令和6年8月8日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。暦の上では秋になりました。少し朝夕の暑さも和らぎ始めたのではないかと感じております。
今日はびわ湖大花火大会が開催されます。多くの方の御来場も予想されておりますので、安全にこの大会が行われるよう、万全を期してまいりたいと思いますし、お楽しみいただく方々にもそれぞれ周りの方々に対する御配慮を持っていただいて、お楽しみいただけたら幸いでございます。
一方、新型コロナウイルス感染症の感染者数も少し増加に鈍化は見られるようでございますが、以前よりも多い状況が続いているということでございますので、改めてここにありますように、熱中症対策も取りながら換気をしよう、手指の消毒、衛生を保とうということで、お医者様に診てもらう時はまず電話してから行こう、そして、適切にマスクをしよう、という以前行っていた事々について、改めて皆様方に呼びかけをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
昨日は東京に参りまして、国道1号バイパス京都滋賀間の整備促進と、福井県との県境であります国道365号栃ノ木峠の道路整備の要望を行いますとともに、全国知事会の子ども・子育て政策推進本部長として、先般、福井県で行われた全国知事会議で、採択された提言67項目のうち重点3つずつをこども家庭庁の工藤副大臣と、そして文部科学省の安江大臣政務官に要望をさせていただいたということがありました。いずれの要望、また提言に対しましても、真摯に受け止めていただきましたので、今月末に予定されております来年度予算概算要求などにもどのように盛り込まれていくのかということを確認してまいりたいと思います。
もう一つ、御心配いただいております米原伊吹地域の土砂災害に関する対応状況でございますが、いくつか進捗もございまして、まず一番集落に近い所でいうと、砂防堰堤に溜まった土砂の撤去、こちらはほぼ完了したということでございますし、その上流部に設置しようとしている、その下にも設置するのですけれども、ネットについては契約が完了し、8月中に設置できるように今準備を鋭意進めております。少し上流にまいりますと、治山の堰堤も土砂が溜まっておりますが、周りに木や民地がありますので、こちらは地権者の了解を得て、周りの木を切って土砂を撤去する作業に入っておりまして、こちらもできるだけ早く完了できるように進めております。そしてもう一つ上流の3合目の源頭部ですが、応急対策として、袋詰玉石を約30mにわたって設置する作業も行っておりまして、一昨日の8月6日時点でほぼ概成しているという状況です。できるだけ早く台風が来るまでに実施しようということで8月中を目途に、それぞれの作業完遂に向けて今鋭意取り組んでいるところでございますし、米原市ともよく連携して対応していきたいと思います。また抜本的な対策ということで山肌の保全、植生の回復、そういったものを昨年来、米原市との間で合同プロジェクトチームをつくっておりますが、これは琵琶湖環境部、農政水産部、土木交通部が連携して対応する必要があるということから、現在チーム長が琵琶湖環境部次長だったところを部長に格上げし、体制を強化したうえで取組を鋭意行っているところでございます。
それでは資料に基づきまして2点申し上げます。
1点目は、来春オープン予定の木育拠点施設の愛称を募集しますというお知らせでございます。子どもから大人まで幅広い世代を対象に、木に触れ親しむことのできる木育というものを推進しているところでございます。その拠点として、野洲市にございます県立近江富士花緑公園内にある「森林(もり)のわくわく学習館」を改修いたしまして、木のおもちゃや遊具がたくさんある施設の整備を進めているところでございます。施設には、いわゆる県産材「びわ湖材」をふんだんに使わせていただく予定でございます。子どもたちを含む多くの人たち木のおもちゃや遊具に触れながら、自然との繋がりを楽しく学ぶことができますし、赤ちゃん専用のスペースも設けて乳幼児も安心して楽しめるようにしようと考えております。こちらの施設をより親しみやすく楽しく利用できる施設とするため、愛称を募集したいと考えております。今御案内したように子どもたちが主役の施設ですので、ぜひ子どもたちからも応募していただければと思っておりますし、名称と併せて施設に対する御期待などもお聞きするフォームとなっておりますので、いただいた御意見をもとに今後の運営にも反映させていければと思っているところです。募集期間は本日8月8日から来月9月20日金曜日までです。しがネット受付サービスと郵送で受け付けますので、ぜひみんなが遊びに行きたくなるような滋賀らしい素敵な愛称をお寄せいただければ幸いでございます。ちなみに右下にあるキャラクターは「山のおっさん」と言います。
続いて、もう1つは「THEシガパーク」のロゴマークの決定等についてお知らせします。滋賀県では、琵琶湖を中心に滋賀県全体が1つの大きな公園となった姿、水と緑と人で繋がる滋賀の公園「THEシガパーク」の取組を進めています。これはコロナ禍で、広場や公園の役割を改めて強く認識したことも発端の1つでございます。今回そのシンボルとなりますロゴマークを決定いたしました。キャラクターは左から琵琶湖河川の水、そして山・木・芝などの緑、公園を彩る花として黄色、そして外遊びの象徴である太陽としてのオレンジ、人や自然への愛情を表すハート、の5つです。この下にあるロゴイメージは緑と青のグラデーションで、まさに水と緑と人の繋がりをイメージしているということでございます。このロゴマークを決定したことに合わせまして公式インスタグラムも開設いたします。「THEシガパーク」の魅力を体感してもらえる動画「THEシガパークMOVIE」も制作することとしておりまして、その素材となる動画を公園で遊ぶ皆さんから募集したいと思っております。公園で楽しんでいる姿や四季折々の魅力を感じられる動画を皆さんからお寄せいただけたらと思います。募集期間はこちらも8月8日から9月30日までの2か月間とさせていただきます。また11月3日は「THEシガパークフェスタ」という「THEシガパーク」の魅力をみんなで伝える催しをびわこ文化公園で開催することとしておりますし、制作した動画はその場で公開させていただく予定でございます。こうした公園を「THEシガパーク」ということで魅力を高めていく、発信していくためには、行政だけではなくて、御利用いただく方、地域の皆様方、と一緒に取り組んでいくことが重要だと思いますので、ぜひ御参加・御認識・御協力いただけたら幸いでございます。
私からは以上です。
[びわ湖放送]
先ほど御紹介いただきました木育拠点施設の愛称募集について、最近、企業からのネーミングライツという形も結構多いかと思うのですが、今回皆さんに愛称募集という形で名前を付けてと、先ほど知事も子どもたちからもということをおっしゃられましたが、どういった思いからこれを県民に広く募集されるのでしょうか。
【知事】
先ほどもお伝えしたように、触れあってみんなで楽しんでいただける、そして子どもたちには、教育的、また発育的にもより良い環境の中で楽しんでいただける施設にしたいと思っておりますので、そういうことを実感していただけるような、発信しやすくなるような名前が付けられたらいいなと思っています。みんなで知恵を集めて付けられたらという思いで、この愛称の募集をさせていただいているところです。後々、広く親しんでいただくための取組だと御理解いただければ幸いです。
[びわ湖放送]
お子さんの対象年齢はいくつになるのでしょうか。
【知事】
今まで私が見学に行ったような施設では、歩けない子どもたち、まただっこされている子どもたちも遊んでいるようなところもありますので、0歳から広くそれぞれの年代まで遊べるようなそういう施設です。
[担当課]
0歳から小学校低学年、中学年ぐらいまでが中心です。
[びわ湖放送]
米原の土砂災害について、前回、袋詰めの玉石の設置、堰堤に堆積している土砂の撤去をお盆までにとおっしゃっていましたけれども、先ほど進捗状況をお聞きしたのですが、順調に対策は進んでいると言っていいのでしょうか。
【知事】
担当者や業者の皆さんに鋭意頑張っていただいているおかげで、袋詰玉石の設置はもう既に終わっていますし、土砂の撤去も今様々進んでいたり、行い始めていたりということですので、順調に進んでいると思います。しかし、何があるかわかりませんので、できるだけ早くやりたいと思っておりますが、雨も降りますので、安全には配慮してやりたいということから、早ければお盆までに、そして8月中には終えようということで申し上げているところです。
[読売新聞]
北陸新幹線の延伸について、昨日、建設費の試算が小浜ルートの方で3案発表されたかと思います。3.4兆円から3.9兆円という大幅に金額が膨らむ試算が出ているのですが、まずそれについてどう見ておられるかお伺いします。
【知事】
まず、私達が直接説明を受けたわけではありませんし、その資料になるものも見ているわけではありません。報道を通じて知っておりますので、詳しいことはわかりません。報道で言われているところによると、まず京都をどのように通していくのかということで3案示されたと。南北案、東西案、そして桂川案。そして、かかる費用、かかる年数というものの一定の目処が示されたということからすると今までわからなかったことがわかりかけてきたという意味において、前進ではないかなと思っています。しかし、費用、工期の想定というものを含めた課題を、財源、水や環境の問題含めどう克服していくのかということについては、広く関係者の合意が必要なことだと思いますので、そういったことに資する情報の公開、情報の共有、こういうものが必要ではないかなと思います。
[読売新聞]
最低限3.4兆から3.9兆という試算は最低限のものであって、物価上昇を踏まえると最大で5.3兆円という試算も出ています。工期もちょっとかかると聞いております。そういったところ踏まえてあえて聞くのですが、今小浜ルートというものが出ていますが、こういう試算が数字として具体的に出てきたのを踏まえて、もう一方米原ルートという話があったかと思うのですけれども、改めてこのような試算を受けた上で、どちらのルートがいいのかというお考えをお伺いします。
【知事】
まず、こういう情報が出たことを前提にとおっしゃいましたが、どういう情報が出たのかというのも私は存じ上げませんので、そういうものをまず確認させていただきたいというのが前提ですけれども、いろいろと当時議論、比較をされた上で小浜、京都、大阪ルートが決められた経過がございますし、その時点でも米原ルートよりも費用がかかるとか、そういったことを想定した上で、確かに物価上昇分は十分加味されていなかったと思いますが、一定費用をかけても京都、大阪を通した方がいいという形で決定されておりますので、その決定に基づいてできるだけ早く着工し、早期供用されることが私は必要だと思います。
[読売新聞]
びわ湖大花火大会について、今朝も通ってきたらもう琵琶湖が見えないぐらいフェンスが張り巡らされており、混雑対策の一環として今年は有料席も拡大されていると思いますが、まだ終わってない中で恐縮ですが、今日の開催の様子を見てということはあると思うのですが、今後の開催の中で、目隠しのフェンスであるとか、有料席等の混雑緩和の対策は続けていくようなお考えでしょうか。
【知事】
大津市さんはじめ地元住民、また自治会の皆様方との対話を重ねながら、その年ごとに最善だと思われる対策をとっていただいていると理解をしています。まずは今年の無事、安全での行事の完遂というものを図りながら、フェンスの問題、有料観覧席の設置の状況とか、それらを踏まえて、去年から変えているところもありますので、どのように人が動かれるのか、留まられるのかということは、見て、検討、判断していくことが必要だと思います。確かにフェンスが道路脇、公園の淵、そして住宅の前に立つということは平素あまり見られない状況で、異様な状況でもありますが、花火を見ようとするがためにそこに留まられると安全の面で様々な懸念もあるということから、一定致し方のない、やむを得ない措置だと私は思います。しかし、それがどういう影響を現場にもたらすのかというのは、今年の開催状況をよく見て検討していきたいと思います。
[毎日新聞]
関連してびわ湖大花火大会について、ドローン飛行により全国の花火大会で打ち上げが中断されるということが起きていると思うのですが、そのあたりへの懸念がもしあればお願いします。
【知事】
びわ湖大花火大会を安全に、より多くの方が楽しんでいただくために、先ほども申し上げたように、みんながお互いのことを考えながら、楽しんでいただけるような環境づくりをしていただきたいと思います。一部の方がそういったものを阻害、妨害するような形で安全、楽しみが損なわれることがないように私達も呼びかけいきたいと思いますし、皆さんにも良識、また御協力を求めていきたいと思います。今年、びわ湖大花火大会でそのようなことが行われないように願っております。
[毎日新聞]
もう1つ水難事故について、来週からお盆に入り多くの利用客が県外から来られると思います。去年は結構事故が多く、今年は条例もできたところだと思うのですが、そういった利用客への注意の呼びかけや、その条例に期待することを教えていただけますでしょうか。
【知事】
夏の時期は水に触れ、親しむことも多いと思います。また、琵琶湖を始めとする、例えば河川、その水辺も含めて多くの方がバーベキューや水遊びをされると思いますが、同時に冷たかったり、流れが激しかったり、深くなっていたり、お酒に酔っていると自由が利かなかったりということがございますので、危険をはらむといったことはぜひ御認識いただいた上で、危険回避の行動や、子どもたちを見守るとか、無理なことはしないといったことを、今も呼びかけ見回りも行っておりますが、ぜひ皆様方にもお気をつけいただくように報道機関も通じてお呼びかけしてまいりたいと思います。琵琶湖は水難の多い場所として知られておりますので、楽しんでいただくことは結構ですが、どうか安全に配慮して楽しんでいただくことを呼びかけていきたいと思います。
[京都新聞]
北陸新幹線について、今回京都駅までの詳細ルートが示されましたが、今のところJR西日本は並行在来線については多分何も言及していない状況ですが、詳細なルートが決まってくれば並行在来線というものがあるのかないのかも含めて今後話題が出てくると思います。これまでも繰り返し並行在来線は県内にはないとおっしゃっていると思いますが、改めて詳細なルートを見た上で、北陸新幹線の並行在来線についての知事のお考えを教えてください。
【知事】
北陸新幹線敦賀以西の整備に伴う並行在来線は存在しないというのが私達の見解でございますので、そういった見解に基づく着工条件を整えていただくことが早期着工を叶えていくためにも重要だと思いますので、今後こういった詳細のルートが決まってくることを踏まえて、そういった並行在来線の取り扱いなども確認されていかれると思うので、私達は私達の見解・主張を述べて参りたいと思います。
[京都新聞]
現在、兵庫県でいろいろな贈答品を巡る問題があり、ルール化といったような話も出てきており、奈良県知事もルール化に言及されています。滋賀県の贈答品の受領については何かルールのようなものがあるのかということと、ないのであればそういうルール化といったようなものがそもそも必要なのかについて見解をお願いします。
【知事】
まず滋賀県では、一般職員について利害関係者等から便宜供与を受けてはならないという滋賀県職員倫理規程というものを定めて、対応を行っております。知事を含む特別職にはその規程のようなルールはありませんが、一般職員と同様に、接待や利益を含めた便宜を受けることがないように対応していこうとしているところでございます。特段何か新たなルールをつくっていく必要はないのではと思いますが、今後状況を見て対応していきたいと思います。
[京都新聞]
万博への子どもの無料招待についてですが、現在各学校から受付をされているような状況かと思います。先月はオンラインの説明会もあったかと思いますが、現在の申込状況はどうなっていますでしょうか。
【知事】
本県では、小学校、中学校、高校、特別支援学校など、約400校あるのですが、締切は9月6日ということで時間があるのですけれども、どのようにお考えですかと問うたところ、8月2日時点で約2割、正式にいうと約100校の学校から回答がありまして、行ってみたい、子ども招待事業を活用して(万博に)行こうという学校が約40校、ちょっとそれは希望しませんという学校が約60校という状況になっています。ただ今もお尋ねの中にありましたように、博覧会協会主催によるオンラインの説明会が7月に2度、今月に入ってまた2度、この8月2日時点の後でも2度行われておりますので、その都度わかったことがあるだろうし、それに基づいて御判断御検討されるようなこともございますので、そういった形で対応できるように私達も説明を尽くすと同時に、よりよい事業になるように努めていきたいと思います。また学校行事での子ども招待とは別に、個々の家庭から個々それぞれ子どもたちが行けるようなものをセットでやりますので、そういうものを併用して広く参加できるようにしていきたいと思います。
[京都新聞]
前提として教育旅行である程度行かれるという想定で呼びかけをされたところ、40校が参加、60校は利用しないというどちらかというと利用しない学校の方が今のところは多くなっていると思うのですが、このことについての受け止めと、行かない学校が多くなった場合に、教育旅行ではいけない多くの学校に対して何か別のアイデアや行ける方法を提示するといったお考えはあるのでしょうか。
【知事】
年代にもよると思いますし、それぞれこういった教育旅行に資するおもてなしや環境がどのように整えられるのかということにもよると思います。まずはこの教育旅行で行かれることを希望される学校がその希望に応じた対応ができるように、我々は万全を尽くしていくということだと思います。ただ、こういった教育旅行、団体旅行よりも個人で行かれる方、年代によっては学校で行くより個人で行きたいという状況もあるでしょうから、そういった人たちにもチャンスが等しく与えられるように、制度をつくっていくということが肝心だと思います。
[日本経済新聞]
先日高島市で条例改正があり、人口が減っていることが背景にあると思いますが、市議会の定数がまた減るようです。昨年の県議会選でも高島市は定数が2でしたが、地方自治法に照らせば、おそらく1にしないといけないところを、それではちょっとまずいということで何とか2にしたらしいのですが、あれだけ広いところで定数1というのもどうかなと思いますし、県内の市政の歴史を見ると、やっぱりどんどん合併を繰り返して、大津市はものすごく北に延びてすごくいびつな形になっていて、長浜市もものすごく大きくなっています。知事が進めてこられた北部振興の取組はあまりのんびりはしていられない感じがします。お盆明けから来年度予算の編成が本格化すると思いますが、この件について新しい予算措置や何か新しい計画など、北部の人口減少を食い止めるための抜本的な方法など知事は何か考えていらっしゃるのでしょうか。
【知事】
人口減少に伴う様々な課題については、先送りせず、楽観視だけに支配されずに、減る縮む状況の中でいかに幸せを保ち高めていくのかという視点で現実的に考えていかないといけない課題だと思っています。したがって、北部振興というのは人口減少が他の地域より先んじて進んでいる地域ですので、高島・長浜・米原の3市を対象に、その強み、可能性を生かした政策をつくっていけるように、いよいよ3年目に入っていきますので、これまで現地に入り、スタッフを置いて様々な調整をしてきたプロジェクトがどのように根づき、育ち、花開いていくのかというのをつくっていく大事な段階になると思っています。したがって、来年度の予算、政策構築の中でも、そういったことは中心的課題として議論をしていきたいと思います。一方、そういう状況で選挙の定数をどのように考えていくかというのは、これは議会で御検討されることだと思いますが、いみじくも今お尋ねの中でいただいたように、人口だけではなくて、そういったどういった面積をカバーする選挙なのかとか、あとは行政区とリンクする形での選挙区というのは私は一定必要だと思いますが、そういうものをどのように見ていくのかという議論も今後行っていく必要があるんじゃないかと思います。
[日本経済新聞]
税金で言えば外形標準課税みたいな話だと思いますが、そういったことになってくると、今度は人口の多いところ、例えば草津とか守山とか大津とか、そういったところから不公平感みたいのが出てきて、そういったことにも対応しないといけなくなる難しい問題だと思うのですが。
【知事】
簡単な問題ではないと思います。したがって、どこに住んでいらっしゃるのかということに伴う定数の問題とか税の問題ということもあるかもしれないですし、税の問題でいうとどれだけ負担できる能力があるのか、応能の原則というのも重要だと思います。ですので、いろいろな角度で検討していくことが必要だと思います。
[日本経済新聞]
あるいは国もある程度提唱しているように、いわゆるコンパクトシティという重要なところを一部に集めて、人口が減ってしまったところはますます不便にし、人が住みにくくして、そこから人を便利なところに誘導する、そういった方法もあると思うのですが知事はそれについてはどうお考えですか。
【知事】
私達も、都市計画の基本方針を定めて拠点連携型都市構造というものを志向するまちづくりをやろうとしています。言ってみれば拠点をつくり、拠点と拠点をネットワークで結んでまちづくりをしようということですので、広い意味で言うと人口誘導していくようなまちづくりというのは一定必要性はあると思っています。一方、現実そこでお住まいになっていらっしゃる、長く住んでこられたということもあるので、そこは簡単に机上論だけでいかない部分もあると思います。あと自治、まちづくりそれぞれ住民の皆さんがどのようにお考えになるのかということもあると思いますので、丁寧なプロセスというのも必要だと思います。
[日本経済新聞]
花火大会についてですが、昨年は有料席のチケットを持たない人は来ないでくださいという言い方をしていましたが、今年は聞かないですが、これはやはり去年の反省ですか。
【知事】
昨年は久しぶりにコロナが明けて、30万人以上の方が来られることも想定されていましたし、地元の皆様方の御不安そして様々な御懸念もございましたので、一定そういう呼びかけを主催者としてもさせていただいたところでございますが、昨年大きな混乱もなくやらせていただけた、また去年から今年改良してやらせていただいているということもございますので、そのような形で有料観覧席以外は来ないでくださいという呼びかけを去年ほどする必要はないと思っています。ただ、今年の状況も多くの方が一時的に来られるということに、ピリピリと御準備いただいている方々もいらっしゃいますので、油断せずに臨んでいきたいと思います。
[日本経済新聞]
来週は夏休みですか。
【知事】
来週は県庁も休暇を取らせていただきます。
[日本経済新聞]
知事も夏休みですか。
【知事】
私もプライベートの時間、休暇休養の時間を持たせていただいて、個人的な墓参のこともございますし、妻と少し静養の時間を取りたいなと思います。
[朝日新聞]
夏休みに関連した質問で、県立図書館の運営について、原則、休館日を月曜日と火曜日、祝日がある場合には振替を設けていますが、この夏休み期間中の7月、8月も同様の週2日を休館日にしています。特に今年の夏は非常に暑くて子どもたちも行き場に困っているかもしれないし、夏休み中の休館日をもっと柔軟にしてもいいのではないかと考えます。7月、8月は休館日をゼロにするとか週1回の休みにするなどの措置があってもいいのではないかと。子ども政策を推し進める滋賀県として率先して取り組んではいかがでしょうか。
【知事】
そういったご提言を受け止めたいと思います。まず前提として滋賀県は、平成20年度、2008年度からこの週2日休館に移行しています。その理由は、経費節減。ずっと削減される資料費を何とか確保するために、館を閉めていろんな空調費等を節約して資料費にまわすという、こういうことをやってきたということでございますので、その状況というのは一定必要な面もあるんじゃないかなと思っています。また新たに開けようと思うと、体制をどのように取っていくのかということもあります。また、月曜日、火曜日休ませていただいておりますが、月曜日は完全に休んでいるそうですけど、火曜日は資料についての問い合わせに対する対応とか、市町に本を届ける配本のネットワークを運用する取組ですとか、資料の整理とか、こういったことは職員が出てきてやってくれているということでございますので、一定そういったことも必要だと思います。ただこういった暑い夏もクールシェアを図書館も含めてどのように役割を果たしていくのか。「子ども・子ども・子ども」と言ってるときに、調べ学習や夏休みの居場所としての図書館というものの位置づけをどのようにするのか。こういう指摘というのはあろうかと思います。聞いていると、市町立図書館も大体週2日休館で運用されている館も多いようですので、少し今、「こども としょかん」の議論の中でこの休館をどのように取り扱えばいいのかということについては、市や町、図書館の協議会もございますので、こういう中で議論・検討していければというふうに思っています。
[朝日新聞]
様々な諸事情があって週休2日を取っているということですが、例えば京都府立図書館、大阪府立図書館はいずれも週休1日です。東京都立の中央図書館の休館日は月2日間ということで、滋賀県でも考える余地はあるのかなと。県立図書館は蔵書もしっかりしており、司書の方も非常に丁寧で対応も素晴らしいところなので、特に子どもたちにはたくさん利用してもらえたらいいなと思います。「子どものために子どもとともにつくる滋賀県」という理念は本当に素晴らしいと思いますし、推進本部など体制もしっかりしています。ただ個々の施策や部署ごとにどこまでやっているのかという事をもう少し丁寧に見てもらい、本当に子どものためにしなければならないことは何か、ということを今一度各部署なりで見つめ直してもらうことも必要ではないでしょうか。費用や人の面も大変かと思いますが、子どものためにということを掲げている滋賀県だからこそ、他の県ではそこまでできないこともやっているということを見せるということも必要かと思いますがいかがでしょうか?
【知事】
熱いエールと受け止めて今後の対応を考えていきたいと思います。「子ども・子ども・子ども」、「子どものために子どもとともに」という視点でそれぞれの持っているモノ・施設・テーマでどんなことができるのかというのを、もっと突き詰めて考えるというのは必要だと思いますし、子どもという観点で図書館サービスを考えるということでいうと、県内1か所にある県立図書館のサービスも重要ですけど、やはり身近なところ、学校・市町そういった図書館のサービスをより向上させていくという姿勢も必要なのかもしれませんので、どういうことができるのか、考えていきたいと思います。