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知事定例記者会見(2024年6月11日)

令和6年6月11日
(県政記者クラブ主催)

知事定例会見にて壇上で話す三日月知事の写真。知事の横に資料表示用の大きなモニターが映っている。

【知事】

 まず先月、長く保護司をお務めになっていらっしゃった新庄さんがお亡くなりになられました。謹んでご冥福をお祈り申し上げるとともに、まだ真相解明が進んでいるところと存じますが、更生保護、再犯防止の取組に停滞や後退、また関係者や対象者等に差別や偏見が及ばない取組を行うように、既に担当に指示をすると同時に、国、法務省、関係機関と連動した対応をしていくこととしております。

 その上で、まず先週6月5日、6日の2日間、国への令和7年度に向けた政策提案・要望を行いました。国会も終盤で大詰めの大変お忙しい時期の中、与野党の国会議員の皆様方、政務三役をはじめとする政府の皆様方にも真摯に御対応いただきました。今日の経営会議でも、まずは発言、提案、要望したことのフォローをしようということと、秋に向けて、来年度に向けて、より良い提言の仕方について不断に検討しようということを申し上げたところでございます。

米原駅東口の県有地の利活用について、これは合計約2.8ha、米原駅の東口に県有地と米原市の市有地があります。これらを一体的に活用する事業者を米原市と共同で募集をしてまいりました。5月29日の審査委員会を経まして、優先交渉権者が湖北工業(株)様を代表企業とするグループに決定し、6月6日にその公表を行いました。6月21日に米原市役所で、米原市と県と構成企業の皆様との基本協定締結式を開催することとなりましたので、御案内申し上げたいと存じます。今回、湖北を代表する企業様が御参画いただいたということによる経済活性化、雇用創出への期待、また東北部工業技術センターを隣接地に建設予定でございますので、そういった施設との連携も活用しながら、北の近江振興にも資するといった内容に仕立て上げていければと思っているところでございます。

もう1点は、滋賀県未来投資総合補助金の2次募集を始めますという御案内です。1次募集の申請状況を勘案いたしまして、今回2次募集を6月17日月曜日から開始させていただくことといたしました。申請期間は7月19日金曜まで約1か月間になります。要件等は1次募集と同じで5月31日にリリースいたしました資料を今回もお配りしておりますので、御参照いただければと存じます。県内の中小企業の皆様方であれば、業種を問わず申請いただけます。1次募集も大変好評だったようで、オンラインショップ開設にかかる経費、DX(デジタルトランスフォーメーション)による生産・業務の効率化のための機器の購入や、デジタル技術や資格取得のための講習受講費などに御活用いただいていると聞いています。2次募集に合わせまして6月14日には事業者向けのオンライン説明会を、また19日、20日には大津市、彦根市でそれぞれ個別相談会も実施いたしますので、御参加いただければと存じます。

資料に基づきまして今日は1点御案内をいたします。のぼりも既に立てておりますが、湖西線開通50周年記念事業についてでございます。本年7月20日で開通から50周年いうことだそうでございます。実は10年前、知事になって最初に伺った公務がこの湖西線の40周年記念事業ということで、多くの注目もいただいたということでございます。ぜひこの50周年という大切な節目を機に、湖西線がさらに地域の皆様に愛される鉄道となるよう、また次の50年に繋がっていくよう、様々な事業を実施したいと考えております。沿線の大津市、高島市、長浜市およびJR西日本様ならびに沿線関係者の皆様と連携いたしまして様々な取組を予定しております。チラシに記載のとおりでございますが、本日はそのうち2点御紹介いたします。

1点目は開通記念日限定で走る記念列車の乗客募集が始まります。運行する列車は大河ドラマで話題の紫式部にちなんだラッピング電車「びわこおおつ紫式部とれいん」ということだそうでございます。ちょうどドラマの舞台が越前、福井県と移りましたが、その道中をなぞるように琵琶湖の西側を京都駅から敦賀駅まで運行し、折り返して、大津京駅まで運行します。「紫式部とれいん」が湖西線を走るのはこれが初めてということだそうでございます。車両には沿線の小学生がデザインしたヘッドマークを取り付けて、車内には沿線の園児が描いたイラストを掲示し、子どもたちの夢を乗せて走ります。乗客は「一般募集」と「滋賀県民号」、「福井県民号」の3区分で募集するということだそうでございます。「一般募集」は沿線を巡る絶景バスツアーがついて、お1人様3000円、「滋賀県民号」「福井県民号」はいずれも無料で参加できるということだそうでございます。当日は、滋賀ふるさと観光大使の西川貴教さんに停車駅の近江今津駅で1日駅長をしていただき、乗客のお出迎え、列車出発の合図を行っていただくということでございますので、ふるって御参加いただければと存じます。私も列車の運転ができたらいいなと思っていたのですが、私が列車の運転をしていた頃からしばらく時が経っていますし、この車両を運転したことがないので、今回は運転できないということです。

2点目は、同じく7月20日土曜日の記念式典への参加者の募集でございます。高島市民会館で開催する記念式典に沿線3市にお住まいの方々を御招待しようということでございます。式典には私も、また西川大使も含めた沿線関係者でパネルディスカッションも行います。歴史を振り返りながら、沿線の魅力や未来を語り合えればと思います。自衛隊音楽隊の皆さんの演奏や、会場全員で琵琶湖周航の歌の合唱なども行います。他にも今津てつどうマルシェや大津市歴史博物館での企画展「わたしの湖西線」など様々な企画の展開もございます。沿線住民の皆様、さらには県外の方々にも、湖西線をもっと知っていただき、できれば好きになっていただき、湖西線の利用促進、沿線地域の活性化に繋げていければと考えているところでございます。報道機関各位の御取材等もいただければ幸いです。私からは以上です。

 

[びわ湖放送]

保護司の方が亡くなられた事件について、先週土曜日に逮捕されたのはその方が担当されていた保護観察中の男性だったということですが、この事件に対する受け止めをお願いできますでしょうか。

 

【知事】

まず、地域の様々な活動、経済関係でも大変人脈も広くお持ちであった新庄さん。保護司の活動も長年務めていらっしゃったという方が御自宅でお亡くなりになっていたということと、併せて、まだ関連、真相は全て定まっているわけではありませんが、新庄さんが担当されていた保護観察の対象者であった人物が殺害容疑の被疑者として逮捕された。こういったことの衝撃は非常に大きなものであります。事実だとすれば、こういった(保護)対象者がその対象期間中に保護司を殺めてしまったということにもなりますので、事実であるとすれば大変重いことだと思います。もう少し、その辺の真相解明を待った上で行うべきこともあると思いますが、まずはこういった動揺をできるだけ抑えられるように、現に保護司の皆さんが多大な御苦労、御配慮をいただきながら、更生保護、再犯防止のための活動を積み重ねていただいているということでございますので、国もこの機に全国50か所の保護観察所のヒアリングを行うということですし、本県では既に2021年に400名近くの保護司の方にアンケートを実施し、様々なお声を聞いています。また国の総務省でも2019年にアンケート調査が行われているということでございますので、もう一度こういった内容を紐解きながら、この機にどういうことをしなければいけないのかということも並行して考えていこうということを担当者と協議をしているところです。

 

[びわ湖放送]

自民党の大会の挨拶の中でも、既に様々な連絡をとりながらとおっしゃっていましたが、この事件が起こってから県として具体的に何か動かれたことというのはどういったことでしょうか。

 

【知事】

長く保護司をお務めであった方が亡くなったということですし、報道等で様々言われているようなことによる動揺等もありますので、そういったことをできるだけ影響を受けずに、更正保護・再犯防止の取組がきちんと行われる環境をつくるために法務省と連携を取って対応することでありますとか、あとは県内の関係機関、これまでも再犯防止の取組を様々な連携をしてつくってきましたので、こういった方々と連絡を取り合いながら、今日的な課題をどのように乗り越えていけばいいのかという相談を既に始めているところです。

 

[びわ湖放送]

県の再犯防止推進計画でも、保護司のなり手不足解消に向けた支援というのが入っているかと思うのですが、このような事件が起こってからでは、なかなか(保護司を)やってくれる人が見つからないという不安の声もあるかと思うのですが、その辺りはどのように取り組まれていくお考えでしょうか。

 

【知事】

全国でも4万6000人以上の方に保護司としての活動をしていただいておりますし、県内でも多くの保護司の皆様方が更生保護のために活動をしていただいております。ただ、今おっしゃったとおり高齢化であったり、なり手不足であったり、したがって定員への充足数がなかなか達成できないといったことがあります。県も協力しながら様々な啓発ですとか、支援ですとか、またその継承でありますとか、そういったことをさせていただいております。国でもなり手不足を克服するための検討会を立ち上げて、この10月には最終報告をして、必要な保護手法の改正を予定されているようでございますので、ぜひそういった動きの中にも、先ほど申し上げた滋賀県で行ったアンケート調査結果やいろいろと寄せられているお声を届けていけるようにしていこうと考えております。

 

[びわ湖放送]

先週、厚生労働省から昨年の合計特殊出生率が発表されました。全国的には1.20、滋賀は1.38と全国よりは高いものの、やはり減っているというところでこれについてどのように受け止めていらっしゃいますか。

 

【知事】

一つの事実、そして一つの状況、一つの傾向として重く受け止めたいと思います。以前も会見の中で申し上げたかもしれませんが、私の父は7人兄妹、母は5人姉弟、そして私は3人兄弟、私自身の子どもは3人ということで、やはり時代の流れとともに、生まれてくる子どもの数、産もうとする子どもの数というのは変わるということはあるでしょうし、それぞれ個々の判断によって、いろいろと変化するということもあると思いますが、3点の角度からアプローチをしようと今日の経営会議でも申し上げました。1点目は社会的なアプローチです。これはジェンダーギャップを解消するですとか、より包摂性と寛容性のある社会をつくるとか、そういったことが重要なのではないかということ。2点目は子どものときから親の世代を巻き込んだ対応の必要性です。これはプレコンセプションケアもそうですし、様々な夢と希望を描くような取組、やはり親の世代がどのような生活をしているのかということは、子ども世代はよく見ていると思いますので、これは大変重要ではないかなと思います。そして3点目は経済的なアプローチです。雇用、所得、そして医療や教育にかかる負担をどのように社会的に軽減していくのか。こういった3つの観点でまだまだできることがあるのではないかと思っています。ぜひ国もいろいろな法律を改正し、やろうとしていることがありますし、滋賀県も「子ども若者部」をつくって、「子ども・子ども・子ども」ということで、さらに取り組んでいこうとすることも形づくって、世の中に発信していければと思っています。

 

[産経新聞]

湖西線50周年についてお伺いしたいと思います。この場には県外出身者もきっと多いと思うので、改めて知事から湖西線に対する思いなどをお聞かせいただけないでしょうか。

 

【知事】

まず、京都から福井につながる琵琶湖の西側をずっと通る湖西線。しかもほぼ全線が高架で踏切がないという路線ですので、そういう意味で、極めて重要な滋賀県にとって不可欠な路線だと思います。多くの方々を運び、そして繋いできた。とはいえ、例えば御利用が減って、ダイヤ改正で減便となっているということや、構造的に地形的に風が強くて、風で止まってしまうということが沿線住民の皆様方の大きな悩みでもありますので、そういった課題をどのように克服していくのか。あとは全線高架であるがゆえのバリアフリー化ですね。これも高島市や大津市に御尽力いただいて、様々な対応を行っているところでございます。高架であるがゆえに車窓から見える景観も非常に他の線路にはない眺望だと思います。またそれぞれの地域に特有の文化や観光施設など四季折々ありますので、そういう課題を乗り越えて、可能性と魅力をより広げていけるような取組を、みんなで力を合わせて推進していきたいと思っております。ゆえに、今回ちょっと広め強いめに50周年の企画をやろうと、みんな巻き込んでやろうということで、企画をしていただいておりますので楽しみにしています。一過性のものに終わらせず、その後に続くような取組にしていきたいと思います。

 

[産経新聞]

小さい頃の湖西線の記憶はありますか。

 

【知事】

私小学校2年生のときに大津に引っ越してきました。もう既にそのときには湖西線は走っていました。「1時間に1本しかないから不便やな」と家族でよく言っていたことを覚えています。ただその後どんどんと便利になってきました。よく行ったところは、山科で乗り換えて、草津や彦根に例えばテニスの試合に行ったとか、そういうことは覚えていますね。なので湖西地域で育った私としても、非常になじみのある線路です。また駅名が変わりましたね。「叡山」と言っていたのが「比叡山坂本」になったり、「雄琴」が「おごと温泉」になったり、「西大津」だったのが「大津京」になったりなど、結構いろいろな時代とともに変えてきた歴史があると思います。トワイライトエクスプレスが走らなくなったのは寂しいなということだったり、SLが走るとどういうことになるのかなということなどは夢として、思い描いたりしています。

 

[京都新聞]

新庄さんが殺害された件で、まず知事は新庄さんと御面識があったのかということと、もし御面識があったのなら過去にやり取りされたことで覚えてらっしゃるようなことがもしあれば教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

直近はなかったのですが、私も更生保護の取組、再犯防止の取組はライフワークとして、また知事としても重要課題として据えておりましたので、例えば更生保護関係者の集いで、挨拶をさせていただく。また滋賀県が参加させていただいております更生保護事業関係者の顕彰式典で、令和3年度から知事感謝状というものをつくり、贈呈するようにしましたので、こういう場などで新庄さんとお会いしたことはあったと思います。ただ明確にこの場面でこうやって会ったということは、覚えていません。ただ、いろいろな機会に積極的に御参加していただいておりましたので、様々な関わりはあったと思います。

 

[京都新聞]

今後考えていくべきこととして、一つは保護観察中の方への差別、偏見というところをどう防いでいくかというところと、もう一つは保護司の方の安全をどう守っていくかというところが焦点になってくると思います。法務省等とも連携してというお話でしたが、知事が考えるこういったポイントを変えたり見直していくべきなど、着目すべきものがありましたらお願いいたします。

 

【知事】

まず事実真相の解明は待ちたいと思います。それに基づく対応というのが大前提です。ただ、その以前から再犯防止の取組にかかる保護司の皆様の活動、御負担ということについては我々もアンケートをとり、様々な課題を共有しているところです。例えば、より長期でこの保護観察期間中だけでは、なかなか更生は確信できないな、不安だな、もう少し長期で見守るにはどうしたらいいのかなということとか、更生保護関係者だけでは不安なので、医療や福祉とかそういった方々、ですから県だけではなくて、そういう更生保護団体だけではなくて、実際に身近に住んでいる市町の寄り添いというのはどのようにつくっていったらいいのかということや、御自宅で面会をされる方々はそれぞれ個々に丁寧に向き合うという必要性から、そのようになさっていることも多いのではないかと推察いたしますが、そういったことによる不安や負担をどのように軽減してあげるのか。あと御高齢の方が若い世代を対応させることが多いので、ジェネレーションギャップで話が合わないということをより若い世代の参画を得てどのようにフォローしていくのか、性犯罪や薬物の関係だと、やはり常習性とかがなかなか抜けきれないので、医療的なケアとの連携などこういった事々などは、すいません、今わかる範囲で申し上げておりますが、かねてから課題だと言われておりますので、そういったことも今報道でも取り沙汰されておりますので、ぜひそういったことが改善に結びつくよう努めていければと思います。

 

[京都新聞]

経団連のトップが選択的夫婦別姓については一刻も早く国会で改正案を提出して取り組んでほしいというメッセージを出されました。知事は以前の知事選のアンケートでは、選択的夫婦別姓には賛成の立場で御意見をされていたように記憶していますが、先ほど少子化の中でジェンダーギャップというお話もありました。改めて選択的夫婦別姓について知事のお考え聞かせいただけますでしょうか。

 

【知事】

私は賛成の立場です。こういったそれぞれそういったことが叶わないがゆえに悩まれているビジネス界、経済界の皆様方の声を代弁する形で、今の制度は女性活躍を阻害するという形で強く法改正の必要性を政治的にも行政的にも影響力をお持ちの経済界のトップの方がおっしゃるということのインパクトは小さくないと思います。したがってこういったことを受けた具体的な動きを期待したいと思います。

 

[京都新聞]

知事御自身はどういった観点から選択的夫婦別姓の必要性を感じていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

それぞれの方の御判断はあると思いますが、自分の持っている姓を大切にして、結婚後も家庭を持った後も使い続けたい、この姓を名乗りたいといったことが可能になることというのは、これはその多くを結婚後、パートナーの男性の姓に変えてきた女性、そのことを強いられてきた女性が多いということであるとするならば、そういったハードルを下げることにも繋がるのではないかと思います。

 

[日本経済新聞]

米原駅東口の開発について、なぜ25年もの時間がかかったのか、またこのタイミングでこのグループが決まった理由はあるのでしょうか。

 

【知事】

国鉄改革時より、この土地をどう譲受け利用していくのか議論がありましたので、30年近く経過しています。唯一の新幹線停車駅の駅前の土地がこうして活用されないまま残ってしまっているというのはもったいない話だと思います。したがって、私も知事になるときから、米原駅の徹底活用とあわせて、東口の活用といったものをテーマに掲げて動いてきました。しかし、この間、例えばいろいろなプロジェクトが起ころうとしましたけれども、土壌汚染や地下工作物があるということもありました。一部は活用され研究所等になっていますが、大きな土地がまだ残っている状況でした。今回、県と市が一体で、そして様々な条件等をどうやって乗り越えていくのかということを一緒に考えていこうと、こういうプロポーザルを求めたところ参画事業者が現れたのではないかと思います。今回で終わりではなくて、むしろこのプロジェクトを成就するためにまだまだやらなければならないことがあると思いますので、しっかり進めていければと思います。

 

[日本経済新聞]

プロポーザルの段階で「米原イノベーション・ビレッジ」というコンセプトを出し、これに合う事業者を優先交渉権者にしようとされていたのでしょうか。

 

【知事】

具体的に、どのような内容をどのように提示していたのかというところまでは詳細に把握をしておりませんが、新幹線停車駅の駅前ですので、また例えば市役所が移転し駅と直結する場所、周辺に企業やいろいろな機関の研究施設がある場所、そして県の工業技術センターを移転してくる場所ですので、「イノベーション」というところにはより適した場所になりつつあるということは情報共有をしておりました。

 

[日本経済新聞]

おそらくグループの中で中心になるのは湖北工業だと思います。世界的に優れた光ファイバーの技術を持っている会社でワールドニッチというのですが、ここが中心になりおそらくRMDの施設をつくり、隣に県の工業技術センターをつくり、官民で地域一体となり技術開発やっていくということですが、少し足りないと思います。例えば、今技術開発で必ず必要なのはデータセンターであったり、あるいは既存企業ばかりですが技術を持っているスタートアップ企業をどう組み込むのか。昨日、知事はロボットベンチャーを見ているときに盛んに「実証フィールドを提供する」という言い方をされていて、スタートアップに対する秋波かなという気もしたのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

 

【知事】

イノベーション、オープンイノベーションというものの中には、当然スタートアップは視野に入っていると思いますし、そういった方々がより興味を持ち、集う場所づくりというのも「イノベーション・ビレッジ」の中に入ってくるものです。まだ具体的にはこれからのところもあると思われますが、そのあたりは関係機関と連携しながら、そのことが叶う取組を進めていければと思います。そのためにも、新幹線で繋がっていることで、東京圏、名古屋圏、近畿圏へのアクセスがしやすくなっているということも大いに生かしていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

これから拡張するとおっしゃられましたが、そのための土地は今回の開発地以外に、他にもあるのでしょうか。

 

【知事】

今回、産業立地ということで、県が市町とともに開発をしようとしているという選定プロセスもあり、当座、2か所のうち1か所は北部で探そうということを考えております。必ずしも今のスタートアップ、今のビジネスは全部がその場所になくても、いろいろなつながりの中でデータ通信などを活用しながらビジネスが展開できるということもありますので、そういったことも思考したイノベーションを起こしていけるのではないかと思います。

 

[日本経済新聞]

市役所が駅に移転し、もしかしたらコンパクトシティを指向しているという感じがしたのですが、今回も米原駅を中心としたコンパクトシティというものは知事の頭にあるのでしょうか。

 

【知事】

駅を中心としたまちづくりというのは常に私の頭の中にありますし、現に県が策定している都市計画基本方針の中でも、拠点をつくり、その拠点等を公共交通、道路等でしっかりと結び付けていくという拠点連携型の方針のもとに、市町とともにまちづくりをしております。新幹線が停車し、近江鉄道や北陸線、東海道線ともリンクしているので、好適地の1つだと思います。

 

[日本経済新聞]

今おっしゃったように、米原駅はいろいろな線が乗り入れて関係する鉄道会社も多いのですが、例えばもっと新幹線、JR琵琶湖線、JR北陸線が停車し発展するとなれば、便数を増やすということになるかもしれません。こういったことをJRあるいは近江鉄道と話し合うにあたり、1ついい材料になると思うのですが、知事の中でJR各社等と話していくといった用意はありますでしょうか。

 

【知事】

JR東海、JR西日本、また公共交通を担う事業者の皆様方とお話する際にも、こういったまちづくりのこと、駅前開発のことは重要な材料になると思いますので、大いに生かしていきたいと思います。

 

[中日新聞]

先週の国への要望活動の中で、世界湖沼デーの制定についてもお話をされたというふうにお伺いしております。どのようなことをお伝えされたのかということと、それに対する国の反応や、今後の動きに繋がりそうなことがあったかについてお聞かせください。

 

【知事】

既に御案内しておりますが、世界湖沼デーの制定について上川外務大臣に直接提案、要望をさせていただきました。先般、私も参加いたしましたインドネシア・バリでの第10回世界水フォーラムで、閣僚宣言の中に、国連プロセスで今後世界湖沼デーの制定を目指していく旨の記載がなされたことを受けて、国連総会における世界湖沼デーの提案、その決議の実現ということを主たる役割を担われる外務大臣にお話をさせていただきました。上川大臣は上川陽子衆議院議員として、大変水問題に御関心、御造詣も深く、この場で伺ったのですが、2003年に滋賀県、京都府、大阪府と一緒に開催した第3回世界水フォーラムにも御参加された経験をお持ちであったり、水循環基本法の制定にも関わられたり、一昨年、私も参加しました熊本でのアジア水サミットにも、別のお立場でしたけれども参加されていたということでございましたので、大変共感を持ってお聞きいただきました。しかし、外務省だけではなくて、我々も既にやっておりますが、国土交通省や環境省と連携した取組というのが必要との御指摘をいただきましたので、こういったことが相整うよう、我々もさらに努力をしていきたいというふうに申し上げたところでございます。

 

[中日]

今後どのように動いていくかというところに関して、まだ具体的なところまでは話はなかったということでしょうか。

 

【知事】

環境省、国交省と緊密に連携をとりながら国としての動きをつくっていく必要があるということでしたので、何かいつ、誰が、どうするというところまで、この場で言及していただけたわけではありません。

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