文字サイズ

知事定例記者会見(2016年10月18日)

平成28年10月18日
(県政記者クラブ主催)

俳句ただいまと湖面に集う渡り鳥をPRする様子

10月に入りました。秋が深まってまいりまして、この時期はたいへん私も好きでございまして、今月の一句は「ただいまと湖面に集う渡り鳥」です。ラムサール条約にも指定される琵琶湖には6万羽を超える渡り鳥この時期から冬場にかけて飛来し羽を休めます。秋から冬にかけての光景として大事にしたいなと思いますし、私たち県民が心休まる、また滋賀県らしいなと思うひととき、風景でもございますので、皆様もお楽しみいただければと存じます。

また、今朝8時半から予算編成の部長会議を行いまして、予算編成方針を示達いたしました。若者の希望を創造する、さらには、国内外から人とモノを呼び込む新たな価値の創造・発信、誰もが健康で活躍する社会づくり、琵琶湖や山と人々の暮らしとのつながり再生。こういう方針で、視点にこだわりながら予算をつくってまいりたいと存じます。

話題提供させていただく前に2点申し上げます。

1点目は、大津市いじめ自殺事件から5年を経てということでございます。いじめを受けていた大津市の中学生が自ら命を絶つという痛ましい事件が起きてから今月11日で5年が経過いたしました。大津市長等々、大津市でも様々な発信をされていますが、知事としても亡くなられた生徒の無念さを忘れず県としても対策を続けていきたいと存じます。

いじめは子どもの健全な成長にとって看過できない影響を及ぼす深刻な問題であり、いのちや人権に関わる重大な問題であります。人間として絶対に許されない行為として強い認識のもと、学校・家庭・地域が一体となって取り組むことが必要であります。特に、いじめの予防と早期発見が大切であります。子どものサインを見逃さずに丁寧に対応し、絶対に悲劇につながらないよう努めたいと存じます。

また、この問題は社会全体のありようを問う、または人間の生き方、人と人との関わり方のすべてを見つめ直す重大なテーマであります。実は、子どもの問題であると同時に大人の問題である、社会の問題であるとも認識しています。自分がされて嫌なことは人にはしない。自分が言われて嫌なことは、人には言わない。すべての人に居場所と出番がある社会や学校を作っていくことが大事であります。

県では私が委員長をつとめます「滋賀県いじめ問題対策連絡協議会」で今後も議論を重ね、滋賀の子どもたちが安心・安全な学校生活を、また幸せな人生を歩めるよう支援をしてまいりたいと存じます。

2点目は、明日から3日間にわたり、びわ湖環境ビジネスメッセが始まります。今年で19回目の開催となります。初日の明日は、開会式が開催されますが、私もこれに出席をいたします。びわ湖環境ビジネスメッセには、ご存知のように、環境ビジネスに関わる企業団体が全国から集結する、大きなイベントでございます。今年のメッセにもドームを埋め尽くすおよそ300の企業・団体が一同に会し、最新の環境関連の商品・技術等が展示されます。また、「日本で躍動する最先端エネルギー技術」と題した主催者企画コーナーや屋外で超小型電気自動車の試乗会を実施します。

このほかにも、セミナー、出展者プレゼンテーションなど、見どころがたくさんございますので是非、取材をお願いします。

それでは、3点、私から申し上げます。

1点目は、来月、11月3日から12日にかけて、資料のとおり、5カ国の地域を訪問、出張する予定ですので、その日程の概要をお知らせします。

まず、11月3日から5日まで、滋賀県遺族会主催のフィリピン戦跡慰霊巡拝に参加をいたします。先の大戦では、3万2千人余りの滋賀県出身者が国内外でお亡くなりになられました。うち9千人近くの方、最も多くの方がお亡くなりになられたのが、フィリピンの地であります。ご遺族の皆様とともに、かつての激戦の地を訪れ、いまだふるさと滋賀への帰還を果たされることなく、かの地に眠っておられる戦没者の方々を追悼し、恒久平和を祈念してまいりたいと存じます。戦後生まれが人口の8割を占めると、私自身もそうですし、私の親もその世代だということからすれば、戦争の記憶が薄れゆく中で、戦争の悲惨さと平和の尊さを、まず私たち自身が学び、次の世代に語り継ぐことが、今を生きる私たちの使命であると考えます。実際に現地に身を置き、見て、聴いて、祈り、そして胸に刻んだことを、県民の皆様に伝えていければと思います。

次に11月6日は、台湾の台北国際旅行博、略称「ITF」で滋賀・琵琶湖をPRいたします。このITFは、11月4日から7日まで開催ということでございまして、60以上の国・地域から950以上のブース展示がある、台湾でも最大級の旅行博ということでございまして、来場者も35万人以上になる大イベントと伺っております。今回は、旅行博の責任者のお一人、何度か「ビワイチ」に来られて、昨年10月と今年4月に私もお会いいたしました台湾の中華大学の蘇先生ですね。熱烈なお誘いをいただきましてPRに行かせていただくものでございます。ブースの出展テーマは「ビワイチ」、「近江鉄道」、「草津線・忍者」でございます。美しい映像やパネルにより、滋賀・琵琶湖の魅力をお伝えするとともに、忍者のトリックアートを設けるなど、来場者の印象に残るように作っています。

また、蘇先生の後任で、8月に関西観光大使に就任された中華大学の張先生のご厚意で、学生さんも毎日10人お手伝いしていただけるということで、多くの方へPRできる体制となっています。私自身も、今回呼んでくださった蘇先生や張先生と、ステージでトークセッションをさせていただき、滋賀・琵琶湖をしっかりPRしていきたいと思います。

11月8日には、インドネシア・バリ島で開催されます第16回世界湖沼会議に参加してまいります。世界湖沼会議は、研究者・行政担当官・NPOや市民等が一堂に集まり、世界の湖沼及び湖沼流域で起こっている様々な環境問題や、それらの解決に向けた取組の議論の場として、滋賀県の提唱で開始された国際会議でございます。武村知事の時に開催されました。1984年に、世界各国から2400人の参加者を集めて、滋賀県大津市で第1回の湖沼会議が開催され、以来、これまでほぼ2年おきに世界各国で15回開催され、延べ約2万人が参加されております。

私自身は、前回イタリアペルージャで開催された第15会議に引き続き、2回目の参加となります。今回も開会式において基調講演を行なわせていただく予定でありまして、琵琶湖の総合保全の取組、歴史やその成果を紹介いたしますとともに、湖沼環境保全の重要性について訴えていきたいと思います。

その後、11月9日から11日にかけては、ベトナムとタイへ「観光と食」をテーマにトッププロモーションを予定しています。

タイ王国では、プミポン国王陛下が御崩御されたということでございます。タイ王室、政府及び国民の皆様に対して衷心からお悔やみを申し上げたいと存じます。

訪問いたしますベトナム・タイは、昨年の宿泊旅行者数、観光庁宿泊統計調査によりますと、対前年比ベトナムが199%、タイが172%と大幅に伸びています。私自身は、両国の訪日旅行取扱い大手である旅行会社や主要な食のバイヤーを訪問する予定であります。発展著しく親日でいらっしゃって、「日本の食」に特に関心が高い両国は、大変有望な販路として「滋賀県農畜水産物輸出戦略」で重点国として位置付けており、インバウンドとも好循環が生まれるよう営業していきたいと考えています。また、関係事業者の皆さんによる商談会を開催いたしまして、具体的な旅行商品の造成や輸出・インバウンド等の販路拡大の促進に繋げてまいります。交流会では、現地政府機関や旅行会社、食関連の事業者にもお越しいただいて、県産食材を用いた料理や地酒を提供いたしますとともに、実際に飲んで食べていただくことで、本県の食の魅力をPRしたいと思います。さらに今回の訪問期間に、ベトナム最大の水処理展示会ベトウォーター2016が開催されており、「観光と食」に加えて、当県の強みであります水環境関連技術を売り込み、使ってもらえるよう働きかけたいと思います。

以上が海外出張の概要でございます。日程の詳細については現在調整中ですので、詳しくは各担当課に問合せ願います。

9日間で5カ国・地域を訪問するというたいへん強行日程でございますので、御同行される記者さんがありましたら、お気軽にお伝え頂けたらと思いますし、無事の帰国を祈っていただけたら幸いです。

大きな2点目は、10月14日は鉄道の日でございます。全国の知事で唯一、電車運転士の資格を持つ私といたしましても想いを深くする月、日でございまして、今日は今週末に予定しております、鉄道関係の3つのイベントについてご案内をさせていただきます。

一つめ、10月23日の北陸本線直流化10周年記念式典の開催でございます。式典は、JR北陸本線の長浜駅から敦賀駅、湖西線の永原駅から近江塩津駅が交流電流から直流化し、琵琶湖環状線が誕生して、10周年を迎えることになったことを記念して開催いたします。この直流化によって、京都駅からの新快速の乗り入れが可能となりました。運行本数も増加するなど、利便性が飛躍的に向上いたしました。当日は、琵琶湖を一周する記念列車が京都駅からオリジナルヘッドマークを付けて出発し、10時47分に、長浜駅に到着いたします。私も乗客の皆さんをお迎えすることとなっています。長浜駅の自由通路で、振る舞い酒や、後ほど発表させていただくオリジナルフレーム切手の販売もございますので、ぜひ、お越しいただければと思います。私はその後、長浜鉄道スクエアで特別企画展『直流化10周年記念 長浜と敦賀を結ぶ街道・鉄道物語』を拝見せていただく予定であります。これは9月5日に福井県知事との懇談の場でも旧北陸本線などの鉄道遺産を活用した観光振興で連携しましょうということをきっかけに、皆さんが連携していただいて企画していただいたものでございますので、じっくり味わいたいと思います。

次に、10月22日、10月23日の2日間限定で運行されます、近江鉄道の「おいしがうれしが」電車の運行についてでございます。今年、創立120周年を迎えた近江鉄道の利用促進と沿線市町の活性化を目的に、県と沿線市町および近江鉄道で組織いたします近江鉄道沿線地域活性化協議会が企画されたということでございます。近江鉄道「米原駅」を12時9分に出発し、終点の近江鉄道「貴生川駅」まで、約2時間30分、長いですね、ゆったりと近江鉄道の旅を味わっていただきます。

定員は1日72名でございまして、9月5日に予約開始したところ即日満席になったという大変好評をいただいた企画でございます。車内で提供される料理は、近江牛の名店『千成亭』に特別にプロデュースしていただきました。近江牛ステーキやビワサーモンをはじめ、「東近江青年農業者クラブ」など地元の農家が丹精込めて育てられた野菜など、沿線5市5町で生産された県産食材を使用した「近江満喫御膳」を用意しております。デザートには近江鉄道太郎坊宮前駅近くに店を構える『パティスリー パピエ』による地元の果物をふんだんに使用したデザートを用意されておられます。途中停車駅、高宮駅、八日市駅、貴生川駅では沿線5市5町の地酒や特産物の試飲、試食や販売を行い、車内では沿線の特産品が当たる抽選会も行なわれるということでございます。八日市駅では滋賀学園高等学校生徒会の皆さんもボランティアとして参加いただく予定ということでございまして、地元の農産物の加工品のお土産も用意しています。

私もこの「おいしがうれしが電車」に乗車し、参加者の皆さんとおいしいお弁当を戴きながら、秋の近江鉄道の沿線の風景を楽しみたいと考えておりますので、ぜひご一緒によろしくお願いいたします。

最後に、今週10月22日土曜日からJR草津線沿線で行います「SHINOBI-TRAIN」デザイン“草”選挙(そうせんきょ)の実施についてでございます。県と沿線自治体の草津市、栗東市、甲賀市、湖南市、日野町、三重県伊賀市は、草津線の各駅のバリアフリー化、駅周辺整備などの「利便性向上」や、運転免許返納者へのICOCA配布などの「地元利用促進」、レンタサイクル無料キャンペーンや観光情報発信などの「観光誘客」に取り組んでいます。今年は、「草津線利用促進プロジェクトチーム」を立ち上げ、各市町と連携して国の地方創生の交付金を活用し、魅力的なコンテンツづくり、多言語化などの情報発信の充実、駅を中心とした受入環境整備に取り組んでいるところです。

この取組の一環といたしまして、草津線を走る列車に、忍者のラッピング列車を走らせたいということで職員の皆さんが発案をされてですね、取り組んでおりまして、今回は、地元の皆さんや、沿線を訪れる皆さんのご意見もお聴きして最終案を決め、運行実現に向けてJR西日本さんと協議しようということで、選挙を開催することといたしました。期間は、10月22日、土曜日から11月27日、日曜日までございまして、各地域のイベントに忍者が登場し、パネルを使って皆さんに投票していただくということでございます。提供資料には、イベントへの出没情報の一部が記載されていますが、これ以外にもショッピングセンターや大型量販店等へ出没する予定でございます。忍ですので全てを明らかにできないということなのかも知れません。

ぜひこの秋、多くの方に草津線沿線に訪れていただいて、忍者を見つけて投票していただきたいと思いますし、何より、地元の皆さんと一緒に草津線沿線を盛り上げていきたいと思いますので、ご周知へのご協力方よろしくお願いします。

最後の1点は、守山市にございます滋賀県立成人病センターは、平成26年から病院機能の再構築、強化を図るために新病棟の整備を進めてまいりました。このたび整備が完了し、来月めでたく開設、開院となりました。具体的には、11月3日、これは祝日でございますが、から6日、日曜日までの4日間で、患者の移送や物品の移送を集中的に行い、週明けの7日、月曜日に新病棟をオープンする予定です。

新病棟整備の主な概要としましては、資料に記載しているとおり、今回252床の病床を整備し、既存新館の283床と合わせて計535床の病院となります。整備の延床面積は2万平方メートル 、構造物としては、地上9階、地下1階の免震構造のプレストレストコンクリート造となっております。整備費用は、建築工事、電気設備、機械設備を合わせまして、約85.6億円ということでございます。

この新病棟オープンによりまして、主に次の5点で新機能の追加や改善がされます。

1点目は、診断・治療体制の改善であります。いままで旧館(東館・西館)と既存新館に分かれていた医療機能(病棟・外来・検査)を新館に集約することにより、患者の皆さんの動線が改善され、わかりやすく便利になるとともに、医療従事者の効率的な診断・治療が行えるということでございます。

2点目は、無菌病棟を整備して、難治性の白血病・再生不良性貧血・リンパ腫等に対する治療の充実を図ります。

3点目は、ハイブリッド手術室の設置いたしまして、カテーテル検査室と手術室の機能を一つの部屋にまとめた手術室を設置します。

4点目は、がん診療連携拠点病院でありますのでその機能を強化します。患者さんが在宅で生活しながら薬物療法を受けることができる外来化学療法のニーズの高まりに対応するための「外来化学療法センター」の整備や、就労や議会でもご指摘いただいておりましたが、アピアランスをはじめとした相談支援機能や情報発信機能の充実など「がん相談支援センター」の拡充を図ります。

5点目は、療養環境の充実でございます。新病棟では既存新館よりも個室割合を増加させています。患者さんの入院生活におけるプライバシーに配慮し、複数の方が入られる病室であっても個々のプライバシーが確保されるような配慮をいたしまして、より快適に過ごしていただくことができます。

これらの機能により県立病院として、県民の皆様のご負託にますます応えてまいりたいと考えております。なお、既にご案内しておりますが、新病棟のオープンに先立ちまして、今週末の22日土曜日の午前中に竣工式、その後に関係者向けの内覧会を開催いたします。普段は立入りができないようなエリアも見学できますので、皆さんも是非ご参加いただければと存じます。

また、その日の午後1時半からは、誰でも参加できる一般向けの内覧会も開催いたしますので、広く県民の方々にご参加いただければと考えております。

以上で私からの報告を終わります。

[時事通信]

11月の海外出張についてなんですが、東南アジア方面に出張されるということで、もう少し詳しく食と観光とかどういうねらいをもって行かれるのかおうかがいできればと思います。

[知事]

大変多岐にわたる目的をもっての出張ですが、特に後半まいりますベトナムとタイは先ほども申し上げたとおり訪日される旅行客の方々が大きく増えています。滋賀県にもたくさんいらっしゃってますので、この方々に滋賀の魅力や観光についてPRするという目的です。昨年はマレーシアとタイを訪問しました。今年はベトナムをタイを訪問します。タイ、バンコクに2年連続で行くということは、昨年培いました人間関係をより発展させるという意味合いもございまして、継続して商談をさせていただくということでございます。

タイ王国につきましては今回のご不幸事もございましたので、どういう状況なのかも含めて現地の状況を最終確認しているところですが、その他の地域の訪問活動も含めて、県民の皆様に「いいことやっているな。私たちのためになるな。」とご確認いただけるような、そういう出張にしていきたいと思います。

[時事通信]

19日に北陸新幹線について国交大臣に要望に行かれますが、そのねらいについてお伺いできればと思います。

[知事]

明日上京しまして、石井国土交通大臣はじめ関係者の皆様に北陸新幹線の敦賀以西については、米原ルートにしてください、された方がいいんじゃないですかということを提案、説明、要望させていただく予定をしております。昨日も石川県議会の福村議員がわざわざご来庁いただき、「石川県議会としても議会で決議しているが、早く、そしてより安くつないだ方がいい。連携して取り組みましょう。」ということについて、確認させていただきましたし、県内の経済界の皆さまには期成同盟会を作っていただいて、経済界も力を合わせて米原ルート実現に取り組もうということでございますし、市長会、町村会からもしっかりと並行在来線を守った上で米原ルートを実現していこうじゃないかという趣旨のご要望をいただいているところでありまして、こういった諸々の事をまとめて皆さんとともにお伝えしたい。いよいよ検討過程の最終局面を迎えている中で、この滋賀県の考えや思いを、地域の為に国家的見地からも考えている私たちの思いをお届けすべく活動させていただきたいと思います。

[時事通信]

日曜日に選挙がありまして、新潟県の知事に柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な方が当選されたんですけれども、それに対する受け止めと同日甲賀市長選挙で岩永さんという新人の若い方が当選されたのですが、それについての受け止めをお伺いできればと思います。

[知事]

月並みな表現ですが、それぞれの県、それぞれの市域において、県民の皆様方、市民の皆様方が選択されて、新しい知事、新しい市長が選ばれたということでございます。とりわけ新潟県については前任の泉田知事がやってこられたことをどう継承されるのか、発展されるのかということが問われたと仄聞しておりますし、とりわけご関心も高かった立地している柏崎刈羽原発についても多くの県民の方が不安の気持ちをお持ちになり、そのことが様々な調査にも表れているということでございまして、そういったことが反映された結果だったのではないかと思います。新しく選ばれた知事と知事会等で連携しながら取組を進めてまいりたいと存じます。

また岩永さんが新しい甲賀市長に選出されたという事でございます。岩永さんとは同世代でございますし、国会議員時代も政党は違いますが、一時同時期にやらせていただいたということもございますので、そういう面からも新たな連携関係が構築できるのではないかと思いますし、先ほど来発表しました草津線の活性化も含め、交通インフラの整備充実による活性化というものも訴えておられたようでございますので、ぜひこれまでどおり、いやこれまで以上に市と県が連携して、市民の皆様の期待に応えられるように取組を進めたいと思います。

[京都新聞]

大津港の港湾設備について、滋賀レイクスターズさんがアリーナを作りたいという要望をお持ちのようなんですが、知事としてどのようにお考えでしょうか。

[知事]

私がこのお話を伺ったのは今年の3月だったと思うんですけど、レイクスターズさんからご提案、ご説明をいただきまして、以前から申し上げているようにさまざまな課題はあるが、僕は可能性のあるプロジェクトだと思っておりまして、前向きに検討をする指示をしています。といいますのも可能性の分野で言いますと、プロスポーツの興業、またスポーツ以外のイベントを中心市街地で開催されるということ。課題ということでいえば県にご提案はありましたけれども大津市が中心市街地の担当でいらっしゃいますので、大津市と言う自治体がどう考えるかということでありますとか、公用地公有地ですので、一団体企業さんだけに自由にお使いいただくということではない平等性公平性の手続といったことも必要になってきますし、当然ビジネスとして展開されるという事であればそのプランの実現可能性についても確認する必要があるだろうということで、そういった諸々の課題を乗り越えて可能性をぜひ作っていきましょうということで検討しております。

[京都新聞]

アリーナを作ってにぎわいをつくる可能性もあるということなんですが、一方で新しくできる県立体育館の方も建設を検討されているということで、大きな体育館、アリーナが2つあるというものどうかという指摘もあるかと思いますが、このあたりの兼ね合いはいかがでしょうか。

[知事]

新しい県立体育館については、今あるにおの浜の県立体育館の老朽化、そして手狭さ、それらを新しくすることについて現地でやるのか、他の地でやるのかといったことを比較検討しながら、今ある滋賀医大の前の県土地開発公社が有しているびわこ文化公園ゾーンに移転新築しようという方針を出させていただいております。

この施設は県立体育館としてのある意味での公用目的、他の病院や大学等と連携しながら県全体の県民の皆様方の健康増進であるとか、スポーツ団体、スポーツ以外の団体のいろんな活動に資する施設として、活動していただきたいということでございますし、一方で浜大津で計画されているアリーナはどちらかというと現時点プロスポーツチームの興業の本拠地として、またそれ以外の興業目的のイベントのスペースとして使われるということですので、大きな施設でイベントができるという意味では共通しているところがあるかもしれませんが、より深く吟味すれば若干違う目的がございますので、その違う目的をしっかり果たすべく、かつ同時期に整備されていくという点においては相乗効果が生まれるように整備を進めていきたいと思います。

[京都新聞]

現時点で知事も前向きに検討するように指示されたということですが、レイクスターズさんに経営のプランであるとか、ボールはレイクスターズさんにあるとお考えでしょうか。

[知事]

ボールがどっちにあるか。バスケットのように頻繁にやりとりしているかもしれませんし、同じフィールドに立っていると思いますので、すみません、現時点でボールがどっちにあるという認識はないんですけど、ただ大事なことはそういうプロスポーツチームをみんなで応援していく、その活動の拠点をいろんな課題を乗り越えてつくっていくということだと思いますので、ぜひ同じフィールドで協議をしたいと思います。

[滋賀報知新聞]

原子力規制委員会が5日に美浜原発3号機の再稼働の合格証みたいなものを決定されたということなんですが、その美浜原発が福島と同じ事故が起こった場合どうなるかというシミュレーションを県は発表されて、ビワマスなどの魚食性魚は事故から2年後に国の規準の1.5倍、4年半経ってもなかなか基準を超えたままという結果が出たんですが、まずこれについて知事はどう受け止められたのか。

同時にデータはデータですから、これをどういうふうに国なり事業者に取り上げていかれるのか。

3点目は大気、水、生態系のシミュレーションが終わりましたけど、この3部作で県のシミュレーションは終わるのか、さらなるものをお考えなのか。この3点をお願いします。

[知事]

まず先般出された結果を私は詳らかに見ておりませんので、個別具体のコメントというよりも総括的なお答えになるのかもしれませんが、美浜を含む老朽原発のあり方については私を含め、多くの滋賀県民を含めたくさんの方が不安に思っていらっしゃる状態であると思います。したがって慎重にも慎重を期した検討と判断が求められると思います。

特に私どもは以前から申し上げておりますとおり、立地は県域にはいたしませんが、万が一の事態が起こった時、影響を受け得る地域、琵琶湖をお預かりし、その集水域である山々があるという意味において、立地自治体だけではない関与のありかた、そしてその時々、原発ごとの対応ではなく、法定化されたルールを求めていますし、原発を動かした時に出てくる、いや今なお多く溜まっている使用済み核燃料をどう処理するのか、処分するのかという静脈の整備も検討を進めていく必要があると思います。

ただ残念ながら申し上げたことは進んでいない現状でございますので、現段階においては原発を動かすこと、再稼働することは容認できる環境にはないと申し上げております。

とりわけ美浜を含む老朽原発のあり方については国、事業者においてしっかりと点検していただくと同時に、その内容をできるだけわかりやすく、早く周辺地域の私たちにも伝えていただきたいと思います。

また私どもが福島の原発事故以降進めてまいりましたシミュレーションについてもお尋ねいただきました。初めてお聞きになる方もいらっしゃると思いますので、若干お答えを膨らませますと、平成23年度に大気汚染の拡散シミュレーションを実施いたしました。それをもとに原発から最大で43キロ離れた長浜市、高島市の一部で甲状腺被ばく等価線量が100ミリシーベルト以上になるということをとりまして、UPZを設定する根拠としたところでございます。

その後平成24年度、25年度の2か年で水質影響予測を実施いたしました。この大気拡散モデルをもとに水質影響予測を実施しまして、特に影響の大きい気象条件では琵琶湖の2~3割の水域で飲料水の基準を超過し、長い場合で10日前後残る可能性があるということでございます。これらの結果については地域防災計画に反映してきました。

そして先般それらが生態系にどのように影響するかということについて、影響予測をしてまいりまして、これは10月5日の環境・農水常任委員会において説明をさせていただきました。結果は既にご案内のとおりだと思いますが、魚類のうち雑食性の魚、魚食性の魚は放射性セシウム濃度は放射性物質の排出からおよそ2年後まで濃度が上昇し、その後緩やかに低下するということでございますし、植物プランクトン、動物プランクトン、プランクトン食性魚の放射性セシウム濃度は、雑食性の魚、魚食性の魚と比べてかなり小さかったということが明らかになっております。

これらの結果は、東日本地域の湖沼における調査結果との比較において類似した結果だという事がわかっております。

ただ先般も報道等でありますように今いろんな生き物の体内に与える影響、たとえば子どもにどういう影響があるのかといったことが調査検討されているところですので、今回の結果は今回の結果として持ちながら、今後はこういった地域で調査され、わかってきたことも随時見ながら県としても必要な調査をしていきたいと思っています。

[毎日新聞]

大津市長は、子どものころ自らいじめに遭った体験を語っておられますけれども、三日月知事はいじめに遭ったとか、いじめをしたとか、周辺で見聞きしたことあるとか、そういう辺り。それともう一つ、今回の海外出張、いずれも素晴らしいところへ行かれると思いますけれども、このご時世ですので質問しますが、何名ぐらいでどれぐらいの費用がかかるのか教えてください。

[知事]

まず、一つ目のご質問については、私がいわゆるいじめというものの加害者であったり、被害者であったりという認識は私の今の記憶の中ではありませんが、その時々、その学校、場所で、人との関係、同級生や先輩や後輩との関係に悩みながら学校生活を過ごしてきたという思いではあります。と同時に、私は今、高校生中学生の親としてですね、親としても日々子どもたちの様子だとか、友達との関係だとか、学校に行くとき、学校から帰ってきたときに「おい、どうや」ということを聞くこと、注意深く見ることというのがありますので、そういう中からも、子どもたちのいじめというものが無いように、これは加害者にも被害者にもならないように、また周りの友達として見過ごすことが無いように知事としても心がけ発信をしていきたいと思います。

また、今回の海外出張に関連いたします費用、また同行人数については、詳細が固まっていないところがございますので、行ってきて結果としてまとまった段階で、ご説明させていただきたいと思います。

お問い合わせ
知事公室 広報課 報道係
電話番号:077-528-3042
FAX番号:077-528-4803
メールアドレス:[email protected]