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知事定例記者会見(2024年2月20日)

令和6年2月20日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

暦の上でも「雨水」ということで、春の暖かい雨が落ちています。種や芽を膨らませるそういう雨になることを願っていますし、琵琶湖の水位も今朝の時点でマイナス48センチということで若干の回復傾向が見られます。全層循環はまだ起こっていないということでございます。先日来お尋ねいただいております琵琶湖のアユの現状、後ほど専門から詳しく説明させますが、継続してデータを収集している漁協の14統のエリ、ちなみに琵琶湖全体で34統あるそうでございますが、1月のエリ1統あたりの漁獲量が4.3kg、平年の2.9%、こういう状況にあるのだそうです。他の漁協にも聞き取りを行いますと、琵琶湖全体で不漁だという声が届いています。ちなみに、大不漁と言われた2017年を下回る「極端な不漁」というのが専門担当部署の見解です。水産試験場の調査によると、昨年秋のアユの産卵数が平年の2割と少なかったということでございます。原因は何かということで、現時点、昨年の猛暑によりまして、産卵場である川の水温が高すぎたことが影響したのではないかと捉えております。ちなみに、高時川の濁水等は影響なかったのではないかと担当では見ております。1月から開始した魚群探知機による調査では、アユの群れの数は平年の2、3割。元々資源が少ないということが不漁原因ではないかと見ておりますが、想定よりもさらに取れていないという状況がございますので、追加調査を現在行っています。過去、資源が少なかった年も春以降は漁獲が、(スライドを指さしながら)4月以降は回復するようなことが過去にも見られたので、追加調査を行うと同時に、アユ資源の漁獲の動向を注視していきたいと存じます。

それでは資料に基づいて、私から1点皆様にお知らせをいたします。令和5年11月6日から2月18日まで実施してまいりました「新・しが割キャンペーン」が第4クールまで終了いたしました。物価高騰の影響を受けている県内の中小・小規模事業者の皆様の支援を目的に第1弾・第2弾行いました「しが割」の仕組みを見直して改良して、「新・しが割」第3弾として実施してまいりました。第4クールまでの結果は、参加店舗が6,521店舗。前回第2弾より484店舗増加したということでございます。割引利用額は18.1億円。指数かけまして総じて88億円の消費につながったとみております。この「新・しが割」第3弾の利用状況は、改良いたしまして、割引券を分割して利用できるようにいたしました。したがって第2弾と比べて複数回に分けて、様々な店舗で利用されているということでございます。また、低価格帯の店舗を含め、小規模店舗での御利用も増加しているということです。事業者の皆様方からは、抽選を導入しましたし、利用期間が延長されましたので、利用が分散されて前回より対応しやすいというお声や、客単価の低い店舗でも利用されて様々な価格帯の商品が売れるなどのお声もいただいているところです。スタートした当初ですね、第5クールの実施は、利用の状況に応じて第4クール終了後に決定するとさせていただいておりましたが、このたび実施させていただくことに決定いたしました。発行セット数は約9.6万セット。当選回数の少ない方を優先して当選者を決定させていただく仕組みにしたいと存じます。明日2月21日から第3回の抽選申し込みをスタートいたします。当選された方は、2月28日から御利用いただけると。抽選申し込み期間は5日間。割引券の利用期間が今回1週間と期間が短いので、ぜひ御留意いただきたいと存じます。私からは以上でございます。

[毎日新聞]

アユの不漁ですけれども、これは琵琶湖の水位が低下していたという問題とは絡んでいるのでしょうか。

 

【知事】

よく分かりません。

 

[毎日新聞]

何もないというか、知事には連絡がいっていないということでしょうか。

 

【知事】

もうちょっと状況を見させます。漁業者の皆さんからは、やはり水位が回復しないとエリにかかってこない、戻ってこない、寄ってこないという声もあるのだそうです。水位低下しますと、やはりエリ周辺の水の流れが普段とは変わるということがあります。エリが網をかけている位置よりも浅いところとか深いところにアユがいるということで、漁獲されないのではないかということですので、一定の影響はあるのではないかと見られますが、なお調べさせます。

 

[毎日新聞]

前回の大不漁のときの水位はどうだったのでしょうか。

 

【水産課】

その時の水位データはありませんが、その時の不漁については水位の影響ということではなく、アユの成長が悪く不漁になっているというところがあります。

 

【知事】

 この時は確か、たくさん生まれすぎて、過密になって獲れなかった、育たなかったということがあったように記憶をしています。この時は水位が低かったということはなかったと思います。

 

[毎日新聞]

「しが割」ですが、良かったという声が第4クールまであったということですけれども、やっぱりちょっと困ったとか、問題点は耳に届いていませんか。

 

【知事】

アンケートも行いますので、今日から。またコールセンターに入っているお声なども集約して、どういう声があったのかということは最終的にまとめたいと思います。何か私のところにこういったことで困ったというようなことは聞いておりません。例えばスマホでしか申し込めないので、御高齢の方が御利用できないんじゃないかというお声もありましたけど、利用者の年代別データを見ますと、40歳代が22.2%、50歳代が20.5%、60歳以上が24.9%ですので、高齢者の世代も比較的他の世代と同様、御利用いただいているという状況がございますので、いろいろこの第1弾・第2弾の問題点等を改良して第3弾をやっています。したがって、この時点で何か困った、変えようという声を聞いているわけではありませんが、なお細かく見ていきたいというふうに思っています。

 

[毎日新聞]

当選者20万人として、利用率はどれくらいですか。

 

【知事】

当選しながら利用されなかった方とか分割して使いますので、使い残された方もいらっしゃるのかもしれません。したがって、この第5クールの予算が出てきたという。結果的にそういうことなのだと思います。したがって、今年度この第3弾は最終になると思いますので、まずは申し込みいただければということと、当たった方は対象店でお使いいただければと。こういうことを呼びかけていきたいと思います。

 

[共同通信]

今回第5弾は、その利用期間が1週間となっているのですけれども、今までに比べるとだいぶ短いですが、何か理由はあるのでしょうか。

 

【知事】

多分、年度で締めるからでしょう。精算まで完結させたいというそういうこともあるので、最終クールは少し短めになりますけど、意外に長いと使い忘れもあるのかもしれません。当たった方は、確実にこの対象期間内でお使いいただければというふうに思います。

 

[共同通信]

あともう一点、ダイハツの件なのですけれども、16日の日に滋賀工場で生産をしている3車種について出荷停止の指示解除が出たのですけれども、最新情報は耳にされてますでしょうか。

 

【知事】

今お尋ねいただいたこと、報道で報じられていること以外に私が何か情報を持ってるわけではありません。ただ、2月16日ですか、滋賀工場で生産している車種の一部についても、国が出荷停止の指示を解除されたということは、滋賀工場での出荷再開に向けた大きな一歩になるだろうと思っておりますので、今後の動向を注視していきたいということと、あと本部(員会議)で決定いたしました寄り添いを、きちんと行っていきたいと存じます。

 

[毎日新聞]

(琵琶湖の)全層循環はなかったということでしょうか。「まだ」とおっしゃいましたが。

 

【知事】

まだこの時点で全層循環が完了したということは発表できません。

 

[毎日新聞]

全層循環というぐらいですから、全部ひっくり返って(全ての調査地点で水の循環が起こって)はじめて成立するものですよね。だから言葉として「一部全層循環があった」という表現は、成り立つ表現ですか。

 

【知事】

以前の私のここでの発表を受けて、一部報道機関で「一部で(全層循環を)確認か」ということも報じられていたようですけれども、従来そういう発表の仕方はしていません。見ているほぼ全ての地点で一定、酸素が行き渡った状態で全層循環が完了したという、こういう発表をさせていただいております。それをもって私達は全層循環が完了したという、こういう言い方をしています。

 

[日本経済新聞]

14日の議会で提案説明された「(仮称)地域公共交通計画」についてですが、これは3月末までにまとめられる滋賀地域交通ビジョンを基にして、庁内で練られた具体的な施策をまとめたものということでしょうか。

 

【知事】

今、地域交通ビジョンをつくっています。これは県内を4つに分けて、こういう交通の姿、交通が実現すればこういう暮らしの姿という形で描ければと思っています。そのビジョンを実現するためには何をするのかということの具体的な政策をまとめたのが計画でございます。こちらは地域を6つのエリアに分けて、令和6年度と7年度の2ヶ年かけて、完成させていこうと地域公共交通計画策定のための協議会をつくって議論をしていきたいと思っています。

[日本経済新聞]

協議会というのはどんな形でどんなメンバーでいつできるのでしょうか。

 

【知事】

今はその準備をしているところです。交通ビジョンをつくるための懇話会がありますのでこれから一部スライドするところもあるのかもしれませんし、もう少しメンバーを増やすということもあるのかもしれません。あと、地区別に分けて、これは県民との対話ワークショップ、県民フォーラムなども合わせて動かしますし、参加型税制による交通税の検討も並行して行いますので、こういったことも考えながらメンバーをつくっていくことになると思います。

 

[日本経済新聞]

メンバーは県庁の職員とそれから外部の有識者という形ですか。

 

【知事】

県庁職員は主に事務局をやることになると思います。

 

[日本経済新聞]

基本的には今の懇話会がベースになるというふうに考えてよろしいですか。

 

【知事】

懇話会の方にもお差し支えなければ入っていただくようになると思います。

 

[日本経済新聞]

学識経験者が中心で、あとは事業者ですか。

 

【知事】

事業者は不可欠だと思いますし、やはり事業者と学識経験者だけではなくて御利用される方のお声というのはよく聞いていかないといけません。ビジョン以上に具体の政策に絡みますので。そういう意味で、メンバーはよく熟慮、検討した上で決めていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

計画を令和7年度までにつくるということであれば、そこから予算を取り、計画を実行に移すのは、令和8年度以降という考えでよろしいですか。

 

【知事】

つくる計画に基づく施策の具体は8年度以降ということになりますが、現時点でも、例えばバス路線が廃止されたり、いろいろな鉄道経営の仕組みを変えたり、バリアフリー化をしたりという今やらなければいけないこともありますので、これらはもちろん今年度もやっていますけれども、6年度7年度も行いながら、交通に対する施策は充実させていきたいと思っています。

 

[日本経済新聞]

ビジョンでは4つの地域には分けてやっていますが、(計画では)これを6つに再編成するというイメージですか。

 

【知事】

どういう考え方でエリアを分けるのかというのはこれから詳細な議論、検討をすることになりますけれども、全県をひとくくりということだけではなくて、いくつかタイプに分けて計画をつくるということになると思います。今私が聞いていますのは6つということですので、その6つをどういう考え方で分けるのかということについては、まだ詳しく説明を受けていませんので、説明を受けた後、また皆さんにきちんと御説明したいと思います。

 

[日本経済新聞]

中心になってやっているのは交通戦略課ですか。

 

【知事】

そうです。

 

[日本経済新聞]

かかる金額について、ビジョンでは現状維持、県民が望む最低限、県民が理想とするという3つのステージに分けて考えておられ、それぞれで必要になる金額もちがうということですが、計画の方もいくつかのステージに分けて考えるのでしょうか。

 

【知事】

今回ビジョンをつくるにあたっては、財源のイメージをより明確に持つためにいろいろな想定を置いたとのことですが、現状維持と施策あり、そしてさらに施策を乗せて行うという、この3つに分けて考えました。計画の段階ではもっとやることが具体的になると思いますし、すぐにできること、時間をかけてやること、公的にやること、民間でやることなどが結構混在してくると思いますので、その辺りはビジョンの中で議論した財源のどの部分をどのように当て込めるのか、使うのかということは整理して皆様方にお示しする必要があると思います。

 

[日本経済新聞]

現状でもまだ、交通税に関しては14日の議会でも知事は選択肢の一つという極めて慎重な言い回しをされていましたが、この計画をつくっていく2年間では、先ほどおっしゃったように交通税を導入するのであれば、例えば超過課税にするとか、あるいは目的税として独立させるのか、当然特別会計をつくらなければいけない気がするのですが、そういったかなり具体的な制度設計もこの2年間で並行して踏み込んで考えていくということになるのでしょうか。

 

【知事】

参加型の税制で並行して議論を進めていきたいと思っています。今お尋ねの中にあった選択肢の一つというのは、当然国費も出ます、現状。そして私達も県費も出していますし、事業者もやるし、その原資は利用者の負担によって成り立っていますので、そういう意味で新たにつくる交通税の負担、分担というのは選択肢の一つとそういう意味で示させていただいておりますので、それをもしつくった場合いろいろな可能性があります。今お尋ねいただいた超過課税でやるのか目的税でやるのかいろいろな可能性がありますが、例えばこういう姿でやってこれぐらいの財源が得られた場合どうなるのかという姿も計画の議論とセットで並行して議論をしていきたいと思います。

[日本経済新聞]

交通税に関する議論は新しくできる協議会の中でやっていくのでしょうか。

 

【知事】

協議会の中でも議論をされることになると思います。税制審議会と並行させますので、この議論は協議会ではしませんということにはならないと思います。おそらく負担とセットだとやることに関しても、もっと現実味を持って御議論いただけるのではないかなと思っています。

 

[日本経済新聞]

税制審議会に諮問して答申を受けるという形になりますか。

 

【知事】

もう1回になるのか、もう2回になるのか、何度になるのかわかりませんけれども、税制審議会とは絶えずキャッチボールしながら必要な諮問をし、答申をいただきながら議論を前に進めていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

琵琶湖の水位がマイナス48センチになりました。以前のお話では渇水対策本部を解散させる目安はマイナス40センチぐらいということでしたが、渇水対策本部の解散というのはもう視野に入っているという感じでしょうか。

 

【知事】

まだ視野に入るというところまでは来ていないのではないでしょうか。もう少し見たいと思います。

 

[NHK]

今日も雨が降っていて、水位が上がってきているということですが、改めてこの回復傾向にある現状についての受け止めをお願いします。

 

【知事】

自然のことですので入りと出があり、私達の思いだけで何か制御ができるものではありませんけれども、例年よりも少ない状況から雨や雪解け水によって例年並みに回復しつつあるという状況には安堵しておりますが、まだ少し例年より低いので、もう少し状況を見ていきたい。引き続き大切に使っていきましょうということを呼びかけていきたいと思います。

 

[NHK]

渇水対策本部についてはもう少し状況を見て(解散については)判断したいというお考えでしょうか。

 

【知事】

もう少し状況を見させていただきます。

 

[京都新聞]

「しが割」についてですが、先ほどスマホがなくて申し込みができなかったというような声は聞かれていないということだったかと思いますが、「しが割」の前の「ここクーポン」のときからも言われていることなのですが、高齢者に限らずスマホを持っていない方というのは一定いて、少し古いデータではスマホ所持率は8割ぐらいということなので、持っていらっしゃらない方、アプリを利用しないという方もおられると思うのですが、中小企業の支援策とはいえ消費者のメリットがすごく大きい施策で、スマホを持っていなくて参加できない方との公平性というのはどう考えるのかという点をお尋ねしたいです。

 

【知事】

そのあたりもアンケートですとか、最終結果を踏まえてどのように見るのか考えたいと思います。もちろん物価高騰、コロナの影響等で苦慮されている事業者を支援するための制度ですので、一定の効果がありつつもおっしゃったように利用者に割引という形で還元される。この制度、仕組みがスマホの保有非保有によってどのように影響するのか。お1人であれば持っている、持っていないで変わってくるのかもしれませんが、ご家族でシェアされる場合、一定の緩和もあるのかもしれません。とはいえ、持っている人が利用でき、持っていない人が利用できないことを一定の効率性や迅速性も踏まえて、政策の評価については、一定の段階で行っていきたいと思います。

 

[京都新聞]

今回第5クールで第3弾については最後ということですが、この物価高騰の状況というのはまだしばらく続きそうな状況で来年度以降のこうしたデジタル割引券というのは今のところは特に考えていないということでしょうか。

 

【知事】

現時点では考えておりませんが、物価高騰の状況というのは続いており、資材価格高騰の影響というのもまだまだあるということですので、こういった状況を注視するという姿勢は続けていきたいと思います。先般行いました労使そして我々行政が入る場でも、それらを上回る賃上げというものを実現できる働き方改革をしていこう、また労使交渉をしていこうということもございますし、そういったことが可能になる支援策は一定県においても、措置させていただいておりますので、国からもいろいろな支援策も出ていますので、そういったことも周知ですとか、御利用促進を図っていくことと併せて、物価高騰対策を行っていきたいと考えています。

 

[京都新聞]

湖岸緑地の有料化社会実験に関して、昨年2回行われて、2回目の実施のときには結果を見て、来年度以降の駐車場の有料化を検討したいということだったかと思います。本年度、年度末が近づいてきましたけれども、来年度というのはどうされる予定でしょうか。

 

【知事】

もう少し状況を考えたいと思います。どういうことを行うべきなのか。今回は都市公園だけでやりましたけれども、それ以外の部局が管理する公園でどう

なのか、トイレの環境をとても気にしていますので、そういったものとの兼ね合いでどうなのか、いつ頃やるのがいいのか、そういったこともよく見て、考えていきたいと思います。

 

[京都新聞]

有料化するかどうかについても今年度の判断というのは見送るということでしょうか。

 

【知事】

今回の実験の結果だけをもって、どこかの公園を有料化するという方針を持つまでは至っておりません。

 

[京都新聞]

有料化するかしないかを決めずに場所ややり方を変えて何度実験をしても、やり方によって賛否や利用率は変わってくるわけで、以前の会見でもどういう結果が出たら有料化という判断をされるのかというのをお聞きしたことがあったかと思うのですが、その方針なくしてやる実験にどれぐらいの意味があるのかと思っています。県の方で有料化をしますので、つきましてはどういう手段であれば皆さんが納得いく料金徴収になるのか考えますというのであればわかるのですが、そこを決めずにやり方を変えても同じことになるのではないでしょうか。

 

【知事】

大変的を射た御質問だと思います。ただ、こういった実験、試行もいろいろな条件でやりますので、いろいろな時期にもよりますので、やはり様々な状況による異なる結果、反応というのは丁寧に見ていきたいと思います。今の時点でどこかの公園をいつから有料にするということを決めているわけではありません。これまで無料だったものを有料にするということに対しては慎重かつ丁寧な議論、検討また説明が必要だと思いますので、そういう意味で、試行実験を繰り返している、重ねているということです。

 

[中日新聞]

「しが割」について伺います。今、現時点の数字が上がってきた第4クールまでの結果について、88億円もの額が使われたということに対して、その結果・反響など、どういうふうに受け止めていらっしゃいますか。

 

【知事】

これまで申し上げたようにコロナ禍ですとか物価高騰ですとか、こういったことに苦闘されている県内事業者を支援しようということでつくった制度ですので、また第1弾、第2弾を行ってきたことの問題点等も改良した上で実施させていただいております。これまで多く御利用いただいているということであるとすれば、一定その目的に沿った効果というのは発現されつつあるのではないかなというふうに思っています。ただ第5クールがまだ残っていますし、これをやって、そして御利用いただいた方、受けられた事業者などからアンケートも行いますので、この結果を見てどういう総括をしなければいけないのかということは持っていきたい、また説明していきたいというふうに思います。

 

[中日新聞]

ちなみに知事御自身は利用されたのでしょうか。

 

【知事】

抽選に当たるかどうかで1回目はしたと思います。当たったので使ったと思います。ただもう2回目以降は抽選に応募することすら忘れていましたので、使っていません。

 

[中日新聞]

1回目に使用された経験もあるということで、御自身で利用された感じはいかがでした。

 

【知事】

そうですね、妻と一緒に使ってみました。どういうことになるのかというので。すごく使いやすかったと思います。

[中日新聞]

別件で、先ほど開催された子ども政策推進本部の本部員会議のことで伺います。いよいよ「しがの学びと居場所の保障プラン」の最終的な案が上がってきたというところで、改めて本年度末までの策定に向けて、どういったところをこのプランで押し出していきたいか、子ども政策を進めていくかという思いをお願いします。

 

【知事】

これまで第6回まで重ねてきた滋賀県子ども政策推進本部で、これまでの議論・検討を反映した形での来年度の予算案、そして組織体制案として「子ども若者部」を設置することなど、確認をいたしました。加えまして、その中の一つである不登校の状態にある子どもへの対応等「しがの学びと居場所の保障プラン」というものを今取りまとめつつある、最終段階にありますので、その内容等を共有いたしました。これまで市町との議論、また県議会、関係団体等との議論を積み重ねてきて、担当者等が鋭意、今年度内の取りまとめと、そして取りまとめたことが具体、市町とともに実施・実行できるような、その確認とをあわせてさせていただいておりますので、それらを鋭意成し遂げていきたいと思っています。概ね御理解をいただき、多くの市町とともに来年度当初から様々な施策として、これはいろいろな状態の子どもたちがいますので、登校ができる・できない、外出ができる・できない、そのどの状態にあっても学校や地域、それぞれの機関の中で必要な学びと育ちのための手当が今よりなされるという、こういったことに結び付けられるのではないかと思っておりますが、なお2月、3月、取組を行っていきたいと思います。

 

[共同通信]

草津市長選について伺います。無投票で橋川さんが5選目ということになりました。5選というとなかなか回数が多いということと、5回当選されているうち3回が無投票だという現実がありますが、その点について知事の受け止めをお聞かせいただければと思います。

 

【知事】

私も何回か選挙をやらせていただいておりますが、無投票でその立場を得たということはありませんので、どうやったらそういうことができるのかというのはわかりません。ただ、対抗する候補者が出られないということも一つの結果としてあるのであれば、その結果に基づいて市政を運営されるということだと思います。橋川市長は今回で5期目の当選をなされ、任期を全うされれば20年、これまでも16年、市長として市政を運営してこられています。なかなか市長・首長の立場というのは大変なので、この間、安定した市政を運営されているということには敬意を表したいと思いますが、御本人もおっしゃっていましたが、選挙等で伺えると思っていた声が十分聞けていなかったので、市民に寄り添った市政運営をしたいということでありますとか、御挨拶の中でもどなたかがおっしゃっていましたけれど、議会との関係など長くなってくるとどうしてもなかなか声が届きにくくなる、その弊害を克服するための取組というのが重要だというふうにおっしゃっていましたので、そういうことをおそらく心してなさるのだろうと思います。草津市と滋賀県の関係でいうと、たくさんのプロジェクト、そしてたくさんの課題・可能性がありますので、共有して県政運営に当たってまいりたいと思います。

 

[京都新聞]

先ほどの湖岸緑地の件でもう1回お聞きします。2回社会実験を行ってきて、現時点でいつからどこを有料化するとは決めていない。その決めなかった理由は何でしょうか。本来であれば、本年度の社会実験を積み重ねてきて、来年度以降どうするかというのを有料化を視野に考えてこられたと思いますが、実験を終えて決めなかった。なぜそういう判断に至ったのかというところを知りたいです。

 

【知事】

(社会実験を)1回目は4月、5月のゴールデンウィークのときにやりました。2回目は11月の下旬、これは冬の入口にやりました。場所は変えてやりました。一定の御利用がありましたけれども、その量やその内容、結果も含めて、どこから・いつから有料化をするという材料は十分得られたとは思っていません。したがって、まだこの時点で場所や開始時期を決めた有料化ということを県民の皆さん、また利用者の皆さんにお示しすることには至っていないという、こういう状況ですね。

 

[京都新聞]

知事も「THE シガパーク」ということで県内全体の公園の魅力を高めようという施策をされる中で、こういった利用が集中してマナーが悪くなっているところで料金を徴収してほしいというのは、県民の中からも出てきた声だと聞きます。改めてお尋ねしたいのですが、どういう結論が出れば、どういう内容がわかれば有料化をすると決めるのか、何をもって決めようとなさっているのでしょうか。

 

【知事】

今回やった実験は2回、その料金の取り方が違いました。1回目は予約の定額制でしたし、2回目は30分100円で従量制、時間が長ければ長いほどたくさんいただくというこういう形でやりましたので、1回目と2回目と違う形でやったことで、どういう料金体系を行えばいいのかという選択肢はいくつか持てたのだと思います。それらを場所や時期、時間に応じてどのように設定すればいいのかということについて、もう少し丁寧な実験、試行が要るのではないかと思います。したがって、おっしゃったとおり料金を取ってでもいいから、払ってでもいいからよりよい公園をつくってほしい、きれいな環境を守ってほしいという声があるのは確かではありますが、公の公園、無料で利用できる公園を有料化にしていくということには慎重な検討も必要だと思いますので、もう少しデータを揃えていきたい。こういう思いがあります。

[朝日新聞]

県の造林公社についてお伺いします。昨日の議会の代表質問で、188億円の債務の弁済が不能になったということで、今後のあり方についてあらゆる選択肢を排除せずに検討するという答弁がありました。これまでの債務が1,000億円を超えるというのは全国の公社でもかなり異例の額だと伺いました。人件費の高騰や木材価格の低下で伐採しても収益が上がらない状況だということらしいのですが、琵琶湖の水源にあるので50年後、100年先を見据えてどういうあり方を検討していくのかというお話だと思います。県の森林事業としてどのように今後されていくのか、どういうあり方が望ましいというふうにお考えなのか伺います。

 

【知事】

造林公社の経営問題というのは極めて重要な問題だと思います。御案内のとおり戦後、特に1950年代以降ですね、木材需要が増え、また高度成長したことに伴う水需要が増え、水源涵養機能も必要だということから、国をして法律を作り、分収造林事業を行ってきた。それを担うための造林公社を滋賀県では二つつくって、県内で約2万ヘクタール、県の森林のうちの10分の1の面積について分収造林契約を結んで、これは2,000件を超える契約だったと思いますが、行ってきたということです。公庫また下流府県市等から借り入れをして事業運営の資金を集め、そして伐採して得られた収益でそれらを返していくというモデルを行ってきたのですが、今おっしゃったとおり木材価格が低迷してそれらを回していくことができなくなったというのが2000年以降の状況でございました。こういったことを受けて県でも様々な協議、交渉の結果2008年に免責的債務の引受をまず行いました。そしてその3年後に特定調停を成立させて、残る債務を造林公社として引き継いで、188億だったと思いますが、返していくモデルを今、長期経営計画と中期の経営改善計画とを動かしながらやっている、こういう状況です。あと最近ですね、伐って売るということに一定のお金も入りつつあるのですが、人件費の高騰、また木材価格が思ったよりも上がらない。良い材がなかなかとれないということに加えて、一昨年からやっています(航空)レーザー解析をまだ全てできているわけではありませんが一部見たところ、資材の量で十分私達が想定している材積量が得られないのではないか、多く見積もっても3割しか回収できないのではないかという、こういう結果が明らかになりつつあるという状況が判明いたしましたので、大きな機能は自覚しつつ、この大きな債務を持つ造林公社をどのようにしていくのか。これらをもう一回この時点において議論・検討することが必要だというふうに思い、県民を代表する県議会の皆様にお伝えをさせていただいたところです。まだどういう方向性で何をするかということの具体の内容を持てているわけではありませんけれども、まずこの状況を県民の皆さんと共有した上で、議論を行っていきたいと思います。

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