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知事定例記者会見(2024年7月9日)

令和6年7月9日

(県政記者クラブ主催)

知事定例会見にて壇上で話す三日月知事の写真。知事の横に資料表示用の大きなモニターが映っている。

【知事】

 おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。今日は少し曇っておりますが、連日猛暑が続いております。急に暑くなったり、また今までよりも暑くなったり、お身体の調子で体温調節が難しかったりということもあるようでございますので、熱中症警戒アラートや、もう一段上の熱中症特別警戒アラートが発信された折には、それぞれお気をつけてお過ごしいただければと思います。冷房をつけてお過ごしいただくことや、暑い中での作業をお控えいただくことにも御配慮いただければと存じます。また、こまめな水分補給をぜひお願いいたします。

 先だって7月3日、最高裁判所大法廷で旧優生保護法が違憲とされ、国に賠償を命じられる判決が言い渡されました。本県においても過去に県の関与のもと、優生思想に基づく手術がなされた方が一定数おられます。このことに対しまして心から申し訳なく、深くお詫び申し上げたいと思います。今後は、この判決に基づく対応が国においてもとられると思いますので、これを注視いたしますとともに、既に一時金の支給等をさせていただいておりますが、まだ十分御申請いただいていない状況もございますので、県としても更なる広報また周知に努めてまいりたいと思います。

 また6日夜、保存修理事業を受託しております国宝延暦寺根本中堂において火災の発生がございました。原因については、現在、大津市の消防局で引き続き調査をされていると聞いておりますので、その結果を待ちたいと思いますが、大切な施設の保存修理事業における火災ですので、大変心配しております。結果を受けて、改めて現場での作業内容、工程、資材等の管理方法を確認し直して、所有者であられる延暦寺様とも十分協議させていただき、安全管理、防災対応にこれまで以上に徹底して取組みながら、受託しております大切な保存修理事業を着実に進めてまいりたいと思います。

 既に資料配布している内容について2件お知らせをいたします。

 1件目は滋賀県パートナーシップ宣誓制度、こちらを9月から開始いたします。人生のパートナーとして歩むLGBT等の方々にとって暮らしやすい環境づくりに繋げることと、県民の皆さんの性の多様性に関する理解増進を図る目的で導入させていただくものでございます。同性婚が法的に認められていない中で、この制度は、一方または双方がLGBT等の当事者である2人がパートナーシップを宣誓したことを県が証明する制度でございまして、8月19日から事前予約を受け付けることとしております。この証明を受けていただくことで、県営住宅への入居等のサービスが利用できるよう手続きを進めておりますほか、市町や事業者にも制度を周知いたしまして、サービスが提供されるよう理解を求めてまいります。1人1人全ての人の人権が尊重される社会の実現を目指してまいりたいと思います。

 今、一つは淡海子ども・若者プラン策定に向けた子どもアンケートの実施についてでございます。子どものために子どもとともにつくる県政「子ども・子ども・子ども」ということで標榜しておりますが、その実現に向け、子ども・若者政策の総合的な計画であります「淡海子ども・若者プラン」、の次期計画の策定を進めているところでございます。その計画において目指します将来の滋賀の姿を検討するに当たりまして、当事者である子どもの皆さん、若者の皆さんの意見を反映させるべく、子ども・若者向けのアンケートを募集しております。みんなが幸せ、嬉しいと感じるために何が大切だと思いますか、とお尋ねをするものでございまして、対象は県内の小学1年生からおおむね30歳ぐらいの若者で、7月31日までWebアンケートで募集をしています。この(モニターの)QRコードを読むと、入っていただけるということですので、ぜひ皆様方、お知らせをいただければと存じます。

 それでは今日は2点、皆さんに御紹介させていただきます。

 1点目は、子宮頸がんを予防するためのHPVワクチンについて御支援いただいております滋賀県医師会長の高橋先生と、学生団体の皆さんとともに話題提供をさせていただきます。子宮頸がんは年間約1万人ががんになり、約3000人が命を落としております。20から40代の方が多く、ライフサイクルに大きな影響を及ぼすものでもございます。子宮頸がんはHPVヒトパピローマウイルスというウイルス感染が原因であり、予防のためのワクチンがあります。一方でワクチンは全てのHPVの感染を予防できるわけではないので、早期発見・早期治療のためには併用して検診を受けることも重要だと言われております。本日はこのワクチンについて、お2人の方からメッセージをいただき、発表とさせていただきます。はじめに、滋賀県医師会長に新たに御就任されました高橋会長からビデオメッセージをいただいておりますので、まずお聞きいただければと思います。

 滋賀県医師会の高橋会長でございました。

 続いて、HPVワクチンについて、全国に広く発信を行っていただいております学生団体VCAN代表の大坪瑠奈さんにも、今日はこちらにお越しいただいておりますので、メッセージをいただくことにいたします。大坪さんよろしくお願いいたします。

 

[大坪瑠奈さん]

 御紹介いただきありがとうございます。滋賀医科大学医学部医学科4年生の大坪瑠奈と申します。若者にHPVワクチンについて広く発信する会VCANというところで代表を務めております。私達は全国にメンバーが30名ほどおりまして、全国の中学校や高等学校、大学への出張授業を通して、当事者世代たちが自分たちでHPVワクチンについて接種するかしないかというのを判断できるような世の中を目指しております。まず、子宮頸がんについてなのですが、知事からもありましたように子宮頸がんの原因のほとんどはHPVヒトパピローマウイルスというものによります。性的接触のある方に関しては、50%以上の方が一生に1度は感染するという非常にありふれたウイルスになっております。ただこちらは感染を予防することができると言われております。その予防法としてHPVワクチンというものがあります。このワクチンはがんを予防することのできる唯一のワクチン、と言われておりまして、このワクチンと検診を併用していくことによって、海外では、子宮頸がんの撲滅が予測されています。現状、日本では接種の対象が2種類ありまして、1つ目が小学校6年生から高校1年生までを対象とした定期接種、2つ目が、平成9年度から平成19年度生まれの女性のうち、計3回の接種をまだ終えられていない方を対象としたキャッチアップ接種というものになります。どちらも今、無料で接種することができます。ただ、この2つ目のキャッチアップ接種に関しては、期限が迫っておりまして、無料接種は来年令和7年3月に終了してしまいます。そのため、迷われている方はぜひ早めに御検討をお願いします。無料接種の対象については、定期接種の高校1年生に関しても期限が同様となっています。このワクチンは3回の接種が必要なので、無料で3回とも接種を終えるためには、今年の9月末までに1回目の接種を終える必要があります。私自身のお話を少しさせてください。私もキャッチアップ接種世代というところで、大学2年生のときにこのHPVワクチンの4価ワクチンを接種しました。自分自身、接種するときは不安があったのですが、医学的に正しい情報をいろいろ調べて、接種することを決めました。迷われている方もたくさんいらっしゃると思いますが、迷われているだけでは何も変わらないので、ぜひ医療機関や、県の相談窓口に御相談という第1歩を踏み出していただければと思います。ありがとうございます。

【知事】

 ありがとうございました。先ほどの高橋先生のメッセージもございましたが、相談窓口を県の健康危機管理課、教育委員会、予防接種センターに設置しております。また接種後の症状につきましても、滋賀医科大学付属病院で相談に応じております。定期接種は小学校6年生から高校1年生相当の女性が対象となりますし、キャッチアップ接種は現在おおむね27歳から16歳までの女性が対象になりますので、対象の方は特にキャッチアップ接種の期限が迫っております。御検討いただければと思います。大坪さんもどうもありがとうございました。引き続きよろしくお願いします。

 もう一つ情報でございます。

 県内初となります移動式水素ステーションを用いた燃料電池フォークリフトへの水素巡回供給実証というものが行われますので、そのお知らせでございます。先般の国会において水素社会推進法が成立したところでございますが、本県では滋賀県CO2ネットゼロ社会づくりの推進に関する条例で、水素エネルギーの利用促進を掲げ、県内での水素利用の拡大に向け、水素の供給体制の整備や需要拡大に向けた、事業者間の連携等に取り組んでいるところでございます。少し先を見通しながら、水素社会をどのようにすればつくっていけるのかということについて、将来的には2050年を展望しながら、2050年ごろには県内全域で水素利用が拡大しているだろうと、また需要も広がっているだろうということを見越して、様々な取組をしようと今チャレンジしているところでございます。今回、守山市内に事業所をお持ちのダイハツディーゼル株式会社様とセンコー株式会社様の御協力のもと、それぞれの工場内において、燃料電池フォークリフトを試験的に導入し、移動式水素ステーションによる水素の巡回供給を行うということでございます。このように近隣する事業所が協力し合って水素巡回供給モデルを検証することで、内陸工業県である滋賀県における水素エネルギーの供給体制の整備や需要拡大にも繋げていければと考えているところでございます。7月24日水曜日にはダイハツディーゼル守山第1工場にて見学会が行われます。県内事業者様に向けた水素エネルギーの理解向上を図るためのセミナーも開催されます。ちなみにこのセミナーについては、既に定員に達しているということで、大変関心も高いということでございます。見学会では水素充填のデモンストレーションも予定されているということでございますので、ぜひ皆様方御覧いただければ、また報道機関の皆様方には報道取材等御協力いただければと存じます。私からは以上でございます。

 

[びわ湖放送]

 「滋賀県パートナーシップ宣誓制度」について、都道府県レベルとしては全国で何例目かということ、また、県内でも彦根市がされているかと思うのですが、今回県がこの制度を実施されるという意味合いを教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

 まず、都道府県での導入状況は、先月時点で25都府県で導入されているということでございます。また、県内市町の導入状況は、こちらも先月時点で県内6つの市で、導入されているということでございます。こういった性の多様性を認め合う社会づくりに向け、できる限り広く、できれば国レベルでも整えられていくことが望ましいのですが、今そのような状況ではない中、できることをやろうとしております。市町によるところはたくさんあると思うのですが、広域自治体である県がこういった制度をつくることで、県のサービスを享受いただくと同時に、広くこのこと(性の多様性)を認め合う社会づくりという啓蒙の意味合いも強くあるのではないかと思います。先ほども申し上げましたが、今後、この制度導入を機に、県内市町にも導入や、また理解促進を働きかけて、いろいろなサービスを受けていただけるように、尽力してまいりたいと思います。

 

[びわ湖放送]

 米原市の土砂崩れについて、知事は日曜日に現地に入られて、今日も国交省の専門チームがこの後入られるかと思うのですが、今後どのように対策を進めていかれるお考えなのでしょうか。

 

【知事】

 被災から1週間経ちましたが、被災された方々にお見舞いを申し上げます。県全体からすると、非常に限られたエリアでの被災ということになりましたが、現地にはまだまだ泥の状況や土砂がたまっている状況といった爪痕、家屋に土砂が及んでいる状況を一昨日も目の当たりにいたしました。音がしたとか、こんなことを経験したことがないと住民の方がおっしゃっていましたので、さぞかし怖い思いをされたのだろうなと思いました。何とか、けがをされたり、亡くなられた方がいらっしゃらず幸いだったのですが、これが夜間に、もっと大規模に起これば、どういったことになっていただろうと想像するだけで怖くなるような、こういう事態であったと思います。したがって、現地でも申し上げましたが、まずすぐにやらなければいけないこと、少し時間をかけて抜本的にやらなければいけないことを分けて対応していきたいと思います。すぐにやらなければいけないこととして、まず県道等も一部通行を制限させていただいておりますので、落ちてきてたまった土砂を取り除くことによって生活環境、道路環境をまず整えていくこと。さらには、土砂がたまっている箇所があります。流れ出て堰堤等にたまっている土砂が、これからまた雨が降ると流れることも想定されますので、そういったものを一時的に受けられるような施設の能力を回復する作業として、現在、勝山谷川の堰堤の土砂撤去を行っておりますので、これを早期に完了させること。そして、それを乗り越えて、土砂が流れてきたということもございますので、そういった大規模な土石流が起こったときに、そのことをきちんと下流の住民の皆様にお知らせする通報システムのようなものを市と協力しながら設置をしていくこと。これが応急対策として必要なことではないかなと思います。抜本的な対策としては、その上流の山のありようを調べさせていただいて、まさに今日、国土交通省テックフォースから専門家に来ていただきますので、そういった方々と山の形状、そして土砂の流れの状況を見てどこにどういう対策をとるのが一番有効なのかということを見極めた上で、計画を立て実施していきたいと思います。その内の1つとして、今ある堰堤の少し上流にもう少し大きい堰堤をつくらせていただく計画が既にあり、これをどのように進めていくのか、用地買収をどう進めていくのかということも、今、事業進捗を図ろうとしているところですので、その進め方等も抜本的な対策の中には入ってくると思います。しかし、これは工事に着手してから約3年かかるということなので、その間の安全のことも含めて対策を講じていきたいと思います。

[びわ湖放送]

 伊吹山に関しましては、登山道の崩落などもあり山全体がちょっともろくなってきているのではという懸念もあるかと思うのですが、「山の知事」を表明されている三日月知事としてはどのような思いでいらっしゃいますか。

 

【知事】

 山、自然のことを全て人間の人知で知ることは難しいのかもしれません。しかし、山の形状が変わってきた、特に表土がむき出しになり裸地化して雨風に脆くなっていて、それらがどうしても流れ落ちてしまうということが指摘されておりますので、そのことを前提にした砂防のあり方を追求、模索すると同時に、時間はかかりますが山の状態を保水力があり、雨風にも負けない形に直していく、再生させていくといった作業も並行して進めていく必要があると思います。鹿の食害というのも指摘されておりますので、これらをどのように駆除、適正化していくのかといったことも重要なテーマだと思います。

 

[読売新聞]

 米原市の土砂崩れの関係で、今のお話で警報システムを市と協力して設置するということでしたが、これは時期的にはすぐにということなのでしょうか。

 

【知事】

 どういうシステムのものをどこに置くのがいいのかということもありますので、まだ時間や場所を決めているわけではありません。しかし、市からはそういったものの設置の必要性は言われておりますので、できるだけ早く目的のものが設置できるように努めたいと思います。

 

[読売新聞]

 旧優生保護法の最高裁判決について、一時金の支給はすでに行われているということですが、申請状況がいまいちだというお話もあり、県内の状況、対象者が何人ぐらいいるのに対してどれぐらい申請が来ているのかというところを把握されていたら教えてください。

 

【知事】

 県の関与で387名の方に優性思想に基づく優生保護法の手術がなされたということが確認できております。一時金の申請があった方は19件、このうち14件の方に認められているということでございますので、全体のわかっている方に対しておよそ5%という状況で、まだまだ少ないと思います。一定時間が経過しておりますので、それぞれの当事者の方がどういう状態でおられるのかということにもよると思いますが、まだまだ情報が行き届いていないとすれば、それらをきちんとお届けするということも重要だと思いますので、先ほど申し上げたように周知、広報をさらに強化して努めていきたいと思います。また、人権との配慮でなかなか難しい面もあると聞いていますが、わかっていらっしゃる方に対してこちらからお知らせをお届けする、こういった方が県内11名いらっしゃるうち申請されている方が1名ということですので、こういった方にどのようにお知らせを届けていくのかということも検討対象になると思います。

 

[読売新聞]

 7日に投開票があった東京都知事選の結果について、小池氏、蓮舫氏という知名度の高い方が出た一方、2位に入ったのは前安芸高田市長の石丸氏でした。その結果をどう見ておられるでしょうか。

 

【知事】

 東京都知事選挙は東京都民、有権者が出した結論ですので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。しかし、日本の人口の約10分の1が住んでいる大都市東京都の知事を選ぶ選挙ですので、私も注目していました。小池氏は実績、知名度もある、そして様々な政治的な御経験もあるリーダーのお1人でいらっしゃいますので、今回の3選でよりパワーアップして、またより包容力を持って、地方自治を牽引していただければと期待をしております。私どもも、いろいろ連携できる部分は連携しながら進めていきたいと思います。また、たくさんの方が立候補されて選挙のありようなどについても提起された選挙でしたので、こういったことを必要な改正に向けた議論が行われることも期待したいと思いますし、その中で若い注目される候補者が出てきて、選挙のやり方、また言動を含めていろいろとこれからに繋がるものがあったとすれば、これも今後の糧にしていきたいと思います。既存の政党の枠組みだけではない、これまでやってこられた方だけではない新たな候補者が出てきて、新たなリーダー誕生を望まれる声が1ケースでもあったということは、日本の民主主義にとってはいいことだと思います。これからに期待したいと思います。

 

[京都新聞]

 旧優生保護法に関連して、今回の判決で国の責任は極めて重いという指摘があったと思うのですが、一方でその不妊手術に関しては都道府県も一定その役割を果たしてきていたと思います。時代は違うとはいえ、今、県の行政のトップを務められている知事として、都道府県が果たした役割というものについて、先ほど全体については申し訳ないというお話がありましたけれども、今どのように考えていらっしゃるかということと、こういった事態というのが再び起きないようにどういったところに行政は気をつけていくべきだと思われるでしょうか。

 

【知事】

 法律に基づく対応とはいえ、その法律自体ができたときには大日本帝国憲法だったのかもしれませんが、その後制定された日本国憲法第13条、第14条に照らしても違法であるということが指摘され、国会の立法行為も違法であったということまで指弾される判決が出ました。このことは重く受け止めないといけないと思っていますし、法律で定められたこととはいえ、都道府県が審査会等でこの優生思想に基づく不妊手術を行っていた、そのことに加担していたということについては、強い責任を感じております。こういったことに対する感覚、感性というものを、我々はいつも鋭く持たないと流されてしたがってしまうということになるのだと思います。いろいろな時代背景、そして様々なお立場の方の御議論の上つくられた法律とは思いますが、やはり、こういう人権に対する考え方というのは、そういうものに流されない感性を大切にしておく必要があると思いました。

 

[京都新聞]

一時金のお話ありましたが、今の時点での県の周知施策など、どういうふうにお知らせをされているのでしょうか。

 

【知事】

県の出す広報や、県から依頼をして市町の広報など様々な機会を通じてお知らせをしているところですが、現状を見ますと、申請が対象となると把握している方に比べると少なく、まだまだ届いていないのではないかという部分もありますので、更なる広報、周知を強化していく必要があると感じております。

 

[京都新聞]

 米原市の土砂災害での警報システムの感知システムの関係で、先だって米原市が恒久的な監視のシステムを県に要望され、それまでの応急的に、米原市で簡易なものを設置することも検討しているというお話だったように記憶しているのですが、今の時点で県と市と協力して、1つのものをつくっていくというようなお話にも聞こえたのですけど、今どういう状況でどういうことをお考えなのでしょうか。

 

【知事】

先だって米原市長が7月4日に来られたときには、勝山谷川の早急な土砂の撤去、とりわけ上流部の土砂の撤去と土石流等管理監視システムの構築を要望されました。土砂の撤去は一定進みつつありますが、それでどれぐらい受けられるのか、その受けられる土砂に対して、新たにつくる監視システムをどこにどれぐらいのもので設置すれば住民の方に被害が及ばないような形でお知らせすることができるのか、そこはもうちょっと見ないといけないなと思っています。今日、そういう意味でも、砂防の専門家が入ってくださいますので、そういった方々の知見も借りて、どこにどういうものを設置すれば有効なのかということを見極めた上で、設置を判断していきたいと思います。

[朝日新聞]

 東京都知事選でも議論になったことですが、人口減少社会ということに対する知事のお考えをお聞きしたいと思います。人口減少を「食い止める」あるいは「立ち向かう」とか「受け止める」とかいろいろあるかと思うのですが、知事は人口減少についてどのように向き合おうと考えていらっしゃいますか。

 

【知事】

 まず人口減少というものは大きく戦争でもない限り、ずっとこういう有史以来増え続けてきた中で、日本においては本格的な減少局面は初めてですので、そういう意味で私達の受け止め方が問われている、試されている、そういうテーマだと思います。私自身は、もちろん良質の危機感を持ちつつ、むしろ人口増加時代に我慢してきたものや失ってきたものを取り戻す、こういう視点も持ちながら、この人口減少局面に立ち向かっていくことも必要ではないか。またマクロで捉えると、子どもの数が減る、人口が減るということが注目されるのですが、こういう時代だからこそ、1人1人を大切にする視点、多様性の視点、またジェンダーギャップを解消する視点ですとか、こういう視点を持ちながら、多様性、包摂性、寛容性のある社会をつくっていくきっかけにしていきたいなと思います。

 

[朝日新聞]

 先日の県議会の一般質問で、人口減少や少子化についてもっと危機感を持った方がいいんじゃないかとか、あるいは積極的な姿勢が見えないという指摘をされたことに対して、知事としては危機感をアピールするやり方ではなく、三日月らしくやりたいというふうに御答弁されました。ここでおっしゃった三日月らしくやりたいというのはどういうことをイメージされているのでしょうか。

 

【知事】

 今答弁したことにも関連するのかもしれませんが、まず御指摘は、多くの方の不安な気持ち、集落がなくなるかもしれない、また以前と違う生活になるのかもしれない、いろいろな現場で担う人たちが減る、この状況をどう受け止めるんだというこのことは、我々もしっかりと受け止め、一緒に考えていきたいと思います。「健康しが」の取組の中で、人の健康、社会経済の健康、さらには自然の健康、持続的な健康しがをつくる取組というのは引き続き行っていきたいと思います。その上で、県のリーダーである知事がどのようなメッセージを発していくのかというときに、先ほど申し上げた1人1人を大切にする視点だとか、人口増加時代に失ってきた、例えば居住の空間ですとか、歩行者の問題ですとか、自然を壊しての開発ですとかこういったことにむしろ反省の視点も持ちながら、よりよい暮らしが追求できるような視点というのも、持てばどういうことになるのかな。少人数学級なんかはその一つなのかもしれません。ぜひそういう視点も持った滋賀県づくりを進めることで、急がば回れのこういった社会づくりができればいいなと思います。

 

[朝日新聞]

 今回県でまとめられている総合戦略、あるいは人口ビジョンの中で、目指していく方向性として、人口減少が進む中でも未来へと幸せが続く滋賀とおっしゃっています。知事は人口減少が進む県北部について、2年近く北の近江現場訪問ということで実際に現地を見てこられたと思います。そこで見えてきた目指す幸せみたいなものはありますか。

 

【知事】

 極めて本質的で根源的な御質問ですので、3時間ぐらいかけてお答えを述べさせていただければと思いますが、そこをギュッと短く申し上げるとすれば、やはり今生きていることに対する幸せ、そして日々のこと、身の回りにあることに対する幸せ、こういうものは改めて現地に行ってみて、一緒に見てみて、感じてみて思いました。これは山の資源もそうですし、そして琵琶湖の風景もそうですし、その中でいただく恵みもそうですし、その中で培われてきた文化財もそうですし、こういったものはやはり宝物、誇りだと思いました。それらと一緒に生きていくことは幸せなことだと思います。これがまず一つですね。あとは他と比較してないもの、他の地域と比較してもっとこういうものがあればいいなと思うものについて、一緒にどうつくっていくのか。例えば交通もそうなのかもしれません。働くところという産業もそうなのかもしれません。もっと楽しいアミューズメントがこの近くにあればいいなということもあるのかもしれません。こういったことを一緒に考えていく、こういう視点も北の近江振興プロジェクトの中でやっていますので、この営み、プロセスは大事にしたいなと思います。3点目に、週末も米原でジェンダーの問題の意見交換をしました。学生の皆さんや、あと男女共同参画センターで相談にのっていただいているスタッフの皆さんと意見交換をしたときに、どうしても固定的な性別役割分担意識みたいなものが、そういった地方こそ根強く残ってしまっているので、ここに対する意識改革をみんなでどのように進めていくのかというのは、課題であり可能性ではないかなと思いました。お祭り一つとっても、親戚の集まり一つとっても、男性はこうじゃないか、女性はこうだろうということが知らず知らずのうちに植え込まれてしまっている。その母親像、その父親像を見ると、およそこの先にここでの暮らしというのがイメージできないという現状があるとすれば、こういうものをどのように払拭していくのか、これができたところからむしろ新しい未来が開けるのかもしれないなと思います。

 

[朝日新聞]

 合戦略でもそうですけれども、県議会での質問答弁でも、人口が減少しても持続可能な社会をつくっていく。あるいは活力ある地域づくりをこれから目指していくというふうにおっしゃっていましたが、人口増というカードを使わずにどのように目指していこうと考えていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

 まず、そもそも5世代前、7世代前、10世代前のことを考えると、むしろ人口の多寡、もしくは人口の増に起因をする成長ですとか、人口の減というものに対するそういった考え方ということも、少し考えを改める必要があるんじゃないかなと思います。もっと後で生まれてきた人間のことについて謙虚に考えてもいいんじゃないでしょうか。自然から借りて生きているものがあるとすれば自然に返していくような思想ももっとあってもいいのかもしれませんし、むしろそういう生き方こそ、暮らし方こそ、ここに住みたいんだ、ここで子どもを育てたいんだということに繋がるんじゃないかと思います。このことを言うと悠長なことを言うなと言われるかもしれませんが、少しその人口増に頼りすぎる経済モデルにこそ、破綻が来ているのかもしれません。ただ、せっかく生きているのですから、その生きている私達がもっと関わりあって、そして今あるものを大切に使って、享受して、次の世代に引き継いでいくという生き方は大事にしたいと思います。滋賀はおかげさまで真ん中に琵琶湖もあるので、この水をできるだけはばかりながら使い、綺麗な状態で流す。人間以外の生き物のことも考える。こういう暮らし方を大事にしている人たちがたくさんいるので、この関わり合いをもっと大事にして、こういう関わり合いの中で暮らしませんか、経済活動を営みませんか、それが幸せに繋がるんじゃないかなと思います。そういうモデルをむしろ発信していきたいなと思います。

 

[共同通信]

 パートナーシップ制度についてお伺いしたいのですが、全国の自治体の中にはLGBTQの方々の子どもたちを家族として公的に証明して、行政サービスを受けられるようにするファミリーシップ制度などもあるのですが、県としてはその制度の導入というのはどのようにお考えになっているのかをお伺いしたいです。

 

【知事】

 今日ちょっと担当も来ていますので、後ほど確認していただければと思いますが、まず一歩、私達はこのパートナーシップから始めたいと思います。今お尋ねいただいたように、カップルが一緒に暮らしていらっしゃる家族の方々を含めたファミリーシップでその方々が受けられるサービスをどのように考えるのかという視点も確かにあると思いますので、まず一歩、私達これを進めさせていただいて、今後残された課題があるとすれば、それらをどうやって克服していくのか、解消していくのか一緒に考えていきたいと思います。

 

[共同通信]

 パートナーシップ制度を県が導入することで市町にも理解を促していきたいというお話が最初の方でありましたが、長崎県の大村市などでは同性カップルも異性の事実婚と同じように住民票の続柄欄に夫として記載される制度を導入されていますが、その辺りについて県として市町に理解を促すというか、こういうふうにやったらいいよというのは難しいのかもしれないですが、何か取組の促進みたいなことは考えていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

 今の時点で何かお尋ねいただいたようなことに明確な答えはありません。ただ、それぞれの地域の現実として、今おっしゃったことも含めて様々なこうやってほしいとか、こうしたいということがたくさん出てきていますので、それは市町レベルでやれることと、県がやるべきことと、むしろ国が全体の法律や憲法の規定を見直すことによって対応していくことがあると思いますので、そこは少し分けて考えていきたいなと思います。ただ、いずれにしろ、さっきも申し上げましたが、今回第一歩こういったことをやらせていただいて、県内市町と一緒にどんなサービスができるんだ、広げられるんだということを改善しながらですね、なお残る課題に対してどう向き合うかということを考えていければいいなと思います。

 

[共同通信]

 先週高島市の琵琶湖に道路ができていたということで、県が告発されたということだったんですが、その行為に対する知事のお考えがあれば教えていただけますか。

 

【知事】

 極めて異例のこんなことをする人がいるのかと憤りを感じますね。みんなのものをどういう目的でこのような行為をなさったのかわかりませんけれども、私有化私物化しようとするこういった行為というものは許せるものではありませんので、原状回復に向けて早急に対応していただきたい。そういったこともあり、悪質性を鑑みて、告発という判断をさせていただきました。もっと事前に、もしくはもっと早く対応できたのではないかということについては今後の課題として、認識また共有していきたいと思います。ただ琵琶湖は広いので、四六時中全てに人の目が行き届くというのもなかなか難しいことなので、ちょっとどういったことができるのかというのは考えていく必要があると思いますが、許せない行為だと思っています。

 

[NHK]

 米原市の土砂崩れについて追加で確認ですが、米原市長から知事あてに提出された緊急要望については基本的に応えていくということになるのでしょうか。

 

【知事】

 今、いただいた緊急要望に対して、どのように応えていくのかということを早急に検討しています。その一環として日曜日の私の視察ですとか、今日のテックフォースの調査ですとか、こういったものもありますので、これらを受け、いただいた御要望にどのように応えていくのかというのをお返ししていく必要があると思っています。

 

[NHK]

 すぐにというと直近で9月の定例会とかになるのかなと思いますが、現時点でどの程度応えていきたいとか、額とか考えておられていることはありますか。

 

【知事】

 今おっしゃった額というのは予算の補正を含めたお話だと思いますが、予算の補正までしてどのようなことをするのかというのはもうちょっと時間がかかると思っています。ただ、その前にやれることもあると思いますので、道路を早急に復旧してほしいとか、土砂を撤去してほしいとか、ですからすぐにやれることとちょっと時間かけてやることを分けて順次回答をしていくことになると思います。

 

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