令和6年8月20日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。8月も20日になりまして、雨も少し落ちますと、朝夕過ごしやすくなってきましたが、まだまだ暑い日が続きますので、くれぐれも御自愛のほどお祈り申し上げたいと存じます。
8月8日に発表された南海トラフの巨大地震注意の臨時情報を伴う対応について、既にコメントを出しておりますが、様々な御対応に感謝したいと思います。大きなマイナスの影響は県内ではなかったのではないかと思っておりますが、改めて検証を行い、巨大地震警報が発表された場合の対応や、更に強い地震が起こった際の対応も含め、実際に地震を想定した備えを進めたいと思います。震度6以上の地震が滋賀県内で想定されていますし、少し古い想定ですが、県内でも500人近くの方がお亡くなりになるという想定がございます。このような中で広域の支援というものを、滋賀県から和歌山県に対して行うことになっておりますが、どの程度可能なのか、自分の命は自分で守る、といったこのような備えをそれぞれが行っていくことの必要性についても、皆さんと一緒に共有をしていきたいと思います。
またパリオリンピックが多くの感動を呼んで閉幕いたしましたが、それぞれの選手の皆さんの御健闘を称えたいと思います。既に滋賀県ゆかりの選手が帰郷され、それぞれの御報告、また今後に向けた様々な抱負を述べていらっしゃいますが、まもなくパラリンピックも開催されます。滋賀県ゆかりの選手をまたみんなで応援をしていきたいと思います。
スポーツの持つ力というものを感じている一人でもあります。そのスポーツということで言えば、昨日、滋賀学園、惜しかったですね。高校野球だけではなく、高校生の活躍ということで言えば、インターハイで同じ滋賀学園の落合選手が800mで日本新記録を達成しての優勝、馬術の大会では栗東高校が優勝という快挙、また岐阜県で開催された全国高等学校総合文化祭では新聞の部門で、先般も高校生の記者会見に参加をしてくれました虎姫高校が6年連続の最優秀賞ということでございます。こうした高校生の活躍にも期待をしたいと思います。
それでは資料に基づいていくつか御紹介したいと思います。
まず1つ目は、滋賀県立美術館が8月に開館40周年を迎えます。皆さんの御愛好と御支えのおかげさまに感謝申し上げます。今週末の日曜日、25日でございますが開館40周年記念イベント「美術館で夏祭り!朝から晩まで県美にどぼん!」というイベントを開催いたします。お子様連れでお楽しみいただけるワークショップなど、様々なプログラムを準備しておりますほか、当日は20時まで開館時間を延長し、野外のライブステージでの演奏、江州音頭なども実施をするということでございますので、滋賀県立美術館で1日ゆっくりとお楽しみいただければと存じます。現在、私も鑑賞させていただきましたが、企画展「滋賀の家展」も好評開催中でございます。また8月の1か月間、大学生以下の観覧料を無料にしておりますので、若い方々が感性を磨く場としても御活用いただければと思います。また夜間の開館というものは、近隣府県の美術館や博物館、経済界の関係機関とも連携しながら進めております「ナイトミュージアムKANSAI」の一環として実施しているものでもございます。今申し上げた8月25日のイベントを初め、この滋賀県立美術館においても11月まで合計5回、ナイトミュージアムを開催する予定でございます。保坂ディレクターがいつもおっしゃっているのですが、リビングルームのような滋賀県立美術館をつくろうと、これまでなかなか美術館に来ることがなかったような方もお親しみいただけるような場づくり、また機会づくり、空間づくりをこれからみんなで力を入れてやっていきたいと思いますので、ぜひよろしくお力添えをいただければと思います。
2つ目は、第57回滋賀県政世論調査の単純集計結果が出ましたので、その内容の御報告を資料に基づいてさせていただいております。今年の6月14日から7月1日までの間、県内在住の満18歳以上3000人を対象に郵送とオンライン調査の併用で実施いたしました。有効回収率は64.3%となっておりまして、令和4年が少し高かったのですが、それに次ぐ高さということで多くの方に御協力をいただきました。ネット回答が45.9%で過去最高になっております。様々な質問項目について調査をいたしました。毎年調査を行っております県政全体に関する満足度をはじめ、環境こだわり農産物および有機農産物について、子ども若者支援についてなど調査を行っております。いくつか今の時点でわかっていることなどを御紹介いたしますと、滋賀県に住み続けたいという回答が76.0%、これは昨年と比べて増減ございませんでした。滋賀県に対する誇りについては75.3%、昨年より0.3ポイント増加しています。県政への関心ということについて申し上げれば、関心ある方62.7%、昨年よりも2.0ポイント増加しています。県が行う情報発信の満足度は、満足という御回答が51.1%、昨年より2.5ポイント増加、これは、まあまあ満足と合わせて51.1%ということになっております。県民生活への満足度を分野別に21項目お聞きをしております。満足度が最も高い項目は健康的な日常生活を送れているということでございました。一方、不満度が最も高い項目は、公共交通機関の利便性なっておりまして、こちらは14年連続ということでございます。幸せの度合いを感じる度合いを10点満点でとても幸せとした場合、御自身が感じている幸せの度合いはどの程度ですかとお尋ねしまして、それを平均いたしますと6.71点となっております。これは0.08ポイント増加しているということでございます。なお、力を入れてほしい県の政策は、前回同様、医療サービスの充実が1位、公共交通の活性化が前回3位から2位に増えておりますし、前回よりもプラス4.2ポイント増加ということで、大きく入れて欲しいと答える方の比率・割合が増えているという状況についても、注目していきたいと思っております。現在、年代別、もしくは地域別のクロス集計を行っているところでございまして、9月の下旬に公表予定ということになっております。今日の経営会議でも議論したのですが、この内容に対し、県の政策に応答力を持って、提示していけるようにしようということを申し上げているところでございます。
最後に、北部振興に絡めて北の近江の現場訪問を8月26日、今回は近江今津駅、近江高島駅の周辺2ヶ所で実施させていただきます。高島地域でございまして、湖西線開通50周年記念事業の舞台でもございましたし、近江高島駅最寄りの日本遺産に登録されている「琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産」の構成要素でもある大溝の水辺景観の視察もさせいただきます。復元された大溝陣屋総門も視察をさせていただき、運営する団体の皆様方と意見交換ができればと考えております。また名小路商店街の視察もさせていただけるということでございますので、皆様方と様々な振興に向けた意見交換の場になればと考えております。私からは以上です。
[産経新聞]
お盆はゆっくりされたのでしょうか。
【知事】
ゆっくりもしましたし、充電の期間を持ちました。今年は母が亡くなったのでその関係の対応ですとか、妻の実家もしばらく行けておりませんでしたので、そういったところも行きながら、お墓参り、家族とのふれあいの時間をつくらせていただきました。
[産経新聞]
国政の話について、お盆期間に岸田首相が次期総裁選に出馬しないということを表明されましたが、まずこのことについて御所感をいただけますでしょうか。
【知事】
私もネットニュース等で一報に接しました。今この時期かということもございましたけれども、1つの御決断として、この時期になさったのだなという感想を持ちました。
[産経新聞]
この時期というのは、もう少し具体的にお願いします。
【知事】
総裁選の日程が決まる前、御自身が引き続き出馬されるのかどうかということについてもいろいろと取り沙汰されているときに、自らが次は出ないとおっしゃったのだなという、そういう考えを持っています。
[産経新聞]
次の総裁選には様々な名前が取り沙汰されているところではありますが、次のリーダーというところで期待するところは何かございますでしょうか。
【知事】
自民党の総裁は内閣総理大臣を目指されるリーダー選びですので、非常に責任が伴う、言ったことはやらなきゃいけないという意味で大変注目も集まると思います。多くの方の名前が取り沙汰されておりますので、この機に様々な政策論争が行われ、国の歩む道筋ですとか、他国との関係でありますとか、できれば地域での暮らし、それぞれの地方に対する寄り添い、人口減少への対応、こういったことも示されるといいなと思いながら注目をしています。
[びわ湖放送]
冒頭お話しいただきました南海トラフの注意情報について、県も副知事を本部長とする警戒本部を設置されましたけれども、なにせお盆期間中ということもあってなかなか職員の皆さんも対応が大変だったと思うのですが、先ほど改めて対応検証したいとおっしゃいましたけれども、今の段階で何か課題だなと思われることはありますでしょうか。
【知事】
今回初めてでしたので、どの程度の強度を持って言うべきなのかとか、いろいろ迷いながら言っていたところもあります。とはいえ、常日ごろの備えを再確認するということでありますとか、日常の生活はそのまま続けながら対応してくださいなどがございました。まだ十分情報がそろっているというわけではありませんけれども、この情報を出したから、例えばイベントが中止になった、様々な情報がキャンセルになったということは県内では聞いていませんが、そういうものとの比較考量をどのように考えればいいのかというようなことはあろうかと思います。今回の注意情報期間中に大きな災害は起こりませんでしたけれども、実際に想定されていることが起これば、先ほど申し上げたような非常に甚大な被害が広範囲に渡って県内においても起きる可能性が指摘されておりますので、そういった場合にどう命を守っていくのか、その暮らしを復元していくのかというようなことはまだまだ詰めなければいけないことがあると思います。その意味で、公助、共助、自助とりわけ自分で自分の命を助けていくという取組については、今回自覚を新たにした面も多く私自身もありましたし、皆さんもあったのではないかと思います。そういったことをさらに広く呼びかけるような取組というのを模索していきたいと思います。
[びわ湖放送]
呼びかけの部分について、解除されてからも茨城県で最大震度5弱の地震がありましたし、南海トラフだけではなく、いろいろな地震も懸念されますけれども、県民に常日頃からどういう意識でどういう行動をとってほしいとお考えでしょうか。
【知事】
私達の住んでいる国、この日本列島というのは、地震が多くある地域だということ、一定周期で巨大な地震が起こってくる、しかも広範囲でその影響が及びます。以前の地震のときには大きなビルは建っていませんでしたし、これほど情報通信社会ではなかった時代でさえ多くの方が亡くなられているということからすると、この現代に起こったときの被害というのは、以前よりも相当広く、また深いものが想定されますので、そういったことがあったとしても、どのように命を守るのか、またそういったことに対してより強靭さを持ってしなやかに立ち上がっていくのか、支え合っていくのかということはみんなで考えていきたいと思います。改めてこういった巨大地震の国に私達は生きているのだと、多く発生する地域に生きているのだということをみんなで自覚を新たにしたいと思います。
[びわ湖放送]
世論調査について、不安度の高い分野で14年連続、「公共交通が整っていると感じますか」が最下位ということなのですが、これを受けてどのように受け止めていらっしゃいますか。
【知事】
この時点では引き続きそうなのかという状況ですね。しかも、昨年よりも高い比率で答えていらっしゃる方が多いということとか、2番目に感じる項目と大きく差を開けて選ばれているということとか、実際これと連動して、ここには出ていませんけれども、力を入れてほしい施策においても比率が上がってきているということだと思います。これはバスも鉄道も減便された影響とか、そういったことが出ているのではないかと思います。今、ワークショップをやりながら、各地域ごとにどのような取組をしていけばいいのかということについてみんなで意見交換をしておりますので、具体の施策に結び付けていけるようにさらに努力を重ねていきたいと思います。詳しい分析について、先ほど申し上げましたようにどの年齢がそう感じているのか、どの地域でより強くそのことを感じていらっしゃるのかということも少し分析して、またそれを時系列で比較してみて施策を考えていきたいと思います。
[びわ湖放送]
SDGsとMLGsの認知度について、SDGsは年々皆さん御存知になってきて半数以上が知っているというお話ですけれども、MLGsの認知度が全然上がっていないというか、7割以上の方が知らないということなのですが、今後このままでいいのか、もっと改善してPRしていくべきなのか、それとももうやめてしまうのか、どのようにお考えでしょうか。
【知事】
まずは知らない人より知っている人が多い方がいいというのはそのとおりだと思いますので、より認知度を上げていく取組というのは今後も積み重ねていきたいと思います。そういう意味でまだまだ伸びしろのある、こういう分野ではないかなと思います。また、この尋ね方について、知っている知らないということだけではなくて、既にSDGsの質問項目の中でも問いかけ始めていますが、どういう行動を起こしているのかということからすると、具体琵琶湖のために、水のために、環境のために様々な取組というのはなさっている方が多いと思いますので、そういった取組とリンクさせてどのような調べ方をするのかというようなことも今後工夫していく余地があるのではないかと思います。またこれも、年代別でどうなのかとか、地域別でどうなのかということも少し詳しく見た上で、打つべき対策を考えていきたいと思います。
[びわ湖放送]
MLGsという名前が普及しなくても、琵琶湖のために何か皆さんが活動をしてくださったらそれでいいですよということでしょうか。
【知事】
決してそうではなくて、冒頭申し上げたように知らない人よりも知っている人が多い、より知られているということは望ましいことだと思いますので、認知度を上げる取組は今後も積み重ねていきたいと思います。ただ一方で、その知っている知らないという問いかけだけではなくて、実際そのためにどんな行動をされているのかということを少し伺えば、知らない人でも関連する取組をされているようなことも多くあるのではないかと思いますので、それらを施策に結び付けていくような視点も持ちたいという意味で申し上げました。
[NHK]
冒頭おっしゃられていたパリオリンピックについて、先日一部報道でも出ていましたが、彦根市出身の大橋悠依選手が彦根市長と面会されたときに、今年秋の佐賀の国民スポーツ大会で区切りをつけるというお話をされていました。その上で、地元の滋賀で来年開催される国民スポーツ大会については、選手としてではなく大会を支える側として携わりたいという意向も示されていたのですが、今後選手としてではなくて、運営側であったりとか、支える側として活躍されている大橋選手と滋賀県において、何か一緒に取組を進めたり、スポーツ大会などで大橋選手と一緒に活動していくなど、そういう考えはあったりしますでしょうか。
【知事】
まずは、大橋選手のこの間の快挙、様々な御活躍を称えたいと思います。多くの感動を私達にくださいました。と同時に、私は直接伺っているわけでないですけれども、故郷彦根に帰ってこられて、ここでひと区切りつけるのだといった趣旨のことをおっしゃったと聞いておりますので、まずはお疲れ様でしたということを申し上げたい、ねぎらいたいと思います。その上で、佐賀国スポに向けて滋賀県選手団として頑張りたいということであるとか、その後、滋賀で行われる国スポも含めていろいろな形で関わっていきたいとおっしゃっていただいていることはとても心強いと思いますので、どういう形でその分野でご活躍いただけるのか私達も考えたいし、大橋さんともよく相談したいなと思います。前回、東京オリンピック・パラリンピックの後に大橋さん、宇田さん、木村さんと対談したときにも同様のことをおっしゃっていたと記憶をしております。すごく滋賀に対して、スポーツに対して、次の世代に対して熱い思いを持っていらっしゃいますので、そういったものを広める大使として伝道師として活躍いただけたらいいなと思います。
[NHK]
岸田首相が総裁選に立候補しない意向を示されていますが、この間の岸田首相についてどのように評価されますか。
【知事】
どなたがやっても難しい時代の総理大臣を長きに渡って務められているということについては心から敬意を表したいと思います。岸田首相だから言おうとされたこと、やろうとされたことなどたくさんあったように思いますので、在任期間中に全ての結果が出るわけではありませんから、その結果や評価というものは歴史に委ねられるようなところもあるのかもしれませんが、まずはお疲れ様でしたということは申し上げたいと思います。その上で、足らなかったところをより改善され、ここぞというときにまたさらに政策を前進するような次のリーダーが生まれることを期待したいと思います。
[NHK]
お盆期間に水の事故が相次いでいましたが、今後も遊びに来る人がたくさんおられると思うので注意の呼びかけをしていただければと思います。
【知事】
琵琶湖をはじめとする川もそうですけれども、水との親しみというのは楽しいし、暑い時期は特に爽快感もある場だと思いますが、同時に危険を伴う場でもありますし、幼い子どもやお酒を飲みながらのレジャーなどについては、深みにはまる、流されることに対しても注意しなければならないということだと思います。その意味で改めてスライドにも用意していますが、水遊びや水泳は水泳場を利用してほしいということや、やはり琵琶湖は風が吹いて波が高くなることなどもあります。そういったときには泳がないということ。お酒を飲んだり、また体調が悪いときには泳がないということ。特に子どもからは目を離さずに最近特に救命胴衣を付けていれば浮かんで助かるということもありますので、体のサイズに合ったライフジャケットを着用してほしいということは改めてみなさんに呼びかけていきたいし、こういう会見の場だけではなくて、いろいろな水泳場や琵琶湖の周辺、いろいろな場面場面でこういった呼びかけを強化していきたいと思います。報道機関各位の御協力もお願いできればと思っております。
[京都新聞]
岸田首相はデジタル田園都市という国家構想を打ち出されて、その前には地方創生という取組が始まって今年で10年ぐらいが経つと思います。先ほども総裁選にあたって地方への寄り添いということを注目点としてお話になられたと思いますが、地方創生からデジタル田園都市に至る期間についてどのように評価されていますか。
【知事】
デジタル田園都市国家構想を伴う交付金を含め、地方のことは多く深く考えていただいた政権だったと思います。そういったものがさらに人口減少というテーマも深めて強めて強化されることを期待したいと思います。ただそれを上回る形で、コロナの影響の発現でありますとか、人口減少の進展でありますとか、こういったことも起こっていますので、そういったことをある意味では前提としながら、どうしなやかで幸せが感じられる地域をつくっていくのかということが問われ、試されていると思います。我々都道府県市町村、地方も頑張りますので、そういったことに理解を示し、支援をしてくれるような国を望みたいと思います。
[京都新聞]
地方創生10年ということで政府の方では検証が進められましたが、県や県内市町の自治体側の地方創生の取組について、目標に対してどの程度進んだのかなど県の方で検証なり評価なりされることはあるのでしょうか。
【知事】
検証するための場を持ったり作業するということよりも、むしろ考えながら日々常に歩き、そしてできることからやっていくということだと思います。現にそれぞれの市町村、そして私達都道府県も今そういうつもりで施策を展開しています。「子ども・子ども・子ども」子どもに対する寄り添いや対策さらには北部振興ということで、地域を限定して課題先進地域だということで、様々なチャレンジをする取組などもございますし、公共交通の問題なども乗る人が減れば不便になり、不便になると乗る人が減るという負のスパイラルをどうやって正の循環に変えていくのかということを近江鉄道などがまさにその取組をしておりますので、そういったことでひとつずつ結果を出してこうすればいいんだという成功事例をたくさんつくっていくことが重要だと思います。ぜひそういう観点で頑張っていきたいと思います。
[共同通信]
南海トラフの臨時情報の件でお尋ねします。全国ではSNSを通したことで悪質なデマが出たりということもありましたが、県内でもそういったデマに関連して県民の方から県に問い合わせはなかったかということと、災害が起きたときのデマに対してどう皆さんに対応していってもらいたいかという知事から呼びかけ等があればお願いします。
【知事】
今回の南海トラフ地震臨時情報巨大地震注意の発表に伴うデマ等が県内住民に影響する形で出たというような報告は県に限らず、SNS上で流れたものに接した県民の皆様は多くいらっしゃったと思いますが、何か注意を要するレベルで私のところに届いているかというとそれは現時点ございません。ですが往々にしてこういった巨大災害発生時また災害発生想定時にはデマ情報が流れる恐れがございますので、そういったものは現に戒めたいと思います。古くは関東大震災のときにはいろいろと起こって悲しい歴史があったり、こういったときは様々なデマが流れ、そのことによって人々が先導されるということがございますので、そういったことがないように常に私達も冷静な行動を呼びかけるなど、だからこそ県が主体的に情報を発信していく姿勢は大切にしていかないと思います。タイムリーかつ正確な情報提供に努めていきたいと思います。
[共同通信]
人々は混乱しているときにはなかなかどこの情報を信じたらいいのか判断がしにくいと思います。正しさや正確さというのはどこでどのように判断していったらいいのでしょうか。
【知事】
それはまだまだ試行錯誤日進月歩のところもあるかもしれませんが、ひとつは私達自治体、国もそうですけども公共機関が出す情報に対する信頼ですね。あとは報道機関の皆様方が、発信源もきちんと確認された上で出される情報というものは、信頼性のある情報として私達が推奨するものでございますので、そういったものに基づいて行動していただくということを呼びかけていきたいと思います。もちろんこれだけSNSが発達し、その信頼にたる人物や発信源を名乗り出される情報の真贋を見極めるということはなかなか難しい面もありますが、とはいえ発信源を確認しながら、その情報に接するということは大切なことではないかと思います。
[中日新聞]
びわ湖大花火大会について、今年は地域の方からの要望等はあまり聞いていませんがその振り返りと、打ち上げ直前に南海トラフの臨時情報が出されたことによる影響があったのか教えていただければ思います。
【知事】
まず8月8日に行われたびわ湖大花火大会は多くの方々の御協力のおかげさまで、大きな事故トラブルなく、ビッグイベントを得ることができました。このことには感謝したいと思います。今日の経営会議でも議論しましたが、より良い大会にするためにどういった振り返りをするのか、反省点はなかったのか、改善点はないのか、地元の方々にどのようなお声や御要望があったのかなど、ここは顧みながら次の大会に向かっていこうということは議論したところでございます。南海トラフの情報が出されたことに伴う影響というのは、今の時点で大きなものはなかったと思っていますが、人の出にどのように影響したのかとか、ちょっと例年より少なかったんじゃないのというのは、声も聞いていますし、それが情報によるものなのか、席の配置によるものなのかというものもあります。いずれにしろ、こういう大きなイベントを行っているときに災害が起こらないとも限りませんので、そのときにどのように逃げていただくのか、命を守れるのかということを想定してイベントをつくっていく、考えていくということも必要だと思います。
[中日新聞]
先ほどNHKさんから水難事故のお話がありましたが、今年の7月からお酒を飲んでの操船が条例で禁止されましたが、お盆を終えまして何かしら効果を感じていらっしゃるのか教えてください。
【知事】
どうしてもこういったレジャーのときには開放的になったり、友達や家族、同僚などとお酒も飲みながら楽しむということもあるのかもしれません。そのこと自体は大切なことだと思いますが、そういう場合に危険を伴うもしくは冷たさもある湖や川に入らないという呼びかけはより強化していかなければならないと思っています。ついつい気が大きくなって飛び込んでしまったり、普段できるからと思ってやるんだけど、ちょっと酔いの関係で体がついていかないということもあると思います。このことは皆さんと一緒にさらに呼びかけていきたいと思います。もちろん悲しい事故などが起こらないようにしつつも、起こってしまった事故を次に起こらないことにするための呼びかけの事例に使わせていただくということも大事なことではないかと思います