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知事定例記者会見(2023年11月15日)

令和5年11月15日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

 おはようございます。だいぶ寒くなってきました。くれぐれも御自愛のほどお祈り申し上げます。琵琶湖の今朝の水位がマイナス60センチということで、県政経営会議でも、国に琵琶湖の水位に配慮してもらうよう対応を要請したという報告が土木交通部長から共有されました。また、週末は中国湖南省と友好提携40周年の記念行事を、おかげさまで盛大に開催することができました。関係各位の御協力に感謝申し上げたいと存じます。江島副知事はオーストリアとハンガリーに出張されていましたので、その報告も受けた上で、私からは週末の行事や、特に昨日、一昨日と東京での全国知事会に行ってまいりましたので、そのことを受けた様々な対応について検討、対応を指示したところでございます。特に不登校への向き合いにつきましては、週末に関係団体の皆様とも意見交換をさせていただきました。県としてどのような対応をとっていくのか鋭意考えていきたいということでありますとか、愛知県が休み方改革を主導、提唱されていますので、こういったことを受けて本県としてどういう対応ができるのか。またライドシェアにつきましても、国でも動きが活発化してきました。都市部、山間部それぞれ異なるやり方があると思いますが、規制改革を含め、県としても対応、検討し、必要であれば交通ビジョンに入れていこうということも申し上げたところでございます。また、国立文化財修理センターが京都に設置される方向で準備中だという情報も得ましたので、文化財をたくさんお預かりしている本県として、その人材不足に悩む県としても、どういったことで連携できるのか考えていこうということを申し上げましたし、国スポ大会は来年から正式に「国民スポーツ大会」に、佐賀大会からなります。佐賀県さんがいろいろな取組を検討されているようですので、この機にその次の大会をさせていただく滋賀県としても、この佐賀県の取組をよく学びながら、連携してつくっていこうということも申し上げたところでございます。その他様々ございますが、皆さんと連携協力しながら、健康しがをつくるために頑張っていきたいと思います。

それでは今日は資料に基づきまして、1点申し上げます。近江米の「きらみずき」につきましては、今年度デビューさせていただきました。11月23日これは勤労感謝の日、祝日でございますが、この日から県内の平和堂、イオンリテール、スターの各店舗で販売することとなりました。この販売開始に合わせまして、守山市のモリーブというところで、「きらみずき」の試食、また購入ができるイベントを開催させていただきます。マスコットキャラクターの「キラミン」なるものも登場するということでございます。その他草津市出身のモデルでいらっしゃる滋賀国際親善大使のSHIHOさんですとか、守山市出身の元Jリーガー村田和哉さんも御参加いただけるということですので、一緒に食へのこだわりトークショーを行う予定でございます。御案内のとおり今年の夏は高温でした。全国的にも、収量ですとか、品質に対してとても厳しい環境となったようでございますが、おかげさまで、この「きらみずき」は暑さに強い特性をフルに発揮して、11月上旬時点ではございますが、一等米比率が約85%ということで、とても高い、他に比べて相対的に高い比率を維持させていただいております。この「きらみずき」の美味しさですとか、殺菌剤、殺虫剤を使わない、またオーガニックという、こういった栽培方法で生産されていることを多くの方に知っていただき、決して安売りをせずに、消費者の方には申し訳ないのですけれども、かかった費用はきちんと価格に反映して販売をさせていただくということで臨ませていただいているところですので、滋賀県の持続可能な農業のシンボルとして、消費者の応援をいただきながら、広めていければと思っているところでございます。今年はデビュー初年度で、生産量そのものがまだ少なかったということもあり、売り切れ、1年通して冒頭申し上げたお店では売っていただく予定なのですけども、数量が限られているだけに、売り切れになる可能性もありますので、早めに御購入いただければと存じます。私からは以上でございます。

[京都新聞]

一番最初におっしゃった琵琶湖の水位ですけれども、マイナス60センチに達したということで、この水位の影響というのは、今、県内外に何か出ているのでしょうか。節水を県民に呼びかけるタイミングというのはまだなのでしょうか。

 

【知事】

今の時点で何か影響が出ているということはまだ聞いておりません。ただ、ずっと水位が下がり続けると、取水を制限させていただくことも検討しなければなりませんので、状況、推移はよく見ていきたいと思います。また湖岸等では、普段は水に浸かっているところが出てきたりして、いつもより琵琶湖が小さくなったような、そして水面に水草等が近くにあるようなそういうところもありますので、そういったことが水質等にどういう影響を与えるのかということも含めて見ていきたいというふうに思いますが、ここにきて少し雪なり、冬型の気圧配置で時雨るようなところもあって、水位にどういう影響を与えるのかということも含めて状況を見ていきたいと思います。

 

[京都新聞]

「きらみずき」について、23日から店頭で販売するということですが、安売りはしないという御発言がありましたけれども、今どのぐらいの価格を見込んでいらっしゃるのかというのはわかりますでしょうか。

 

【知事】

販売させていただく5キロは2,500円ほどと聞いていますし、2キロだと1,000円ほどということです。

 

[京都新聞]

「みずかがみ」より少し高めのお値段になってくるのでしょうか。

 

【知事】

5キロで2,500円ですと、「みずかがみ」よりも少し高いぐらいです。今回、店頭での販売ではオーガニック栽培米の販売はせずに、殺菌剤・殺虫剤使用せずというこちらの方が店頭に出回りますので、オーガニック(栽培米)だともう少し高い価格帯で皆さんにお届けするようになると思うのですけれども、この環境こだわり農業に携わる農家の方々からも、やはり一定この価格に対するかけた費用、かけた手間に対する見合いというものを求められることも多いので、もちろん間に入っていただく流通、売っていただく小売・量販、その方々、また消費者の方からすると、これだけ物価が上がってるときに、毎日食べるものは安い方がいいのは確かにそうなのですけれども、一方で、かかった費用をきちんと正当に転嫁させていただくということもやっていかなければならないという趣旨で、今私からは特にこの価格については、担当者に強く点検、維持するように伝えているところです。

 

[中日新聞]

琵琶湖の水位について、国に対応か検討かを要請されたと先ほどお聞きしたかと思いますが、どういった内容か、それがいつされたのかを教えてください。

 

【知事】

「琵琶湖水位の低下抑制のための対応について」という(書面を)、国土交通省近畿地方整備局河川部長宛てで、昨日、滋賀県の土木交通部長名で出しております。マイナス60センチまで低下してきているので、今後渇水が深刻なものとなることを懸念していることを伝えた上で、これよりもさらに低下が進むと取水制限など県民生活に大きな影響を与えてしまうと。また水位が回復しない場合は生態系への影響も考えられるので、琵琶湖水位の低下を最小限にとどめるため、下記の事項について対応してほしいと要望しました。一つ目は、淀川水系ダム群との統合管理によりダム群からの先行補給を行うなど、ダムの水の有効利用を図り、琵琶湖の水位低下の抑制を図ってほしい。二つ目は、淀川大堰などの適切な操作により、引き続き下流維持流量の適切な管理を行われたいと。この2点について要請をさせていただきました。

 

[中日新聞]

マイナス65センチに達すると水位低下連絡調整会議というのが設置されると前にお伺いしたのですが、その設置についての検討が今、具体的に進んでいることはありますか。

 

【知事】

今週も雨の予報が一部出ているようですし、この水位がどれぐらい下がり続けるのかという状況は見たいと思います。ただ、もうずっとこのトレンドが続いていますので、そんなに大きく回復するのかしないのか。当然そういう会議の設置は視野に入っていると思います。まだ「いつ」という形にまでは至りませんけれども。琵琶湖の水位は常に気にして対応していきたいと思います。

 

[中日新聞]

琵琶湖に架かる橋のことについて、先日琵琶湖大橋の橋げたからコンクリート片が落下したというようなことがありました。それを受けて例えば琵琶湖に架かる橋の総点検をするといった今後の方針はいかがですか。

 

【知事】

一つ間違えば大怪我、大事故という事態でしたので、まずその現場の保全を図り、人が入れないようにするということと同時に、同種の構造の場所については点検をしているところです。こういった一定年数が経っている橋梁等の点検は全県的に行っているところですので、今回の事象も、例えば点検箇所の見直しが必要なのかどうかとか、そういったことに適切に反映していきたいと思います。

 

[中日新聞]

今回の琵琶湖大橋の場所の点検については、昨日か今週中かで点検をされるというのを聞いたような気がするのですけれど、その結果は出ているのか、それとも今後そういう結果を通して分析していくのか、今の状況はいかがですか。

 

【知事】

すみません。今、手元にいつやるのか、どのようにやるのか、その結果どうするのかということまでは(詳細の情報を)持っていませんので、担当課から説明させたいと思います。いずれにしろ重要な事柄ですので、どこを見て何をして、今後どうするのかということは、皆様方にお伝えできるようにしたいと思います。

 

[日本経済新聞]

(琵琶湖の水位に関する)質問の関連で、具体的に何センチマイナスになるとまずいのでしょうか。つまり取水制限にかかるレベルについて、過去に取水制限をしたことはあるのかどうか、そのときは何センチだったのか、そういったデータが必要かと思います。

 

【知事】

必要なデータは(後ほど)紙で共有させていただきますが、今少し口頭でお話しますと、(マイナス)60センチになったので国に要望いたしました。(マイナス)65センチになると、またそれ以降下がることが想定されると「水位低下連絡調整会議」、議長は土木交通部長です。マイナス75センチになると副知事が本部長になる「渇水対策本部」を設置することになります。取水制限につきましては、平成4年以降、3度行ってきています。第1次、第2次、第3次と段階を追ってやっていくのですけれど、一番厳しくとらせていただいたのは平成6年度。このときはマイナス123センチまで(水位が低下しました)。過去最低レベルですけれど、このときは第1次、第2次、第3次まで行いました。次にやったのは平成12年度。このときはマイナス97センチまで行きまして、マイナス95センチの時点で第1次の取水制限で、もう1回は平成14年度。こちらはマイナス99センチまでいきましたが、マイナス94センチの時点で取水制限。それ以降、平成17年にはマイナス78センチ、直近では令和3年度にマイナス69センチまでいきましたけれども、幸いこの2か年は取水制限までは必要なかったです。大体90(センチ)を超えてくるとこういう事態になっていくという。

[日本経済新聞]

今、冬季という季節の区分かと思いますが、過去の取水制限をした平成6年度とか平成12年とか平成14年度、これはいつごろですか。夏季ですか、それとも冬季ですか。

 

【知事】

さきほど申し上げた平成6年のときには9月ですので初秋、まだ暑い時期ですね。平成12年度も9月ですから、こういう暑いときにぐっと下がると取水制限にまで至ることが以前は多かったと。

 

[日本経済新聞]

要するに、思うように台風が来ないとかそういうことだと思います。そうすると、今の局面だと「渇水」という言葉が公式に出てくるのはマイナス70センチですか。

 

【知事】

マイナス75センチになってくると「渇水対策本部」です。

 

[日本経済新聞]

それは県の中で、県のメンバーでつくる本部ですか。

 

【知事】

国とは常に連携することになると思いますが、基本は県の中でつくることになります。マイナス90センチ以下になると「渇水緊急対策本部」ということで私が本部長を務めることになります。

 

[日本経済新聞]

その場合の取水制限は県の中だけなのですか、それとも淀川水系ですか。

 

【知事】

琵琶湖周辺でも幾パーセントか(取水制限)しますし、下流においても淀川中下流において、例えば以前でしたら10%、15%、20%と(取水制限を行ったので必要な場合は)取水制限をかけることになります。

 

[読売新聞]

3点質問がございます。まずはライドシェアについて。県として対応を検討するように指示したということですが、どういうことを検討するように指示されたのか、お伺いできますでしょうか。

 

【知事】

先ほども申し上げたように、いわゆるライドシェアといってもいろいろなパターンがあります。欧米型で自家用車を使ってスマートフォンなどで個別に呼び出しをして乗るというパターンもあれば、既に全国各地でたくさん御利用いただいているような自家用有償の福祉輸送、みんなでお出かけを応援し合うようなものもございます。また都市部でやれることと山間部でやれることに違いもございますので、こういったことを整理した上でどういうことができるのか。いずれにしろ、乗りたいけれど、行きたいけれど、運転してくれる人がいないという、こういう事態を是正していくためにも、私は(ライドシェアは)一定必要なことだと思っています。ただ事業者の御理解とか安全性の配慮とか、こういったことも不可欠です。ですから国の議論だけ見守るのではなくて、県としてどういうことができるのかというのを検討していこうということを常々申し上げておりましたけれども、今日は(県政)経営会議で明確に申し上げたということでございます。

 

[読売新聞]

2点目は文化財を守る人材の不足について、どういった分野で今不足しているのでしょうか。

 

【知事】

文化財を守る、保存・修理する人たちは全般的に少なくなってきています。これは材料も含めてです。例えば屋根を修復しようとしても檜皮。そういったものを加工しながら大切に修復を行うような方々。襖とかもそうでしょうね。こういうことについて国も同様の問題意識を持ってのことだと思いますが、文化財の修理センターを国立で京都につくろうということがあるようです。文化庁の京都の移転に伴う一つの事項なのかもしれませんが、滋賀県としてもたくさんの文化財をお預かりしていますし、同様の悩みを持っていますので、ぜひこのセンターと連携できるように事前から情報を取って対応しようということです。

 

[読売新聞]

3点目、知事も先般出席された連合滋賀の定期大会で、原材料・エネルギー費用が高騰する中、価格転嫁が9割進んでいないという現状があり、知事への政策要求の中にも入れているということでしたが、こういった問題に県としてどのように対応されていくのか、教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

賃上げもそうですが、餌の価格、燃料、様々なもの(の価格)が上がっていくときに、最終の財であるとかサービスに適正に転嫁されているのか、いないのか。転嫁できないと、どこかでそのしわ寄せが来るわけですから、そのしわ寄せが来ることのないように、適正な転嫁が促せるようにという趣旨で述べられているのだと思います。県にも政策・制度で提案していただいておりますし、そのときの会長の御挨拶の中でも県と協議していくというお話があったと記憶をしております。賃上げを頑張ってやられている労働組合としても、賃上げの原資としてそういうものが転嫁によって得られるようにしようということだと思いますので、私は重要なテーマと受け止めており、今後、経済界や労働界ともよく共有、協議していきたいというふうに思います。県でできることというのは限られているのかもしれませんが、いろいろなものを促していく啓発の部分ですとか、あと状況を皆さんにお知らせしていくということなどできることもあると思います。

[毎日新聞]

先日、パレスチナ・アマルの代表と面談され、パレスチナ難民に思いをはせられたと思いますが、その場で代表から「停戦になるよう知事として働きかけてほしい」とお願いされたと思うのですが、知事はそのとき「どういうことができるのか一緒に考えましょう」と返事されましたが、「働きかけてほしい」と言われたら、「わかりました」、「できません」、「考えます」という答えかなと思うのですが、「一緒に考えましょう」という言い方をされたのですがそれはどういう意味なのでしょうか。

 

【知事】

先般のG7の会合でも、上川外務大臣はじめ、皆様が人道的な措置の必要性ですとか、そういったことを今(検討)されておりますし、状況は刻一刻と動いているところがあると思います。したがって、外交で何か訴える、知事が呼びかけるということも大事だと思いますが、そういった動きも見ながらどういうことができるのか、そして(パレスチナ・アマル代表の)北村さんからは、現にパレスチナ(ガザ地区の)の女性がつくられる(刺繍製品の)品々の先行予約を受け付けており、制作が再開できた折にはつくってさしあげますといったこともなさっていようですので、そういったことを含めてどのように対応できるのか、これを「一緒に考えていこう」、そういう主旨で申し上げました。

 

[毎日新聞]

その際、「原因にまで思いを到らせて、どうやって解決できるのか」とおっしゃったのですけれど、それはイスラエルもハマスも悪いという認識を示す言葉

なのでしょうか。

 

【知事】

これは一朝一夕に、もしくは何か単線的に物事を捉えられる事象ではないと思っています。もちろん人質に取ったとか、攻撃しているという事象だけを見れば、そういったことはない方がいいのでしょうけれども、そういったことに至らしめた原因、また、そのことが生まれてきた背景・原因、こういったことにまで思いを致して解きほぐし、必要な行為ですとか、そういったことがないと、撃ち方やめにはなかなかならないのだろうと思います。そういう意味で、同様の御発言は、国連のグテーレス氏などもされているようですので、私も同様の考えをもっています。

 

[毎日新聞]

(面談の際に)「祈りましょう」ともおっしゃたのですが、『祈る』というのは、神仏に依頼するという意味で使われたのでしょうか。

 

【知事】

私が『祈る』ということを言うときには、特定の神仏を指して言うということよりも、念ずれば通ずという主旨で申し上げることが多いです。何かその時点では、特定のものに祈りましょうということではありませんでした。

 

[共同]

文化財を守る人材の不足という話がありましたが、昨日滋賀県の文化財保護協会と京都の橘大学が連携協定を結んで、調査研究や保存活用などでタッグを組むという発表がありました。これは滋賀県でも後継者不足の現実があって、人材を育てていきたいという思いから今回の連携協定に至ったという認識でいいのでしょうか。

 

【知事】

おっしゃるとおりです。問題意識は強く持っていますし、昨日、NHKさん(の放送)でも安土城の復元に携わる文化財の技術者の継承のようなことがテーマになっていましたけれども、そういったことを含め、とても大事なことだと思っています。教育機関と連携しないと必要な人材は育っていきませんので。

 

[共同通信]

インターンとかも含めて協定を結んでいろいろなことを協力していく中で、ゆくゆくは滋賀県で働いてくれたら嬉しいという思いも大いにあるという認識でよろしいでしょうか。

 

【知事】

そういうことも視野に入れています。当然、県に就職することだけが文化財の保全(に関わることができる仕事)ではありませんので、広く文化財の保全に携わるような人材を一緒に育てていくということが重要だと思います。

 

[朝日新聞]

来週から映画「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」が公開予定で、映画の中でも琵琶湖の水が主要なテーマになっており、知事も琵琶湖の水位を常に気にしていくとおっしゃっていましたが、県外の方からすると水位の1センチ1センチをこれだけ滋賀県が気にしているというのはまだまだ知られていないと思います。琵琶湖を預かる滋賀県知事として、特に京都や大阪の淀川水系の方にメッセージをいただけますでしょうか。

 

【知事】

県の真ん中にドーンと日本最大の湖である琵琶湖をお預かりしていますので、その恵みはたくさん享受しています。ただ、水位の問題、水質の問題、いろいろと気にしているということを、(記者が)おっしゃるとおり京都、大阪、他府県の方はなかなか御理解いただけていないと思いますので、今日のこういう場もそうですし、明日は関西広域連合などもありますし、折に触れお伝えし、共有し、共感していただけるようにしていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

映画では滋賀県についていろいろなことが言われています。簡単には語れないと思いますが知事の思う滋賀県とは、映画を観られた感想も含めてでも結構ですので教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

埼玉もそうですが滋賀県も、住んでいる方、出身の方が埼玉や滋賀に対して愛がすごくあるんだなということは感じます。これも埼玉も滋賀もよく似ているのかもしれません、どの府県もそうかもしれませんが、ずっと出身地で育ち、そこで働くというだけではなくて、記者さんもそうだと思いますが、それぞれ(滋賀県以外の)御出身で、たまたま赴任で滋賀にきた、結婚して滋賀にきた、引っ越し場所として滋賀を選んだという方々も含めて、滋賀に対する愛を育んでいけたらいいなと思っています。他と比べて少し劣るところはディスられる(けなされる)こともあるのかもしれませんが、そこは伸ばしていく可能性だと受け止めて、私は前向きに捉えていきたいなと思っています。私は滋賀県出身で、また滋賀県知事として良かったなと思うことの方がたくさんありますので、そういうことをまたいろいろなところで発信していけたらいいなと思っています。

[京都新聞]

大阪・関西万博についてお尋ねします。先般、メキシコやエストニアが財政事情から展示から撤退するという話があったり、開催経費が上振れしているということで大阪の市民団体からは中止を求める9万筆の署名が出たりしているようですけれども、知事は万博協会の副会長もされていますが、今の万博はどのような状況にあるというふうに見て受け止めていらっしゃるのか、どうしていかないといけないのかという思いがあれば教えていただきたいです。

 

【知事】

まず大阪・関西万博についてはいよいよ今月末から、先行のチケット販売がスタートします。また、万博を契機とした地域の活性化プログラムなども「万博交流イニシアチブ」ということでたくさん出てきておりますし、関西広域連合としては滋賀県もその一員ですけど、関西パビリオンをつくって、この万博の中で、滋賀・関西の魅力を発信すると同時に、ゲートウェイとして誘いができるようにしようという様々な仕掛けを今準備しているところです。(万博のテーマが)「いのち輝く未来社会のデザイン」ということですので、こんなことができるようになるのか、こんな社会になるのかということをみんなで共有し、夢を持ったり、憧れたり、そういったことに繋がればいいなと。その一環として子どもたちの万博への招待プログラムというのも今準備しているところです。お尋ねのあった、例えば費用が以前よりも膨らんでしまうという事態を受けてなのか、予定していたけれども出ることをやめたという国があるということは確かにこの過程において残念なことではありますが、みんなで乗り越えていくことではないかと思います。撤退された国もあるのだけれども、その後参加を表明されている国もあるようですし、かさむ費用につきましても関西パビリオンもそうですけど、どういったところを減らしていけるのかということも今鋭意検討しておりますので、かつ大事なことはそういう状況をもちろん物価も上がっていますので、かかるものはかかるものとしてきちんと示していくということだと思いますが、もっと細かくみんなで共有をして、こういう理由でこういうことになっているということを、国任せにせず、協会任せにせずということも大事なことだと思っております。

 

[京都新聞]

関西広域連合がする関西パビリオンも費用が増額されるという見通しだそうですけれども、それは私達が負担することになるわけですが、署名で求めておられるような関西万博をやめようという選択肢というのは全くないのでしょうか。

 

【知事】

私の中ではないです。私の中では万博開催に向けて、万博が成功するように精一杯努力をしていきたいと思っております。そういったことを求められる方、そういうことを提起される方のお声はきちんと承っていきたいと思いますが、私の中では現時点(中止という選択肢は)ありません。

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