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知事定例記者会見(2023年11月8日)

令和5年11月8日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

今日もよろしくお願いいたします。今日は暦の上では、冬が立つ「立冬」ということだそうでございます。今朝行われた県政経営会議では、雪寒対応、雪と寒さに対する対応について万全を期すように指示をいたしました。前の冬には、大雪で多くの方が列車内に閉じ込められるという事態も発生いたしましたので、豪雪地帯のある本県としてこの対応に臨んでまいりたいと思います。また琵琶湖の水位が気になるということを申し上げた上で、今後の対応等、状況を見て行うように指示をいたしました。昨日、福井県敦賀市で近畿ブロック知事会議が行われ、「これからの若い世代に働き方改革」というテーマで、各府県の事例を共有したことを受けまして、滋賀県ならびに滋賀県庁の働き方改革をもう一段進化させようということも申し上げたところでございます。また今月、11月23日に公開の映画「翔んで埼玉~琵琶湖より愛を込めて~」がいよいよ皆さんにご覧いただけるということで、滋賀県のガイドブックまたオリジナルポスター動画等を作成したところでございます。映画で取り上げられるゆかりの地を御紹介するようなこともさせていただいておりますので、またいろんなところでご覧いただければと思います。来週14日は「埼玉県民の日」なのだそうでございまして、埼玉県庁で「埼玉県庁オープンデー」というのが行われるということを大野知事から聞きまして、滋賀県特別ブースを出展することといたしました。関連展示やステージイベント等を開催する予定でございます。こういったことをきっかけに、近江商人も繋がっていたという埼玉県との連携を深める取組を進めていきたいと思います。

また少し話題を変えますが、11月の2日木曜日から5日日曜日まで滋賀経済産業協会の石井会長とともにベトナム社会主義共和国を訪問いたしました。前のスライドにもありますように、現地ではハナム省の人民委員会委員長(知事)との会談、またその席にはハナム省のドンバン工業団地に進出されている滋賀県の企業の皆様と一緒に行きました。その工業団地の視察もさせていただきました。また滋賀県が提供しておりますハノイ工科大学の日本語講座受講生の皆さんとの意見交換も現地で行ったところでございます。ハノイ工科大学内で開催したジョブフェアにも参加をいたしました。とても盛況なジョブフェアだったんですけれども、その中で滋賀県の紹介を参加学生にさせていただいたということもございます。またハノイ工科大学の副学長と滋賀経済産業協会の石井会長と三者会談などを行ったところでございます。知事としては4年ぶり4回目の訪越でしたけれども、行く度に町が活性化している、また発展している様子を確認いたしました。二輪車も多いのですけれども、自動車が増えている、かつ高級車が増えているということを感じましたし、インフラ整備などで様々な取組が行われていること、例えば滋賀県ではハロン湾の水浄化対策などへの貢献などもございますので、こういった事々を今後さらに進めていければと考えております。また、単なるワーカーだけではなくて、例えば先端工業のファウンダリなども随分進んでいるようでございますので、双方向の経済交流を今後さらに進めていきたいと考えているところでございます。

それでは資料に基づきまして、今日は一点申し上げます。お手元にもありますように、近江牛のブランド力強化に向けた新しいコンセプトを「三方よしの近江牛」とさせていただき、そのロゴマークとキャッチコピーを決定したところでございます。近年、皆さんもお感じになっていると思いますけれども、牛肉の価値は、もちろん競争が非常に激しいということもございますが、品質だけではなく、牛がどういう状態で育てられているのか、アニマルウェルフェアの観点や、安全性また環境への配慮、こういったことなどが問われ、試される、また比べられるということでございます。そこで、滋賀県として「牛」よし・「人」よし・「社会」よしの近江牛の生産を推進させていただくこととし、その取組を消費者の皆様にお伝えするためのロゴマークとキャッチコピー「伝統の味、新しい誓い」を作成させていただきました。「牛」よしのところは、家畜の快適性、アニマルウェルフェアの配慮を掲げます。牛にとって快適な環境で飼育されていること、ストレスを低減させる取組であるか、愛情を込めた飼育をしているのかということを、問うていきたい、また高めていきたいと思います。「人」よしは、安全安心への取組でございまして、美味しくて、高品質な近江牛の追求、また疾病の予防に取り組もうと考えているところでございます。「社会」よしは、環境への配慮でございまして、水田が多いという特徴も生かし、稲わらを牛の飼料として活用する耕畜連携の取組、牛ふん堆肥を農地に還元する取組を積極的に進めていきたいと思います。今回ロゴマークとキャッチコピーをつくりまして、知ってもらわなければ意味がありませんので、今後、イベントや生産者のみならず消費者に対するPRなどを積極的に進めていくことといたします。しっかり頑張っていきますので、皆様どうぞよろしくお力添えをお願いいたします。私からは以上でございます。

[京都新聞]

ベトナムの訪問について、滋賀経済産業協会とハノイ工科大と三者で覚書を交わされて2年ぐらい経っているかと思います。今回関係する場所を回られて意見交換されたと思うのですが、これまでの手応えも含めて訪れられた所感を改めてお聞きしたいと思います。

 

【知事】

まず初日に駐ベトナムの山田大使から現地の状況等レクチャーを賜りました。この中でベトナムという国の可能性について、したたかな外交をしながら発展される様子でありますとか、大使からはベトナムの「北東アジア性」という言葉で、日越関係の可能性も教えていただいたところですし、先ほどお話したとおり、技能実習生だけではなく、高度技術者としても力をつけられ始めているということもございました。したがって、日本を代表する工業県である「滋賀県」としても、企業の皆様方が、例えば滋賀県企業がベトナムに工場等を構えられる、そしてベトナムの優秀な青年たちが滋賀県で働かれる、こういったことをさらに進めていきたいということを強く感じました。特に今お尋ねいただいたハノイ工科大学とは2年前、滋賀経済産業協会と三者で協定を結び、滋賀県提供の日本語講座とその中の優秀な学生の方々に来ていただくインターン、滋賀県での日本文化体験ツアー、そしてジョブフェア。この3本立てで今事業を組み立てておりまして、このことにはハノイ工科大学の担当の教授らからもとても熱い期待、今後さらに続けていこうという趣旨のお話をいただいたところです。そこで私からは、このハノイ工科大学との関係を進化させていこうという趣旨のことを申し上げました。この進化とは、一つは10の学部4万人の学生がいるそうですが、非常に高い技術力、専門性を持った学生の皆さんの日本・滋賀県に対する関心にお応えするために、個別のテーマや慣習に寄り添った対応をしていこうと思うことと、単なるワーカーではなく、雇い・雇われるという関係を超えて、高度技術者はもちろんですけれども、滋賀県企業の例えば幹部になるような、そしてベトナム現地企業、工場の責任者になるような、そういった人材育成を相互に連携して図っていこうということを申し上げたところでございます。具体的な取組内容については今後さらに検討をし、また大学とも協議していきたいと考えております。いずれにいたしましてもベトナムも日越関係もまだまだ可能性があるなということを感じましたので、それらをうまく取り入れられるように努めていきたいと思います。

 

[京都新聞]

先ほど「進化させる」というお話を先方にされたと冒頭でおっしゃったと思うのですけれども、それに対して先方の反応というのはどういったものでしたでしょうか。

 

【知事】

賛同の意を示されたと思っています。ハノイ工科大学と、例えば共同研究ややり取りをされている機関、国等はたくさんあると思いますけれども、こういった日本語講座を自治体協賛で行ったり、知事までが伺って交流している例、また経済界とともに行っている例というのは、あまりないのだそうでございまして、そういう意味でも今後さらに継続すると同時に発展させていこうという趣旨の賛同を得たと思っております。

 

[京都新聞]

東南アジアの人材を巡って国際間でも綱引きといいますか、優秀な人材が欲しいという状況で、一方で日本は賃金が相対的に低かったり円安だったりとマイナスな条件もあるかと思います。その中で滋賀に優秀な人に来てもらうためにどんな強みがあって、これからどういう働きかけをしていこうとお考えですか。

 

【知事】

まず数百年に及ぶ日越の交易の繋がりがありますので、これは近江商人が安南に渡ったことも含めて、ここはまず基礎、土台にしたいと思います。また、今回現地に行って、また来てくれた学生が話してくれていたのですが、緑があって水があって、ベトナムと滋賀県とは非常に似た環境農業県であり、工業生産を伸ばしていこうとしているということなどの共通性、親日の国ではありますけれども、その中でも滋賀県に対するベトナムとの近さというのを私も感じましたし、先方の皆さんにも多く感じていただいてるということがございました。また、このハノイ工科大学の日本語講座を通じて、「滋賀、滋賀」という言葉がベトナムの中でも大学生を中心に広まりつつあるというようなことも聞きましたので、そういったことなども土台としながら、進出されている企業(の皆さん)に来てください、働いてくださいというだけではなくて、実際、ベトナムに行ってそこで雇われている方々などもいらっしゃいますので、いろいろな選択肢を示すことができるのではないかなと思っております。単に働いていただくだけではなく、高度技能者として来られるということは、そこで永住される、そこで家族を持たれる、暮らしていかれるということにも着眼して、例えば福祉制度や教育制度を充実させるということも重要ではないかと考えています。おそらく来年か再来年には(滋賀県の)外国人県民労働者の最多を占めるのがベトナムになるのではないかと思っておりますので、そういう意味でも多文化共生の取組をさらに前進させていきたいと考えております。

 

[日本経済新聞]

近江牛の新しいコンセプト、このマークが新しいと思いますが、これはどのように活用していくのでしょうか。近江牛の販売店舗等に使用を認めて店の前に貼るとかでしょうか。

 

【知事】

資料の2枚目にも書いてあるとおり、まずは活動推進のシンボルマークにしようと思います。いろいろなイベントもそうですし、キャンペーンのPR活動にも活用をいたします。やはり、そのことで選んでもらって買ってもらうことが大事なので、消費者の目につくところにも広く打ち出していきたいと思います。生産者重視ではなく、消費者重視にしたいと思いますので、今後活用はさらに広げていきたいです。

[日本経済新聞]

今回、(ロゴマークの)漢字の下にローマ字で「Omiushi」と書いて、海外の人にも読めるようになったと思うのですが、海外にも近江牛というブランドを広めたいという意思があるのですか。

 

【知事】

強くあります。だからこそ、アニマルウェルフェアを意識した牛の育て方というところは今後重視していきたいところです。インバウンドの方々もそうですし、この牛はどうやって育てられているかということに関心を持つ方々は以前より増えていると感じておりますので、そういったことにお応えできる体制をつくっていきたい。

 

[日本経済新聞]

輸出もそうですし、インバウンドの方に近江牛を選んでもらって、食べていただくということも意識しているということでしょうか。

 

【知事】

強く意識しています。輸出も来られた方のお食事も。

 

[日本経済新聞]

現状滋賀県の処理場から輸出できる国というのは受け入れ側との協定の問題で4つぐらいに限られていますが、これを増やしていきたいということでしょうか。

 

【知事】

そうですね。先般、団体の方々の御尽力によりオークションが海外向けに行われたということもありますので、そういったことをきっかけに、もちろんと畜場の様々な基準、設備の改善や更新も必要になってくるのかもしれませんが、マーケットは世界に求めていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

知っている限り、欧米で知られている日本のビーフブランドは「神戸ビーフ」だけです。(海外にいたときに)神戸ビーフ以外を見たことがなくて。多分、近江牛とか松阪とかが輸出されても、途中で神戸ビーフにおそらく化けていると思う。そういうのは避けて、やっぱり「近江牛」という(ブランドを)確立していきたいということでしょうか。

 

【知事】

そこはですね、世界をマーケットにしたときに、日本国内のそれぞれの産地のイメージというのがどれだけ訴求できるのかというのはあると思います。ですから、もう神戸ビーフにした方が売れるんなら、それも一つの戦略かもしれません。とはいえ、近江牛で売れるところというのもまだまだあると思うので、その可能性は探っていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

もう一つ、「埼玉県民の日」への参加ですが、これを機に埼玉と今年に限らずお近づきになりたいということでしょうか。

 

【知事】

伝統的に(埼玉とは)つながっているとは思います。事実、埼玉県の老舗企業で滋賀県発祥、滋賀県ゆかりの企業様がいらっしゃったり、中山道は繋がっていますので、いろいろな交流の歴史はあります。これに加えて、こういった映画での繋がりというのが、1つのステップアップの材料になれば嬉しいし、「翔んで埼玉」で取り上げられたからというわけではありませんけれど、大都市に近いという、特有の悩みというのもありますので、例えばそういったことも共有するなど可能性はあると思います。

 

[日本経済新聞]

埼玉県の大野知事のことは知事になる前にいろいろと取材した関係でよく知っているのですが、彼も滋賀に関心を示していて、今回は滋賀から埼玉に出展するということですが、向こうからこっちにということもありえるのでしょうか。

 

【知事】

今後、そういう可能性も探っていきたいと思います。元々国会議員として共に国会で活動していた繋がりもありますので、いろいろなことも話をしやすいので。

[読売新聞]

琵琶湖の水位が気になるということですが、どういったところが気になっておられるのかということと、県庁の働き方改革を進化させるとおっしゃいましたが、その点についても教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

まず琵琶湖の水位はマイナス50センチよりも60センチに近づいてきていますので、当然雨が降らなければ水位は下がるということですが、どこまで下がるのか、どういう影響が考えられるのかというのは、注視する必要があると思っています。マイナス75センチになって、それよりもさらに下がるということであれば渇水対策本部ということになり、マイナス90センチになりさらに下がるということであれば緊急対策本部と順次レベルを上げて対応することになりますが、まずはマイナス65センチに達しそうだということで水位低下連絡調整会議を設置されておりますので、そういう中で情報共有をまずしたいと思います。また今年は関連するのかしないのかというのもありますが、アオコの発生日数が過去最多を更新しているようでして、そういう事々が暑さの影響、またこの水位の影響として水質にどういう影響を与えているのかということも、注意深く見ていく必要もあるのではないかと思います。いずれにしろ、琵琶湖を窓として、琵琶湖を鏡として、私達の暮らしを見直していく、見つめていくという作業は大事にしたいと思います。

働き方改革につきましては、昨日の近畿ブロック知事会議で、大変有意義な情報交換、意見交換ができたと思っています。先ほども申し上げたように、県庁もそうですし、滋賀県の働き方改革をさらに進化させていきたいと思います。例えば、テレワークというものもまだまだ進められる余地があるだろうし、そのためにはペーパーレスであるとか、フリーアドレス、こういったことを進めることが必要なのかもしれませんし、ある府県では、県庁だけではなくて、行政だけではなくて、民間企業の子育てに優しい職場づくりということで、企業をサポートするチームをつくられて、企業の様々な子育て支援を促進するような補助金、奨励金をつくられている例もございましたので、例えばこういったことであるとか、庁内の特に男性の育休取得を促進するために、育児参画プランの作成でありますとか、育休代替職員の確保の取組でありますとか、様々な助成を行う支援を行うことなども、取り組まれているようでございますので、そういったことを参考にしながら、県の取組を一段上げようと考えているところです。

 

[読売新聞]

近江牛の件ですが、アニマルウェルフェアというのは農水省が進めているということですけれども、何をもってアニマルウェルフェアを満たしているのかという基準づくりや国際基準を取られるようなことになるのかということについて教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

アニマルウェルフェアについては、例えば牛にとって快適な温度なのかという暑さの対策ですとか、健康状態を保つための毎日の観察とか、牛をどのように取り扱っていらっしゃるのか、丁寧に扱ってらっしゃるのかということなどですけれども、具体的には、国が今年の7月にアニマルウェルフェアに関する新たな飼養管理指針を示しておりますので、それに準拠したことを確認するということとしたいと思います。ただ、認証等は今のところ考えておりません。今GIを近江牛は取っており(ますので)、この制度の運用の中で生産農場を年1回以上巡回することになっておりますので、その中で確認をしていきたい。また必要であれば指導等を行っていくこととしたいと思います。

 

[読売新聞]

GI制度の中でやれることで、国の指針に準拠した形でアニマルウェルフェアを満たしていくということですね。あと1点、昨日の近畿ブロック知事会議で「大阪湾まで電車をつなげたい」とおっしゃっていましたが、それはどういう思いでおっしゃったのか教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

まず昨日のセッションの中で、2025大阪・関西万博についてどのように機運を醸成していくのか、またそれぞれの府県の取組について紹介する意見交換の時間がございました。その中で滋賀県からは、三つ紹介をいたしました。一つは、この10月から12月のPR重点機関を使ったイベント等での展示PR。そして二つ目として、例えば琵琶湖のヨシでユニフォームをつくる「たまゆら」さんの取組など「Team EXPO2025共創チャレンジ」の取組、今週末も県民参加型のフォーラムが琵琶湖の上、船の上で行われるといったことを紹介いたしました。3点目に滋賀県が行う子どもの招待、4歳から18歳、一度は万博に行こうという取組について紹介すると同時に、そういった子どもたちを乗せて、滋賀県から万博近くまで行ける列車が仕立てられたらいいなという夢を持って取り組んでいるところですということを申し上げたところです。バスで行く、列車で行く、それぞれ家族で行く、いろんなパターンがあると思いますが、例えば、校外学習などをそういった公共交通、鉄道などで行くパターンもあってもいいんじゃないかなと思いますので、今後、旅行会社や鉄道会社とも話をしていきたいと思います。

 

[読売新聞]

イメージとしては臨時列車みたいな感じですか。

 

【知事】

そうですね。定期列車というよりは臨時列車になるんじゃないかなと考えております。ただ、具体的にはこれからですし、私が運転して走らせるわけではありませんので、よく事業者と協議したいと思います。

 

[中日新聞]

先ほどの琵琶湖の水位の件で、おそらく2年前にマイナス65センチに達して連絡調整会議が設置されたということがあったのですが、現在、調整会議が設置されているのか、これから設置されるのか、どういう状況でしょうか。

 

【知事】

私の言い方がまずかったので言い直しますと、11月9日に担当者会議を開催します。そして今お尋ねのあった「水位低下連絡調整会議」はマイナス65センチになってなお下がりそうであれば設置することになりますので、その準備段階ということです。

 

[中日新聞]

担当者会議というのは県庁の中の担当者という意味なのか、国交省の方も含めてなのか、どのような担当者でしょうか。

 

【知事】

県庁の中の担当です。

 

[中日新聞]

まずは県庁の中で、これからの方針をどうするか確認するという内容の会議になりそうですか。

 

【知事】

方針というよりもまず状況(の確認)ですね。出ている影響等があれば、そういったことも共有することになると思います。

 

[中日新聞]

今の状況でいうと、おそらくすごく低くなってはきているものの、今後の天候次第だと思うので、こういった状況を注視しながら考えると。今の現状でいうとそういうような方針ですか。

 

【知事】

おっしゃるとおりです。

[NHK]

ベトナムを訪れて様々な成果があったと思いますが、知事が向こうで得た成果の中でも特に有益だったなというものがあれば御紹介いただきたいのと、先日の記者レクで聞いた内容では、ハノイ工科大学の副学長からより優秀な人材を送り出せるよう教育に注力するというような話もあったということで、そういった方々にどんどん滋賀県に来てもらって、企業に就職していろいろな活動をしてほしいと願っていらっしゃるのか、お聞きできればと思います。

 

【知事】

まず後段でお尋ねいただいた今後については、夢と志を持って、高度な技能・技術、専門性を持つ青年たちが滋賀に来てほしいと思います。ベトナムのハノイ工科大学から。これまでの取組や御縁を基に。それは強く思っています。そのための環境の整備、これをさらに進めていきたいと思います。

前段にお尋ねいただいた成果のところでいえば、まずは2年前に結んだハノイ工科大学との協定で(実施することとした)具体の取組について、例えば学生とのディスカッション、そしてジョブフェアの視察などで確認できたこと、そのことに大学の幹部の皆様が期待を寄せられ、今後もさらに進めていこうという意志をお持ちであることを確認できたことはとても意味があったと思っております。また滋賀県企業も数社、そのジョブフェアに参加され、また参加はしてないけれども今後参加を考えて見に来られていた企業様もいらっしゃって、その活気であるとかに一同すごく驚かれたというか、こんなに関心を示してくれるのかという手応えも感じていらっしゃったように思いましたので、これらをまた次、この次にどう繋げていくのか。ただ、まだベトナム人の採用というものがどういう形で得られていくのか、内定をたくさん出すけれども歩留まりがどれぐらいなのかとか、まだまだ手探りのところもあるようでございますし、こういうジョブフェアのあり方というのもいろいろ試行錯誤のところもあるようですので、そういったことも大学や関係者とよく協議して、滋賀県らしくつくっていけたらいいなと思っております。

 

[NHK]

明日、子どもの支援金制度について三日月知事が大臣懇話会でお話されるというリリース(報道資料)がありましたが、具体的にどんなお話をされる予定なのか、どんなことを伝えたいのか。何かありましたらお願いします。

 

【知事】

内容、詳細はこれから最終調整いたしますが、国もこういったお金もつくって、さらには配って、子ども・子育て支援、子ども・子育て施策を上げていこうと志向されていますので、これはぜひ国とも一緒につくっていこうというスタンスです。我々は、安定財源を確保することについて、地方がそれぞれ行う子ども施策、子育て支援施策を機動的かつ自由に行えるようにという趣旨でこれまでから要望しておりますので、そういったことに沿うのかどうかという、その確認は随時していくことになると思います。特に全国一律の医療費助成などを求めている経過もありますので、そういったことに繋がっていくものなのかというようなことも関心を持って見ていきたいと思います。

 

[京都新聞]

「三方よしの近江牛(おうみうし)」のロゴマークとキャッチコピーの件について、私たちは普段「おうみぎゅう」と言っていることが多いと思います。GI登録ですと「おうみうし」と「おうみぎゅう」が両方登録されているようです。今回県のロゴマークとキャッチコピーで「おうみうし」にされたということは、今後は「おうみうし」に統一してPRをしていくということでしょうか。

 

【知事】

私もよくわからないのですが、生き物の状態だと「うし」と読んでいるのです。お肉になったら「おうみぎゅう」というのだそうです。「へぇ」ってそう思うでしょ。だから議会答弁なんかも微妙に使い分けているのです。ただ何かわかりにくいというのもある。今回のこの「三方よしの近江牛」はそういう生き物としての牛に着目したいということが強くありますので「おうみうし」とさせていただいております。今後これらをどう取り扱っていくのかというのは不断に考えていきたいなと思います。(後部席にいる)畜産課長、お肉の状態だと「おうみぎゅう」なのでしょう?引き続きそれは「おうみぎゅう」ですね。

 

[畜産課長]

はい。そうです。

 

[京都新聞]

 すっきりしました。

 

【知事】

すっきりした人と、すっきりしていない人とがいますね。

 

[中日新聞]

全国的にクマの被害がかなり出ていますが、滋賀県では幸い、目撃情報はあるけれど人的被害はないという状況かと思います。県として何か対策をとられていることがあったら教えていただければと思います。

 

【知事】

今現時点、県としてとっていること(対策)はありませんが、いただく他県の情報を注意喚起として流しているということだと思います。滋賀県はクマの生息地域もございますし、クマによる被害を現に受けたこともございます。今年は例年になく多く出没しているようですね、全国的に。餌の不足なのかクマの生態系が変わったのか、ぜひこういう情報は取って、また必要な箇所に共有していくようにしたいと思います。

 

[朝日新聞]

大きく2つお伺いしたいと思います。1つはライドシェア。ライドシェア導入について国でも議論が進んでいます。ライドシェアについて、知事としてはどんなふうに評価していて、何が課題だと考えてらっしゃいますか。

 

【知事】

私は広い意味でのライドシェアには前向きに考えたいと思います。乗せたい・乗せられる人と、乗せてほしい人・連れて行って欲しい人を繋いで、そして目的地まで行くというこういうことは、少ないより多い方がいいので。選択肢として。これは情報技術の進展も活用しながら、また滋賀県にある地域社会の繋がりなどをうまく生かしながら進めていければいいと考えております。ただ、後段にお尋ねいただいた課題としては、やはり安全性そして持続可能性、さらにはこういったことを業として担われている方々の理解というのも必要になってくると思いますので、このあたりは丁寧につくって進めていくことが必要ではないかと思います。

 

[朝日新聞]

滋賀県では公共交通のビジョンを作成しているところだと思いますけれども、このビジョンの中にライドシェアというのを取り込んでいくというような考えはあるのでしょうか。

 

【知事】

まず皆さんそれぞれがライドシェアという言葉をどのような範囲、経緯で使われているのかということにもよると思うのですが、既に福祉輸送等で自家用車を使って有償で輸送を行うという、こういったことなどで使われている例もあります。これもライドシェアと呼ぶならば、十分ビジョンの中に含まれてくると思いますし、ビジョンは今年度末につくることを目標としていますので、その中でどの程度までいわゆるライドシェア的なものを含められるのかというのはよく見て考えていきたいと思います。

[朝日新聞]

検討が進んでいるライドシェアのあり方としては、一つは大都市圏や観光地でタクシーの運転手が不足しているということで取り組もうというような動きがあります。もう一方で地方の公共交通が整備されていないということに対しても、いわゆる自家用有償旅客運送というような形での取組が実際に京都府の京丹後市で行われているということです。滋賀県市は都市部とそういう地域とを含んでいるわけでありますけれども、こうした観点からどういう位置づけを考えていらっしゃいますか。

 

【知事】

おっしゃったとおり大都市部等で行うサービスと、例えば山間部や地方部・過疎地域等で行うというサービスとは当然異なってきます。それらを含めてライドシェアということで呼称されることが多いので、そこはエリアによってタイプを分けていく必要があると思います。滋賀県はどちらかというと、そういった地方部、加えて観光地等でどういうことができるのかというのが視野に入ってくるのではないかと思いますが、具体にどういう制度設計ができるのかということも含めて、国でも今、規制の緩和等が議論されておりますので、そういうものも見ながら考えていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

先日、滋賀県首長会議があり、そこでの東近江市長の発言が非常に議論を呼びました。それを受けて、もう公開の場では自由闊達な議論ができないじゃないかというような声もあるようですけれども、やはり首長会議という場は自治体のトップがどのようなことを考えているのかを知る機会であり、市民というか有権者は当然そういうことを知るべきだと思いますので、やはり公開という形は非常に重要なことだと思います。これについて知事はいかがお考えでしょうか。

 

【知事】

滋賀県知事として、また政治家・三日月大造として、この職にある者の言動というものは広く公のものであるし、会議等は公開であるべきだと考えます。この首長会議というものはいろいろな経緯・経過があってできているもので、滋賀県の自治を進展させよう、創造していこうということで、最初は自治創造会議ということで平成18年度以降つくられ、ずっと公開で開催されており、どういうことをテーマにするのか、どういうやり方でやるのかということは、県と市長会と町村会で、合議で決めているということがあるようでございますので、そういう中で今後、公開なのか、非公開なのかという取り扱いについても、もし必要であれば議論されることになると思います。ただ私は、知事としては公開で行うべき、公開で続けるべきだと考えております。

 

[朝日新聞]

今回のケースも公開の場であった発言がこうして広く世の中で議論されて、それが様々な形でプラスの効果も生んでいることだと思いますし、非常に今回はいい形での進み方だったのではないかと思っています。知事が常々「公論熟議」ということをおっしゃいますが、やはり公論というのは一部の人たちだけとか政治家だけの議論ではなく、市民全体に開かれた形であるべきだと思います。特に自治体のそれぞれのトップが発言するという機会というのは、やはり我々市民あるいは有権者が聞けるような形であるべきであり、それを伝えるのが我々報道機関の責務でもあります。滋賀県は公開で臨むという姿勢が非常にあると思いますが、それが後退することがないように、ぜひ知事のリーダーシップをとっていただければと思います。

 

【知事】

御指摘を重く強く受け止めて、私だけではなく県庁職員とともに共有したいと思います。

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