令和6年4月23日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。週末の20日21日と富山県氷見市で開催されたサイクリングイベント「富山湾岸サイクリング」。第10回を迎えたということで、ナショナルサイクルルートに指定されているコース同士、様々な交流、切磋琢磨をしようということで参加をさせていただきました。21日には富山県新田知事と氷見市の林市長とコースを一部出走させていただいたということがございました。
「ビワイチ」の体験者数、昨年令和5年、過去最高となる12万8000人を記録したということでございます。「低速走行」「高速走行」また「ビワイチ・プラス」、初心者も含めて多くの方々にお楽しみいただけるコースづくり、サイクリストに優しい宿、サポートステーションなど様々なおもてなし環境を整えることも含めてですね、さらに広げていきたいと思っております。
また話題が変わりますが、琵琶湖博物館のシンボルともいえるトンネル水槽が本日から再開ということになりました。いろいろとご心配おかけいたしましたがその復旧にあたりましては、クラウドファンディングを始め、多くの方々に御支援を賜りました。心から厚く御礼申し上げます。このトンネル水槽は琵琶湖の広大な沖合をイメージした水槽ということで、今回配管スペースの一部を撤去することでより沖合の、私も入ったことありませんけれども、沖合の様子というものが再現できているということでございます。湖と人間のより良い共存関係を体感していただける場として、これからも有効に活用していきたいと思います。なお、ビワコオオナマズの水槽につきましては、今しばし時間をいただくこととなります。
もう1つは、大変人気を博しております近江八幡市のたねやさんのラ コリーナ近江八幡。こちらの前の県道大津守山近江八幡線に、新しいバス停留所が完成するということで、明後日竣工式に参加をさせていただく予定となっております。これは@たねやグループ」さんが建設されたものでございます。デザインはラ コリーナを設計された建築家・建築史家の藤森照信先生のお手によるものでございまして、昨年11月にたねや様と滋賀県との間で締結した建築物木材利用促進協定に基づいて、県産木材が活用されているということでございます。多くの来店者の皆さんが車で来られるということもあるようですけれども、公共交通、バスを使って来ていただくこと、またお待ちいただくことが楽しみになるようなそういう取組の一助になると思いますので、こういった展開をさらに広げていきたいなと思っております。
なお、先ほど開催された今年度第1回目となる子ども推進本部。こちらは新たに子ども若者部を庁内の司令塔として設置をいたしました。部長等も変わりましたので、その決意の一端を皆様方に御披瀝いただくとともに「子どものために、子どもとともにつくる県政」をさらに広げていく、進めていくための取組などを今後充実させていきたいと思います。毎年5月を「こどもまんなか児童福祉月間」と定め、様々な取組を実施するということでございますので、その一環として資料にも配っておりますが5月5日こどもの日、18歳未満の子どもと同伴の保護者を対象に記載の県内5施設無料開放をさせていただく予定でございます。是非様々な活用をしていただければと思います。
それでは私からちょっと前置きが長くなりましたが、資料に基づきまして1点御紹介いたします。生物多様性について、昨年度、「生物多様性しが戦略2024」を策定いたしました。地域団体、企業、県民の方々など、多様な主体の皆様と連携しながら取組を進めるということとしております。この度、民間において進められております生物多様性の取組について、希少な生き物を守る取組である「保護増殖事業」を「ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例」に基づき、初めて認定させていただくとともに、自然資本を守り生かす取組を行っていただいている事業者を、「しが生物多様性取組認証制度」で認証したということを発表をさせていただいております。初の認定事例となる「保護増殖事業」は、県内で特に保護を図る必要がある希少種、その繁殖や生息地保全について、企業や地域団体等が専門家の協力を得ながら行っていただいている取組を県が認定するものでございます。今回滋賀と岐阜の一部にしか生息していない「ハリヨ」という生き物について、旭化成守山製造所と金森自治会が連携してビオトープなどで飼育繁殖されている取組と、もう1件は、野生ではほとんど見られなくなってしまった「イチモンジタナゴ」という生き物について、ぼてじゃこトラストという地域団体の皆さんが飼育繁殖や生息地保全の取組をされている、このことを認定させていただきました。また毎年度募集させていただいております「しが生物多様性取組認証制度」におきましては、このたび13者を認証し、認証者数が計62者となっているところでございます。今後も民間の方々含め、生物多様性の取組をさらに進めていけるよう、こういう認証がどういったメリットをもたらすのかということなどについても、積極的に県としても発信していきたいと考えておりますので、是非ふるって御参加、認証活動の御応募していただければと存じます。私からは以上でございます。
[朝日新聞]
こどもの日の県立施設の無料開放についてですが、非常に子どもさんたちには嬉しい取組だと思うのですが、5月5日の1日限りというのがちょっと残念かなという感じがします。子どもさんだと保護者と一緒に行かねばならないような場合は、どうしても5月5日は休めないような親御さんもいらっしゃるかと思いますし、あるいはこの日たまたま体調が悪くなったりする子もいたりするのかと思うと、財政をひどく圧迫するということがなければもう少し幅を持たせても良かったのかなと思いますので、以降ご検討いただけたらと思います。
【知事】
検討させていただきます。おっしゃるとおり1日、5月5日の「こどもの日」ということでやっていますけど、もうちょっと幅を持たせても良いのかもしれません。
[朝日新聞]
子ども政策推進本部についてですが、知事が従来から力説されている「子ども、子ども、子ども」の政策として取り組んでいらっしゃることで、中でも子どもの意見を聞くということに非常に力を入れていらっしゃるということは他の都道府県や国の取組から一歩進んでいる取組かなと思っています。子どもの考えからは大人では想像もつかないような意見などが出てくることもあるかと思います。そして子どもから寄せられた意見や考え方が従来の大人の常識や大人の考え方と相容れないケースというのは多分に出てくると思います。そういった場合でも、明らかな間違いや社会的にマイナスになるようなことでなければ、ちゃんと受け止めて施策に反映するという行政側の覚悟というものが必要かなと思いますがその点はどのようにお考えでしょうか。
【知事】
まず先ほどいただいた御提言に対して付言いたしますと、「こどもの日」の県立施設の無料開放については、今回やってみてどれぐらいの方が利用されているのか、また利用されていないのかというのを掴もうということを言っていますので、そういう検証も踏まえて、来年度以降、少し幅を持たして期間をもって実施することも含めて検討したいと思います。二つ目におっしゃった子どもの声、意見を聞くという取組についてでございますが、確かに大人の観点からは想像のつかない、できないようなことが出てくるのかもしれません。また子どもの観点と大人の観点と、もしかすると相容れない対立するようなことも出ないとも限りません。受け止めてどう折り合いをつけていくのかということを考えていくプロセスを大事にしたいと思います。
[朝日新聞]
滋賀県の中小企業政策についてお尋ねしたいと思います。昨年末からダイハツの滋賀工場が稼働停止となり、3か月以上に及んで県内の多くの中小企業にも影響があったと思います。この中小企業は「ものづくり滋賀」を支えている重要な基盤であるということで、県も条例をつくってその活性化に取り組んでいる分野の一つだと思います。今回の条例改正についても、社会情勢の変化を受けてということで人手不足、DXの推進、SDGsの観点といった様々な社会情勢の変化を受けての改正ということですが、これは全国共通の課題であると思います。今回のダイハツの問題は非常に滋賀県固有の課題の一つを浮き彫りにしたのではないかと感じました。滋賀県は交通の利便性などから大企業を次々に誘致し、それに伴って関連している中小企業が活性化されていったという形がある一方で、今回のようにその元となっている大企業に何かあると関連している中小企業が非常に幅広く影響を受けてしまうということで、特定の企業あるいは特定の産業に依存している産業構造のリスクというのが今回クローズアップされたと思います。特に自動車産業というのは非常に裾野の広い産業なので、その影響が色濃く出たのではないかと感じました。今回の条例の見直しでもいろいろなことを検討されてきたと思いますが、この点について中小企業対策としてどのようなことを考えていらっしゃいますか。
【知事】
大変重要なテーマだと思います。このダイハツの不正問題の影響というのは、昨年度にとどまらず今年度を含めてどのような形で出てくるのか出てこないのか影響を注視する必要があると思っています。この問題に端を発し、滋賀県の持つ課題についてどのように向き合っていくのか、また様々な変化に対応して、例えば中小企業政策をつくっていくのか、こういった視点も大事だと思いますので、そういう視点で見てどういうことができるのかということも考えていきたいと思います。ただ私が聞いています限り、もちろん大きな企業の誘致、大きな企業また特定の産業との取引、これはありつつも、例えば災害が起こったとき、その企業がうまくいかなくなったときにどのようにリスクヘッジするのかということも、多くの中小企業の皆様が考えられ始めておられますので、むしろそういった革新を、イノベーションを我々が後押しできるようなそういう形でつくっていけたらいいなと思っています。我々の想像以上に、一部の企業だけに多くお取引しないというようなことは考えられ始めていると承知もしております。ただ、いずれにしろ、今回の問題で浮き彫りになった課題を行政としても共有して対応を検討していきたいと思います。
[朝日新聞]
中小企業自らリスクヘッジを考えてのこれからの対処としては今までとは違った形の企業のマッチングということが求められてくるかと思います。そのマッチングの仕方については、例えば県内だけじゃなくて、県外の全然関係ないところの企業とのマッチングなど、そういった非常に多様な形のマッチングが求められてくるかと思いますが、中小企業単体でできることなのかというとなかなか難しいところがあるので、そういうところはやはり広域行政、自治体の役割としてあるのかなと感じています。先日、立命館大学の西岡教授にいろいろ今回の問題についてお話を聞いたときに、やはりそういうリスクヘッジのあり方として今までとは違った形が求められると。その一つの例としては、例えば今回みたいなダイハツの系列、それから例えば村田製作所やパナソニックなどの縦の系列をクロスするような、例えば自動車産業を本来請け負っているけれども、そこが精密機械の産業についても実は仕事ができるということがあれば、そういった多様なマッチングというのが一つのそういうリスクヘッジの大きな役割として果たせるんじゃないかというような御指摘もありました。やはりそういうところは行政が支援する非常に重要な分野かと感じるんですけどもそういう方向性についてはどうお考えでしょうか。
【知事】
重要な視点だと思います。むしろ我々行政の視点をも超えた合従連衡ですとか様々な連携、技術の革新、販路や取引先の拡大、こういったものが起こり始めているのだと思います。例えば、系列を超えた輸送の仕組みでありますとか、またEVのいろいろな部品の融通、共同開発でありますとか、そういったことも進んでいるようですので、そういう情報を我々も集めて行政ができる支援があるとすれば、どういったところなのかということについてはやっていきたいと思います。また、技術開発という面で工業技術センターなどの機器や情報技術、こういったものも大いに御活用いただいて、そういったことが可能になる技術レベルに上げていく、新たな商品を開発することができるような取組をしていくことも重要ではないかと思います。
[朝日新聞]
また今回のケースでは資金繰りの支援ということを県としても全面的に取り組んでこられたと思います。工場の稼働停止ということで、資金繰りに困った企業に対して融資するといったことが一過性に終わってしまうと、工場が再稼働し返済するときに非常に行き詰まってしまうと。これは今回のダイハツの問題だけではなく、例えばコロナのときもそうだったと思います。困っているときに融資をしたことが短期的に終わるのではなく、長中期的なスパンで資金繰りを支えていくという視座が必要なのかなと思います。特にこれからの返済については金利の問題も出てくると思いますし、そういったところは中小企業としては非常に不安に思っているところも多いかと思います。
【知事】
そういう視点もとても重要だと思います。これは新聞記者がおっしゃるまでもなく、また我々があえて申し上げるまでもなく、おそらく借りられる側も貸す側の金融機関を含めて、十分お考えいただいた上で、出している、貸されている、借りられている、返しにかかられていると思います。とはいえ、雇用ですとか、あと機器の維持だとか、急場をしのぐための資金繰りというのも重要でしょうし、その先、借りたものを返さなければいけないという局面を迎えるときに、どういう状態が想定されるのかということも含めて、借りる借りられる、貸す貸さないの御判断をされるということだと思いますので、そういう情報をできる限り我々もわかる範囲でつまびらかに共有していくということが重要ではないかと思います。
[読売新聞]
JR西日本が京阪神エリアで運賃体系の見直しを検討していると報じられております。都市部は値上げで京都より東など一部区間での値下げということが検討されているようですが、受け止め等ありましたらお願いします。
【知事】
報道で一部そういったことが検討されるやに聞いておりますが、詳細な中身を私も把握しているわけではありませんので、そういったものを把握して、例えば県民に対する影響がどの程度出るのか出ないのかということも踏まえて、コメントを出すなり、必要な要望をするなり考えていきたいと思います。
[読売新聞]
国鉄の時代から都市部と地方の格差が問題視されていましたが、民営化して何十年も経ちますがずっと続いていたということです。その点についてはどうお考えですか。
【知事】
大きな全国の運賃体系がある中で、都市部とローカル部を例えば分けて考えるとどうしてもその間にあるエリア等でそういった問題が生じているということはあったと思います。それをいつどの段階で解消することができるのかということの中でお考えになっているのかもしれませんが、一部を直せば得するところと困るところがあってり、またさらにひずみが拡大するというのもあるのかもしれませんので、その点はよく考えていただいているとは思いますが、地域の実情というものを伝える観点で見ていきたいと思います。
[読売新聞]
琵琶湖線、湖西線の運賃が現状を踏まえてこうあって欲しいということがもしあればお願いします。
【知事】
乗るときにお支払いする運賃というのは高いより安い方がいいと思います。また御利用の状況に応じて運賃を柔軟に変えられるということも今こういう時代ですので、できるようなこともあるようです。そういったことなどが検討され、利用する側の目線に立った運賃体系になることを望みたいと思います。
[読売新聞]
先日は近江八幡市、昨日は野洲市の特別養護老人ホームで高齢者への虐待があったということで処分が出されております。昨日も被害者15人という形で、ちょっと悪質な事案が立て続けに起こっておりますが、どのようにお考えかということと、県として防止に向けて何かできることはあるのかという点についてお願いします。
【知事】
高齢者等が過ごされる施設等でそういった虐待が発生し、相次いで報告されるという事態は遺憾なことだと思います。ただ日夜多くの方々がそういった施設で必要なサービスを届けるために御尽力をいただいているということだと思いますので、そういったことに思いをいたしながら、そういう事態が起こる背景もしくは根底にどういったことがあるのか。人が少ない、長時間労働が強いられる、利用者さんとの関係で十分コミュニケーションができてないというようなことがあるとすれば、そういったことを改善するためにどういうことができるのかというのを一緒に考えていきたいと思います。今県でも、例えば施設ごとに行われているような研修のあり方、人事ローテーション、もしくはシステムの問題、こういったことを法人、施設を超えて連携できるような仕組みが考えられないかということも、担当部局に促しているところでもありますのでいずれにしろ、現に働いている方のストレスや負担を軽減するというような視点も持ちながら、この事態を克服する方策を考えていきたいと思います。
[読売新聞]
実際に昨日の処分事例では、加害側の職員さんに余裕のない職場環境だったと話している方がいたそうです。そういうことを含めて県としてどのような政策を打っていきたいというお考えでしょうか。
【知事】
余裕があったなかった原因はいかにせよ、人権が侵害されるような事態というのはあってはならないと思います。ただ、あってはならない、してはけないということがわかりつつそういったことに手を染めてしまう背景や根底というのはどういったところにあるのかということを施設の管理者、あるいは我々行政、利用者の方々含めて一緒に考えるような機会を大事にしていきたいと思います。
[中日新聞]
まもなく大型連休に入りますが、湖岸緑地の駐車場の対応については今回は巡視を10日間行うというようなリリースを先日いただきました。今回は有料化ではなくそういったパトロールになさるというそういったところの対応の理由をちょっと教えてください。
【知事】
昨年度、アンケート等を行いながら様々な実験をさせていただきました。今年度現時点で何かそういったことを考えているかというとそうではなくて、むしろ御利用の多い公園、湖岸緑地志那1中という駐車場があるようでして、そこで職員が巡回をし、枠外に駐車がされていたり、また場所取りをして、枠があるのに駐車ができないようなことが一部発生しているようですので、こういったことをゴールデンウィーク期間中、4月の27日から5月の6日月曜日までの10日間職員が巡視させていただくことといたします。バーベキュー等で御利用されることが多いので、どういう実態になっているのかというのを把握するとともに、昨年度やった実験と合わせてどういう対策を講じていくことが望ましいのかというのを考えていきたいと思います。
[中日新聞]
以前から有料化ありきではないというようなお話だったかと思います。今回についてもあくまで状況を把握して、どのように利用の適正化を図っていくかそういうことに生かしていくということでしょうか。
【知事】
以前から申し上げているように、有料化が前提ではありません。ただ、有料化というものを避けているわけではないので、そのことも含めて考えていきたいと思います。ただ、人がずっと立って、待ってやるということにも限界がありますし、機器を入れさせていただこうと思っても電力などの面でも課題もあるようですので、そういったことなどをどのように解消していけるのか、初期の費用と恒常的にかかる費用とのバランスをどう考えるのかということも含めて検討していきたいとございます。
[中日新聞]
大型連休では県内に来る方も多いかと思います。そういった方にマナーの向上など、何か呼びかけがあればお願いします。
【知事】
コロナが明けてのゴールデンウィーク、薫風新緑爽やかな季節ですので、にお出かけになる県内各地の公園を楽しみになるそういった方々も大勢いらっしゃると思います。それは大いに楽しんでいただきたいと思います。ただマナーの問題とか、あと他のお客様に対する問題だとか、あとは生き物たちに対する配慮なども十分お考えいただいてお過ごしいただくことを呼びかけたいと思います。
[日本経済新聞]
説明のあった希少な生き物の保護増殖事業の認定は初めてでしょうか。
【知事】
初めてです。
[日本経済新聞]
認定された業者にとってのメリットは大きなものでしょうか。補助金などは出るのでしょうか。
【知事】
補助金という仕組みはないですが、こういったことに取り組んでいるという、例えばイメージやCSR、滋賀県で言えばMLGsといったことが、一つの価値として企業の方にもお考えいただいていると思います。
[日本経済新聞]
滋賀県が公式に認めてホームページとかに出し、県のお墨付きがあるということでしょうか。
【知事】
ここは大きいと思いますし、事業者の皆様方からも、そういったことを活用したい旨の御発言は折に触れいただいております。しかし、我々ももっと県としてこういう取組があることをPRする必要があるということで、例えば今日のこういった御紹介や今後更なる発信に努めていきたいと思います。
[日本経済新聞]
ラ コリーナ前のバス停についてですが、知事も行かれるということで大事にされていると思いました。ラ コリーナは土日が多くの車が来て大変と思いますので、シャトルバスの運行を真剣に考えてもよいのではと思います。民間事業の話ではありますが、実際に運行するとなれば公も関わってくると思いますが、そういった話は出ていないのでしょうか。
【知事】
県内で最も多くのお客様を集客される施設であり、皆様がマイカーで来られると渋滞もありいろいろな弊害もありますので、一時に大量のお客様を乗せて御連れするサービスを考えていかなければならないということは私も思いますし、常々、公式非公式を問わず、意見交換をさせていただいております。しかし、民と民のことであったり、近江八幡市のまちづくりの中でどのようなことが可能になるのかということで、現時点ではそういったものが実現していないということですが、今回のバス停留所の設置を機に、さらにどういったことが可能になるのかというのを考えていきたいと思います。
[日本経済新聞]
提言ではないですが、知事の施策の一つとしてマイカーから公共交通機関へということであれば、一つの何か象徴的な事例にできるのではないかという気はしますが。
【知事】
先程冒頭の御紹介の中でも述べましたが、バスを待つ、バスに乗るということが少しでも楽しい時間、空間になれば、必ずしもお一人お一人がマイカーで行く以外の選択肢も可能になると思いますので、こういったことはさらに進めて広げていきたいと思います。
[日本経済新聞]
ゴールデンウィークは平日3日間の中日がありそれも含めると10連休になりますが、知事はどのようにお過ごしになる予定でしょうか。
【知事】
今どういう日程になるのかというのを調整していて、私自身の過ごし方について考えているところです。しかし、ゴールデンウィークでしか行けないところや会えない人など、そういうことも大事にしながら基本的には県内で過ごすことになると思います。
[京都新聞]
冒頭に子ども推進本部のお話もありましたが、子ども基本条例のことでお尋ねをします。先般、条例検討部会が開かれまして、私の記憶では、当初令和5年度中に制定を目指されていて、今年中に議会に出そうというところが目標になっていたと思います。客観的に言うと少し遅れてしまったのかなと思うのですが、その条例制定の目標時期が少し後ろ倒しになったことについて知事はどのようにお考えでしょうか。
【知事】
後ろ倒しになったという認識はあまり持っていないのですが、子どもの声を聞く仕組みや、子どもの権利を保障する枠組みは大切なことを定める条例なので、多くの方々の声を聞きながら丁寧につくっていこうと考えております。もちろん議会にお諮りする必要がありますので、議会の日程で議会、議員の皆様方と御相談する必要があると思いますが、年内には提出し策定できるようにしようということで現在進めています。
[京都新聞]
条例検討部会を聞いていて気になったのは、委員のメンバーの方は子どもの権利を守るということがど真ん中といいますか、それを前面に押し出したような条例をつくりたいという御意見が多くて、一方で県は子育て支援施策のベースにもなるような条例にしたいというような思いがあるようで、そこが少しボタンの掛け違いといいますか、なかなか平行線になっているような印象を受けました。高校生の委員の方からは、「最初に思っていたのと違う」といった意見も出たりして、諮問段階での意思疎通がうまくいってなかったのが響いているのかわからないですけども、やはり諮問する以上は、部会の意見というものを重視するというのが大事になってくると思います。答申を受けてからどう判断されるかは県の御判断だと思います。その辺り、どの程度部会とのやり取りを知事が把握されているかは存じ上げないですが、今までの協議の過程の聞いていらっしゃる範囲で、知事のお考え、受け止めがあればお聞かせいただけますでしょうか。
【知事】
都度、この検討過程は私も共有させていただいております。ただ、どんな顔をしてそういった御発言をされているかとか、先日行われた部会で記者さんが受けられたような印象の問題だとかそういったことも含めて、いよいよこれを取りまとめて成案にしていく段階ですので、どういったところに持っていくのがいいのかということ、もちろん部会の中での御検討と併せて、県としてどういうふうに考えていけばいいのかということを、そろそろつくっていく必要があるというふうに思っています。その過程では、少し細かいことの共有などを行いながら考えていきたいと思います。どうしても、施策を考える件とあるべき論を御議論いただく場とはついつい齟齬が生まれる傾向にはあるのですが、それは決して一つのものになり得ないものではないと思います。
[NHK]
先日、びわ湖大花火大会についてのリリースをいただいて、8月に開くということになったということで、知事は去年実際に見に行かれたり、拝見されたりされましたでしょうか。また去年の様子、有料チケット持っていない方は御遠慮くださいなどの対策を実行委員会の方でされていたと思うのですが、去年の大会を見て、どうお受け止めになったかお聞かせいただきたいです。
【知事】
去年はコロナ禍を経て久しぶりに開催させていただいた、そういう花火大会でしたので私どもも安全に御誘導できるのか、お楽しみいただけるのかというのをとても心配しました。また、地域住民の皆様方も、こんなにたくさん来て、久しぶりだから多く来られて大丈夫かという御不安もあったという大会だったと思うのですが、おかげさまで大きな事故やトラブルもなく多くの方がお楽しみいただけた、恒例のイベントになったのではないかと思います。しかし、昨年のこういった会見でも出ていましたし、この間担当者が調整してきたことに見られますように、いろいろと、特に周辺住民の皆様方の思いをどのように酌み取って調整するのかという課題がなお残るイベントだと思いますが、今年については8月8日に開催ということの合意形成は相成ったというふうに聞いております。しかし、まだまだ地域住民の皆様方に対してどういう配慮が必要なのか、工夫ができるのかということはなお残る課題だとも伺っておりますので、そこは丁寧にやっていきたいと思います。有料スペースをどのようにするのか。どうしても警備、御案内のスタッフも必要で、例えば当該大津市や県の職員が関わるということの持続可能性をどのように考えるか。有料の警備員にするとかかる費用をどう捻出するのかといったような課題もございますので、事故なくこの大会が開催できるように、関係者と協力していきたいと思います。
[NHK]
今年の大会において、安全に行われるために、また多くの人に見てもらうために、県としてどのような要望なり意見を表明されていくのでしょうか。
【知事】
県も実行委員会の主要なメンバーなので、その一員として主体的に取り組んでまいります。特に花火というのは、日本にとってすごく象徴的なイベントだと思います。いろいろなことを思い出しながら眺めたり、また御家族連れ、カップル、グループで楽しむ大きなイベントだと思いますので、しかも湖岸という広い空間でドーンと横にも縦にも上げられるという、これは(滋賀県)ならではなイベントとしても大事にしていきたいなと思っております。約30万人近くの方が楽しみに動かれるということですので、夏の風物詩として大事につくっていきたいと思います。来年は国スポ・障スポ、また万博が開催される前の花火なので、天候に恵まれ、安全第一で楽しい大会になるよう努めてまいりたいと思います。
[共同通信社]
びわ湖大花火大会に関しては、経費がかかるという事情はあると思います。物価高騰がどんどん進んでおり、おそらく昨年よりも経費がかかるのではないかという中で、知事は湖岸という広い空間で象徴的なイベントだから大事にしていきたいとおっしゃっていますが、どのようにして寄付金や協賛金を集めていくといった課題もあると思います。抽象的な質問で申し訳ないですが、今後どうしていったらよいかといったお考えがありましたら教えていただけますでしょうか。
【知事】
まずこの大会にかける思いというのは先程申し上げたとおりで、大事にしていきたいビッグイベントです。しかし、かかる経費をどうするのかということについては、もちろん行政がきちんと説明責任を果たしながら支弁する経費、そして御利用いただく方々、御参集いただく方が受ける対価に応じてお支払いしていただく料金、さらにはこういう大会をやろう、応援するよということで、賜る寄付等を集めながら、やはり赤字になって全然回らないというイベントになると立ち行かなくなりますので、持続可能性というものを担保できるようにつくっていくということだと思います。かかる費用が増加をする部分というのはこれはみんなで吸収していくという発想、努力が必要だと思いますので、そういったことも含めて「見える化」していくということが重要ではないかと思います。
[共同通信社]
集まられる方に支払っていただく、それが有料観覧席ということかと思うのですが、全国的な流れとしては有料観覧席を増やす方向にあると私は感じているんですけれども、有料観覧席が増えるということに対して知事はどう思われますか。
【知事】
両面あります。私は子どもの頃から有料でこの花火大会を見に来たことはあまりなくて、見えるところから見させていただくという形で過ごしてきましたし、家族連れでもそういった経験しかありませんが、いろいろなものが整っていて、座る席があり、一定の空間があり、もって有料だというサービスというのは私は時代の流れとしてありだと思います。しかし、どれぐらいの割合でそれをつくるのか、そこの見合いが問われ試されていることだと思います。一定この間やってきて、有料化はありだろう、少々広げるのも無理はないだろうという御理解は醸成されつつあるのではないかと思います。あと一部あるのは、近隣住民の皆様方との関係で、目の前にいるのに見えないようになっているのはどうなのかといったことに対する配慮をどのようにするのかというのが残っているのではないかと思います。
[共同通信社]
そこはうまく調整できそうでしょうか。
【知事】
担当者をとおして、いろいろな協議、調整をしていると聞いています。どういうことができるのか、調整を待ちたいと思います。年々進化していけばいいなと思います。
[NHK]
びわ湖大花火大会に関して、前回だと有料観覧席のチケットをお持ちでない方は来場を御遠慮くださいというアピールが「来たら駄目なのか」という間違ったメッセージとして捉えられた面もあったと思うのですが、今回どういうメッセージを打ち出していくかというのはかなり大事になってくると思うのですが、その辺りのお考えがありましたらお聞かせいただければと思います。
【知事】
去年のメッセージの出し方は、反省点が多かったと思います。大会運営、安全サイドで心配し過ぎるがために、我々実行委員会の想定以上にネガティブなメッセージとして受け止められてしまったという反省はあります。もっと真心のこもった賢い発信ができるようにこれから考えていきたいと思います。あまり言い過ぎると担当者にプレッシャーをかけることになりますが、基本的にはやはりウェルカムです。みんな来てくださいというイベントです。しかし、自分のことだけではなくて、周りの人のことを考えたり、かかる費用についてはきちんと支弁しながら楽しく参加していただくということも併せて呼びかけて、基本的にはウェルカムでお招きできるようなイベントにしていきたいと思います。