

[京都新聞]

 自民党の総裁選の討論会で防災省の要否についても議論されています。知事会としても防災省の必要性について過去に要望があったと思いますが、知事御自身はそういった組織の必要性というのはどのように考えておられますか。

 

【知事】

 まず自由民主党の総裁選、そして立憲民主党の代表選、各党の党首、リーダーを選ぶ過程において、様々なテーマで議論がされるということは歓迎したいし注目していきたいと思います。とりわけ地方に関することがテーブルに上げられるときには誰がどのように語られるのかというのを私も注視しているところであります。とりわけ今お尋ねのあった防災省、防災庁と呼ばれるときもあるようですが、防災を専門に扱う政府の部署をつくるということについては、これはかねてから知事会としてということよりも、むしろ関西広域連合として発信をしてまいりましたので、防災省をつくり、それを関西、兵庫等に置いたらどうだという提案をしてきましたので、そういう意味でこういうことが話題になり、当選の可能性の高い方が述べられるということについては期待をしたいと思います。私は賛成派ですし、できるだけ早くつくるべきだと思います。いざというときに、きちんと機能する部署を常備しておくというのは重要だと思います。

 

[京都新聞]

 指揮命令系統として屋上屋というような指摘もありますがそのあたりはそうではないということでしょうか。

 

【知事】

 それはやりよう、定めようだと思います。現状組織を強く残したままでやるということよりも防災はどこまでの範囲で、またどういう機能を持たせるか、これも決めごとの問題だと思いますが、きちんと決めて構えれば屋上屋にはならないと思います。

[共同通信]

 自民党総裁選に絡むお話でお尋ねしたいのですが、解雇規制の緩和が話題になっていますが、この件に関して知事はどのようにお考えになっていますか。

 

【知事】

 その候補の方がどういう文脈、どういうことを狙われて労働に関する規制をどのように変えようとされているのかというのが定かではありませんので、コメントは控えたいと思います。いわゆる雇用、労働を流動化させて、もっと働いてほしい分野にもっと能力を高めて人が行き来しやすいようにするというのは一定必要だと考えますので、そういった観点からの御提案ということであるとすれば、実務や実際も伴った形で御提議されることを期待したいです。

 

[共同通信]

 一般の方からは簡単に首を切られてしまうんじゃないかという懸念の声もありますが、その点についてはどうでしょうか。

 

【知事】

 雇用の安定は生活の安定に繋がりますので、そういった観点でのみ検討や提案がされているなら、それは多くの方の不安を広げるものにもなると思いますのでそこはいかがなものかと思いますけれども、その辺り少し内容はよく確かめた上で、県として何か意見を言わなければならないときは言っていきたいと思います。

 

[共同通信]

 話は変わりますが、先週びわこ成蹊スポーツ大学のサッカー部の学生たちがカヤックで一時遭難するという事故が幸いなことに怪我や人的被害などはありませんでしたが琵琶湖でありました。先ほど琵琶湖の魅力を発信していくというお話をされておられましたが、琵琶湖の危険性という面ではどういったことを発信していきたいとお考えでしょうか。

 

【知事】

 私もその一報をアメリカで、ニュース速報で目にしまして、すぐに秘書課長に連絡をして、どうなっている、大丈夫かということで心配をいたしました。幸いにして今おっしゃったように、どなたも怪我をされることなく無事に戻ってこられたということで安心しています。琵琶湖というところ、水辺というところは広く楽しくて、様々な体験活動ができるというフィールドとしては我々はその機会も含めて大事にしたい、そういったいろいろな機会を先程の「シガリズム」ではありませんけれども、御紹介する、楽しんでいただくということも大事にしたいのですけれども、一方で、気候とか時間とかその状況、練度等によっては、危険を伴うものでもありますので、そういったこととセットで皆さんに御紹介できるようにこれからも努めていきたいと思います。風が吹いたとき、夜遅くなったときはなかなか危ないということも聞いていますので、ちょっとした風でも我々大丈夫だろうと思ってこれでもう中止と思うこともありますが、やはり湖上のリスクというのは私達が考えている以上にあるんだと思います。今回そういったことも体感していただいたと思うので、そういったことを共有しながら皆さんに呼びかかけていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

 言葉の使い方についてですが、先月末にあった滋賀県の多文化共生推進プラン検討懇話会を取材させていただきましたが、その中で外国出身で県内に在住されている方を「外国人材」と呼ぶことに出席された委員から違和感があるという指摘がありました。例えばプランの中には外国人材の活動支援とその行動目標があり、地域経済社会を支える貴重な担い手として外国人材を円滑かつ適正に受け入れるとともに、多様な外国人材の活躍を支援しますと方向性としては全く皆さん同意されていると思うのですが、ただこの「外国人材」という言葉の使い方はどうなのかという違和感があるとのことでした。また毎日新聞さんがアンケートで外国人材という呼称についてのイメージを聞いたら、印象が良くないと答えた方が62%以上いたということでした。人材の「材」という文字が道具になぞらえた表現に感じるのではないか。本来は生活者であるはずなのに単なる労働力としてしか見ていないような印象がある。雇用しやすい賃金で外国人がやってくるという思惑を感じてしまうことさえあるというような指摘もありました。また県議会の議会改革検討委員会では「明るい選挙」という言葉について、委員から今の時代にそぐわないんじゃないかという指摘もありました。言葉から感じられることやイメージとか姿勢ということがあると思いますので、こういう言葉遣いなどについて知事はどうお感じになられますか。

 

【知事】

 やはり言葉というのは大事にしないといけないと思います。冒頭取り上げていただいた「外国人材」と表記したり呼称したりすることは私も目にしたことがありますし、産業の議論をするときに別に外国人だけではなくて人材と呼ぶことはありえます。ただ、例えば多文化共生の文脈で述べすぎると一労働者として、もしくは「材」としてのみ、もしくはもののように受け取られているのではないかと思われる御心配やお気持ちというのもこれはなるほどあり得るんだろうなと思います。「明るい選挙」と言ったときに何が明るいんだ、どういう状態なんだということを国が使っているから、昔から使っているからということで、ただ当たり前に使うんじゃなくて、どういうことをイメージするのか大事にするのかという感じ、受け止め方、姿勢というものを問われたときに、おっと詰まることがないように公明正大ということで使ってきたのかもしれませんけども、やはり一つ一つ自分自身の腹に落としながら使う、皆さんに御理解いただけるように使うというのは大事だと思いますね。私もあまり「外国人材」というのは使わないかもしれません。「外国人県民」という言い方で、それぞれの国籍や個性は大事にされながらも、一緒に暮らす県民としてどう考えるのかということを大事にしていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

 今知事がおっしゃったことは非常にそのとおりだと思います。このやり取りの中で非常に気になったのは会議の事務局をされている滋賀県の担当者が「外国人材」のときも「明るい選挙」のときもそうでしたが、これは政府が使っている言葉でかなり周知されていますという説明がありました。2000年に地方分権一括法が施行されて以降、国と地方は決して上下関係ではないということからすれば国が使っている言葉だからといって、それが全て正しいのでそこに根拠を置くというような考え方というのはどうなのかと感じています。これはもちろん行政だけではなくて報道機関もそうで、政府が使っているということを言葉の正しい使い方である根拠にすることが間々あるので、これは自省の意味も込めて考えなくちゃいけないことだと思います。やはり言葉については現場で受け止められている人の感覚とか受け止め方というのは非常に重要だと思うので、国が使っているからいいということではなく、常に考え直すという姿勢は重要かなと思います。5月頃の知事の記者会見の場で公務員募集の際に大学卒業者に対して「上級公務員」という言い方をしていたことが非常に引っかかるということで指摘させていただいたこともありました。知事はこの言葉の使い方について積極的に見直していこうというお考えはありますでしょうか。

 

【知事】

 今おっしゃったことに100%同意します。政府が使っているからといってその意味や受け取られ方、背後にある姿勢等のことに思いを抱かせず、ただ唯唯諾諾と使うということがないようにこれは自省、自戒していきたいと思いますし、旧来使っていた呼称などで今の時代にそぐわないものや、受け取られ方が必ずしも適切ではないものについては、やはり随時見直していくという姿勢が必要だと思います。一緒に(会見室に入っている)職員も聞いていますし、ネットで共有もしているのでそうだなと思っている職員も多いと思います。常にこういったことを改めさせてくれる場として(定例記者会見は)これからも大事にしていきたいと思います。

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