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知事定例記者会見(2017年11月28日)

平成29年11月28日
(県政記者クラブ主催)

記者会見に臨む様子

おはようございます。

今年も残すところ30日余りとなりました。明日からは11月定例会議も始まりますので、しっかりと臨んでまいりたいと存じます。

今日は話題提供1件でございます。

この度、滋賀経済団体連合会と共催で、環びわ湖大学・地域コンソーシアムの後援のもと、12月10日に、キャンパスSDGs滋賀シンポジウムを開催いたします。

既にご案内のとおり、本県では今年の6月1日、滋賀経済団体連合会との共催で「サステナブル滋賀×SDGsシンポジウム」を開催いたしました。400名を超えるご参加をいただいて、県民の皆さんの関心の高さ、熱気の強さを感じることができました。その後、県内ではSDGsについて大学生と企業、NPOなどの対話もしくは活動が広がりを見せております。

こうした熱気をさらに広げていきたいと考え、今回のシンポジウムでは、2030年の社会の担い手の中心であろう、学生の皆さんを中心といたしました若者から持続可能な滋賀に向けた提案をいただこうという趣旨でございます。

学生の皆さん、学生だけではないかもしれませんけれども、皆さんには、前日の9日から10日の午前中にかけて、ワークショップでプランづくりに取り組んでいただくこととしておりまして、最優秀のプランにつきましては、後日改めて、知事である私にプレゼンテーションをしていただくという予定をしております。若者ならではのアイデアを、経済界の皆さんと県とでしっかりと受けとめて、今後の県政にも生かしていきたいと考えています。

あわせまして、基調講演として、政府のSDGs推進円卓会議の委員を務めていただいております、SDGs推進研究の第一人者でいらっしゃいます慶應義塾大学大学院の蟹江憲史教授をお招きいたしまして、県民の皆さんとSDGsへの理解をさらに深め、実践につなげていく機会にしたいと考えています。

12月10日、ぜひ多くの皆さんにこのシンポジウムにもご参加いただきたい。

また、学生等がワークショップを通じて作り出した成果発表と蟹江教授のご講演を通じて、持続可能な社会の実現について深く考える機会になればと考えているところでございます。

ぜひ広報、ご取材等お力添えをいただければ幸いでございます。

私からは以上でございます。

[京都新聞]

昨日、福井県知事が大飯原発3、4号機の再稼働に対して同意を表明されました。改めてですけれども、それに対しての知事の受けとめと、今後の滋賀県の対応について、ご見解をお願いします。

[知事]

既にコメントを出させていただいておりますが、福井県知事の表明は福井県知事として福井県民の皆様方との対話を通じて出された表明だと受けとめています。また、私の出したコメントにも書かせていただきましたが、この間、長きにわたり原子力発電施設の立地を受忍され、電力の安定供給にご理解ご協力をいただいてきた福井県民の皆様方には、滋賀県民として滋賀県知事としても敬意を表したいと思います。

同時に、万が一の事態が、事故が発生した場合には影響を受ける可能性のある滋賀県としては、常々実効性ある多重防護体制の構築が必要であるということを申し上げてきました。それはまだ道半ばでございます。

あわせまして、使用済み核燃料の処理、いわゆる原子力の「静脈」の部分が未整備であると。こういう状況もございますし、国全体として原子力政策についての根本的な議論ですとか、解決策が見出せていない。こういう現状においては、再稼働を容認できる環境にはないというのは私どもの考えでございますし、そのことをコメントでも書かせていただき、また先般来県された原子力防災担当大臣にもお伝えをさせていただきました。

大飯原発、大飯地域の緊急時対応、こちらは、先月、福井エリア地域原子力防災協議会において、議論がなされましたし一定策定がされましたが、その際も、この計画に基づく訓練を速やかに実施してほしい、そして実効性の検証を行ってほしいということを申し上げましたし、山間地の集落を孤立させないために、実働組織による具体的な支援計画を策定することなどを求めました。このことも中川原子力防災担当大臣にもお伝えをいたしました。こういう状況下にありますので、県民の中に根強く残る不安感、安全対策に対する切望感、こういったことに、しっかりと誠意と責任をもって対応をされることを強く求めたいと存じます。

また、同時に私どもが提起しております、原発に依存しない新しいエネルギー社会をつくっていくという、この方向性に転換していただくことと、その転換をするための国民的議論、国民の合意形成を図るために一層の努力をしていただくことを強く要望するというのが私の考えであり、このことを、引き続き皆様方にお伝えをしていきたいと考えています。

[KBS]

大飯原発について引き続きお伺いしたんですが、知事は今おっしゃったように、反対の姿勢をしっかりと出されていますけども、今後ですね、近隣の高島市あるいは京都府、独自の避難計画を策定している大津市などとの連携など具体的にお考えになっていらっしゃればお伺いできますか。

[知事]

県内市町の皆様方との連携はこれまでも大事にしてきましたし、例えば住民説明会の開催ですとか、UPZ内の様々な対応、またUPZに含まれないけれども近いエリアでの対応などで連携協力してまいりましたので、これからも一層、その連携は大事にしていきたいと思います。

また、今回、大飯原発を動かしてくるということになれば、現在動いている高浜と同時に動いてくるという状況になりますので、多くの方々からも懸念されている同時発災した場合の対応等も重要になってくると思いますので、現在作っております計画、これは避難計画、防災計画、もちろんこういったことが発動しなくてもいい状況を常々保っておくことが大前提でございますが、こういったことの実効性についても訓練ですとか、様々な協議を通じてしっかりと確認していきたいと。

その意味で繰り返しになりますが、当然、県内の市、町との連携はしっかりと保ち高めていきたいと存じます。

[毎日新聞]

SDGsについて、これまでも何度かお聞きしているかと思いますが、改めて今年、参画を表明されまして、そもそも、どういうときにどういうふうに決めたというか、思いついたというか、あるいは職員から助言があったのか、知事が何かの関係でずっと前から心にあったのか、始まりのところの思いというか、いきさつを教えていただけますでしょうか。

[知事]

何度か申し上げたことがあるかもしれません。改めて短く申し上げますが、知事として、常々考えますのは、また県民の皆様方とのいろんな対話で感じますのは、豊かさとは何だろう、また幸せってのはどういうときに感じられるんだろうということでございます。

当然それは、今だけであってほしくないし、また、将来も私たちの子や孫の世代にも幸せをより感じられるような社会でありたい。今、そもそも多くの方々は、豊かさや幸せ感というものを感じられているだろうか、感じられていない方々がいらっしゃるとすれば、その方々が多いとすれば、どうすればいいだろうか。また私たちがもし今幸せだとすれば豊かだとすれば、その豊かさや幸せは誰かの、どこかの誰かの犠牲のもとに成り立ってはいないだろうか。ということを常々考えています。

そういったものを私は、新しい豊かさをつくりませんかという言葉や基本理念にして、現在、県政の施策をつくり、今だけ、モノだけ、お金だけ、自分だけではない豊かさをみんなで作ろうと、これは何も新しいことをやろうとか、作ろうということではなくて、古来、私たちが大事にしてきたことを見つめ直そうというメッセージでもあります。環境との共生で経済活動をやってきた暮らしを営んでいる、こういう生き方であったり、三方よしの精神で商いを営んできた、全国で世界で、この精神で商いやってきた。また、福祉の思想や思想に基づく実践も糸賀先生や田村先生を初めとする、全国からモデルとされるような取組もやってきた。こういうことを改めて見つめ直して大事にして、県の施策をつくっていこうということを考えて今年を迎えました。

迎える前にいろいろ毎年、平成29年をよりその考え方に基づいて施策をステップアップさせていきたいということを、私自身も考えましたし職員とも議論をいたしまして、ちょうど今年は天智天皇が大津に都を開かれて1350年、そして琵琶湖周航の歌ができて100年、また、法律に基づく琵琶湖保全再生計画をつくって、具体実施をさせていただく初年元年だということから、琵琶湖新時代をつくろうというメッセージで発し、その具体の取組の一つとして、国連が新たな開発目標であるSDGs、見渡せば、途上国の開発支援だけではなくて、先進国、そして国レベルだけではなくて、一人ひとりの企業もということで取組をしている。もちろん国でもやろうと言っているけれども、総合行政である滋賀県で、環境福祉先進県である滋賀県ならではで、できることが多いんではないだろうかということに達し、今年初頭からこのSDGsの取組に参画しようということを表明させていただいて、行政だけではなく、ぜひ経済界の皆さんと一緒にやろうということで6月のシンポジウムに至ったというところでございます。

したがって、古来からのいろんな滋賀の特性や、職員との議論、経済界の皆様方を初めとする県民の皆様方との対話の中で、このSDGsに取り組むことが決まってきたと、こういうことでございます。

[毎日新聞]

ありがとうございます。もしできましたら、事実関係としてのいきさつといいますか、ずっとSDGsというものを、知事が国連の中で議論されてくる背景をご存じで、昨年末ぐらいから新しい施策を考えてということなのか、誰か何か、属人的な、そういうことを助言なされる人がいらしたのかとか、そういうところが知りたくて、言える範囲なのであれば。

[知事]

滋賀から世界へ、世界から滋賀へ、といつも言っています。世界の動きは、情報は限られているかもしれませんが、私なりにウォッチしているつもりですし、県のさまざまな部署もその方針に従って、自分たちの政策と世界との関わりを常に意識してくれています。そういう中で入ってきた状況もございますし、当然私だけではなくて、そういう情報をほかにもウォッチされている方がいらっしゃいますし、そういう方々との対話でありますので、具体的に何か属人的にこの方がっていうことよりも、そういう広い情報収集や議論の中で出てきた、また決めてきた、そういう取組であります。

[BBC]

明日で「ここ滋賀」がオープンしてからちょうど1カ月になりますけれども、県議会の会派との政策協議会の中でもかなりいろんな意見が出ていたようですけれども、この1カ月間の評価と、この1カ月間で見えてきた課題というものを教えていただけますか。

[知事]

ありがとうございます。10月29日にオープンした「ここ滋賀」、おかげさまで1カ月となります。

速報値で聞き調べてみますと、この週末、日曜日までで、7万6000人を超える方々にお越しいただいて、1日平均で換算いたしますと、2400人を超えているという、また、週末には3000人を超えるお客様がご来館いただいているということでございまして、おかげさまで順調なスタートを切れたと思っております。

売り上げのことは、全てがまだ分かっているわけではないのですが、10月27日から11月14日まで、こちらで約1400万ということでございます。こちらも概ね好調だと考えています。売れ筋の傾向というのは、近江牛、近江米、そしてバーカウンターも設置しておりますので、地酒、湖魚といった滋賀の売りになるものが多いと聞いておりますし、食品と非食品の構成でいうと、やはり、手軽に買える食品が約9割を占めているという状況だそうです。2階のレストランではランチの一汁三菜定食、ディナーでは伝統コースというのがよく出ているということですので、そういう意味で、概ね好スタートを切れたと考えております。

課題といたしましては、ぜひ県民の皆さんや議会議員の皆様方からもよくお聞きしたいなと思っているんです。ちょうど1回行ってきましたとか、行った人から話を聞きましたっていうことが、そろそろ出始めてきていますので、その方々からよく伺った上で運営していただいております事業者ともよくコミュニケーションをとって、改善に結び付けていきたいと思っています。2、3聞いておりますことを紹介しますと、やはり、並べている、ご紹介している商品の説明だとか、どういう背景でこういう商品が作られているのか、どこで誰がこういったものを作られているのかというご紹介が若干不足しているんじゃないかとか、あとは、物が買えるんだけれども、買っていただくんだけれども、そこから、例えば滋賀への誘いということが、もっとあってもいいのではないかということでありますとか、あとは、この間おかげさまで忙しいので、たくさん売れてもう品切れになる物ですとか、そういったものの補充、また、スタッフの皆さんも一生懸命応対していただいているのですが、どなたに尋ねればいいのか、どなたが中心的に仕切っていらっしゃるのかといったようなことへの戸惑い、などもあるように聞いていますので、1カ月経った成果と課題をよく捉えながらですね、ちょうどこれから本格的に催事も始まってきます、もう既に開催していますが、この11月から12月にかけて、いよいよ滋賀の繊維、3大天然繊維の産地としての企画催事が来月9日、10日、また、近江牛のレザークラフトのワークショップも行われたり、滋賀の地酒、また滋賀のローズ、これ滋賀のバラですね、クリスマスアレンジメントづくりなどで、ならではの企画もこれから展開していきますので、そういうものをやったときにどうお客様が来ていただけるのか、また買っていただいたり食べていただけるのかっていうことも、よくよくみながら、これからの「ここ滋賀」をつくっていきたい。

そういう意味で言われた方に、聞かれた方に私が申し上げていますのは、おかげさまで好スタート切れましたが、息長く皆様方のご期待に応えられる、こういう施設や場所になるよう努力いたしますので、お力添えをというのが、私の思いであります。

[BBC]

商品の売り上げよりも、どちらかというと滋賀への誘い、観光であるとか移住であるとかっていう部分ですね、それが私も行ってきたんですけど、そこがテーブルはあるけど、誰も案内してくれないし、というところで、パンフレットとかはすごく無くなるとおっしゃっていたんですけれども、そこの部分をこれからどうされるのかなと。

[知事]

ありがとうございます。大事なことだと思います。先般の会派との政策協議会の中で、せっかく葦をあしらった、県産材をあしらった調具をセットしているのに、そのご紹介があってもいいのではというご提案もいただきましたし、また、パンフレットは並んでいるんだけども商品もあるんだけれども、滋賀への誘いがもう少しあってもいいのではないか、これは今回作った運営コンセプトにも入っていますのでね、そういったものがより強く発現できるよう、これからも強化をしていきたいし、改善していきたいと思います。

ぜひ、皆様方も行っていただいたご感想なり、おっしゃっていただいて、報じていただければ、より議論が加速するのではないかと思います。ありがとうございます。

[NHK]

先ほど大飯原発の話で、避難計画や防災のことに触れられました。具体的に、既にある程度できている避難計画などについて、見直しやつくり直しなどに取り組むというようなお考えはあるのでしょうか。今後、この避難計画についてはどういうふうに取り組んでいかれるのでしょうか。

[知事]

大臣がご来県されたときにも申し上げましたが、この防災対策、避難計画に終わりは無い、完成は無いと考えています。したがって、これからも訓練を重ね、検証を重ね、不断に見直しを行ってまいりたいと思います。

具体的にどういうところなのか、例えば今回、屋内退避が難しい場合どうするのということは、昨年来の議論を経て改善されました。しかし、法令に基づく国の避難命令を、どう解除して屋内退避から移動するのかといった、こういう権限の問題でありますとか、また、そもそも今回は、私たち長浜と高島で訓練をやらせていただき、住民の皆様方にはバスに分乗して、一時集合場所、そしてスクリーニング場所に移動いただきましたが、こういったバスの車両や運転手の確保というものが実際できるのかできないのか、今回、テーマは違いますけれども台風被災で不通となりました湖西線の折にもですね、このバス車両や運転手の手配で随分ご苦労されたということも聞いていますので、広域に被災が広がり、たくさんの方々が長距離移動しなければならない場合に、こういったことが可能なのか、課題があるのかないのか、こういったことも検証しなければならないと思っているんです。

したがって引き続きよく議論をしながら訓練を重ねて、計画は見直しをしていくというのが私どもの考えです。

[中日新聞]

先週金曜日にあった人権施策推進審議会に関連して、県が5年ごとに行っている人権に関する県民意識調査の結果を受けて、知事の考えをちょっと伺いたいのですけども、人権が尊重される社会の実現に向けて、回答者の思いに近いものを選択してくださいという問いに関してですね、平成18年度には「成り行きに任せる」と答えた人が、約12%いたのですが、それが10年経って、昨年度には約23%まで大きく増えた。

一方で、「自分も人権が尊重される社会の実現に向けて努力したい」と答えた人は51%いた人たちが、10年経ったら39.4%まで減ったっていう、人権が尊重される社会の実現に関して、消極的な人が増えているのかなっていう傾向が取れる結果だったんですけれども、こういった消極性が生まれる要因というか、あるいはこの結果からですね、知事がどんな印象を受けるとか、そういった分析を伺えないかと思います。

[知事]

大変大事なテーマをお取り上げいただいてありがとうございます。その議論された調査結果を手元に持ち合わせておりませんので、今、ご紹介いただいた数値や傾向についてコメントさせていただければと思いますが、私は、平和・人権・民主主義ということを大事にする政治家になりたいと思っています。これは常々モットーとして持っています。

したがって、知事としてもこの人権というもの、人権施策というものについては大変大事に考えています。例えば、これからの時代、いろんな県の申請物、出していただく文書等にも、必要以上のことを記載していただくことを求めないということで、男女というものを記載する項目を見直す作業などもこの間進めてまいりましたし、教育の現場、福祉の現場、あらゆる現場でそうですが、人権にしっかりと配慮した、またそういったものを具体化した施策を構築するということは基本だと考えています。その意味で、今ご紹介いただいたような、「人権というものを成り行きに任せる」という人が増えてしまって、そして、何かそのためにやろうとする人が減っているという、ご紹介された傾向というものは、もう少し詳しくみてみたいなと思いますが、人権というものに対して、それを守る施策に対して、消極的な人が増えているとすれば、それは残念な数値ではないかと思います。もしかすると、そういったものは、きちんと保障されているので、そのことが実感できているので、満足されている方々の数値結果かもしれませんし、しかし、周りを見てみれば、世の中、世界見てみれば、そういったものが十分保障されてない方々が多くいらっしゃって、その方々に対する想像性や配慮というものが十分持ち得てないとすれば、そういうものは、教育や情報で改善をしていかなければならないとも思います。

したがって、広報などを通じて、県の人権施策については、これまでも広報啓発、PRに努めてまいりましたので、そういう中でもですね、今ご紹介いただいたようなデータや傾向などについても、よく分析してご紹介申し上げて、県民の皆様方の議論や行動というものも促していけるように努力したいと思います。

[滋賀報知新聞]

来年、ミシガンの姉妹提携が50周年という、それから湖南省35周年ですか、そういう姉妹提携を県はブラジルのリオ・グランデ・ド・スール州とも行っているわけですが、先だって、サンフランシスコと大阪市ですね、これが、姉妹交流しているわけですが、例の慰安婦の像の問題で、大阪市の方が姉妹都市を解消するという形を表明されていますが、実際はその影響が、5年に1回とか儀礼的な記念式典ですね、実際はそう影響はないんじゃないかとも言われていますけども、改めてこの国際姉妹都市提携が非常に儀礼的になっている現状をどういうふうに考えられておられるのか、成果ですね具体的に、それと今回のこういう政治的な問題に対して、どういう具合に大阪市の対応も含めてお考えになっているのかですね、この2点お伺いしたい。

[知事]

まず私たちの立場を申し上げれば、今ご紹介いただいたように、米国ミシガン州と1968年から、来年50周年を迎える友好姉妹提携関係があります。中国湖南省とは来年35周年を迎える、こういう友好姉妹関係があります。また、この湖南省との間では、例えば、私たち滋賀県が誇る平和堂さんが出店されて20周年の節目を来年迎えられます。またブラジルのリオ・グランデ・ド・スール州とも姉妹友好関係、いずれもこの三つの地域、湖つながりで友好姉妹提携関係を築いてきた。こういったものは大事にしたいと考えています。

そして当然、国と国、国を越えた関係ですので、儀礼的なことも大切にしなければならないこともございますが、私たちの誇りはこういった儀礼的なもののみならず、実際的、具体的、そして長期的な関係というのは築けているのではないかと考えます。先般も、米国ミシガン州のリック・スナイダー知事がご来県され、多くの県民の皆様方との交流をつくっていただきました。また、私とは書のコラボレーションアートのイベントも開催することができました。また、こういうトップ同士だけではなくて、この間、ミシガンと滋賀とを行き来してこられた州の方々、また県民の皆様方との交流を再確認するような、こういう機会もつくられました。滋賀にはJCMUもある、などなどですね。

私は、政治的にどうあったとしても、根底に通底する友情関係や交流というものを大切にしたいと考えていますので、このことは、湖南省との関係においても、厳しいこともございました、政治的には尖閣の問題の折にはですね、しかしそういうものを、まさに平和堂さんや関係者の皆様方が培ってこられた信頼関係で乗り越えてこられた、そして続けてこられた、こういう歴史に思いをはせながら、これからも私は大事にしていきたいと考えているところですし、こういう関係のつくり方があるんだということを自信と確信をもって、広く県民の皆様や全国の皆様、そして世界の皆様方にPRできればいいなと考えているところです。

[滋賀報知新聞]

これから国際姉妹都市提携も従前だけでいいのか、新しい段階というか、もうちょっと観光にしろ何にしろですね、もう少し深掘りするような局面も必要かと思うんですけど、その辺のこれからの、国際姉妹都市提携だけではないんでしょうけど、国際交流のあり方みたいなもの、知事のお考えを伺いたい。

[知事]

滋賀から世界へ、世界から滋賀へ、と申し上げておりますので、こういった国際関係は大事にしたいと思います。

おっしゃるとおり、この3地域以外にも姉妹友好提携しようじゃないか、してはどうかというご提案は確かにございますが、まずはこのご縁があり、長く続いているこの3地域との姉妹友好提携を大事にしたい。

そして、この3地域との姉妹友好提携の今後の課題ということで言えば、常々申し上げているんですが、次の世代にどうつないでいくのか、やはり青少年、若者の交流、また、単なる友好交流だけではなくて、経済交流にどうつなげていくんだということで言えば、今回、近江の茶のPRに出かけていただきましたけれども、そういったビジネスにつながるような、こういう取組も志向していきたい。こういったことがこれからの課題でもあり、可能性だと考えていますので、課題は克服して、可能性は発現できるように、お互い協議しながら努力をしていきたいなと考えています。

[読売新聞]

今、お話しされていた大阪市とサンフランシスコの姉妹都市解消についての話で、知事の素晴らしいお考えと、政治的にどうあっても友情を大切にしたいというのは、本当に素晴らしい考えだと思うんですけども、逆に裏返せば、吉村市長が発信している考えについては、知事としては、いささか性急な面だったりとか、どうなのかなとか、というふうなお考えがあったりもするんでしょうか。

[知事]

いえ、私はそういうことは申し上げていませんし、そういう考えは持っていません。大阪市とサンフランシスコ市と、また、サンフランシスコ市の市長と吉村市長とがどういう対話をなさって今があるのか、ということも詳らかではありませんので、そのことにはコメントいたしません。

しかし、滋賀県がせっかく培ってきたこの環境を大事にして、政治的にどうあっても、通底する友情を大事にできる、そういう関係を続けたいと、その一心でございます。

[毎日新聞]

三日月知事が当選された直後ぐらいに、ミシガン州のデトロイトに韓国人文化会館前に慰安婦像ができているみたいなんですけど、その当時何かやりとりはありましたかということと、それをご存じでしたか。

サンフランシスコの場合は、私有地に建てて市に寄附して公有地になるというので、韓国人の私有地に建てるのとは、話のレベルが違うのかもしれませんが、当時アメリカ2番目の慰安婦像だそうで、今もあるそうですけれども、このことで向こうと何かやりとりされたことがあるのか、このことをご存じの上で先のようなことをおっしゃったかというところですが、いかがですか。

[知事]

まず、私はその事実を存じておりません。存じておりませんので、そのことに基づく発言というよりは、むしろ広く一般的に考えての、また、私が知事としてこの間、実践してきたことを表現して申し上げた訳でございます。

[毎日新聞]

それをご存じになっても、特に、吉村市長のような選択は無用と。

[知事]

申し上げているように、政治的にどうあったとしても、通底する友情を大事にしたい。したがって、この三つの州や省との関係はこれからも強化していきたいし、大切にしていきたいというのが私の考えです。

[毎日新聞]

「ここ滋賀」についてお伺いしたいんですけど、あの地域は他府県のアンテナショップが幾つもあるので激戦地区じゃないか、そこになぜ建てたんだというような意見もあったと思うんですけども、それに対して知事はどのように説明されますか。

[知事]

そういう問合せは私のところには無いですけれども、ただ、江戸幕府が開かれて以降、日本橋は近江商人が早くから商売をさせていただいていた地域というゆかりがございます。現に今も、滋賀、近江にゆかりを持たれる企業様が立地されていますので、そういうゆかりのある地域に「ここ滋賀」を開設できたことは誇りに思っています。

また、確かに激戦区です。他の都道府県も先んじて、そして素晴らしいアンテナショップを開設しておられますので、そういったものを見ならったり、そういったものを目標にして、この間準備をしてきたという、こういうこともございます。

むしろ、そういう、周りにもたくさんある地域だからこそできる取組をですね、連携したり切磋琢磨したり、また、中央区長に面会に伺った折には、中央区としてそういうマップも作りながら区民に紹介するようなこともやろうと言っていただいていますので、むしろ集積のメリットを生かしていきたい、というのが私の考えです。応援よろしくお願いします。

[日本経済新聞]

原発問題になるんですけれども、関西電力の社長が福井県知事に会ったときに、使用済核燃料の中間貯蔵施設を福井県外につくります、という形で言っていますが、福井県外につくるということは、滋賀県の可能性もあるということなんですけども、これの発言についてはどう考えられているんでしょうか。

[知事]

どういう内容、どういう文脈でおっしゃったというのはわかりませんので、そのことにはコメントできないんですが、いずれにしろ「静脈」を整備することというのは大切な課題だと思っています。現在の中間貯蔵というものが、それぞれの原発施設において許容量に近い状態になってきているという意味においては、これまた切迫した課題だと国や事業者の皆様方が持っていらっしゃるという、このことは私も認識を共有したいと思います。

現時点で滋賀にそういう話があるという事実もございませんし、あった場合にどうするのかという仮定の話にはお答えできる状況にはないというのが私の考えです。

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