令和6年9月3日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。迷走もしましたし、すごくスピードも遅かった台風第10号ですが、滋賀県も主に東部で多くの雨を降らしたということがございますが、おかげさまで、幸い現時点大きな被害の報告はございません。ただ、近隣府県等で被害に遭われた方々も大勢いらっしゃいますのでお見舞い申し上げたいと思います。台風シーズン始まったばかりで次の台風もまたその次の台風も襲来してくることが想定されますので、それぞれ情報を集めると同時に、身近な対策をとっていただくよう呼びかけてまいりたいと思います。
パリ・パラリンピックにつきましては、今日は車いすラグビーで、朝、私も観ていて、ついつい全部観てしまいましたけれども、木村敬一選手が、自由形で金メダルを見事獲得されました。ゴールされた後の喜ばれ方が感動を呼びましたね。2大会連続の金メダルは快挙だと思いますし、その功績を称えたいと思います。6日(金)、日本時間ですけれども今度は東京パラでも金メダルを取ってらっしゃるバタフライにも出場される予定ですので、みんなで応援したいと思います。
世界で評価されたということで関連すれば、豊郷町の龍ケ池揚水機場が世界かんがい施設遺産に登録されたという一報、速報がございました。本日、伊藤豊郷町長はじめ、関係者の皆様がオーストラリアのシドニーで開催されている授賞式に参加されているということだそうでございます。農林水産省からの正式発表を受けて、改めてコメントを発出させていただく予定、本日の午後となりますが、発出させていただく予定でございます。まずは、心からのお祝いを申し上げたいと思います。明治から大正にかけて、出来上がったのは大正2年いうことだそうでございますが、扇状地で水を引き上げて届けるという、その地域の近代化や発展にも大きく貢献したかんがい揚水施設だということだそうでございます。大切にしていきたいと思います。
また、先般の会見でも一部取り上げていただきましたが、保育の問題ですね。本県の待機児童数が353人と全国で3番目、大津市や守山市でも大変多くの方がお待ちいただいているという状況もございますので、チラシにもありますとおり、保育士を目指す学生の皆様向け、また資格を持っていらっしゃるけれども仕事に就いていらっしゃらない方々向けの就職フェアを開催しているところでございます。7日(土)には大津市の琵琶湖ホテルで40施設がブース出展する予定で、開催をさせていただきますので、また御取材等いただければと思います。県といたしましても滋賀県保育士・保育所支援センター、また市町と連携しながら、保育人材の確保、定着、また処遇の改善、様々取り組みながら希望している人が保育所で過ごすことができるように取組を進めてまいりたいと存じます。
またもう1点、以前もこの会見で問われ、検討してきた、職員の名刺の費用負担と名前札についてでございますが、職員名刺の費用負担につきましては、いろいろと検討させていただいた結果、公費により負担することが適切ではないかと判断をさせていただきました。これまではその取り扱いが明確に決まっておりませんでしたが、職務上必要となる名刺については、公費により作成できることを庁内に向けて、既に通知をさせていただいております。また、カスタマーハラスメントなどで社会問題化しております、名前札、フルネームが知られてしまって怖いなという、こういった問題につきましては、職員の皆さんが安心して働くことができるよう、現在、フルネームで表記をさせていただいております職員名札について、名字のみで表記することも可能とさせていただいて、職務に応じて表記を選択できる取り扱いとします。ちなみに私(の名札)はフルネームで書いていますが、選挙で名前も書いていただいておりますので、私は引き続きこういった形でいくと思いますが、職員の皆さんの不安を解消するための取組として、名刺、名前札ともに8月30日(金)に通知し、運用を開始しておりますのでお知らせをさせていただきます。
ちょっと前置きが長くなりましたが2点、資料に基づいて御説明いたします。1点目は湖岸緑地の社会実験についてです。この秋、湖岸の公園、湖岸緑地において4回目となる社会実験を行います。この湖岸緑地、コロナ禍もそうだったのですが、県内外から大変多くの方にお越しいただいてバーベキューなど無料で楽しんでいただいておりますが、マナーの良くない行為も増えている、維持管理コストもかさんでいるといったことが課題となっております。そういった事々の解決に向けまして、昨年度から利用者から相応の御負担をいただくことを含め、施設の利便性と快適性の向上を図り、マナーよく、気持ちよく利用していただくため、これまで3回社会実験を行ってきました。過去3回、昨年の春には昼間だけ利用できる事前予約制の有料駐車場の設定ですね。昨年の秋には昼夜連続で、時間制で有料駐車場を設けるという取組、そして今年の春には有料ではなく、駐車マナーの巡視強化という取組を重ねてきたところでございます。今回、昨年秋と同じ場所でございますが、(モニタを示し)こちらですね。緑地が広く、バーベキューやキャンプ利用に人気が高い、支那1(南)と(中)の駐車場で、昼間だけでなく夜間の利用もしていただける事前予約制で、有料駐車場の実験をさせていただきたいというものでございます。実施の期間は令和6年10月12日から14日までの3連休と、翌週の19、20土日の合計5日間実施してみようと。料金が10時から18時の昼間の利用が1台2,000円、13時から翌日11時の泊まりの利用が1台4,000円とさせていただいて、いずれも指定管理者のサイト内の受付ページから事前予約で御利用いただくこととなります。この実験の後、結果を検証させていただいた上で、これまでやってきた3回の実験の成果とあわせて、有料化導入も含めて検討したいと思います。いずれにいたしましても冒頭申し上げたように、大切なみんなのものである湖岸緑地の適正な利用、そしてその魅力の向上に努めていきたいと考えております。
もう1点、こちらに資料がございますが、次世代を担う若者たちがCO₂削減に取り組む県内事業者を取材して、記事にして発信する次世代リポータームーブメント情報発信事業についてお知らせをいたします。取材活動や記事の発信を通じて、このCO₂ネットゼロというものを自分ごと化する、また見える化する、事業者の皆さん県民の皆さんに行動変容を促すという目的で、今年初めて実施しようというものでございます。県内の大学生を中心に募りましたところ、18人の方が、滋賀CO₂ネットゼロアンバサダーとして指定を受けていただきまして、そのアンバサダーがCO₂ネットゼロについてですとか、その取材方法などを学んだ上で、記載されております県内5つの企業等の事業所を取材させていただいて、記事を作成し、県のSNSで発信するというものでございます。その取材先は既に記載している通りでございますが、9月9、10、17、19日に訪問し、取材をさせていただく予定でございます。この取組にマスコミの皆さんの同行も可能になっているということでございますので、ぜひ御希望される方は取材に来ていただければと存じます。また取材の仕方を教えてあげていただきたいというふうに思います。いずれにしろ、CO₂ネットゼロの取組をさらに進めると同時に、省エネ・再エネ導入の促進を進めてCO₂ネットゼロ社会の実現を目指してまいりたいと思いますので、よろしくお力添えをお願いいたします。私からは以上です。
[中日新聞]
まず、職員の名札についてお伺いします。実際、何かカスハラを受けているみたいな声はあるのでしょうか。
【知事】
統計は取っていないと思っており、私のところにも報告はないのですが、相当長時間きつい言葉等でいろいろな御意見をいただいたりする例はあると聞いていますので、そういったことに傷つく職員、負担を過大に感じる職員もいるのではないかと思います。
[中日新聞]
他の市町も実際に名札を替えているところもあるかと思うのですが、そういうところだと珍しい名字に配慮して漢字をやめるだとか、あと外国人に配慮して英語を記載するとかというのもあると思います。今回、こういう形にしたのは何か理由があったりするのでしょうか。
【知事】
まず、こういうフルネームを書かなくてもよい名札を導入してみて、今おっしゃったように更なる表記のわかりやすさとか、いろいろな事々に配慮した書き方を追求していきたいと思います。
[中日新聞]
湖岸緑地の社会実験について、今回4回目だと思うのですが、これまでの3回で見つかった課題というのはどういったところでしょうか。
【知事】
まずこれまでの3回について、それぞれ違う時期にやらせていただきましが、時々御理解いただいた上で適切に御利用いただいたということとか、トラブル等特になかったということでございますので、一定有料化することに対する御理解だとか、マナーアップに対する一定の効果というものは確認できているのではないかなと思います。しかし、予約制、時間制などいろいろなタイプで実験しておりますので、どういうタイプがいいのか、どういったやり方がこの公園の有料化というものに馴染むのかというのは、まだこれから考えないといけない部分もたくさんあるのではないかなと思います。何より課題は、昼も夜も職員がそこへずっと張り付いて来られる方の応対をすることになりますので、その労力たるや、しかも夜間も含めてという実験もありましたので相当大変だったと思います。そういったものを、例えば機械に置き換えたときにどのようになるのかということなども今後の課題であり、可能性になるのではないかなと思います。
[中日新聞]
1回目のときに私も現場に行って、利用者の声を聞いたのが、釣り人は結構転々と移動するというので、なかなか有料化だと厳しい声もあったと思うのですが、そういった反対の声は届いていたりするのでしょうか。
【知事】
これまで昨年の春秋、そして今年の春、そして今回4回やらせていただく中でいただいたそういった御批判とか反対の意見なども集約して、今おっしゃったように、我々バーベキューとかキャンプとか想定していますが、いろいろと短時間で移動される方のニーズをどのように汲み取ればいいのか、そういったことなども含めて、来年度以降の政策を考えていきたいなと思います。みんなのものですので、みんなのものであるこの公園を、お手洗い、緑地帯も含めてですが、どのように管理していけばいいのか、お楽しみいただければいいのか。これは非常に重要な社会実験であり、ここだけではありませんので、琵琶湖岸、滋賀県内といったところにも波及していく可能性のある重要な実験だと思いますので、今回の秋、まず5日間だけですがしっかりやらせていただいて、今後の取組に繋げていきたいと思います。
[中日新聞]
自民党の総裁選について、今のところ10人以上が出馬見込みだと思うのですが、知事としてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
【知事】
これまでになかった数、参画、注目があるとすれば、みんなで競い合ってより良い政党、またその先にある国づくりに取り組むということだと思いますので、そのこと自体はいいことではないかなと思います。派閥の影響がなくなったからなのか、この機に我こそはと思うからなのかということだと思いますが、これはとても重要なことだと思います。以前も申し上げましたが、10年前の地方創生が打ち出された頃に比べて、地方の課題は人口減少も含めて広がり深まっていますが、地方創生の呼び声、具体の取組が少し弱まっているようにも思いますので、そういったことについてそれぞれの方がどのようにおっしゃるのか、ここは注目していきたいなと思っております。
[日本経済新聞]
先ほどお話のあった待機児童について、就職フェアは今回急にやろうというものではなく毎年やっていて、今回も前から計画されていた話ですよね。
【知事】
これは毎年やっているものですし、今回の報道があったから急に用意したものではありません。
[日本経済新聞]
市町の話なのかもしれないですが、県として、待機児童が増えた原因と当面の対策について何か新しいことはありますでしょうか。
【知事】
おかげさまで滋賀県は年少人口の割合が高かったり、相対的に他の地域よりも子どもたち、この滋賀県、とりわけ南部地域で子育てをしようとする方々が今多いということはあると思います。そして、保育士の皆さんもそれぞれ条件のいいところでお仕事をされるということもあるでしょうから、必ずしも滋賀県内に留まってお仕事をされるというわけではなく、京都や大阪などでお仕事をされる方もいらっしゃると思いますので、そういう意味で需要が多いのにも関わらず、そのサービスの担い手が少しマッチしない地域や状況が生まれているということだと思います。したがって、県としては滋賀県で保育をすることの魅力を関係団体と一緒にPRするということとあわせて、国に対しても処遇改善の取組を伝えていくだとか、こういうフェアを開催しながら、特に今から資格を取る方、取ろうという方はちょっと時間が経ちますので、今資格を持っている方がこういう保育所があるのであれば、こういう条件になっているのであればお仕事をしようということで、うまく時間を使っていただけるような潜在保育士の掘り起こしなどには、今緊急で力を入れていくべきではないかと考えております。
[日本経済新聞]
保育所そのもののハードの方は足りていて、ソフトという、そこで働く保育士の方が足りないという認識なのでしょうか。
【知事】
もちろんハードの面も施設、地域によっては改修、増設が必要だったりするところもあるようですので、そういったところは国の補助金などをうまく取り込んで計画的に施設整備するということはしていきたいと思います。並行してやることだと思います。
[日本経済新聞]
大津市が非常に多く、守山市も多いのですが、こういった市とも連携しながらやってくということでしょうか。
【知事】
当然連携は必要だと思います。公もそうですし、民間もそうだと思いますが、やはりその需要の想定を短期的に見積もるだけではなくて、中長期的にどの程度見積もれるのか、一時的に子どもが急に増えたとしても、その後急に減るというのであれば雇用、運営をどうするのかという課題もあるでしょうから、そのあたりの情報をよく官民、県市で共有して対策をとっていく必要があると思います。
[日本経済新聞]
来年度予算案の編成方針について、何かこういう方針でというスローガンがあれば教えてください。
【知事】
昨日も一部申し上げましたけれども、世界情勢が大きく変化しています。これまでの延長線上に明日以降の未来がなかなか見出しにくいという状況がありますので、例えば今やっている県史編さん、湖底遺産の調査、またこれまでやってきた死生懇話会など、そういったことを大切にしながら、輝く未来に向けてともに生きる健康しがをつくろうと。また、今年度から本格的に打ち出していますが、志の再確認としてパーパスの議論をしてきました。「琵琶湖とくらしを守る」、「三方よしで笑顔を広げる」、「豊かな未来をともにつくる」とこの具現化をぜひこの施策の中でやっていこうと。国スポ・障スポ、大阪関西万博が行われる年ですのでその取組ですとか、施策の柱としては5本柱の引き続きの柱立てをすると同時に、北部振興については、課題可能性が先に現れる地域としていろいろなモデルケースをつくっていこうと。あとは、付け加えたこととして、これまで以上に市町の取組に寄り添おうじゃないかと。施設、事業もそうですが、統廃合、見直しといったことによる人と財源の再配分シフトを行っていこうということは強調したところでございます。
[日本経済新聞]
明日からの訪米について、前回の訪米だとニューヨークで、ニューヨークの米の流通業者に近江米、特にオーガニックの近江米を売り込んだりして、非常に成果がありました。今回は経済面、産業面で何かトピックはありますでしょうか。
【知事】
明日からの訪米はポートランドへの訪問、こちらはOBONソサエティという日章旗の返還活動をされている方との面会、そしてミシガン州においては、滋賀県から行く友好親善使節団と一緒に交流行事に参加するということ。さらには、オハイオ州コロンバスで開催される日米中西部会に参加をさせていただくということが大きなミッションでございます。今お尋ねのあった経済産業分野で何かありますかということでいえば、例えばポートランド市というのは、短時間ですが公共交通をはじめ、都市の拡大を抑制しながら街をつくってきたという先進事例を持っている地域ですので、そういう取組の勉強ですとか、ミシガン州においては、県内にもゆかりのある企業の訪問、これは具体的に言えばノバイにある旭化成の訪問を予定しております。まだ未定ですが、ミシガン州知事か副知事との面会においては、今後の更なる経済交流も含めた交流拡大の協議をしていきたいと思います。また、オハイオ州では、滋賀県に本社のあるフジテック社の訪問や、オハイオ州に拠点を置くエネルギー関連企業への訪問も予定しているところであります。オハイオ州も、シンシナティは滋賀県にも工場のあるP&Gの本社のある都市ですし、コロンバス、クリーブランドという3つの“C”がつく都市はアメリカを代表する都市、オーバリン大学は高島出身の清水安三先生が留学をされた場所で桜美林大学にも繋がる大学だと聞いております。いずれにしろ近づいている米国大統領選挙で注目される中西部でありますので、そういったところの息遣いを現地で感じることができればと思っております。
[日本経済新聞]
ホイットマー知事とは会えそうでしょうか。
【知事】
まだスケジュールは決まっていません。そのため、出国する前日まで知事との面会が決まらないというのは、これまで初めてではないですかね。それだけ多忙を極めてらっしゃるのだと思います。しかし、いずれにしろ何らかの形で知事、または副知事と面会をし、これからに繋がる行動ができればと思います。
[日本経済新聞]
兵庫県知事について、非常に話が広がっていて全国ニュースでもかなり扱われるようになり、百条委員会を見ている限りは事実関係を認めています。否定はしていないし、さらに元職員、職員の方のプライバシーを晒して非常に自分に有利にしようとしたのではないかという極めて悪質な疑惑も出てきています。これが関西広域連合に与える影響はありますでしょうか。
【知事】
広く取り扱われ、報じられている兵庫県の問題が関西広域連合の運営に影響を与えるのかについて、私は影響ないと思いますし、現時点で何かあるということではありません。
滋賀県の職員もそうですし、兵庫県の職員もそうだと思いますが、非常に優秀ですので、もちろん今回の問題についての説明をきちんと議会も含めて行うということと、様々至らない、改めなければいけないことがあればそれらを改めていくということをしつつも、必要な行政サービスはきちんと届けながら運営をつつがなくやっていくということについては、その能力は持っていると思いますので、そういう影響はないと思います。今後もないように努めたいと思います。
[日本経済新聞]
関西広域連合としてこの問題に介入するということはあり得るんでしょうか。
【知事】
ありません。
[日本経済新聞]
広域連合長の任期が三日月知事は12月で切れるのですが、夏休み前にその再選を目指すかどうかに関して夏に一生懸命考えるというふうにおっしゃっていましたが、結論は出ましたでしょうか。
【知事】
暦の上では秋になりましたけれども、まだ十分相談しなければならない方々と面会できているわけではありませんので、今まだ引き続き広域連合長としての公務を行いつつ、その次どうするのかということについて考え中であります。
あ
[京都新聞]
湖岸緑地の社会実験について、いくつかお伺いします。まず、今回対象に夜間を加えられた理由というのは何かあるのでしょうか。
【知事】
やはりキャンプ、バーベキューも一部夕方も含めてあるのだと思いますが、こういった昼だけではない御利用の状況、それらをどのように御負担いただけるのか、いただけないのかということは確認しないといけないと思います。また詳しいことは担当に説明させます。
[京都新聞]
今回4回目で、4回目の結果も含めてその結果を出すというようなお話だったかと思うのですが、これはつまり社会実験はこの4回目で一応見切りをつけて結論を出されるというお考えなのでしょうか。
【知事】
この会見でも累次にわたりお尋ねいただいて私もいろいろと答えてきましたけれども、みんなのための公園ですので、有料化を含めてそのサービスのつくり方、あり方は丁寧かつ慎重に検討しなければならないと思っております。しかし、いつまでも実験だけをやっていればいいということでもありませんので、2年間、春、秋、春、秋とやってきたことをもって一定の結論は、この秋の結果も見ながら、出していかなければいけないのではないかと思います。
[京都新聞]
一定の結論を出す期限というのは例えば年内ですとか、年度内ですとか、どのようにお考えでしょうか。
【知事】
まず、この秋の結果は見たいと思います。見た上で、然らばこれまでの実験を経て、来年度以降どういう体制、どういうサービスがこの当該地域で可能なのか、しかし、その行おうとするサービスに必要となる設備や、費用、体制をどのように工面できるのかということと併せてお伝えすることが必要になると思いますので、やはり年内いっぱい検討して、年明け以降に皆さんにお伝えするということが一つのスケジュールではないかなと思います。
【京都新聞】
昨日、女性活躍推進の政府プロジェクトチームの会合があり、そこで都道府県別の男女の賃金格差の数字が出ておりました。格差という意味では滋賀県は確か8番目に大きかったと記憶しています。多分理由としては、他に出された指標の部分の正規率が低いというところも影響しているのかなと思うのですが、まずその賃金格差が大きいということについての御所見と、県としてどういう取組が必要かというようなお考えがあればお願いいたします。
【知事】
私も報道等でこの状況は承知をしております。それぞれの都道府県ごとの順位ということよりも、男性を100とした場合のOECDの平均は、88%、そして県内、それぞれの都道府県の一番高いところでも80%、低いところでは71%ということですので、やはり厳然とその差があるのだという、この現実ですね。その理由はいろいろあるのでしょうけれども、管理職の比率がどうしても低いということですとか、平均の勤続年数がライフイベントとの兼ね合いなどで女性に負担が多くいっているということから年数が男性よりも少ない、そして正規の雇用率が低いといった事々などが挙げられていると承知をしております。この傾向というのは、滋賀県内においても同様の部分があろうかと思いますし、とりわけ製造業の比率の高い滋賀県においては、そういう傾向がより顕著に出ているところもあるのかもしれません。いずれにしろジェンダー・ギャップに目を向け、その解消のために取り組もうとしておりますので、その中で今お取り上げいただいたこの賃金格差についても重要な視点、指標として取り扱っていきたいと思います。
[時事通信社]
政府が来年度に検討していた結婚移住支援金についてお尋ねします。自見地方創生担当相が、30日に来年度から結婚を機に地方に移住する独身女性に支援金を支給するという方針を事実上撤回すると表明しました。撤回に関する知事の受け止めをお願いいたします。
【知事】
制度の詳細がまだ十分に伝えられてない中、どうやら止められたらしいということが伝えられましたので、どういう内容だったのか、どういう理由だったのかというのは定かではありません。したがって、私自身の受け止めというのも特にないんですけど、ただ生まれてくる子どもの数が減って、いろいろな希望を実現する際に結婚というものが非常に重要なテーマになっていて、出会いがないとか、結婚しようと思っても所得が不安だとかいろいろなことを解決したり、後押ししたりするための一助として、そういうものが検討されていたのではないかと推察いたします。とはいえ、未婚の女性だけでいいのか、移住ということを条件に課していいのかなどの正当性なり妥当性が検討された結果、制度化、もしくは予算要求にまで至らなかったということではないかと思います。結婚とか出産、生き方に関する問題は非常に幅広い個性を大事にしたり、多様性を認め合うということも重要だと思いますので、もちろん早くやらなければいけない、抜本的にやらなければいけないという気持ちもあるんだと思いますが、丁寧に進めていくことも重要ではないかと思います。
[NHK]
名札についてお聞きしたいのですが、変更にまでに至った経緯ですとか、例えばどういうお声が職員からあって変えるに至ったとか、変えられてどういうふうに改善されることを求められているのか改めてお願いいたします。
【知事】
名札は規程で、みんなそれぞれつけて仕事をしなければならないと定めていますので、県民の皆さんに行うサービスを担う職員として「私はこういう名前です」ということをお伝えできるようにする一助として、これは重要だと思っています。しかし、フルネームで記載しないといけないかと。名字さえわかれば、これでこと足りるとするならば、こういうものの導入も柔軟に認めていってよいのではないかと思います。やはり、「三日月大造」かと、この名前、どこの出身かといろいろと詮索されて、覚えておくとか、どこに異動、転勤してもまたここに来たんかということでちょっと不安に思うとか、個人が特定されて執拗にその職員だけ負担がかかるということがあってはいけないという検討があったんだと思います。これは私も必要なことだと思いますので、今回名字だけの表記も認められるようにしたということです。
[読売新聞]
琵琶湖岸の有料化の範囲について、この実験している草津市内の駐車場のみで事業化するとするならば、範囲はどこまでで考えてらっしゃるのでしょうか。
【知事】
例えば何の施設もなく、対価がいただけるようなことが可能であるならば、もしくは人が立って御案内したり、料金をいただくということが可能であるならば、ここ以外の場所でも可能性はあるのだと思いますが、一定の施設がいる、もしくは周知がいる、そして御利用との兼ね合い、よく検討しなければいけないということであれば、検討するとしても、まず対象は実験をさせていただいたところからということになるのではないかと思います。しかし、その場合に、周辺の無料のところの御利用がどのように変わるか、ここは有料にしているけど全然意味がないじゃないかみたいなことになるとすれば、それもちょっと本末転倒なところもありますので、そのあたりを検討しなくちゃいけないのではないかなと思います。
[読売新聞社]
今まで3回やって、今回4回目で初めて泊まりをやってみるのでしょうか。
【知事】
予約で夜も御利用いただける、泊まれるという形は今回初めてです。
[読売新聞]
今までの3回の実験と比べて、今回が最後の実験であるならば、特になにを見たいのでしょうか。
【知事】
春秋、昼間夜間、それぞれ御利用される方は同じ方ではないので、より広くこういったことに対する御理解なり、御納得がどのような状況なのか。春も秋も季節はいいですから、比較的バーベキューとかキャンプされる方は多いのかもしれませんが、特に夜間も含めてどういう御利用状況なのか。今、並行して検討してますが、お手洗いの施設の御利用状況や快適性、水の流れだとか、こういったことも含めてどういう改善ができるのかということと、どう整合するのかというのは見たいなと思います。人がやる有料化では、手間暇かかりますので、機械でやらせていただくとすれば、ここは電気が通っていないらしくてどのように電気を通すのか、そこにかかる費用などもきちんと見積もった上で、やっていく必要もあるんじゃないかと思います。
[読売新聞]
基本的に検討なさるとすれば、この志那地区。今まで実験してきたところでおそらくは人が料金徴収じゃなくて、ゲートなり何なりをつけてということで検討なさるのでしょうか。
【知事】
場所としては、これまで実験をしていたところが対象となります。そしてやり方としては、今おっしゃったように、人ではないやり方が可能なのかどうかというのを検討した上でやるとすれば、やることになると思います。
[朝日新聞]
名刺についてお尋ねしたいと思います。以前の定例会見の中で、知事も名刺の必要性についての質問に対して、職階によっても職種によっても違うところがあるかもしれないというので、よく検討したいとお答えされていました。今回は、職階や職種に関わらずあまねく職員全員を対象にするということでしょうか。
【知事】
おっしゃるとおりです。やはり職務で使うものは公費で支弁する。この原則で、やろうと思っています。
[朝日新聞]
公務員の名刺については、いろいろな自治体でもこういう問題提起がされていて、それでも必要ないと考えるところもあります。知事が今回この名刺について公費の負担が必要だと考えたのは、どういった考え方なのかというのをもう一度説明していただけますか。
【知事】
もちろんこれまで私費でみんなが負担していたとしても、必要な御挨拶のときには名刺の交換をみんなそれぞれしてくれてたと思いますが、やはり先ほども申し上げたように、公務で使うものは公費で支弁をするというのがまず原則だと思いますし、これからいろいろな御案内をするとき、そして協働共創、一緒にやろうというときに、「県庁で、どこどこで働く何々です。以後よろしくお願いします」と。メールはこれ、電話番号はこれ。ある意味では基本動作が、もうなくなりそうだし、お金がかかるし、渡すのやめとこうという躊躇や負担感があったとすれば、そういうものも取り除いてより積極的に御挨拶をしていこう、関係をつくっていこうということだと思います。
[滋賀報知新聞]
もう一度湖岸緑地の有料化について、お尋ねします。1回目のときからいろいろ各方面から御意見も挙がっていたかと思うのですが、その中で1つテーマとおっしゃいましたが、マナー向上を今回もずっと上げておられます。マナー向上を啓発するのが最も重要なのか、一定の収入を得ることが重要なのか、どちらに重きを置くのかというのがずっと議論されたままここ1年ぐらい続いてきてるのかなという印象があるのですが、知事としてはどのようにお考えがあるか教えていただけたらと思います。
【知事】
そこはやっぱり両方だと思います。みんなのものですから、無料で自由にお使いいただくというのは原則だと思いますが、その公園をより良い状態に保つために、様々かかる費用をどのようにみんなで少しずつ分担していくのかということは、これからの公園のあり方、これ以外の公園のあり方を考えるために大変重要なテーマだと思います。また、綺麗なところというのがやっぱりみんなマナーよく使われるとするならば、綺麗に保つためにどのようにみんなでその費用を捻出していくのかという視点も重要だと思います。そういったことを、こういった有料化の実験とセットで呼びかけて、どういう反応があるのか、どういう御意見があるのかというのを丁寧に紡ぎながら、1つの制度をつくっていければいいのかなと思います。
[日本経済新聞]
自民党ではなくて知事のゆかりの方もかなり多いと思われる立憲民主党なんですけれども、代表選で現職の代表が全然支持が集まらずに、前の代表とそれからその前の代表が出てくるという。自民党の方はおそらく下馬評では石破さんと小泉さんの決選投票になるだろうと今のとこ言われてます。立憲民主党の方はそんな感じで、まさしく昔の名前で出ているような状況です。民主党OBの知事から見てどう思われますか。
【知事】
私のいた民主党と今の立憲民主党では重なる人も多いですけれども、ずいぶん新しい仲間も増えているようですので、そこは違うのかもしれません。まだ選挙期間はこれからですから、最終どなたが立候補されるのかというのはこれからだと思います。そこは期待したい。どうしても一部議論され、意見が出てるようですけれども、規模の小さい政党で国会議員の推薦人の人数の上限ハードルが高すぎると、なかなか立候補にまで踏み切れないという、こういう制約はあると思うので、今回議論して変えるとのは難しいのでしょうけれども、平時からそういう議論を積み重ねて制度をつくっておくというのも重要だと思います。
しかし、お世話になった野田さんも枝野さんも大変優秀で尊敬する先輩ですが、次の時代、次の世代が常に担うという気構えと行動は常に持っておきたいというふうに思いますね。泉代表もそういうつもりでやってきてると思うし、そのことに多くの理解と共感が広がってきたこともあるんだと思います。しかし、自分の次の再選まで目指してグループづくりだとか、推薦人集めをするほど時間がなかったということかもしれません。