令和6年4月16日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
皆様おはようございます。今日もどうぞよろしくお願います。まず、滋賀県の職員が不同意わいせつ事件の被疑者として逮捕されるという事案が起こりました。県政に対する信頼を大きく損ねる事態であります。県庁の責任者として心よりお詫びを申し上げます。現在、警察において捜査中ということでございますので、その状況を把握し、適切に対応をしてまいります。また県庁での職員の働き方がどのようになっているのか、悩みの面、寄り添いの面、今後どういったことができるのか、今回のことを機に検証し、対応していきたいと存じます。また週末は様々な行事も行われ、湖国三大祭であります山王祭、また長浜の曳山祭は大変盛況でしたし、まだ曳山祭は千秋楽が本日行われているということですので、大変多くの方々で賑わっていると聞いております。私も長浜の曳山祭の夕渡りの儀に参加させていただいて、久しぶりの長浜八幡宮様からの夕渡りとなりましたけれども、大変多くの方々が楽しんでいらっしゃる光景を目の当たりにし、嬉しく思いました。また週末は女子のソフトボールブレイブベアリーズ、女子サッカーのWEリーグ、さらにはサッカーのレイラックの試合、バスケのレイクスの試合、それぞれの会場で大変多くの観戦者で盛大に開催されたということでございますので、先ほど議論いたしました2025のレガシーなどの場においても、こういったプロスポーツチームの振興をどのように位置付けていくのか、ということなどについても議論を深めていければと思います。
また「成瀬は天下を取りにいく」、こちらは私が昨年、宮島未奈さんから直接いただいたサイン入りの本でありますが、今年の本屋大賞を見事受賞をされました。滋賀県の大津市在住とお聞きをしておりますが、最初に「滋賀県の方見てますか~」というあのメッセージにもありますように、大変滋賀のことがお好きで、私たち滋賀県民に多くの楽しみを与えてくださっている著作でもあります。改めて私も読み直しているところでございます。今週18日には受賞の御報告に来ていただけるということでございますので、楽しみにしているところであります。また週末は東京にまいりまして、「ここ滋賀」の視察でありますとか、また滋賀県にも工場を構えていらっしゃる企業様のオフィスの訪問、具体的に申し上げればイトーキさん、滋賀県ゆかりの企業様でオフィス環境の様々な改変・改革をなさる企業様でもいらっしゃいますので、そういった取組について考えを広げ、深めたところでございますし、その次の日には、写真にもあるのでしょうか、宇都宮市というところのLRTの視察をさせていただきました。ライト・レール・トランジットですね。これは昨年夏に開業したものでございますが、こういった路面電車の開業は(国内で)75年ぶりということだそうでございます。宇都宮市の部長さんにお聞きしますと、あれは何年だったか、私が関わった法律「地域公共交通活性化再生法」、この中でLRTの事業が位置付けられたことがこの事業の進捗にとても大きな効果をもたらしましたというこういう嬉しいお話もいただきました。街を変えるきっかけにもなっているように聞きましたし、実感もいたしましたので、是非、本県の中でこういった事々がどのように考えていけるのか、なんて夢も描いていければいいなと思っております。また、埼玉西武ライオンズの滋賀県スペシャルデーということで、ベルーナドームでの始球式にも臨ませていただきました。
それでは資料に基づきまして、1件御紹介させていただきます。滋賀県立美術館についてです。こちらは1984年8月26日に開館、今年は開館40周年を迎えます。これまでに221本の企画展を開催してまいりました。大変多くの方々にお楽しみいただくと同時に、お力添えいただいてきた、御愛好いただいてきたことに感謝申し上げたいと存じます。ちなみにこの間に展覧会に足をお運びいただいた方は約370万人ということだそうでございます。40周年の節目となる2024年度は滋賀県の美術館ならではの展覧会を4本企画しています。皆様にアートの奥深さ、滋賀の魅力を再発見できる機会を提供させていただければと存じます。第1弾の展覧会が今週末から始まります。昨年、日本財団様から御寄贈いただいたアール・ブリュット作品のお披露目をさせていただきます。日本のアール・ブリュットが世界で評価されるきっかけとなった重要な作品群の展示となる、とのことでございますので、ぜひ御覧いただければと存じます。今週金曜日4月19日にはプレス向けの内覧会も開催されます。是非お越しください。また、展覧会以外にもですね、美術館をより身近に感じていただけるような子ども向けの様々なワークショップの開催なども行われます。去る3月にはですね、「滋賀県立美術館魅力向上ビジョン」を取りまとめたところでございます。開館40周年を契機として、新たな分野との連携を進めるなど、例えば社会的処方という観点でこの美術館の存在、また美術館の活用をどのように広げていけるのかというようなことも、保坂ディレクターを中心に先頭に発信をいただいておりますので、例えばそういった可能性を模索することなども今検討を指示しているところでございますので、こういった事々について、また皆様方と考える、そういうきっかけとなる1年にしていきたいと思っております。私からは以上でございます。
[朝日新聞]
先ほど第1回の本部員会議が開かれましたレガシー2025創出推進本部員会議の件で1つお尋ねしたいと思います。国スポ・障スポのレガシーについてこれからの取組などについて議論されていましたけども、やはりこのレガシーということについては、県民が主体となることでつくっていくものだというのは非常に大事なことかと思います。その中で会議の中でも指摘がありましたけれども、昨年認知度について調査したところ、国スポは46.2%、障スポは23.6%だったという報告があったかと思います。まずこの数字について知事はどんなふうに捉えて、受け止めていらっしゃいますでしょうか。
【知事】
冒頭、お話があったように「2025わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」ならびに「大阪・関西万博」のレガシーをつくり、残していく広げていくということにおいては、県民あってです。おっしゃるとおりだと思います。また今の県民のみならず、これからの県民、そして関わることで広く県民になる方々含め、このビッグイベントのレガシーをつくり、残していくという観点を持ちたいというふうに思います。という中で、「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ大会」の認知度が40数%・20数%という直近の数字、御紹介いただきましたけれども、まだまだ上げる余地のある可能性のあるそういう数字だと思います。実際この本部員会議の中でも周知をどのように図っていくのか、こういった視点もございましたので、1年前これからさらに上げていけるよう、また多くの方が関わっていけるようなイベントになるように取組を進めていきたいと思います。
[朝日新聞]
認知度を上げていくということについては、やはり広報活動なりをこれからもいろいろ展開されていくと思うのですが、ただやはりこの場合、県民に認知されるということだけではなく、県民がまさに自分たちのこととして受け止めて、それでぜひやっていきたいという気持ちになってもらうことが非常に大事かなと思います。その場合やはり必要なのは、なぜこの国スポ・障スポを今やるのか、なぜ滋賀でやるのか、こういうことをきちんと丁寧に伝えていくことが、県民の皆さんも「じゃあやろうか」と思う納得感に繋がるのではないのかと思います。やはり単に知ってほしいという広報じゃない、もう一歩進めたところのやり方、伝え方という工夫が必要なのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
【知事】
大変重要な御指摘だと思います。なぜ今なのか、なぜ滋賀なのか。順番だからとかいうことではなくて、なぜ今なのか、なぜ滋賀なのかというこういったことをより多くの皆様方に御理解いただけるような発信でありますとか、この大会・イベントというものに取り組む、参加する、準備する、おもてなしするということだけではなくて、そこからどういう滋賀づくりをしたいのか、どういう暮らしがつくれるのか。そういうことなども発信していくことが重要だというふうに思います。従って、今回改めて立ち上げたレガシー創出推進本部の中で、私も申し上げましたけれども、今やっている施策の磨き上げですとか発信の強化ですとか、そういったことなどもぜひやっていきたい。また人材の育成などにも取り組めればと思っておりますので、そういう今お尋ねいただいたような視点での皆様方の御理解が広く醸成されるよう努めていきたいと思います。
[朝日新聞]
国スポ・障スポと同じ年に実施されて、同じ「輝く」というコンセプトで共通するというこの大阪・関西万博についてですが、あと1年ということを機に今の現状についていろいろと報道がされていますが、外国パビリオンの建設についてはまだ16施設が建設会社さえ決まっていないということもありますし、あるいは建設経費や運営費が当初予定よりも増額になっているということにも非常に社会的に批判があったり、さらには人手不足あるいは労働時間に関する2024年問題もあって、これからスピードアップしていくということについては非常に厳しい状況になっていると。加えて能登半島地震の復興を優先すべきじゃないかという声もあり、大阪・関西万博については延期した方がいいんじゃないか、あるいは中止した方がいいんじゃないかという声も出ています。関西広域連合の連合長という立場もあろうかと思いますけれども、こうしたあの後1年という時点で改めて万博については延期あるいは中止ということを立ち止まって議論する必要があるんじゃないのかという指摘もあるのかと思いますが、これについてはどうお考えでしょうか。
【知事】
御指摘お尋ねいただいたように、2025大阪・関西万博まであと1年を切ってきました。この世界的ビッグイベントのために、関西広域連合はもちろんですけれども、国をあげて、もちろん滋賀県も最大限の努力をし、開催が成功に導けるよう努めていくと同時に、どのような参加の仕方があるのか、どのようなメッセージを我々が受け取ってくるのか、特に子どもたち含めて、産業界入れてですけれども取組の強化をしていきたいと思います。お尋ねいただいたようなパビリオンの建設、確かに課題等ございますが、着実に進展してきているということもございますし、経費の問題は削減すると同時に、説明責任をきちんと果たしていく、このことは関西広域連合としても努めているところであります。確かに人手の不足、労働時間の問題はございますが、こういったことは条件として開催に向けて、また開催期間中、どのように準備をし、マネジメントしていくのか、これはとても重要な課題だと思います。また能登震災を乗り越えていくためにも、この万博をどのように生かしていくのか、こういう視点も大事なのではないでしょうか。折しも来年は、大阪・関西万博が開催されるときは戦後80年、そして阪神・淡路大震災から30周年という節目でもありますので、平和なくしてこういった企画なし、また命もないということでございますので、こういう視点も持ちながら、準備をすると同時に参加をしていきたい、盛り上げていきたいと考えております。
[朝日新聞]
万博については政府も力を入れると、岸田首相もそのような発言をされて力を入れていらっしゃる。それから大阪府、大阪市をはじめ自治体のトップの皆様も非常にこの大阪・関西万博の機運醸成には力を入れて、関西経済界もそういう形での発信を特に力を入れていらっしゃると思いますが、ただ実際に万博に行きたいのかという意識調査をすると、年々減少していくというのも実態としてあるわけですけれども、これだけ政府、地方自治体、経済界が力を上げて、一生懸命機運醸成を盛り上げようとしている一方で、行きたいと思う人が年を追うごとに減っていくという、これはどうしてだというふうに考えていらっしゃいますか。
【知事】
なかなか難しく、本質根源の御質問だと思います。例えば1970年の万博とは時代が変わりました。さすがに月にまでまだ人類が多く行ける時代ではないのかもしれませんが、例えば世界各国に前回の万博よりはより行けるようになったり、様々な情報を瞬時に手元で見れる、触れられるという時代にもなりましたので、いわゆる万国博覧会というものに対する皆様方の意識や認識というものも変わってきている面もあるのだと思います。ただ、こうやって、例えばイスラエルとイランが戦火を交えるだとか、なかなか紛争が収まらない。気候変動が進み、自然災害が起こる。こういったときに例えば分断や災害を乗り越えて、どのように命を輝かしていくのかという視点というのは、これはとても今日的な課題として、世界各国企業の皆様がどのようにそのことに対する考えを持って発信するのかということは、やはり共有すべきテーマだと思いますので、そういったものをこれから準備が進むと同時に皆様方にお知らせしながら、いかに機運を高め、そして期間中を盛り上げ、その後のレガシーに繋げていくのか、ある意味人類の挑戦として、私達は考えるべきではないかと思います。
[時事通信]
先程プレスリリースがありました滋賀県立美術館の件ですが、お話の中にあったこれからの1年間、美術館を活用した事業も考えていくということで、2022年にはBIWAKOビエンナーレといった国際的な美術展も開催されていたと思うのですが、この1年間で40周年を記念した、新しい事業があれば教えていただきたいです。
【知事】
そちらの記者発表資料にも40周年記念ということで、先程紹介した今週末からの「つくる冒険日本のアール・ブリュット45人-たとえば『も』を何百回と書く。」をスタートとして、そのページの下段にあります「滋賀の家展」、その次のページの「生誕100周年記念人間国宝志村ふくみ展色と言葉のつむぎおり」、「BUTSUDORI展(仮)」といった企画などをしておりますので、これがまずベースになると思います。そして、先程も御紹介したように、ワークショップの開催ですとか、様々な公園と隣接する形、また大学に近い美術館でもございますので、多くの方々が御来訪していただけるような空間づくりに努めているところですので、まずこれをしっかり進めていけたらいいなと思います。その先には、先ほども私が一部申し上げましたけれども、「滋賀県立美術館魅力向上ビジョン」を取りまとめて、さらにどういう高みを目指していくのかという取組を思考し始めましたので、例えばその中には、施設をどうしていくのか、また、より多くの方々がもっともっと関われる美術館にするためにどういう取組ができるだろうということを本格的に考え始める、そういう年になると思いますので、そういったことに取り組んでいけたらと思います。
[京都新聞]
万博と国スポについてですが、大きなイベントが同じ年、同じ期間にあるなかで、レガシーについて検討をはじめられたということですけど、準備段階でイベントの重複による宿泊やバスの確保が昨年12月の会議の時にも難しい部分もあると思うとおっしゃっていたと思います。そのあたり、今の準備状況、ある程度できる目途が立っているのか、あるいはまだ課題があるのか、現在の知事の評価をお伺いしたいです。
【知事】
まず2025年、来年は大阪・関西万博が4月に始まり、そして9月28日、「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」がいよいよ開催ということになります。同じ年に開催されますので、相乗効果が生まれるようにしたいと思っております。ただ一方で、お尋ねいただいたように、どうしても物理的にキャパがあるもの、また制約があるものにおいて、例えば取り合いとか、その年でなければ、近くの県でなければ生じない課題、具体的に申し上げればバスをどうするのか、宿泊がどうなるのか、こういう課題があるのも事実です。現時点で全て乗り越えました、大丈夫ですという状況にまではまだ至っておらず、未だ調整の途にあると聞いておりますが、乗り越えられない壁ではないと思っておりますので、工夫をし、協力をいただきながらおもてなしできるよう、思い出に残る大会になるよう、努めていきたいと思います。また、今後近づくにつれ、もっといろいろなことが出てくる可能性もあるので、そういったことに柔軟かつ機動的に対応していきたいと思います。
[京都新聞]
3月で流域治水条例の制定から10年が経過し、1つの節目かと思うのですが、進んでいるものもあれば、浸水警戒区域の指定のような時間のかかることもあって、重点地区の4割程度しか進んでいないものもあると思います。10年目を迎えた流域治水の取組についての現段階の認識と、課題があるとしたらどういったところを考えておられるでしょうか。
【知事】
御指摘、お尋ねいただいたとおり、滋賀県の流域治水条例、これは平成26年、2014年3月に制定されて10年を迎えました。この間、川の中で安全に水を「ながす」、これは河川整備を含めて行う基幹的対策に加えてですね、川の外での対策、これは雨水を「ためる」対策、被害を最小限に「とどめる」対策、そして水害に「そなえる」対策、この「ながす」、「ためる」、「とどめる」、「そなえる」を総合的に実施するということが滋賀の流域治水条例の一つの特徴、柱でもございます。まだ直近、昨年度までの数字というのは一部しか把握できていないですけれども、一昨年、令和4年度末までの9年間で、「ながす」対策として河床の切り下げ、河道の拡幅は約24キロで完了。また竹木伐開は650を超える河川で300ヘクタールを超える状況で実施。また堆積土砂の除去も累計で730の河川で約110万立米実施するなど、河川の改修、維持管理を着実に推進し、「ながす」対策は進んでいます。この間、大戸川ダム整備についても決定し、国にも要請しているところです。また、「ためる」対策、「とどめる」対策、「そなえる」対策も着実に進行しておりまして、特に「とどめる」、「そなえる」というところで浸水警戒区域のお尋ねがありました。これは直近の3月末までで20地区、そして「そなえる」対策の地域の避難計画策定支援、これは累計24地区で実施しているところで、順調に推移しているのではと思います。ただ、なかなか御理解いただくことや、具体の対策を進めることには、理解が必要、予算が必要、用地買収等も必要でありますので、課題はございますが、近年、こういった災害なども増えておりますので、着実に取組を進めてまいりたいと思います。
[京都新聞]
昨年度、取組の検証を流域治水の審議会でされていて、そこから諮問、答申を受けて、これから検討していかれると思うのですが、現時点での見直しに関してこういった視点も必要ではないかといった知事のお考えをお聞かせください。
【知事】
この4つの対策について、特に「ながす」、基幹的対策を含めたこの柱立てで大きく変える必要があるものというのは、今の時点で私が認識しているものはありません。むしろ、この中に書いてあること、やろうとすることをいかに着実に進めていくのかということだと思います。ただ根幹としてあるのは、やはりどうしても対策を取れば取るほど、川の水が遠くになる傾向がありますので、やはり私達の暮らしに近いところに流れていて、恵みをもたらすのだけど災いもあるんだという認識をいかに共有するのか、また、そのことによって公助だけではなくて、共助も含めて、自助というものをどのように進めていくのかということが大きな課題だと思います。ただこの課題は、同時に自治を進展させる可能性でもあると思うので、そういう視点からいかに前向きに職員を含め、住民の皆さんと取り組んでいくということが大きなテーマになるのではないと思います。
[びわ湖放送]
今朝、資料提供いただきました琵琶湖博物館の水槽の件なのですが、トンネル水槽が4月23日に再開されるということで、嬉しい話ではあるのですが、まずは安全か、ということになるのですが、知事の再開に対しての思いをお聞かせください。
【知事】
私達にとって大切な琵琶湖博物館の水族展示を行うトンネル水槽等が破損をした、その後改修させていただいたということで、この度晴れて、水族展示が再開するということについては、嬉しく思っております。この間、心配をおかけした皆さんにはお詫びを申し上げるとともに、様々な多くの御支援を頂きましたので、感謝申し上げたいと思います。琵琶湖博物館がんばれ、水族展示再開しようということで、多くの御厚志を賜ったところでございます。そういった御厚志を活用させていただく形で、今回再開の運びとなりましたので、何より安全というものを第一に考えながら、より多くの皆様方にこういった生態、湖と人間の関わり、学びを感じ取っていただけるような施設として、さらに充実していけるよう取り組んでまいりたいと思います。
[びわ湖放送]
一部展示更新ということで、これまでよりも水槽の広さが感じられるといった変更点もあるかと思うのですが、子どもたちにどういったところを見てほしいといった思いはありますでしょうか。
【知事】
すみません、私はまだ見れていないので、一度見に行ってですね、直接自分で感じて、子どもたちに言えたらいいなと思います。ただ、私も何度も行っていますけれど、子どもも連れて行きましたけれど、もちろん子どもも楽しむことができるのですが、私達大人もですね、こういうふうに泳ぐのかとか、こういうところにいるのかという新たな気づき、学びが琵琶湖博物館に行く度に得られるという、こういうところもぜひ皆様方に知っていただけるようにしていきたいなと思います。その意味で、泳いでいるところの下をくぐることができるトンネル水槽というのは、極めて重要な施設だと思います。また、多くのものを感じ取っていただける機会になると思いますので、ぜひ見に来ていただきたいと思います。
[びわ湖放送]
事故そのものを起こしたビワコオオナマズのいた大型水槽なのですが、そちらの再開というのはまだ何ともといった感じでしょうか。
【知事】
そうですね、まだこの時点でいつから再開といったことを申し上げることができる状態にはないと思います。検証した上で対策を講じ、再開に向けて今準備をしていると承知をしておりますので、このことがまた固まり次第、御紹介をさせていただきたいと思います。なかなか大きな重い水を支えながら展示する、またそれが見えるようにアクリルで囲っておく難しさもあるようでございますので、このあたり、現場とよく共有しながらできるだけ早く再開できるよう努めたいと思います。
[日本経済新聞]
LRTを見に行かれたのはいつですか。
【知事】
土曜日です。
[日本経済新聞]
宇都宮のLRTについては全国から見学者が相次いでいて、日本では久しぶりに導入されましたが、ヨーロッパ、特に滋賀県が仲良くしようとしているオーストリアのウィーンというのはLRTを中心に成り立っている町です。今回のLRTを視察され、何か滋賀県で活用できるヒントなどはありましたか。
【知事】
これは語りだしたら長くなりますが、最小限にします。私はLRT推進議員連盟の一員であり役員をしておりましたので、法律改正の折にはLRT(低床型路面電車)、そしてBRT(バス専用レーン)こういったものを日本全国で整備を進めていこう、そのための法律改正、予算の制定はどうするのかという視点で国会議員時代は活動し、全国各地そして世界各地の路面電車システムの視察や勉強はしてまいりました。ただおっしゃるように日本ではむしろ路面電車を廃止してモータリーゼーションという流れでしたが、なかなかその後の再開なり整備がうまくいかなかったということがございました。滋賀県内でも、例えば草津などは都市計画道路の中にこういうシステムを入れたらどういうことがあるのだろうということで担当レベルで検討してきた経過もございます。例えば、宇都宮でもそうですが、駅と工業団地を結ぶということもございますので、そういった一定の利用度のあるところの(都市計画交通を)どのように整備するのかというところに可能性があるかと思っていますので、折にふれ、大津、草津の南部地域で敷設するとすればどういうことになるのだろうということは投げかけております。(宇都宮LRTについては)かけた費用以上にどのような効果があるのか、また、想定した以上に多くの御利用がある。これだけではなくて、パークアンドライドをどのように整備するのか。乗り換えのレーンを既存のバスとの間でつくられたり、そういった工夫もされておられるようですので、そういったこととの組み合わせの中で効果を発揮する交通網だと思いました。何より(車両は)雷をデザインされているそうです。宇都宮・栃木は雷が多いらしいです。はじめはトラか何かかなと思っていたら雷だということで、非常におしゃれなデザインで鬼怒川の橋梁をこの列車が渡る。また大学やショッピングモール、工業団地なんかを繋ぐ。1日乗り放題のパスを持って家族連れの方が楽しまれる。なにより御高齢の方が手押し車を押しながら、買物に行くんだ、病院に行くんだという日常利用も増えているということもあるようですので、さらに研究、勉強してどのように本県への導入可能性があるのかということを考えていければと思っております。
[日本経済新聞]
滋賀県の交通事情で弱いなと思うのが二次交通です。JRの駅を降りてそこから先にどう行くかという課題があります。櫛の歯が抜けたような本数しかバスがない。草津や守山などの人口が増えているところで、二次交通として定時大量交通という手段があればと思っていましたが、草津で考えておられたということですね。
【知事】
草津で考えているというよりも、草津地域でそういったことを検討した経過があるということです。具体的にはまだまだこれからのレベルではありますが、より多くの方々が日常的に流動する可能性のある地域というのは、こういった大量輸送交通機関の導入可能性の第一候補にはなると思います。
[日本経済新聞]
宇都宮のLRTも反対する人やいろいろと問題もあって、最初の構想から結局30年ぐらい経過して実現しましたが、中心市街地の活性化など完成してからの利点についてはどのような説明を受けましたか。
【知事】
まだ開業して8か月ほどですので、中心市街地がどのように活性化しているということまでを御説明いただけたわけではありませんが、例えば、当初開業後1年で御利用いただけたらいいなという人数を大きく上回っている状況ですとか、いくつかの駅に自家用車やバスから乗り換えられる施設も整備され、ここまで車で来られる方はどうだろうなということ以上に、車を止めてライトレールに乗り換えられていることもあるようですので、つくられた方々の想定を上回る効果が出つつあるのではないかなと思いました。ただこれは新設路面電車の久しぶりの例ですので、注視しながら今後のまちづくりに生かしていければと思っております。
[NHK]
「成瀬は天下を取りにいく」が本屋大賞を受賞したことの受け止めと、すでに観光施策等との連携はされていますが、非常に地域に根差したこの作品をどう今後の施策に生かしていくのかお考えがあればお聞かせください。
【知事】
また、宮島さんとも相談したいと思います。去年来られたときからとてもケラケラと楽しそうにこの作品をつくられ、語られている御姿が印象に残っています。西武百貨店の大津店が閉店になるということを捉えて、いろいろと活動する、この成瀬の様子が面白おかしく書かれているということですし、友達とか先生とか関わりのある人たちの中でも、マイペースで突き進んでいく姿というのがすごく共感を持って受け止められているのかなと思います。(成瀬が)なぜか西武ライオンズのユニフォームを着てウロウロするところですとか、ベルーナドームに行っても「タイミングいいですね。」と言われたりしました。また縁の地がこんなに多く、西川貴教さんも(本の帯に)書かれていますが、「滋賀滋賀していていいのか」というぐらい載っていてですね、そういう意味でいくらでも広がる可能性がある作品だと思います。また第2弾の「成瀬は信じた道をいく」これはまだ読んでないのですが、これもまた読みながら、さらにどういったことが展開できるのか皆さんと一緒に、また宮島さんと一緒に考えていけたらいいなと思います。
[NHK]
国スポ・障スポについて、知事も出席された知事会等で今後どうしていくのかということが話題に挙がったと思います。また各都道府県の会見等で知事の方から廃止論というものが出ていますが、これから開催しようとしているところで回答が難しいかもしれませんが、今後のあり方等について知事としてはどのように考えておられますか。
【知事】
まずは来年、いよいよ迫ってきた「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」をみんなで力を合わせて準備をし、おもてなしをし、思い出に残るこれからの滋賀に繋がる大会にしていきたいと思います。そのことに万全を尽くしていきます。ただ、いわゆる国民体育大会が創設された時代から1巡目みんながやってきた時代、そして2巡目みんながやってきた時代から、大きく変わってきた。人口も減り始め、こういった大会の意義というのも少しこのままでいいのだろうか、それぞれの自治体に過大な負担がいくということについて理解が十分得られるのか、そういった事々を受けた村井会長をはじめとする皆さんの問題提起ですので、私もこの問題提起は共感するところが大ですので、丁寧に検証なり検討するプロセスが必要だとは思いますが、将来のためにみんなで議論して考えていきたいと思います。場合によっては、来年開催する国民スポーツ大会が障害者スポーツ大会が滋賀県として行う大会の最後になるかもしれませんので、そういう意味でもしっかりと臨んでいきたいと思います。
[中日新聞]
西武ライオンズ(の公式戦)での始球式についてですが、今回始球式をされた感想をお聞かせください。また、今後の西武グループとの連携強化のためにこういった機会があったとお聞きしましたが、今後の連携強化の方向性等についてはお話はされたのでしょうか。
【知事】
まず、滋賀県スペシャルデーということで土曜日にベルーナドームのマウンドに立たせていただきました。その前にはマスコットキャラクターと記念撮影をし、そして外崎選手に近江牛をプレゼントしました。外崎さんは青森県の弘前の御出身で、こういった地方がPRをすることにすごく御理解がある方だと思います。私も青森県弘前に友達がいるのでみんなで応援していますとお伝えしました。なかなかないですよねこんな機会。しかもこの日はソフトバンクホークスとの試合で会場はチケット完売で満員という球場でしたので、その中で滋賀県のPRをする。また球場の外で展示やPRをさせていただきました。このことには感謝したいと思います。始球式については、マウンドが高くて固くて緊張して、ボールはへなちょこでしたが、一生懸命「琵琶湖より愛をこめて」投げて、何とか(キャッチャーに)届いたということです。ボールが届いたら、ちょっとだけ歓声、どよめきがおきていました。まさかこのおじさんが投げて届くと思っていなかったというところがあったのかもしれません。ボールをくれた西武の古賀捕手からは「ナイスピッチングでした」と御声掛けをいただいて、気を良くして帰ってきたということであります。ただ大事なのはこれからでして、こういった西武グループさん、西武鉄道さん、西武球団さんとの御縁もいただきましたので、例えばスポーツ振興面でどのような取組ができるのか、何よりも近江鉄道を安全に運行できるように、週末には踏切の事故もありましたので、こういったことがないように努めていくということ、利便性・サービスの向上に取り組んでいくということもありますし、ホテルやゴルフ場をはじめとする観光ですとか、こういった取組なども多くのネットワークをお持ちですので、どういう連携ができるのか模索していきたいと思っています。そのことは西武ライオンズの奥村社長ともお話をし、また近江鉄道の飯田社長ともやりとりしました。ぜひ今後に繋げていければと思っています。
[中日新聞]
実際に土曜日の場では何かそういったお話する機会はあったのでしょうか。
【知事】
御挨拶の折に、今後の展開の可能性などについて話をしました。また飯田社長との間では始球式で投げてから懇談の機会もいただきましたので、近江鉄道をさらによくするためにはどういう夢を私たちで共有するのか、公有民営、上下分離方式だけではない夢を共有するような議論を進めていきましょうと申し上げ、賛同を得たということです。
[中日新聞]
西武ライオンズの社長さんと近江鉄道の社長さんとその日にお話をされたということでしょうか。
【知事】
話はしました。具体的に話をしたのは近江鉄道の飯田さんの方が多かったと思いますが。
[読売新聞]
さきほど少しお話がありましたが、上下分離への移行からわずか2週間で日曜日に踏切の事故がありましたが、今後どのように安全対策を講じていかれるのか教えてください。
【知事】
列車の運行というのは朝から夜まで多くの方が御利用される形で行われています。これまでは施設も運行も全て近江鉄道株式会社でしたけれども、私達も市町とともに管理機構を組織し、鉄道事業者としてその運営、運行に関わることになりましたので、まず、この踏切事故の原因がどういったところにあるのか究明した上で再発防止策を取りながら、日々の安全運行にこれまで以上に交流を密にして取り組んでいきたいと思っています。この責任は極めて強く自覚していかなければならないと思っています。
[読売新聞]
偶然かもしれませんが、今回事故のあった踏切では1年ほど前にも車両と車が接触する事故があったそうですが、そのあたりを含め今後の対応をお聞かせください。
【知事】
まずはその踏切がどういう原因・経緯で今回の事故に繋がったのかということを共有いたします。踏切というのは、人や車が軌道を横断するという意味において、これはいろいろなリスクが伴う施設でもあります。こういう存在をどのように私達が認識し、また鉄道会社は(踏切を)できるだけ少なくという思いがありますが、ただ人の往来等で確保しなければならないところも多くあるということですので、その安全対策を講じていくということに取り組んでいきたいと思います。
[読売新聞]
踏切の数は鉄道会社としてはなるべく減らしたいということですが、今後維持管理をしていく上でそのあたりは何かお考えはあるのでしょうか。
【知事】
私も電車の運転を経験した数少ない知事として、おそらく私だけかもしれませんが、踏切があると相当気を使います。遮断桿が下りていても、例えば遮断桿の下をくぐられるとか、もし異常があって遮断桿が下りていなければどういう状態になるのか。そのときにハンドルを持って逃げるわけにもいきませんし、急ブレーキをかけても止まるわけではありませんので。そういう意味でのリスクというのは必ずあるのだと思います。ですから鉄道会社としてはできるだけ少なくしたいという思いを持つと思いますが、まちづくりの観点、人の往来という観点から、必ずしもなくせる踏切ばかりではないというときにどのような形で安全対策を講じていくのか、これは不断に研究をしながら対策を講じていくということだと思います。今度はその施設を我々自治体が管理機構として担っていくことにもなると思いますので、これまで以上に、要望だけして、お願いだけしてということだけではない、責任主体になったということも含めて考えていかなければならないと思います。