平成30年3月27日
(県政記者クラブ主催)
おはようございます。
議会もございましたので、久しぶりの会見でございます。中庭の枝垂れ桜もきれいに咲き始めていますので、是非ご覧いただければと思います。
年度末残り少ない中、県政経営会議がございましたので、諸案件の議論のあと、私から2点申し上げました。1点目は働き方改革についてでございます。
先般も大変憂慮するべき事態が、人事委員会の調査、ヒアリングによって明らかになりました。実態をきちんと把握する上においては、本当に真の意味での働き方改革を進める上で、大変重要な結果が出たのではないかなと受け止めておりまして、単にネガティブに捉えるだけではなくて、これをさらに働き方改革を進めるための、また働き甲斐を持って、例えば業務負担を減らしたり、適正な体制を整えていくきっかけにしようということで取り組んでいるんですが、何のために働き方改革を進めるのかということについて、しっかりと私たち自身がメッセージを絶えず発し続けようと、粘り強く組織内に浸透し続けようということを申し上げまして、県民のため自分のため、そして県民のためと。県民のために働こうということで、1日に何時間も、また続けて何時間も長時間勤務をして働き続けることは自分のためになるんだろうか、また今週は良くても来月できない、自分は良くてもほかの人はできないという働き方は県民のためになるんだろうかということを、敢えて問い続けて、じゃあどうやって働けばいいのか、どうやって働き方を分散させればいいのか、軽減すればいいのか、という議論につなげていこうということを、敢えてもう一度、県政経営会議で申し上げました。
2点目は、今も国会においては証人喚問が行われておりますが、やはり例えば権力を持った人が、その立場のある人がものをいうと、例えば私が1度振れて発言すれば、その発言は5度、10度、15度、私は「A」といったつもりが、「1」と伝わり、「あ」と伝わりというようなことで、ややもすれば組織を介すと、権力があまりにも強く働き過ぎると、間違った意味にとられてしまうようなことも起こりかねない。このことを絶えず自制自戒しながらですね、これも三段論法で言ったんですが、信頼そして牽制、そしてその上に信頼と。ベースは信頼に置くと、私は皆さんのことを信頼すると、幹部に対してですね、都合の悪いことについては言ってくれと、そしてなにか違うと思うことがあったら、伝えてほしいということを敢えて申し上げました。その上に築ける信頼というものを大事にしようということを敢えて申し上げました。これは議会に対しても同じです。耳の痛い話、都合の悪い指摘があるかも知れない。ややもすれば遠ざける傾向が出るかもしれない。決してそういうことなく、しっかりとそのことに耳を傾け、改善していくような、そういう姿勢を持とうということを申し上げたところでございます。こういった記者会見を通じて、報道機関の皆様方との対話を通じて、私どもも県政、行政をより良くするために努力していきたいと存じます。
今日は、私から話題提供短く3点申し上げます。
1点目は、「主要農作物種子法廃止後の本県における種子生産の取組」について、でございます。ご案内のとおり、主要農作物種子法、この主要農作物とは、稲、麦、大豆ということでございますが、法律が制定された昭和27年当時と比べて、種子の品質が安定してきた、優良品種の決定だとか原種などの生産を都道府県に義務付けする必要性が乏しくなったと、そして都道府県中心の制度であるがために、民間事業者が参入しにくい面があるというようなこと等から、国会で審議がなされ、4月1日に廃止されることが決定しております。
こうした中で、県内の農業団体などから、種子生産に県の関わりを引き続き求めるご要望を多数いただいたところでございます。昨日も農業団体等から、機器のご提供をいただいた折にも、重ねてご要望をいただきました。
私自身は、種子は農業生産を支える根本の資材であり、公共財でもあると考えているところでございます。このため、県内の農業者の皆さんが、本県農業の基幹である近江米をはじめ、麦や大豆を安心して生産していただけるよう、良質で安価な種子を安定的に供給するために、県と県内農業団体がこれまでどおりの体制で種子生産を行うことが大切であると考えています。
このため、新たに「滋賀県水稲、麦類および大豆の種子供給に係る基本要綱」を定めまして、法律をはじめ関係規程が廃止されます4月1日から施行し、県としてもしっかりと良質かつ安定した種子生産に取り組む、また、県内の種子を守っていくこと、このことを内外にお示しさせていただきたいと考え、資料にその概要等を記させていただいております。今後ともこの要綱をしっかりと守り、広める形で県内農業者の皆様方とともに、米、麦、大豆の安定的な生産、そして安心して生産に取り組んでいただける環境づくりに尽力してまいります。
続いての話題提供は、この度、滋賀県農業技術振興センター農業大学校に、最先端の農業技術を学ぶ研修施設といたしまして、地方創生拠点整備交付金も活用させていただいて「ICT園芸ハウス」2棟と「ICT農業研修棟」を整備させていただきましたので、そのお知らせでございます。
皆さんもご存知のとおり、農業大学校は、近江八幡市安土町大中に設置しておりまして、昭和44年の開校以来、本県農業の担い手を養成する教育機関として、これまでに1,166名の卒業生を輩出しております。卒業生は、本県農業の担い手として活躍されておりますほか、農業関連団体や企業に就職され、本県農業を支える重要な役割を担っていただいています。
昨今のICTをはじめとする情報化社会の急速な進展は、皆様も肌で感じていらっしゃると思いますが、農業分野においても、新しい技術が日々開発されております。今後、儲かる農業を実現する優れた若手農業者を育成していくためには、ICTをはじめとする新しい技術の導入が不可欠であると考えています。
このことから、今年度から県では、最先端の農業技術の活用、優れた経営感覚を磨くこと、国際水準のGAPの取組推進、女性の農業参画の推進をキーワードに、農業大学校の教育環境の充実・強化を図ってまいりました。その一環として、本年度に整備を進めておりました研修施設「ICT園芸ハウス」2棟と「ICT農業研修棟」が今月末に完成したということでございます。今後、実習での活用、また県内農業者向けの講座の開催などを通じまして、優れた人材育成を進めていきたいと考えております。
来年度、4月11日になりますが、14時30分から開設にあたっての記念式典と内覧会を開催する予定でございますので、ぜひご取材等よろしくお願いいたします。
最後3点目は、これもカラーの資料で美しい写真とともに、お知らせしておりますが、今日から、SNSでの新たな取組として、SNS上での部活動をやろうと「滋賀写真部」を開始するということでございます。滋賀写真部は、滋賀の美しい風景、伝統文化、お祭り、人々の営み、食など滋賀が誇る多くの地域資源を、私達県民、生産者、また観光客の方々、多様な価値観や視点で発掘いただいて、写真部のアカウントを通じて、国内外へ広く発信・共有する仕組みでございます。
これまでから、フェイスブック、ツイッター、インスタグラム等で、情報発信を実施してきましたが、この部活動は、県と幅広いみなさんで、一緒に魅力的な滋賀県を発掘していこうという新しい取り組みでございます。写真部への入部は、滋賀写真部のフェイスブックページを「いいね」する。またはインスタグラムアカウントを「フォロー」することで成立いたします。一般の方から、写真愛好家の方、農林水産業や商工観光業や、また伝統産業に従事する方々、企業、自治体、各種団体など、広く部員を募集いたします。
入部いただいた部員のみなさんのアカウントには、魅力的な滋賀の写真や動画を日々お届けすることとなります。また、フェイスブックページからは、県の「写真映え」するイベントのお知らせも予定しております。皆様方は専門家でいらっしゃいますので、ご入部のうえ様々なお力添えをいただけたらありがたいなと思います。
以上、私からの報告とさせていただきます。
[朝日新聞]
2点お伺いします。1点目は、先日知事が表明された大戸川ダムの勉強会の件ですが、現状、なにかスケジュール的な面で決まったことがあればお聞かせください。2点目は、今日も国会で証人喚問が行われていますけれども、公文書の書換え問題について、知事としてはどうご覧になっていたのかお聞かせください。
[知事]
1点目にお尋ねのあった、大戸川ダム等に関する勉強会については、現時点でまだ定まっておりません。今、鋭意準備を進めているところでございます。テーマは議会答弁でも申し上げましたが、大戸川ダムが大戸川流域に与える治水効果と瀬田川洗堰操作への影響、ということがテーマになると思いますが、スケジュール、またメンバー、こういったことについては、現在、鋭意、検討準備中でございます。
また、二つ目にいただきました、現在行われております証人喚問にからむ文書等書換え、ある見方をすれば改ざんということについてでございますが、冒頭、私の方からの発言でも申し上げましたが、県内では県庁内ではこういったことが起こらないようにしなければならいないと、当然、公文書の書換えというのはあってはならない、ましてや決裁文書の書換えというのはあってはならないことだと思いますので、当然、そういったことが無いように、文書管理や業務執行をやっていただいていると思いますが、それを財務省でやっているとすれば、いったいどういう理由、原因によるものなのか、それはまさに今、国会で解明中でございますので、そういったこともよく見ながら、踏まえながら県という行政の信頼性をしっかりと保てるように我々は取り組まなければならないということを考えていたところでございます。
[時事通信]
知事選の推薦の関係ですけれども、政党の推薦要請と連合や経済団体の推薦に関してはどのようにお考えでしょうか。求められるかどうかというところを、まずお伺いしたい。
[知事]
私は2月15日、県議会開会日の提案説明の中で、引き続き知事としての職を担わせていただき、県政推進をしていきたいと、そのために知事として引き続き仕事をさせていただけるよう県民の皆様方の御審判を仰がせていただく旨、表明をさせていただきました。それを受けまして、それぞれの会派の皆様方が、この間の検証をしていただいたり、評価をしていただいたりという過程がございます。従って御支援いただく方々とよく相談をして今後の方向性等を決めていくべき課題だと思っています。基本的には私が知事にならせていただいた時も、政党推薦はお願いしておりません。同時に各種文化団体等、経済団体等、御支援いただける団体等については、御推薦をお願いし、一緒に戦ってきた、取り組んできたということでございますので、そういった形で今回もやらせていただきたいというのが、私の基本的な考え方でございます。また連合という団体、イメージされてどうされるのかという問いがございましたが、連合も経済団体の1つとして、労使を構成される重要な団体として、今申し上げたように推薦をお願いし、そして受けていただけるとすれば一緒に選挙、またその後の活動をさせていただければ幸いだと思っているところでございます。
[時事通信]
推薦を求める時期っていうのは、何か目途はございますか。
[知事]
今が3月の末で、来る戦いが6月の中旬だとすれば、その間にお願いすることに。
[時事通信]
それはそうだと思うのですが、大体の目安というか、何月くらいというのは。
[知事]
そういう推薦をお願いし、一緒に戦う期間というのは長ければ長い方が良いということからすれば、できるだけ早く求め、お願いをしたいと思います。
[時事通信]
昨日、総務省の方で町村議会の在り方研究会の報告書が発表されまして、地方議会について議員のなり手を確保するために集中専門型、多数参画型という2つの種類が例として示されました。この地方議会の報告書についてご所見がありましたら、お伺いできればと思います。
[知事]
自治というものを保障し充実させていくために、議会というというものの在り方は大変重要なテーマだと思います。しかし、現実にあるように人口減少により、そのなり手がいらっしゃらなかったり、まだ充実した議論ができない、それを何とかせねばならないという課題は、これは県内においても、この対象となる自治体、これは現時点で何名でしたか、例えば1万人以下の人口という自治体も県内にはございますので、また今後人口減少が進んでくる過程においては、そういった問題がより強く顕在化してくるという課題もあると思いますので、よくこの研究会の内容等を、また、私どもも勉強、咀嚼させていただいて、どういう在り方が望ましいのか、私たちも考えるきっかけにしていきたいと思います。
[滋賀報知新聞]
先程質問のあった公文書の改ざん等の話なのですが、こないだ広島県でも公文書が改ざんされていますけれども、先程知事がおっしゃたように県の方もですね、時間外労働を月70時間を超えないように、別の月に回すとか、広く捉えれば公文書の偽造か改ざんか書換えか知りませんが、そういう労基法以外の問題も残ると思うのですけれども、そこで先程知事がおっしゃいましたが、具体的には県民情報室では、公文書管理の方針案というのを策定されていますけれども、この中にもう少し国で問題になっていますように電子データの管理、あるいは公文書の作成基準のガイドラインの作成というか、管理というか、国の動きとも呼応しながら拡充するというか、改ざんみたいなことは表だって考えておられなかったと思いますが、方向性、どういう具合につけていかれるかというのを伺いたいのが1点です。2点目はですね、従来ありました政治家の口利きですとか干渉とかについては、記録すると、本人の了承を得てですね、今現状どのようになっているのか、この2点お伺いしたい。
[知事]
今御質問のあった公文書、こういったものをどう管理するのか、またどう公開するのか、それを改ざんや書換えということが無く、どう公正を保つのか、大変重要な視点であると思います。まずは条例等については現在検討している段階ですので、検討がある程度進んできた段階で、お示しをさせていただきたいと思います。大切なことはいわゆる公文書、我々公務員が、行政が仕事をする上で作成する文書、記録、これは公のものであると、県民、市民、国民のものであると、こういう前提に立って、まずは執行段階で、適正に記録もするということですし保存もする、そして管理段階、こちらにおいてもルールをきちんと定め、適正に管理をするということだと思いますし、3つ目は求めに応じて公開するということだと思います。この執行段階、そして管理段階、公開の局面、きちんとしたそれぞれの段階での取扱いができるようですね、必要なルールを定め、時には体制を整えていく、つくっていくということも必要ではないかと思います。
例えば、先般からお求めのございます、優生保護法に関する公文書公開についても、一部その公開内容に不備もございまして、こういったことは誠に遺憾だと思っています。大変古い文書、また個人名が記録されている文書、それらをきちんとどう管理し、公開するのかということは、限られた人員、時間内では困難が極めるということもございますが、担当部においてしっかりと整理させ改めさせていただきたいと思いますし、まだ公開されるべき文書があるのではないかという視点で、もっとやっぱりしっかりと調査しようと、調査すべきだと指示させていただいているところでございます。従ってお尋ねのあった政治の側からの御提言、ある言葉を使えば介入というようなことについても、一定のルールは必要だと思いますが、しっかりと記録をして後世に残す、その過程がしっかりと確認、検証できるようにするということは必要だと思いますので、そういったこともしっかりとルール作りをしていきたいと思っております。
[滋賀報知新聞]
その政治家の介入というか、干渉というか、それはしっかりと記録するということが大事だということですが、今までですね、この1年でも結構ですが、そういうものが、記録されているのか、知事は御存じなのか1点伺いたいのですが。要するに記録が存在するかどうかですね、政治家の介入などの記録が現実に県の中で公文書として県の中で、その辺は御存知ありますか。
[知事]
まずお尋ねの言葉の中で、随分と色んな言葉が出てきましたので、整理して申し上げれば、議員の方々とのやり取りは、絶えずやっておりますので、その中でのやり取りは記録もしているでしょうし、必要なものは公文書として管理しておりますので、それはテーマ、テーマによって、それぞれだと思います。介入とか疑惑とか色んな言葉が出てきますので、整理をさせていただければ、やり取りは常にしていますので、その記録はとっているでしょうし、必要なものについては、例えば政策決定過程で、必要なものについては公文書として管理もさせていただいております。
[滋賀報知新聞]
そういう文書は存在するということですね、政治家が干渉というか、問合せしたりなんてものは、それなりに記録、そのやり取りはあると、こういう具合にみていいのですね。
[知事]
どういうレベル、段階のものかはそれぞれでしょうけれども、それぞれ公務員は議員の方とやり取りした事については、記録もするでしょうし、必要な文書については保存もさせていただいていると承知しています。
[滋賀報知新聞]
今回の国の公文書の中で、電子データですね、メールも含めて、これの保管、改ざんも含めて、電子データの保管や管理はどのようにお考えでしょうか。
[知事]
様々あると思うのですが、例えばどういうものをおっしゃっていますか。
[滋賀報知新聞]
データでファイル保存したり、例えば、公文書としての位置付けにしているのでしょうけれども、対外的なメールのやり取りを保存されたり、現場でパソコンの中に入っていたり、色々ありますよね、メールのやり取りとか、その辺どのように保存されているのか。
[知事]
詳しいことは担当課でお答えさせていただきますが、一定のものは残っていると思います。当然やり取りすれば残っていると思います。私は業務上一切パソコンを使いませんが、職員は日常やり取りしているでしょうから。
[滋賀報知新聞]
メールでのやり取りはあまりされていない。
[知事]
業務に関しては、ほとんど一切やらないですね。私の場合はですよ。
[京都新聞]
知事選の話に戻りますが、知事は立候補を表明されまして、自民党なり、チームしがなりは知事を応援しますということで支援を決めておられると、今、ボールは知事にあると思うんですけれども、今後、どのように知事選を形として、こういう戦い方をしたいとか、イメージされておられるのか、どうやって自民党なり、団体なりの形といいますか、器といいますか、どういう選挙の戦い方をイメージされているのかということと、公約を含め、今後の知事選のスケジュール感をどのようにお考えなのか今の範囲で教えていただけたら。
[知事]
まず、大きく言って、4年前の今頃とは全く違う形になっていますし、私も突然解散される衆議院議員の経験はありますが、こうして節目を迎える知事選挙、そして現職として迎える知事選挙というのは初めてですので、どうしていいのかというなにか確たる筋書きがある訳ではないというのが、まず大前提です。しかし、考えておりますのは、この節目というのは大切に過ごさねばならないんだろうというのは、年明け以降、考えているところでございまして、例えばこの4年間の振り返り、検証をする。また、次の4年間、この4年間というのは当然その先も見ながらの4年間になってくると思いますが、いかに過ごすべきなのか、またどういう政策を重点化すべきなのか。とりわけ財政が厳しいという状況の中で、どういったことを優先すべきなのかということについて、よくこの節目に県民の皆様方と対話をする、各地を巡りながら、色んなテーマで、色んな分野の方々とお話をする、それをまた次の4年間に生かしていくという、そういう時期にしなければならないと考えているところでございますので、できる限りこの4月、5月、6月と、これまでも巡ってきたつもりですが、より、次の4年間を担わせていただくという文脈で、三日月に届けよう、知事に伝えようということが届けていただけるような、そういう活動を行っていきたい。
そういう意味では、応援していただく方、一緒にやろうと言っていただける方は少ないより多いほうが、ありがたく心強いということから、現時点で一緒にやろうと言っていただいている会派の方々や、団体の方々とはしっかりと連携して、そういう対話活動をお支えいただければありがたいと思っておりますし、そのための素材「何にもないのに話できひんがな」ということも当然あろうかと思いますので、議会も終わり年度も変わりましたら、できるだけ早く、できれば4月中にも一定の案というものをお示ししながら、対話の素材というものをご提示し、そしてさらなる対話を重ねた上で、6月の選挙本期間を迎えたいと思っております。その素材をさらにバージョンアップする形で、本番の公約にさせていただくということが流れではないかと。だいたいこういうイメージを持たせていただいております。
[読売新聞]
冒頭の働き方改革の話、県政経営会議でも話された話と同じになってしまうのかもしれませんが、改めて子ども青少年局の過少申告について、もう一度、改めて知事の受け止めと、知事が考えられる何故こういう事が起きてしまったのかということの分析をお伺いできますか。
[知事]
まず、子ども青少年局のヒアリングからはですね、これは1つだけではなくて複数の係で、実際の勤務状況があって、記録されていて、上司、部下双方が確認した上で、その時間外の勤務を上限目標を上回る月から上回らない月へと申請をし直すというか、そういう不適切な処理が行われていたということでございますし、こういう回答、証言が複数の職員からあったということでざいますので、これは、重く受け止めなければならない事態だと思っています。更に私が考えなければならないことは、これが子ども青少年局だけなのか、もしくは当該月、こういう調査ヒアリングを行った月だけなのか、常態化してないか、他にもないかということを絶えず考えなければならないし、見なければならないということだと思います。
2つ目の御質問にありましたように、こういう事件の根幹、原因がどういった所にあるのかということについては、冒頭申し上げたように何のための働き方改革なのかということについて、やはり我々の組織のそれぞれ隅々に正しく伝わっていない証だと思っていますし、この健康に働き続けることのできる目標ラインを定めて通達していますので、そこを1つの目安に管理させていただいておりますが、それ以上やっちゃいけないとか、それ以上やっていたら、それ以下のところに回せとか、そういうことは一切指示してないが、そうしなければならないかのような誤解が現場にあるというこういう実態だと思うんですね。従ってこういう実態を、そうじゃないということであるとか、そういうきちんとした伝え方だとか、検証も必要だと思いますし、どうしても収まり切らない業務があり、カバー仕切れない体制があるとすれば、業務は減らし、体制は強化すると、こういったことも必要だと思いますし、それが月に偏るのか、例えば春に偏りますとか、年度末に偏りますってことであれば、それらをどう繁閑調整するのか、またこの部署に限られます、この人に限られますということであれば、それらをどうカバーするのか、ありとあらゆる観点からですね、みんなでやりがいを持って働き続けることができる、そういう環境をつくっていくということだと思います。いずれにしろ汗流したいと思います。
[読売新聞]
甲賀市の昨秋の衆院選の開票の不正事件になってしまったんですけれども、基本的に市町の選管が権限を持っていて、責任も持っていて、やるべきことの中で起きてしまった不正だと思うんですけれども、今回、県選管が何ができたのかというところで、県として、今後、一定の調査が終われば、県選管の調査に入っていくと思うんですけれども、不測の事態が起きた時の対応マニュアルというものを、過去に不正が起きた自治体は作っていて、そういう取組をやっているところが既にあるんですけども、それを県選管として、市町にどういうふうに促すかというのは、検討しなくちゃいけないのかも知れないですけれども、そういうところの県選管としてのあり方というものがあるんじゃないかと思うんですけれど、知事は、どういうお考えでいらっしゃいますか。
[知事]
まずこれもあってはならない事態だと思いますし、基本、市の選管の起こしてしまった事象、事態だと思いますが、起こった当初から、県選管を所管する総務部市町振興課に対しては、しっかり寄り添うようにということを申し上げています。甲賀市選管で起こった事象だとはいえ、県内の市選管で起こったことであるし、起こってはならないことだけれども現実に起こり、今後も起こさないようにしますが、どの市町でも時と場合によっては起こり得た事象だとすれば、どうすれば防げるのか、第三者委員会でも検証されていますので、その内容をよく県選管としても掴んで、どういう教訓があるのか、教訓を整理してまた必要なことがあれば、県内市町にしっかりと示達もしたいと思いますし、共有したいと思います。
[読売新聞]
不測の事態が起きたことについて、ということに限って言えば。
[知事]
不測の事態ですから、どこまでをどう図りえるのか、一部議会でも議論があったかもしれませんが、出てきた投票箱なり票を誰かが持って帰るということは、おおよそ想定していないと思うんですね。ただ精査の過程で数が合わないということは、想定できるかも知れません。したがって、どういう内容のどこまでを想定するかということだと思います。それも今回、第三者委員会で、どういう過程でどんなことが起こり、どんなやり取りがされていたのかということも今、調べられているということですので、それを見てどういう対応が必要か検討したいと思います。
[中日新聞]
優生保護法の関係ですが、先ほど、公開のあり方を含めて、しっかり調査をしようと指示をしたというふうに、今ご発言があったと思いますが、これは具体的に何をどのように調査をして、また、どのような公表の仕方があるのか、というところが1点伺いたいのと、そもそもこの旧優生保護法下で行われていたことに対して、知事はどのようなご所感をお持ちなのかという2点を伺います。
[知事]
まず2点目の旧優生保護法下で行われていた事態についてですが、実は私も今、図書館から本を取り寄せて、色々と勉強をさせていただいているところなんです。そもそも法の成り立ちから、刑法との関係、そして当時は人口が戦後増えていて、優生保護の視点と母性保護の視点があった中で、縷々、例えば改正が行われたり、そこに宗教的な観点が入ってきたり、また一方で、優生保護思想というものをこのまま残していいのかという議論の中で、平成8年に法改正が行われてきた。今、この経過を、少し私なりにも勉強させていただいているところです。もう少し自分なりに整理したいなと思っています。ただ、総じて言えば、この優生思想に基づく、生殖が次の世代に叶わない人がいたということは、私はあってはならないことではないかと考えているところでございますが、しかし、法を作ってまでそれをしてきた歴史というか、事情というか、そういうものももう少し詳しく学ばなければいけないのではないかなと考えているところでございます。
で、係ります情報公開、公文書公開については、色んな請求に応じて私どもも真摯に対応してきたつもりでございますが、しかし、一部不備がございました。ご迷惑なり、ご懸念を持たれてしまった、このことは深くお詫びをしたいと思います。遺憾であると思いますので、今後しっかりと改めようということを申し上げたと同時に、いったいどういう状態になっているんだと、このそもそも求められている文書自体が。ということを問い質したところ、色々とその、管理のあり方や、文書の大変古いものが、当時はまさに電子データではなく、その何と言うんでしょうか、書かれた、自筆のものが綴じられた状態で管理されているということでございますので、大変、探したり、どこを消す、どこを出すということの管理が難しいと、判断が難しいということでございますので、そういう状態なら、まだ他にあるんじゃないのか、まだチェックしなければならない観点があるんじゃないのかということを、まあ直感で感じたものですから、これで全てです、これで完全です、という言い方ではなくて、都度しっかりと対応すると同時に、もし、まさに足りないところだとか、以前申し上げたことと違うことがあるとすれば、分かった時点できちんとお示しするようにしようということを担当課に指示をさせていただいて、さらに調べるべきを調べるようにと、出すものがあったら出すようにということを申し上げたところでございますので、今後ともまた、他府県の事例等もよくご存じだと思いますので、ご指摘をいただければ幸いだと思います。