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知事定例記者会見(2017年5月23日)

平成29年5月23日
(県政記者クラブ主催)

記者会見に臨む様子

おはようございます。この部屋の温度、湿度もそうですけど夏らしくなってまいりました。

週末は、一部報道もしていただいておりますが、徳島県で将来世代応援知事同盟のサミットがございまして、年に1回の恒例ですけれども、同志、同世代の知事の皆さんと短い時間ではございましたが、議論をしたりシンポジウムをしたり、さらには「とくしま声明」という形で今後の取組を誓い合ったりということをさせていただきました。大変刺激に溢れる機会でしたので滋賀県政にも生かしてまいりたいと思います。

今日は、資料提供で2点申し上げます。

一点目は、平成29年度青少年広報レンジャーの募集についてでございます。この事業は、今年度から新たに取り組むものでございます。若者の視点や意見を県政に反映させて、今後の県政を県民のみなさんと一緒につくり進めるため、青少年広報レンジャーを公募いたしまして、共に県の広報活動を行おうとしています。

「しがを動かすのはあなた!! 県政の最前線を体感し、発信しよう!」をコンセプトに、知事である私が視察する際の同行でありますとか、県政の重要課題に沿ったテーマに関する意見交換会への参加、また県関連事業に自主参加いただくなど、レンジャーとして実際に現場を体験いただいて、それぞれの視点から県のSNSなどを通じて情報発信していただこうというものでございます。

また、県でもレンジャーを対象とした企画や情報提供を随時行うことにより、レンジャーの活動を支援するとともに、広報誌や広報番組、ホームページなどを通じて活動の様子を発信してまいります。活動を通じてレンジャーのみなさんからいただいたご意見等は、今後の施策の参考にさせていただきます。

今回の青少年に特化したこのような広報広聴の取組事例は、都道府県レベルでは、これまでにない、我々が把握する限り全国初の取組であると認識しています。

対象は、県内にお住まいの満15歳から28歳までの方でございまして、今年7月から来年3月まで活動いただける方を10名程度募集いたします。募集の締切は、6月28日(水曜日)でございます。

レンジャーの活動を通じて滋賀のこと、自分たちの住んでいる地域や取り巻く環境、歴史、文化、暮らし、産業、教育など様々な幅広いことに関心を深めていただいて発信することで、共に滋賀の未来を創る、そうしたことに我々と一緒に取り組んでいただく青少年広報レンジャーにたくさんの方に応募いただけることを期待いたしております。

2点目は、5月31日に滋賀県立大学交流センターにおきまして、「地域ひと・モノ・未来情報研究センター」設立記念シンポジウムを開催いたします。

「地域ひと・モノ・未来情報研究センター」は、この4月1日に設置されました。将来の滋賀の産業の活性化と地方創生に向けて、市町や企業、他大学と連携して情報通信技術(ICT)を用いた地域課題の解決や付加価値の高い製品・サービスの開発等に取り組まれるとともに、その成果を活かして、ICTを駆使できる高度な数理・情報専門人材の育成に取り組まれます。

このセンターで進められる研究としては、例えば農業分野では、経験や勘に頼っていらっしゃる、これも大事なことなんですけど、こういったノウハウの見える化や農作業の効率化ですね。看護の分野では、高度な看護技術の見える化やデータのクラウド化による看護業務の効率化、未来予測なども行ってみようということですし、観光分野では、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の活用や観光客の動きの数値化による新たな観光資源の開発といったことが考えられます。

今回開催されるシンポジウムでは、県内外の大学と企業の専門家の皆様からからご講演いただきますほか、講演の皆様方と滋賀大学データサイエンス学部の竹村学部長、県情報政策課長を交えたパネルディスカッションを行う予定でございます。

このシンポジウムでは、ICTを活用して地域課題を解決するためのヒントを多く見つけることができると思いますので、学生や教員の皆さんはもちろんのこと、企業や地域の皆さんにもぜひとも参加いただきたいということで、ご案内をさせていただきました。

私からは以上です。

[中日新聞]

県立大の新しいセンターの件ですが、これは地方創生関連の交付金を充てた事業になっているんでしょうか。

(担当者)

そうです。

[中日新聞]

もう交付決定はなされている。

(担当者)

されています。

[中日新聞]

どれぐらいの金額ですか。

(担当者)

2900万円余です。

[毎日新聞]

ヘイトスピーチ対策法が昨年の6月に施行されてまもなく1年になりますけれども、滋賀県内においてヘイトスピーチの被害に遭ったとか、苦情とか申立てはありますか。

[知事]

私の所まで届く報告はございません。がこういった課題もございますので、アンテナはきちんと高く保っておきたいと思います。

[毎日新聞]

そうすると県では、大阪市などで実施されている条例等のご検討に入るという段階でもないと。

[知事]

条例の制定を検討するということは現時点では考えておりません。が、人権の施策は大変大事であるということで、特にこのヘイトスピーチの課題も平成28年3月に改定いたしました「滋賀県人権施策推進計画」の中に、ヘイトスピーチを重要課題の一つに位置付けておりますので、今後とも法務省等々と連携した取組を進めてまいりたいと考えております。

[京都新聞]

今週末になろうかと思いますが、琵琶湖で大きな赤潮が発生してから40年という一つの節目になりますが、最近は幸いなことに大きな赤潮なんかは発生はしていないようですけれども、新たな色んな琵琶湖を取り巻く課題なんかもありますし、琵琶湖と人が近くなってないというのか、知事に改めて琵琶湖の環境面での課題がどんなところにあるのかというところと、これから正に琵琶湖を核に法律ができましたし、盛り上げていく中で何をすべしなのかというところを、教えてもらえますでしょうか。

[知事]

大規模な赤潮が発生して40年ということでございます。ぜひこの節目に琵琶湖のこと、また琵琶湖と人とのつながりのことを考えるきっかけにしていきたいと思っています。そういう意味合いを込めて「琵琶湖新時代」というメッセージを発しているところです。ご質問の中にもありましたように、環境面での課題ということで申し上げれば、おかげさまで指標に基づく水質の状況は改善の傾向にございますが、水質指標では測れない琵琶湖の変化ですね、こういったものが課題としてあるのではないか、例えば、これまで生息していなかったプランクトンの存在でありますとか、これまで多く生息していた固有種の減少ですとか、また望まない外来の水生植物の大量繁茂ですとか、こういったことが新たな課題として挙げられるのではないかと思います。

また、多くの方々に釣りやマリンスポーツで楽しんでいただくことは大歓迎です。もって琵琶湖や生き物とのつながりとのいうものも大事にしていきたいと思いますが、同時に、例えば私なんかも琵琶湖に入ると、大量の釣糸に絡まったり、水草を取るときにルアー等が手に引っかかったりということもございますので、こういったことは琵琶湖と長く楽しく関わっていただくためにも、ルールやマナーとして守っていただきたい、こういうことではないかと思います。

そういう意味で今後の課題といたしましては、保全再生計画の中にもありますように、やはり琵琶湖というものをしっかりと守っていくこと、と同時に守るため活かしていくこと、どうやったら守れるのか、活かせるのか、どうなっているんだろうかという現状を知るための、例えば研究ですとか、指標づくりですとか、支える取組ですね。こういったことを総合的に展開していくこと。行政だけではなくて、住んでいる皆様方や関わる皆様方、上流の皆様方とつながりを持って取組を展開していくことが課題であり、ある意味では可能性であると考えているところです。

[京都新聞]

ちょうど40年のタイミングかどうかはあれですけれども、年頭にも言っていただきました「びわ湖の日」ですね。赤潮が一つのきっかけになって富栄養化防止条例ができて、その記念ということで「びわ湖の日」になりましたけれども、今、まさに休日にするということもありますが、色々ご意見もあるということですけれども、今の進捗はどんな感じでしょうか。

[知事]

琵琶湖新時代をつくろうということの一つに、7月1日の「びわ湖の日」を県民の休日にしませんかという提案をしています。それはあくまで手段でありまして、大事なことは「びわ湖の日」の周辺の活動ですね、これを充実させることだと思っています。まずは今年度、まさに今、仰ったように、「びわ湖の日」ってなんだろう、なぜ制定されたんだろう、どんなことやっているんだろう、どんなことができるんだろうか、ということをさらに深堀をしたり広げてみることで、まずは今年度の「びわ湖の日」の取組を充実させていきたい、より多くの方々に知っていただき参加していただく、そういうきっかけづくりをしたいと思っています。これがまず一つです。

同時並行といたしまして、県民の休日にするための議論を始めたところでございまして、先般も首長会議でご議論いただきましたし、さらに「びわ湖の日」を充実させる取組を進める過程で、県民の休日にしようと言ってるけどどうだろうね、ということもあわせて議論をしていきたいと考えています。

[読売新聞]

職員の交通事故の件で、人事上の事務手続きが14年間少なくとも行われてなくて、そのあと着手されたということなんですけれども、長期間事務が滞っていたということと、件数はそれに伴って必然的に増えていくということなんで、まず、長期間行われてきていなかったということに対する知事の受け止めをお伺いできますでしょうか。

[知事]

今、ご指摘いただいたことは一部報道等にも出ていますが、後程詳しく人事課長より報道の皆様方にご説明をさせていただきますので、詳細についてはご確認いただきたいと思います。

報道等に記されていることは事実でございまして、大変遺憾に思っているところでございます。

[読売新聞]

長期間行われていなかったことに関して、大変遺憾だというお一言に尽きるということでよろしいですか。

[知事]

そうです。

[読売新聞]

この件に関して関連なんですが、あともう一点、これも書かせていただいたんですが、経緯がなぜ始まったのかというところと、なぜこのまま続いてきたのかという経緯がわからないままなんですが、そのことについてお考えになることはありますでしょうか。

[知事]

この事実を私も知りましたのは、昨年度、すなわち今年の3月でした。最初、なぜこうなったのか、滞っていたのかということについて、なかなか理解が付いて行かなかったところがございました。公務の途中、また公務外を問わず、交通事故を起こした職員に対する処分につきましては、その都度行われています。例えば有ってはなりませんけれども飲酒運転ですとか、死亡事故、公務員としての信用失墜や社会的影響が大きいものについては、処分を行うと同時に公表もしてきました。

同時に、今回の事案がそれにあたるんですが、公務中、公務外の自損事故、コツンと当てたりしてしまったと、こういった軽微な事故にかかる処分の検討ですね、これが事故処理に係る示談ですとか、行政処分の結果を待つなどしていますと、時間の経過を要して溜まってしまうと、ある意味では放置されてしまうということの結果、累積し、累積が累積を呼び今回の事態に至ったということ承知をしております。

このことが分かった時点で遡って調べて、そしてその遡った期間、人事課の担当者であった者については、特に担当まで至ってなかったと聞いていますが、課長、係長については一定の処分をさせていただいたということでございます。内部的な事務処理の遅滞でありましたことから、公表までは必要ないのではないかということで、公表いたしませんでしたが今回、情報公開請求で明らかになったことでございますので、しっかりと説明をさせていただきたいと思います。

[読売新聞]

これは中身そのものではなく付随する話になってきますが、知事が今、しっかりと説明をさせていただいたということを、仰っていただいたわけですが、結果的には人事課にしか見えない話なのでお認めいただいたわけなんですが、当初は、どこの課かというところから議論が始まって、人事課しかありえないというにも関わらず、人事課というところを明らかにしていただけなくて、性別も当初は教えていただけない、どういった方なのか、何十歳代であるとか、通常の処分の案件であれば明らかにしていただける情報すらも明らかにしていただけないという対応がありまして、結果的にその後一部出てきた情報はありますが、最終的には階級、管理職の方とお伺いしましたけれども、課長であるとか係長であるとか、その辺りも最終的には、そこはこちらも詰めませんでしたけれども、明らかにしていただけなかった。そういう情報提供の在り方について、正直疑問に思うところが多々ありまして、知事は初耳かも知れませんが、そういったことに関して知事の所見をお伺いしたいと思います。

[知事]

全てを私も承知、存じ上げているわけではございませんが、公開すべきを公開し、説明すべきを説明するという姿勢は大切だと思いますので、今回いただきましたご指摘を踏まえて今後の対応をしっかりと作ってまいりたいと思いますので、今後ともご指摘をいただければと思います。ありがとうございます。

[時事通信]

政府内で、自治体の基金残高を反映して地方交付税を調整するということを検討する動きがあるそうです。これに関しまして何かご所見がありましたらお伺いできればと思います。

[知事]

地方財政を充実させる観点からのご検討であれば、大いに歓迎をしたいと思います。県でも今、財政の状況等について、県民の皆さま方から、県議会からご指摘をいただいて、どういう状況にあるのか、どういう状況になると見通されるのか、その対策も含めて議論・検討しているところでありますので、国でのそういった議論をしっかりと横目に見ながらですね、対応を検討していきたいと存じます。

[時事通信]

政府の方で、小中学校の夏休みとか、長期休暇の一部を、学校や地域ごとに分散して取得する「キッズウィーク」という取組の導入を検討しているそうです。それについて、ご所見がありましたらお伺いできればと思います。

[知事]

私も報道で見ました。こういうことができるのかなあ、と思って見ました。国土交通省の大臣政務官のときに、休日の分散化というものに当時の大臣以下皆さんと取組みを議論した経過がございます。ゴールデンウォークとお盆と年末年始に集中し、ある意味では渋滞し、ある意味では高騰する、しかし年度すべてを押し並べて見ると、観光業界は厳しく、旅行者の満足度も高くない、という状況を何とか改善できないものだろうか、という議論をしたことがございます。結果、成しえませんでしたが、その後、シルバーウィーク等の創設にもつながってきたといったことがございます。

色んな観点からですね、どう休めばいいのだろうか、どう働けばいいのだろうか、ということをご検討されることは、僕は大いに意味のあることだと思いますし、まさに「県民の休日にしませんか」という先程のご質問の中にもありました「びわ湖の日」の課題もございますので、まあ少し趣は異なりますが、私どもも注視をし、県としても考えを醸成させていきたいと思います。

[時事通信]

先程ちらっと出ました「びわ湖の日」ですけども、それと絡めてとか、そういうことが考えられるのかどうなのかと思ったんですけど。

[知事]

県民の休日、「びわ湖の日」につきましては7月1日を考えておりますし、今ご質問のありましたウィークにつきましては、少し期間を持たせて、他の休みとの調整の中で出てくるものだと考えておりますので、少し意味合いが異なるかもしれませんが、大きな意味で、休む日をどう考えたらいいのだろうかという広い議論にはつながる、関わりもあるのではないかなと思います。

[時事通信]

これは教育委員会にお聞きすればいいのかもしれませんが、今、新学習指導要領というものが入りまして、学校の方は授業をどうするかということで、どこに入れるかということで、大変な状況になっているそうなのですけど、その辺りについては教育委員会の方に聞けばいいのかもしれませんが、どういうふうにお考えでしょうか。

[知事]

学校で学ぼう、教えよう、学んでもらおうとする課題は数多でございまして、一方、学ぶ時間というものに制約がありまして、仰ったように、さあどうやって教えようか、学ぼうかということに、現場で苦慮いただいていることは承知をしています。

ただ一方で、私自身の経験もそうですし、地域でPTAなどやっていまして、学校の中だけで学ぶことが、人生、教育のすべてかというと、必ずしもそうではないとすれば、学校で学ぶこと、時間内に教えることと、それ以外との、ある意味での棲み分けや、ある意味での連携、こういったものも必要ではないかと思いますので、あまりその小さいことに拘りすぎて議論が収束するということがないように、議論できればと思います。

[時事通信]

広報に関わることで広報レンジャーについて、これも15歳以上という、学校との兼ね合いが出てくると思うが、これについてどうお考えでしょうか。

[知事]

知事になりましてから特に意識していますのは、若者世代に「一緒に考えよう」と。知事選挙の時に、ある駅でバスを待つ高校生に一生懸命訴えたことを思い出すんですが、ぜひ、この15、16、17歳という若い世代のみなさんに県政、琵琶湖のことについて関心を持ってもらえるように、そんなきっかけをつくっていきたいと思います。

中学生との対話、高校生と対話をしておりますと、決して考えていないわけではない。みんなそれぞれ考えをもっている。ただ、それをどうぶつければいいのか、どう言えばいいのかということに悩みも迷いもあるので、そういったものを一緒に考えていけたらと思います。

[NHK]

前にも伺ったことがありますが、2025年を目指す万博について、大阪・関西以外に、パリ以外に、ロシアやアゼルバイジャンも立候補したということが報道されました。これについては、今後どういうふうに取り組んでいかれますか。

[知事]

以前から申し上げておりますように、2025年、大阪を中心とする関西で万博をということでございます。テーマが人類にとって大切な健康ということであるとか、どう生きればいいのか、ということをテーマにやろうということでございまして、私はぜひ選ばれるように、激戦にはなると思いますが、連携して力合わせて選択いただけるように取組を進めていきたいと思います。

もって、選ばれますならば、2021年の関西ワールドマスターズゲームズもそうですし関西広域連合の取組もそうですけど、例えば、大阪だけに留まらない医療、健康、技術、取組の紹介ですとか、水を通じたつながりといったものの意識ですとか、そういったことにも世界に発信できるような、関西一円の取組として、この万博が活かせるように取組をつくっていきたいと思います。

[NHK]

今まで出てなかったロシアやアゼルバイジャンというものが出てきたことについて、どのように受け止めてらっしゃいますか。

[知事]

どういうテーマで、どういうことを標榜されて手をあげられたのか、ということは承知しておりませんが、まあ、ライバルが多い方が、大変ですけれども選ばれた時の喜びも大きいでしょうし、色んな国、都市との比較の中において行われる万博も充実すると思いますので、立候補されることは歓迎もしたいし、しっかりと打ち勝っていければと思います。

[京都新聞]

今日の午後の衆院ででも、「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法の改正案が採決予定されているわけですけども、一方で、住民の生活にも影響が及ぶのではないかという懸念も大変強まっているのですけど、この法案について知事、ご見解がございましたらお聞かせください。

[知事]

県民の皆さま方のご関心も大変高い法案ですので、慎重かつ丁寧な審議を求めたいと思いますし、十分な説明が行われるように望みます。

私自身は、国会議員の間に2度、この法案の提出や審議、また廃案の過程を見てきました。以前出されたものと若干変わっているというご説明もあるようでございますが、いずれにしても、過去の色んな経験や教訓もございますし、そういったことに基づく恐れや不安というものもございますので、そういったことにどう対処しようとしているのか、法案に書かれているのか、充分な説明がなされるよう望みたいと思います。

[京都新聞]

そうすると、説明という面においては、充分ではないのではないかと、お感じになられているということなんでしょうか。

[知事]

まあ、そこの見解は、私は留めたいと思うのですけども、いずれにしろ多くの方に理解していただけるものにならなければいけないと思っているんですね。そういったことが、充分できているのか、できていないのか、これは国会においてもよく検討され、協議されると思いますので、衆議院、また参議院、二院の中でですね、充分な説明が行われるように望んでいきたいと思います。

[滋賀報知新聞]

自民党の大西英男衆議院議員が、受動喫煙防止対策の強化策で、「がん患者は働かなくていい」というようなご発言があって謝罪されたということですが、これの受け止めが一つ。

2点目は、県庁でも、がん患者の方とか元患者の方とかおられると思うのですが、その辺の就労状況とか就労体制みたいなものを2点目に伺いたい。

3点目は、たばこの喫煙、分煙が、県庁内でも指定された屋外の場所であるんですが、今後、禁煙の取組をさらに強化するのか、現在の分煙体制で一応良しとするか、3点伺いたい。

[知事]

まず、自民党の部会におけるご発言で、謝罪等も行われていると、報道で承知をしています。まあ、その発言の真意も分かりませんので、そのことにはコメントは控えたいと思います。

ただ、国民の2人に1人ががんを罹患し、3人に1人ががんで命が奪われる、また亡くなるということでありますので、がん対策を充実させるという取組は、非常に重要な、県政においても重要な課題だと位置づけています。これまでも、「滋賀県がん対策推進計画」、また、定められた「滋賀県がん対策の推進に関する条例」においてですね、取組を進めておりますので、それらを必要に応じてリニューアルしたり、また充実させる形でですね、このがん対策を充実させていきたい。このことには、やはり、事業所や企業、また、医療機関、地域と連携することが大切だと思いますし、同時に、特にがんを罹患された、治療されている、闘病されている方と寄り添って、ご家族の方を含めて寄り添って対応することが必要だと思いますので、しっかりと取組を進めてまいりたいと存じます。

2点目につきましては、詳細な数字はまた分かれば、当局から説明をさせたいと思いますが、私が知事になりましてからのこの3年におきましても、すべての方と対話しているわけではございませんが、がんというものが発見され、また治療され、乗り越えられて仕事されている方、闘病されている方もいらっしゃいます。

私も必要に応じて、励ましの言葉をかけたり、また、心配せずにしっかり治療のうえ、そして引き続き一緒に頑張ろうというメッセージを発しているところでございます。まあ、がんになる可能性が高まってくる、色んな事情、状況の中で、がんを罹患したとしてもですね、負けない対策をですね、また一緒に連携するということも含めて、進めてまいりたいと思います。

同時に、その方々と話をしていると、その闘病を経たから気づいたこと、分かったこともあるんだということを、よく仰います。そういったことも大事にしたいなと思います。

いま、日本経済新聞ですか、向き合うというコラムで、私の恩師の、80を超えてがんが見つかったということにどう向き合われているかということが、週に一度コラムで書かれていて、私も大変興味深く読ませていただいているのですけど、ぜひこういう経験も施策に反映できるようにしていきたいなと思います。

分煙対策につきましては、前回の会見でも申し上げましたが、望まない受動の喫煙がですね、受動の煙の吸い込みが限りなくゼロに近づくように、取組をしていきたい。とりわけ県庁内、県の施設については、率先垂範し、モデルとなるような取組ができるようにしてきたいと思います。

まあいずれにしても、国でも今、どういうところを目指して、どういう対策を講じるのかということが議論されているようでございますので、しっかりとその議論の中身を見て、対応を進めていきたいと思っています。

[朝日新聞]

10月オープンで「ここ滋賀」、東京でご準備を進められているということで、いろいろ拝見しております。現時点でですね、課題ということでお気づきになっていること。それと、あえて情報発信拠点と謳っていますけども、情報発信というところに期待も寄せられていると思うのですけれど、どういうことをやっていかなければいけないなとか、今お気づきのところをお聞かせいただければと思います。

[知事]

精力的なご取材、ありがとうございます。

多くの期待を集める拠点の開設ですので、そのご期待に応えられるように、しっかりと進めてまいりたいと思います。いよいよ、中にどういうものを入れていくのかという、具体の事業者説明会ですとかが行われておりますので、皆さんの知恵や力がしっかりとそこに結集されるように、拡散するのではなくて結集されるようにしていくというのが、今の課題だと思っています。

同時に、すでにもう建物自体はあそこに出来上がっていますので、かつ「ここ滋賀」というものを開設することも決まっておりますので、この発信をですね、開設までにもしっかりと発信することが大事であるということだと思いますので、この前段に行われた会議などでも、しっかりと、もう今から色んなものが出ていくような取組を充実させるようにという、そういう指示をしたところでございます。

いずれにいたしましても、色んなモノや人や情報が集まる2020年東京オリンピック・パラリンピックも開催され、多くの方が行き交われる東京で、しかも中央通りと永代通りの交差点の一等地に拠点の開設をすることができますので、この場所で滋賀の良いもの、良いことを、体験・体感していただいて、「あっ、こんなもの作ってんだ」、「こういうものがあるんだ」、「こんなところがあるんですね」というようなことを実感していただいて、もって滋賀への誘い、これは観光面もそうですし、「滋賀に住んでみたいね」、「滋賀の人と話をしてみたいね」、「滋賀の企業さんと取引してみたいね」と思っていただけるような、そういう誘いにつながる、まあその意味では何を売るかということだけではなくて、そこのスタッフの色んなおもてなしも大事ですので、そういったことも充実させていきたいと思っています。

[朝日新聞]

東京の一等地なので、色々な意味で東京はコストが高くつく場所でもありますけど、いろいろ意欲が高いとですね、どんどんそういうものが大きくなる恐れもあるのかなと、コストコントロールという意味で何か気を付けていらっしゃるとか、意識はございますでしょうか。

[知事]

まず、物件はもう固まりましたので、あれ以上物件が大きくなることや高くなることというのはございません。このスペースの中で、このスペースを活用して最大限、滋賀を表現し、そしてより多くの方々にお楽しみいただくということに尽きると思います。

ただ、「ここ滋賀」というものが、ここにありますということを、まだまだご存知いただいていない方も。やっぱり都度都度そのことを知っていただく取組というのが大事だと思いますので、来た人、たまたま通りかかった人しか知らない、行かない場所ではなくて、多くの方に知っていただいて「行ってみたいね」、「こんなのできたらしいよ」ということが口々に語り広げていただけるような取組が必要かと存じますので、またメディアの皆さま方ともしっかりと対話しながら取組を進めてまいりたいと思います。

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