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知事定例記者会見(2023年10月31日)

令和5年10月31日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

早いもので10月も末日となりました。滋賀県では今月から、毎月1日を「しがプラチャレンジの日」をいうことで、それぞれの月に県民の皆さんに実践していただきたいプラスチックゴミ削減に向けたチャレンジ、「プラチャレ」を呼びかけているところです。ちなみに10月は、「マイボトルを携帯しよう」ということだったのですけれども、11月のチャレンジは、「混ぜればゴミ 分ければ資源 プラスチック製品は分別してリサイクルに協力しよう」。ちょっと長いのですけれども、要はプラスチック製品は分別してリサイクルしようということです。家庭でのプラスチックゴミの分別、スーパーなどでのペットボトルやトレイの店頭回収など、今月は特に意識して取り組んでいきたいと思います。皆さんも御協力をよろしくお願いいたします。

また、明日からは山梨県で開催される日韓知事会議に出席する予定です。聞いていますと、2017年11月に韓国釜山で開かれて以来、6年ぶり7回目ということでございます。私自身は初めての参加となりますが、国会議員時代に日韓議員連盟などに所属していた経緯もありますので、何人の知事が来られ、どんな話をするのかはまだわかりませんが、知事同士いろいろな意見交換ができるのを楽しみにしているところであります。私からは滋賀県の紹介などをする予定です。

また11月3日はビワイチの日。これは2回目のビワイチの日です。また、3日から9日はビワイチ週間ということでございます。期間中、国土交通省の自転車アンバサダーをお務めいただいております稲村亜美さんをゲストライダーとしてお迎えして記念ライドを行うなど、県内各地でたくさんのイベントを開催する予定です。随分、道路環境も改善してきましたので、ぜひ皆様方にお楽しみいただければと思います。

それでは資料に基づきまして2点御紹介させていただきます。本日から子ども向け広聴サイト「子ども県民の声ひろば」を開設いたします。「子ども・子ども・子ども」。子どもを真ん中に置いた、子どものために、子どもとともにつくる県政、また政策の推進を掲げているのですが、そのためにも、子どもの視点を取り入れたり、子どもの社会参画の機会を増やしていくことが肝要と考えております。現在の県の広聴の取組「知事への手紙」は年齢に関係なくお受けしておりますが、大人を前提としたものになっておりまして、子ども自らが意見を県に届けやすいのかというと、十分ではないのではないかと考えております。

今回の新たな広聴サイトの開設は、子ども専用とさせていただくことによりまして、子どもが気軽に県に対して意見を言える環境をつくることがねらいであります。「子ども県民の声ひろば」で、新たに行うことは主に二つでありまして、子どもたちが学校や家など身近なところで困っていること、もっとこうしてほしいなといった意見を届けてもらうための「子ども版の知事への手紙」が一つ目でございます。子どもたちが手紙を出しやすいように、匿名で受け付けをしております。手紙の内容とその返事回答をサイト内に掲載させていただくことで、子どもたちの思っていることや困っていることを、大人も含めたみんなで共有できるようにいたします。もう一つは、子どもたちに身近な話題や県の施策に関することなど、幅広いジャンルでアンケートを行う「子どもWebアンケート」というものを開設いたします。「子ども県民の声ひろば」を通じて、子どもたちと一緒により良い滋賀県をつくっていきたいと思いますので、この会見をどれだけの子どもたちが見てくれるのかはわかりませんが、ぜひたくさんの声を届けてくれればと思います。

もう1点は、このたび、株式会社たねや様と建築物木材利用促進協定を締結することとなりました。県内での締結は記念すべき第1号ということとなります。この建築物木材利用促進協定なるものは、脱炭素社会の実現に向けて、建築物等への木材利用の促進を図る法律、これは令和3年10月1日施行で創設された制度に基づくものであります。この協定の目的は、たねや様のグループの店舗等の整備に当たり、県と連携して、びわ湖材をはじめとする国産木材を積極的に活用することで、木材の良さを広くPRすることでありますとか、2050年カーボンニュートラルの実現をすること、またSDGs、生物多様性の保全や、マザーレイクゴールズの達成に貢献するということを目指すものでございます。主な取組内容は、たねや様が新たに整備される大津湖岸なぎさ公園の新店舗「ラーゴ大津」というそうでございますが、こちらにおきまして積極的にびわ湖材等を御活用いただくとともに、新たに店舗等を整備される際も同様の取組を一緒に検討していくということでございます。県は技術的助言や情報の提供(のほか)、この協定に基づく取組を優良事例として積極的に広報していきたいと存じます。今回の協定締結を契機に、こういった民間非住宅建築分野でも木材の利用、木質化、木造化が広がり、多くの人たちに木のぬくもり、木の良さを実感してもらう機会が増えることを期待しているところでございます。この協定の締結式は11月9日に県庁知事室で行いますので、ぜひ御取材等を賜れればと存じます。私からは以上でございます。

[京都新聞]

国政に関して2点ほどお尋ねしたいと思います。1点目は、岸田首相が打ち出した所得減税についてなのですけれども、経済対策として税収が増えた分を国民に還元するということで、所得税減税が今議論されているかと思います。国では、子育て支援や防衛力強化で財源確保が求められるときに、なぜ減税するのかという政策の整合性も問われているかと思います。知事は税制審議会に毎回出席されたり、税への関心が高いかと思うのですが、知事から見て今回の所得減税はどのように受け止めておられますでしょうか。

 

【知事】

今まさに国会予算委員会等が行われて、今お尋ねいただいたことも議論されているところですので、もう少しその趣旨目的、そして手法については確認をしたいと思います。もちろん目下、物価高ですとか賃上げが追いつかない中での物価高ということに対する多くの方々の窮状、ここを何とかテコ入れしたいというこういった事々というのは重要課題であると思いますが、そもそも「1回だけ、1年だけ」ということにどれだけの意味と効果があるのかということや、税収増の還元というものを減税で度々やるべきことなのかということなどはよく吟味されてしかるべきかもしれません。また、実際の減税というのが、いつごろ行われるのかということにもよると思いますが、給付等と比べてその効果がどうなのか、いわゆる政策目的に対する効果がどういう形で発現するのかということなどもよく考えて決めていただきたいと思います。

 

[京都新聞]

少し懐疑的に見てらっしゃるといいますか、疑問も含めて効果とかやり方とかについては、疑問に思ってらっしゃるというような感じでしょうか。

 

【知事】

もう少しよく聞かないとわからないですし、これから与党の議論が本格化してくると承知をしておりますが、私はあまり賛同しないかもしれません。内容を見ないとわかりませんけれども。あまり正直に言い過ぎてもよくないのかもしれませんが。

 

[京都新聞]

もう一つ岸田首相が秋の臨時国会で打ち出したものとして、「ライドシェア」があったかと思います。自家用車を使って有償で人を運ぶ公共交通、地域交通を維持していく上での策の一つだと思うのですが、今、県では2040年のあるべき交通のあり方という交通ビジョンをつくっている最中かと思うのですが、こういったライドシェアについてもこれから検討していく、盛り込んでいくということはお考えでしょうか。

 

【知事】

その点もとても大事な問題だと思います。移動したいのに、行きたいところがあるのに、その移動手段がない人と、時間がある、能力があるのでお運びすることができますよという人を、例えばICTの技術などで結びつけることというのは、私は可能性があると思っています。ただ、安全性をどのように担保するのかということですとか、既存の事業者との兼ね合いをどのように整理するのかといったような課題はあるのかもしれません。いずれにしろ、何らかの解決策を見いだしていかなければならない課題だと思っており、県では今ビジョンをつくろうとしていますので、その中でどういう盛り込み方ができるのかということも選択肢の一つとして、お示しすることができれば入れていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

たねやとの提携について、たねやはこれから店舗を作る際にびわ湖材、つまり滋賀県産の材木を建材として、積極的に使うということでしょうか。

 

【知事】

お尋ねのとおりです。

 

[日本経済新聞]

県産材だけでしょうか。何か他のものも使うのでしょうか。

 

【知事】

基本は滋賀県産材、いわゆるびわ湖材を使っていただくことを主といたしますけれども、例えば大きさや材質の問題等でそのときに材がなければ、県外産のものも全く使わないかというとそういうわけではありません。基本的にたねやさんはお菓子づくりをはじめ、その地にあるものを大事に素材として生かし、つくろうと、よりつくっていこうということを志向「されていると理解していますので、そういう意味でも滋賀県産材、びわ湖材が主になると思います。

[日本経済新聞]

県産材以外で何か他の材木を使うという話はあるのでしょうか。

 

【知事】

まだこの件で社長と話しておりません。ただ我々も事務方には確認していたのは、きちんと材が出せるかと。たねやさんが第1号で、これから2号3号、いろいろと広めていくときに、まとまった材がより良い品質で出せないという、このことにも課題があるので、入口が先か出口が先か、出す方が大事なのか使う方が大事なのか、両方だと思います。したがって、こういうものを進めることによって、きちんと(材を)出していける環境をつくっていくことにも取り組んでいきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

滋賀県側からたねやに対しては定期的な意見交換や木材利用に関する相談窓口など、先ほどおっしゃったようなきちんと供給できるような体制づくりを支援していくということでしょうか。

 

【知事】

 左様でございます。

 

[日本経済新聞]

(協定の)2号3号はどこか候補があるのでしょうか。

 

【知事】

いくつか相談があるみたいですが、この時点で、「こうです、ここです、いつです」というのが言える状況ではないそうです。

 

[日本経済新聞]

全て滋賀県の会社や団体でしょうか。

 

【知事】

いくつか聞いている企業は県内ですが、まだ成案にまでは至っていないと聞いております。

 

[日本経済新聞]

実際のところ、供給力としては相当あるのでしょうか。

 

【知事】

どれぐらい使われるのか、どれぐらいのスケジュールなのかということにもよると思いますけれども、ただ、伐期を迎えた山、森林が多いのは事実です。伐る人がどうなのか、伐ったときのコスト見合いがどうなのか、材質がどうなのかという課題もありますけれども、まだまだ使っていただける状況にはあると思います。

 

[日本経済新聞]

いわゆる間伐材(木の生育をよくするために間引きする材木)を利用することももちろん含むということでしょうか。

 

【知事】

おっしゃるとおりで、間伐材でできることもあると思いますが、それは何をどれぐらいのスケジュールで建てようとするのかということにもよると思います。

 

[中日新聞]

発表いただいた資料「子ども県民の声ひろば」について、「知事への手紙」と謳っているとおり、知事は全て目を通されるということでよいのでしょうか。また返事も知事が書くということなのでしょうか。

 

【知事】

今の「知事への手紙」も基本、全て私のところに届きますので、目を通すことを前提に今回の(子ども版)も受け付けます。返事はそれぞれの部局をしてつくっていただいたものを私が(見て)、大体良ければもうそのとおり出してほしいということにしますが、これはもうちょっと付け加えないとだめだろう、これじゃないだろうというのは変えて出してもらうようにしていますので、私が一定目を通してお答えすることになると思います。「知事への手紙」ですから。

 

[中日新聞]

返事は担当課というか、詳しくは担当されている方が書くものの、一応知事の目は通っているということでお返事を書かれると。

 

【知事】

事実関係や事の経過とかそういうものを一定、事務方で整理してお返しするのですけれど、機微に触れることや知事の考えを問われているようなものもある場合は私自身が答えるようにしています。

 

[中日新聞]

対象が「小学校高学年以上の子どもを想定」とありますが、子どもたちが県のホームページを頻繁に見ることはあまりないのかなと思っておりまして、その際これをどのように広げていくのか、子どもたちにどのようにPRしていくのかというお考えはどうでしょうか。

 

【知事】

今回こうやって開設できましたので、教育委員会などとも連携して、いろいろなイベントなども有効活用してあらゆる機会を使って広めていきたいと思います。せっかくつくったのにどなたにも見向きしていただけないということにならないように努めたいと思います。

[中日新聞]

多分、いろいろな子どもたちが相談を寄せるということに関してはLINEもあると思います。そちらはおそらくいじめとか困りごとなどだと思うのですが、こちらの方は、困りごとも含めてですけれども、県政に対してというと難しいですが、もっとこういうように暮らしを良くしてほしいとか、本当にいろいろなものを幅広くというような想定でよろしいのでしょうか。

 

【知事】

基本何でも結構です。その中で個人的な悩みを打ち明ける子どもたちもいるのかもしれません。きちんとキャッチして、しかるべき部署と共有して、対応できるようにもしていきたいと思います。

 

[中日新聞]

個人的なお悩みですと、やはりそれをちょっと公開されるのは…という場合は非公開というような選択もできるのですか。

 

【知事】

当然、まず匿名性を担保していますし、内容に応じて、例えば(手紙を)出された本人は匿名ですけれども、そこに個人名が出てくるなど、公序良俗に反することとか、配慮しなければならないことはきちんとスクリーニングにかけた上で公表するということとしたいと思います。

 

[中日新聞]

全く別件でもう1点、「翔んで埼玉」の映画が来月公開されるということで、先日知事も東京で記者会見に臨まれていたと思いますが、おそらく、いわゆるディスりというような形で滋賀が登場すると思います。こういった自虐的なPRというのもインパクトがあり、埼玉の方ではかなり注目されたということもあって今回第2弾なのですが、知事が改めてこの映画に期待されることと、何かタイアップのPRみたいなものは考えていらっしゃるのか、2点お伺いします。

 

【知事】

怖いです、この映画。試写会で観ましたけれど、県民の皆さんの反応も含めて怖いです。ただ、ディスりからくる誇りとか、改めて感じる愛着とか、そういうものを喚起することができればいいなと思います。そのネタ、素材は作品の中にふんだんに盛り込まれているのではないかなと思いました。また埼玉と滋賀というのは、いろいろな地政上類似している点が多いということもそうですけれど、文化的にも繋がっていることも多いです。近江商人が中山道を通って商売に出かけて行ったとか、埼玉県の中での老舗企業様が滋賀由来であるなど。ですから改めて埼玉と滋賀が連携するきっかけになればいいなと思っています。

 

[NHK]

今のことに関連して、ディスりも入っているということですが、知事が滋賀に対して思う中で、滋賀のこういうところはちょっと良くないと思うところはあるのでしょうか。

 

【知事】

私は基本的にそう思わないことの方が多いのですけれど、全て裏返しだと思うのです。陰徳善事(いんとくぜんじ)といいますので、近江商人は。あんなことしています、こんなことを思っていますと、自分たちの良さをひけらかさずに、むしろ良いことは黙ってやればいいというのを美徳としてきた歴史があります。ただ、世界とのお付き合いでやっぱり言わないと、示さないと十分御理解いただけないということなどもありますので、そういったこととか、いろいろな地域と比較しても持っているもの、歩んできたもの、どれも引けを取らないと思うのですが、やっぱりちょっと謙虚なところ、控えめなところというのはあるのかもしれません。ただこういう映画をつくっていただくことによって、その良さを皆さんに知っていただくきっかけになればいいなと思いますね。

 

[NHK]

先日、滋賀県フリースクール等連絡協議会の会見がありまして、知事からも意見書に対する回答があったという報告がありました。知事からの回答書の中では、「子どもたちに伝えたいことがある」と始まり、「私の考えとは異なる点もある」ということも文書で回答されたと思います。「最大限努力を傾注してまいります。全ての一人ひとりの子どもたちのために、ともにがんばりましょう」という形で文書を出されましたが、ここに込めた思いや、改めて市長の発言に対するお考えを示しいただければと思います。

 

【知事】

この(10月17日の)首長会議の中でも申し上げたかもしれません。また会見等で累次にわたり申し上げていることかもしれませんが、今いる子どもたち、そしてその子どもたちが置かれている現実、ここに目と心を向けていきたいということと、保護者をはじめ対応していただく先生方や関係者の皆様方、この方々も決して一人ではなく、みんなでこのことを受け止めて対応していくことが必要だと思いますので、そのことを今回改めて、問われ、質されたことにお答えをしているところです。また不登校に対する支援等につきましては、国もいろいろなことを考えているみたいですけれども、県内市町・関係者の皆様方と一緒につくっていくべきものでありますので、そういった機会を設けること、そういった議論を積み重ねていくことも含めて一緒に頑張っていきましょうということを最後は自分で書いて、気持ちを込めてお答えしたつもりです。気持ちを込めて書いたつもりですが、気持ちだけではなくて、具体の行動や具体の施策に繋がるよう教育委員会と努力をしていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

関連して、具体の施策に繋がるようにということですが、以前この定例会見でもフリースクール自体への財政補助については、憲法89条に抵触するのでと否定されていました。そのお考えには変わりはないのでしょうか。

 

【知事】

公金・公費をそういった団体等に投入することには憲法上の制約もあるというこの考えに変わりはありませんが、しからばどういう支援策があるのか、望ましいのか、できるのかということについては、まだまだ議論、検討していかなければならないことがあると思っています。

 

[朝日新聞]

フリースクールへの補助については、茨城県など他府県で既に運営自体への補助をされている自治体がありますので、憲法89条に抵触する問題というのはクリアされているのではないかなと思いますが、その点についてはいかがですか。

 

【知事】

そのことも含めてどういう趣旨で、どういう目的で、どういう制度をつくり、そういったことをなさっているのかということも含めて我々も検討していきたいと思います。

[朝日新聞]

最初否定されたのですが、それも含めて(検討するということですか)。

 

【知事】

私自身は公金・公費をそういった団体等に投入することには憲法上の制約があると考えておりますが、しからばどういう支援策が望ましいのかということについては、考えていきたいということを申し上げています。ですから他の自治体等でやられている事例等があるならば、そういうことも十分参考にさせていただきたいと思います。

 

[朝日新聞]

26日に回答された回答書でも、学校とフリースクールは二項対立的な選択肢ではなく補完し合うものですと知事は回答されていますが、フリースクールが義務教育を補完するというのであるならば、フリースクールで教育を受けている子どもへの財政支援は県としての責任でもあると思います。昨日のフリースクール等連絡協議会の会見で、フリースクールや通っている保護者への財政支援というのは小椋市長の発言があって始まった話ではなく、もう既に実施している自治体はたくさんあって、早期に実効性のあるプランを求めていくと協議会の方もおっしゃっていました。早期に実効性のある具体的なプランというのはどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

そういうことが必要だと思ったので首長会議の議題にもし、どういう形で制度を組み立てて、実施することができるのかというのを一緒に考えていきたいというふうに思っております。フリースクールといいましても様々あると思いますので、そういったものをどういう基準で見ていくのか、支え合っていくのかという議論も必要だと思いますし、フリースクールだけではなくて、学校内登校でありますとか、地域内学習でありますとか、アウトリーチも含めてですけれども、どのように人的、物的に支えていくのかという議論も必要で、むしろ学校内でもっと対応することへの支援こそ手厚くするべきではないかというお考えの方もいらっしゃるようですので、いずれにしろ目の前にいる子どもたちが過ごす場所を今よりも改善していくという趣旨に立って議論をしていければというふうに思います。

 

[朝日新聞]

(10月)17日の首長会議で出た発言で全国的にフリースクールや不登校対策のあり方について今問題にはなったと思いますが、足元で起きた滋賀だからこそ、滋賀が先駆けて独自のルールをつくっていくというような考えはないでしょうか。子ども政策に関して、「子ども・子ども・子ども」と常におっしゃっている知事だからこそ。他社の報道によると27日の(こども施策に関する)国と地方の協議の場でも(フリースクールに関して)国に明確な基準を求められたそうで、もちろん国に求めていくことも一つではあると思いますが、知事として、滋賀として、具体的に考えていることはないのでしょうか。

 

【知事】

不登校に対する支援策、これは例えばスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、その重点配置も含めて、今あるものをさらにどのような形で拡充していくことができるのかということについては検討しているところですので、県は県としてできることをやっていきたいと思います。その上で、特に子どもたちの環境の問題ですので、国に対して求めていくことについても、これは全国知事会の本部長の立場でしっかりと申し上げていかなければならないと思います。

 

[読売新聞]

本日も登校拒否・不登校問題滋賀県連絡会という、不登校のお子さんの支援をされている団体が、知事と教育長あてに要望書を提出されまして、要望では、学校内での不登校支援の組織づくりがきちんと構築されていないことや、学校内での居場所づくり、文科省が進めている不登校特例校など、そもそも公的支援がきちんとできていないというところもかなり指摘されていると思います。不登校特例校や、学校内での居場所づくりに関して、滋賀県内での整備の拡充についてのお考えを聞かせていただければと思います。

 

【知事】

不登校特例校については、「学びの多様化学校」として全国に300か所、国として整備方針を示されておりますので、先般の首長会議でも一部意見が出ましたけれども、滋賀県としてどのように対応していくのかということは考えていかなければならないと思っています。もう一つは、学校内支援の重要性ということについても、これはアウトリーチも含めてですが学校にとどまるのではなくて出かけていって、いろいろんな支援を行うことも含めて、また、学校内で例えば保健室や図書室やいろんなところも活用しながら、学びの保障を提供していくということの重要性も含めてですけれども、これも大変重要だと思います。ただ、マンパワーが足りない、時間が難しい、専門性が必要など、そういった指摘をどのように検討して答えていくことができるのかということもあわせて考えていきたいと思います。

 

[読売新聞]

教育機会確保法が施行したのは2017年だと思うのですが、知事も「子ども・子ども・子ども」を昨年から掲げられ、その時点で、滋賀県が他の都道府県に比べてその辺りの公的支援が遅れていると感じられている部分はありましたか。施行から結構時間が経っていると思うのですが。それが、今回の首長会議で改めて自覚された部分があるのでしょうか。

 

【知事】

一定、法に求められていることですとか、現実現場に対応することはやってきたと思っていますが、例えばコロナもあり、また、いろんな環境・状況の変化等もあり、いじめや不登校が増えているという現状にどう対応していくのかという課題もあるのだと思います。決して、他の地域に比べて遅れているということではないのかもしれませんが、目の前、現実の子どもたちに対して十分な手当ができているのかというと、まだまだなところもあると思いますので、そういった観点に立って教育委員会とも議論をし、例えば予算も含めて検討していきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

先週、湖南省からデレゲーションが来ていましたが、トップは湖南省の文化旅游庁長(ぶんかりょゆうちょうちょう)でした。当初は湖南省政府、あるいは湖南省の共産党トップが(来県)予定だったと思いますが、やはりこれは処理水の問題があって、ダウングレードしたということなのでしょうか。

 

【知事】

いえ、旅游庁のデレゲーションはデレゲーションとして来られたのであって、湖南省との(友好県省協定締結)40周年の節目となる式典へのお招きの準備は現在行っているところですので、また決まり次第、発表させていただきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

当初、(湖南省からの式典への参加は)今年の秋、10月か11月とおっしゃっていましたけれども、その予定はまだ変わらないでしょうか。

 

【知事】

現時点、10月は末日ですので、11月になりますが、この秋には実施していきたいということで、準備しているところです。取り消しなど特に変わったことはありません。

[日本経済新聞]

(来県される方は)湖南省の政府のトップだと思いますが、共産党トップの可能性もあるのでしょうか。

 

【知事】

その辺りも含めて、私が7月から8月にかけて伺い、ぜひとも滋賀県に来てくださいということを申し上げておりますので、今、先方の省でも調整をされていると思いますし、両県省で調整をしていると思います。

 

[京都新聞]

草津市立プールについては、8億円を追加して5メートルに最大深度を変更し、今後基準が変更されても既存不適にならないようにいいものをつくるということだと思うのですが、レイラックさんが平和堂HATOスタジアムの夜間照明の照度が足りず、(J3リーグクラブライセンス申請が)継続審議になっているため、クラウドファンディングで1億円集めようと頑張ってらっしゃるという話があります。一方は(公費で)8億円が投入され、一方は自助努力みたいな状況が若干アンバランスなようにも見えるのですが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

それぞれ目的にそって必要なことは、例えば草津市さんがつくられるプールについても行ってきていると思いますし、県が整備する陸上競技場についても行ってきたと考えております。当初、彦根市で県が国スポ大会に向けて整備する競技場も、Jの基準に合わせようとした経緯がありますけれども、当時は、彦根市を商圏としてJの基準というものにはなかなかむしろ合わないという先方の御意向もあって、こちらがダウンサイジングしてきたという経緯もありますので、民間のチーム等で必要とされることがあるならば、そういったところでみんなの力を集めてなさるということが筋になると思います。我々もできる協力はしていきたいと思います。

 

[京都新聞]

できる協力として、知事が思いつかれるようなことがもしあれば、お聞かせください。

 

【知事】

そもそもサッカーだけではなくて、他の競技、もちろん陸上もそうですし、ラグビーをはじめいろんな種目を行われる競技場で、例えばそういうチームの試合や何かをなさるということの調整などは、十分県としてもできることなのかもしれません。

 

[毎日新聞]

地域交通ビジョンについてですが、先日のイオンモールでの県民フォーラムが直接県民から声を聞く最終回ということになるのでしょうか。

 

【知事】

まず、ビジョンを今年度中に策定しようというスケジュールがありますので、そこに向けたフォーラムとしての趣旨は一定もてたのではと思いますが、むしろこういったフォーラムを開催する、もしくは「県民トーク」で出かけて行ってお話を伺う、そのことが報じられるということを通じて、皆様方の御関心も高まってきていたり、バス交通をはじめ、いろんな課題も出てきていますので、むしろ多くの意見を言いたい、聞きたいということは高まっているようにも思います。したがって、引き続き、何らかの形で皆様方のお声が伺えるようなことは、つくっていく必要があるのではないかと考えています。

 

[毎日新聞]

全く別件になりますが、県議会の議長がバチカンに行かれるということで、知事の親書をお渡しするということですけれども、どういうことを期待されていますか。

 

【知事】

議長が世界湖沼会議で、ハンガリーに行かれる行程の前に行っていただけるということを聞きましたので、私からの親書を託すことにいたしました。5月に大杉副知事が現地(バチカン)に行って、安土山図屏風の探索やセミナリヨを始めとする長い交流の歴史を紐解いていく作業に御指導、御協力をということを申し上げておりますので、そういったことをさらに繋いでいくためのお手紙にしたいと思っていますし、そういう機会を議長に繋いでいただけることは心強く思っております。特にそこ(資料提供)にも書いてあったかもしれませんけれど、再来年、大阪・関西万博も開催されますので、そういった機会等を使って、滋賀県にもお越しいただければといった趣旨のことをともに御案内していければと思います。

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