令和6年8月27日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。台風第10号が接近しています。日々、進路やスケジュールも変わっているようですので、それぞれ発表される最新の情報にお気をつけください。私たちも対応に万全を期してまいります。強力な台風で暴風域を伴うことも報じられておりますので、公共交通機関の計画運休ですとか、停電なども想定されるということでございます。様々な対応・対策を早めにとっていくこととしたいと思います。(モニターを示しながら)ちなみにこういう情報を流させていただいているところであります。
いよいよ、パリ・パラリンピックが開幕するということで、5大会連続パラリンピック出場の栗東市出身、県民栄誉賞を受賞されている木村敬一選手をはじめ、本県ゆかりの選手の活躍に大いに期待しているところでございます。時差を伴うテレビでの応援ということになりますが、ぜひみんなで応援をしていきたいと思います。
既に資料を提供させていただいておりますが、滋賀県立高専共創フォーラム、こちらにつきまして来たる9月の11日、滋賀県立高専共創フォーラム第2回イベントとして開催させていただきます。STEAM教育者であられ、ジャズ・ピアニストでもある中島さち子さんによる基調講演ですとか、高専関係者、県内企業関係者等によるトークセッションなども行われる予定でございます。野洲市の隣接国有地が「MIZBEステーション」として登録されたということもございますので、さらに整備を加速させると同時に、カリキュラムをスタッフとともに詰めていきたいと思います。また、そういった情報を御提供することによって、滋賀県の高専、新しくできる高専を進学先として御選択いただけるように、私どもも努めてまいりたいと思います。
さて、今日は2点、資料に基づきまして御紹介させていただきます。
1つは東レ建設株式会社様と建築物木材利用促進協定を締結させていただくこととなりました。昨年11月、たねや様と締結したことについての2件目となります。この協定制度は、建築主たる事業者等が国または地方公共団体と協働・連携して、木材の利用に取り組むことで、民間建築物における木材の利用を促進することを目的としたものでございます。東レ建設株式会社様の本社は大阪でございますが、滋賀県創業の素材メーカーであられる東レ株式会社様のグループ会社でもありますし、本県が開催いたしました滋賀県木造建築セミナー、これは一昨年、計6回開催しているものですが、こちらに東レ建設の社員の方が御参加いただき、御縁ができたことがきっかけとなり、今回協定を締結することになったと聞いております。この協定締結を契機といたしまして、建築物への木材利用をさらに進めていただき、大阪に本社を置く企業様でいらっしゃるということもありますので、琵琶湖・淀川流域の関西圏でありますとか、全国に本県のびわ湖材の利用が広がっていくことを期待したいと思います。やはり御利用が広がれば、伐ること・加工すること、こういったことにもたらされる波及効果もございますので、そういったことも一緒に発言をさせていただきたいと思います。また、建設会社として企画、設計、施工者の立場から様々な施主様に対して、建築物への木材利用を御提案いただいて、マンションを始め、オフィスや工場など様々なところでびわ湖材が使われることで、木材利用の意義やメリットを多くの人に実感してもらえるのではないかと考えております。耐火性を伴うものにするとか、耐震性をしっかりと確保するとか、いろいろと伴う技術的な課題もあるようでございますが、それらを乗り越えて、利用を促進させていきたいと思います。記載のとおり、協定の締結式は9月3日火曜日に行います。
もう1点も資料をつけておりますが、9月4日水曜日から9月11日水曜日まで訪米出張させていただきます。その御紹介でございます。今回の目的は3点です。姉妹県州であるミシガン州との交流、毎年行われております日本・米国中西部会への出席、今年はオハイオ州で開催されます。そして、OBONソサエティの関係者、代表者との交流でございます。1点目のミシガン州との交流は今回、今年が56周年となります。6年ぶりの派遣となります、県民の友好親善使節団とともに、団長は私が務めることになるそうでございますが、皆さんと一緒に訪問させていただきます。昨年度、私もミシガン州にまいり、ミシガン州知事も滋賀県を訪問していただきました。1年が経ちましたので、州政府関係者をはじめ、交流を支えていただいている方々と面会するとともに、今後の更なる両県州の交流の深化について意見交換したいと考えております。また、日本米国中西部会、こちらにつきましては、昨年は日本で開催。今年はアメリカで開催ということで、日本とアメリカ交互で開催している会議でございますが、今年はオハイオ州で開催されるということでありますので、企業関係者自治体関係者300人近くが参加される会合でございますので、本県の強み、魅力、企業との協力関係などなど、様々な発信をしていきたいと思います。OBONソサエティの方との面会に際しましては、オレゴン州ポートランドで行う予定でございますが、御案内のとおり、戦争遺留品の返還活動を行っていただいております。敵味方の恩讐を越えて、時間の経過を越えて、遺族の皆様方に遺留品を返還する活動を中心的に担っていただいている方と、これまでの活動を振り返るとともに、これから戦後80年、さらに時間の経過とともに、戦争の記憶が風化していく中で、どのような取組をしていけばいいのかということなどについて意見交換できればと考えているところでございます。私からは以上です。
[びわ湖放送]
今回の訪米に関して、知事の一番の思いを教えていただけますでしょうか。
【知事】
先ほど申し上げたように、6年ぶりに県民の皆さん、友好親善使節団の皆さんと参りますので、これは昨年からすごく楽しみにされていた、滋賀県から行かれる方もそうですし、向こうでお待ちいただき、御準備いただいている方々も再開させよう、来てほしい、待ってるでという、そういう交流の再開ですので、そのことをまず喜び合うとともに、来年、再来年、次の世代と、こういったものを引き継いでいけるように、友情を確認したいなというのが主な一番の目的ですね。また、アメリカ大統領選挙も行われ、いろいろとどんどん盛り上がってきているように報じられておりますので、そういったことがどのように行われているのか。継続的に参加しております中西部会においては、いろいろな企業関係者、日米関係、様々な議論が行われますので、そういったものに参画して、その一翼を担っていけるようにしたいなと考えております。
[びわ湖放送]
ミシガン州知事とお会いされるのでしょうか。
【知事】
まだ、決まっていません。ミシガン州に行くので、私はできたらミシガン州の知事とはお会いしたいなと思っていますが、お役目上、お立場上、なかなか日程が固まらない。特に、9月は重要な時期だと聞いておりますので、まだ決まっていません。ただ、こちらからは熱望している旨伝えているところです。
[びわ湖放送]
去年、州知事が来られたときに協定を結ばれて、湖同士の繋がりが重要になってくるかと思うのですが、「世界湖沼デー」での協力とかそういった部分はいかがでしょうか。
【知事】
何らかの確認、何らかの発信、何らかの議論はしたいと思います、その「世界湖沼デー」に絡めて。現にインドネシア・バリで行われたときにも、友好姉妹県州であるミシガン州や中国湖南省の賛同を得て、一緒に発信したい旨申し上げておりますので、そういったことは是非、ミシガン州においても確認したいなと思います。できれば湖上でそんな議論ができるといいんですけど。
[びわ湖放送]
OBONソサエティとの面会の平和交流とは具体的にはどういったことを考えておられますか。
【知事】
OBONソサエティの代表者である御夫妻には、まさに中心的に、主に米国兵でいらっしゃった方が戦利品としてお持ち帰りになり、例えばその方が亡くなられ、御遺族がその取扱いに悩まれたりしたときに仲介していただいて、日本に届けていただいております。國松元知事はじめ、滋賀県遺族会の皆さんの御尽力によって、恐らくその活動を最も熱心にやれているのが、私たち滋賀県ではないかなと思っておりますので、そういった関係性、昨年、御夫妻が御来県されて、私も知事室で面会をいたしまして、その際にはこういう交流を次世代にどのように繋いでいくのかという議論も一部させていただきましたので、そういったことを具体化するためにどんなことができるのかということなどについて確認なり、議論ができたらいいなと思います。
[びわ湖放送]
これまで滋賀県の方への日章旗の返還は何例ありましたでしょうか。
【知事】
また確認してお答えさせていただきます。
[京都新聞]
少し冒頭でもお話があった台風の関係についてお伺いいたします。報道によると、2018年の台風第21号に似たルートだという報道も一部あり、そのときは滋賀県も大きな農業被害など、戦後2番目だったと思うのですが、県として台風に向けて何か準備されている、対応されているようなことはあるでしょうか。
【知事】
こういった形で、いよいよ迫ってきている台風に対する注意の呼び掛けをすると同時に、今朝の経営会議でも確認したのですが、タイムラインに基づく待機また準備体制、これらを今週ずっと構えて、今整えているところです。しかし、進路もスケジュールも変わってきていますので、そういったものに機動的に対応できるようにしようということとか、待機する職員の食料とか、空調なども、泊まって待機しているのに止まって暑いとかということがないようにしようということなども確認したところでございます。併せて、後で御質問出るのかもしれませんが、品薄ではないかと言われている米の問題。いよいよ、おかげさまで刈り取りの時期を迎えておりますが、台風が来て風や雨で倒れて取れなくなるということがないように、今早めの稲刈りをそれぞれの集落、多くの方が出てやっていただいているところでございますので、例えばこういう対策などを今行っているところです。
[京都新聞]
お話にもありましたように、米の収穫もまさに今消費者の方の関心も高いと思うのですが、早めの収穫というのは、何か県側から働きかけみたいなことをされているのでしょうか。
【知事】
農業団体と連携して現場の生産者にそういう呼びかけができるように、もちろん生産者の皆さんは天気予報を常に御覧になって、早めに刈るということなど、対応していただいていると思うのですが、そういったことに手の回らない方々にいろいろと支援するとかですね、そういう対応を呼びかけながら、今全県挙げて行っているところです。
[京都新聞]
今スーパーなどでは米が品薄になっていて、なかなか買うのも大変というような状況で不安に思ってらっしゃる方もいると思うのですが、今の県内の流通状況、今後の見通しについての御所見をお願いいたします。
【知事】
私自身もスーパーに行った折に、最近は必ず米の棚を見て店員の方に声かけして、いろいろな事情をお聞きしております。確かに通常よりも品薄、そして多くのお買い求めの需要がある状況だそうでございます。まず背景としては、高温とか渇水等の影響によって昨年の一等米の比率がすごく低くて、精米の歩留まりが低下したので世に出ている米そのものが少なかったということとか、パンとか麺類などの小麦製品、こちらの食料品価格がどんどん上がっていますので米の割安感による需要が上がったということ、またインバウンドの需要の高まりによる米消費、加えて南海トラフといった地震情報が発信されたことにより備蓄用に多くの方がお買い求めになったということ、あとは8月どうしてもちょうど前年の米がなくなって今年の刈り取りが始まる頃ですので、そういう端境期にあるのではないかと思います。しかし、聞いていますと滋賀県は米どころですし、今皆さん鋭意稲刈りをして既に「ハナエチゼン」の新米も流通しているということですので、安心してお買い求めいただければと。まもなく潤沢にお米がお届けできるというふうに思います。しかし、つくるのにも刈り取るにも運ぶにも多くの手間暇をかけていただいておりますし、コストもかかっていますので、少しそういったものは上乗せした形で価格に反映されると思います。ぜひお買い求めの際に御理解、御協力いただければというふうに思います。
[京都新聞]
琵琶湖疏水の感謝金について、10年ごとの契約の見直しが今年度期限なので、今年度中に行われると思います。契約の額については物価の上昇などを反映してということになって、今まさに物価がかなり上昇している最中だと思うのですが、契約の見直しにあたり琵琶湖側として京都市に何か契約を通して伝えていきたいようなことがありましたらお願いいたします。
【知事】
私達は琵琶湖、その水とともにお預かりしている立場なので、大切にそして綺麗に、それぞれの方々が下流府県も含めてお使いいただける状況にする。また、次の世代も人間以外の生き物についても、その恩恵を享受できるような体制をつくっていくということに心を注いでいきたいと思っております。琵琶湖疏水に関しては、最大の取水量が毎秒23.65tという多くの水を使っていただく形になっておりますし、現行、感謝金という形でいただいているものもございます。水の価値というものをどのように見ていくのか、それらを綺麗に住民の皆さんにお届けし、そして私達県でどのように担っていくのかということについて、ある意味では今日的な評価や議論ができる機会だと思いますので、このタイミングは大事にしながら京都市の皆さんと議論を積み重ねていきたいと思います。私どもは既に指示をいたしまして、この日は疎水の問題、感謝金等の問題について検討するチームを立ち上げて、大正時代からのいろいろな文献を紐解いたり、この間の経過を調べてどのような対応をしていくのかということについて、今戦略的に対応することを確認しておりますので、今日から実務的な協議が始まるように聞いておりますので、しっかり臨んでまいりたいと思います。
[京都新聞]
感謝金の額について、物価を考えると上がらざるを得ないかなと思うのですが、そのあたりの見通しは何か今現時点でありますでしょうか。
【知事】
感謝金の価格というのが、1つそういうものを評価するものになるのかもしれません。その根拠となるコスト等も、10年前よりも社会的に見ても上がっている部分もあるでしょう。それらをどのように反映していくのかというのは、議論の1つのテーマになると思います。
[NHK]
先週の8月23日、江島副知事と米原市長が国に伊吹山の土砂災害対策に向けた要望をされましたが、具体的にどんな要望をされて、また台風が近づいている中でどのように備えていけばいいのかというところで何かアドバイスはありましたでしょうか。また国への要望を受けて台風までの期間またはその後にどのような対策をされていくのか、そのあたりをお聞きできればと思います。
【知事】
まず伊吹山の土砂災害対応につきましては、緊急土砂災害対策プランとして、ハード、ソフトの両面で対応を今行っているところであります。例えば堆積土砂の撤去、これはもう完了しておりますし、監視カメラ、土石流が流れたときに感知するセンサーの設置、こういったものも行って、これらも全て進んでおります。応急土砂止めを行うワイヤーを途中につくろうという取組を行っておりまして、こちらも急いでいるところです。今、アンカーの設置まで行ったのですが、今回の台風の状況を踏まえて仮設施設なんかも今つくっているのですが、安全第一で、それらの安全対策についても点検するように指示しているところです。場合によっては、一部仮設を撤去させていただいて、工事スケジュールを見直すということもさせていただきます。いずれにしても県でやれることを治山、砂防、森林対策を含めてあらゆる面で、県としても頑張って行ってまいります。しかし、国に対してもお力添えをいただきたいということで、既に国土交通省からは緊急災害対応ということで支援もいただいているところですが、先般8月23日に上野賢一郎衆議院議員のお力添えをいただいて、農林水産省坂本大臣に対して財政的支援、技術的な支援、人的支援の3本で要望をさせていただきました。また、林野庁長官に対しましても、特に緊急治山事業として対応、支援、お力添えをしてほしいというお願いをさせていただきました。また、環境省に対しましては、荒廃が極度に進行した場所でこの自然再生事業というものを、ニホンジカの有害鳥獣対策としてもやっていかなければなりませんので、そういったことに対する重点的な支援をお願いしたところでございます。特に技術的なこと等については、国も最大限御支援いただけるような御返答もいただきましたし、財政的なことについては、もちろん滋賀県の今回の災害も大事ですが、東北地方でもっと大きな災害が起こっているというようなことも踏まえて、全体のやりくりをしながら、滋賀県のことについても御配意いただけるのではないかと期待をしているところでございます。いずれにいたしましても、今回の台風第10号もそうですし、その後台風が来たときに、土砂が流れないとも限らないので、まずは今できることをやっています。受けられるように溜まった土砂を除けておくとか、流れてきたときにそれをお知らせするものもつくっておりますので、そういったことも最大限活用して、住民の皆さんの命を守る対応をとっていきたいと思います
[NHK]
台風も迫ってきているということですが、伊吹地区に重点的に県の職員を配置したり、事前にアナウンスしたり、何かそういった対策を米原市とともに取られるようなお考えがあったりするのでしょうか。
【知事】
7月だけでも3回土石流が流れているところですので、そこは重点的に県としても見ていきたいし、そして近づくリスク、想定される被害、こういったものをきちんとわかりやすく、米原市とともに住民の皆さんにお知らせする努力はやっていきたいと思います。住民の皆さんの安全対策はそうですが、対応する職員の安全も十分に考えた上で、どこまで近づけるのか、どういう対応がとれるのか、それもあわせて考えていきたいと思います。
[毎日新聞]
待機児童についてですが、先日発表があって353人で前年の2倍以上に増えていましたがその受け止めをお願いします。
【知事】
私自身も連れ合いとともに子どもを育てながら、また保育所にお世話になりながら仕事をしてきたということからすると、現場の切実な思いが多々あると思いますので、そういったものをしっかりと受け止めてできるだけ早くそういった希望がかなえられるよう対応をしていきたいと思います。待機児童が増えるという状況は、多くのニーズが出てきているということと、年齢にもよると思いますが、とりわけ0歳から2歳は多くの手がかかる年代だということとか、あとは現場が求められるよりも保育士等が不足している現状からくるものだと思います。やはり後段申し上げた保育士等の不足に対して、今様々な取組をしておりますが、そういったものにさらに力を入れてやっていきたいと思います。離職防止、新たな人材確保といった両面から保育士・保育所支援センターの運営事業こういったものもやりながら、仕事の魅力を発信したり、就職マッチングも含めて支援をしたり、就業継続を応援したり、保育士になるために勉強するという奨学金返還の支援事業を行うなど、様々な取組を行っていますし、少し時間がかかる話ですが中学生向けに保育士の仕事などについて紹介するような取組も行っています。私からは緊急の対応として、潜在保育士さんに少し働きかけをして、職場復帰をしていただくような取組についても検討してはどうかということを今担当部署には投げかけています。コロナのときにサポートナースを行って多くの方に御協力をいただいた経過なども紐解きながらできる対応を市町関係者とともにとってまいりたいと思います。
[毎日新聞]
もう一点、訪米の際の訪問先のOBONソサエティについてですが、訪米される際はいつも面会されておられるのでしょうか。
【知事】
今回、中西部ミシガンに行く途中にオレゴン州がありますのでそこで降りて、そしてポートランドという交通政策の先進地域もありますので、そういったところでお会いできそうな感触を得ましたので、その視察とともにOBONソサエティの方と面会できればと思います。
[毎日新聞]
県はOBONソサエティの活動を熱心にしていると先ほどおっしゃってましたが、これは何か理由というのはあるのでしょうか。
【知事】
やはり戦争の悲惨さ平和の尊さというものを世代や体験の有無、月日の経過、こういったものに減じられることがないように行っていこうと思います。もちろん体験者からお話を聞く、遺族の方からお話を聞く、戦地戦跡を巡って慰霊をするということも大事ですが、遺留品を敵味方の恩讐を越えて届け合うという活動も非常に重要ではないかと私は感じております。したがって御遺族が見つかり遺留品が届けられる返還されるという場にはできる限り私も参列をして、中には帰ってきた日章旗を墓前にお供えしますとか、ちょっと枕元に置いて一緒に寝ますとか、それはやはり御遺族の方からするとその方がお帰りになったような気持ちでお迎えになってらっしゃるような様子もございます。そういったことをお互い感じながら、やっぱり戦争は起こしたらあかん、平和は大事だということをともに確認し合えるようなことをやっていこうという思いで、このOBONソサエティの皆様方の活動に敬意を表しながら、その一端を私達も担わせていただいているということです。今回もし訪米し、現地で面会が実現すれば感謝の気持ちを伝えるとともに、その次の世代、またその次の世代、戦後80年、90年、100年となったときにも、再び戦争というものを起こさない関係づくり、環境づくりのためにどういったことができるのかということについて話し合っていきたいと思います。
[中日新聞]
高専についてですが、今回ダイバーシティということをテーマとしてトークセッションを行うということですが、先の話でなかなか決まっていない部分も多いかとは思いますが、女子枠とかそういったことは知事の中ではお考えがあったりはするのでしょうか。
【知事】
今の時点で枠という形で何かを設けるということを決めているわけではありません。ただ、今回のイベントのテーマにもなりますが、やはりイノベーションや改革というのは多様性の中から生まれてくるものだと思いますので、多様性がこの高専で学ぶ、育つ環境の中で担保されるようにしていきたいなと思っています。中島さち子さんがいろいろなところで発信されているものを見ますと、すごくそういったことを大事にされている方だとお見受けしていますので、御自身の口で高専、STEAM教育についてどのように述べていただけるのかというのを楽しみにしているところです。
[中日新聞]
先週あった甲子園の決勝で京都国際が優勝しましたが、校歌が韓国語ということで一部こころないSNS上の投稿などがありましたがそれについて受け止めをお願いします。また、優勝が決定した瞬間にマウンド上にいた投手とキャッチャーの方がどちらも滋賀県出身の方でしたが、そういう人材が県外に流出してしまっているという現状についてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
まず京都国際高等学校の夏の甲子園での優勝という偉業を心から讃え、お祝い申し上げたいと思います。接戦が続く中で見事栄冠を勝ち取られたというのはすごいことだと思います。最後の決勝戦を私はラジオで聞いていたと思いますが、テレビで見る以上にハラハラドキドキする試合でした。また中心選手、最後に投げていた西村投手もそうですし、キャッチャーの奥井捕手も滋賀県の出身ということですのでこの事も誇りに思います。滋賀の子どもたちが滋賀の学校で育ち活躍するもよし、滋賀の琵琶湖の若あゆが全国で世界で活躍するもよし、大いに夢を持って全国で羽ばたいてくれたらいいなと思います。ただどこかで俺滋賀県出身なんやというのを忘れずに持っていてもらえるように繋がりを保っていきたいと思います。冒頭お尋ねあった点については、京都国際高校の持つ歴史として、私は大事に韓国語の校歌が歌い継がれているということは尊重すべきことだと思いますし、そういう校歌が流れる甲子園、高校野球というのもいいことじゃないですか。そのことにみんなが敬意を表して校歌の意味を考えたり、学校の歴史をみんなが学んだりということがお互いにされるようなスポーツイベントとしても大事にしていきたいなと思います。
[読売新聞]
国の保護司のあり方を検討している委員会で報酬制が見送られることになったという報道がありました。滋賀県では県独自に協力雇用主の方のサポート事業などもされていますが、今回の報道について担い手の確保という面でどのように受け止めておられますか。
【知事】
直近そういった検討会等でどのような議論が行われ、今お尋ねあったようなことがどういう理由で述べられているのか決められようとしているのかということについては私今この時点で詳しく承知をしておりませんので、ちょっと内容は確認したいなと思います。近く私も若手の保護司の方々と意見交換する場が持てればいいなということで準備をしているところですので、今いただいたようなことも含めて、どういうお気持ちなのか御事情なのかということは現場で担っていただいている方々にお聞きしてみたいなと思います。当然いろいろな御不安や御負担があったり、御自宅で会われるとか仕事しながら会われるとか、そういったことに対してどのように乗り越えてくださっているのか。また、数が少なくなって、なり手がなかなかいないということに対してどういう対策をとればいいと思われているのか。報酬というのは一つの方策だと思いますが、むしろ報酬なんてもらってやるものじゃない、ボランティアでやってきたし、やりたいし、やるべきなんだとおっしゃる方が私がこれまでお話を聞いてきた保護司の方には多かったです。むしろそのことが私達のやりがいであり、この仕事の意義だということを説かれる方も多かったので、ただ現状そうじゃない事情があるとすれば、それをどのように乗り越えていくのかということについては、よく皆さんと議論をして、課題を共有できればいいなと思います。
[読売新聞]
ちなみに若手の保護司さんというのは何歳ぐらいの方なのでしょうか。現役で働いている方を想定されているのか、60歳代ぐらいの方を想定されているのでしょうか。
【知事】
メンバーについて年代はわかりませんが、今御調整、御相談していただいていると聞いています。ただおっしゃったように、他にお仕事を持ちながら保護司として活動されている方のお話を聞けるといいねという趣旨で今調整に入りましたので、そういったことは叶えていただけるのではないかと思います。
[読売新聞]
私も報道ベースでしか知らないのですが、やはり保護司の方からボランティアでやるものだという意見があったことが導入見送りの一端にあったようです。ただ民生委員などボランティアで成り立っていて、だんだん担い手が少なくなっているものも結構多い中で、行政としてどうしていくべきか考えないといけない時代になっていると思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
【知事】
両面あると思いますのでこれは中心的に担っていただいている保護司の方々のお話もぜひ伺ってみたいし、全て同じではないでしょうけれども他の社会のためにお困りの方々のためにお仕事をされている方々との比較の中でどういうことが言えるのか。新任は原則66歳以下となっているが年齢制限が撤廃されることが検討されており、多くのシニア世代の方が保護司として御活躍されているということだとすれば、そういった方々の活動としてどういう制度をつくればいいのかということもよく考えてみたいなと思います。あのような事件があった滋賀県ですので、より切迫感を持ってお考えになっていらっしゃる保護司の方も多いのではないかと思います。そういう現場感覚は大事にしたいと思います。