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知事定例記者会見(2024年7月16日)

令和6年7月16日

(県政記者クラブ主催)

知事定例会見にて壇上で話す三日月知事の写真。知事の横に資料表示用の大きなモニターが映っている。

【知事】

 週末も各地で大雨がありました。県内でも先般に土砂流出のあった米原市伊吹地域をはじめ、県内各地で大雨による様々な被害や影響等が出ております。梅雨も末期、いよいよ豪雨・台風シーズンに入りますので、先ほど行われた県政経営会議におきましても災害対応に万全を期すよう意識、知識、組織の強化を改めて呼びかけたところでございます。

 関連いたしまして、米原市の土砂災害につきましては、後ほどまとめて御紹介、御説明いたしますが、勝山谷川について県としての緊急土砂災害対応のためのプランをまとめようとしているところでございます。緊急の対策と抜本対策と分けてやろうということを申し上げておりました。緊急のハード対策は、治山ダム、砂防堰堤を含め堆積した土砂の撤去、また応急的に土砂を止める施設の設置です。緊急のソフト対策は、監視カメラ、土石流感知センサー、雨量計の設置です。これらは緊急に進めていきます。ソフト対策は7月中に、ハード対策は台風が来る前の8月中の完了を目指します。同時に、抜本対策について、治山ダム、砂防堰堤は現状の施設位置より少し上流に対策を講じるようまとめております。(スライドを見ながら)先ほど申し上げた砂防堰堤、その上流に設置予定の治山ダム、そして植生復元も含めて、時間をかけてやることとすぐにやることを分けて対応していきたいと思います。

 また、今日から岸本副知事が御着任され、辞令の交付をいたしました。午後から会見があると聞いておりますが、文部科学省からいろいろな経験、能力を持った岸本織江さんを副知事として迎えられたことはとても嬉しく、心強く思うところであります。この機にいろいろな業務を改善したり、見つめ直したり、確認する機会にしようと思います。当たり前のようにやっていることは「これでいいのかな」と問い、見つめ直したり、また「以前からやっています」と説明するのではなくてなぜやっているのかとか、この事業をやる意味があるのかとか、岸本副知事に説明する過程において、私達もこれまでやってきたことを見つめ直す、そういうきっかけにしていきたいと考えているところでありますし、何よりいろいろな風を県庁内に吹かしていただく、いろいろな方々との関わりの中で化学反応を県政、県に起こしていただくことを期待しているところであります。ぜひメディアの皆様方にもよろしく御指導、お付き合いのほどお願いをいたします。

 今日は資料に基づいて1点御紹介をさせていただきます。琵琶湖の水位低下への県の体制についてでございます。ちなみに今日の琵琶湖の水位は6時時点でプラスマイナス0センチということでございます。昨年末から今年の冬、春にかけて琵琶湖の水位低下について様々心配されました。マイナス78センチまで低下し、18年ぶりに滋賀県渇水対策本部を設置したところでございますが、渇水対策本部という言葉がすぐにでも取水制限されるのではないかという御不安の声もいただいたということでございます。そこで、この滋賀県の体制を実際の対応と合わせた名称に変更しようと、水位低下や渇水の状況をイメージしやすくしようということで、この間、検討をしてきました。名称は変更いたしますが、水位に応じた対応は従前から変更するものではないということも合わせて申し添えた上で、資料に記載のとおりマイナス65センチで以前は「水位低下連絡調整会議」と言っていたものはそのままでございますが、マイナス75センチになったときに現状は「渇水対策本部」と申し上げているところ「水位低下警戒本部」に改めます。そして、マイナス90センチ程度になったときに、取水制限を開始することになりますので、今までは「異常渇水対策本部」と申し上げていたところ、「渇水対策本部」に定めるということとさせていただきます。併せてそれぞれの段階の状況をわかりやすく伝え、関係者間の連携が可能になるように「滋賀県渇水対応タイムライン」を近畿地方整備局が作成されている従前のタイムラインに加筆する形でつくらせていただきましたので、御参照いただければと存じます。いずれにいたしましても、上流の山々含め大変大切な水資源ですので、下流府県とも協力しながら、その資源を守るための取組を今後も進めていきたいと思いますのでよろしく御理解のほどお願いをいたします。

 

[びわ湖放送]

 冒頭おっしゃっていただきました米原の土砂崩れについて、応急処置としてネット等は7月中にとおっしゃっていましたが、昨日の雨でまたさらに崩れてきたというお話も伺っています。それに対しての受け止めをお願いできますでしょうか。

 

【知事】

 昨日、前回崩れたところがさらに崩れ、前回ほどの被害はなかったのですが、近い形で土砂が流出したということですので、地域住民の皆様方には様々な御不安がさらに増しているのではないかと思います。今朝も状況確認しておりますし、上流の砂防堰堤に土砂が溜まっているのか溜まっていないか、この間、米原市さんが設置されたものがどのように機能したのかしていないのかを含めて確認し、先ほど申し上げた、すぐにやる緊急対策と少し時間をかけて抜本的にやる対策をできるだけ早急に進めていけるように努めていきたいと思います。

 

[びわ湖放送]

 岸本副知事について、文部科学省から来られたということで、今回どういった分野のところに一番期待したいとお考えでしょうか。

 

【知事】

 文部科学省から来ていただいたということでございますが、県政全般にわたり国の官僚として培ってこられた御経験を生かし、国との調整や県政の充実発展のために御奮闘いただければと思います。同時に、せっかく文部科学省から来ていただいていますので、例えば今みんなで進めております高専設置、子ども基本条例、また不登校のプランの問題など様々な課題、可能性がありますので、継続案件もたくさんありますが、こういった事々に様々な知見、経験を生かしていただければと思っております。

 

[びわ湖放送]

 国に戻られた大杉元副知事について、滋賀県との縁を今後どう生かしていただきたいと考えておられますか。

 

【知事】

 2年弱、滋賀県内、滋賀県政において、東奔西走、様々御尽力いただきました。そのことに感謝しながら、国の官僚の方ですので、国のこと未来のことを見ながら、今度はスポーツ庁の政策課長といったとても重要な要職を務めになられますので、ますます御活躍されることを期待しています。スポーツ庁ということで言うと、国スポ・障スポが来年に控えていますし、先般の首長会議でも議題になった部活動の地域移行などの課題もありますので、よろしく御指導いただきたいと思います。また、離任の折に、未来人づくりサポーターということで新たな役職をお願いいたしましたので、そういった観点からも様々な御示唆、御指導いただけたら嬉しいなと思っております。何より滋賀県のことだけ考えるわけにはいかないでしょうけれども、副知事は滋賀県でしかされておりませんので、そういう意味でいろいろな繋がりをこれからも大事にお付き合いいただけたら嬉しいなと思っております。

 

[毎日新聞]

 先ほどあった「レガシー2025創出推進本部本部員会議」について、事務局から熱中症対策をどう防いでいくかという話があったと思うのですが、改めて各部局等熱中症対策をどのように取り組んでいくのか、あと現在のところで何か参考にできる取組の例として考えておられるところがあれば教えてください。

 

【知事】

 9月28日から開催する「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」、特に国民スポーツ大会はまだまだ暑い時期に開催されますので、開会式、いろいろな大会、そして様々な行事で熱中症対策は重要な課題になってくると思います。担当部局からもどうすればいいのか悩んでいるということでしたので、健康医療福祉部、病院事業庁をはじめ様々な部局が協力しながら、最善を尽くせるように取組を検討していきたいと思っています。施設面で防げるところ、様々な装備等で防げること、いろいろな呼び掛けで防げるところ、時間設定等で防げるところなど様々あると思いますので、あらゆる方策を検討していきたいです。特に、その会議の場でも申し上げましたが、まもなく開かれるパリ五輪、今年開かれる佐賀国スポなど、いろいろと時期、規模が違うということがございますが、参考になる例もあるだろうと思いますので、情報を集め対応を検討していきたいと思います。

 

[毎日新聞]

 現在の熱中症対策のところでお聞きしたいのですが、7月に入ってから畑仕事をされている高齢の方が立て続けに亡くなられております。7月に入ると搬送者は増えると思うのですが、何か県民に知事から呼びかけがあればお願いします。

 

【知事】

 やはり暑くなってくると体から水分が奪われる、また体の動きが効かなくなる等熱中症のリスクが高まりますので、気温のこと、天候のこと、そして熱中症に気をつけてくださいというメッセージをこれまでよりも重点的、集中的に発信・発令させていただきますので、そういった情報等を十分掴んでいただき、様々な作業、活動等に生かしていただきたいと思います。くれぐれも水分補給を怠らないことでありますとか、躊躇なく冷房設備を使われることでありますとか、体調になかなか良くないこと、御高齢の方が暑い時期に畑やビニールハウスで作業されることは少しお控えいただきますようお呼びかけ申し上げたいと思います。

[共同通信社]

 今日、発表がありました琵琶湖の水位が下がった際の体制の見直しについて、名称を変更するのは初めてですか。

 

[担当課]

 おそらく名称自体の見直しは初めてかと思います。水位の数字は平成4年に1度見直したことがございますが、名称についてはこれらの他に見たことはございません。

 

[共同通信社]

 水位が下がると、滋賀県だけではなく近隣の府県にも影響してくることがあるかと思いますが、名称を変更したことで、実際、対策本部等を立ち上げた際にどのようなメッセージを伝えていきたいか、などを改めて教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

 名称に関係なく琵琶湖の水というものが今おっしゃったように下流府県市の多くの方々に、日々使われているということを、私共は絶えず、この繋がりの中で表現・発信していくことが大事だと思っております。また今回の名称見直しによって、水位の状況と実際に行うことなど、セットでイメージしていただきやすい状態に近づいたと思いますので、きちんとそのことを周知させていただくと同時に、御理解いただいて、動いていただけるように努めていきたいと思います。

 

[読売新聞]

 米原市の土砂対策について、ワイヤーネットの設置というのは、すぐ行われるものかということが一つと、不安定土砂の撤去とありますが、7月から9月にかけてというのは、今回動いて不安定になっているものなのか、既に不安定であったため撤去すべきだと判断したものなのか、またその量がわかっているようでしたら教えてください。

 

【知事】

 まず1つ目にお尋ねいただいた強靭ワイヤーネットにつきましては、2か所で予定しております。これは台風期までにできるだけ早く、8月末までの設置を目標に、遅くとも9月中に設置をする予定です。後にお尋ねいただいた、昨日降った雨によるものも含めた不安定土砂の撤去についてですが、治山の面でいうと木を伐かせていただいて、撤去する場所や作業車のスペースの確保をする必要がありますので、まずは状況を見て、関連する対策もとって、できる限り7月から9月に完了できるように努めていきたいと考えています。

 

[読売新聞]

 冒頭にあった昨日新たに崩れた場所の詳細について、今現在分かっていることを教えてもらえますか。

 

【知事】

 後ほど詳しく担当から説明させますが、今私が聞いている範囲で言うと崩れた場所は同じで、流れ出てきた場所も同じところです。ただ上流の山がどれぐらい以前と変わって崩れたのか、崩れていないのか、というのは、もう少し調査の時間を持たせていただければと思います。ただ、前回少し余裕を持たせた堰堤も昨夜からの土砂で少し埋まったような場所もあるようですので、そういう意味で言っても、同じところに流れ込んできているということは事実だと思います。

 

[読売新聞]

 先んじて、米原市がカメラや感知センサーというものを設置されていると思いますが、今回それは役立ったのでしょうか。またそういう意味で違う場所だったのでしょうか。

 

【知事】

 申し訳ございません。米原市が設置されたものがどのように機能したのか、していないのかということは、私は存じ上げていません。ただそこも含めて、今回流れ出たものが、どの程度前回に比べて多くなっているのか、少なくなっているのか、変わっているのかということを見させていただきたいと思います。

 

[読売新聞]

 対策プランをこうして出している間に、また崩れているということで、時間の余地がないのかなと思っているのですが、いかがでしょうか。

 

【知事】

 この当該地を含めて、自然、気候、災害との付き合い、向き合いというのはもう待ったなし、日々24時間365日やるべきことだと思います。とりわけこういった被害が出ているところにつきましては、できるだけ早くやろうと思っています。ただ急いで事を仕損じることがないように、何をどこに対してやればいいのかということは、より有効な対策を取るべきだと思いますので、治山分野、砂防分野で協力しながら、どこにどういう対策をどういう順序でやるのか、ということについて整理して、今回発災から約2週間でまとめさせていただいたものがこのプランでございますので、まずはこれを、昨夜の被害もありましたので、状況を見てということでございますが、できるだけ早く実行、完遂させていただいた上で、さらに抜本的な対策についても、少し年数がかかりますので、できるだけ早く着手できるようにしたいと思います。

 

[京都新聞]

 米原の土砂災害の関係で、緊急対策のソフトに感知センサーの設置とありますが、これは米原市が設置しているものとは別に、県の方で独自に設置されるということなのでしょうか。

 

【知事】

 資料にも記載のとおり、米原市が既に設置しているものよりも上流部分に、米原市と県とで設置を検討するということでございます。

 

[京都新聞]

 既に設置予定であった砂防堰堤が1基あって、これを実施されるのと同時に、さらに治山ダムも新たに設置されるということでしょうか。またこれは今回の災害を受けて決定されたことでしょうか。

 

【知事】

 まず砂防堰堤につきましては、先行して実施するものがより下流部分に、そして上流部分にもう1つの堰堤を設置するという計画をしております。砂防の堰堤で2基です。治山ダムについてはその上流の箇所に、御質問のとおり今回の災害を受けて新たに設置を検討します。

 

[京都新聞]

 治山ダムと砂防堰堤についてどんな役割があって、なぜ分けて御検討されているのでしょうか。

 

【知事】

 堰堤の方は、水を流しながら流れ落ちてくる不都合なものを止めるということだと思います。治山というものは、山そのものを保つことが主目的になると思いますので、少し水の流れとは分けて対応するものだと理解をしています。ただ、いずれにしろ、この山谷の安全性を高める上で、できること全てをやろうということで今回検討しているところです。

 

[京都新聞]

 今日の朝の定時リリースで、余呉の風力発電の関係の環境配慮検討会が開催されますという案内が来ておりました。昨年だと思うのですが、知事も意見を出されて、経済産業省からも見直しを含めた検討が必要だという意見が出ていたと思います。今後、専門家の方に意見を聞く機会が設けられたというところだと思うのですが、検討会に期待することや事業自体にどのように注目されているかも含めて御意見を伺えますでしょうか。

 

【知事】

 今お尋ねの件は「(仮称)余呉南越前第一第二ウィンドファーム発電事業」について、これは一昨年度、時期にすると昨年の3月20日に知事意見を求められて、提出させていただいた知事意見の中に、関係分野の専門家等による検討会の設置を検討することということを記載させていただき、その後同年5月19日に発出された「環境影響評価準備書」に対する経済産業大臣勧告を受けて、設置開催されるものだと理解をしております。県もオブザーバー参加させていただけるようですので、大事な事業だと思いますが、生態系に与える影響等も懸念されますことから、どういった議論が行われるのかを注視し、今後の対応に活かしていきたいと思います。

 

[中日新聞]

 朝開かれたレガシーの本部について、次の第4回でスケジュールとしては最後になるかと思います。まずその点で今後どのようにまとめて、どのように県民にお示しされるのかという展望をお願いします。

 

【知事】

 4月からレガシー2025創出推進本部ということで、大阪・関西万博とわたSHIGA輝く国スポ・障スポとセットでレガシーづくりをやろうと、それについて会期前ですが、事前から準備し、場合によっては来年度の施策につくり込んでいくことや相互に連携できることは連携して取り組んでいく、といったことを今探っているところで、これまでの3回の議論で段々とテーマが見えてきましたが、次の第4回で全てが整うのかというのは第4回の議論を行ってみないとわからないので、そこはみんなで議論していきたいと思います。ただいずれにしろ、これだけ大きなイベントを控えており、ビッグチャンスでもあると同時に、一過性のもので終わらないような取組になるように、ビッグイベントをきっかけとした新たな動きやその兆しを私達が確認できるようにしていきたいと思っておりますので、県庁内の議論だけに留めずに、より多くの方々と共有できる取組も工夫してまいりたいと思います。

 

[中日新聞]

 琵琶湖の水位についてですが、先ほど名称変更によって渇水対策という言葉に対し、心配の声もあったということですが、ただ琵琶湖の水位低下ということに関しては水を大切にしようといった呼びかけは重要になってくると思うので、緊急性を改めて周知することの必要性は変わらないと思うのですが、その中でかえって水位低下警戒という名称になることによって、警戒感が薄れるという心配はないということでよろしいでしょうか。

 

【知事】

 今お尋ねいただいたような面もあると思いますが、先ほど申し上げたように、以前、我々が発している時もそうでしたが、渇水対策本部と言えば、すぐ止めるのか、いつ止めるのかという問い合わせがあったことも事実です。この会見でもそうでしたが、多くの下流府県市民の皆様からのそういうお声、メディアの報道等があったことも事実です。そのことによって琵琶湖の水が大事なものであり、大変な状況にあるということも御認識いただいている面もある一方で、その後に控えるこの本当の渇水との関わりについて、十分正しく御理解いただきにくかったというようなこともあるので、状況と実際に行うことがもっとわかりやすく結び付く方がいいだろうということで今回の変更をさせていただくということです。いつの間にか変わっていたということにならないよう、国や下流府県、また滋賀県民の皆様方にも御理解いただけるように努めていきたいと思います。

 

[NHK]

 同じ関西の兵庫県の県政の混乱について御意見を聞かせていただければと思います。兵庫県の齋藤知事にパワハラの疑いがあるなどとした文書を作成した元県民局長が亡くなり、またそれを受けて県の片山副知事が幹部として県政の混乱や停滞を招いたとして自ら職を辞するといった事態になっており、齋藤知事は今のところ職を辞する考えはないということで表明されております。関西広域連合長として、また同じ県を預かる知事として、三日月知事としてはこの件に関してどのようにお考えなのか伺ってもよろしいでしょうか。

 

【知事】

 兵庫県で起こっていることの事実、真相の詳細は不明ですが、報道にもありますとおり、相当その県政が混乱している印象、また様々な御批判やお問合せが県庁に寄せられている状況、そういったことがあると承知しております。こういったことがあると以前私がコロナ禍中にゴルフをし、御迷惑をかけて県庁にたくさんのお叱りの声をいただいたときもそうでしたが、本来の仕事ができなかったり、いろいろなお話、投げかけが十分伝わらなかったりすることもありますので、こういったことが1日も早く解消、克服されるように祈っております。もう一つは、とはいえこういった事々、いろいろな起こって欲しくないことが起こったり、また様々な良くないことが起こる兆しが出てきたりというようなことがあります。私も先週来、副知事の江島さんを呼んで、私自身にそういった兆しがあればいつでも言ってくれと、また様々な御指摘等々きちんと伝えてほしいというようなことを改めて求めたところであります。どうしても権力というものは強すぎたり、また十分情報が入らなかったり、判断を誤ったりすることもあり得ますので、そういったことがないように他山の石にしながら自戒にしていきたいと思っています。

 

[NHK]

 齋藤知事には片山副知事が5回にわたって辞職の提言というか進言をしたり、昨日自民党の兵庫県連の末松会長からも正しい決断を齋藤知事にはしてほしいという発言がありました。齋藤知事の進退について、知事としてはどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

 出処進退というのはそれぞれ考えて判断することだと思います。他人がとやかく言うものではないと思います。以上です。

 

[朝日新聞]

 先週土曜日にありました地域交通のワークショップについて、僕も取材させていただきました。非常に準備もされていて、議論も活発に行われて、非常に有意義だったのだろうなと感じました。ただ、ワークショップは重要な政策決定における技術のプロセスだと思うのですが、これが県民に声を聞きましたというアリバイづくりになってしまっては非常によろしくないなと思っています。そうならないために、今回のワークショップというのが公平公正であるということが非常に重要だと思いますが、その担保としてやっぱり重要なのがこの参加者がいかに多様な人たちであったのかということが重要だと思うのですが、今回も参加者の多様性については知事はどんなふうに感じられましたか。

 

【知事】

 先週末7月13日から開始いたしました滋賀地域交通ワークショップを御取材いただいてありがとうございました。今回は湖北地域米原地区での開催でしたけれども、残る5つの地域で、8月、9月と開催させていただくその日程も御案内しております。たくさん申込みと御取材等いただければ嬉しいなと思っております。今おっしゃったように、私達の地域のこと、また私達の暮らしのこと、その暮らしにとって大事な交通のことですので、みんなで考えるということが大事だと思います。とはいえ、あまりたくさんの方が一堂に会すると意見が言いにくいということもあるので、その規模、また何よりコーディネート、そして言いたいことだけ言うというよりも事情がどうなっているのかということの理解を醸成していくということが大事ですので、今回は事業者にも御参加いただきました。こういった機会をつくっていくというのはこれからも大事にしていきたいなと思います。高校生もいらっしゃいましたし、75歳以上の方もいらっしゃいましたし、市の職員さんもいらっしゃいましたので、そういう意味で一定の多様性は担保されていたのではないかなと思います。ただ、まだまだこれからだと思います。

 

[朝日新聞]

 僕も実際にワークショップを拝見したのでいろいろな方がいらっしゃったのは非常に多様性があったなと思いましたが、(ワークショップ参加者に)ハンディキャップのある人が少なかったのかなと感じましたので、他の地域ではそういうところが改善されればいいかなと思いました。また、考え方の多様性も非常に重要だと思います。県が進めている交通ビジョン、これから進めていくであろう負担の考え方にもいろいろな多様性を持たせることが必要なのかなと思います。なので今回の出てきた意見の中で、批判的な意見があればそれをしっかりと受け止めた上で分析あるいは報告、あるいはそれを公開することが必要なのかなと思いますがどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

 

【知事】

 今おっしゃったことというのはとても大事なことだと思います。いろいろな立場の方が、いろいろな考え方を持つ方々が議論し、そして歩んでいく方向性を決めていくというのは自治の基本だと思います。これまでビジョンづくりの際にも、そういったことを心掛けてつくってきたつもりですし、ビジョンに基づく計画をつくる、そしてその財源をどうするべきか考えていく、この過程においても今おっしゃったことというのは大事だと思います。今回は何を持って、賛成だ反対だとおっしゃったかはわかりませんが、そもそも、デマンド交通をやっているらしいけど知らないぞとか、もっといろいろなテクノロジーを利用して既存の交通だけではなくてこんなこともできるんじゃないかな、あんなこともできるんじゃないかとか、そもそも今ある交通が運賃が高いよな、本数少ないよなというたくさんの議論が出たと思います。まず1回目はそういう形でどんな街になったらいいのか、どんな暮らしを望むのか、そのときにどういう交通があればより良いのかということを議論しておりますので、これから2回目、そして県全体のフォーラム、こういったところに繋げていきたいなと思います。

 

[朝日新聞]

 多様性を保てたような話し合いをきちんと進めていく上で大事なのがファシリテーターだと思うのですが、今回は3人の方がファシリテーターとして対応されておられましたが、このファシリテーターについてはどういう基準で選ばれたのかお聞かせいただければと思います。

 

【知事】

 こういう議論をするときのコーディネーター、ファシリテーターってすごく大事なんですってね。むしろそのあたりは、記者の皆さんにこうすればいいんじゃないとか、いろいろ御指導いただけたらなと思うのですが、偏らずより多くの意見を引き出したり、そして今日の議論はこういうことだったんじゃないでしょうかということで取りまとめたり、そういう役割をどなたに担っていただくのかというのは我々もずいぶん悩みながら、お願いをしたり、選んだりさせていただいております。これまでのいろいろな会合やイベントの場で、ファシリテーター、コーディネーターの役を引き受けていただいて、こんな進め方っていいな、こんなまとめ方できるといいよねということをなさってきた御経験をお持ちなんじゃないかなという方に今回はお願いをしてみたということだと聞いています。たださらにより良いやり方があればそれは追求していきたいし、今回お務めいただいた御三方もいろいろな経験やノウハウもお持ちのようですので、今回が初めて(のワークショップ)で、カメラもペンもたくさんの取材の方が来て、ずいぶん緊張しましたなんてこともおっしゃっていますので、これからだんだんほぐれていって、より良い役割を果たしていただけるんじゃないかなと思っています。

 

[朝日新聞]

 今回の地域のことを考える人たちに集まってもらって、地域の交通にどういう課題があって、それが万が一交通がなくなったらどういう不便があるのか、その不便を解消するためにどうしていったらいいのかということを話し合うという議論はやり方としては非常に有意義だったとは思います。これから並行して進めていく負担のあり方について議論する場合は、地域の話ではなく、例えば北部の人たちが南部の人たちが使う交通に対してどう負担するかということも考えていかなくちゃいけないと思いますので、特にこれから幅広く負担を求めていくということを考えるのであれば、こうした地域だけに限らない広い視野で議論するような場が新たに求められると思うのですがその点についてどうお考えでしょうか。

 

【知事】

 ありがとうございます。それも重要な御示唆だと思います。地域別にやるからこそ、今回もそうでしたけど南よりも便数が少ない、さらに減ったという課題ですとか、雪のときの移動が困るとかですね、やはり地域ならではの課題がたくさん出ていたと思います。高校生の皆さんからは具体的にこのエリア内にある何々高校の通学の手段がバスがなくて自転車しかなくて、雨の日も風の日ももう大変なんだという話なんかも出ていましたので、やはり地域ごとにやることのメリットはあると思います。ただ全体で俯瞰して、例えばどういう負担分担、財源のつくり方をするのかという議論も大事なんじゃないかというのはおっしゃるとおりですので、それをこれから2回目、もしくは県全体のフォーラムに繋げていく、こういったことでみんなで議論していければいいなと思います。

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