令和5年5月26日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日はたくさん話題がありますが、まず園城寺さんが所有されている国宝円珍関係文書、こちらがユネスコの世界の記憶に登録されたこと、とても嬉しく、光栄に存じます。聞いていますと、日本と中国のいろんな交流の歴史を示す世界唯一現存する貴重な記録ということが認められたと聞いております。1,100年の長きにわたって紙の記録として残っているということです。また報道でも既に御案内のとおり、『過所』という今で言うところのパスポートのようなものが、中国、唐との間の行政文書として残っているといったことも認められていると聞いております。こういう長い期間にわたりまして、戦火もあり、風雪もあったと思いますが、そういう中でこの記録を大切に守り、継承してこられました園城寺はじめ、関係者の皆様方に改めて敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。残っているからこそ、記憶として、記録として今私達が学ぶことができるということだと思いますので、今後ともこの文化遺産保護とともに、継承また様々な活用、こういったことを図ってまいりたいと思っております。
もう1点は、世界農業遺産につきまして、5月22日に、国連の農業食糧機関(FAO)の本部があるイタリア・ローマで新規認定地へ認定証授与が行われたということでございます。大杉副知事に現地へ行っていただきまして、(認定証の実物を持ちながら)授与されてきたものがこちらということでございます。昨日、県に持ち帰られました。大変名誉なことだと思います。直接拝受してきたものでありますし、関係者の皆様方が漁業や農業、また山の手入れ、琵琶湖への慈しみを大切にしてこられた、まさに「琵琶湖システム」が世界に認められたという証だと思います。深く感謝したいと思います。現地の式典では、大杉副知事にプレゼンテーションをしていただきました。「琵琶湖システム」の魅力をPRしていただき、他の認定地の皆さんとの交流も行うことができたと聞いております。ぜひ、こちらにつきましては、認められたことで終わりではなく、むしろスタートですので、守ること、活かすこと、広めること、伝えること、そして、育てること、この5つのことをみんなで力を合わせてやっていきたいと思っております。
またこの機会を捉えまして、5月23日に大杉副知事に安土山図屏風の探索も含めて、屏風の送り先だといわれているバチカンのメンドンサ枢機卿をはじめ、要人の皆様方に対する面会をしていただきました。それぞれの訪問先には、私の親書をしたためましたので、大杉さんに手渡していただきました。今後の交流、また屏風探索等協力を依頼したということでございます。特にセミナリヨ、1580年に設置された初等神学校に対する御関心、当然関係者の方々ですので、非常に強い関心を示されたと聞いております。私達も安土の城の在り様、町の在り様だけではなくて、特に多文化共生ということの文脈で大事にしたいと考えています。折しも、朝鮮の小中学校ですとか、ブラジル人学校だとか、今初等教育の在り様で様々な壁や課題があると聞いておりますので、往時のことに学びながら、今後の滋賀の多文化共生、特に子どもたちの教育ということについても思いをはせ、充実に向けて取り組んでいきたいと考えているところです。そういった事々など現地でどういったやり取りをしたのか、詳しいことは5月31日に副知事の大杉より直接皆様方に御説明し、御質問等も受け付けたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
また来週、5月29日、岩手県で開催されます「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミットinいわて」に参加をさせていただきまして、今ホットテーマでもあります、子ども・子育てに関することなど、知事と意見交換をする機会をもちます。また、サミットの参加に合わせまして、岩手県内のスマート農業、木育施設といった豊かな自然を生かした先進的な取組の他、岩手国体をきっかけとされたスポーツ振興の取組、レガシーをどうまちづくりに生かされているのかという視察ですとか、岩手県盛岡市は近江商人とのゆかりも大変強いところでありますので、滋賀県人会の皆様方とも交流させていただき、これからの未来について語り合ってきたいと思っております。またぜひ取材等許される方は、岩手県に一緒に参りましょう。
それでは資料に基づきまして2点申し上げます。まず1つは、住宅の断熱改修・太陽光発電導入・省エネ化を支援します、その補助金の受付を6月1日から申請受付を始めますので、ぜひ御応募をという話題でございます。家のスマート化を加速する新たな補助金を設けております。これらは家計にも当然やさしく、体にもやさしく、そして地球や環境にもやさしい。こういう取り組みにも繋がるものと確信をしております。滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画において、特に住宅に対する取組については、温室効果ガス排出量を削減するだけではなくて、CO2ネットゼロに繋がる快適なライフスタイルへの転換にも繋がるということで取り組みを進めているところです。とりわけ断熱・省エネ性能の高い住宅というのは、住宅内の温度変化が抑えられることで、夏は涼しく、冬は暖かい暮らしにも繋がる。またヒートショックの緩和、電気代の節約にも繋がるということでございます。各家庭に分散型の再生可能エネルギーの導入が進めば、災害時等の非常用電源にも繋がるということで、防災のメリットもあるということでございます。今回御案内する補助金は住宅の断熱改修、太陽光発電システムの導入、高効率給湯器の省エネ設備の設置等に対して補助を行うものでございます。資料にもありますとおり、非常に多くのメニューが今回揃った補助金になっております。断熱改修では最大120万円の補助があります。もちろん超える部分は自己負担にはなりますが、今までにない大きな補助金で、他の自治体でも同様の補助金はありますが、こういったトータルで用意できている例はあまりないと聞いておりますので、これを機に改修等を御検討いただければと思います。受付開始は6月1日からの予定でございますので、また報道機関各位でも御案内いただければ幸いでございます。
もう1点、滋賀レイキッズ第10期生を募集しますということでございます。滋賀レイキッズというのは、次世代アスリート発掘育成プロジェクトの通称でございます。将来、国際大会、全国大会でも活躍できるようなトップアスリートを滋賀県から輩出するため、2014年度、平成26年度からスタートした事業でございます。ちなみに第1期生の方はですね、ウエイトリフティング、アーチェリー、ホッケーなど、パンフレットにも写真が載っていますが、いろんな分野で御活躍をされているということでございます。お手元のパンフレットにもこういったアスリートの選手の皆さんの御紹介をさせていただいております。現在第10期生の募集をしていますが、その運動能力測定会、パンフレットの裏面にもありますが、セレクトプログラムというのを4回予定しております。県内4ヶ所で実施させていただきます。全部で40名程度を選抜したいということでございます。瞬発力、走る力、バランス感覚など6項目を測定し、参加いただいた方には、滋賀レイキッズに選ばれるか選ばれないかということだけではなくて、どの項目で優れているのか、どんなスポーツに向いているのかということも、その場でお伝え、御案内するということもします。滋賀レイキッズとして認定されますと、例えば先ほども紹介しました、アーチェリー、フェンシング、ライフル射撃など身近になかなか親しむ機会がない種目も含めて、10数種類の競技を体験できるということでございますし、世界で戦っていく選手として必要な専門的な指導、トップアスリートからの直接指導を受けられることも大きな魅力であるということでございます。こういうプログラムに参加することでいろんなチャレンジをして、私自身もそうですが、テレビで見るもの、周りでやってるスポーツ以外にも、もっとできたらよかったなということがあると思いますが、そういう機会に繋げていただければというふうに考えておりますので、ぜひお気軽に、また奮って御参加いただければ幸いでございます。私からは以上です。
[中日新聞]
先ほど安土山図屏風の件で親書を渡したという話について、バチカンの関係者の方がセミナリヨに関心を持たれたということで、知事が前から多文化共生ということをずっと強調されてきたことがすごく印象的だったのですが、その中でバチカンの関係者の方からセミナリヨに対して関心を持たれたということに関して、どのように感じられましたか。
【知事】
そういう御関心を示されたことは、ある意味当然といえば当然で、当時、イエズス会が海外布教のために16世紀、日本の地にも来られ、そういうスタッフを養成・教育するために、初等はセミナリヨとして、中等はコレジオ(ヨ)として、さらに会員はノヴィシアードですか、詳しくはわかりませんが、それぞれ段階を経て学校をつくられたと。ただ、仏教が根付いていた例えば京都などにおいてはそういうものをつくることがなかなか難しくて、当時、そういったことに理解を示した織田信長が天下布武の拠点として築いた、戦乱を収め、新たな楽土を築くという、そういう中で安土にそれを認めたということですね。
本能寺の変で、その夢は潰えることになるのかもしれませんが、信長がどういう時代・社会をつくろうとしていたのかということも含めて学ぶテーマとして、セミナリヨにも着目することがとても大事なことだと改めて思いました。親書をしたためるときから、大杉副知事からは単なる安土山図屏風だけではなくて、そういった宗教も文化も(含めた)交流をぜひ広くやりましょうという、そういう親書にしましたので、そういったことも通じたのかなと思います。
[中日新聞]
滋賀レイキッズの話ですが、アーチェリーとかフェンシングとか、なかなか触れる機会が身近ではないスポーツを選んでいるというか、体験できる競技として挙がっていますが、それは1期生のときからずっとそういうことを狙ってのことなのですか。競技人口が少ない競技を狙って対象にしているのですか。
【知事】
まずは、国体・障害者スポーツ大会を開催させていただけるということでしたので、アスリートを育てていこう、またいろいろな種目のアスリートを育てていこうということが当初の目的だったと記憶しています。走ることとか、飛ぶこととか投げることとか、学校でもスポーツテストとか体力テストとかがありますが、十分(能力を)引き上げようとか、これ(この種目)が向いているねという形でやられることはあまりありませんので、こういう機会を設けることも意義があるのではないかということで始めております。
私も何度も(現場を)見ているわけではないのですけれども、いろいろな観点で子どもたちの動きとか、身体能力を見てやってくれているようですので、現にこういう形でそれぞれの種目のアスリートもトップレベルで育ってきているということからすると、一定効果はあったのではないかなと思っています。
ぜひ10期という一つの節目でありますし、いよいよ国民スポーツ大会も2年後という間近に迫ってきたということもあるので、子どもたちのチャレンジをさらに応援したいと思います。
[中日新聞]
マイナンバーカードを巡るトラブルについて、住民票の写しをコンビニで受け取ろうとすると別人の証明書が交付されたりとか、マイナポイントが誤って他人に付与されたりとかいう事例が全国で相次いでいますが、県内でそういう被害というか事例というのは聞いていらっしゃいますか。
【知事】
現時点でコンビニ交付サービスでの誤交付の事例、また健康保険証利用の際の誤登録、さらには公金受取口座の紐づけが誤っているという、こういう事例が県内であったという報告は受けておりませんが、こういった事象は、これから進めようとしている行政のデジタル化、マイナンバーカードを利用した、より利便性の高い公共サービス等を進めるにあたっても大変大きなマイナスであるということから、私は極めて遺憾だと思っています。昨日の関西広域連合の場でもそのことが話題になりまして、国に対する政策提案・要望に対しましても、別立てでこのマイナンバーカードのいわゆる誤交付等の問題については、自治体として早期の改善要求を上げようじゃないかというこういうことで一致をしたところであります。
後は現にこういう事象があり、こういう報道がなされていることで不安に思ってらっしゃる方が多くいますので、ぜひわかりやすく御案内するような、国でも相談窓口を設けているようですが、こうやったら確かめられます、マイナポータルで確かめられます、もしくは、市役所、町役場で確認ができるのですかとか、そういうことをわかりやすく御案内できるようなことを、これから市町と協力してやっていきたいというふうに思っています。早期に信頼が回復できるように努めてまいりたいと思います。
[中日新聞]
わかりやすく案内する、こうやったら確かめられるというのは、もしかしたら誤交付があるかもしれないという場合に、どうやって調べたら、誤交付なのかそうではないのかということを調べられるように案内するということですか。
【知事】
そうですね。それぞれの方の不安にお応えできるように、御自身の記録を御自身で確認するためにはこのような方法があります、もしくは町役場、市役所、こういったところで確認することができます、ということも含めて、わかりやすく御案内できるようにしていきたいということです。
[日本経済新聞]
先ほど御案内のあった住宅の省エネ化について、新規事業と書いてありますが支援を大幅に強化しますとあるから、これまでも同じようなことをやっていて金額を増やしたということなのでしょうか。
【知事】
これまでも同様のものがありましたけれども、断熱改修は初めてではないかと思います。断熱は初めてです。そういう意味でメニューを増やしたということはあります。
[日本経済新聞]
断熱改修などのメニューを増やしたということですね。
(担当部署の職員が補足説明)
今回初めて対象にしたのは、高機能換気設備、高効率空調機器、高効率照明機器(LED)なども新たに追加しました。
[日本経済新聞]
なるほど。拡充したわけですね。予算額を超える申請があった場合はその時点で受付を終了しますとありますが。
【知事】
上限は予算額ですし、先着の方からということにどうしてもなってしまうと思います。
[日本経済新聞]
予算はおいくらですか。
(担当部署の職員が補足説明)
全体で事業費としましては、当初予算で2億4000万円ほどです。
[日本経済新聞]
今年度予算で。
(担当部署の職員が補足説明)
今年度当初予算です。
[日本経済新聞]
このあいだの補正には入ってないですよね。
(担当部署の職員が補足説明)
そうです。当初予算です。
[日本経済新聞]
先般出た ChatGPTの利用について検討するという話でしたが、その後、進捗はどうですか。
【知事】
5月8日にDX推進課という課と、業務改革を所管する行政経営推進課によります庁内チームを立ち上げております。例えば、業務の効率化といった視点からどういうふうに活用ができるのかということを今、検討を始めているところです。議論がまだ行われている最中でありますが、効果的な活用策とか、また伴う課題などを整理いたしまして、7月頃を目途に今後の活用方針などをとりまとめられればと思っております。
[日本経済新聞]
この件に関しては、関西では神戸市がかなり目立った動きをしているのですけれども、そこと連携するとか、何か情報をいただくとか、そんなことはしていますか。
【知事】
しているというのは聞いていませんが、先行する自治体がどのようなことをされているのかというのは当然参考にしながら、対応を考えていきたいと思います。
[日本経済新聞]
基本的には滋賀県としてもChatGPTを排除するというよりは、何とか活用できないかなという方向で考えているというふうに思っていいですか。
【知事】
そうですね。使い方を間違うといろいろな弊害もありますし、自治とか民主主義、自由、平和というものに対する脅威を指摘する声もありますが、基本的にはこういったツールというものはうまく活用しながら、私たちの幸福ですとか、県庁で行う業務の効率化、こういったものを追求するために活用していきたいと思います。
[日本経済新聞]
もう一つ他の進捗状況なのですが、この間、彦根に行かれて彦根城の世界遺産登録について頑張っていきましょうという話をされたと思いますが、これについての進捗状況はどの程度まで行っているものなのですか。
【知事】
私も初めてのことですので、どの程度まで行っているのか、何合目まで行ってるのかということを、定かに、確証を持って皆さんにお伝えすることができないのですが、ちなみに聞いておりますと、今年の2月に文化庁文化審議会の世界文化遺産部会が開かれてヒアリングが行われたと。ただその内容については、またその結果については知らされていません。継続して審議されていると思われますので、その結果を待っています。推薦書のブラッシュアップをしていく必要があるということなどのために、海外の有識者などから意見聴取を行っているということでございます。今後のスケジュール等も文化庁から現時点で明確な指示はないのですが、今年9月にサウジアラビアで世界遺産委員会が開かれることが既に決まっているということですので、そこに向けて何らかの動き、国内の動きもあるのではないかと予想をしています。
[日本経済新聞]
今おっしゃった推薦書というのは、あまり詳しくないんですが、これは日本政府からのユネスコへの推薦書ですか。
【知事】
国内推薦を得るためのものです。
[日本経済新聞]
国内推薦を得るための、他の候補と競るためのものですね。
【知事】
他の候補にはない良さが、彦根城に何があるのかということを示す推薦書です。
[日本経済新聞]
彦根城を世界遺産で一番推すとすると、何だと思いますか。推薦状に絡んで。
【知事】
私は常々申し上げているのですけれど、これも安土の城にも似ているのかもしれません。また安土の時代も経て、1600年、江戸幕府が開かれた初頭に平和な時代を築こうと。そして当時、関ヶ原の戦いで東西が分かれて戦いましたので、ある意味では西の守りを固める江戸幕府直轄の政治拠点、いわゆる軍事の守りの拠点であったということと同時に、戦乱を収めて、戦に参加しなくてもいい民を治めるための政治行政の拠点としても機能したのではないかと。刀を持っていた人、やりを持っていた人たちが、ノミや鍬を持って商工業、農業を営むことができた。そういう時代を築こうとした拠点として、ある意味では戦乱を収め平和な時代をつくる拠点としての位置づけというのが、私は大事な一つのOUV(顕著な普遍的価値)ではないかと。米蔵が設けられて、水運を生かして、飢饉にあった諸藩に米を届けるための施設等もあったと聞いておりますので、これらは現在のSDGsの考えにも繋がるのではないかと。市長も参加した専門家の皆さんとのミーティングの際にもそういったことを指摘される先生方もいらっしゃいましたので、こういったことは大事な価値として発信していきたいと思います。
[日本経済新聞]
単純に昔からある古さとか、外見の美しさとか、そういったものだけではなくて、今おっしゃったようなソフト面の価値、そういうのをひっくるめてアピールしていきたいということですか。
【知事】
そうですね。建物としての魅力、良さ、美しさだけではなくて街全体、そして城の周りでどのような行政や政治が行われようとしていたのか、現に行われていたのかといったようなこともわかりやすく(推薦書に)書いていく、表現していくということが大事なのではないかと思います。
[NHK]
1点目は岩手県の視察に関して、岩手県の視察が初めてなのかどうかということと、今回の視察で最も期待する点は何かというところを改めてお願いします。
【知事】
知事として岩手に行くのは2回目。失礼いたしました3回目です。全国知事会議と国体と今回のサミットと3回目ですね。失礼いたしました。国体のときも視察をしましたし、特に全国知事会議のときには被災地の釜石などで復興の状況の視察をさせていただきました。今回は沿岸部にはうかがわずに、先ほど申し上げました、スマート農業の拠点ですとか、国スポ後のレガシーをどう街に根づかせていらっしゃるのかという、こういった事例の視察をさせていただく予定です。岩手は北海道に次ぐ広さのある県ですので、短い期間だけで岩手全部を知るということは難しいのでしょうけれども、そういったテーマを設けて、これからの滋賀に資する、国スポ後のまちづくりですとか、さらにはスマート農業、こういったことの知見を得てまいりたいと考えております。
[NHK]
もう1点、家のスマート化について、こうした補助を県民にどう活用してほしいのかについても改めてお願いします。
【知事】
私的な住宅に公費を投入するということについては、是非の議論ですとか、支出のあり方として、かつ先着順であれば限られた人しか利用できないというこういう論点、観点もありまして、慎重にも慎重な議論をして、今回用意をさせていただきました。その趣旨目的は、やはり先行事例をつくって、現に、例えば先ほど申し上げた、夏は涼しく冬は暖かくとか、光熱水費の節約に繋がる、もって、CO2削減に繋がっているということを実感していただくなり、今回ご利用いただいた方がどういう状況になるのかというのはこれからのところがありますが、ぜひどういう状況になったのかというのも把握させていただいて、できる限り、そういったものを共有、発信していきたいと思っております。ぜひ、社会全体のスマート化、CO2ネットゼロに広く繋がっていく一歩になれるようにしていきたいと思います。これまでになかった断熱の部分にどういう御支持が集まるのか、皆様方の投資が進むのかというのも、強い関心を持って注目しているところです。
[読売新聞]
本日、長浜の市長会見がございまして、そこで3病院の再編について取り組んでいかれるという御説明がありました。知事は以前、再編が必要だという御説明をされていましたけれども、長浜市の病院再編について、現状をどのようにお考えになっておられるでしょうか。
【知事】
大変重要なテーマです。県としても重要ですし、これから北部振興を進めていこうと考える際にも基礎となる、1丁目1番地となる重要なテーマだと考えております。それぞれの病院が同じような機能を持ちながら、別の経営形態でやるということに伴う諸課題。これらをどう整理していくのか、もって、持続可能性をどのように担保していくのか。この取組は、まず湖北・長浜で先行してやっていただいておりますが今後、早晩、県内各地においても、また全国においても話題、課題となっていくテーマだと思いますので、もちろん長浜市さんが主体的にやっていただいておりますが、県もしっかり関与しながらこの方向性を見いだし、進めていけるように努力していきたいと思います。
[読売新聞]
しっかりと関与しながらとのことですが、支援のあり方というのはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
県もこの市の検討委員会に参画をするということですとか、国の技術的支援というものも一定活用して必要なデータ提供を行いながら検討に寄与しているということがありますので、まずはこういったことから進めております。今後、具体に県としてさらにどういったことができるのかということがもし何かあれば、ここについても、積極的に関わっていきたいと思います。
[びわ湖放送]
安土城の屏風について今度、副知事に詳しくお聞きしたいと思いますが、三日月知事は副知事から屏風そのものの探索に関して、先方からどのような反応があったとかというのはお聞きでしょうか。
【知事】
まだ屏風のことでどのような情報があったのかというのは詳しく聞けていません。ただ、普通であればなかなかお会いできないような方々に面会させていただき、今後の協力等について様々な有益な情報やお返事等をいただけたということは、まず一歩として大切な一歩だと思っております。ハイレベルなコミットメントと実務的な情報共有等を絶えず続けながら、安土山図屏風に関する有益な情報を蓄積していきたいというふうに思っております。
[びわ湖放送]
今回のことも経て、改めてこの安土城の復元プロジェクトをどのように進めていきたいか決意をお願いできますでしょうか。
【知事】
まず国の御協力もいただきながら、令和の大調査、これは20年に及ぶ、これまで調査が行われいなかったエリアも含めて、調査させていただくこの大事業に着手いたしましたので、これを丁寧に進めていきたい、丁寧かつ着実に進めていきたいと思っております。その中でわかってくることもあるかもしれません。それらを整理して御紹介すると同時に、安土城また安土でつくろうとしていたまち、安土で進めようとしていた政治というのは、今回のこのイエズス会のセミナリヨに代表されるように、世界に開かれたものでありましたので、世界との関わりの中でどのようなまちをつくろうとしていたのかということも大切なテーマだと思います。そういったことも併せて、我々自身が勉強し、また整理し、発信していくっていうことも大事だと思いますので、これらを双方で進めていきたいと思います。関連して、安土城考古博物館のリニューアルプロジェクトも進めています。またわかったことをデジタル技術を使って発信しようという、こういう予定もしておりますので、併せて皆さんのお力を得て進めていければと考えております。びわ湖放送さんに期待しています。