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知事定例記者会見(2024年4月1日)

令和6年4月1日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

機器の不具合で音声等支障があるのかもしれませんが、YouTubeで御覧いただいている方々含め、また報道機関各位含め、新年度、今年度もどうぞよろしくお願いいたします。週に1回、原則週1回ですね、会見をさせていただく。このスケジュールは引き続き堅持してやっていきたいと思いますし、幹事社の方々とよくこの会見のあり方等も調整しながらですね、多くの方々の御関心に応えられる、疑問に答えられる、そういう開かれた県政というのは大事にしていきたいと思いますので、どうぞ御鞭撻、御指導をお願いいたします。新年度の抱負、また挨拶、訓示をさせていただきました。世界社会が大きな変化、分岐点の中にいるということですので、根を張り、つぼみに力を蓄える1年にしようということでありますとか、「治に居て乱を忘れず」、常に備えようということは強く申し上げました。また5つの柱を少し具体的に述べた上で、2つのテーマ「北の近江振興プロジェクト」と「大阪・関西万博」、「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」に向けたレガシーづくりを申し上げました。また仕事の進め方では情熱、つくったパーパス、そして業務の見直しということを申し上げたところでございます。特にパーパスについては、「琵琶湖とくらしを守る。三方よしで笑顔を広げる。豊かな未来をともにつくる。」ということで、みんなで議論してつくりましたので、この具現化に向けて頑張っていきたいと思います。

今のことに関連いたしますが、2025年、いよいよ4月からは「大阪・関西万博」、そして9月から「国スポ・障スポ大会」が開催されます。テーマが「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」、大阪・関西万博が「いのち輝く未来社会のデザイン」ということでいずれも「輝く」ということが入っておりますので、レガシーとしては共通する部分もあるだろうということで、そのレガシーづくりをしようということの一環といたしまして、「レガシー2025 創出推進本部」を本日設置をいたしまして、第1回の本部員会議を4月16日火曜日に開催する予定でございます。いろいろな視点からレガシーというのはつくれると思いますので、ぜひそういったものを部局を越えてつくれるように取り組んでまいりたいと思います。

また今日から新生近江鉄道がスタートをいたしましたので、伴う取組も充実させていきたいと思います。私からは以上でございます。

[朝日新聞]

まず初めに、今おっしゃった新生近江鉄道をスタートということで、今日、近畿運輸局が事業者に認定書を交付されるということでしたけれども、これについて知事の御所感を教えていただけないでしょうか。

 

【知事】

長い歴史を持つ、そして県内東部地域を中心に5つの市と5つの町を繋いで走る約60キロ、33の駅のある近江鉄道が新たな経営体制で、新生近江鉄道としてスタートをいたします。その経営の一角に管理機構の一員として滋賀県も加わります。市町とともに、まずは何より安全な運行、第二種鉄道事業者とともに、安全な運行を維持継続していく、これがまず第1でございます。この間3年間運営改善期間を設けて、みんなで議論しながら、サービスの向上、利便性の向上、様々な対策をとってきましたので、さらにそういうものが広がり、充実し、元気な近江鉄道を、皆様に愛される近江鉄道をつくっていきたい、そのことが地域の発展にも資することに繋がるんじゃないかと思っております。

 

[朝日新聞]

今回の実施事業計画書には、10年間かけてどのような効果をもたらすのか、その目標値として、まず一つは近江鉄道としての収支、もう一つは年間利用者数を473万人という昨年度の433万人を40万増やしますということが明示されているわけですけれども、今回新しくスタートした近江鉄道はいわゆる公有民営であり公も関わっています。そうした場合の公有民営としての公共交通機関としての評価の基準として、経営上の問題、あるいはその利用者数だけでいいのかということはちょっと考えた方がいいのかなと思います。もちろん知事の方がお詳しいと思いますけれども、鉄道や駅というのは、やはりその機能や役割を考えれば、もっと多面的な評価をする指標や目標というのがあってもいいのかなと思います。やはりこの新生近江鉄道が目指すところというのはどういうものなのかというのを、経営上の問題だけではなく、それがいかに県民にとって必要な部分になっているのかというところがもっとわかるような形での目標や目指す姿というのを示す必要があるかなと思いますが知事はどうお考えでしょうか。

 

【知事】

強く共感し、同意いたします。まず法律の枠組、立て付けがございますので、今回公有民営方式、いわゆる上下分離というスタイルをとりまして、第二種鉄道事業者、運行を担当するこちらの収支の均衡というものをまず一番につくり、その上で生み出されてくるものから、さらには自治体との連携の中で活性化策でありますとか、利便性の向上でありますとか、こういった事々をつくっていくということが求められておりますので、その使命を第一に果たしていくということだと思います。目標の設定でありますとか効果の測定ということについては、まずこの体制でスタートして、大きな計画の中に書いている事々がありますが、さらにどういう効果や目標というものが設定できるのか、これはぜひ皆様とよく議論をしてつくっていきたい、また見ていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

4月1日をもって滋賀県庁は新たな人員でスタートするわけですけれども、新しい滋賀県庁のスタッフ、人事のあり方について知事のお考えをお聞きしたいと思います。滋賀県は今回の人事で庁内の9人いる部長のうち商工観光労働部長以外の8人の部長が異動されています。先ほどの8名の部長のうち文化スポーツ部長を除く7名の部長が1年での異動ということで、かなり早いサイクルで変わっていらっしゃると今回感じたのですが、1年で庁内の部長を変えるということについて、どのようなお考えでしょうか。

 

【知事】

改めて、そのように見ていただいて、尋ねられるとそうだったのかという、そういう思いを持っています。その時々、迎える定年、抱える課題、そして持っている能力・経験、こういったものを考えながら、適材を適所に配置することを考えていますので、その中で結果的にそうなったということだと思います。そのことが適し、ずっと担えるのであれば、なるべく変えないというのも1つでしょうし、それぞれ経験を蓄積していくために違う部署になってまた更にという視点もあるでしょう。かつ、今回は新たな部「子ども若者部」を設置しました。そして役職定年制というのが初めて導入される、そういう年でもございましたので、そういったこと事なども考えながら、配置をしたということです。

 

[朝日新聞]

例えば昨年度の人事も、実は文化スポーツ部長以外の8人が交代していて、その中で健康福祉部長以外の7人が1年で交代しています。それで各部長の異動についてみてみると、知事公室長、総合企画部長、総務部長の3つのポストが2020年以降のこの5年間、毎年1年で異動という人事になっています。長くいればいいのか、1年でフレッシュにすればいいのか、どっちが良い悪いということではないと思いますが、例えば今年の京都府の人事は本庁内の部長全員が留任ということでした。それはやはり今進めている行政の継続性を重視して、新年度当初から切れ目のない施策を続けていくという御説明があり、12人いる部長で異動者が0人であるということでした。また先程、役職定年ということをおっしゃっていますけども、例えば福井県では今年役職定年になられた部長がいたんですけれども、交流文化部長というところで、ちょうど北陸新幹線の開業もあるということで、これは特例として、定年を1年延長して、引き続き職務に当たられているということです。そういうのもありますが、それは判断がいろいろあると思いますが、ただ1年で終わる、例えばこれが定例化してしまうとか、どうせ1年で変わるということが定着してしまうということについては、やはりリスクがあるのではと感じているのですが、知事はどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

ありがとうございます。数年ずっとみて、そして俯瞰して、さらには他府県と比較してお尋ねいただきありがとうございます。その時々の府県庁の陣容にもよると思います。また課題にもよると思いますので、そこは一様ではないのだと思います。また、必ずしも1年で決めているわけではなくて、その人その人、そのときそのときの課題などを見ながら、どのような配置にすればいいのか、経験を積んでもらうのがいいのかということを考えながらやっていますし、単年度というよりも、複数年度見ながらこの人にはこういう形でキャリアを積んでいってほしいということも考えながらやっていますので、そういう中での新年度の新体制ということです。ただ重要な御指摘を御質問の中でいただいていたのはこの3月4月、たとえスタッフが変わったとしても、また1年で部長等が交代していたとしても、切れ目なく行政を進めていくというのは大事にしておりますので、遺漏なきよう進めていきたいと思います。

 

 

[京都新聞]

レガシー創出推進本部を設置されることについて、これからの話し合いにはなると思うのですが、国スポ・障スポ、万博にもレガシーといったものについて、日々どういった話し合いをされて、どういったテーマをお考えになっているか。

 

 

【知事】

まず国スポ・障スポでいえば開催基本構想というので、7つのレガシーを掲げています。例えば競技力を上げること魅力を発信すること、さらには共生社会の実現ということで、比較的幅広く書かれておりますので、そういうものは一定ベースになると思います。またプロスポーツチーム、プロスポーツの興行などもこの間ずっと広がってきていますので、例えばそういうものをどのように伸ばしていくことができるのか。また部活動の地域移行でありますとか、健康福利ということとか、この間コロナもありましたし、さらに様々なことが動いています。そして万博と同じ年に開催するということもありますので、そのあたりをもう少し捉え直して幅広く、その後に残る国スポ・障スポ、こういうイベントがあったからこういう取組が進んだねというようなものがみんなでつくり、確認できたらいいなと思っております。万博についても共通していまして、「いのち輝く未来社会のデザイン」ですので、まず命というものを大事にするということでありますとか、それらが「輝く」ということでいうと、健康しがの取組にも大きく繋がるであろう。また万博の場合は新しい技術とか新しいサービスとか、少し先の未来を展望した実験というものも展示されるでしょうから、そういうことをどのように取り組んでいくのかというのは、大事であり、おもしろい視点になるのじゃないかなと思います。

 

[京都新聞]

 何かこう話し合われることを形にするなり、発信するなりされているでしょうか。

 

【知事】

今の時点で発信・活用というところまでのスキームを全て描けているわけではないのですが、残りも1年を切ってきますので、1年後ということに迫ってきますので、大会があって終わってからというのではなくて、助走期間も設けながら、その取組というのを具現化していけるようにできたらいいなと思っています。当然国スポ・障スポであれば、そのイベントの成功に向けた準備ということも大事ですし、万博の展示や参加というのも大事だと思うのですが、ややもするとそのことだけに汲々としてしまうことがないように、その先のことを展望した取組というのをみんなでつくっていければと思います。

 

[京都新聞]

次に万博に関連して、夢洲でガス爆発事故がありましたが、開催期間中の安全性も含めて懸念されているところかと思いますが、どう受け止めていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

「大阪・関西万博」の開催にあたっては、今お尋ねいただいた展示するものをまた御覧にこられる多くの方々の安全というのはとても大事な視点だと思いますので、そのことに向けた様々な取り決め、また対策・準備そういうものも今着実に整理しながら、一つ一つ行われていると承知をしています。特に暑い中で行われることや多くの方が来られるということに起因する課題等もあるようでございますので、この辺りはみんなで考えながら対策をしていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

4月1日にいろいろなものが値上がりし、まだ物価上昇は続く可能性があります。去年は「しが割」を何回か行い、消費を促すというこういった対策をされましたが、今年度も臨機応変に、例えば予算を組み替えるなどして対応する予定などはありますか。

 

【知事】

まず状況を見たいと思います。物価の上昇・高騰というのは、引き続き続くことが想定されますが、この春はその物価上昇を上回る、飲み込める賃金上昇というものも併せて施行され、交渉も行われ、実際に結果・成果としても出始めていますので、そういう諸々の動きの中で、どういう経済、またどういう社会、生活の状況になるのかという、まず状況を見たうえで必要なものは検討し、また実行していきたいと考えています。

 

[日本経済新聞]

近江鉄道の上下分離について、式典自体は4月6日に開催されますが、ここには近江鉄道の親会社の西武ホールディングスの後藤会長がいらっしゃるということを聞いたのですが、それは事実ですか。

 

【知事】

4月6日に式典をすべく、現在準備を進めているということは事実です。ただそこにどなたがどれだけ御参加いただけるのかというのはまだ最終調整中と伺っています。

 

[日本経済新聞]

ただ西武グループから結構上の方を呼ぶという感じなのでしょうか。

 

【知事】

これまでの経緯また歴史、そしてこれからの関係というのも大事にしたいと思いますので、対象にはなるのではないかと思いますが、いろいろな都合事情もおありでしょうから、確定まではもうちょっと時間が必要かと思います。

 

[日本経済新聞]

先ほど京都新聞の質問に答えて、レガシー、国スポレガシーのことだと思うのですけども、プロスポーツの恒久化も促せるという言い方もされていて、これは国スポで使う施設にプロスポーツを誘致しようということでしょうか。

 

【知事】

当然そういったことも含まれます。この国スポを機に、老朽化していた手狭になっていた様々なスポーツ施設等の更新、これは市町と一緒にやってきましたので、その活用というのはみんなで考えていく必要があろうと。その一つの選択肢にそういったところを本拠地とされるプロスポーツチームとの関わりというのをどのように位置づけていけるのかというのは可能性のある選択肢になると思います。ただ、もちろんその施設だけじゃなくて町ぐるみでどうするのか、あと健康づくりにも繋げるのかというちょっと幅広いこともセットで考えていけるのではないかと思っています。

[日本経済新聞]

なぜ西武グループの話をしたかというと、例えば西武ライオンズの試合をいくつかこっちに持ってきてやるなど。昔は皇子山球場でプロ野球をやっていましたよね。そういったものをやろうとしているのかと思ったのですが。

 

【知事】

スペック・仕様の問題もあると思いますが、そういった興行の本拠地だけではなくて、もっと試合自体をこの滋賀で見られるようにするということも、これは大きな選択肢になりうると思います。

 

[日本経済新聞]

彦根市にJFLのサッカーチームのレイラック滋賀というのがあって、これはJ3の一つ下のカテゴリーですよね。彦根市長はその「HATOスタジアム」をレイラック滋賀の本拠地にして、Jリーグに加盟することを目標にされていますが、その辺りの意識はありますか。

 

【知事】

意識にはあります。意識にはありますが、基準の問題ですとか、そこに入っていく、そこで認められるということには、いろいろなハードルもあると聞いていますので、それらを県や市町等、そして民間企業等とどのように連携しながら乗り越えていくのかという、この議論は積み重ねる必要があると思います。

 

[中日新聞]

レガシー推進本部について、まずこちらの体制がどのような体制になるのか。先ほど横断的にとありましたが、基本的には庁内の本部設置から進められて、本部員会議をされるとか、こういった会議を定期的に開いていくことになるのか、進め方についてお願いします。

 

【知事】

「レガシー2025 創出推進本部設置要領」を定めてその中に今お尋ねいただいたようなことは記載していくことになりますが、おっしゃったように部局横断で組織するものであります。本部長には知事をもって充てるということを定めておりますので、様々な事々がテーブルに上げられ議論できる、そういう体制をつくっていきたいと思います。

 

[中日新聞]

それは庁内でという形ですか。

 

【知事】

そうですね。基本的には庁内でまずつくって、そしてそれらを発信して、皆さんを巻き込み、一緒にやっていくということになると思います。

 

[中日新聞]

国スポ・障スポについてですが、この1年間でいわゆるリハーサル大会も行っていくかと思います。その1年間どのような準備期間にしたいとお考えですか。

 

【知事】

まず、いよいよ近づいてきて、1年前はリハーサル大会なども行いますので、わくわく楽しみながら、準備できる期間に充てていきたいと思います。ただ、同時に多くの方々が各市町、競技会場に移動され競技されるということですので、お迎え・お出迎え、そして滞在中の様々な御移動、こういったものがスムーズにできるような準備を怠りなくやっていくということが肝要かと思いますし、万博の後半と重なりますので、例えばバスの手配、ホテルの手配、警備員さんの手配などもずいぶん難しいというか、そういったことも例年になくあるようですので、こういったことをどう乗り越えていくのかというのは課題になると思います。

 

[中日新聞]

小林製薬の紅麹について、先週(滋賀県でも健康被害が)4件発表されたとありますが、その後相談件数が増えているなど、県内の感染状況はどうなっているでしょうか。

 

【知事】

先週末、3月29日に小林製薬が販売した健康食品との関連が疑われる健康被害事例について、本県では4例あるということを発表させていただきました。今日の今朝9時時点、その後の追加、それ以外のより多くの被害の情報があるという情報はございません。相談がどのような増え方になっているのかというのはすいません、私今手元に資料がありませんので、後ほど担当からお答えをさせていただければと思います。ただいずれにしても、こういった健康食品と称したもので、健康被害が出るということをとても心配していますので、摂取していた、買っていたという方については、まず直ちに摂取をやめ返品の手続きを取っていただくことと、万が一体調不良等になった場合は、医療機関を受診していただき、最寄りの保健所に御連絡いただくことを強く呼びかけてまいりたいと思います。

 

[NHK]

新生近江鉄道について、4月1日から上下分離はもちろんですが、どう変わるのかお聞かせください。

 

【知事】

今日から新生近江鉄道として、運行を担当する鉄道事業者と施設等の管理・保全を担当させていただく鉄道事業者とが連携して、体制を強化していく。とりわけ、この施設を管理する機構・組織の中に、県を始めとする沿線の市町が参画をし、もちろん駅周辺をどのようなまちづくりにしていくのか、また鉄道とのアクセス、鉄道を降りた後どういうアクセス、鉄道に乗るまでどういうアクセスで、といったことなども、より主体的に取り組んでいくということになりますので、これまでよりも乗りやすく便利な近江鉄道になるように取組を進めてまいりたいと思います。また大事なことは、そのことを御利用者の皆さん、住民の皆さんに実感していただくということが大事だと思います。その一つとして、今日も今朝から各駅でチラシ配りをしながら、決意の一端を皆さんが表現されるということと併せて、ICOCAについても導入の発表が先般もありましたので、そういったものを一つずつつくりながら見せていき、感じていただけるようにしたいなと思います。

 

[NHK]

 ICOCAの導入によってどのような効果が見込まれていますでしょうか。

 

【知事】

接続する鉄道でICOCAがなかったところにICOCAを導入して、どのような効果があるのかないのかということについては、まだ十分な知見、また情報があるわけではありませんのでわかりかねますが、乗り換えのときにわざわざ切符を出す、切符を買う、その切符を買うために現金を用意する、券売機で買うという、こういう手間がまず省けますよね。そこはシームレス、スムーズになる部分があると思いますし、ピッということで乗って降りてということが決済できるとすれば、そういう価格抵抗というものも緩和される部分があるのかもしれません。そのあたりどのように見積もり、そしてどのような投資を行っていくのかということは、二種の鉄道事業者の大きな経営判断になると思います。我々も情報を共有しながら、どういうことが望ましいのかというのを考えていければと思います。

 

[読売新聞]

高校の授業料無償化が大阪府で今年度から段階的に始まることになっています。知事はそれをどのように受け止めていらっしゃいますか。

 

【知事】

大阪府市さんの重要な公約として、私立の授業料が所得制限なく無償になっていくということについては、とても大きなインパクトを持つ、また周辺地域にも影響を及ぼしうる政策だということで、注目を持って見ています。ただ、それぞれお預かりしている財源の使い方というのは、それぞれの行政の判断もあるでしょうし、私立の教育ということでは一定の考え方、それぞれの建学の精神というのもあるでしょうから、そういうものも大事にしたいし、限りある財源の使い方として本県では、所得の多い方はその授業料を払っていただくと。ただ所得の厳しい方、少ない方、またその他やる気を持って勉強していただく方々に、より手厚く応援する制度を今年度からスタートさせますので、そういうものが適正に運用されるように進めていければと思っております。

 

[読売新聞]

大阪では制度の実施により、私立が少ない代わりにですね、公立の志願倍率が低下して、定員割れが相次いでいるということですが、その点についてはどのように感じておられますか。

 

【知事】

そうですね、この3月の志望、そして受験、さらには入学というこの節目に、そういった影響が出ているのではないかという報道等が行われ、私も一部学校関係者等からその情報等をお聞きしております。当然そういった大きな政策をやったときのインパクトです、これらはいろいろなところに出てくる可能性もあるでしょうから、我々もそのあたりもよく見て、また情報をできれば共有させていただいて、今後どういうことを行っていけばいいのかというのを考えていければと思います。

 

[読売新聞]

大阪府では、3年連続で定員が割れ、改善の見込みがないと判断されれば、統廃合を検討するようなルールがあるそうです。このままでは統廃合が進みかねないとみているのですが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

確かに志望数が少なく、定員割れが続く学校をどのように考えていけばいいのかというのは、これはある意味、全国共通の課題だと思います。また公立と私立の関係の中で、例えば中学生高校生の教育環境というのを整えていけばいいのかということも、これも今日的な課題としてあると思いますので、一概にどうということでは言い切れない部分もあると思います。公立は公立の役割もありますし、私立にその支持が流れすぎて、その公立の定員が割れてしまうというこの状況をどう見るのかというのは、その地域に住んでらっしゃる住民の皆様方の選択というのもある意味あるのかもしれません。我々はそのことを必ずしもそれでいいのかなという思いもないわけではありません。公立の役割というのを大事にしたいなと思いますが、ただ硬直化した教育だけでいいのかという視点もあるのかもしれませんので、いずれにしろ、さっきも申し上げたように、隣接する府県ですので、いろいろな情報共有しながら、今後のことを一緒に考えていきたいと思います。

 

[読売新聞]

滋賀県では人口減少が進む中で高校の魅力化に取り組んでおられ、1年後に新学科ができるかと思います。改めてどういうことを目指していくのか、また今後の県内の公立高校のあり方にどう生かしていくのかお聞かせください。

 

【知事】

先行して高島高校、安曇川高校で高校の魅力化に取り組んで、次は伊香高校と守山北高校で地域の資源を生かしながら、他の高校にはない魅力をつくり、働くこととか、その後の社会人としての活動に資するような、そういうカリキュラムを設置しながら充実した魅力ある高校づくりをしたいと思っています。そこにどういう支持、志望が集まるのか、また集まらないのか。また地域の方々と連携して教育活動を行っていくということがどのように進んでいくのかということもよく見ながら、いずれにしろ18歳を迎える人口がさらに減ってくる時代になりますので、公立も私立もどういう学校体制、教育体制を維持もしくは再編していくのかというのは考えていきたいと思います。

 

[中日新聞]

能登半島地震から今日で3か月となりますが、この3か月で滋賀で景色が変わったことや今後考えておられることがあれば教えてください。

 

【知事】

能登半島地震から今日で3か月ということになります。報道等、またいろいろな報告等を聞いていますと、なお多くの方々が被災され、避難生活、今後に不安を持たれた生活をされていると聞いておりますので、そのことには心を寄せたいと思います。そのことによって変わった景色ということでいうと、これは私達が意図的にそうしようとしてるからというところもありますが、支援に行かせていただいて、その中で感じることを県の施策に生かそうと。南海トラフ地震、琵琶湖西岸断層帯の地震に対応できる力を高めようとしていますので、確実にそういったことは多くの皆様方の中に意識として入りかけているのではないかと思います。ただ、その意識したことが行動に繋がるのかということとか、具体の力として備わっていくのかというのはまた別問題だと思いますので、これから計画をつくり訓練をしながら、いざ起こったときに対応できるようにしていくということが重要ではないかなと思います。

 

[中日新聞]

もう1点は、ちょうど1年前ぐらいの定例会見でお話があった中庭のしだれ桜についてはその後何か成果等はありましたでしょうか。

 

【知事】

今日も久しぶりに咲いてる中庭のしだれ桜を見て、去年よりも元気がなくなっているので、何となく見た感じ。大丈夫かなと心配しています。樹木医さんにちょっと見てもらおう、どういう状態なのか調べようということをやりましたが、あまり元気が回復するような状況にはなってないように思います。こういうちょっと寂しげな桜もいいんじゃないかと言ってくれる人もいますが、ちょっと元気がなくてかわいそうだなという気はしますので、ちょっとどういう対策がとれるのか考えてみたいと思います。

 

[中日新聞]

では何かしらの新しい情報提供はないということでしょうか。

 

【知事】

何かここが悪いんじゃないか、こういうことをしましょうという具体的な情報には私は接していません。

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