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知事定例記者会見(2016年7月26日)

平成28年7月26日
(県政記者クラブ主催)

湖南市の「弥平とうがらし」をPRする様子

早朝から神奈川県の施設「津久井やまゆり園」の事件に衝撃を受けております。非常に悲しい残念な、また憤りを感じる事件が起こりました。大変多くの方がお亡くなりになられているということでございます。その方々の御冥福をお祈りいたします。また同時に被害にあわれた方々も多数いらっしゃるということですので、1日も早いご回復を、また、大変重要な大切な施設だということを伺っております。障害のある方の食事や入浴の介助などを行っていらっしゃるということでございまして、この大切な施設の機能が回復され、入所されている方々が安心して暮らしていただける状況になるよう神奈川県並びに関係法人の皆様方へのご尽力を祈念する次第でございます。

本県でも、津久井やまゆり園と同様、障害のある方への食事や入浴の介助などを行う「施設入所支援」を行う施設が24施設ございます。4月1日現在の入所定員の合計は1059人であります。また、これらの施設の多くでは、「生活介護」という生産活動や創作活動が展開されております。

今回のこうした事件を受けて夜間の警備体制、緊急時の連絡体制について、今朝から24施設の施設長に対し直接、電話で確認を取るとともに、職員の皆さんへの朝礼・終礼等での注意喚起のお願いを行っております。また、何か変わったこと、事態があれば、県へ報告するようお願いしているところです。今回まだ十分に判明、把握されておりませんが、元職員による事件とも言われておりまして、事件の詳細が明らかになると思いますが、追って厚生労働省からあらためて注意喚起があると思うが、これにあわせて、各障害福祉サービス事業所にも、こうしたことが起こらないよう万全の体制整備をお願いしていきたいと考えております。

それでは、本日は私から2件話題提供、ならびに1件、今月のイチオシということでPRさせていただきます。

まず1件目、2016びわ湖大花火大会について、お手元の資料に基づきお知らせをいたします。今回で33回目となります。いよいよ間近に迫ってまいりました。今年の開催にあたりまして、より安全により楽しんでいただける花火を目指していくつかの変更を予定しておりますのでご説明いたします。

開催日時は8月8日月曜日、19時半からでございます。今年は「虹色の旅へ。滋賀・びわ湖」をテーマにいたしまして、歴史、食、体験、癒しなど様々なびわ湖・滋賀旅の魅力を1万発の花火で表現いたします。有料観覧席を旅行会社、コンビニエンスストアなどで好評販売中でございます。大変好評だと、例年になく好評だと伺っております。詳しくはホームページ等でご覧をいただければと思います。

今年の変更は大きく4点ございますが、1点目は花火がワイドになるということでございます。メインの打ち上げポイント2か所のほか、特に終盤ですね、打ち上げ台船を昨年の7から8と増やしまして、よりワイドで豪華なスターマインをお楽しみいただこうと思います。例年、浜大津よりの混雑するんですけれども、におの浜方向からもメインの2か所の打ち上げ花火、ワイドになったスターマインもよくご覧いただけるということでございます。

変更ポイントの2点目でございます。市民会館前の一般観覧席を東に移動いたしまして、一般観覧席の規制エリア入口も東に移動いたします。これまで大津市民会館前に、有料と一般の両方の入口がございまして、例年大混雑をしてご迷惑をかけておりましたが、これらを分けることにより、集中、混雑を緩和したいと考えています。先ほど説明いたしましたとおり、花火もワイドになりますし、におの浜方向からもよくご覧いただけます。におの浜エリアは毎年余裕がございますので、ぜひ、におの浜エリアでゆっくりご覧いただければと思います。

変更ポイントの3点目でございます。新たに県庁前広場、コラボしが21に特設フードコートを設けます。地元商店街等のご協力によりまして、飲料、かき氷など、さらにシジミ飯や近江牛サンドなど琵琶湖や滋賀の名物グルメも販売いたします。昨年、熱中症で19名の方が救急搬送されました。熱中症予防のため、こういった施設で入手していただいて、早め早めの水分補給をお願いしたいと存じます。特に、大津駅が例年大混雑をいたしますが、特設フードコートは22時まで開いていますので、花火の余韻をお楽しみいただきながら、食事等もお楽しみいただければと存じます。ぜひ、お帰りにもお立ち寄りいただいて、混雑を避けてゆっくりとご帰宅いただければと存じます。

変更ポイントの4点目ですが、お立ち寄りいただけるグルメスポットの店舗が充実をいたします。昨年に加えまして、さらに膳所駅方面のお店も含む59店舗を紹介するグルメマップを作成し、当日駅などで配布をいたします。朝から、あるいは深夜までオープンするお店、また当日限定メニューのあるお店、これは16店舗ございます。花火の前や後にまち歩きやグルメを楽しんでいただければと存じます。特に、花火終了後、駅周辺が大混雑いたしますし、列車もぎゅうぎゅう詰めでございますので、混雑の中で待つより帰るよりグルメとドリンクを楽しんで混雑を避けてゆっくりとお帰りいただければと存じます。

以上が主な変更点でございます。先にも実行員会から発表しておりますが、いくつか変更点がございますので、よろしくご理解とご協力をお願いいたします。より安全に、より楽しんでいただける花火のために、ゆっくり見るならにおの浜エリア。まちとグルメを楽しんでゆっくり来場、花火が上がるまでには来ていただきたいんですけど、ゆっくりご帰宅と。そして、早め早めに水分補給をということで、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

続いて2点目でございます。「第49回滋賀県政世論調査」といたしまして、県内在住で満20歳以上の方の中から無作為に抽出いたしました3000人を対象に、6月に調査を実施いたしました。このたび、速報値として単純集計の結果が出ましたので、私から県民満足度調査項目を中心に概要を発表させていただきます。

調査項目につきましては、1の県政全体に関する満足度、2の県の広報・広聴活動は毎年お聞きしている調査項目となってございます。3から7は関係各課において施策や事業などに活かすため、今年度にお聞きすることとした調査項目でございます。今年度初めて、「しがネット受付サービス」を活用いたしまして、インターネット回答を導入しました。有効回収率につきましては、昨年度よりも0.1ポイント減少いたしまして、今年度は51.9%となっています。そのうち、インターネットで回答された割合は、15.6%となりました。

まず、毎年お聞きしている定住意向についてでございますが、これからも滋賀県に「住み続けたい」との御回答が78.0%と、昨年度より2.0ポイント減少しています。県政への関心につきましては、関心のある方が69.2%と、昨年度より0.1ポイント増加しています。他県の同様の調査と比べましても高い数値であり、引き続き関心を持って県政を見ていただき、参画していただきたいと存じます。

次に、「豊かさ」を実感できているかということについてですが、61.4%の方が「豊かである」と、こちらの数値は昨年度より4.5ポイント減少となっています。詳細につきましては、今後分析を進めますが、「『豊かさ』を実感できる社会とは」との自由記述欄におきましても「安全・安心」のキーワードが多く見られましたことから、熊本地震の記憶も新しく、防災面や経済の先行きについて不安感が影響しているのかと推察しております。

次に、県の施策に対する満足度合いについては、基本構想で設定している分野別の視点から28項目を設定してお聞きし、それぞれ上位5項目をあげております。満足度の高い分野といたしましては、昨年度に引き続き自然環境に関する項目や食の安全確保が上位にきています。「琵琶湖保全再生法」の制定を踏まえ、滋賀の強みである自然環境の保全・再生や活用を一層着実に進めていきたいと思います。

一方、不満だと感じておられる分野といたしましては、身近な公共交通機関などの整備や地震、風雪水害、土砂災害に備えた施設の整備・保全など、くらしの安全・安心に関する項目が上位にきております。特に地震等に備えた施設の整備に関する項目については、不満だと感じておられる方の比率が昨年度の調査より5ポイント近く増加しております。熊本地震の発生を受け、自然災害への県民の不安が高まっておりまして、こうしたことの表れであるものと思っております。

4ページの「力を入れてほしい施策」は、この「不満度の」の裏返しとも言え、同じような項目が上位にあります。現在、基本構想の進行管理を行っているところでございますが、施策の評価に加えて、県政世論調査の結果も踏まえ、来年度の施策展開に的確に反映してまいります。 

個別の施策推進のための項目も聞いております。本体冊子で、いくつか紹介いたします。冊子の18ページの「原子力発電所の安全対策や防災対策」について、76.1%の方が「十分だと思わない」と回答されておられます。そのうち約6割の方が、「事業者の安全対策に不安を感じる」ことをその理由にされていることから、国および原子力事業者は、県民に不安感が残る現状を重く受け止め、万全な安全対策を講ずるとともに、地域になお残る懸念に対して責任と誠意を持って対応されることを引き続き求めていきます。また、「行政が特に重点をおくべき原子力防災対策」については、53.4%の方が、「住民に対する正確、迅速な情報伝達体制の充実」を選択されています。正確な情報を県民の皆さんに迅速に伝達できるよう、国、市町、原子力事業者、報道機関との情報共有について訓練を実施するなど、原子力防災対策の向上に引き続き取り組んでまいります。次に、19ページの「しがエネルギービジョン」について、県では本年3月に策定いたしましたが、このビジョンの認知度についてお聞きしたところ、約3割となっております。より多くの方にビジョンの内容を知っていただき、取組にも繋げていただけるよう、今後とも積極的な周知を図ってまいります。次に24ページの「琵琶湖の保全および再生」についてですが、昨年9月に琵琶湖を国民的資産として位置づけた「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」が公布・施行され、この法律の認知度についてお聞きしたところ、42.3%となりました。法律の内容も含めて、さらに多くの方に認知していただけるよう、県内はもとより、広く県外に対しても、情報発信に努めてまいります。

こうした調査結果の活用について、現在、来年度の施策の方向について議論を始めています。基本構想や、総合戦略のPDCAサイクルを回していくうえで、県民の実感というものが極めて重要でございまして、今後の施策展開のための基礎資料として活用していきます。今朝の県政経営会議でも一部議論したのですが、こうした調査対象、ご協力いただく方の年齢層、60代、70代の方が多く、過半とまではいかないけれども大変多くの割合を占めるというこうした現状ですとか、インターネット回答等、また、項目数の設定、内容の検討など、よりご協力いただき、県政により的確に反映できる仕組みづくりということもあわせて、来年度に向けて検討していくことも確認したところでございますので、ぜひ、より充実した県政世論調査にしてまいりたいと思います。

それでは、次に今月のイチオシ第19弾ということでございまして、夏にはぴったり。湖南市の「弥平とうがらし」でございます。今日は、この弥平とうがらしを作っていただいた、火付け役になっていただきました、株式会社エフエム・クラックの三峰教代さんと佐々木由珠さん。そして湖南市の観光協会の皆さんや、かわいい「こにゃん」にも来ていただきましたので、説明を聞きながら試食したいと思います。

弥平とうがらしは湖南市下田地域で100年ほど前から栽培されているということでございまして、弥平さんという人が持ち帰ったといわれている伝統野菜でございます。昨年、第12弾で紹介いたしました、下田なすの漬物に加えたり、あぶって酒の肴にしたりするのが、昔からの食べ方、楽しみ方だということでございます。大きさはご覧のとおり5センチほどでございまして、鮮やかなオレンジ色がつやつやとしていまして、一見きれいでかわいらしいんですけど、辛さは鷹の爪の2倍ということでございまして、日本で最も辛い能鷹唐辛子と並ぶ10万スコビル。スコビルというのは唐辛子の辛さを表す指標でございます。以前は自家用にわずかに生産されていたということですが、2011年頃から注目されるようになり、お二人がその火付け役となってチリソースや一味、ブラウニーなど次々と商品開発をされておられます。今日は、これを美味しく楽しめるものを持ってきていただいたということでして、ちょっと試食を。このままかじってもいいんですけど、後の会見ができなくなりますので。

【佐々木さん】

まず、こちらの一味を。こんにゃくを炊いたので。

私、だいたい辛いもの好きなんですけど。

(知事試食)

風味のある辛さなんです。この弥平とうがらしは。この一味唐辛子もいいんですけれどもこれですよね。

【佐々木さん】

このホットチリソースというタバスコみたいな、こちらは生の唐辛子を加工しているので、フレッシュな感じで。

(知事試食)

こっちはソースだけに、より味があるんです。辛さに味がある。こっちは風味のあるピリリとした辛さ。この夏にはぴったりです。

お二人がまさに女性の感性を活かして、地元の特産品を単にそのまま作って売るというのではなくて、こういう形で、実は私のよく知っている人なんかもカバンに入れて、ちょっと一本忍ばせておくと、料理を食べに行ったときにちょっとかけて食べられるということとか、そういうことでお楽しみいただいているということです。東京の秋葉原の「ちゃばら」でも好評発売中でございますし、近く11月に国道1号線沿いに開設されるイオン物産館でも発売予定です。ネット等でもお買い求めいただけるということですし、菩提寺のパーキングエリア、米プラザ等でも好評発売中という逸品でございますので、ぜひ、皆様方、お見知りおきとお披露目いただければと存じます。後ほど詳しく、当時の苦労話からいろいろとお二人お持ちですので、お話を聞いていただければと存じます。

[毎日新聞]

県政世論調査についてですが、「しがエネルギービジョン」の認知率が28.8%とかなり低く、これから周知を進めていくということですが、なぜこんなに低いのかという分析はいかがでしょうか。

[知事]

詳しく分析します。ビジョンを作ったのがこの3月。そして5・6月号のプラスワンでも特集記事を組ませていただいているのですが、調査が6月ということですので、認知周知に至っていない現状がございます。むしろその時点で3割ご承知いただいているということ。内容まで認知していただいているのは5%ですので、そのあたりのレベルをどう見たらいいのか詳細に分析したいと思います。いずれにしても作って終わりではなくて、知っていただいてこの内容に沿って取り組んでいただくことが大事ですので、そのあたりの事も含めた施策というものを作っていきたいと思います。

[毎日新聞]

弥平とうがらしについて。女性の起業とか、6次産業化とかでいろいろと注目される取組かと思いますが、県としてどのような支援を考えておられるのか教えてください。

[知事]

既に県がやるまでもなく、お二人の努力と感性でずいぶん多くの方にお楽しみいただける逸品になっておりますけれども、こうした昔からある伝統野菜を加工して、付加価値をつけて売っていただく。食べていただく。こういう取組はまさにこれから起業をはじめ、地域産業を作っていくモデルになると思いますので、お二人の5年にわたる努力だとか、工夫だとかお客様から得られた感想などを活かしていけるような。今まさに女性の感性を生かしたアグリビジネスの講座も年々行っておりますので、そういうなかに反映していきたいと思います。起業される方、チャレンジされる方に情報提供などの形で積極的に支援していきたいと考えております。

[毎日新聞]

明日から始まる全国知事会議ですが、認知症対策・介護人材確保プロジェクトチームの副リーダーを務めていらっしゃったと思うんですが、知事会議においてどのような提言を出されるのか教えてください。

[知事]

明日から3日間、全国知事会議に出席いたします。私にとっては知事になって初めて出席する知事会議ですので、まだ様子がわかりませんけれども、大変楽しみにしております。ご紹介いただいたように私は高齢者施策、特に認知症対策と介護人材確保のプロジェクトチームの副チームリーダーとして提言内容を取りまとめてまいりました。認知症対策では、長寿化高齢化に伴いまして、認知症の方が増えておりますので、その支援体制の充実。具体的には私どももやっていますが、認知症サポーターの拡充ですとか、若年、軽度の認知症対策の充実。また道路交通法が改正されて、運転免許更新の際に診断の人数が増えると予想されていますので、対応するための人的必要性について、国に対して発信していきたいと思います。

2つめの介護人材の確保でいえば高齢者対策のみならず、障害者福祉や様々な現場で不足してきている。さらに今後需要が見込まれる中で人材の確保が困難になってくるということでございますので、滋賀県でも障害のある方の参画、また外国籍の方に資格を取っていただく。こういう取組を紹介しながら、次の施策に生かしていく。たとえばいろんな補助制度を作るとか、さまざまな報酬体系の中に組み込む。こういったことについて提言内容を取りまとめる予定でございます。

この他にも合区の問題を含めて、さまざまな地方課題が提起されるとお聞きしておりますので、限られた時間ではございますが、全国の知事の皆さんと有意義な議論ができるように努めてまいりたいと思います。

[毎日新聞]

これから介護人材を必要とするという意味では、これから介護を必要とする世代の数がかつてない規模で増えることが予想されていますが、その中で都知事選が行われております。都知事選についてどのような論戦が望まれるのか。今でさえ一極集中と言われている中、需要が増えるということで、さらに一極集中が進む懸念もありますけれども、どのような対策を都知事に求めていきたいとお考えでしょうか。

[知事]

以前からお答えしておりますように、都知事選挙、暑い中精力的に取り組まれております。詳細に論戦が行われ、どのような政策が提起されているのか私は把握しておりませんが、日本の首都東京の都知事を決める選挙ですので、東京都のことのみならず、日本全国の事も考えながら、同時に4年後にオリンピック・パラリンピックを開催されるという都市の首長を選ぶわけですから、しっかりと自覚を新たにしていただいて、有意義な選挙戦になるよう期待していきたいと思います。

[毎日新聞]

スマートフォン向けアプリのポケモンGOというものが世界中で人気を博しておりまして、県教委でも昨日注意を呼びかけるようなことをされていましたが、知事はちなみにポケモンGOはされてますでしょうか。

[知事]

私はやっていません。やっていませんが、私の息子がやっていまして、そのおもしろさを一部教えてもらっているんですが、十分理解できていませんが、大変多くの方が楽しまれている様子を朝の散歩時等に目の当たりにするにつけ、報道で知るにつけ、多くの方の注目を集めているアプリなんだなと感じています。ただ今週になって、さまざまな事故の事例ですとか、注意喚起が行われておりますし、本県でも一部情報提供を行わせていただいておりますので、地域活性化する、多くの方の楽しみに供与するという点ではいいことだと思いますが、同時に安全対策といったこともしっかりと関係者と協力してまいりたいと思います。

[毎日新聞]

地域活性化について鳥取県の平井知事などは鳥取砂丘を解放区にすると打ち出しておられますが、滋賀県としてポケモンGOを使うことなどは検討していらっしゃるでしょうか。

[知事]

現時点は多くの方が個別にお楽しみいただく。その一つに滋賀県、琵琶湖が入ってくるということだと思います。特に検討していることはございません。

[NHK]

冒頭におっしゃった相模原の事件について注意喚起ということですが、それ以上に何か実際に職員の方が見回るとか、文書を出すとかは考えていらっしゃらないでしょうか。

[知事]

今後検討します。まず速報、第一報を関係施設に連絡し、注意喚起をするということですし、容疑者と思しき人が逮捕されたという情報も入っておりますので、元職員であったという情報も入っていますけど、詳細はまだわかっていませんので、国の指示文書等もさまざま出てくる可能性もございますので、今後対応したいと思います。

[NHK]

どういったことを視野に検討を。

[知事]

たとえば施設の安全対策の面で、何か必要なことがあるのか。元職員という人がどういう理由で今回のことに至ったかなど情報が伝わり次第、検討を行っていきたいと思います。

[京都新聞]

県政世論調査の原子力に関するところですが、関心を高めるということには課題があると同時に、避難の方法については出来るだけ遠くに避難をするというのは、8割方おられて、情報の伝達ということを行政の取組としては求めているということであったんですが、情報が正確に伝わって混乱無く避難できるかということについての取組について改めてお考えをお聞きしたいのと、先週、高島に住まれて朽木に行かれて実際あの場所からどう避難するかについても、改めてお考えになられた部分もあったと思いますし、特に高齢者の方、たくさん色んなお話聞かれて、あの方々が安全に的確に情報を得てどう避難するかというのは、非常に難しいのではないかという実感を持たれたのではないかと思いますが、その辺りも含めてお考えをお聞かせください。

[知事]

いざ原子力の施設に災害が起こり、重大な事故が発生し放射性物質が飛散し、それらが飛んでくるという事態になった時に出来るだけ早く出来るだけ遠くに避難をせねば、したいと思われる方が多い。こういうことは、私たちも想像していましたが、そのことを表した回答状況になったのではないかと思います。同時にご質問の中にあったように情報提供ですとか、屋内退避ですとか、また長袖の服を着たり、マスクをしたり、窓を閉めて換気について注意するなどといった対策ですね、こういったこと等についても、今後どういったことに注意し、どういうことをやるべきなのかということを、地域住民の方にご理解いただく形でお知らせをするということが必要だと思います。また高島地域のみならず、山間部、福井県との県境にはご高齢の方が多く住まわれておられますし、私たち滋賀県の県民のみならず、福井県域から、道路を使って避難して来られる方も想定されますし、その道路というものが他の地域に比べて広いかというと、決してそうではない状況もございます。こういったことをどうみていくのかということも、冒頭お答えしましたソフト対策と合わせて大変重要なテーマになってくると思いますので、今後の課題として、今後の結果を踏まえて、また、より精査分析しながら、対策を講じていきたいと思います。

[びわ湖放送]

県政世論調査ですが、琵琶湖保全再生法が滋賀県にとって長年の悲願でありました。この法律、知事も国会議員時代から携わってこられた法律ですけれども、ようやく昨年成立しましたけれども、この調査の結果をみると名前すら全く知らないというのが51.9%、半分以上というこの数字の結果を率直にどのように受け止めてらっしゃるのかと、今後この周知の具体的な方法をどのように進められるかを教えていただきたいと思います。

[知事]

私たちにとって念願、悲願であった琵琶湖を保全・再生するための法律が国会で成立した。これは画期的なことですが、まだ多くの方が、過半の方が全く知らないと、この調査で回答されていることは、今後、周知、理解の大きな課題、宿題があると思っております。今後、県の発信いたします様々な広報、情報の中で、この琵琶湖保全再生の取組、法律の制定を合わせてお知らせをしていくということでございますし、まさに国の方針を受けて県の計画づくりを行っております。様々なシンポジウムの開催なども計画、予定しておりますし、関係当事者の皆さまのご意見を聴く機会というものも作っておりますので、様々な機会を通じて、この広報啓発に取り組んでいきたいなと思います。またこの広報啓発についても同じく県政世論調査の中で、どういう媒体で情報を県民の皆さんがご覧になっているのかということも一定明らかになりますので、こういったことも参考にしながら、この琵琶湖の保全再生法の取組について、どう知っていただくのかということに反映をしていきたいと思います。

[びわ湖放送]

率直にこの数字ご覧になって、このくらいしか知らないのか等、率直にどのように受け止めておられますか。

[知事]

そうですね、もっと多くの方が知っていただいて欲しかったなという思いはあります。ただ、皆が毎日、琵琶湖を眺めて暮らせているわけではなかったり、琵琶湖というものの存在や、また価値というものの認知の度合いというものの差がある現状からすれば、一定の数は取れているのかなとは思います。少し年代別にどうなのか、地域別にどうなのか、詳細なクロスの分析をして今後の対策を検討していきたいなと思います。

[時事通信]

先週知事は、高島の朽木の方に1週間ほど滞在されましたが、森林、林業の現状をご覧になって、今後、県としてそれについてどういうふうに取り組むお考えなのかお伺いできればと思います。

[知事]

朽木に6日間滞住をいたしました。大津、草津、大阪での公務との兼ね合いでしたので、十分朽木地域で時間を過ごせたかというとそうでは無かったのですが、限られた時間でありましたが、一生涯忘れることの出来ない体験が出来たと思います。琵琶湖の源流で山や土や木に触れる機会を作っていただいたり、その源流を守るために、様々な取組をされている方と意見交換をしたり、また室町時代に足利幕府が当時その地で執政を行われたという興聖寺で座禅を組ませていただく等々、私にとっては大変英気を得るそういう機会を作っていただきました。その中で今回主要課題でありましたのは、林業を成長産業にするための課題というものを探るということでございました。大変広大な林地面積でございますし、ある意味では、急峻な山、崖等々ですので作業の困難さ、価格が安定せず低落する中での経営の厳しさ、以て担い手の確保、こういったことも課題になりますし、獣害の対策ですね、これは鹿が木の皮を食べてしまうのみならず、熊が木の皮を剥いでしまう、そのことで立ち枯れをしてしまう、せっかくの木が立ち枯れをしてしまう、また良い木ほどやるそうですね。このヒノキ育てたいなという木ほど食べてしまう、齧ってしまうということがあって、そのことが林業者を悩ませているという実態も分かりました。また、山にもっと人の手と心、力が入るようにと私が申し上げたのですが、そもそもどっからどこまでが誰の林地境界なのかということが不明確で、代が代わり、多くの方が都市に出られてそのことも確認すらままならない、分からないが故に入れないという実態があることも分かりました。今、県でもこの水源林の確保、保全のための条例を制定し、林地の境界画定、明確化のための取組をしておりますが、更にこういった事業を活発化させていく必要があるのではないかということも感じました。こういった点が現時点考えているところでございます。

[滋賀報知新聞]

大戸川ダムについて19日に、意見聴取に対して回答ならびに要望されたわけですが、明日、近畿地方整備局で事業評価監視委員会を開催して、対応方針(原案)を諮られて、その後、整備局で対応方針(案)を決定して、国土交通省に上申して、その後、有識者会議を開催して決定されると。丹生ダムをみていましても、ほぼ1か月を切った、半月くらいですかね。ケースケースによりますが、1か月くらいで、継続なりの答申が出るということですが、こないだ出された19日の回答あるいは要望でいいのかですね、一部には継続なら継続、もっと鮮明に盛り込むべきだったという意見もあるように聞いているんですが、その辺の知事の改めてのお考えですね、もう舞台は移ったと、まな板の鯉でという考えなのか、まだきちっとした要望なり、必要性があるのか、その辺のお考えを伺いたい。

[知事]

私どもがこの検証過程、また示された案に出した意見は先日お示しをした、また私が申し上げた内容のとおりでございます。色んなご意見がございましたが、そういったご意見、またこれまでの経過、こういったものを踏まえて総合的に判断した結果でありますので、現時点その考えに変わりもなければ、その滋賀県の意見を踏まえて国が最終判断をされるということだと思います。ただこの治水政策、またこのダムという施設に絡む、関係する方々は大勢いらっしゃいますし、長年の水害被害等の経過から、様々なお声も寄せられていると思いますので、そういったものを真摯に受け賜りながら、同時にこういったものを国や上、中、下流府県と協力をしながら対策を講じていくという意味においては合意形成を積み重ねていくというこういった作業が必要ですから、丁寧に、しかし、しっかりと歩みを進めていけたら良いなと思っています。

[滋賀報知新聞]

今おっしゃった合意形成の積み重ねというのは具体的にはどういうことですか。

[知事]

様々な対策を講じていくためにはソフト、ハード両面、逃げ方をどうするのか、構造物をどう造っていくのかということに、例えば右岸と左岸の合意も必要であれば、上流と下流、また国、地方自治体それぞれの主体の合意形成ということが必要ですし、様々な水害の事例、雨の降り方等々みればですね、ハードの対策だけでは十分守りきれない命というものもあるわけですから、こういったことに向き合いながら、どうこの治水政策を進めていくのか、という意味で申し上げました。

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