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知事定例記者会見(2023年12月26日)

令和5年12月26日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。まず、今日の今朝6時時点の琵琶湖の水位はマイナス75センチとなっております。以前から申し上げておりますとおり、滋賀県渇水対策本部の設置の目安となる水位でございますが、協議いたしました結果、また別途お配りいたしますけれども、通常、年末そして年始、雪解け水等の効果等もございまして、ずっと最低をいった(低くなった)ものが回復する傾向にありますので、1月4日午前中の水位を見て判断することといたします。引き続き、情報をとって注視していきたいと思います。

ダイハツ工業株式会社の認証不正問題に関しまして申し上げます。このダイハツ工業株式会社は、昭和49年に竜王町に工場を御操業いただいて以来、来年が創業50周年の節目となる、もちろん雇用もそうです、税の部分もそうです、本県に多大な経済効果をもたらしてくださった私たちの誇りとなる会社でもございます。残念ながら、このダイハツ工業の出荷停止という、こういう事態に陥ったこと、認証制度の根幹を揺るがす行為が行われていたことが指摘されていることは極めて遺憾に思います。何が起こっていたのか、それらがどうして起こったのか、また安全性に問題がないか等、早期に解明の上、再発防止策を徹底していただき、早期に信頼を回復していただきますよう強く望むところであります。竜王町のみならず、本県経済に与える影響が極めて大きくなることも想定されますので、総合経済・雇用対策本部を明日、本部員会議として開催をさせていただくことといたします。この時点で考えられる状況等を把握の上、今後の対策等検討してまいりたいと存じます。

また、新型コロナウイルスに関しまして、今年は後ほどもう少し申し上げますが5類移行になったといういうことで、平時に戻ったわけでございますが、この約3年半の本県の取組内容等を振り返りまして、多くの皆様方からも御意見等を寄せられたことを取りまとめて、振り返りの概要版、本編、資料編併せて本日公開をさせていただきます。大部になりますので、皆さんにお配りすることは控えましたが、こちらQRコードで読んでいただけますし、(実物を示しながら)印刷にすると非常に大部になります。そして前文と最後は、私の思いも少ししたためましたので御覧いただければと存じます。

なお、神山清子さんが御逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げたいと思います。スカーレットでおなじみの、大変精力的な創作活動を続けてこられた、私も尊敬する陶芸家のお一人でございますが、お具合が悪かったときに私宛にもお手紙を託していただいております。(実物を示しながら)直筆でこのような形で、「知事様、多くの方に心配していただき幸せでございます。元気になって最後の仕事を山盛りいただきたいと思います。心から感謝しています。清子」と。先月11月17日にしたためていただいたお手紙でございます。3月には、多くの作品を県立美術館にということで御寄贈をいただきました。その際に知事室に御来庁いただき、元気なお姿、そして元気なお話をいただいていたところでございますので、大変私自身もこの悲報に接し、悲しく思っているところでございます。ちなみに滋賀県では、令和3年に滋賀県文化賞を贈呈させていただいております。骨髄バンクの創設にも御尽力いただくと同時に、「つちっこプログラム」の講師をお務めいただくなど教育活動、福祉活動に多大な御貢献をいただいているところでございます。改めてでありますが、御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。

それでは、今年の10大ニュースを申し上げます。お手元に紙も配られていると思いますが、記載のとおり多くのことがあった1年ではございますが、こういったニュースを選べるのではないかということで記しました。必ず聞かれると思いますので、私が一番心に残っているニュースは何かということで申し上げれば、写真のとおり、(スライドを指差しながら)順番は1、2、次「びわこマラソン開催」、「平和堂HATOスタジアムオープン」、そして「彦根城ユネスコ事前評価申請書提出」、「幻の安土城復元プロジェクト調査を開始」と。そして、「智証大師関係文書典籍が世界の記憶に登録」、そして「きらみずきデビュー」、「みおしずくデビュー」、続いて「子ども政策推進本部設置」、「琵琶湖の水に注目が集まる」というのを選びましたが、私が最も今年1年で心に残っていますのは、次の写真でございまして、今年8月に参りました中国湖南省芷江(しこう)におきまして、平和祈念の追悼、そして行事を行ったということが一番心に残っております。そこで、今年の漢字は「平」というものでございます。御案内のとおり多くの平和を脅かす、また平和が壊される戦争・紛争がございました。また先ほど申し上げたようにそういう中にあって、中国湖南省をはじめミシガン州など平和のもととなる相互交流を行っていたということでございますし、コロナは5類移行に伴って平常・平時に戻りつつあるという、そういう年でもありました。子ども政策推進本部を設置し、子ども政策に関して、公平や平等というものを主眼に置いた医療費の助成制度でありますとか、様々な制度を構築に尽力した1年でもございました。平和堂HATOスタジアムがオープンしたということもございますし、来年は平安時代にスポットライトの当たる光る君へということに期待をしつつ、改めて平和、全ては平和が基礎だと思いますので、平和が到来する、そういう1年にしたいという思いを込めてしたためさせていただきました。私からは以上でございます。

[毎日新聞]

ダイハツの対策ですけれども、何か県からどうなっているのだとか、こうしてくれという申し入れ的なことをされるのでしょうか。

 

【知事】

現時点ではしていません。今後も当面する予定はありません。状況は注視したいと思います。

 

[毎日新聞]

県はいろいろな団体や企業さんと連携協定等を結んでおられますけれども、ダイハツとは何かそういう協定はありましたか。

 

【知事】

多くの企業等と結んでおります包括的連携協定は、ダイハツ様と結んでいるということはありません。ただ、様々なプロジェクト、例えば直近では竜王町におけるバイオマス発電のプロジェクトなども一緒にやっておりますし、多くの関係はあると思います。

 

[毎日新聞]

総合経済・雇用対策本部設置ということですけれども、企業の不祥事に伴う設置というのは、過去にもありましたか。

 

【知事】

総合経済・雇用対策本部というのは、常設のものでございます。時々いろいろな課題があるときに開催するということです。例えば、直近では物価高騰の対応等で会議を開いてきたということもあります。ガソリン価格高騰など。ルネサスの経営危機の際なども多くの雇用不安が想定されましたので、情報収集や対策検討を行ったいうことはございます。今回ダイハツ工業との、例えば取引なども1次取引のみならず、2次取引、3次取引で200社近く、900億円を超えるそういう関係もございますし、従業員ということでいえば4,000人を超える雇用というものがございます。税収に与える影響等も注視しなければなりません。したがって、一日も早い出荷再開というものを願いつつ、望みつつ考えられる影響等把握の上、対応しようということでございます。

 

[毎日新聞]

「10大ニュース」に関連して、コロナについてですが、かなり減ってきてはいます。この1、2週間若干上昇傾向でありますが、不安や心配、懸念する材料はありますか。

 

【知事】

例年そうですけれども、インフルエンザ等も蔓延する時期、寒さ、乾燥、こういったことによる影響もあるのだと思います。したがって、それぞれ対策をとっていただくということも必要だと思いますので、その点は呼び掛けていきたいと思います。

 

[毎日新聞]

「10大ニュース」にある安土城の復元(プロジェクト)ですけれども、何か新しい発見、情報提供はあったでしょうか。

 

【知事】

今はこういう場でお伝えする情報、その中で私が手元に持っている情報というのはありませんが、精力的に現地で調査をしていただいていると聞いております。私も年明けに一度伺って、現地を見させていただく機会を作れないか、今模索しているところです。

 

 

[毎日新聞]

琵琶湖の水位ですけれども、(マイナス)75センチになったからといって直ちに(渇水対策本部を)設置するものではないということでしょうか。

 

【知事】

そうですね。あのグラフを見ればわかっていただけると思うのですけれども、年末にぐっと下がり、大体年始にぐっとまた上がっていく傾向が例年見てとれますので、少しその状況を見た上で判断したいと思います。

 

[共同通信]

びわ湖大花火大会に関してですが、大津市で今後どうしていくかということの参考にするということでアンケートをとっておりました。もちろん市との協力というものは大事だと思いますが、県としては来年度以降について話し合いは進んでいるのでしょうか。

 

【知事】

実行委員会で振り返り等をしていただいていると聞いています。その中に県も入っています。大津市さんでとられているアンケートの結果なども共有させていただいて、最終どのような形で行うかというのは、一緒に考えていきたいと思います。

 

[共同通信]

おそらく決して中止にするという方向性ではなくて、より良いあり方を模索していくということなのかなと思っているのですけれども、そういう認識でよろしいでしょうか。

 

【知事】

これだけ長く続いてきた、そして多くの方が楽しみにされている、楽しんでいただいている行事ですので大事にはしたいと思います。ただ、いろいろな問題が一部の地域に御理解をいただけない形で集中するとすれば、そういったところはどのように対応するのかを考えていく必要はあると思いますので、その点は地元自治会、また地元自治会が所属される大津市ともよく議論したいと思います。

[京都新聞]

経済・雇用対策本部(の本部員会議)について、これはタカタのときは開催されなかったのでしょうか。

 

【知事】

タカタのときも開催していたと思います。

 

[京都新聞]

まだ(ダイハツ工業が)稼働を停止したばかりですが、(ダイハツとの)取引先企業への聞き取り等を現時点で行っているのかを含めて、どういった話し合いになると想定されるでしょうか。

 

【知事】

おっしゃったとおり出荷停止されたばかりですので、影響がこの時点で顕在化しているということはないのかもしれませんが、もしあるとすれば、それらを把握すると同時に今言われておりますのは、(工場の稼働停止が)来月末までということになるとすれば、どういう影響が想定されるのか、現時点でもいろいろな取引先に、いろいろな御連絡が来ていると思われますので、わかる範囲でそれらを確認していきたいと思います。一部我々が聞いていますのは、発注いただいている作業所等への発注が出荷停止に伴って止まってきたということもありますので、そういう影響ですとか、そういうことというのは事業者の皆様の資金繰りに影響してきますので、それらをどのように検討して、支えていくことができるのか、また雇用に影響が及ぶとすれば、それらをどのように把握もしくは支援していくのかということは、整理した上で対応していきたいと思います。

 

[京都新聞]

いただいている資料では、出席予定者は知事、副知事、労働局長などとなっているのですけれども、他にはどういった方が参加されるのでしょうか。

 

【知事】

総合経済・雇用対策本部員、関係部署の部局長が中心になると思います。基本的には県と労働局になると思いますが、例えば竜王町。今日は先ほど町長からも御挨拶、もしくは今後連携して対応しようというお話もございましたので、場合によっては竜王町の御出席を求め、コメントいただくようなことも考えられないか、現在調整しているところです。

 

[京都新聞]

コロナの振り返りについてですが、詳しくはサイトに載せていらっしゃるので拝見させていただこうと思いますが、いろいろな意見が寄せられて、こういった取りまとめに至った今の時点での寄せられた声も含めて、知事の思いを一言いただけないでしょうか。

 

【知事】

報道機関の皆さん、そして御覧いただいている県民の皆さんもそうだと思いますが、令和2年の年明け以降、中国等で感染発覚。その後、ダイヤモンド・プリンセス号で感染者が増加し、その対応。そして全国各地に感染が拡大していった。当初は大きな不安にさいなまれましたし、どうなるのかと思いましたし、どうすればいいのかわからなかったいうことがあります。それ以降、緊急事態宣言ですとか法の改正、様々な呼びかけ、支援策、休校措置等をさせていただいた中で、そのときどきに、県もそうですし、国も最善を尽くしてやってきたつもりではありますが、多くの課題や反省点もあったのではないかということが、(振り返りの)出発点。かつ、感染症というのは1回で終わりはないでしょうから、また次、またその次に襲ってきたときに、今回よりも、より賢明な対応がとれるようにということで、この間の悩みやそして対応などを記しておく必要があるのではないかと思いましたので、少し時間をいただいて振り返り、検証をさせていただいたというものでございます。それが二つ目の理由です。そしてそれらのことを歴史の審判に委ねて、しっかりと御評価いただくということも必要ではないかと思いましたので、今回取りまとめ、公表をさせていただいたということでございます。

 

【NHK】

琵琶湖の水位についてですが、年明けに判断するということになったとのことですが、やはり年末年始にかかると流域府県や県内市町との連携も難しくなることから、年明けに判断することにされたのでしょうか。

 

【知事】

確かに年末年始というのはいろいろな機関が休業になる期間でもあります。我々、経済問題もそうですし、県民の安全・安心に係ることについては医療もそうですが業務を継続いたしますので、事と場合によっては年末に本部を設置するということも選択肢としてありました。ずっと12月になって70センチ前後で推移してきましたので、その状況は注視し続けているところです。ただことここにいたって、75センチに達しましたけれども、雪が降る状況ですとか、例年のグラフを御覧いただきますと、年始にかけて回復するという傾向がありますので、そういう状況を見た上で判断することがいいのではないかと決めさせていただいたところです。

 

[NHK]

手紙を見せていただいた神山さんに関して、県では、県文化賞の授与が2021年にあったと思うのですけれども、県とも非常に関係が深い方だったと思います。亡くなったとき知事にもお話があったということですが、神山さんが果たした影響や県に対する貢献、そういったところはどのように評価されていますでしょうか。

 

【知事】

私は御逝去された12月22日に大変親しく、お近くにいらっしゃった滋賀次世代文化芸術センターの副代表の津屋さんから御一報をいただきました。先月から御容態ですとか、入院の状況についても、御連絡をいただいたりしていましたので、心配しておりましたけれども、とうとう旅立たれたかというそういう印象を持ったところです。今お尋ねいただいたように、神山清子さんは滋賀県の御出身ではなかったのですけれども、信楽焼ですとか自然釉に魅せられて独自の製法で素晴らしく個性的な、人々を魅了する作品をたくさん作ってこられた。

そして御自身のその信楽という場所での活動もそうですけれども、陶芸家の息子さんの壮絶な闘病も含めて、多くの方々の心が引き寄せられた、集められた芸術家であられたのではないかなと思います。また、ああいうお人柄ですので、飾られないといいますか、特に晩年は非常に穏やかで、楽しくお話をしてくださる。特に私もそうですけれども、子どもたちに対して、思ったとおりやればいいとか、様々なメッセージをいただいたこともとても心に残っているところです。したがって、御寄贈いただいた神山清子さんの作品を通じて、その御生涯を振り返ったり、また検証したり、神山さんが発していただいたメッセージというのを大事に次の世代、またその次の世代に引き継いでいけたらいいなと思います。

[NHK]

先ほど今年の漢字「平」と発表いただきました。私たちNHKの方でも来年、平安時代に関する「光る君へ」を放送することになるのですけれども、知事としても期待といいますか、平安時代が描かれるとなると、戦国ものと比べて視聴率がなかなか伸びないところもあるかもしれないですが、滋賀県が舞台にもなるということで、その期待を改めてお願いします。

 

【知事】

実は今知事室にも飾ってあるのですけれども、大田左卿先生の書があります。二つ掛け軸があるのですが、一つは「政清人和、まつりごと清ければ人おのずから和す」。もう一つが「湖平人健 湖平らかなれば、人健やかなり」。この2つがあります。今年の琵琶湖も必ずしも平らかであったばかりではありません。水位の問題、アオコの問題いろいろありましたけれども、琵琶湖とともに生きているということを実感した、そういう1年でもありました。何より平和を祈念していきたい。今お尋ねいただいたように、来年の大河ドラマ「光る君へ」で平安時代が取り上げられる。私も知らないことが多いのですけれども、その時代もおそらくいろいろとあったことをおさめて、平らかで安らかな時代を築こうというそういう思いがあったのではないかと思います。今ほど街も暮らしも便利ではなかったのでしょうけれども、花鳥風月の中で春夏秋冬の中でどのように人々が悩み暮らしていたのかという、そういう人間像が描かれるとすれば、それは今を生きる私たちにも多くの示唆を与えてくれるものになるだろうと思いますので、NHKさんの「光る君へ」は大変注目していますし、舞台が滋賀、近江、琵琶湖が多く出てくるとすれば、またこれも多くの方に注目していただけるきっかけになるのではないかなと思っております。

 

[日本経済新聞]

ライドシェアについて、先日岸田首相がデジタル庁の会議で来年4月以降に解禁すると表明しました。きわめてボヤっとしたスキームでよくわからないが、足りない地域は申請して採用されることもあるかもしれない。滋賀県としてライドシェアに関心があるかどうか改めて伺います。

 

【知事】

ライドシェアには関心があります。今よりも便利な暮らし、私たちは、移動したいときに行きたいところに行けるそういう暮らしのビジョン、交通のビジョンを描こうとしていますので、既存の事業者だけではなく、乗せることができる人と乗せてほしい人が結びつくライドシェアサービスというのは可能性があると思っています。ただ、いろいろな課題があると思いますので、その課題を整理して、課題をどう乗り越えていくのかということを考えていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

具体的な課題というのはどういったものがありますか。

 

【知事】

まず何より安全性の担保をどのようにするのかということですとか、既存の制度、この制度の中で事業を営まれている事業者、例えば2種免許を持ち、緑ナンバーを掲げて輸送・移動の生業をされている方々との関係をどのように整理するのかということですね。現に今、福祉有償輸送という制度がある中で、それがイコールになるのか、それ以外の制度として何か新たなサービスを生むことができるのか。都市部によっても違うでしょう。山間部によってもまた可能性があるのかもしれません。そのあたりを少し整理した上で考えていきたいと思っています。

 

[日本経済新聞]

今つくっている「滋賀地域交通ビジョン」は、タクシーなども一つのプレーヤーになってくると思うのですが、現在はそれほど記述としてライドシェアは大きくないような気がします。(ビジョン策定まで)もう時間的にはあまりないですが、(ライドシェアの記載を)少し拡充していくといったことは考えてらっしゃいますか。

 

【知事】

まず今回、年度内にまとめようとしているのはあくまでビジョンですので、大きな2040年を展望し、県内の4つの地域分類に分けてどういう姿を描くのかということになると思います。おそらくこのビジョンを実現するための具体のサービスをどうつくるのか、どんな施策を実施していくのかということが、次に考えていかなければならないテーマになってきます。その中には具体的に入り込んでくるであろう、そういうサービスの形態になるのではないでしょうか。

 

[日本経済新聞]

それはつまり、具体的な施策に入ってくる可能性があるということですね。

 

【知事】

はい。

 

[日本経済新聞]

明日開かれる総合経済・雇用対策本部の会議に非常に関心ありますが、予定されている時間は15分だけとなっています。そうすると何か顔合わせで終わってしまうような感じもするのですが。

 

【知事】

滋賀県にとっては大きな事象、(影響が)どこまでいくのか御関心もしくは御不安の多い事象でもありますので、まず構えをしっかりとっておきたい。そしていろいろな情報を、アンテナを張り巡らしていただける、集約できる状況を作り出しておく必要があると思います。1回で終わることではなく、継続して開催することになりますので、その体制構築というのが主な狙いです。

 

[日本経済新聞]

明日の会議のカバーや結果のディスクロージャーはどう考えてらっしゃいますか。

 

【知事】

基本、総合経済・雇用対策本部はオープンで開催しますので、御取材いただけます。

 

[日本経済新聞]

現場で見られるわけですね。わかりました。

 

[中日新聞]

ダイハツの問題で、先日の不正の発表からこれまでの間で、県として何か聴き取りを同社に対して行っているのか、また逆に、関連会社などから相談を受けているのか。そういった県の動きについてはどうでしょうか。

 

【知事】

県として社から直接御説明をいただいたということはありません。今日、(竜王)町長がいらっしゃって、町の方には会社の方から御説明があった由、間接的に伺っております。そして既に御相談等、何かいただいているかどうかは。

 

[担当者]

経済団体等に確認させていただきましたが、今のところ具体的な声は寄せられていないと聞いております。

 

【知事】

今の時点で経済団体等に寄せられている御相談はありませんが、まだ出荷停止したばかりですので、今後、そういったことが出てくることを想定し、準備しておきたいと思います。

 

[中日新聞]

別件で、「10大ニュース」の中で子ども政策推進本部の設置というのがありました。来年度に向けての話をお聞きしたいのですが、今後、高校生の医療費の無償化拡充、市町に対する子育て政策の支援制度の開始なども予定されていたかと思います。2024年度に向けて、子ども政策のどういったところをさらに充実させていくかという思いをお聞かせください。

【知事】

まず県でも子ども政策推進本部を立ち上げて、子ども・子育て施策推進交付金、これを市町向けに整備することや、子どもの医療費無償化については高校生世代まで、市町とともに連携して拡充すること。これがいよいよ来年度スタートいたしますので、これをきちんと整えて、広く町民・市民・県民の皆様方に御利用いただける状態にするということがまず一つ大きな課題だと思っています。また秋以降、「しがの学びと居場所の保障プラン」を策定し、不登校の状態にある子どもたちやその世帯にどういう支援ができるのか、寄り添いができるのか、これを考えようと言っていますので、その具体をしっかりと詰めて、合意形成をしていくということも課題だと思います。あと加えて、国の方でも児童手当の様々な支給拡大ですとか、高等教育の支援ですとか、そういったことを予算化されましたので、そういうものをきちんと見て、今後、再来年以降になると思いますが、県としてどういう対応を考えて行く必要があるのかというのを考えていきたいと思います。

[中日新聞]

先ほどの子ども医療費の話とか市町への交付金というのは、年度当初か、年度内のどこかでということか、どのような予定でしたでしょうか。

 

【知事】

子どもの医療費無償化、高校生世代までということにつきましては、今、来年度できるだけ早く実施していただけるよう、これは市町におけるシステム改修のスケジュールもございますので、今鋭意、調整と準備をしているところです。県としてはできれば年度当初から、できれば一括で皆さん揃って実施できることが望ましいと思っておりますが、なお事情があるとすれば、そこは丁寧に寄り添って説明していきたいと思います。また子ども・子育て施策推進交付金につきましては、現時点では基本、県として予算化し市町に交付できるように予算案の中に盛り込めればということで検討しているところです。

 

[読売テレビ]

ダイハツの件について、工場で4,000人を超える雇用があるというお話がありましたけれども、県内の取引先ですとか関連企業での雇用も入れるとどれぐらいの規模になるのか、もしわかれば県内での影響の規模をもう少し詳細に言えることがあれば教えていただけたらと思います。

 

【知事】

先ほども一部御紹介いたしましたけれどもまず、このダイハツ工業滋賀工場、竜王にある滋賀工場では、4,239人の従業員の方がいらっしゃる。これは今年の4月1日現在です。売り上げは、これは昨年度のダイハツ工業全体の数値になりますが、約1.5兆円の規模でございます。このダイハツ工業株式会社と取引のある県内企業、これは株式会社帝国データバンク調べでございますが、1次取引で43社、関連売上高が764億円。そして2次取引で101社、こちらは128億円。そして3次取引先が43社、こちらは10億円ということになっておりまして、合計、1次から3次までの取引先で187社、関連売上高が903億円と。これは滋賀県に本店を置く企業のうち、売り上げの1%以上をダイハツ工業様との取引に依存されている企業ということでございます。なお、今お尋ねのあった雇用、こういった企業様の雇用も含めてという数字は、今、すみませんが整理できておりませんので、またの機会に御紹介したいと思います。

 

[読売テレビ]

県として取れる対策はこれから検討ということだと思いますが、現時点で、知事の頭の中で何か具体的な支援策についてお考えがあれば教えていただけますか。

 

【知事】

まだ出荷停止が始まったばかりですのでこれからだと思います。まずは相談の窓口というのは、もちろん様々な金融もしくは経済団体等で整備されるのでしょうけれども、そういったところと連携した相談窓口というのが必要ではないかと思いますし、やはり資金繰り。一部報道では補償されるやに報じられておりますが、長期化すれば資金でお困りになる方々がいらっしゃることも想定されますので、県の制度融資というものを国の対応等も見極めながら実施していることも想定しなければならないと考えております。そういった情報等をできるだけこまめに、わかりやすく関係する方々にお届けするということと併せて対応していきたいと思います。

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