令和6年5月14日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日もどうぞよろしくお願いいたします。
まずブラジルで大変な水害が起こっているということでございます。滋賀県と姉妹提携を結んでおり、40年を超えるお付き合いのあるリオ・グランデ・ド・スール州内において、豪雨による災害が相次いで発生しているということでございます。お亡くなりになった方が日曜日までの時点で145人を超えていらっしゃるということでございます。水害の規模としてはブラジル史上最悪といわれる事態になっていると伺っており、大変心配しております。心からお見舞いを申し上げたいと存じます。私からエドュアルド・レイテ州知事宛てにお見舞いとお亡くなりになった方への哀悼の気持ちをお伝えするレターを、また1日も早い復興をお祈りするお見舞い状を送らせていただいたところでございます。また、この後話題に出てまいりますインドネシアにおきましても、スマトラ島西部で昨年12月、大規模な噴火が起こり、その影響でしょうか、最近の洪水によりまして、こちらも大きな水害が発生していると聞いております。昨日も少し多めの雨が降りましたけれども、出水期に入っていきますので、皆様方に注意を呼びかけてまいりたいと存じます。
さて嬉しいニュースといたしましては、プロバスケットボールのBリーグ、私達の滋賀レイクスが「GET BACK!」という1シーズンでのB1昇格を決められたということがございました。昨年の悔しい思いをみんなで共有してはね返して、1年で1部復帰を掴まれた。選手の頑張りはもとより、監督、GM、更には様々なブースターの、またスポンサーの応援あってのことだと思いますので、みんなのこの頑張りを称えたいと、心からお祝いを申し上げたいと存じます。私は11日の第1戦を観戦いたしましたし、12日は4600人を超えるという滋賀ダイハツアリーナ過去最多の観客数を記録されたということも聞きました。明後日は国スポ大会開催まで500日前という節目を迎えます。スポーツの力で人生を豊かに健やかに、そして街を元気にするという「健康しが」の取組を更に進めていきたいと思います。また滋賀レイクスについては、準決勝を見事に勝ち上がったということですので、いよいよ決勝で、こちらも相手チームとの兼ね合いでアウェイになるのかホームになるのかというところを、ホームの滋賀ダイハツアリーナになんと埼玉県の越谷アルファーズを迎えて、今週末プレーオフの決勝が行われるということでございます。「埼玉化計画」されないように、「翔んで埼玉」また来たかということで、来県は心から歓迎しつつも、勝負は埼玉に負けないようにみんなで熱く応援をしていきたいと思います。なお聞いていますと、B1からB2に落ちて観客を増加させたチームは滋賀レイクスが初めてということだそうでございますし、2部から1部に上がる時に、(降格の翌シーズンに)2部で優勝して上がるチームは今までなかったということでございますので、そういう意味で栄冠を一つ掴んだ上で、来年に繋げていきたいというふうに考えております。
明日から宮崎県で開催されます「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミット」に参加いたします。今回先達て、人口戦略会議で持続可能性分析レポートが更新され提出されました。その人口戦略会議の議長をお務めいただいております、日本製鉄株式会社名誉会長の三村氏も御来県され、基調講演をいただく予定にしておりまして、同盟には25府県の知事が加盟をしておりますが、うち17知事が当日参加できる見通しでございますので、限られた時間ですが、熱く討議できればと考えているところでございます。
それでは資料に基づきまして今日は1点皆様方にお知らせをいたします。来週5月18日から25日までの8日間、世界各国の水に関する関係者が一堂に集う世界最大級の水に関する国際会議「世界水フォーラム」がインドネシア・バリで行われます。5月21日に開かれるハイレベルパネルディスカッションでは、「私達の湖を守るための緊急要請」をテーマといたしまして、世界の水問題における多様なリーダーにより持続可能な湖沼管理と「世界湖沼デー」の制定に向けた議論がなされる予定ということでございまして、私も日本を代表して出席させていただく予定でございます。持続可能な湖沼管理の先進的な事例といたしまして、本県の琵琶湖の総合保全の経験や「マザーレイクゴールズ」の取組を紹介し、各国の関係者とともに、「世界湖沼デー」の制定に向けた賛同を呼びかけていければと考えております。またこの渡航に合わせて、インドネシア政府の大臣との面会も調整中でございまして、何回かお会いしたことはあるようでございますが、最新の知見や、それぞれの取組内容等を共有できればと考えております。今回の世界水フォーラムは「世界湖沼デー」制定に向けて、国際的に議論される重要な機会と聞いております。1984年、昭和59年に第1回世界湖沼会議を開催した、また開催された滋賀県として、「世界湖沼デー」制定の意義を力強く発信してまいりたいと思います、と同時に「世界湖沼デー」を定めて終わりではなく、趣旨に賛同される自治体やそれぞれ先進的に取り組む自治体とのネットワークをつくりまして、その後の保全活動、また市民・県民レベルの活動の活性化に取り組んでまいりたいと思います。滋賀県からは、他のセッションの日本パビリオンにおいてブース出展をしながら、様々な取組の発信をする予定です。また水に関する世界最大級の国際会議において、「マザーレイクゴールズ」や「びわ湖の日」「石けん運動」にはじまる、県民の方々の琵琶湖愛や水に対する良識を発信しながら、湖沼の重要性を改めて訴える機会にしていきたいと考えております。御取材される方や提供される資料に御興味、御関心のある方もいらっしゃると思いますので、この後、14時半から別の場所で説明会も開催される予定でございますので、御参加いただければと存じます。私からは以上でございます。
[朝日新聞]
世界水フォーラムについてお伺いしたいのですが、海外で開催される世界水フォーラムの知事の参加は初めてと資料に書いてあるのですが、これは全国の知事でも初めてなのか、今回改めて初めて御出席される狙いについてお伺いしたいです。
【知事】
私が、また滋賀県知事が世界水フォーラムに参加するのは初めてとなります。他の県の知事が過去の世界水フォーラムに参加したことがあるかどうかという確認は取れておりません。ただ2つ目に御質問にいただいた今回の意義というのは、この世界水フォーラムというのが、開催時点における最高レベルの知見や課題が共有される大変重要なフォーラム・会議だということを承知しております。いろいろなことが議論される場、また展示される場だと承知しておりますが、その中において、私共がかねてから提言しております「世界湖沼デー」、この湖沼の水という存在を世界的にも学術的にも認め、その保全のために様々な取組を結集し、レベルを上げていくべきだということが、日を定めて更に強化されるということはとても重要なことだと思いますので、その一歩に資する発表や展示、取組をこの場においても展開できればと思っています。日本国を代表して参加するということですので、その責任を自覚して、取り組んでまいりたいと思います。
[京都新聞]
世界水フォーラムの関係で「世界湖沼デー」は世界湖沼会議の方でも提言されて、また今回、世界水フォーラムの方でも提言されるということで、「世界湖沼デー」の制定までのステップはどのように進んでいくと見ていらっしゃるのでしょうか。
【知事】
私もどういうステップで「世界湖沼デー」が定められるのかというのは定かではありません。また事務的にも確認して、今後のプロセスはお伝えしたいと思います。
[京都新聞]
各場所を通じて、各国の理解を得ていくという取組が最終的な制定に繋がるだろうという思いで、今いろいろな所で発信されているということですか。
【知事】
そうですね。当日はILECやUNEPといった国連の環境に関連する機関も来られ、世界湖沼会議でも発信を既にしておりますので、一定、関係者の皆様方の理解は醸成されつつあると思うのですが、日を定めてまで取り組むことへの意義や、具体を定めるとしたらいつをその日にするのか、ということなどはとても大事なことだと思います。また、その後の活動にどう繋げていくのかということがとても重要だと思いますので、まずは日が定まり、そしてその後の活動に繋げられるように努めてまいります。
[京都新聞]
今日の午前中に法要もありました信楽の列車事故について、今年で33年が経ちました。去年の同時期くらいに知事が定例会見の中で、今年度から近江鉄道の上下分離に関連して、一般社団法人近江鉄道線管理機構を県も一員となって運営していかれる中で、法要の事前にSKR(信楽高原鐵道株式会社)やJR西日本が行っている慰霊碑の清掃等に参加したい、県職員を参加させたいというようなことをおっしゃっていたと思います。先日、実際にSKR(信楽高原鐵道株式会社)やJR西日本が清掃活動を実施しましたが、県職員や管理機構の方の参加状況というのはどのようなものだったのでしょうか。
【知事】
確かに昨年の追悼慰霊に近い頃の会見で、私は今お尋ねいただいたようなことを申し上げましたが、今年の行事やその前の清掃活動等に県の職員や近江鉄道管理機構の関係者が参加することは叶いませんでした。まだ今年度は調整がつかなかったということだそうでございます。ただ、今日の信楽高原鐵道株式会社の正木社長の追悼のお言葉の中にも、この4月には、信楽高原鐵道と繋がっている近江鉄道が新たなスキームで再スタートした。したがって安全文化をさらにみんなと共有していきたい旨の言葉もございましたので、今後どのような形で運営していくのかということについては、引き続き模索、調整してまいりたいと思います。
[京都新聞]
何らかの形で今年も参加や出席したいという意図のもとに調整されたが、今年度は実現しなかったということでしょうか。
【知事】
去年の会見等で知事がこうして述べていますので、何らかの調整や検討が行われたと承知しておりますし、そう信じたいところでございますが、今年度は叶わなかった。ただ、いずれにしろこの安全文化を風化させずに継承していくということがとても大事なことだと思いますので、それをどのような形で、どのような行事に参画することで行っていけるのかということについては、みんなでよく考えてつくっていければと思います。
[京都新聞]
先日あった優生保護法下の強制不妊手術を巡る公文書に関する控訴審の大阪高裁での判決で、一審に続いて生活歴や病歴などの開示が命じられました。当日もコメントを出していただいていたと思うのですが、改めて判決のお受け止めと、県として今後の上告等の方針が現時点で何かありましたらお願いいたします。
【知事】
今お尋ねいただいた判決は、ほぼ一審同様の判決だったと承知をしております。そういう意味で県の主張が認められなかったということですので、残念に思いますが、判決文を精査、また咀嚼しながら、今後の対応は考えていきたいと思います。県は個人が特定される可能性のある情報については、秘匿させていただくということが大事なのではないかと思っておりますが、これまでの判決では司法の判断と県の考え方に違いがあるということでございます。そこを受けて今後どうするかというのはよく考えていきたいと思います。
[京都新聞]
現時点では上告されるかどうかというところは、まだ今後の対応を検討中だということですか。
【知事】
まだ決められておりません。
[中日新聞]
世界水フォーラムについてなんですが、「世界湖沼デー」について提案されるということで、改めてどういった日になされたいか、その日を制定することの意味や、どのような日取りを考えているのかという今の時点でのアイデアを教えていただければと思います。
【知事】
まず私達は県の真ん中に日本一大きな湖をお預かりしていまして、満々と水を湛え、またフレッシュウォーターを生活にも産業にも、また農業等にも使わせていただくという環境を、当たり前のように日々享受していますけれども、世界的に見れば、また将来を考えれば、必ずしもこれらはいつもどこでも永遠にというものではないのかも知れません。そういう意味で、この湖沼が湛える水の重要性、そしてその湖沼を管理することの大切さ、こういうものを私達が歩んできた歴史も紐解きながら共有する、また最新の技術・知見等を共有することは人類にとても重要ですし、地球にとっても大事なことではないかと思います。また、どういう日が対象になるのかというのは、まだそれぞれ事務レベルでの御提案とか調整が整っていないのかもしれませんが、私達は「びわ湖の日」というのを7月1日に定めておりますし、世界湖沼会議の第1回が滋賀県で行われたのは1984年の8月27日ということでございますので、こういう日などが決まってくれば、滋賀県ゆかりの日としてより馴染みを持って参加できることに繋がると思っておりますが、なおこの決定というのは待ちたいと思います。ただ、いずれの日になったとしても定められれば、改めてその日を中心に、その日を起点にして、様々な行事、フォーラム、啓発イベントなども行われるでしょうし、ぜひ次世代に繋げていくような活動をつくっていければと思っております。当日のスピーチでは、「うみのこ」について御紹介するようなことも予定しておりますので、ぜひそのあたりは「グッド・アンセスター」、よき祖先になろうというメッセージとともにお伝えできればと思います。
[中日新聞]
そういった湖沼の重要性というのを改めて世界中みんなで考える日にするという趣旨ですか。
【知事】
そうです。
[中日新聞]
高専の入札について前回発表いただきましたが、入札手続きを中止したということを聞いております。その時点では、対応や再公告の予定は今後検討して決めていくと聞いているのですが、今後の予定と、この入札手続きが中止になったことの受け止めをお願いします。
【知事】
すでに皆様方にお伝えしておりますが、5月9日に締切りを迎える予定であった高等専門学校の整備事業(の入札)、これは公立大学法人滋賀県立大学がPFI事業として実施されるものでございますが、全ての事業者グループから辞退届が提出されたということで、残念ながら入札手続きを中止せざるを得ない状況になったと聞いております。このことが整わなかったことはとても残念に思います。どういうことが理由だったのかということを調べ、そして今後の対応を考えていくということになります。今、一部聞いておりますところ、予定する価格と事業者の皆様が試算される価格、すなわち事業費に大きな乖離があったということですので、この点はとても重要なことになってこようかと思います。私達としてすれば、令和10年、2028年4月開校、今の6年生がその対象になってくるというところはぜひ守れるように対応していきたいと考えておりますので、そのためにはどういうことをすべきなのか考えていきたいと思います。市況というものは人件費、資材費が増加する一方ですし、今後待てばさらに上がるのか下がるのかというと、今伺っている見通しはさらに上がるのではないかということですとか、働き方改革、物流の問題とか、やはり時間をきちんと確保しながら工事を進めていくということも重要だと聞いておりますので、そのようなことを最新のデータなども加味しながら、今後の対応方針を決めてまいりたいと存じます。
[中日新聞]
令和10年ということで、まだ先のように見えて、建設等全ていろいろ考えると意外とあっという間に来るのではないかというところもあると思います。こういった高専の事業は理系人材の確保というところも相まって重要な政策だと思うのですが、改めて例えば再公告をいつまでにやりたいだとか、何かスケジュール的なところの目標があればお願いします。
【知事】
まず、令和10年、2028年4月の開校を目指した取組というのは大事にしたいと思います。そのために、当座、この入札手続き中止を受けて何をするのかということについては、今しばし時間をいただいて検討させていただきたいと思います。しかし、日本のものづくりを牽引する存在である滋賀県において、高度なものづくり人材を後世において養成していくということについては、熱い期待をいただいているところでありますし、その高専の設置によって、企業や大学等とのイノベーションを起こしていくことや、そのことをきっかけとして、理系や様々な分野に関心を持つ人材を広く育てていくということも大事だと思いますので、ぜひその志や夢は実現できるように前に進んでいきたいと思います。
[日本経済新聞]
令和10年4月という開校予定は大事にしたいとおっしゃいましたが、実際のところ今回の入札中止が、開校予定に影響する可能性はありますでしょうか。
【知事】
全くゼロとは言えないと思います。元々想定していたスケジュールよりも遅れていく、時間をいただくことになります。しかし、まだまだ開校時期を遵守した形でやれることはあると思いますので、そこを追求していきたいと思います。
[日本経済新聞]
影響する可能性はあるが、現状で令和10年4月開校という予定は変えないということでしょうか。
【知事】
はい。変えずに進めていきたいと思います。
[日本経済新聞]
北陸新幹線の敦賀以西の話ですが、いろいろなマスコミ、例えば北國新聞社やフジテレビはどちらかというと専門家の話を前面に持ってきて、やはり現実的なものは米原ルートではないかと言われています。しかし、JR西日本の採算の問題等があり難しいのではないかとのことですが、決まって最後には、滋賀県がどう出るかというふうに言われることが多いです。その後、やはり米原のほうが良いのではといったアプローチがどこかから来るといった状況はありますでしょうか。
【知事】
それぞれの方が、いろいろな思いを持って言われることはあると思います。しかし、私は累次にわたりこの会見でも強調しておりますように、敦賀以西のルートにつきましては、できるだけ早く小浜から京都、大阪に通していくということが重要だと思います。敦賀から一番近い米原に繋げればいいのではないかということは、敦賀以西を決める際に、強く滋賀県が主張してきました。関西広域連合での過去の議論と決定に基づいて申し上げてきましたが、そのことも踏まえて比べ、京都大阪ルートというのを政治的に決めてきたということがありますので、その決定に沿って、早く着工できる条件を整えていくということが重要だと思います。しかし、北陸新幹線が大阪まで繋がることが決まってきたその先には、中京と北陸、ひいては山陰にもなるのかもしれませんが、どのように繋いでいくのか、ネットワークを作っていくのかという可能性はあると思いますので、そこをみんなで議論して決めていけたらいいなと思います。
[NHK]
水フォーラムですが、改めて琵琶湖含め、湖沼の大切さと水の大切さをお伝えいただければと思います。
【知事】
琵琶湖をはじめとする湖沼に湛えられる水、これは私達人類の生命、活動にとっても大切ですし、あらゆる生き物の生態系にとってもとても重要なものだと思います。また、今、私達がその恩恵を享受していますが、未来の人類をはじめとする生き物にとっても大切なものをお預かりしている、こういう大切なものでございますので、その価値、意味をきちんと検証し、共有し、またそのことが可能になる具体的な取組をつくっていく、続けていく、広げていくことが重要なものではないかと思います。必ずしも、この水が綺麗な状態で豊富にいつもあるというとそうではなく、地域の状況もあるのかもしれませんので、そういったことを乗り越えていくための知見や経験を共有していきたいと思います。滋賀県は、琵琶湖は、その経験、技術も一定ございますので、そういったものを発信して行ければと思います。
[NHK]
フォーラムにおいて、先程おっしゃっていただいた「世界湖沼デー」について皆様に呼びかけていくということと同時に、これ以外で、このフォーラムにおいて知事から発言されるような内容というのはあるのでしょうか。
【知事】
当日発言する内容はまだ最終調整検討中のところもございますが、例えば高度成長期に赤潮が度々発生し、みんなでその浄化また富栄養化防止に取り組んできた「石けん運動」で代表されることなどは御紹介したいと思います。また、そういうものを乗り越えて、世界湖沼会議の1回目は滋賀県でしたが第19回まで続いてきたということや、おかげさまで琵琶湖の水は綺麗になってきましたが、なお残る課題克服のためにマザーレイクゴールズというものをみんなで議論し決めて、今具体の取組を進めていること、またうみのこ、フローティングスクールで60万人を超える子どもたちが環境学習を積み重ねてきたことが、琵琶湖、また水に対する様々な良識、寛容に繋がっていることなどは御紹介したいと思います。
[びわ湖放送]
大阪・関西万博の無料招待の件についてですが、県が実施した調査で小中高の65%は予定しているという話でしたが、残り35%は予定していないということで、まずこの件についての知事の受け止めを教えていただけますでしょうか。
【知事】
どのような前提を置いて万博に行かれることを予定されているのかということにもよると思います。いろいろな行事、都合もあると思われます。また、県の招待プログラムをこれからより具体的に詳細を詰めて、皆様方と共有することになりますので、そういうものができるだけ早くお届けできるように、そしてできるだけ現場に無理のない良い形で御参加いただけるように整えて検討に資してまいりたい、準備できるように、準備していただけるようにしていきたいと思います。子ども若者たちにとって、世界のこと、新しいもの、未来のことを知れるというのは夢の涵養に向けても、重要な機会になるのではないかと思いますので、大事につくっていきたいと思います。
[びわ湖放送]
レイクスの件ですが、2シーズン先にBリーグ・プレミア参入になりますが、3つの状況をクリアしなければいけない中で、アリーナ問題については県の施設の滋賀ダイハツアリーナを改修するのか、もしくは新しいアリーナを建設するという話になってると思うのですが、今現在、レイクスサイドからも何か申し入れはありますでしょうか。
【知事】
正式にアリーナをどうするのか、新たにつくるのか、改修するのかということについての正式な申し入れという形では、私のところにまでは届いておりません。しかし、そういった条件をクリアするためにどういうことをしなければならないのか、またどういうことを相互に考えているのかというやり取りは、実務レベルでも私達も何度も行っておりますので、その課題と可能性は共有しております。現時点で何かこうしますとか、この予定ですということで明確に決まって御紹介できるものはございません。来年、国スポ・障スポや万博もあって、そしてBリーグでレイクスがこのような多くの方を感動に導くような活躍をされているというのはとても心強く思っています。また、バスケットボール以外にも、プロスポーツチームの可能性、見ることや支えることの楽しさも以前よりも広がってきていると思いますので、国スポ・障スポの1つのレガシーとしてどういうものをつくっていけるのかというのは、前向きに考えていきたいと思います。
[関西テレビ]
ギャンブル依存症対策についてお伺いします。ボートレースびわこでそれに関する情報収集をされているようですが、なぜこのような対策に乗り出そうと思ったのかというのをお聞かせください。
【知事】
滋賀県は、日本国内に24あるボートレース場のうち、都道府県が主催する唯一のボートレース場として事業運営させていただいております。多くの方がこの公営競技をお楽しみいただいて、最近ではインターネット投票なども功を奏し、大変多くの収入をいただいている、財政貢献をしていただいているということがございます。この事業は、これで大事に営んでいくこととしたいと思うのですが、同時に、高収入を公共がいただいてるということは多くの投入されるお金もあるのではないか、その陰に、例えばギャンブルに依存されている方の存在というものがあるのかもしれません。したがって、いただいたこの収入を財政貢献させていただくことの一部として、何かギャンブル依存症を出さないような、もしくはなった方が治療していけるようなそういう取組を研究しようということで、県の精神医療のチーム、また滋賀医科大学などと連携をして、この研究事業をつくろうということで今年度から始めることといたしました。大リーグなどでも今大きく騒がれているところがございますし、むしろ顕在化していないギャンブル依存症の方々も大勢いらっしゃるかもしれませんので、どういう状態でなっているのか、何をすればそういうものを生まずに過ごしていけるのかということについては、県としても不断に考えていきたいと思います。
[関西テレビ]
対策を始めようと思われたことについて、タイミング的に何かきっかけのようなものはあったのでしょうか。
【知事】
これは、数年前から議論して検討してきた経過があります。ボートレース場の収入が好調であるが、この好調の陰には多くの方が賭けていただき、そして十分その勝ち金を得られていない状況があることで県に収入があるのだろうということから、依存症やそれによる生活破綻等が起こっていないのかということを懸念、問題視していたということでありますので、こういうことを生まない対策というのも同時に、県としてやっていく責任があるのではないかと思います。
[関西テレビ]
何年も前から考えられていたということでしょうか。
【知事】
数年前から、(知事が)3期目になる前から考えていました。
[関西テレビ]
最後に、この対策が最終的にどのような形になればいいなということはありますでしょうか。
【知事】
まずは、現状どうなっているのかということを学術的にも、また現場の皆様とも共有をいたしまして、どれぐらいの年代の方が、どれぐらいの掛け金で、どれぐらいの収入を得られているのか、得られていないのか、このことは一度確かめる必要があるでしょうし、私も前を通るたびに見ますと、ボートレース場にも多くの来場者がいらっしゃいます。あわせて、昨今はインターネット投票も大変多くの方がお楽しみいただいているということですので、そういうことの割合も見た上で、生活破綻や依存というものがどの程度見られるのか見られないのかということなども、研究していきたいと思います。何年でどこまでというところまでといったものを明確に持ち合わせてないのですが、まず研究を始め、状況を見た上で今後の方向性を探っていきたいと思います。
[滋賀報知新聞]
県庁本館が今週5月16日で竣工から85年を迎え、2014年の国の有形文化財に登録されてから、今年で10年目の節目にもなります。改めてこの文化財にもなっている県庁本館について知事の思いを伺ってもいいでしょうか。
【知事】
私が知事になった年に文化財に指定され、正面玄関の入ったところで厳粛かつ盛大なセレモニーをやったことを覚えています。日々この県庁を使わせていただいていて、とても重厚で趣のあるこの建物で公務に勤しめることは大事にしたい、また県民の方に親しんでいただいていることを誇りにしたいと思います。したがって、大切にしていきたいというのがまず一つ目。ただ同時に少し古くなったり、手狭になったり、このプレスルームも一部綺麗にさせていただいて、皆さんの会見環境を改善させていただいたこともございますが、例えばトイレの問題ですとか、執務環境ですとか、ここと繋がる新館との環境をどうしていくのか。また、能登半島のような地震が起こったときに、災害に対応する職員が執務する環境として持続可能な状況なのかという再点検を今やっているところですので、文化財の趣は大事にしながらも、県庁の建物のあり方というのは、もう少し補強する必要もあるのではないかと考えています。
[滋賀報知新聞]
国スポ・障スポのレガシーをどうしていこうかという会議が動き出していますが、具体的にこういうものが残せればという知事の今の考えがあれば教えてください。
【知事】
レガシーの本部も立ち上げましたので、部局横断でまた関係者も多くいらっしゃいますので、みんなでこんなことができるんじゃないか、こんなことが必要なんじゃないかということで考えていけたらいいなと思います。ただ先ほども一部申し上げましたが、前回の国体のときにはなかったプロスポーツチームというのは大いに振興の可能性としてあると思いますし、「健康しが」を標榜しているわけですから、健康づくりの取組をどのようにしていくのか。また平和なくして命なくしてスポーツなしということであれば、平和や命というものに対してどのような取組ができるのかとかですね。あと次世代ということで言えば、部活動や子どもたちがスポーツに親しむ環境もあろうかと思いますので、まずは来年の万博や大会を盛り上げ、しっかりと行うということとあわせて、レガシーづくりに今年度から取り組んでいくということにしたいと思います。
[読売新聞]
県立高専についてですが、今回の入札の予定価格110億円が事業者の試算と大きな乖離があったということですが、考えられる対応としては予定価格を大きく引き上げるか、整備内容そのものを見直すかのどちらかになろうかと思います。現状の知事のお考えとして、予定価格110億円という規模で行うということは実質難しくなったという受け止めということでよろしいでしょうか。
【知事】
県立大学が県と一緒に示したスキームというものが価格的にも整わなかったということだとすれば、その中身、なぜ整わなかったのか、どこに乖離があったのかというのはもう少しよく見たいと思います。さらにスキームを改善することで、何かそれらを埋めることができるのか。またスペック・仕様というものを見直すことで、埋める部分がどこにあるか、ただそのスペックの見直しというのは、こんな高専にしたいという私達が持っている構想との兼ね合いもありますので、そういうものをどう考えるのかといったようなことを詰めた上で、次のチャレンジを開校時期を遅らせずに建設着工、また認可を受けられるスケジュールに乗せていきたいと思います。
[読売新聞]
開校時期はもう動かせないというお考えは伝わりましたが、現状の提案ではなかなか難しいという結論が事業者側からは示されたわけなので、可能性として予定価格、事業費の増額も含めて対応を検討なさるということでしょうか。
【知事】
それは今おっしゃった事業費の増額も含めて対応・検討しなければならないと思います。
[読売新聞]
大きく乖離しているということは、大きく増額せざるを得ないということは十分あり得るということでしょうか。
【知事】
その可能性は否定はしません。ただ、どこを見直せば事業費が抑えられるのかということも併せて考えたいと思います。
[京都新聞]
まもなく、国スポ・障スポ大会の開会式まで500日前ということですが、意気込みや現状の準備の状況に対する認識や課題について教えてもらえますか。
【知事】
国スポ・障スポまで明後日で500日前ということになります。来年の9月28日開会式いうことでございますので。1年前、まずは機運の醸成、みんなで盛り上げるということが大事ですので、この500日前という節目も大切に生かしていきたいと思います。そして開催の準備、これは競技の運営もそうです。これはリハーサル大会を今年度ずっとやっていきますのでそこで確認をする。また会場・設備、こういったものはこの夏プールも草津市において完成しますし、その他の施設も大いに御活用いただいておりますので、本番を迎えるにあたって問題ないかバリアフリーのことも含めて点検をし、また改善をしていきたいというふうに思います。あとは開閉会式など実際の運営がどのように行われるのかという詰めをすることとあわせて、移動とか、宿泊とか、こういうものを万博と同じ時期、万博の終盤ですけど開催させていただくということでいろんな課題があると聞いております。これらを乗り越えるための努力をしていきたいというふうに思います。あとは今年は佐賀大会、来年が滋賀大会、競技力を向上させて、来年の天皇杯獲得に向けたステップアップをしていく時期になりますので、そろそろ予選も始まってくるのかな、着実に勝っていけるよう、成績が残せるよう、みんなで力を併せて頑張っていきたいと思います。ただ、いずれにしろ半世紀に一度のビッグイベントですし、健康やまちづくり、今後の滋賀づくりにとってとても重要なイベントになると思いますので、このチャンスを生かしていきたいと思います。
[朝日新聞]
県のいじめ再調査委員会から私立学校のいじめについての調査報告書が提出されましたが、その中で県の課題として早くからもっと強く指導・助言を行っていく必要があったと指摘がされています。また提言として当該校の検証を県と一緒に連携して取り組んでいくことを提言されていますが、具体的に何か考えておられることはありますでしょうか。
【知事】
春日井委員長を始めとするいじめ再調査委員会の皆様方からの調査結果を答申として、先月4月30日賜りました。これは大変重要な御指摘をいただいたと思っております。今県庁内においても調査報告書を受けてどのような対応すべきなのかということを検討させています。大きく報告書の内容に基づいて3点あると思っていまして、1つは当該校においての早期そして初期の対応です。ここの不十分さが指摘されておりますので、教師の皆さんの研修の体制ですとか、事例検討などを行えるようにするということです。先生だけじゃなくて、リーダー層を含めて体制を構築する。2つ目は、県の体制・対応についても指摘をされました。これも事前に(県の対応について)何か問題があるかどうか検証してほしいということを私から申し上げていました。ここに対しても、もっと早く問題と捉えて対応すべきだったとか、そもそも記録の作成が不十分だったとか、結構初歩的なことも含めて指摘されておりますので、改めて咀嚼しながら県の職員の感度を高め、体制を強化するため、例えば研修ですとかマニュアルづくり、こういったものを教育委員会とも連携しながら、公私の別なく行っていきたいと思います。この点については私が会長を務めておりますいじめ問題対策連絡協議会というのがあり、毎年秋に会議を持っているようですけれども、少し(開催の時期を)早め、今回のことを受けてどのような対応をとっていくべきなのかということを共有しようじゃないかということを指示いたしました。最後3つ目は、他の私立学校に対しても連合会がございますので、こちらに今回の調査報告書を共有いたしまして、同様の悩みを持たれるようなこともあると思いますので、起こった場合に早期組織的な対応がとれるように連携をしていきたいと思います。そのための投げかけを当方からさせていただきたいと思います。
[朝日新聞]
全国で首長部局がいじめの調査や対策に乗り出す自治体が増えていますが、こども家庭庁が昨年度から全国の8自治体をモデルにし、首長部局にいじめがあった場合の相談窓口を設置するという取組などを始めています。滋賀県でも今年度子ども若者部が立ち上がりましたが、具体的に何かそういったいじめに特化した窓口を設けたりなど対策を強化していくというお考えはありますか。
【知事】
滋賀県においては悲しい事件が起こった後、法律が制定され、その法制定後県としても速やかに、先ほど申し上げた私が会長を務めるいじめ問題対策連絡協議会などで、この事例の対応、強化していくための検討協議をしてきましたので、この枠組みは、まさに知事がリーダーシップをとりながら、関与しながらやるということですので、これはさらに続けていきたいと思います。ただ、形式上そうやったとしても、担当が変わり、そしていざ投げ向けられたときに早期に対応できてないとか、あとは記録が不十分だとか、担当レベルでもそのことが徹底されるようにするということが大事だということを改めて今回指摘されたと思いますので、そのことがきちんとなるように改めて組織に徹底させていきたいと思うし、そのことを絶えずフォローチェックしていくというのも大事だと思いました。学校ともやり取りをしながら、どういうことができている、できていないということを確認し合うことが重要だということも指摘されておりますので、そういったことが具体に整えられるように努めていきたいと思います。