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知事定例記者会見(2016年9月6日)

平成28年9月6日
(県政記者クラブ主催)

近江茶「極煎茶 比叡」「琵琶湖かぶせ」をPRする様子

今日は2件話題提供させていただきますが、その前に2点申し上げます。

今月の一句は、先週末詠み、書きました。「工藝で 稲穂とともに 光る庭」です。

これは、この土日、3日、4日と昨年度末で閉校になりました、旧高島市立広瀬小学校の校庭や校舎内を使って、主に、高島市、県内の作家の皆様方が、陶芸でありますとか、ガラス細工、その他もろもろですね。そういったものを展示販売する企画を行っていただきました。「風と土の工藝」ということで好評を博していたイベントをリニューアルしてつくっていただいたということでございましてもちろんこれから小学校の統廃合また閉校等々の課題もでてまいりますが、ひとつの活用事例として今後に活かしてまいりたいと考えているところでございます。

もう一つは、先ほど行われました県政経営会議において、台風10号の被害について、今なお行方不明の方がいらっしゃり、たいへん大きな被害が出ております。お亡くなりになられた方にはお悔やみを、また、被災された方にはお見舞いを申し上げます。この点についても、滋賀県内でもしっかりとこの教訓を反映させようということで、「地先の安全度マップ」と県内の社会福祉施設の、どこにあってどういう危険度なのかということの情報共有をしっかりと図るべきであるという、そのことを指示したところでございます。県内には9月1日現在で、高齢者のグループホームが136カ所、障害者のグループホームが156カ所ございます。もちろんそういったところも、災害対応の対策が取られている、また、9月1日には安全の確保ということで、国から文書もきていますので、その対応もとっているところですが、なお、滋賀県として流域治水の課題については、「地先の安全度マップ」という形で取り組んできた経過がございますので、その地域ならではの情報共有を図っていきたいと考えておりますので、御周知方よろしくお願いします。

それでは2点お知らせをさせていただきます。

一つ目は、私も大好きな、今日は関係者のみなさんにもお越しいただいておりますが、「近江の茶」についてでございます。ご案内のとおり、平安時代初期の西暦805年に、伝教大師最澄が唐の国から茶の木の種子を持ち帰えられて、比叡山の山麓に播かれたことが、わが国における茶栽培の始まりとされています。京阪電車坂本駅の下に日吉茶園という今もその地域が残っているところでございます。その後、本県では長い歴史を経て、茶栽培の技術が脈々と受け継がれ、現在も非常に品質の高い「近江の茶」が生産されているところでございます。

県の茶業会議所では、「近江の茶」を象徴する統一銘柄といたしまして、二つの商品を販売されています。この「極煎茶 比叡」というものと「琵琶湖かぶせ」の二つでございます。すでにお飲みになったことのある方もいらっしゃると思いますが、これらは、県内の茶生産者、茶商業者のみなさんが、品質鑑定のプロとして吟味をされ、協議検討を重ねて選定した原料から作られた、まさに「近江の茶」を代表する銘柄商品でございます。

ただし、いま私が持っておりますのは、今年の見本のお茶でございまして、今年販売されるお茶は、現在、蔵の中で出番を待っている状況だということでございます。これまでは商品の準備が整い次第、順次販売されていたということですが、昨年からは、この会見でもお知らせしましたが、ボジョレー・ヌーボーと同じように発売日をきちんと定めて、いよいよ解禁ですということで、その日、県内一斉に販売開始ということになりました。今年の解禁日は9月15日の木曜日ということでございます。

皆様方にご賞味いただきたいところでございますいが、解禁日までは絶対に出さない方針とのことで、私も実際まだ頂いておりません。9月15日、あと1週間の我慢ということでございまして、今年の「極煎茶 比叡」「琵琶湖かぶせ」がどのような味に仕上がっているのか、とても楽しみにしているところでございます。

県といたしましても、こうした茶業会議所の取組を応援しながら、「近江の茶」のPRや魅力発信に努めてまいりたいと考えております。また、9月15日の販売解禁日には、瀬田の滋賀県青年会館(アーブしが)において、報道関係者向けに試飲いただくことをはじめといたしまして、消費者の方や在住外国人の方を対象としたお茶の淹れ方教室などが開催される予定となっています。ぜひ、会場まで出向いてご取材頂ければと存じます。一つ目の話題は以上でございます。詳しいことは後ほど、関係者、会議所のほうにお問い合わせいただければと思います。

もう一つは、ジビエ活用に本格的に取り組み始めますということでございます。

近年ニホンジカが急速に増えまして、県内でも農産物の食害、森林環境の破壊と土砂流出、さらに貴重な高山植物の減少といった生態系への影響など、さまざまな被害が激しくなっているところでございます。平成27年度の滋賀県内の野生鳥獣による農作物被害は約1億8千万円で、そのうちニホンジカによる被害は約3割、5千万円に達しています。ニホンジカの個体数を適正に調整するため、年間1万6千頭を目標に捕獲を行っておりますが、そのうちジビエとして有効活用されておりますのは推定700頭程度、わずか4~5%の利用率に留まっています。

捕獲したシカを自然から頂いた恵みとして、有効に活用し、「困りごとをプラスにして、地に足をつけたキラリと光る活動」とするため、全庁をあげてジビエ活用に本格的に取り組むことといたしまして、琵琶湖環境部次長をチーム長といたします「滋賀県ジビエ活用検討プロジェクトチーム」を立ち上げて、8月1日から本格的に検討を開始しているところでございます。今後は、獣害被害地域で対策に取り組んでおられる住民や狩猟者の皆様、企業などの方々にヒアリングも実施いたしまして、被害や活用の実態を調査いたしまして、地域の取組の聞き取り、捕獲の現地を視察してまいります。今月9日に、私自身も昨年ドロップネットによる捕獲を視察、体験いたしました甲賀市山内自治振興会に担当職員が出向き、地域の取組の聞き取りや視察をさせていただきます。あわせて、県民の皆様への身近な啓発といたしまして、県などが主催するイベントで鹿カレー等ジビエの出店販売を斡旋していく予定です。

これまでジビエ活用を支援する体制がありませんでした。捕獲した野生獣、特に鹿の利用が進んでこなかったということでございます。ココ壱番屋のカレー、県庁前で非常に好評販売していただいておりました。それが終わりになる機に、このままではもったいないな、残念だなということで、私自身が指示をして自然環境保全課を主管課といたします「滋賀県ジビエ活用検討プロジェクトチーム」を立ち上げて検討を本格的に行っているところでございまして、ぜひ、様々な課題をチャンスに結び付けていく、そういう取組を推進していきたいと考えているところでございます。私からは以上でございます。

[時事通信]

豪雨災害への対策で、特に社会福祉施設の関係ですね、避難勧告の情報が上手く出せなかったという問題がありましたけれども、これは市町との連携も必要だと思います。この辺りについて、どのようにお考えでしょうか。

[知事]

当然、気象庁をはじめとする国との連携、また川を管理する国、県、地域の住民の皆さま方の避難を主に司っていただいている市町との連携、これは非常に重要だと考えております。こういったところに課題が有るや無しや、その点も今回よく確かめて、滋賀県の対策に活かしていきたいと思います。とりわけ、本日県政経営会議で注視致しましたのは、多くの被害が出ております社会福祉施設の治水安全ですね、これをやはり施設の経営者だとか、法人の皆さんだとか利用者の皆さんが、どれだけ自覚していただいているのかということが、もちろん情報提供、逃げてください、危ないですよという情報提供も大事なんですが、ここはそういうリスクのあるとこなんだという、そういう共有をすること、これが流域治水のひとつの考え方の根源でもございますので、今一度こういったことをしっかりと確認、共有することが必要だと考えているところでございます。

[時事通信]

ジビエの活用についてお伺いしたいのですが、なかなか活用されていないということで、現状その捕ってから流通に回すまでの課題もあるかと思いますが、お考えになっている課題と、どういうふうにして解決していけば良いのかという辺り、お考えになっておられることがあれば、お伺いしたいと思います。

[知事]

この鹿による被害はですね、私たちが聞いている以上に、知っている以上に深刻だということを、私も先月の朽木居住においても体感したところでございます。非常に活発で、そしてある意味では、獰猛といいますか、せっかく人間が育ててきたものを食べてしまう、これから育てたいものを傷つけてしまうという、こういうことがございますので、もちろんその駆除や個体数管理ということも一方で必要です。ただ同時に殺して捕る鳥獣はですね、主に鹿ですが、ジビエとしても活用できる可能性があるにも関わらず、その屠畜の状況でありますとか、とりわけ鹿の場合は、肉の血抜きの状況ですね、十分に施設が整っていない、また山の奥で捕っても持って降りるのに随分時間がかかる等々、課題がありますので、中々利用が進んでこなかった、こういうことがございますので、これらをしっかりと繋ぎ合わせることがどうすればできるのかということについてですね、もっと県も主体的に取り組んでいこうということでございまして、もちろんこれまでやってきたことの再確認もあるんですけれども、より前に進めるためにこういうプロジェクトチームを作って、例えば取り組んでいらっしゃる方とも連携、情報交換を密にしたり、他県で取り組んでいる事例を参考にしながらですね、より加速させていきたいということで、プロジェクトチームを作ったところです。

[時事通信]

民進党の代表選挙が始まりました。参議院の蓮舫さん、前原さん、玉木さんとお三方出てらっしゃるんですが、代表選への受け止めと、お三方でこの方がふさわしいという方がいらっしゃれば、お伺いできればと思います。

[知事]

民進党の代表選挙が始まり、三名の方が立候補され、今論戦を展開されているところでございます。お三方とも、私も大変親しく、そして一緒に活動したことも多い友人、先輩でいらっしゃいますので、頑張って欲しいと思っております。とりわけ国政の状況ですね、与党、連立の二党だけではなく、やはり野党の在り方が問われ、また試され期待されているという状況ですので、その党代表を決める選挙ですので、理念や政策もしっかりと戦わせてですね、当面する課題について方向性が決まっていく、多くの方に知られ、共感を持って決まっていく、そういう代表選挙になることを期待しています。

[産経新聞]

ジビエ活用について、いやらしい質問で恐縮ですが、鹿カレーについてジビエを有効活用できる取組として、私個人としても期待していますが、以前ココイチさんの出店で、県の施設の規則の関係で出店が継続してできないという経緯があったんですが、今回そういう特定の企業を斡旋するということに関しては、県の制度上問題はないかということは、何か検討はされたんでしょうか。

[知事]

県庁内施設、県庁前広場の活用という観点でしょうか。

[産経新聞]

その活用のところは継続して出来ないという結論になったと思うんですけれども、今回、こういうふうに県などが主催するイベントで、鹿カレーの出店販売を斡旋していくということについては、今回については制度上は大丈夫なんでしょうか。

[知事]

資料に記載しています、例えば、9月24、25日に行われますBIWAKO湖フェス、主催はNPO琵琶湖ローイングCLUBさんの開催でございますが、こういったところの出店については、当然主催者の方としっかりと調整しながら、出店当事者と主催者と調整しながら、出店を計画しておりますので、もしこれ以外にあれば、開催都度ごとに調整するということになります。

いずれにしても、前回のココイチさんの時、あの時は県庁前広場を活用したココイチカレーさん、具体的にはアドバンス社さんとの色んなお話で、最終的には県庁内のもちろん県庁内の施設を使っていただく、その事業者さんに営業活動をしていただくというお互いの話の中で、これは一回見合せにしようということをさせていただいたんですけれども、あの時に県庁内のどの課がこの課題に対応するのかということが明確ではなかったという実態が浮き彫りになりました。例えば、施設の管理は総務課がするけれども、ジビエの活用はだれがやるのだということが明確じゃありませんでしたので、その際に自然環境保全課を主管課にしようということで指定をしました。じゃあ、指定するだけじゃなくて、捕ってくる鹿をどうやったら活用にもっと回せるのかということについて、主体的に考えてはどうだろうか、連携して、ということの中から本格的なプロジェクトチーム、ワーキングチームが動き出したというところですので、是非この中で出てくる課題を克服しながら繋げていきたいなと思っております。

[産経新聞]

何度も繰り返して申し訳ないのですが、県の制度上は県の主催するイベントで鹿カレーを斡旋するということに関して問題は無いという認識でいらっしゃいますか。

[知事]

県の主催するイベントでこういう鹿カレーを提供することが、合うもの、PR効果が高いものについては積極的に活用していきたいというふうに思っております。ただ、その時に肉が揃うのかどうか、あとは営業者さん事業者さんがそれに賛同していただけるのか、色んな課題もありますので、そういったことも良く見極めながら、話合いながら積極的にこういう取組もPRしていきたいなと考えております。

[産経新聞]

今回の取組に関しては、滋賀県からの申し出ということになるのでしょうか。

[知事]

滋賀県からの申し出ということよりも、滋賀県としての取組です。

[産経新聞]

出店することに関しては滋賀県から依頼したということでよろしいのですか。

[知事]

この9月の24日、25日ですか。

[産経新聞]

はい。

【事務局】

9月24日のイベントは滋賀県から出てくれませんかと、10月1日のイベントは他の事業者さんもいらっしゃいまして、猟友会の団体で、そういう鹿肉料理を提供されるということで調整しております。

[滋賀報知]

知事が先程おっしゃった台風10号の関係で伺いたいのですが、高齢者のグループホームは136でしたか、障害者グループは156とおっしゃっていたが、これはあくまで施設がここにあるというだけで、今回の「楽ん楽ん」のように、氾濫して浸水が想定されたり、あるいは、土砂災害とか県のハザードマップもそうですが、ここで非常に危険度が高いというのはこの施設の中でどれくらいあるのか、県の方でどう把握されているのかが1点、それから2点目に伺いたいのは、まさに流域治水条例が、これからまさに真価を発揮しようという時だと思うのですが、今現在ですね、27年度でいくと長浜市とか米原市とか5市6カ所でしたが、数字が間違うかもしれませんが、今年度でいくと長浜市の虎姫とか甲賀市の信楽地区とか、3市8地区で市的にはあまり広がりがないのと同時に、それなりの取組がされてはいるんですが、指定されているところは1カ所も無いということで、これは指定が終わらないと危険地域の嵩上げ等出来ないわけで、正直若干、流域治水条例の着手が遅れているというか、こういう災害が相次ぐなかで、せっかく全国に先駆けて流域治水条例を作られたわりにはですね、内実が伴っていないということについて、知事はその原因が何だと考えて、どうすべきだとお考えなのか、台風10号の被害を基に伺いたい。

[知事]

大きく2点ご質問がありましたが、その前に、最近来られた方もあろうかと思いますので、滋賀県では平成24年9月に地先の安全度マップというものを、これは全国で初めて、大河川だけではなく、普通河川や、雨水下水道、農業用排水路からの内水氾濫も総合的に計算した安全度マップを作って公表しています。これは様々な規模の外力によって計算をしまして1/10、10年に一度、1/100、100年に一度、1/200、200年に一度ということで、どの程度の雨が降れば、どれくらい氾濫の恐れ可能性があるのかということを浸水想定図として、ホームページ上でいつでもどこでも見られる、そういうものを用意しているところでございます。

ご質問の一つ目にあった、グループホームがどの程度こういう危険なところに有るや無しや、ということについては、まだ現状で情報を持ち合わせておりませんので、従って県内のこういう施設が、どういう治水度のところにあり、当然、注意喚起や訓練されていると思いますが、そういったことが十分なのかどうかということを今一度再確認、再点検しようということを指示したところでございます。追って、またどういう状況にあるのかということについて、判り次第発表したいと思っています。

もう一つ、こういう条例を定めマップを公表したということにも関わらず、地区指定が進んでないのではないかということについては、今、現場において粘り強く地域の方々と協議を重ねているところでございます。地区指定や対策に向けて。これはご質問をいただいた石川さんもよくよくご案内のとおり、なかなか危険が判っていても、そのことに前向きに取り組めない状況があったり、あとは色んな資産価値の低下を懸念される一般のご意見があったり、そういったことを合わせながら、前に進んでいくということが、必要なことだと思っています。

ですから、必要以上に不安を煽りということではないのですが、こういった岩手の事例や、また様々な地域で、昨年の鬼怒川もそうですけれども、色んな事例があった折に、滋賀で教訓と成り得ることは何だろうかということを丁寧に情報提供をしながら、対策を進めていくということだと思いますので、これは条例を定めた趣旨をしっかりと汲み取りながら、現地での対策が進むように取り組んでいきたいと思います。

[滋賀報知]

もう一つ流域治水条例ですが、この水が浸かるところは嵩上げする等、住宅等、そういう条例そのものが持っている理想は良いんですが、現実的な問題点が、課題があるからこそ地域で、地区で進まないという意見もあるんですが、これについて知事はどうお考えですか。

[知事]

そういうことも如何に我が事として捉えていくかに尽きると思います。100年に一度、200年に一度の水害に備えるというと、代にすると五代、六代に渡る、例えば200年にすると。そういうことを今の一代で、家の嵩上げというのは言うのは簡単ですけど、その費用面をどう工面するのか、どれだけの支援が得られるのか、また集落一帯でどの程度進むのかといったようなことは、そうそう簡単なことではないかと思う。しかし、滋賀県にとって3年前の被害もそうですし、歴史的に遡っても非常に大きな水害を受けてきた地域でもありますので、かつ地域によっては、今般の異常気象、豪雨等によって水位が急速に上がるということもあるわけですから、そういう情報提供もしながら、やはり理解を得ていく対策を進めていく、そういうことが大事だと思います。だから、如何に我が事として捉えていくか、そういう取組をしっかりと進めていきたいと思います。

[共同通信]

少し前の話題になりますが、大河ドラマ「真田丸」で石田三成がクローズアップされていますが、県北部の3市では、観光客が例えば佐和山跡では3倍ぐらいの観光客がきているとか、話題になっていると思いますけれども、あらためて県がやってきた石田三成のPRの総括をお願いします。

[知事]

石田三成のPRについては、私は今後に活かせるいい成功事例だと思っていまして、どういう意味かといいますと、県と現場の市町との連携、役割分担が非常にうまく取れた、そういう好事例ではないかなと思っています。具体的に言うと、彦根市、長浜市、米原市さんでは、早くから石田三成の武将としての活躍や、貢献、足跡を地元で顕彰され、また勉強もされ、これを観光資源として活かせないだろうかということで取り組んでこられた実績がある。そこに県が協力をしながら、主に県外発信、メディアでの発信という役割を持つことによって参画をして、ひろく県外に発信し、そして多くの方に来ていただき、現地のおもてなし環境を整えて満足度を上げていくという、こういうことだと思っていますので、この石田三成に限らず、滋賀県には戦国武将ゆかりの地や合戦の地も、お城もたくさんございますので、昨日の福井県知事との会談の中でも例えば、大谷吉継敦賀城主と石田三成との関係、浅井家等々の関わり等々たくさんあるので、こういったことを広域観光ルートとしても連携していこうということについても確認したところでありますので、今回のこの事例を今後の観光PRにしっかりと繋げていきたいと考えています。

[中日新聞]

ジビエ活用で伺えたらと思いますが、この発表資料に書かれているニホンジカによる被害は昨年度約3億5千万円。ニホンジカをジビエとして有効活用しているのは推定700頭程度。4~5%程度と書かれていますが、改めて確認ですが、この利用率をどのように受け止めてらっしゃいますか。

[知事]

あくまで推定ですから。被害についてもそうですし、この活用について推定ですので、詳しい数字ではないんですが、年間捕獲頭数が16000に対して有効活用頭数が700ですから、まだ活用できるのではないかなというのが率直な印象であり、実感です。

[中日新聞]

ニホンジカの被害は5000万円に達しているということでかなりの額だと思うんですが、ジビエとしての活用は有効な手段だと認識しますが、何頭とか何%とか目標があればお願いします。

[知事]

まず前提として被害についてもまだまだ把握できていない、数字に表れていないものもあろうかと思いますので、これらをどう積算していくのかという視点も一方で必要だということを前提に現時点で目標は持っていませんこのプロジェクトチームの取組で、どれくらい使えるのか、鹿の駆除は今関西広域連合でもやっていますけど、主に県境の山で捕獲をして、相当山深いので下ろしてくるだけでも、その後流通して賄えるものを上回ってしまうような実態がありますので、少し今回のPTでの検討を経て、どういう取組が必要なのか、目標設定というものの有効性があるや無しや、ということも含めて検討したいと思います。

[中日新聞]

被害がまだしっかりわからないというご説明と県外との連携も言われたと思うのですが、それも進めつつ、ジビエ活用も試みていくということでよろしいですか。

[知事]

はい。当然滋賀県だけで完結するものではありませんので、隣県との連携は図っていきたいと思っていますし、今回のこういう取組を隣県ではどうされているのかということもよくよく情報収集しながら、一緒に取り組めることは一緒に取り組んでいきたいと思います。

[中日新聞]

隣県と話し合う予定があればお願いします。

[知事]

今発表できる予定はございません。ただ仄聞いたしますにたとえば長野県ではシカの屠殺のための移動車を開発されたということを報道でもみましたし、全国知事会でも情報提供いただいて、これは大変有効な取組だということを隣県の三重県知事と話したこともございますので、そういうことはぜひ積極的に検討したり、協議できればと思います。

[NHK]

昨日福井県知事と友好な話し合いをされたことを拝見しました。特に原子力防災に関して発言されたところが印象的だったんですが、今後どういうふうにしたいとお考えでしょうか。

[知事]

ご質問でご指摘いただいたように、福井県知事と私が知事になってから初めて、滋賀県としては6年ぶりに会談することができました。大変今後につながる有意義な機会を作れたと思っています。とりわけ今ご指摘のありました原発の問題については、福井県に長年にわたり、多数の、また大規模の原子力施設の立地を受忍いただいているわけでありまして、しかし万一の災害に際しましては、これは福井県だけでは収まらない被害の問題や影響の問題ですね。こういったことについては、より連携して取り組んでいくことが必要だということが確認できたことは大きな一歩だったと思います。

関連してその場でもご紹介いたしましたが、防災関係の職員を滋賀県から福井県に受け入れていただいて、また先般行いました訓練も共同で実施いたしまして、知事同士のみならず、実務的なつながりも含めているところでございますので、そういうところもぜひ福井県から学びながら、また一緒に原発の防災のあり方を追求していければと考えているところです。

一方で、長年の経緯経過からして、また立場の違いによって、主張が異なることがございます。全てが一致できているわけではありませんので、その辺りのことについては、お互いの主張をお互いの主張として認め合いつつ、どこに一致点があるのかということを探る努力も引き続き粘り強く続けていきたいと考えております。

[NHK]

それは前に進めるのが難しい部分があるということなんですね。

[知事]

いえ。前に進めることができないというよりも違いを違いとして顕在化させるだけではなくて、その違いをどう合わせて、また国の制度としていく、電力事業者に理解してもらうというその取組が必要だと思っていますので、昨日の一回の会談だけで全て合意できるものではなくて、じゃあ次の会談までにこういう所を作っていこうとか、昨日も一部紹介されていましたけど、西川知事は全国知事会の原子力発電対策特別委員会の委員長でもあられますので、その中では既に滋賀県の提起した屋内退避の実効性に関する課題については、盛り込んで国に提起していただいているという、全てが整っていないわけでもなくて、提起することが要望や提言につながったこともあるので、そういうことを積み重ねることによって、滋賀県の提起もしっかりと聞いて、提言に反映しようとか、国や電力事業者に一緒に要望しようという関係が構築していけるのではないかなと考えていますので、ここはむしろ悲観的になるのではなくて、前向きにとらえていきたいと思っています。

[京都新聞]

北陸新幹線の米原ルートに関係することなんですが、直接その話はしていないようなんですが、一方で「しらさぎ」の利便性を高めることを求めるということは、見方によっては米原ルートを実現すると、「しらさぎ」は並行在来線が扱いが微妙になってくると思いますので、昨日のあのような話が出ると米原ルートが弱まるといいますか、滋賀県がそれほど強く主張していない見方にも映ったんですが、そのあたり福井県と何か確認をしているのか、ペンディングにした上で話が進んだのか、その辺りをお願いします。

[知事]

「しらさぎ」の問題とルートの問題をくっつけたり、分けたりして述べようということを確認して昨日の協議があったわけではありません。

ただ、私から昨日の現場でも指摘したように、時期的なステージに応じた対策がいりますねと。まず、今から2022年までの間。2022年というのは北陸新幹線が敦賀まで来る年限ですね。この第一ステージと敦賀が開業し、その先がいつになるのか。とりわけ2027年。これは東京から名古屋までリニア中央新幹線が来るという年限です。もし、そのスケジュールどおり完成すると、東京~名古屋が40分で結ばれる時に、この北陸地域の方々がどういう手段で東京に行かれるのかということからすると、北陸から特急等を使って名古屋に行かれて、東京に行かれる流動が多いのではないか。

したがって、まだまだ十分な速度性や乗換えの利便性が作れていない「しらさぎ」については、当面、今から考えるだけでも10数年この対策がいるわけですから、これは福井県と滋賀県で一緒に求めていきましょうということであります。

ルートの問題は、当然、今政府において詳細な検討が行われて、近々そのことが示されることになるでしょうから、並行在来線の取扱い、また費用分担の取扱いと合わせて協議をしていく課題だと思っています。

[朝日新聞]

NHKさんの質問に関連してなんですが、立場の違いというお話があったんですが、福井県の西川知事にしてもいまだに周辺自治体が立地自治体並みの権限を持つという事に対してはかなり否定的なお考えを持っているという意味なんですか。

[知事]

その問いについて、そのテーマについて西川知事がそのようなお考えをもってらっしゃるという認識で述べたことではありません。ただもちろん立地自治体として果たしてこられた役割、周辺自治体として私たちが懸念し、提起している課題。それは今全てが福井県と同じ方向を向いているスタンスに立てているわけではないと思っていますので、それらは丁寧につなぎ合わせていく必要があるという趣旨で申し上げました。

[朝日新聞]

福井県に原子力の職員を派遣したりということを積み重ねていくことで、少しずつ乗り越えていけるという印象をもったということなんでしょうか。

[知事]

ここ数年来、特に私が知事になってからの2年間だけでもずいぶん福井県との信頼関係というのは積み重ねてこられたのではないかなと思っています。知事同士もそうですし、防災部局同士もそうです。一緒に訓練し、情報交換して、また繰り返しになりますけれども、原発防災に関連して私どもが提起した内容を福井県の知事が委員長を務められる中で、対策の必要として盛り込まれたということもそうですし、やはりこういうことって現実の積み重ねだと思うんですよね。ぜひいろんな場を通じて、いろんな機会を通じて、活かして今後につなげていきたいと思います。

[時事通信]

10月に県としても訓練をするということを前の広域訓練の時に聞いた記憶があるのですが、それは福井県と連携するということはあるんでしょうか。

[知事]

日時ややり方、福井県との関わりも含めて、またきちんと発表させていただきます。

[時事通信]

大津パルコが撤退することになりました。次の不動産会社が引き続きやるということですが、これまで草津のイオンであるとか、竜王のアウトレットとか郊外に大規模な店舗が立地する流れが続いている中で、市街の店舗が人を集められない状況があると思うのですが、その辺りについての認識と、古いかもしれませんが立地の規制をするなどのお考えなど対応があればと思います。

大津パルコさんが開業したのは1996年ですか。私自身も家族もなじみのお店ですので、なくなるとさみしい気持ちがいたします。しかしその後も商業施設として運営される予定だということですので、地域にとってより良い施設になるよう期待したいと思っています。いずれにしても中心市街地と郊外の店舗、交通等の課題検討というのはよく当該の市と協議しながら、進めていきたいと思います。今回であれば大津市さん。ご質問に上げていただいている施設であれば草津市さん。それぞれの市町も中心市街地をどう活性化させていくのかが大きな課題でありますので、この点、単に店舗が郊外に大規模に進めばよいという事ではなくて、長期的なことも視野に入れた開発や出店ができるようにより連携を深めていきたいと思います。

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