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知事定例記者会見(2016年6月28日)

平成28年6月28日
(県政記者クラブ主催)

米原市のビワマスをPRする様子

6月の28日になりました。梅雨明けが待ち遠しい季節でありますが、今日は私も高島ちぢみを着用して公務をさせていただいていますが、たいへん夏の時期には、このしぼりがあって着心地のいいシャツとして、外向きだけではなく室内も含めて好評ですのでぜひ皆様方に知っていただき着ていただければと存じます。また併せまして、滋賀県は繊維の産地でございまして高島ちぢみのみならず、近江の湖東の麻、長浜のちりめんという伝統地場産業がございます。折しも、7月6日まで東京青山スクエアにおきまして、「夏の装い-近江上布と近江の麻-」という展示会等も行われておりますので皆様方に知っていただければと思います。

先週末、世界を駆け巡りましたイギリスのEU離脱報道を衝撃を持って受け止めました。この影響について、経済動向等を注視し必要な対策を即時に打てるように万全を期すよう本日の県政経営会議で私から指示をいたしました。

もう1点、6月下旬になり豪雨の時期でもございますので、先週来、いろいろ雨も降っていますが、防災対策についても万全を期すよう指示をしたところでございます。引き続き緊張感を持って臨んでまいりたいと思います。

本日は、イチオシを含めて4点、私のほうから述べさせていただきます。

1点目は口頭で申し上げます。男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰。これはですね、男女共同参画社会づくりに関しまして、極めて顕著な功績のあった個人が表彰の対象となるものでございます。今回の受賞者は全国で11名いらっしゃいましたが、そのうち本県から、聖泉大学副学長であられます髙橋啓子先生が受賞され、6月27日、昨日、総理大臣官邸において表彰式が執り行われました。

髙橋啓子先生は、昭和61年の滋賀県立婦人センター、現在の滋賀県立男女共同参画センター開設当初から、男女共同参画に関する相談業務にご尽力をいただきまして、現在の相談業務の礎を築いていただいた方でございます。現在も男女共同参画センターの相談員を側面から支援するスーパーバイザーとして相談室の運営を支援いただいております。また、滋賀県男女共同参画懇話会でありますとか、滋賀県男女共同参画審議会の委員として、滋賀県男女共同参画条例の制定に向けたご提言をいただくなど、男女共同参画計画の改定にも携わっていただきました。

男女共同参画センターでは、男女共同参画相談室を設けておりまして、性別による差別、パートナーや恋人からの暴力、夫婦関係、家庭や職場・地域の人間関係など、さまざまな問題に対し、相談員が毎日対応しております。こうした相談業務というのはややもすると目立たない、地道な業務でございますが、男女共同参画に関する社会的な問題でありますとか個人個人の悩みに最前線で対応いただいているわけでございまして、こうした一つ一つの地道で着実なご努力が、滋賀県の男女共同参画、女性活躍をこれまでから育ててきたことは間違いございません。今回、この分野で長年ご努力をいただいた髙橋啓子先生が内閣総理大臣表彰を受賞されたことは、滋賀県の男女共同参画の分野でこれまでからご努力いただいた方はもとより、それぞれの分野の現場で、地道に着実に社会のために尽くしていただいている方々にも励みとなるものと、私自身も大変喜んでおります。

滋賀県の男女共同参画、女性活躍はまだまだ課題はございますが、本年3月に策定いたしました、新しい男女共同参画計画・女性活躍推進計画「パートナーしが2020」に基づきまして「女性も男性も、性別に関わらず、意欲に応じてあらゆる分野で活躍できる社会」、そして「男女共同参画による、夢や希望に満ちた新しい豊かさが実感できる社会」を目指して今回の高橋啓子先生の内閣総理大臣表彰受賞を機会に、全庁的な取組をより一層進めてまいりたいと思います。

続きまして、2つ、琵琶湖関連でご紹介をさせていただきます。7月1日「びわ湖の日」が近づいてまいりました。「びわ湖の日」について、少し歴史を振り返りますと、昭和52年の赤潮の発生を機に始まりました石けん運動を背景に、県は、窒素やリンの排出規制等を定めた「琵琶湖条例」を制定いたしました。その翌年、条例の施行1周年を記念いたしまして7月1日を「びわ湖の日」とすることが決定されたということでございます。

平成27年4月には、琵琶湖の水と人々が織りなす文化というものが水辺景観も含めて「日本遺産」へ認定されました。また、昨年9月には琵琶湖保全再生法が公布施行されまして、琵琶湖は「国民的資産」と位置づけられたところでございます。私たち県民は豊かな生態系を有し、貴重な自然環境および水産資源の宝庫である「琵琶湖」の価値やその重要性についてあらためて再発見し再認識する必要があると考えております。ぜひ県民の皆様方にもこのような考えをお持ちいただければと存じます。

このことから、今年も「産官学民」の協働・協力を得まして、様々な事業を実施するところでございます。まず今年の「びわ湖の日」は、主に2つのテーマで展開いたします。1つは、7月14日にリニューアルオープンをいたします琵琶湖博物館で琵琶湖を再発見していただくこと。もう1つは、環境と暮らしに関わる身近なテーマ「食」を通じて琵琶湖を知っていただくことでございます。1つ目の琵琶湖博物館のリニューアルに関する主な事業といたしまして、成安造形大学との連携がございます。毎年、成安造形大学の皆さんにご協力いただき啓発ポスターを作成しております。今年は、琵琶湖博物館のリニューアルを踏まえ、親しみがあり、琵琶湖の魅力を感じるポスターができました。本日はデザインされた成安造形大学3回生の長谷川瑠夏さんにお越しいただいておりますので後ほど一言いただきたいと思います。次に、東山中学校との連携でございます。琵琶湖博物館で外来魚の解剖やリニューアル後の展示見学等を通して、下流域の中学生に琵琶湖について学んでいただきます。

もう1つのテーマ「食」を通じて琵琶湖を知っていただく事業といたしましては立命館大学との連携がございます。「自然と暮らしの接点、滋賀の食を考える」と題しまして連続講座を開催しています。次に、平和堂ならびにイオンとの連携でございまして、湖魚や近江米など、びわ湖の恵みコーナーを設置いただきます。7月2日、3日に「びわ湖の日」の啓発イベントをイオン西大津店で行うことといたしております。

次に、県内の小学校との連携でございまして、湖魚のおいしさを児童が体感できるよう学校給食に旬の食材を提供いたします。また、給食時間などを利用いたしまして、琵琶湖に関する様々な「音」ですとか「暮らし」に関する音声ストーリーを放送していただき、琵琶湖の事を考えるきっかけとしたいと思います。また、二つのテーマに関する事業といたしまして、セブン-イレブン・ジャパンとの連携がございます。7月1日から「びわ湖の日」関連商品として2品を販売いただきます。商品販売のみならず、ポスター掲示などで博物館リニューアルを応援いただくこととなっております。併せまして、今年は首都圏におきましても、琵琶湖博物館のリニューアルや「食」に関して発信していきたいと考えています。

ここまで、琵琶湖の魅力発信の事をお話してまいりましたが、ここからは、琵琶湖の保全活動についてご紹介いたします。これまでから県民、事業者の皆さま方と行政が一体となって実施してまいりました、もうすでに先週末も開催していただいている自治会等もございますが、清掃活動を今年も実施いたします。多くの皆さんにご参加いただくようによろしくお願いいたします。

滋賀県漁協組合連合会は以前から清掃活動をされておられますが、今年は私も7月1日に沖島漁港にまいりまして清掃活動に参加する予定でございます。昨年は堅田漁港にまいりました。また、読売テレビの24時間テレビにも共催いただく、7月9日に実施いたします彦根市湖岸の清掃活動にも参加させていただく予定です。

次に、爆発的に繁茂しているオオバナミズキンバイの駆除を実施いたします。7月1日には県職員により駆除を実施いたします。外来魚の駆除事業といたしまして、「びわこルールキッズ2016」 や 「外来魚駆除釣り大会」を実施いたしまして参加者の皆さんに駆除にご協力いただくこととなっています。主な事業は以上でございまして、それでは、先ほど紹介いたしました、「びわ湖の日」の素晴らしいかわいいポスターを作っていただきました成安造形大学3回生の長谷川瑠夏さんに思いとご挨拶をいただきたいと思います。

[長谷川瑠夏さん]

先ほど紹介していただきました、成安造形大学3回生の長谷川瑠夏です。

今回の「びわ湖の日」のポスターですけれども、テーマは「びわ湖を楽しむ」ということで、このポスターは子どもに見てもらっても楽しめるように、クレヨンのようなタッチで、リニューアルオープンする琵琶湖博物館を筆頭に、琵琶湖について様々なものをビジュアル化しました。ビワコオオナマズとビワクンショウモを描かせていただいたんですけれども、琵琶湖の生物とプランクトンということで、敢えて名前を書かなかったんですけれども、見ていただいて、わかる人はビワコオオナマズだなとかわかってもらえるんですけど、わからない方には、後でわかった時にあの時のポスターはビワコオオナマズなんだというふうにわかってもらえれば、より記憶してもらえるのではないかということで敢えて名前は書かずに琵琶湖の生物として書きました。クリアファイルも制作させていただいたんですけど、こちらは夜の琵琶湖を楽しむということで、花火を中心として、夜の琵琶湖と下のほうはオオナマズということで深い湖と夜といふうに制作しました。以上です。

ありがとうございました。そのクリアファイルは夜でして、白い紙を入れると昼になるという、すごく考えられたデザインでしてご愛用いただければと存じます。長谷川さんどうもありがとうございました。

この琵琶湖の日啓発ポスターはコンペ方式で選定いたしまして、長谷川さんの作品が選ばれたのですが、最終選考に残った作品につきましては、県民サロンにおきまして6月30日から7月31日まで掲示することといたしております。多くの方々にこの「びわ湖の日」の様々な取組を契機といたしまして、国民的資産である琵琶湖のことを考えて、環境保全活動を実践していただければと存じます。みんなで価値ある琵琶湖を未来へ引き継いでいきたいと思います。

続いてですね、琵琶湖の水質についてでございます。

若干専門用語があり難しいものでございますが、琵琶湖の水質調査は、昭和54年から、国土交通省近畿地方整備局琵琶湖河川事務所、独立行政法人水資源機構と滋賀県が共同でおこなっています。平成27年度に琵琶湖水質の調査をおこないましたところ、特徴的な事象3点ございました。

1点目は北湖の有機物汚濁の指標であるCODの低下ということでございます。こちらのグラフは、昭和54年度から平成27年度までの、北湖と南湖のCODの変動を表しています。北湖のCODは高止まり傾向にございましたが、ここ3年は低くなっています。この要因といたしましては、降雨量とプランクトンが考えられるということでございます。降雨量についてでございますが、2枚目のグラフは平成12年度からの琵琶湖の流出量を示しています。雨が多いと、流出量は増加します。流出量の平均は約49億立方メートルでございますが、平成27年度は平均より多い流出量がございまして、雨が多かったことが分かります。なお、秋季の流出量をみると、平成27年度の秋は雨が少なかった、去年に比べて少なかったという状況が見て取れると思います。

次に、平成24年度からの北湖のプランクトンの変動でございますが、平成27年度は、平成24年度に見られたようなプランクトンの大増殖はございませんでした。比較的プランクトンが少なかったこということがわかります。以上のことから、平成27年度の北湖のCODは、雨による希釈効果と、プランクトンの大増殖がなかったことがあいまって、低い値となったと考えられます。

次に、平成27年度の琵琶湖水質の特徴の2点目といたしまして、過去最も遅い時期でのアオコの発生というものがございます。平成27年度は例年並みに5日間4水域でアオコの発生が確認されました。発生日についてでございますが、こちらの表は昭和58年度からのアオコの発生日を示しています。通常、アオコは8月から9月に発生いたしますが、平成27年度は、11月に入ってからも、アオコの発生が確認され過去最も遅い時期でのアオコ発生となりました。アオコというのは植物プランクトンが多量に増殖して水面が緑色のペンキを流したような現象になることをいいます。これは10月からの降水量が平年よりかなり少なく、琵琶湖水が滞留してしまったこと、11月の気温が平年よりかなり高かったため、プランクトンが活発に増殖したためだと考えられます。

3点目、昨年度の琵琶湖水質の特徴の3点目については、北湖の底層DO、DOというのは溶存酸素濃度ですね。DOの回復の遅れが挙げられます。このグラフはですね、ここ3年の北湖今津沖中央における、底層DOの月ごとの変化を示しています。グラフに示しておりますとおり、底層では、通常、春から秋にかけてDOが低下していきます。全層循環により、要は上と下とがぐるっと循環することによりDOが回復するという傾向がございます。平成27年度は、暖冬の影響により、例年より1カ月程度遅い、3月14日の調査で全層循環を確認したということがございます。次のシートにある図は、北湖第一湖盆における底層DOの変動を示しております。1月下旬から徐々にDOの回復が見られます。全層循環後も調査をおこなっていますが、今のところ、底層DOは例年並みに推移しているということでございます。

続きまして、平成28年度の琵琶湖の水質についてです。南湖では4月中旬から5月中旬にかけてウログレナという植物プランクトンが増殖をいたしまして透明度が悪化いたしましたが、5月下旬にはウログレナの増殖は終息をいたしまして過年度並みに戻りました。ウログレナは毎年増殖しますが、今年度はその増殖期間が長かったため、なまぐさい臭いがする期間が長くなってしまったということがございます。北湖でも、南湖から半月程度遅れて、5月にここ数年見られないレベルでウログレナが増殖いたしまして、透明度が悪化いたしましたが、現在、ウログレナの増殖は終息しています。

続いて、今年度の水草の繁茂状況についてでございます。上のグラフが昨年5月末の水草の量を、下のグラフが今年度5月末の水草の量を地点ごとに示しているグラフでございます。グラフを比較いたしますと、今年度の水草の量は、昨年度の同時期より少ないということが見ていただけるのではないかと思います。これまで、琵琶湖の水質や水草の繁茂状況について話してきましたが、これは2点ございます。琵琶湖の法律が制定されたこと。広く国民の皆様方に関心を持っていただきたいということと、私自身も毎朝、琵琶湖岸を散歩しておりまして、琵琶湖の状況に「あれっ」と思うことや、「んーっ」と思うことがございましたので、お願いをいたしまして、今の琵琶湖、今日の琵琶湖というものをできるだけダイレクトにお知らせしよう、またわかりやすく、先ほど私も述べましたけれども、まだまだ専門用語が多くなかなかわかりにくい琵琶湖の状況がございます。しかしこれをわからないから聞かない、言ってもわかっていただけないから言わないのではなくて、きちんとわかりやすくお知らせする努力を重ねていこうということがございまして、広く県民の皆様にお伝えするためのツールのひとつとして、「今日の琵琶湖」をHPに開設することといたしました。このスライドでお示ししていますとおり琵琶湖の定点写真でありますとか、水草の繁茂の状況、水質測定結果等掲載してまいります。ぜひこういったものを見ていただきながらですね、ご関心を持っていただき、より多くの方が琵琶湖に関わっていただける環境づくりに努めてまいりたいと思います。

最後でございますが、長くなって恐縮ですが、今月の「イチオシ」といたしまして、第18弾、米原市のビワマスでございます。

ビワマスは、古くはアメノウオとよばれ、平安時代の延喜式にも近江の産物として「阿米魚鮨」が上げられているということでございます。毎年10月に開催される大津祭り、私も存じ上げてなかったんですが、別名「あめのうお祭り」とも呼ばれておりまして、ビワマスは古くから珍重されてきた琵琶湖の固有種でございます。その鮮やかなサーモンピンクは、同じく固有種でありますアナンデールヨコエビを主食としているからこういう色をしているといわれておりまして、まさに「びわ湖の宝石」と称される魚でございます。

米原市では、「天野川 カムバック ビワサーモン」を合言葉に、平成23年に「天野川ビワマス遡上プロジェクト」を立ち上げられて、かつてのように天野川にビワマスが遡り、繁殖できる環境を未来に引き継ごうと、魚道を設置したり、環境学習などを実施されておられます。また、「米原市ビワマス倶楽部」では、市民の皆さんが主体のまちづくり会議で、ビワマスや天野川を素材に魅力的なまちづくりを進めようということで、平成25年には「米原市ビワマスまちづくりプラン」も策定されているところでございます。

県ではですね、いち早く明治11年に醒井養鱒場を設立しました。ビワマスの増養殖に一貫して取り組んでまいりました。マスの養殖にも取り組んでいるんですが、ビワマスの種苗生産放流にも取り組んでまいりまして、これは国内で最も長く継続している事業と言われています。ニジマスの養殖にも全国に先駆け取り組み「マスのふるさと」と呼ばれているところでございます。

ビワマスの完全養殖には昭和54年に成功しました。品種改良を重ねました結果、現在では養殖ビワマスが一年中食べられるようになっています。これは県が誇る水産技術者の努力の成果だと私は誇りを持っています。平成26年3月には種苗11万尾を養殖業者に出荷できるまでになりまして、今後は天然の漁獲量を上回っていく見込みでございます。天然のビワマスの旬はまさに今、6月から8月。身の脂の乗りが上質でございまして、うまみ成分のアミノ酸類が豊富に含まれているということでございますし、塩焼き、煮つけ、燻製、ムニエル、揚げ物なんでもおいしくいただけますが、なんといっても一番おいしいのはお刺身だということで、今日はこうしてさばいて持ってきていただきました。ちなみに、東京目黒の目黒雅叙園では、7月1日から8月28日まで開催されるイベントに合わせて、レストランで「米原フェア」と題して、ビワマス料理が1日10食限定で提供されるということでございます。では、私もいただきます。

なぜ、2匹いるのかということは、あちらは昨日さばいたもの、こちらは今日しめたもので、どう違うかというと、昨日さばいたものの方が脂の乗りが脂が回っていいんだそうです。ちょっと見た目もテカテカしているほうがあちらで、こちらはちょっとさらっとした感じです。確かに甘味はこちらのほうが、こっちのほうがシャキシャキしています。そういう食感もお楽しみいただければと思います。いずれにしても非常に美味しくて、でもまだまだ知られていない食材でございますので、ぜひ米原市の関係者の皆さんと一緒にPRをしていきたいと思います。

[毎日新聞]

びわ湖の日についてですが、以前琵琶湖保全再生法について議論されている時、法律で「びわ湖の日」を制定する話があったように思いますが、その話はなくなったんでしょうか。

[知事]

私の記憶でも国会議員時代からそういう議論した記憶はあります。

[毎日新聞]

「今日の琵琶湖」のホームページはいつから開設されるんでしょうか。

[知事]

今日の12時からです。

[毎日新聞]

6月議会の最終日に委員長報告で県立体育館の移転や新生美術館の建設を巡って、県の対応を委員長が厳しく指摘されたと思うんですけど、どのように知事は受け止められましたか。

[知事]

県立体育館についても新生美術館についても常任委員会などでさまざまなご意見をいただいた。またある意味では県の対応等に対して厳しいご指摘もいただいたと受け止めております。私たち自身もしっかりと咀嚼反芻をいたしまして、この委員会のご指摘を踏まえて、今後のさまざまな段階に入る折にしっかりと皆様方にお示しをしたり、ご説明をしたり、ご意見をうかがって、必要な変更を行う、こういった取り組みにつなげていきたいと思います。

[毎日新聞]

現在、参議院選挙真っ盛りですが、マスコミがいち早く序盤情勢を示して、改憲派とされる政党が大多数を占める勢いではないかという報道がありましたが、その報道結果をどのように見られましたか。

[知事]

この時期に行われる参議院選挙ですし、いろんなテーマなんでしょう。それぞれによってご関心事項が違うんだと思います。地域によっても違うかもしれません。それらが問われ、ある意味評価される。そういう選挙だと思います。また参議院選挙は今回一日延びたということもあって、大変長い選挙でもありますので、その時々でテーマも変わってくるのかもしれません。いずれにしてもそれぞれの政党会派でありますとか、候補者の皆様方がしっかりと所見政見を述べられて、多くの方々が投票行動を通じて、その意思を反映される。そういう選挙になればなと思います。

[毎日新聞]

知事ご自身も過去に衆議院、知事選挙に出られて、新聞報道等によって予測といえば失礼ですけど、情勢分析が出て、「一歩リード」などの記事を読まれたと思いますが、どんな気持ちで見ておられましたか。

[知事]

選挙という言葉が躍ると血が沸くところがございます。演説しているところを想像して、私だったらこういうとか、私だったらこうやるとか常に考えることしきりでございまして、同時にこういう情勢報告というのは候補者なりその周辺も見ますね。

ただ、良いところだけを取って、自分たちにとって悪い所は極力ネガティブに考えないように。そういうマインドコントロールするよう心がけていたように思います。

[京都新聞]

知事が特別顧問を務めておられるチームしがが推薦という形で、国政で初めての対応を取られましたが、それについての特別顧問としての思いをお聞かせ願えますでしょうか。

[知事]

私はこのチームしがを母体に核として知事選挙を戦い、皆様方のご支持を得て、知事という職にございます。しかし知事になってから一線を引く形で運営から顧問という役職になり、運営には一切の関与をしておりません。したがって今回の選挙への対応についても、その中で決められたことではないかと思います。

そこはチームしがと私の知事としての立場というものは一線引く形で対応していきたいなと思います。

[京都新聞]

今回の選挙は知事という要職にあられるからかもしれませんが、2陣営には為書きをお出しになっておられますが、それはどういう意味合いを持たせているんでしょうか。

[知事]

それぞれ事務所開きにご案内をいただきました。これは政治活動として、選挙が公示される前の政治活動に一環としてご案内をいただき、当然政治活動ですから、再三申し上げているように理念と政策、人と人とのつきあいという中で、いろんな対応が考えられたわけですけど、選挙公示日が近い政治活動ということもありましたので、私は選挙は中立という原則にしたがって、出席参加することを見合わせました。ご案内いただいた方に、ものすごい戦いに挑戦されることに敬意を表し、為書きを出させていただいたということでございます。

[京都新聞]

先般共闘側の街宣があった時に「三日月知事からメッセージが寄せられています」と報告されているケースがあったんですが、知事が積極的にバックアップされているということなのか、どういう意味合いがあるのかと思ったのですが。

[知事]

選挙については知事として中立。政治活動は理念と政策、人と人とのつきあいが私の基本原則です。これは今回も変えていません。それぞれの人とのいろんな関わり合いもありますし、その方々にがんばってほしい。暑い中大変ですねといったやりとりはさせていただきます。当然先ほど申し上げた為書きも含めていろんな激励のメッセージ等々もこれは陰に陽にいろんな場面でかけるものでございまして、そういったことを一つ一つとらえて、どう表現されるかはそれぞれの方なり対応ではないかなと思います。それぞれの人にがんばってほしいということでございます。

[京都新聞]

先ほども選挙になると血が騒ぐとおっしゃった知事は今後マイクを握ったり、何か動きをされることは今後ないんでしょうか。

[知事]

私は知事である以上、知事としての公務最優先です。

[京都新聞]

身体的な動きだけじゃなくて、支援者を巻き込んだことも含めて。

[知事]

知事として公務第一。公務専念です。

[中日新聞]

今の質問に関連して、お隣の三重県の鈴木英敬知事はこの参院選に関して自民党の候補者を支持する表明されていますが、これについてのお考えはありますでしょうか。

[知事]

それは鈴木三重県知事のご判断ですので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

[中日新聞]

知事としては公務最優先ということで他県の知事がどういう動きをしても、それはそれぞれのご判断ということでしょうか。

[知事]

私は選挙は中立、知事としての公務専念。いろんな前歴もありますのでね、私の場合は。選挙は好きですし、血もわきますけど、しかしそれをやりたかったら国会議員辞めてませんので。それよりもそれを超越して中立の立場で行政と政治の関わり合いを作っていったり、いろんな政策を実現したり、理念を作っていったり、ということが私の使命だと思っておりますので、私はそこは貫いていきたいと思っています。

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