文字サイズ

知事定例記者会見(2023年10月24日)

令和5年10月24日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

10月24日は霜降ということで、霜が降りるぐらい日に日に寒さが深まっていくという暦だそうでございます。

この度、滋賀県の職員が性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで逮捕される事態が発生いたしました。誠に遺憾に思います。御心配御迷惑おかけした方々、信頼を大きく損ねることになりました。深くお詫び申し上げます。現在、警察において捜査中でありますので、その状況を適切に把握し、厳正に対処してまいる所存であります。

スポーツに関する話題で2つ申し上げます。1つ目は、アーティスティックスイミングの第一人者でいらっしゃり、長きに渡り御活躍された、近江八幡市出身の乾友紀子選手が現役引退されると、日本水泳連盟より発表されました。世界水泳選手権のソロ種目で2大会連続の2冠に輝かれるなど、大きな功績に改めて敬意を表し、美しい演技で県民に感動を届けてくださったことに感謝したいと存じます。競技に全力を尽くしてこられ、本当にお疲れ様でしたと申し上げたいと存じます。まずはゆっくり休んでいただくことも必要かもしれません。また、今後御自身の貴重な経験を地元滋賀県民、滋賀のこどもたちに伝えていただければと存じます。今後の御活躍にも期待をしたいと思います。また2年後に「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ大会」を滋賀県で開催するので、引き続きお力をお貸しいただき、一緒に滋賀のスポーツを盛り上げていければと存じます。

もう1点は、11月23日に行われるイベントについてでございます。「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ大会」で開閉会式、また陸上競技を行う彦根の「平和堂HATOスタジアム」におきまして、11月23日、祝日でございますが、彦根市出身の陸上選手、桐生祥秀選手をお招きし、スポーツイベントを開催いたします。桐生選手と一緒に走る50m走、またリレー、さらにはトークショーなどを予定しております。募集人数は300人ということで、参加資格は小学4年生以上としておりますが、見学はどなたでも可能ということでございます。お申し込みはインターネットサイト「しがスポーツナビ」でお申し込みください。一流選手と同じトラックに立てる、また走れるという、またとない機会でございます。ぜひ御参加いただければと思います。

それでは、お配りしている資料に基づきまして、今日は3点申し上げます。まず1点目は、私自身のベトナム訪問についてです。11月2日木曜日から5日日曜日まで、2泊4日というツアーで滋賀経済産業協会の石井会長とともに、ベトナム社会主義共和国を訪問いたします。今回の訪問は、2年前、令和3年11月にベトナムのハノイ工科大学と一般社団法人滋賀経済産業協会との3者で締結いたしました覚書に基づきまして、県内企業におけるベトナム高度人材の受け入れを促進するための取組であります。現地での活動は主に2点ございます。1点目は、11月4日と5日にハノイ工科大学内で開催いたします、ジョブフェア(合同企業説明会)において、滋賀県内の企業を就職先に選んでいただけるようPRを行うことです。今回県内企業12社が御出展いただく予定です。2点目は、ハノイ工科大学学長との会談です。学長に対して、琵琶湖の環境保全に取り組む中で、経済と環境の調和という視点で経済振興を行ってきたことなどを紹介いたしまして、将来のベトナムの経済発展に大きく貢献する学生にとって、滋賀県には、学生の成長のフィールドがたくさんあり、滋賀に来る価値があるということを伝えていきたいと思います。また、今回の訪問に合わせて、ハノイ近郊に進出されている滋賀県企業や企業が立地するハナム省などを訪問いたしまして、現地企業の視察、ハナム省知事との意見交換を行う予定でございます。ハノイ工科大学の日本語講座で、学生の皆さんと交流するイベントなどもあるそうでございます。今回の訪問でハノイ工科大学との更なる関係強化を図っていきたい。またジョブフェア参加者、日本語講座受講生に、滋賀県の企業等に就職し、安心して滋賀に来てほしいというメッセージを伝えていきたいと考えております。

もう1点は、11月に江島副知事がオーストリアとハンガリーに参りますというお知らせでございます。滋賀県(琵琶湖)とオーストリアは、以前も紹介いたしましたとおり、形が似ているということを御縁に、2年前の「びわ湖の日」から交流が始まっております。3年目になって、コロナ禍も明けてきたということで、実際の往来を伴う交流を行っていこうということです。今回の副知事の派遣は、11月7日からハンガリーで行われる世界湖沼会議の前に、オーストリアのブルゲンラント州を訪ね、州政府との交流、意見交換を行い、滋賀県との交流をさらに深めるための覚書を締結することがミッションであります。このブルゲンラント州は、オーストリア東部に位置し、人気観光地である自然環境豊かな「ノイジードル湖」を擁する州ということでございまして、音楽などの文化、サイクリングなどの観光、さらにはワインや地酒をつくる取組ですとか、農業も盛んということで、こういった分野での交流を期待しているところであります。今後、ブルゲンラント州との相互交流や意見交換を行うことで、両県州にとって、様々な分野で交流を深め、関係性を構築していきたいと思います。なおハンガリーで開催される第19回となる世界湖沼会議については、詳しくは後ほどプレスリリースされるということでございますが、江島副知事が、開会式で琵琶湖の取組を発信するとともに、世界に向けて「世界湖沼デー」というものを設けようという海外での初めての発信でありますとか、ミシガン州との共同プレゼンテーション、ならびにハンガリーの高校生とのユース宣言の取組、「UMINOKO(ウミノコ)」という船がニカラグアで就航しているそうでございますが、そういった御紹介などもある予定でございまして、国際的な湖沼環境保全に向けた連携の呼びかけなどを行っていければと考えているところでございます。

最後は「こどなBASE」についてでございます。子どもと大人が一緒に滋賀の未来を考える「こどなBASE」についてお知らせをいたします。この「こどな」というのは、子どもと大人を組み合わせた造語でございます。この「こどなBASE」は、県内企業の持続可能な社会づくりへの取組のサポートと、次の時代を担うこどもたちが未来へ夢を描けるような多様な体験機会をつくるために、企業などとこどもたちを見守る現場のマッチングやコーディネートを行うものでございます。仕組みは、企業や団体、いろんな法人様も含め、「こどなBASE」事務局のサポートを得ながら、子ども向けの体験プログラムである出前講座や、オンライン工場見学などをつくっていただき、放課後児童クラブや子ども食堂などを利用するこどもたちに提供していくという流れでございます。企業の皆さんにとっては、こどもたちに自分たちの会社の仕事を知ってもらうことでありますとか、将来に向けた課題解決のヒントを得ることに繋がり、こどもたちにとっては、これまで関わるきっかけがなかった企業などの仕事体験プログラムへの参加や、体験活動の機会が増えるというメリットがございます。この取組への参画を希望される企業等の登録について、明日10月25日の午後1時から登録受付を開始するということでございます。「子ども・子ども・子ども」、こどもたちのために様々なお取り組みに御参加いただければと存じます。少し長くなりましたが、私からは以上でございます。

[京都新聞]

3点お伺いしたいことあります。いずれもこれまでから報道されています、東近江市長の発言に関してです。1点目は、既にもう三日月知事は囲み取材等の場では、御発言されているかと思いますが、あらためて東近江市長の発言に対する御見解、受け止めについてお伺いします。2点目は、知事は首長会議に御出席され、東近江市長の発言はよく聞こえていたかと思いますが、そのときどのような思いで東近江市長の発言を聞いておられたのでしょうか。最後の3点目は、特に会議の中では(東近江市長の発言にに対して)目立った反論や異論、根拠を問うことは、どの首長からも出なかったと思いますが、知事が意見を違うとされているなら、あの場で明確なお立場や考えを発言されなかった理由について教えてください。

 

【知事】

まず、先般行われた首長会議では2度目になりますけれども、不登校の対策についてどのようなことを行っていくべきなのかということを議題にし、様々な議論を行いました。東近江市長からこの間報道されているような御発言があったことは私も会議におりましたので、承知をしております。何はさておき、受け止めとしては、こどもたちのことを第一に考えるべきであろう。そして現実に今、こどもたちが抱えている悩みや、またこどもたちと一緒に、親御さんや保護者の皆さん、周りの先生方が抱えてらっしゃる悩みに寄り添って、対応していくことが必要だというふうに考えております。そのために、その会議の場でも申し上げたと思いますが、寄り添うこと、そして居場所をつくること、さらには、学びの保障をしていくということが大事だと思いますので、私はそういう観点に立った対応を知事として、県のプランに反映させ、そして具体の施策をつくっていくということに尽力してまいりたいと考えております。

(東近江市長の発言を聞いていた時は)どういう思いだったかと問われましたけれども、それぞれの市町の課題や悩みについてお話いただきましたし、その前提となるお考えなどについても披瀝されたものでありますので、後のぶら下がり(取材)でも申し上げましたけれども、私とは見解を異にするという思いで聞かせていただいておりました。ただ、よく教育委員会とも議論するのですが、いろんな考え方があって、そのいろんな考え方を束ね、まとめながら、合意形成をし、施策をつくっていかなければなりませんので、御意見が多々出る中で、県としてのプランをどうまとめていけばいいのかと思いながら、あの会議の場を過ごしていたことを思い出しております。東近江市長の御発言の後にも、複数の市町長が御発言なさったと記憶をしております。例えば甲賀市長からは、様々な血縁・地縁・社縁というものがなくなり、孤立する中で、変わる仕組みをつくっていくべきだろうという御発言であるとか、日野町長からは、やはりフリースクールと学校との関係性を大事にしながら取組を進めていくべきではないかという御発言がありましたので、個々の御発言に対してということよりも、県として取組を進めていく際の重要な示唆がいくつか出たというふうに思っております。今後は県としてプランをつくり、そして具体の施策をより充実させる方向で検討していきたいと思っております。

 

[日経新聞]

ベトナム訪問は、知事になってから初めてですか。

 

【知事】

知事になってから4年ぶり4回目です。

 

[日経新聞]

令和3年11月に覚書を交わしてからは初めてか。

 

【知事】

初めてです。

 

[日経新聞]

 ジョブフェアは合同就職説明会のようなものですか。

 

【知事】

 合同就職説明会のようなものです。

 

[日経新聞]

 滋賀県の企業が参加しているのは去年からですか。

 

【知事】

令和3年から参加しており3回目になります。それぞれブースを設けて、企業の紹介をされています。

 

[日経新聞]

 ジョブフェアでは、知事自ら滋賀県に来てくださいとパフォーマンスをされるのでしょうか。

 

【知事】

そういうコーナーも設けておりますので、その時間があるかどうかは、今調整中なのかもしれません。企業様の紹介されてる様子はぜひ見てみたいと思います。

[日経新聞]

ベトナムから労働者がかなり来てるかと思うのですが、県内の外国人労働者の2番目ぐらいでしょうか。

 

【知事】

外国人県民の中でもかなり上位です。また滋賀県がスポンサーになる形で、ハノイ工科大学内で日本語講座を設け、その中で優秀な成績を収めた学生さんに来県してもらい、企業でのインターンシップを経験していただいているということなど、一連の取組の中の一環なので、この間も、コロナ禍もありましたけれども、かなりの関係性を築いてきた中で、かつ企業の皆さんがいろいろと進出されて交流もされております。そういったものをベースにした今回の訪問になります。

 

[日経新聞]

ハノイ工科大はベトナムのトップ大学ですが、他の自治体も同じようなことをやっているのでしょうか。

 

【知事】

ハノイ工科大学と協定を結んだ自治体は、滋賀県が初めてだと聞いております。それ以降、どこかが(ハノイ工科大学と)何かをされてるかというのは承知しておりません。

 

[日経新聞] 

江島副知事のヨーロッパ訪問について、オーストリアの関係というのは面白いんですけども、(覚書締結の)相手がブルゲンラント州というのは、これはどういった理由なんでしょうか。

 

【知事】

 ブルゲンラント州にオーストリア最大の湖である「ノイジードル湖」というのがあるそうで、それ以外にもサイクリングとか、森林のいろいろな取組とか何か連携してできそうです。場所的にはウィーンの近くです。

 

[日経新聞]

やはり湖繋がりを大事にしたいということでしょうか。

 

【知事】

 湖繋がりは大事にしたいです。(ノイジードル湖は)琵琶湖の半分ほどの大きさで、深さはそんなにないと聞いています。

 

[日経新聞]

 今回の覚書は将来、ミシガン州だとか湖南省と結んでるような姉妹協定と同格に発展するのでしょうか。それとも、今回の時点で既に姉妹協定になるのでしょうか。

 

【知事】

 まだ明確に、「姉妹」「兄弟」という形はそれぞれに持っていないのかもしれませんけれど、まず今回、覚書を提携して、具体の交流を本格的にスタートさせて、その後、他の3省・州(湖南省、ミシガン州、リオ・グランデ・ド・スール州)にあるような関係に発展していくのかどうかを探っていきたいと思います。

 

[日経新聞]

MOU(覚書)を結ぶのは今回が初めてでしょうか。

 

【知事】

ブルゲンラント州とは初めてです。

 

[朝日新聞]

東近江市長の発言に関連して、知事は「私とは見解を異にするが、いろいろな考え方があり、どうまとめればいいのかなと過ごしていた」というふうにおっしゃっていたのですが、非常に人権感覚に鈍いのかなというような感想を持ちました。私は首長会議に初めて出て、東近江市長も初めて拝見したんですけれども、皆さんの議論を見ていて、率直な感想としては、50年前の会議を見ているのかのような、タイムスリップしたような感覚に陥りました。いろいろな方の御意見がある場だとは思いますが、その中で市長の発言は、様々な御意見、多様な意見と受け止められるのでしょうか。学校に行きたくても行けないお子さんの現に居場所として、フリースクールがあって、そのフリースクールの存在が国家の根幹を崩しかねないという発言は、(フリースクールに)行っているお子さんが行けなくなったりとか、現に発言を聞かれて、行けなくなったお子さんだったり、悩まれている保護者がたくさんいらっしゃると思います。あの報道を見て、皆さん疑問だったり怒りがあって署名がたくさん集まったりという現状があると思うのですけれども、知事としてその辺はいかがですか。

 

【知事】

まず、現に学校に行きたくても行けなかったり、居場所として学びの場所としてフリースクールなどに通われている、またそのフリースクールを運営していただいてる方々がいらっしゃるということですので、そういった方々に対する配慮ですとか、思いを十分に持った発言ではなかったというふうには思います。ただ教育行政、国の中でどのように考えていくべきなのかという、こういうことについての御自身の考えを述べられたようなところもあったと思いますので、その考え、一つ一つのことについては、それぞれの方のお考えだと思います。そういう意味で「私とは見解を異にする」ということを申し上げております。いずれにしろ、現に今いる子どもたち、そして今学んでる子どもたち、その子どもの悩み、生きづらさやいろんな思いに寄り添っている方々がいらっしゃいますので、そういった方々の思いをどう汲み取って、施策にしていくのかということが大事なことだと思います。

[朝日新聞]

常々、「子ども・子ども・子ども」とおっしゃっていて、全国知事会の次世代対策支援プロジェクトチームリーダーもされていらっしゃると思うのですが、知事として、その不登校対策、フリースクールというのはどのようにしていくべきだと思われますか。

 

【知事】

学校とともに、学校以外の学びの場として大切な機能を果たしている場所だと思います。したがって、あの会議の場でも出ましたけれども、いろいろな場所があります。それらをどのように捉えて、また支えていくのかということについては、まだまだ議論をし、決めていかなければならないこともあると思いますので、この議論を積み重ねていくべきだと思います。もちろん、国全体で決めていけること、そして財源も含めて工面していけることもあると思いますが、自治体として、市町と一緒にどのような対策をとっていけばいいのかということも考えていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

自治体として市町とどのように対策を進めていけばいいかというところで、財政支援があると思うのですけれども、県内市町での財政支援があるところとないところでばらつきがあると先週の会見でも質問させていただきましたが、改めてあのような議論を踏まえて、県として市町と連携して県全域で保護者への財政支援を検討されることは考えていらっしゃらないでしょうか。

 

【知事】

今お尋ねいただいたようなことも含めて、どのような対策をとっていけばいいのかということを考えていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

今のところ具体的にはないということでしょうか。

 

【知事】

県内のいくつかの市や町で、(フリースクールに)通われているお子さんのいらっしゃる世帯に対して支援をされている自治体がありますので、その支援に対して県がどのような支援を行っていけるのかということも含めて、どういう支援が望ましいのかというのを考えていきたいと思います。

 

[毎日新聞]

(東近江市長の発言に関して)知事は見解を異にするということですので、逆に知事の不登校の人やフリースクールに対する思い、見解というのはいかがでしょうか。

 

【知事】

現に学校に行きたくても行けなかったりという状況を生む要因というのは、様々あると思います。友達とのことや他と比べられることや、学校という居場所の問題や先生との関係や、家庭の中でのやり取り。複合的ですし、それぞれ違いますので、一人ひとりに寄り添った対応というのが、学校だけではなくて、チームでみんなで向かい合って対応していくことが必要だと思います。同時に、そういう状況、現実があるわけですから、そういった子どもたち、また親御さんたちに寄り添って、特に子どもたちの居場所をつくる、また学びの保障する、こういうことが大事なんですけれども、そういった事々に例えば、負担をどのように考えるのか、もう少し公の支援があるべきじゃないかということが今、県内でも議論されているところです。ただ公の支援を入れていくというときには、どのような基準で、その質も含めて担保していけばいいのかということに、また諸論、お考えがあるわけで、むしろ公への支援をあまり入れずに自由にやらせてほしいというお考えや、一定そういった支援が必要だという、こういう事々を県としてもう少し整理して、方向性を見出していく必要があるというふうに考えています。

 

[毎日新聞]

今おっしゃった見解は、ある意味常識的というか世間一般と一致してると思います。そういう意味で、あの会議の場でこの人は明らかに誤解されているとか、ひょっとしたら偏見じゃないかと思う発言が出たら、「市長さん、それ違うのではないですか。今はこうなってますよ」といさめるわけではないですが、言ってあげた方が会議にとっても、もっといい方向に進んだんじゃないかと思います。言いっ放しを放任するというのはどうかと思いますが、その辺失敗したなという思いはないでしょうか。

 

【知事】

記者のそういった御見解を受け止めて、今後の会議の運営や、市長町長と知事とのやり取りの中で、どのように処していくのかということの糧にはしたいと思いますが、従来から、この首長会議はオープンな場で、それぞれが考えを述べて、その中で1点を見いだしていくというスタイルでやってきましたので、何か一方の発言に対して、「違う」「良い」「悪い」ということまでをやり合う場ではなかったので、またその後、複数の市長や町長から既に目の前の現実を見て、支援の仕組みをつくるべきだという御意見も出ましたので、東近江市長の見解だけではない議論もできたのではないと思いましたので、あえて私の方から重ねて、あの場で申し上げるところまでは至りませんでした。

[読売新聞]

関連で、県フリースクール等連絡協議会から知事にこの市長の発言の受け止めと、基本理念を示すことを求める意見書が出ましたが、そのことへの対応はどのようにされるのでしょうか。

 

【知事】

26日までに回答を求められておりますので、今その御意見に対してどのように回答していくのかという検討を教育委員会と一緒に行っているところです。

 

[読売新聞]

「こどなBASE」についてですが。始まるのはいつになるんでしょうか。

 

[担当課]

登録は25日の13時から受け付けていまして、随時登録いただいた企業に事務局に御相談いただく形でスタートしていきます。

 

[読売新聞]

登録があれば随時スタートするということでしょうか。

 

【知事】

いくつかもう始まっているものもあるのではなかったか。

 

[担当課]

先行して調整させていただいて企業様について、明後日26日にモデル的なプログラムがスタートしています。

 

[読売新聞]

対象が放課後児童クラブと子ども食堂等となっているんですが、ほかにどのような子どもたちが受けられるのでしょうか。

 

[担当課]

フリースクールなども御要望があれば対応していきたいと考えております。

 

[京都新聞]

東近江市長の発言に関連しまして、もう3点ほどお願いします。本日、東近江市教育委員会が小学校・中学校の児童を持つ保護者あてに、市長の発言は配慮に欠けていたといった趣旨のメッセージを出されているという報道がありました。知事としては、今までおっしゃられた異にするとか、教育に対する思い、フリースクールへの思い、そういったものを明確なメッセージとして何か発出するというお考えがあるのかということと、フリースクール等連絡協議会も対立ではなく対話ということを強調されていますけれども、関係者の方と今後対話の場を設けられたり、昨日の教育長会見でも、要望があればぜひフリースクールの視察も行きたいということをおっしゃっていましたが、そういったお考えとか御予定があれば教えていただけますか。

 

【知事】

まず1点目のメッセージということについては、こういった会見もそうですし、あらゆる場で、子どもたちの育ちや学びを応援したいということ、そしてその悩みにも寄り添って一人ひとりに応じた学びや育ちの場を提供すること、こういったことを皆さんに申し上げております。また、親御さんや保護者の皆さんもいろいろとお考えになっていらっしゃることもあると思いますので、決して1人ではなく、相談できる、また支援ができる、そういう体制を県としてはつくっていきたい、こういうメッセージを繰り返し発していきたいと思います。と同時に、フリースクール等連絡協議会の皆様方との対話もしくはそういった場の視察については、私も出席している総合教育会議にフリースクール等連絡協議会の会員の皆さんにもお越しいただいて、いろんな対話を既に始めております。また今後もこういったこともございましたし、不登校やフリースクールのことについて、もっともっと考えよう、より良くしていこうという、こういう御意見等をいただいておりますので、今後も教育委員会と一緒に視察や対話についても考えていきたいというふうに思います。

 

[中日新聞]

東近江市長の件に関して、Xでもトレンド入りしたり、ニュースサイトでも読まれたりと、かなり反響があると思うんですけど、その点については知事はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

 

【知事】

やはりそれだけ多くの方々がこの問題に御関心を持たれているということですし、国家とか学校とか、そういうことに対する息苦しさというのもあるんだと思います。他と同じように並び、比べられながら学ぶということに対する息苦しさ、こういった事々が積み重なって、様々な現象を生んでいるときに、そのことを是とするかのような、そのことのみを強く強調するような見解が披瀝されたことに対する「それは違うだろう」という、そういう御意見、反響ではないかと思います。従って今回このことを機に、一人ひとりの子どもたちに目を向けて、どうやってその育ちと学びを応援していけばいいのかという、もちろん学校での学びは大事です。と同時に、学校以外で学ぶ場づくりについて、私たち滋賀県、それぞれの自治体がどのように向き合っていけばいいのかということを考えていく一つのきっかけにしたいと思います。

 

[京都新聞]

滋賀県立図書館についてお伺いしたいことがあります。財政難で2008年に週休1日から、いま月・火と2日休んでいるかと思いますが、調べたところ(週に2日休館しているのは)都道府県立で滋賀県が唯一ということです。もちろん貸出冊数など滋賀県は非常に読書関心が高いとは思いますが、その一方で週休2日というのは結局財政難が影響して職員さんもギリギリの状態でやっているとおっしゃっていましたが、非常に寂しい状況と思っております。そのあたりで、昨日の教育長会見でも図書館予算については知事に要望していると、(予算を)つけてくれたらありがたいということもおっしゃられてたんですけども、今後の県立図書館の運営や図書費などに関する受け止めと改善が可能なのかどうか教えていただけますか。

 

【知事】

図書館、図書館行政というのは、私自身が知事としても政治家としても大切にしているテーマの1つです。従って、定期的に滋賀県の公立図書館協議会の館長先生方とも意見交換をしながら、その中で今進めている「こどもとしょかん構想」というのも出てきて、具体の施策をつくろうとしているところです。お尋ねのあった県立図書館の休館日につきましても、いろんな経緯があって、いろんな目的があって、そうなってる部分もあると思うんですけれども、さらに県民に向けたサービスを充実させていくために、どのような体制、また日程を考えればいいのかというのは不断に検討していきたいと思います。ただ、県立図書館として開館していること以外にも、蔵書の整理ですとか、配本サービスですとか、市町図書館と共同でつくっているネットワーク、さらには先週の日曜日に視察しましたけれども、おでかけ図書館ということで、原っぱに出かけていって子どもたちに読み聞かせをするようなイベントですとか、様々な取組をやっておりますので、こういったことと組み合わせてどのようなサービス体系が望ましいのかというのを考えていくことと、もちろん必要な資料費、その図書を整備するための予算は許す範囲内で措置したいと思いますし、同時に紙だけではないサービス、電子図書ですとか、そういったことについても時代を読みながら整備していくということを考えていきたいと思います。

[共同通信]

県が子どもの学びを保障するプランを策定中ですが、それはどれほどの拘束力があるものと知事はお考えなのか聞かせていただけないでしょうか。例えば小椋市長(東近江市長)がこの間の(首長)会議の中でも、あの(プランの)中にある「子どもが学びたいと思ったときに学べる環境を整えます」とあるが、なぜ子どものわがままを認めるような書きぶりをするのかという意見をおっしゃっていました。そうするとプランができ上がって、例えば小椋市長(東近江市長)が思っていらっしゃることと違うような内容のプランが策定されるとすると、それを遂行しないということもできるのか、それもあり得るのかと思ったんですけれども。

 

【知事】

「しがの学びの保障プラン」はまだまだ議論しなければならないことがあると思っています。それは今お尋ねいただいたような形で市町もしくは学校、町民、市民、県民の皆さんにどのような取組をしていただくのかということも含めて議論、検討していきたいと思います。例えば「学びたいときに」というのも、御指摘のあったような、何か「行きたいときに」ということではなくて、むしろ「学校には行けなかったけど、学びに行きたいと思ったときに」というニュアンスで書いていたようですが、十分それが伝わっていなかったので、表記そのものも検討しなければなりませんし、国が出している「COCOLOプラン」と一緒じゃないかと、むしろもっと内容を充実させるべきじゃないかという観点からの御意見もいただいていますので、いずれにしろ、もっと中身を詰めて、現実に即したという議論もありましたので、より前に進んでいけるようなプランにしていきたいと思います。

 

[毎日新聞]

今のプランも含めてですけれども、これはもう東近江市長が謝罪して発言を撤回しない限り、良いように進まないような気がするのですが、そういう意見があるとすれば、知事はどう思われますか。

 

【知事】

私は必ずしもそれだけではないと思います。現実今いる子どもたちに対して、どのような寄り添いをするのか、そしてその学びの場をつくられている方々とより良い場所づくりや関係づくりをしていくということが大事だと思いますので、またスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの支援体制もまだまだつくらなければいけないということで、むしろこの機に、より建設的な議論をしようじゃないかという、そういう御発議もいくつかいただいていますので、私はそういった議論をより充実加速させていくことが必要だと思いますし、それは可能ではないかと思います。

お問い合わせ
知事公室 広報課 報道係
電話番号:077-528-3042
FAX番号:077-528-4803
メールアドレス:[email protected]