平成28年12月27日
(県政記者クラブ主催)
おはようございます。今年も早いもので年末になりました。新潟県で大きな火災があり、被災された方にお見舞いを申し上げます。また、熊本県で鳥インフルエンザが発生したということでございまして、この会見の前に行われました県政経営会議におきまして、こういった火災、また事故、ならびに犯罪予防、抑止のために取り組もうということと同時に、ノロウィルスの患者さんがいらっしゃるということですし、家畜の伝染病対策も、今、重要ですので連絡体制を含め、緊張感を持って取り組むように指示したところでございます。
なお、交通事故につきましては、今年、交通事故による死者の数が、現時点において53人ということで、昭和29年以降、最も少ない数で推移しています。しかしながら、この年末年始、冬の時期で日が暮れるのも早く、危ない場所も多いので、引き続き県民の皆様方には、交通事故につきまして注意喚起を申しあげたいと思います。
さて、今日は、私からは6点の話題提供、また今月のイチオシとして野洲市の春菊のご紹介をさせていただきます。
それでは順次ご説明させていただきます。
県の各部局の3大ニュースを取りまとめさせていただきました。お手元に配布しておりますのでご覧いただければと存じます。それで、恒例になりました、今年の漢字は何だということですけれども、今年は「米」という漢字でございます。近江米「みずかがみ」「秋の詩」の特Aの評価。私が知事になってからもっともうれしいできごとでした。また、近江の地酒でもてなし、乾杯するということで、地酒振興から酒米の生産ということにもつながってきています。米国の大統領が広島に訪問され、また多くの方が驚いた米国の大統領選挙の結果もございました。その米。また、今年1年、北陸新幹線の米原ルートということで、たいへん多くの主張をさせていただいた、関係者の方々に提案をさせていただいた、要望をさせていただいた。残念ながら現時点で、私どもの主張する内容にはなっておりませんけれども、引き続き、米原、この新幹線駅の活用を含めてですね、また拠点とした高速鉄道のルート整備を含めてですね、取組を進めていきたいと考えているところでございます。来年もいい1年になるように頑張っていきたいと思います。
2点目は、学習船「うみのこ」について、新船建造のためのクラウドファンディングを実施しようというものでございます。
ご案内のとおり、学習船「うみのこ」には県内の小学生全員が乗船いたします。その前に「やまのこ」というものをやってから乗りますので、山から湖のつながりを実感できる。私は乗っていないんですけど、私の一つ下から始まってですね、残念なんですけれども、私の子も乗って、やっぱりこれに乗ると随分、琵琶湖に対する、水に対する考え方が変わる。また、「うみのこ乗ったよな、あるよな」ということがつながりにもなるという、そういう大変重要なものでございます。宿泊体験型の学習を行っていただいておりますし、ロープワークですとか、カッターですとか、プランクトンの顕微鏡での観察等々、大変有意義な機会だと考えています。
現在の「うみのこ」は、昭和58年に就航して、これまで約52万人の児童が乗船し、学習を行ってきました。長年、航海してきましたので老朽化もございますので、平成30年4月の就航に向けて、現在、新船の建造を進めています。滋賀県を代表するシンボルである「うみのこ」の新船建造にあたりまして、県民の皆様をはじめ、県外の方々とも一緒に新しい「うみのこ」をつくっていくという思いを込めて、クラウドファンディングを活用した寄附金の募集を行います。このクラウドファンディングは、滋賀県として初めての取組になります。募集期間は、来年1月4日から2月28日まで、目標額は1,000万円としています。なお、クラウドファンディングによらない、県へ直接申出をいただく方法による寄附金の受付も行います。お手元のチラシの裏面はそういったことを記載いただくものとなっています。
ぜひ「うみのこ」新船建造に、お力添えいただきますようによろしくお願い申し上げます。
3点目は、国立環境研究所琵琶湖分室(仮称)の設置に係る協定の締結についてでございます。
本年3月に決定された「政府関係機関移転基本方針」に基づいて進めてまいりました、国立環境研究所の琵琶湖分室の設置について、このほど、国立環境研究所、滋賀県、環境省の3者で「連携協力に関する協定」を締結することといたしました。締結式を行うことに合意しました。
唯一の国立の環境研究所でございまして、我が国の湖沼環境研究をリードする国立環境研究所の分室が滋賀県に設置されることは、大きな意義があると考えています。分室は、来年4月に大津市柳が崎にあります琵琶湖環境科学研究センターの2階に設置されます。広さはおよそ75平方メートルで、10名程度が常駐されるということでございます。締結式の開催については、記載のとおりでございます。来年2月17日に滋賀県公館において行います。
また、お手元の資料の2ページの「地方創生プロジェクトの概要」を記載していますのでご覧いただきたいと思います。この中で行います分科会を活用して研究成果を企業等に提供する、ある意味ではニーズとシーズのマッチングを行っていきたいと考えているところでございます。
続きまして、4点目は全国「みどりの愛護」のつどいの開催決定についてでございます。
都市公園条例の施行40周年という節目の年に当たる平成30年につどいを開催しようということで、今年の10月20日に、長浜市長と連名で国土交通大臣に開催申請を行いました。この度、12月22日付けで、国土交通大臣から平成30年度の第29回「みどりの愛護」のつどいの開催決定通知をいただきました。皇太子殿下もご臨席されるという行事でございまして、「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰、記念植樹等が予定されており、参加者は1,000人から1,500人を見込んでいます。長浜バイオ大学ドームにおいて式典を行う予定でございます。また、記念植樹は、琵琶湖湖岸緑地において行うことを予定しています。
続いて、JR草津線「SHINOBI-TRAIN(しのびとれいん)」についてでございます。
地方創生の一環で準備してきましたJR草津線の、忍者のラッピング列車「SHINOBI-TRAIN」のデザインがいよいよ決定し、お手元の資料にあります車両を走らせることとなりました。車両は113系という全面緑色の、主に草津線を走っている車両で4両編成になります。
海外でも人気のあるコンテンツ「忍者」を模した、デザインした車両でございまして、台湾で行いました旅行博でのキャンペーンにおいても、私のほうからPRさせていただきましたし、多くの方に投票もいただいたところでございます。投票をされた方々からも「早く乗りたい」ということでありますとか、「こっちの電車のデザインの方がいいんじゃないか」とか、いろんなご意見もいただいたところでございます。この車両は、通勤・通学に使用される電車でございまして、運行も毎日同じ時間に同じ場所を走るというものではございません。草津線だけではなくて京都駅にも停まっていたり、湖西線に入ったりもします。
資料の二つ目にありますとおり、定期列車としていつ運行するかは正式決定していないんですが、その前に、2月25日に1日だけ貸し切りで、走らせていただきます。行程は、行きは草津線沿線の魅力をバスで巡っていただいて、帰りは柘植駅から「SHINOBI-TRAIN」に乗って、車内でイベントを楽しんでいただくツアーで、旅行代金も2,220円、「ニンニンニンまる」と語呂あわせの金額で、1月10日から募集を開始するということでございます。
資料の3番目にございますが、地元のみなさんにご披露したいということで、沿線の小学生以下のみなさんに体験試乗会にご招待をしようということになりました。ぜひ、「SHINOBI-TRAIN」が草津線を走ることになったということ、地元のお子様を対象とした体験乗車を実施するということ、特別なツアーの募集が始まったということについて、皆様方の発信のご協力等いただければと存じます。
続きまして、米原での短期居住について、でございます。
知事になりましてから行っております、県内短期居住につきまして、来年は1月9日から13日までの5日間、伊吹山の麓、米原市の大久保に居住し、活動をさせていただくことになりました。知事になってから今回で6度目の短期居住体験となります。内容は記載のとおりでございますのでご覧をいただければと思います。
それでは、今月のイチオシということで、野洲市の春菊です。平成2年に、それまで束にして個人で出荷されていた春菊を、袋入りにして共同で販売するようになったことをきっかけに、知名度拡大とイメージの定着を図っていこうと、生産者のみなさんで「しゅんぎく娘」と名前を付けて販売されているということでございます。
ちょうど今がまさに旬でございまして、新鮮で若々しい、娘を育てて結婚するために家を出て行かれるような、そういうこともイメージされた気持ちで生産・出荷されているということだそうです。昭和50年ごろに、パイプハウスを利用したトマトやメロンなどの栽培が盛んになりまして、その収穫後の作物として栽培しやすく出荷時期も長い春菊の栽培が始まったということでございます。
伺いますと、「しゅんぎく娘」は、春菊のなかでも、中葉種の株張り型という種類で、茎がなく根元から葉っぱが出ているのが特徴だそうです。外から種を入れて植えるのではなく、代々この種を受け継いで作り継いでこられたということで、このやわらかい春菊を実現されているということだそうです。やわらかくて、甘くて、おいしくて、お肉と一緒に鍋で炊くのも大変好評だということでございますし、おひたしや炒め物、サラダなど幅広い用途でお使いいただける、白和えもおすすめだということです。11月下旬から2月一杯まで生産・出荷されているということで、今日は、生産に携わられる仲間のみなさんもお越しいただいておりますので、後ほどお聞きいただけばと存じます。
今日は、この「しゅんぎく娘」をちょっとつまんでいただきます。
(知事試食)
甘いですね。それから本当にやわらかい。茎からというか葉っぱからとてもやわらかい。うさぎみたいになってますが。これはおいしいですね。ありがとうございました。
私からは以上でございます。
[産経新聞]
各部局の3大ニュースを発表されたのですが、知事の中で一番印象に残っているニュースがあればお願いします。
[知事]
うれしかった出来事は、先ほど申し上げた近江米の特Aの評価ですね。これがうれしかったです。悲しかったのは本県のことではありませんでしたけれども関連することもございましたので、津久井やまゆり園で多くの方が死傷されたというあの事件が衝撃的な出来事でした。
石田三成のCMは、担当部局がチャレンジしていただいたテーマで多くのご好評をいただいた、そのことが米原市と彦根市、長浜市にゆかりの地めぐりで多くの方に来ていただいたという意味でも良い取組だったなと振り返っています。「近江の地酒でもてなし、その普及を促進する条例」は、地酒のPRから酒米の生産、器やおかずは、といったようなことで広がってきているという意味で、期待、可能性が持てるそういう取組が印象に残っています。
[産経新聞]
来年、琵琶湖周航の歌ができて100周年になるんですけれども、知事として、県として何か来年やっていきたいことがあるかということと、知事の中で琵琶湖周航の歌に関して、何か思い出とか、特に思い入れのある歌詞があればお願いします。
[知事]
琵琶湖はやっぱり私たちにとって特別な存在です。真ん中にどんとありますし、先週末、県内各地を3日間で約800キロ回って、朝に夕に琵琶湖を眺める、そういう日々を過ごしましたが、改めてその雄大さに感じ入ることしきりですし、このことを話すと、語ると皆が一つになれる、一緒にやろうということが作りやすい、そういう存在だなと感じながら巡っていました。
折しも、その琵琶湖再生保全の計画づくりをやっていて、いよいよ来年度、守るということと、守るために活かすということ、その取組を具体展開していく年になってきますので、さまざまな取組を充実させていきたいと思っています。
とりわけ、琵琶湖周航の歌は滋賀県民の歌などと並べられて、いやそれよりも長きにわたり、多世代にわたり歌いつがれてきた歌だと思います。この琵琶湖周航の歌が作られて100年の節目を迎える来年ですので、例えば、加藤登紀子さんのコンサートを6月30日に予定していただいている。また歌詞の碑をつくろうじゃないかという動きもあるようですので、日本遺産にも認定された琵琶湖水辺の景観ですので、琵琶湖周航の歌と絡めてさまざまなイベントや取組が展開できたらなと思っています。
ぜひ、そういう取組を来年度と言わず今年度から行っていこうじゃないかと関係部局に指示をさせていただいているところです。もちろん行政だけではなくて民間の方、例えば、ボート部の方だとか、協会の方とか、いろんな方々と幅広い取組ができたらなと思っています。
私の思いがある歌詞は、どうですかね。私がこの琵琶湖周航の歌をよく歌ったのは湖国寮の時ですね。ふるさとを離れた時に、琵琶湖を眺めながら歌うのもいいんですけど、離れた時に琵琶湖を思い浮かべながら歌う歌として、私の体の中に入ってきたのは湖国寮で寮生と肩組みながら歌った琵琶湖周航の歌がとても残っていますので、特定の歌詞というよりも思い出として残っています。
[京都新聞]
北陸新幹線は小浜京都ルートに決まったわけなんですけど、先日の関西広域連合でも費用負担の面でお話があったと思うんですけど、改めて関西広域連合として北陸新幹線の敦賀以西の費用負担の在り方について、どうあるべきだとお考えでしょうか。
[知事]
北陸新幹線の費用負担の在り方。もちろん整備新幹線ですので法律に基づいた負担のありようというのが決められています。国と地方の関係があるんだと思います。
それで私どもは関西広域連合としてかねてから早く効果が発現できるように、また財政のことを考えて、より低廉に整備できるように米原ルートを前提に米原につなげるべきではないか、関連付随する問題については、並行在来線のこと、例えば、費用負担などについては関西全体で乗り越えていくんだということを申し上げてまいりました。そのことは国の法律に基づくこととある意味異なる、こういう経過がございます。その後政府与党においても検討が進められ、JRの意向も新たに示されてきて、与党において一定方向性が決められたということで、ある意味これまで関西広域連合で前提としてきたこととは異なる内容で決まってまいりましたので、その費用負担の在り方についてもさまざま議論しなければいけないと思います。
基本は法律に基づくことが現時点では前提になるでしょうけど、この間、関西広域連合として訴えてきたこと、本県として申し上げてきたこと、決定等によって変わってきたことを考え合わせて議論していく必要があると思います。
費用負担ということでいうと、整備財源をどうするかということもありますけれども、並行在来線のことも含めてこれまでとある意味異なる要素を持った事々もありますので、こういったことをどう整理するのかということでありますとか、ある自治体からはそもそも国と地方の負担の在り方を見直すべきだという趣旨のご提起もありますので、こういったことも受けて今後どう対応していくのかということを議論していきたいと思います。
[京都新聞]
湖西線の経営分離も問題になってくるかと思うのですが、かねてから知事も認められないという話をされていると思います。経営分離の対象にさせない、在来線として残していくため県としてどんな取組ができるのか、またしていきたいと考えておられますか。
[知事]
北陸新幹線敦賀以西ルートを議論する際に、いかなるルートになったとしても、本県を通るJRの在来線の経営分離は認められない。引き続きJRで経営されたしということを申し上げてきました。この考えは変わりません。今般、本県を通らない小浜・京都ルートが最もいいのではないかという方向づけが決定されたということであれば本県を新幹線が通らないということでありますので、これまで並行在来線として経営分離されてきた線区は全て新幹線が通る県と同じ県内でありましたので、これまでの前例と照らし合わせても当てはまらない。よって本県の在来線がそもそも並行在来線になることはありえないというのが前提であります。
しかしながら検討対象線区になる可能性があるとすれば、今申し上げたようなことをしっかり主張すると同時に、JRとの関係においても、国との関係においても多くの方々が利用されているこの湖西線をはじめとする在来線の経営分離が行われないようあらゆる機会を通じて申し上げていきたいし、関西広域連合で決定後初めてのコメントを出す際にこのことをある意味では明記していただくと同時に、明記されていない事柄等についても確認させていただいたところです。さまざまな機会を通じて並行在来線とならないよう、経営分離されないよう取組を進めていきたいと思います。
[NHK]
国立環境研究所が来るということで、これに対する期待といいますか、どういう点で何をしてほしいか、何を進めたいとお考えでしょうか。
[知事]
国の機関の地方への移転で、本県らしい施設が本県のやってきたこと、やろうとしていることと合う、相乗効果のある組織、機関の分室が滋賀県にできるということで、大変期待をしています。本県も琵琶湖をもとにさまざまな水質でありますとか、生態系の調査をやってきましたが、国でやってこられたこと、世界の知見とも照らし合わせることができますので、私は琵琶湖をはじめとする湖沼を守る、実態に迫る対策を講じていく一歩を記していける分室なり、研究にしたいと考えているところです。
ぜひ、例えば、大学ですとか、企業ですとか、私どもはウォーターバレーを作るんだという構想も持って、関係する企業や研究所等々の集積、または連携を強化することも目指していますので、ここともしっかりとつないで未来や世界につながる研究を積み上げていきたいと思います。
[時事通信]
北陸新幹線の件ですが、着工5条件というのがありまして、並行在来線については地元同意が必要というのがあります。一方で早期着工というところもみなさん求められているかと思うんですけど、どういうふうに調整を図っていかれるのか、何かお考えがありましたらお聞かせください。
[知事]
やはり高速鉄道ネットワークはつながってこそ効果は大きくなる、効果が発揮される指向が大きくなると思いますし、つながるなら遅いより早いほうがいい。これは私の持論です。いよいよネットワークとしてつなぐという際に北陸新幹線敦賀以西についても早期に着工し、早期に完成させることは大変重要なことで、私たちも求めてきました。もちろんこれは財源を見越してのことなんですけど、2031年着工が想定されている。これでは遅いんではないか、もっと早く着工すべきと申し上げてきました。この条件に合う、条件が変わらなければ、当然クリアしないということですので、条件に照らし合わせた、条件に合わないことはできるだけ省いたり、早期に乗り越えるのが必要だと思います。
その際に申し上げていますのは並行在来線についても、そもそも新幹線が通らない自治体の線区がもし仮に並行在来線になるということになれば、早く整備してほしいということのマイナスになるだけですから。私どもは経営分離に同意できませんのでね。したがってそういう観点からも、早く整備するという観点からもそもそも新幹線の通らない県の在来線については並行在来線にも該当しないという、そういう条件とすべきだという主張を関西広域連合でもさせていただいたところです。
そういう観点に立った要望をこれからも国に対して行っていきたいと思います。
[時事通信]
直接は関係ないかもしれないんですけど、九州新幹線のほうで並行在来線について、ケースは違うと思うんですけど、JRが20年は経営することになっているんですが、それは別の話という誤認識でしょうか。
[知事]
それぞれの地域には地域の事情があるし、会社には会社の事情があると思います。それがあるからこちらがどうということは私は考えていません。何はさておき新幹線が通らない在来線が並行在来線になるという理屈は通らないのではないかと思いますので、そういったことをきちんと確認して、主張していくということだと思います。
[朝日新聞]
費用負担の話ですが、さまざまな議論を今後関西広域連合でしていくべきではないかということでしたが、今の滋賀のスタンスは先ほど来、通らない県という言葉が出ていますが、知事としては通らないのであるならば払う必要はないというような考えなんでしょうか。
[知事]
法律上も払う必要はありません。そして関連するさまざまな課題については関西全体で乗り越えていこう。その一つに費用の分担というのがございましたが、米原ルートを前提に考えてきたスキームでありましたし、それをこの決定を受けてどう取り扱っていくのかということは議論をしなければいけないということだと思います。
[読売新聞]
どう取り扱っていくのかを議論しなくてはいけないというこのスタンスですが、知事のお考えとしては、その必要は無いというお考えなのか、先日の与党の時にも受益に応じて考えるというような趣旨の御発言もあったと思うのですが、受益がそもそも有るのか無いのかというようなことについてのお考えもお伺いできればと思うのですが。
[知事]
繰り返しになりますけれども、今の法律に基づいて言えば通りませんので、通らない県が負担する理屈はありません。しかし関西広域連合で早く通していくために、早く関西に繋いでいくために、その早く通すための課題というのは、関西全体で解決なり克服をしますよと言ってきました。それは早く繋ぐ米原ルートを前提に議論をしてきたし、要請もしてきた。でもその議論の前提が変わりましたので、この私たちが言ってきたことを新たに決められたルートに照らしてどう取り扱うのかということについては議論が必要だと思います。その際に、先程来申し上げておりますように、早く作るといっても財源が今ない。その財源を生み出すために、国で新たに積むのか、地方が負担するのか、貸付料のルールを変えるのか、様々な可能性があると思います。国と地方の負担割合を変えるという議論もございます。そういうことも当然テーブルに、私たちは早く作ろう、完成させようと言っているわけですから、その財源を生み出すための方策として、当然議論のテーブルに出されるでしょうし、その際にどう地方自治体で分担するのっていう中に、その一つの切り口として、受益を受ける自治体は負担の理屈が立つかもしれないですよねっていう、その受益が出てくる。でもその受益の捉え方も、単に工事をやる効果もあれば時間短縮効果もあれば、更には観光誘発などの効果もある。それが受益ですねという、その合意形成も必要でしょうし、その受益の項目の数値がどう出るのかっていうこういう議論も必要になってくると思いますので、現時点で何が受益かっていうのは難しいかと思いますが、いずれにしろ深い議論をする際にはですね、一つの私は指標になるのだろうなと考えています。
[読売新聞]
その受益の考え方が決まっていないということで、滋賀県として有るや無しやという知事の現時点のお考えはどうですか
[知事]
現時点で言うと法律上の根拠はありませんので、本県を通らない新幹線を整備する費用負担を本県が行う理屈は無い、というのが私の考えになります。
[産経新聞]
北陸新幹線の件で、先日の関西広域連合では費用負担に関して、三日月知事とは違って、京都府の山田知事の方はですね、関西全体でというようなお考えをおっしゃっていたかと思うのですけれども、それで井戸知事もどちらかと言うと山田知事寄りの発言をされていたような気がするのですけれども、今後知事は、どのようにその辺り折り合いを付けていくのか、目指すべき着地点とかどのように考えておられるのでしょうか。
[知事]
よく議論したいと思います。どこが一緒でどこが違うのか。違いがあるとすればそれをどう乗り越えるのか、よく議論したいと思います。京都府の山田知事なんかも舞鶴ルートっておっしゃっていたところが、小浜・京都ルートになってきましたし、関西広域連合としては、米原ルートと言っていたけれども、小浜・京都ルートになってきましたし、政府は2031年着工と言っているけれども、もっと早く着工すべきだと一方で関西は言っていますし、そういうものを総合的に考えながら、これまで言ってきたこと、これからやらなければいけないこと、それぞれの自治体にはそれぞれの自治体の、やはり議会があり、県民、府民がいらっしゃるわけですから、その方々に対する説明責任をどう果たしていくのかという、そういう観点も必要ですので、ぜひそれらのことを総合的に考えてよく議論したいと思います。
[京都新聞]
冒頭に触れていただいた鳥インフルですけれども、隣接府県で出たりしているという中で、琵琶湖を抱えている滋賀としては非常に懸念されるところなんですけれども、今もしお聞きになっている範囲で、具体的にこんな状況でこう調査しているとか、なんかそういうものってありますでしょうか。
[知事]
先般、発生が報じられて以降ですね、担当部局、また養鶏の関係者、とにかく今までやってきた対策をしっかりと講じるとともに、飼っていらっしゃる鳥等に異変があった場合には速やかに連絡をし、必要な処置を講ずるようにということの徹底を図っているところです。滋賀県の場合、おっしゃたように養鶏業者の方のみならず、渡り鳥もこの時期たくさん飛来をしていまして、全てを調査したり、全てに網をかけるというとうことが出来ない特性故に大変心配をしています。
従って、そういう対策がとれる関係者は対策を徹底すると同時に、そういう目で見て異変に気付いた場合は、早急に対応できるようにしておこうというのが、まず、第一ですし、現時点ではやはりそれしかないのかなという中で、よく他府県発生事例の情報なども集めながら、準備をしておきたいと思います。
[京都新聞]
たぶん野鳥のことなでの、どこかで死んでいたりすると思うのですが、例えば具体的にたぶんあると思うのですが、死んでいるぞということで県に届け出があったりですね、調べておられると思うのですけれども、その件数とか無いですか。
[知事]
すいません、現時点そういう情報を私持っていません。今おっしゃったように、鳥が死んでいる場合も触らずに連絡をしていただいて、そして市にあった場合も県にあった場合も対応できるように今体制をとっていますので、また担当部局の方から今現時点でどれくらの件数が連絡報告されているのかということについては、お答えをさせていただきたいと思います。
[京都新聞]
間もなく2016年が終わるわけですけれども、来年の県政の課題についてと、また、それにどのように対応していこうかということをお聞かせくさだい。
[知事]
私自身は3年目に入っていますし、ある意味では折り返し地点を過ぎてですね、基本構想に書いてあること、また、地方創生の総合戦略で記したことを着実に実現実行して、その成果、結果を出していく、そういう1年になるということで、気を引き締めています。
同時に、酉年だからっていうことでは無いのですけれども、少し物事を俯瞰鳥観しながらですね、その先にある例えば2020年、そして2025年、2040年、こういった時代を展望しながらですね、今からやっておくべきことを、しっかりとこの一歩を作っていくということが必要だと思っていまして、その意味で言うと、一つは琵琶湖、琵琶湖の施策ですね。守るということと守るために活かすための取組。そして、健康ということは大変多くの方が関心を持たれている。老いや病とどう付き合っていくのか、死というものをどう捉えていくのか、そこから共に生きるということをどれだけ充実させていけるのかという取組。関連いたしますけれども、交通。これは何も北陸新幹線のことだけではなくて、日常使われる公共交通にも大変不安を持たれている、ご自身で運転することにも戸惑いなり不安をもたれている方が多い。しかし一方で、公共交通、バス等々も充実していない、何とかしなければということを思われている方も多いので、こういった取組をしっかりと充実させていく。何と言いましても国体・全国障害者スポーツ大会に向けてはですね、丁度折しも東京オリパラですとか、また関西ワールドマスターズゲームズだとか、スポーツのビックイベントが続くイヤーがいよいよ間近に迫ってきましたので、そういったことも展望しながら、来年は色んな計画を実際に作ったり、いよいよ予算を付けて事業を展開していくそういう年にもなってこようかと思いますので、そういったことに対する多くの方々のご理解、「よし、せっかくの機会だから一緒にやろう」というそういう機運の醸成ですね、そういったことが、また大事な年になるのではないかなと思っております。
[JA近江富士]
知事が思う「しゅんぎく娘」の他の野菜、他の春菊にはない魅力、もしくは強みなんか、もしあれば教えていただけないかなと思います。
[知事]
私自身も改めて食べて、その美味しさを、もちろん野洲の琵琶湖岸の大地で作られた非常に豊富な栄養分を吸収したその美味しさと同時に、「しゅんぎく娘」、まさに娘のように大事に育てられたという、そういう気持ちのこもった産品だなあと思います。従って、深い味と同時に甘い、なんとも言えない私も娘がいますので、なんか娘のことを想像しながら、いただいたんですけれども、なんとなく言葉で表現し難いのですけど、そんな甘い深い野菜のような印象を受けました。これから冬の時期ですので、ご家族揃って食べられる、鍋をつつかれることも多いので、そんな時にぴったりのそういう野菜じゃないかなと思います。
[NHK]
みどりの愛護のつどいですが、これに対しての期待というか、こういう回にしたいというか、これが来ることについての喜びとか、そういったお気持ちをお聞かせください。
[知事]
色々関係者等からもお話もあって、準備をして申請をして決定いただいたということです。琵琶湖を守るためには、まさに、その周りの緑、また山々の緑も含めてですね、どう守っていくのか育てていくのということが大事な視点になりますので、そういったこととの整合もとれる、また色んな施策を前進させることの出来るそういうイベントになると思いますし、是非そういう取り組みにしたいと思います。
また冒頭紹介しましたように、全国的には第29回でありますが、行われるのが平成30年ということで、本県の都市公園条例制定40年の節目にもなりますので、そういった都市公園をより良くしていくためのきっかけにもしていきたいと思ってですね、このつどいも大いに期待をしています。ただ、やることは沢山だし、頑張らなあかんなとそういう気をもって受けたところです。