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知事定例記者会見(2016年11月2日)

平成28年11月2日
(県政記者クラブ主催)

俳句湖も木も 染めし気を得る 新酒かなを発表する様子

おはようございます。11月にもなりますと、随分、気が冷たくなりますよね。11月の句でございます。「湖も木も 染めし気を得る 新酒かな」です。ちょうど新しいお酒を造る時期だそうでございまして、このぐっと冷える気というのが、新酒には大事だと伺ったことがありまして、近江の地酒もおいしいものが出来上がるのを楽しみにしているところでございます。

私からは話題提供を3件させていただきます。

まず1点目は、新生美術館県民フォーラムの開催についてでございます。現在、新生美術館の整備を進めておりますが、これは琵琶湖文化館の機能を引き継いで、新たに仏教美術等についても、収蔵・展示の柱にすることとさせていただいておりまして、これら「神と仏の美」に代表されます、滋賀の美の特徴や大切さについて、改めて県民の皆さんに知っていただくとともに、その魅力を守り、凝縮して発信する拠点をめざす、新生美術館の可能性について考えるフォーラムを、11月23日(水曜・祝日)に開催することになりました。

当日の第1部では、資料に記載のとおり特別講演といたしまして、滝田栄さんにお話をいただきます。滝田さんは俳優として、テレビでご活躍されてきましたが、近年は仏像制作に取り組んでおられるということでございまして、その中で滋賀県の仏様にも魅せられ、県内各地の寺社を訪ね歩いておられるとお聞きしております。

今回の御講演では、ご自身の御経験を基に、滋賀の仏教美術、そしてそれを育んできた風土や文化の魅力について、お話を頂けるものと期待させていただいています。

また、第2部では、新生美術館の設計者であるSANAA(サナア)事務所の妹島和世さん、西沢立衛さんから、設計の概要についてお話しいただきます。

さらに、第3部では、成安造形大学 学長の岡田修二先生、比叡山延暦寺 執行であられます小堀光實さん、SANAAのお二人、そして私も登壇させていただいて、ジャーナリストの佐藤千晴さんのコーディネートのもと、「美の滋賀を未来につなぎ、世界に開く」新生美術館を全体テーマといたしました、議論をさせていただきたいと考えております。

ぜひ、多くの皆さんにご来場いただければと存じます。

また、現在、近代美術館では、新生美術館の開館に向け、これからの美術館の目指す姿を皆さんにお示しする取組の一つといたしまして、琵琶湖文化館の収蔵品を中心に、滋賀の仏教美術や神道美術の名宝が勢ぞろいした展覧会、「つながる美・引き継ぐ心」展を11月23日まで開催しております。私も鑑賞させていただきましたけれども、たいへん深い内容の展示になっております。

県では、新生美術館を「美の滋賀」の入り口と位置づけておりまして、この展覧会を通して多くの皆さんに滋賀の素晴らしい文化財に触れていただき、県内各地を実際に訪れるきっかけとしていただければと思います。

このため、展覧会開催期間中に近代美術館と県内各地の社寺を巡るバスツアーを4回企画させていただきます。また、11月23日のフォーラム当日にも近代美術館から園城寺(三井寺)を巡って、フォーラム会場に来ていただけるバスツアーを実施することとしておりますので、是非、ご参加いただきたいと思います。

2点目は、「第3回滋賀クリエイティブフェア」の開催についてでございます。今日は、私のとなりに、フェアの共催者であります、滋賀クリエイターズ協会の実行メンバーの有志の方にもお越しいただいております。

このフェアは、クリエイティブ産業と異業種の連携・交流によって新たなビジネスを生み出すきっかけとするために、本格的なクリエイティブ産業の展示会として開催するものです。今回で3回目ということです。このフェアで取り上げるクリエイティブ産業とは、映像、デザイン、イラスト、ファッション、工芸品など、「モノづくり、表現、感性」などがうまく活かされ、国際的にも通用し成長が見込める産業であります。クリエイティブな発想や技術はクリエイティブ産業だけでなく、モノづくりや観光、サービス業など様々な産業と連携し、ある意味では行政もですねこういった視点を持って取り組むことが必要であると思いますし、その可能性を広げる意味でも期待されている分野でございます。

フェアの内容でございますが、開催日時は11月14日(月曜日)、10時から17時までです。今回は、草津駅前の「ホテルボストンプラザ草津」で開催いたします。メインの展示会場では、クリエイティブ企業や個人のクリエイターの皆さんがブースを構えられて、映像やイラスト、デザインなどの活用を提案していただきます。あわせまして特別企画といたしまして、VR(バーチャルリアリティ)・映像コーナーを設置いただくということでございまして、VR元年と言われる今年、最新の技術に触れていただいて、医療や建設・不動産、観光、芸術やファッション・ブライダル等多様な分野と親和性の高いこの技術について、様々なビジネスでの可能性をぜひご検討いただきたいと思います。滋賀県内で初めて展示されるVRディスプレイ機器もあるということでございます。

また、クリエイティブ産業を活用したビジネス展開の参考としていただくためのセミナーを開催いたします。今回は「ソーシャルメディア運用とクリエイティブ~ソーシャルメディアの運用事例と効果的運用方法~」と題しまして、Facebook、Twitter、LINE、YouTube、Instagramなどのソーシャルメディアの効果的な活用方法について、株式会社フルスピード ソーシャルメディアマーケティング部 部長米村一精さんからお話いただきます。目標とする顧客に対して、どの様にすれば効果的に自社の魅力を届け、ビジネスにつなげていけるのか、新しい広報媒体としても急激に拡大しているこの分野について、ぜひ参考にしていただきたいと存じます。

併せまして、フェアに先立って一般から募集しました『「滋賀を感じる」インスタグラムコンテスト』の投稿作品をこの場でご紹介し、講師の方から講評いただくとともに、各賞受賞者を発表いたします。知らなかった滋賀の美しい風景でありますとか、滋賀から浮かぶイメージなど、ぜひご覧いただきたいと思います。

会場内では、今回のフェアの企画、運営に携わった、滋賀クリエイターズ協会の会員の皆様が、滋賀にゆかりのあるものを独自の発想で作品にされ、社会貢献や地域活性化、今後のビジネス展開につなげていくことを目指す取組として「「ビワイチ」勝手にPRポスターアワード」も開催されます。おととしが「鮒ずし」で去年が「日本遺産」で、今年が「ビワイチ」ということです。会場に作品を展示いたしまして、来場された皆さんの投票でグランプリを決めていただきます。「ビワイチ」がクリエイターの力でどれだけ魅力的にPRされるか、ぜひお越しいただき、実物をご覧の上投票していただければと存じます。

この会場において「ココクール マザーレイク・セレクション2016」授与式も開催いたします。本年5月から6月に募集を行いまして、210件の応募の中から、滋賀らしい上質な商品やサービスを選定させていただきました。選定結果はこの場で初めてのお披露目になりますので、ぜひお越しいただいて、今年のセレクションをご堪能いただければと存じます。

その他にも、フェア終了後には、参加者同士のコミュニケーションやビジネスマッチングを目的とした交流会を開催するなど、一日中盛りだくさんの内容となっております。

このフェアをきっかけに、滋賀の産業をますます活性化させていきたいと思います。クリエイティブな発想を生むきっかけにしていただければと存じます。今日は、先ほどもご紹介申し上げたように、滋賀クリエイターズ協会の実行メンバーのお一人でいらっしゃいます、コランドウの木村守正さんにお越しいただいておりますので、今回のフェアにかける意気込みなどをお話しいただければと思います。

(クリエイターズ協会木村さん)

ご紹介のありました、コランドウの木村と申します。僕自身も広告と建築のデザインをしておりまして、フェアの第1回目から参加しております。このフェアをきっかけに新しいビジネスに関わらせていただいて、やはり参加してよかったなと。年々協会員も増えてきてまして、今年は協会員22名を超えて、参加者も30名近い参加者がいます。県内の中小企業の注目も集まっていまして、事前のビジネスマッチング会を商工政策課が主催してくれたんですけど、20社近い中小企業さんとお話ができて、現在もクリエイター各々と中小企業さんとのプロジェクトが進んでいます。1年に1回の発表の場ということで、滋賀クリエイティブフェアというものを毎年11月に行っております。

今年のフェアの魅力は、やはりなんといっても魅力的なクリエイターが30名近く揃っていて、知事もおっしゃられたように、VRを使った展示を5社ぐらいがやります。それも一つの見どころになります。そして、クリエイティブのプレゼント企画というものもありまして、各クリエイターが来られた中小企業さんにプレゼントできるものをご用意しております。実際に来ていただいて話してもらうのが一番よくて、話したらまた発想が湧いてきて新しいビジネスにつながっていきますので、ぜひご来場お願いします。

今年は、イチオシのクリエイターがいまして、ポスターもこのビジュアルがあるんですけど、これがなんなのか説明してもらいます。

(クリエイターズ協会高杉さん)

彦根市でデザイン事務所をしております高杉と申します。第1回目の勝手にPRポスターのときに、最優秀賞をいただいたきっかけで、琵琶湖の寒天の写真を使って、これはCGではなく、実際に3Dプリンターで琵琶湖の形の型を作りまして、そこに寒天を流し込んで、お皿に移して撮影をして製作しています。滋賀のクリエイターと企業様とでより魅力的なものを作れるようなというイメージで今回デザインしました。

(クリエイターズ協会木村さん)

このように発想を変えるだけで、新しい販路が広がるんじゃないか、商品が出るんじゃないか、寒天もこうなるし、羊羹もこうなるかもしれません。3Dプリンターというのは、モノを作るいろんな可能性がありますから、このフェアに来ていただいたら、こういう発想がたくさん発表できると思いますのでよろしくお願いします。

ありがとうございました。ご質問等は後ほどしていただければと思います。

3点目はですね、琵琶湖産真珠と「スーザン・ロックフェラー」ジュエリーについてでございます。

なんだこれは、と思われるかもしれませんが、琵琶湖産真珠と、海洋環境保護活動に取り組んでいらっしゃいます、米国ジュエリー・ブランド「スーザン・ロックフェラー」とのコラボレーションが実現いたしまして、「琵琶湖産真珠を使ったネックレス」が販売されることとなりました。「スーザン・ロックフェラー」ジュエリーは、ロックフェラー財団会長夫人が代表を務められるジュエリー・ブランドでありまして、収益の一部が、海洋環境保護活動に使われているということでございます。世界的に有名なロックフェラー夫人の手がけられるジュエリー・ブランドと、琵琶湖産真珠とのコラボレーションによってですね、全国、そして、世界に向けて琵琶湖産真珠とこれを育む琵琶湖、そして、滋賀県の魅力を発信していきたいと考えています。

このコラボレーション商品の発表は、11月9日に東京で開催されますロックフェラー会長ご夫妻主催のレセプション・パーティー内で行われるということでございまして、県からは池永副知事が出席させていただきます。また、このレセプション・パーティーでは、なんと近江の地酒で乾杯が行われ、近江の地酒や滋賀県産ワインをご賞味いただくと。琵琶湖産真珠と併せて、地酒やワインの魅力もたっぷりPRさせていただく予定でございます。

コラボレーション商品の詳細は、当日、発表いたしますので、ぜひ取材にお越しいただければと存じます。

私からは以上でございます。

[朝日新聞]

琵琶湖産真珠のロックフェラーブランドとのコラボレーション商品ということですが、ロックフェラー側がこの琵琶湖真珠を知るきっかけになったのはどういうことでしょうか。

[知事]

これは伺いますと、「滋賀・びわ湖+DESIGNプロジェクト」、これは「MUSUBU SHIGA」、あの山の形をした、そのプロジェクトと、あと「ビワパールまるごとブランディング事業」というもので発信を続けていた、この素材の1つに琵琶湖産真珠がありました。この情報がスーザン・ロックフェラー関係者のもとに届いて、今回のコラボレーション商品の開発につながったと聞いております。

[朝日新聞]

ちなみにどういったところを評価されたのですか。

【事務局】

スーザン・ロックフェラージュエリーにつきましては海洋保護を重視されているブランドでして、琵琶湖産真珠が、琵琶湖の環境保全とともに歩んできたということで、そういう想いが合致したということで、今回採用いただけることになったと聞いております。

[朝日新聞]

先程お話のあったクリエイティブフェアなんですけれども、今回で3回目ということなんですけれども、これまでにこのビジネスマッチングも行われているということだったんですけれども、これまでに何か新しい出会いによって商品が出来たというような事例はあるんですか。

【クリエイターズ協会】

草津のお茶屋さんとコラボレーションした大福茶というのを今年の近江神宮で、あと大津の観光協会さんとコラボレーションして台湾の観光客向けのイベントをしたり、あとお菓子協会さんとコラボレーションの例がありまして、土山のサービスエリアをターゲットにお菓子を作るプロジェクトもしています。

[朝日新聞]

日曜日に原子力防災の訓練が高島であったんですが、終えられてみて、何日か経った中で、何かこういう課題があったとか整理されていることがもしあれば、改めてこんな課題があったと、終わってみて感じるところがあればお話しいただければと思います。

[知事]

事業総括は担当部局にて詳細取りまとめをしているところですけれども、私自身も全ての行程ではないにしろ、後半、現場および講演会に立ち会わせていただいてですね、あれだけの人数のスクリーニングにもあれだけの時間がかかるのだなあと、意外にお1人お1人のスクリーニングに時間がかかるということを実感しましたし、そして空間として汚染の可能性のある方と、調べた結果大丈夫な方と、更に詳細な対処が必要な方の空間的な分離ということの、それらを準備したり、徹底することの難しさというものを現場で感じました。

ただ一方、その後の講演会でこの放射性物質、放射能というものの特徴であるとか、あと、どう避難しなければならないのかということの一部の説明があり、このことに対する分かり易さというか、分かって良かったということもございましたので、やはりこういう訓練を積み重ねて、私たちの行動に繋がる知識を上げていくことの必要性と有効性というものも現場で住民の皆様方の得心される表情を確認しながら感じることができましたので、ぜひこういう機会は大事に作っていきたいと思いました。

[朝日新聞]

訓練に遡って何日か前に、原子力防災専門会議の方々が、高島に実際に行かれて、屋内退避の件でかなり問題点を指摘されていたんですけれども、それは福井であったときに原発の直近の人達が自分の家の目の前を逃げて行くときに、果たして家に留まっていられるのかといったら、なかなかそれを目の当たりにして、もし実際あった時に自分が行動しないで留まっていられるのかといえば、なかなか難しいのかと、やはり現場を見るにつき実感するところがあったんですけれども、そういったところ予めのリスクコミュニケーションというか、例えば集落の中心メンバーに対して、こういう時には逃げてこういう時には逃げないといったそういう訓練というのを、原発の訓練の時とかに併せてやっていくというのも1つ、そういうものを積み重ねていくということも重要なのではないかとおっしゃっていたんですが、今回、屋内退避といった訓練もあったんですが、そういうのは念頭に置いてなんですか。

[知事]

災害発生時はですね、全てが想定外でしょうし、想定内が100%というのはほぼあり得ないと思っておりますし、同じことは二度と起こらないということからすると、今もご質問の中にもありましたように色んなことを想定し、対処できるように準備しておくということが必要だと思います。実際、今回の訓練後の講演会で、福井県からたくさん移動してこられる、避難してこられる、この方々の汚染状況をきちんと把握して対処して欲しいといった趣旨の質問・ご指摘もございましたので、実際、もちろん場所によっても、そして気流の流れによっても、線量というのは変わってきますので、それらをやっぱりきちんとお知らせしてですね、その距離に合った、その状況に合った行動をとっていただくということだと思いますし、同時に私どもが国にも指摘させていただいているように、もし仮に熊本のように断層が連続して動く場合、余震等が本震も含めて長く続く場合ですね、屋内に退避するということが、本当に出来るのかどうか、今回の説明の中では、エアコンや換気扇も使わないでといった時に、果たして数日間、夏季に屋内でエアコンを付けない状態で留まることができるのかといった、その目の前を避難される方がいらっしゃるというこの状態がですね、よくよく僕らももっともっと創造力を働かせながら、書いていること、言っていることが現実的に可能なのかどうかという検証をしていく必要があると思います。だからそういう意味でもそういった訓練を住民の方々含めて、行っていくということは重要だと思いますので、そういう視点も入れ込みながら実際の防災能力を高めていきたいと思います。

[京都新聞]

超過勤務問題ですが、昨今話題になっております県でも1000時間を超える方が20人を超えてらっしゃるということもあって、先般の決算の総括の場でも知事も強い気持ちでとおっしゃっていましたが、具体的にどうするのか、県は旗振り役でもありますので、もう少し県としての強い取り組みはどんなものがあるのか教えてもらえますでしょうか。

[知事]

記事でも報じていただいたような、そういう実態がございます。昨年度20人もの職員が年間1000時間以上の時間外勤務を行っているということでございます。例えば2か月以上、1か月あたり概ね80時間を超える時間外労働を認められれば、脳血管疾患であるとか、虚血性心疾患等の認定基準を超えてしまうということからしてもですね、こういう実態というのは、私は憂慮すべき事態だと思います。そのことを受けて、議会でもご指摘をいただきました。現在ですね今年度時間外勤務縮減の取り組みということで、従来の取り組みに加えて、特に長時間勤務者、これは勤務職場にもよるのかもしれませんし、時期にもよるのかもしれませんが、こういったところに縮減を求めることに重点を置いた新たな取り組みをさせていただいております。具体的にはまず若干事後的ですが、部局長や所属長に対してですね、長時間勤務を行った職員によりきめ細やかなケアを、どうしても仕事上長く勤務してしまわなければならない、そういう事情があるのならば、その後のケアを行うということでございますし、2ヶ月連続長時間労働を行った職員に対しては、各所属から改善策などの対応状況、これを人事課に報告していただくことにしています。8月24日、31日、9月7日の定時退庁日、これは地方機関を含む全所属で時間外勤務命令の人事課への事前報告を実施しまして、そのうち8月31日については、一斉消灯、全て電気を消す日としたということでございます。所属単位での定時退庁実施率、これはちなみに8月24日は94.1%、9月7日は95.2%、一斉消灯を実施した8月31日は96.9%ということでございます。今年度はそういう取り組みをしていますが、実際1人あたりの時間数、9月末現在で、対前年度比5.1%の増となってしまっている、こういう実態がございます。従って働き方改革、イクボス宣言を行って働き方改革をやっているにも関わらず、こういう実態がございますので、少しこの後期も含めより力を入れたこの時間外勤務縮減の取り組みをしていきたいと思います。と同時に、人事評価の際にも使うそれぞれの部長をはじめとする幹部の取り組み目標の中に、イクボスの観点の目標も掲げていただき、それぞれ目標を作っていただいておりますので、その評価面接やその様々な面談等をさせていただく際に評価をさせていただく際にも、今申し上げた視点を持ちながら、どれだけの勤務をしていただき、どれだけの成果が得られているのかということも、きちんと踏まえた対応が取れるように、職場内を徹底していきたいと思います。

[京都新聞]

この問題はかなり前からも取り組みをされていらっしゃると思うんですが、まだこういって増えたりするように改善が無いということなんですけれども、そもそも職員さんの数自体が、職員数ですね、これがやっぱりある程度のところまできてしまっていて、そもそも1人に対して成果をどうのと言ったってもうオーバーフローしているような現状ではないのでしょうか。

[知事]

そういう面があるのか無いのかも含めてよく検証したいと思います。

[京都新聞]

具体的にそういう目標づくりであったりとか、いつまでにどうするというのはあるのでしょうか。

[知事]

どの職場がどういう状態になっているのか、いつどんな事が起こっているのかということにもよると思います。例えば予算編成時に業務が財政当局を中心に偏るとか、工事が例えば補正予算がドンと付けられた折に年度内執行を一方で強く求められる観点の中で、業務が過重になる等、それは少し時期によってその職場によってもあるでしょうから、そのあたりはつぶさにみながらですね、どういう対応策が必要なのか検討したいと思います。

[朝日放送]

北陸新幹線の延伸ルートについてお伺いしたいのですが、まもなく国交省が試算をまとめるということで、先月舞鶴ルートを推す京都府も山陰新幹線の実現を訴える国会議員の方々とタッグを組んで攻勢をかけている状況にも見えるんですが、これについてはどのようお感じでしょうか。

[知事]

私どもとしては、この国家プロジェクト、敦賀まで2022年に到達する。その先のルートについては時間軸を考え、財政面のことを考慮し、最も早くつなぐことのできる「米原ルート」が最適であるということを申し上げていますし、そのことをある意味では裏付けるデータを、費用対効果の検証結果を出させていただいて、それらをもとに説明をさせていただいているところです。

国においては4月に3ルートに絞り込まれて、私どもの主張する「米原ルート」を含む3ルートに絞り込まれ、以来、詳細な調査をされている。まもなく結果が出るのではないかと言われておりますので、この出てくる結果を踏まえて今後検討される過程の中にも私どもも、より積極的に参画をしながら、ある意味では開かれた議論と多くの方々にご納得いただける結果を求めていきたいと考えております。

[朝日放送]

ルートの決定は年内にもという話もありますが、先月、知事は国交省を訪れて、要望書を大臣に提出されましたけれども、「米原ルート」に決まる自信はいかがでしょうか。

[知事]

繰り返しになりますけれども、今の財政状況を考え、いろんな地理的事情を考慮すると、たとえば北陸、中部、近畿圏をどうつなぐのか、多くの方にどう移動していただくのか、高速鉄道でどう結ぶのかということを考えると、私は米原につなぐことが最適だと思っていますが、たとえば国の計画ではそれと違うルートが以前決定されていたり、JR発足後、会社間のさまざまな違いによる事情があったり等々、乗り越えなければならない課題もあるようですので、そのあたりのことが議論され、私どもの主張するルートになることを祈っている状況です。

[朝日放送]

国交省が試算をまとめた後に、具体的な動きの予定は決まっているのでしょうか。

[知事]

まだ決まっていません。いつどう出てくるかにもよると思います。

[共同通信]

北陸新幹線の問題で、滋賀県の試算結果と国交省の試算結果が仮に大きくかい離していた場合、申し出ることなども考えてらっしゃるんでしょうか。

[知事]

乖離している理由を探ります。何がどう乖離しているのか、なぜ乖離しているのか理由を探ります。

[共同通信]

理由を探って、言うべきことを言う。

[知事]

理由を探って、説明を求め、主張すべきを主張します。

[京都新聞]

先般、国の機構の調査で結婚したくないという20代の男性が2割に上っているという結果が出たんですが、行政が関与すべきではないという指摘もございますが、県がやるべきことがあるのではないかという議論があってもいいのではないかと部分もございまして、人口減少にも直結する問題なんですが、知事はどのようにお感じになりますか。

[知事]

私どもも人口減少局面に入ったということで、総合戦略を作って、人々の希望を実現する。そのことを応援する施策を第一にプロジェクトに掲げ、今取組を進めています。希望を実現するということにおいて、就職するとか、結婚するということとか、子供をもちたい、育てたい、こういうことって一番基本になってくると思いますので、そういった希望を実現できるよう応援することをぜひ充実させていきたいと思います。

ただ結婚とか出産というのは個人個人の価値観や人生観によるところもありますので、それらを一概にこうあらねばならないと規定し、何か押し付けるようなことはあってはならないと思います。

ちなみに私は人生の伴侶を得て、連れ合いと一緒に歩めることは大変幸せですし、そのことで学ぶことやそのことで得る事、より世界が広がることがございますので、そういう自身の体験をいろんな方に話をしたりということは積極的にやっていきたいし、もちろん考え方の違いから衝突したりすることもありますけれども、トータルで見ると得るものも大きいんじゃないかということも発信していけたらと思います。

[京都新聞]

県としては施策を打つ必要性はお感じでしょうか。

[知事]

必要性は感じてまして、たとえば結婚ということでいうと、結婚のもつ意味だとか、結婚のもつプラスの面と今申し上げたそれぞれの方のご経験に基づく「いやなかなか辛いこともあったんだよな。」ということをぜひ早い段階から、たとえば学生時代から、就職して間もない頃からわかることができるような、ライフプランのコーディネートを、たとえばセミナーですとか、学生向けの講座ですとかそういったもの用いながら発信してくところでございますので、そういう機会もぜひ充実させていきたいと思います。

[滋賀報知新聞]

国土交通省が30日に訪日客数が2000万人を突破したという発表をしていますが、13年で1000万人でしたけど、政府が目指す2020年の3000万人もまんざら夢物語でなくなってきました。滋賀県は28年に観光振興指針のアクションプランで26年が28万人の外国人の入込客数として、45万人ぐらいを掲げられているんですが、タイやベトナムでアピールされるということで海外出張されるんですが、改めてインバウンド対策をどのように進めていかれますか。

[知事]

大変重要な施策と位置づけています。私は「滋賀から世界へ、世界から滋賀へ」ということで世界をターゲットにした、ある意味ではマーケットにした諸施策を展開していくべきだという中で、観光という産業、テーマを重要な課題と位置づけています。その意味で訪日してくださる方がご来県いただく機会は私たちのある意味平和を望む心持ちを高めることにもなりますし、その訪れてこられた方との交流をすることができますし、そのことをもって「琵琶湖ってそれだけの価値があったのか。」「私たちのくににはこんな魅力があったのか。」ということを再認識するきっかけにもなると思うんです。そういう考えの下、観光を振興させていきたい。

たとえば滋賀には何といっても琵琶湖という日本最大の湖があり、その湖を中心に四季折々の風景、そして食べ物がある。また人々の暮らし、文化がございますので、こういったことを発信していきたいと思いますし、この琵琶湖を真ん中にウォーキング、サイクリング、ツーリングということで正に体を動かしながら五感で楽しむことができるサーフィンもある。さらにはその周りにクリエイティブ産業もそうですが、グローバル企業がさまざまな生産拠点、経営拠点をおいている。

こういった環境と共生する経済成長も私は世界のこれから伸びゆく国のモデルになると思っていますので、そういったことも表現していきたいと考えています。

[滋賀報知新聞]

滋賀県の旅客船協会が台湾最大の湖の日月潭の旅客事業団体と観光誘客で連携する協定を近く交わされるということですが、これはどのように受け止められますか。

[知事]

さきほどもモンゴルの元大統領にご来庁いただいて、モンゴルの湖と滋賀県の琵琶湖の結びつきについてご提案をいただきましたし、台湾の日月潭と滋賀県の琵琶湖のつながりをと旅客船協会の方が積極的に動いていらっしゃることも詳細全てではないですが、一部伺っています。私は可能性のある取り組みだと思っておりますので、ぜひ滋賀県として取りうる施策をとっていきたいと思っています。

[時事通信]

国会でTPPの審議が衆議院で大詰めを迎えております。農家の方も注目してみていらっしゃると思うんですけど、どういうふうにお感じになってらっしゃるかおうかがいできればと思います。

[知事]

衆議院で通過になるんですか。国会にいるわけではないので、国会の動きはわからないんですが、私たちの生活や生産活動、他国とのかかわりにおいて極めて重要なルールであるTPPの議論が、私たちにわかりやすいレベルに届く議論になっているのかという点でいうと、まだまだわからないことが多かったり、機が熟していない面もあるのではないかと思います。したがってその辺りの事をご判断されて、今後国会でも日程等が決まっていくのではないかと思います。

[時事通信]

審議日程を伸ばしたほうがいいのかということについてはいかがですか。

[知事]

日程の事はわからないので、そこは国会に委ねますが、ただ申し上げたように大事なルールですので、多くの皆様により広く、深くご理解いただける環境づくりが必要なのではないかと思います。

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