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知事定例記者会見(2024年1月4日)

令和6年1月4日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。コロナを乗り越えて、「さぁ、やるぞ。」ということで迎えた新年でございましたが、元日1日の夕刻に能登半島で大きな地震が起こりました。多くの犠牲となられた方々がいらっしゃいます。まだ全容が明らかではないところもございますが、まずはお亡くなりになられた方々に御悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に御見舞いを申し上げます。滋賀県といたしましても、中部圏の一員として、また阪神・淡路大震災を経験している、東日本大震災の支援を経験してきた関西広域連合の一員として、最大限の支援を行ってまいります。既に昨日の時点で、現地の情報収集を行う職員2名を能登町に派遣いたしておりますし、被災建築物の応急危険度判定を行う職員も派遣をしております。また、先ほどDHEATと保健師等の派遣を行いましたし、今後調整がつき次第DMATの派遣を行ってまいります。またその前には、警察、また消防、現地で救助、救急を行うスタッフが既に現地入りをし、懸命に救助活動を行ってくれております。当面の間は、この人命救助第一優先、最優先ということで対応することといたしますが、今後多くの方々が避難されている状況、避難所の運営支援なども必要だということから、先ほど関西広域連合としての対策支援本部員会議を開催いたしまして、広域連合としてカウンターパート方式で、石川県内の市町の支援を行うことを決定したところでございます。既に滋賀県は能登町に入っていますが、会議の中では輪島市、珠洲市の状況が大変甚大だと、また道路が渋滞して大変だというような事々も聞かせていただきましたので、早急にカウンターパート、それぞれの個別の調整を行って、できるだけ早く具体の支援を現地で行えるように体制を構築してまいります。また今日夕刻には、滋賀県としての災害支援本部を立ち上げて、第1回の会議を開催する予定です。

もう一つは、琵琶湖の水位低下についてです。年末来、この渇水の状況を注視しておりましたが、今朝6時の時点でマイナス78センチ。幾分雨で回復状況もあるということでございますが、こういう状況を勘案し、また既に様々な影響等が出ていること、今後、農業の水対策等が心配されていることもあるということですので、副知事を本部長とする滋賀県渇水対策本部を本日16時に設置することといたしました。既に様々な連絡調整を行っているところでございますが、もう一段高めてより緊張感を持って、その対応を行ってまいりたいと思います。今日の16時半から、先ほど申し上げた能登半島地震の滋賀県災害支援本部の後に、この渇水対策本部の第1回本部員会議も開催することといたします。引き続き、水を大切に使うということについて、何とぞよろしくお願いいたします。

また最後になりますが、先ほど県政経営会議の冒頭で私の方から、年頭にあたっての御挨拶を申し上げました。波乱の年明けとなったのですけれども、3つの決意と重点テーマを3点申し上げたところでございます。3つの決意については、シン・ジダイへ新しく始めること。旧弊にとらわれず、力強く前進する一年にしようと「甲辰」に絡めて申し上げました。また、二つ目は「健康しが2.0づくり」をさらに進めていくこと。三つ目として、足元や身の回りを見つめ直し、根本、根幹を取り直す契機にしようということ。そして、重点テーマ3つは「子ども、子ども、子ども」。さらには、「公共交通の充実・活性化による健康まちづくり」。そして3点目として、「琵琶湖のこと、水のこと、源であるやまのこと、水の恵みをいただく農林水産業」について特に重点的に頑張ろうということを申し上げたところでございます。この1年も、メディアの皆様方、そして御覧になる県民の皆様、それぞれ関係各位の皆様方のお声を真摯に承りながら、県政を進めてまいりたいと思いますので、何とぞよろしく御鞭撻賜りますようお願い申し上げます。私からは以上です。

[毎日新聞]

震災について、県内では「被害なし」ということでよろしいでしょうか。

 

【知事】

まずそれを申し上げるべきでした。県内では、大きな被害はございません。震度4以上で確認しなければならない、例えばインフラ等も既に確認済みでございますが、人的、土砂災害、ライフラインを含め県内では被害はございません。

 

[毎日新聞]

被災地から滋賀県に対して具体的な要請が届いているでしょうか。こういうものが足りない、あるいはこういう支援が欲しいなど生の声は直接来ていますか。

 

【知事】

発災直後以降、私自身も例えば石川県知事やそして兵庫県知事等々連絡を取り合いながら、現地の状況を確認しています。まずは人命救助を最優先ということで、緊急消防援助隊ですとか、広域緊急援助隊、警察の方から彼ら彼女らが現地に行って活動をしてくれています。そして、総務省から応急対策職員の派遣ということで、県も災害マネジメント総括支援員を派遣してほしいということがございましたので、これは昨日の朝、能登町役場に向けて送り出しておりますし、既に被災建築物の応急危険度判定業務が必要だということで、こちらは滋賀県から6人石川県内に派遣をさせていただいております。また水につきましても、これは滋賀県企業庁から給水車両を1台、石川県に派遣。途中で車が故障して、点検の上、また現地に向かうという、こういうこともあるようでございますが、送り込んでおりますし、大津市企業局からも既に給水車両を派遣していただいていると聞いております。また支援物資。やはり食べるものがないということで、パン、アルファ化米、レトルト食品、これは8万3000食。こちらを七尾市をはじめとする3市3町に対し、トラック協会様、走行協会様、中部9県1市災害時等応援協定に係る連絡会議の御支援をいただいて、昨日順次送り出しを行い、昨夜のうちに搬入が完了している、こういう状況がございます。ただ、先ほど来申し上げておりますとおり、避難者が大変多く、被災者のニーズも変わっていくということもございますので、今後更なるニーズに応えられるよう、体制を増強していきたいと考えております。

 

[毎日新聞]

琵琶湖の水位について、何か実害がその後広まっているのでしょうか。

 

【知事】

このあたりも今日の夕方行う会議の中で、改めて集約、収集をしていきたいと思います。当然、漁業等に与える影響等も出ていることが想定されますし、出ていなかった湖岸が出てきているということがどのように影響、作用しているのかということも注意深く見る必要があると思っております。その辺り、年が明けていよいよ農業に向けた準備も始まりますので、上流の農業ダムの水位等がどうなっているのか、また用水で水を供給する場合の電気代等が土地改良のそれぞれの組合にどういう影響をもたらしているのかというようなことなども、少し幅広く、注意深く集めていきたいと思います。

 

[毎日新聞]

鳥インフルエンザの方は、その後何か広がりとか情報が入っていますでしょうか。

 

【知事】

この時点、この場において何か皆様方に共有する情報というのは入っておりません。

 

[共同通信]

琵琶湖の水位低下の件について、先ほど「もう一段高めて緊張感を持って対応したい」というふうにおっしゃいましたけれども、県民や県外の方への呼びかけとしてはどのようなものになりますでしょうか。

 

【知事】

自然のこと琵琶湖のことは大きく深淵なるものでございますので、我々の人知、尽力でいかんともしがたいところもあるのですが、グラフを見ていただきますと、(モニター画面のグラフを指差しながら)これが直近の状況でございます。年末に会見したときに、年末から年明けで例年回復傾向になりますので様子を見たいというふうに申し上げました。その域をまだ抜けていないのですけれども、例年よりも増えていく立ち上がりが鈍いようにも思います。それだけ(雨や雪が)降っていない。降ったものが溶けて流れ込んでいないことも作用しているのかも知れません。したがって、この時点において、もう既に現れ始めている影響等も改めて把握し直して、水を大切に使うことや今後さらに減っていけば、下流府県に対して様々なお願い、要請をしていくことになりますので、そういった準備をしていきたいと思います。

 

[共同通信]

「さらに減れば下流域の県にもお願いすることになる」ということですが、具体的にはやはり取水制限という話になってきますでしょうか。

 

【知事】

水は私達、今の被災地でもそうですけど、生きていく上で欠かせないものです。したがって、この取水の制限というのは極めて慎重に判断しなければいけない。かつ、琵琶湖の水は先ほどの(モニター画面の)地図にもありましたように、大変多くのエリアで多くの方々が毎日飲み、使われているものでございますので、この取水の制限をお願いするにしても最小限にしていくということが必要だと思います。もちろん国やそれぞれの府県、市とも緊密に連携をとりながら、まずは状況を共有しながら今後の対応を一緒に考えていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

渇水対策本部が前回設置されたのはいつからいつまでですか。

 

【知事】

前回は平成17年、2005年の12月5日に設置され、平成18年、2006年の1月24日まで51日間設置されました。したがって、それ以来の設置ですので18年ぶりです。ちなみに、(前回の渇水対策本部が)解散したときの水位はマイナス40センチですので、ある程度回復しないと解散できないということです。

 

[日本経済新聞]

今回も前回のマイナス40センチレベルまで回復しないと解散できないという感じですか。

 

【知事】

マイナス40センチぐらいにはならないといけないですね。

 

【日本経済新聞】

前回の会見では例年、年明けには水位が回復するということだったのですが、今回は年明けに設置ということですが、これはやっぱり異例の事態だというふうに考えてよろしいですか。

 

【知事】

頻繁に開催するものではありません。開催しなくてもいい状況でしたので。ただ今般、こういったものを設置しなければならないというのは異例のことだと思います。

[日本経済新聞]

本部長は江島副知事ですか。

 

 

【知事】

江島副知事です。

 

[日本経済新聞]

今の発言の中で「取水制限をお願いする場合には非常に慎重に」という話でしたが、これまでの理解だと、取水制限は国が連絡会議を開いて、国の判断でやるということではありませんでしたか。

 

【知事】

基本的には国の判断の中で行うものでありますが、当然琵琶湖をお預かりしている、その水位低下を身近で見ている滋賀県から要請することもあると思います。

 

[日本経済新聞]

その場合は滋賀県から国にお願いして、国からいろいろな水道事業者に取水制限をお願いするという流れになりますか。

 

【知事】

流れというか、おそらくさらに低下が進み、そういった事態が想定される場合には、何か要請ということよりも、みんなが一堂に会してこの状況を共有する場が持たれて、そしてしかるべき判断がくだされるということになると思います。

 

[日本経済新聞]

そうすると、渇水対策本部として滋賀県の水道事業者に取水制限をお願いするということはありうるのでしょうか。

 

【知事】

この時点ではないです。

 

[日本経済新聞]

(取水制限をお願いする可能性があるのは)国が連絡会を開く段階ということですか。

 

【知事】

おっしゃるとおりです。

 

[日本経済新聞]

関西広域連合による能登半島地震支援について、滋賀県のカウンターパートはもう決まりましたか。

 

【知事】

これから調整するということでまだ決めていません。最終的にはこれからの調整ですが、現時点既に先んじて能登町に入っており、既にいろいろな連絡調整を始めていますのでそこが基本にはなると思います。

 

[日本経済新聞]

滋賀県対石川県という感じになりますか。

 

【知事】

当然石川県は関与することになると思いますが、能登半島の市町の被災状況が甚大だということですので、基本的には滋賀県と能登町との間で、現地対応することになると思います。

 

[日本経済新聞]

カウンターパート先が能登町以外にも増える可能性もありますか。

 

【知事】

基本的には滋賀県で対応するところが増えすぎると、支援する方も大変ですので、むしろ、広大なところは広域連合でカバーするというのがカウンターパート式の一つの意味ではないかと思います。

 

[日本経済新聞]

基本、滋賀県の相手は能登町という感じですか。

 

【知事】

当面、能登町を中心とする一つの市町を目がけて、支援を送り込むことになります。

 

[びわ湖放送]

(能登半島地震支援の)カウンターパート方式についてですが、早急に決定するということでしたが、いつ決まるのでしょうか。

 

【知事】

そうですね、今日午後から担当する職員の会議を行うので、そんなに時間はかからないと思います。今日中には決め、明日以降は動ける状態を想定しています。

 

[びわ湖放送]

琵琶湖の水位低下についてですが、渇水対策本部設置ということで危機感が一段上がったということで、県民にはこれまで水を大切に使ってくださいというメッセージを出されていたかと思います。危機感が上がったということで県民や琵琶湖の水を使っている近畿の方たちにどういったメッセージを出されるお考えでしょうか。

 

【知事】

琵琶湖にたたえられる淡水、フレッシュウォーターの水位が著しく下がる状況になってきています。当然、雨が降れば、雪が降れば、溶けて流れて琵琶湖に入ってくるといったことがありますが、今年の冬はそれがすごく遅く鈍い。これから春にかけて日々の御利用に加え、農業等でより多く使われる時期を前にして、まだこの状況にあるということをぜひ皆様方御理解をいただいて、それぞれの水を大切に使っていただく、被災の状況もございますので、大切に使っていただくことを心がけを既にしていただいていると思いますが、これまで以上にお願いをしたいと思います。また少し琵琶湖の異変の状況とか、水位が減っている状況をまず一度御覧の上で、少し琵琶湖が小さくなっている状況などについても御覧いただいた上で、思いをはせ、少し認識を共有できたらいいなと思っております。

[びわ湖放送]

日常生活でこういうアクションをとってほしいということはないでしょうか。

 

【知事】

この点については、繰り返し申し上げているように水を大切に使おうということですね。それに尽きると思います。

 

[中日新聞]

能登半島地震への支援についてですが、先ほどのカウンターパート方式の前にも既に能登町に支援をされているということで、能登町が相手先に決まった理由、何か既に関係があったのか、地理特性で既に決まったのか、どういう理由で決まったのでしょうか。

 

【知事】

まず国の総務省の枠組の中で、先んじて行っていただいております中部圏ブロックの中で、防災担当する三重県が中心になって割り振っていただいて、そして滋賀県は能登町にという割り振りを受けて派遣をしているものです。特に何か事前に滋賀県と直接やり合ったり、関係があって能登町に行ったというわけではありません。

 

[中日新聞]

既にもう現地に(滋賀県の)職員の方も行ってらっしゃるということで、その職員の方から被害の状況が入っているだとかこういうことが必要だというような生の声というのは届いていますか。

 

【知事】

今私が直接に耳にしたり目にしたりということはないのですけれども、今日の夕刻、滋賀県の支援対策本部を開催いたしますので、その場で昨日入って既に活動している職員から現地の状況などを聞いて、今後の対応を考えていきたいと思います。

 

[中日新聞]

関西広域連合でカウンターパートを決めていくということなのですが、決めていくことに関しては防災担当の兵庫県が中心になっていくのか、それとも連合長である滋賀県が中心になっていくのか、どういうふうに決められますか。

 

【知事】

既にもう広域防災を担当する兵庫県を中心に調整に入っています。そして現地のニーズ、それぞれの府県市が行っている支援状況なども把握の上、最終全体調整をした上で、兵庫県、広域防災局を中心に決めていくことになると思います。そこはもう委ね、任せていきたいと思います。ただ今日会議の中で、道路寸断の状況をどういうふうに改善するのかとか、とりわけ震源に近い輪島市、珠洲市で状況がひどいので、少しそこに手厚く配置すべきではないかという御意見も出ましたので、そのあたりを加味するように私からも会議の場で申し上げましたので、こういったことは十分念頭に置いて、割り振りを考えていただくことになると思います。

 

[京都新聞]

能登半島地震に関連して、1日から既に緊急援助隊ということで滋賀県からは珠洲市に入っているのでしょうか。そちらの様子とか、何か聞かれていることはありますでしょうか。

 

【知事】

既に先んじて入ってくれています。まさに懸命に救助活動をしてくれています緊急消防援助隊ならびに広域緊急援助隊、これは消防・警察の隊ですが、私自身が何か現地の状況について聞いているわけではありません。ただこちらに報告する以上に現地はもう目の前の人に対して無我夢中で対応してくれていると思います。

 

[京都新聞]

県内にも琵琶湖西岸断層帯があり、今回元日からの震災で皆さんショックも大きかったと思いますし、備えの足元を見つめていらっしゃる方もいると思います。この機会に知事の方からこんなことを備えてほしいというメッセージがありましたらお願いします。

 

【知事】

私自身も元日の日は湖西地域でこの揺れに遭遇し、まず一番に考えたことは西岸断層帯の活動でありました。また能登半島で揺れれば連動してこの琵琶湖西岸に来るということも想定されましたので、すぐに公舎に戻り、様々な連絡を取り合いながら、この間対応をしてまいりました。今回担当する職員、また県民に向けても申し上げておりますのは、能登半島地震の支援を最大限行うと同時に、琵琶湖西岸断層さらには南海トラフ大地震、こういった震災にソフト・ハード両面で備えを強化しようということであります。いつ、どこで起こるかわからない、かつ高い確率で起こることが想定されているこういった震災にみんなで備えを強化していきたいと思います。

 

[NHK]

琵琶湖の水位低下について2つ、質問および確認をさせてください。まず、県民への節水の呼びかけについて、これまでも節水を呼びかけられてきていると思いますが、今回の対策本部設置で一層呼びかけていくという理解でよろしいでしょうかというのが1点。2つ目は、節水について琵琶湖の水を使う事業所への呼びかけはされますか。この2点についてお願いします。

 

【知事】

私どもは今、「節水」という言葉を使わずに「大切に使おう」ということを申し上げております。何か使う量を減らしたりというのはまだその先にあると思いますが、通常であれば回復傾向になる年末年始も、例年のように回復傾向に入っていない状況を、水を使わせていただいている私達も共有をして、もちろん滋賀県で流した水は滋賀県に流れていくということもあるのかもしれませんが、その間、浸み込んだりするようなこともございますので、「大切に使おう」ということを引き続き呼びかけていきたいと思います。またこれ以降(水位が)下がり、より強いことをお願いしなければならないことも想定しながら、そういう場合にどういうことをしなければならないのかということをよく整理しておきたいと思います。したがって、産業界への節水等は一般県民の方々向けのこの呼びかけをもってお願いをしたいと思います。

 

[中日新聞]

地震に関して、年末年始ということで石川の方に帰省されていた県民の方もいらっしゃったかと思いますが、そういった方が亡くなったとか行方不明といった情報は、今のところ入ってきていないでしょうか。

 

【知事】

すみません。今私が知る範囲で、今お尋ねいただいた、滋賀県民の方でいらっしゃって能登地方島等に帰省をされて被害に遭われたという情報を持ち合わせているわけではありません。ただ、今朝の報道等にもありましたように、連絡が取れない方の公表をされておりますので、そういう中で順次明らかになってくる情報等もあると思いますので、そこはよく確認したいと思います。

[毎日新聞]

政府は震災応援として「プッシュ型支援」と言い出していますが、先ほどの(広域連合の)会議では、いろいろな知事から、今物資がたくさん届いてもさばけないという情報もあるという意見が出ていました。政府の「プッシュ型支援」というのをどのように見られていますか。ちょっとやめてくれというような感じでしょうか。

 

【知事】

いや、やはり初動のときにはプッシュで人や物を送るというのは重要なことだと思います。したがって我々もそういったことが行われるということを想定し、滋賀県の災害訓練においても、受援体制というのをきっちり早期に確立できるように、これは場所も人もそうですけれども、準備をしていますが、おそらく今日の報告等にもありましたように、もう町そのものが壊滅状態にあるようなところでは受援が整わないということであるとか、せっかく物を運んで行っても接岸できない、港が壊れていて、というようなことは、これは当然想定されることだと思いますので、ここはよく被災地、また国や知事会、広域の連合やブロックの中でもそういった事態を共有して、ならばどうしていけばいいのかということをしっかり考えていきたいと思います。その意味で国がまず情報集約して、それぞれ次回市長会、町村会に伝達するのでという、こういうルートが一定確立されたようですので、そこをうまく機能させられるよう取り組んでいきたいと思います。

 

[読売新聞]

2点質問します。1点目は1月2日の羽田空港での事故の関係で、県民の方が搭乗されていたとか、そういった情報は把握していますか。

 

【知事】

今の時点でその情報を持ち合わせておりません。

 

[読売新聞]

特に集約の予定もないという感じですか。

 

【知事】

何かそういうことを調べるということの必要性は感じませんが、ただ、1つの滑走路に2つ(の機体)が入るという、あってはならない、考えられない事態が起こり、奇跡的に乗員・乗客、旅客機の方は全員が無事でいらっしゃったという、これは本当に奇跡だったと思いますが、あれだけ火が早く回る中で。こういうことが今後起こらないように検証するということは必要でしょうから、何か必要があれば県としても必要な動きはとっていきたいと思いますが、今の時点で感じているわけではありません。

 

[読売新聞]

ありがとうございます。もう1点、今回の震災で、滋賀県は中部圏にも入っていて能登の方に派遣ということになって、関西広域連合でもその状況を生かして情報共有をされた部分があると思います。こうした災害があったときの広域的な対応において滋賀県が果たす役割とか、何かその辺りを改めて認識した部分とかはありますか。滋賀は海に面していない、交通の要衝であるといった観点で感じた部分などがあればお願いします。

 

【知事】

どこでどういう震災、被災があるかわかりませんので、まず全体的に緊張感は常に高く持って対応することが必要だと思います。その上で、まさか元日の夕方にこういうことが起こるとみんな思っていなかったでしょうし、ただ起こって、幸い滋賀県は被災せず、大きな被災をされたところがあるということなので、最大限、まず近いところから、隣接するところから応援するということが必要だと思い、今回対応してきました。特に中部圏にも加わり、隣接する関西広域連合、その一員、そして連合長を務めているという観点から、よく中部圏とは連絡を取って、今日のカウンターパート方式も既にそれぞれ割り振っている中部圏のそれぞれの県を補完する形で関西広域連合もいこうということですので、今日の夕刻、その中部ブロック会議に私も参加をしてそういったやり取りをしていこうと思います。

 

[読売新聞]

今回、そういう(位置にある)石川県で起きたからということもあるかもしれないですが、滋賀としてはそういう地理的な意味で、そこを繋いでいく役割のようなものを果たしていきたいというところでしょうか。

 

【知事】

能登半島の地震、頻発していますね。ただ、より大きな震災想定として南海トラフというのがあると思います。やはりここは相互に補完し合うということが大事ですので、今回まずは最大限救助する、そして避難されている方を支援するということをまず念頭に置きたいと思いますが、この過程において、いざ自分たちの地域で起こったとき、今度太平洋岸で起こったときにどういうことをしなければならないのかというのを常に想定しながら行動していきたいと思っています。

 

[日本経済新聞]

一つ追加で、渇水対策本部について、やることは「渇水対策の総括および調整等」と書いてありますが、具体的には渇水対策はどのようなことが想定されますか。

 

【知事】

そうですね。まずどういう影響が出ているのかというのを連絡調整会議のときにもやっていますけれども、さらに水位低下がより低いレベルで起こり、長く続いていることで、どういう影響が出ているのかというのを把握する必要があると思います。水草の問題、ゴミの問題、船舶の航行の問題。そして先ほども申し上げたように農業がいよいよ始まってくるという段階で何か影響が出ているか出ていないのか、ここは見たいと思います。

 

[日本経済新聞]

まずそこからですね。だから今日の会議でもそういった現状の報告、前回こうなっているという報告はあったけれども、あれから1か月ぐらい経っているので、その間にこれだけ進んだとか、そういった話が出るということですね。

 

【知事】

多分そうなると思います。

 

[日本経済新聞]

それで改めて、それに対してはどうやっていこうかという話になってくるという感じですね。対策本部はどれぐらいの頻度で開く予定ですか。

 

【知事】

状況によりけりですけれども、そんなに大きく変わらなければ頻繁に行われるものではありませんが、状況を見て機動的に対応していきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

この後国が連絡会をつくっても、この対策本部は継続するのですよね。

 

【知事】

もちろんこの間も国とは状況(を共有し)、連携してやっておりますので、その後の対策のことも当然念頭に置きながら、国とはより緊密に連絡調整をしていきたいと思います。

[日本経済新聞]

というか、水位がマイナス90センチになって、国が連絡会を開いた場合にこの本部は渇水対策本部を解散するのではなくて継続するということですか。

 

【知事】

そうなると思います。当然渇水対策本部ですので。その場合もっと知事も出ていくことになると思います。90センチを下回ってくると緊急の対策本部になっていきますので、知事が前面に出て対応することになります。

 

[日本経済新聞]

マイナス90センチになる、もう90センチになるのは確実という段階で、知事が本部長の緊急対策本部になるという感じですか。

【知事】

この間の渇水対策本部もそうですけれど、マイナス75センチになったからといって開催する、設置するわけではなくて、そこからさらに回復が見込めない、さらに下がる可能性があるという、このことをもって設置いたします。当然今度の90レベルについてもそこはよく見て、まず(90センチに)なった、そしてさらにいくという、こういう状況を見た上で、設置もしくは開催を決めていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

マイナス90センチになる前に設置する可能性もあるということですね。

 

【知事】

そこは状況によりけりですが、あまり想定していません。

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