平成28年5月31日
(県政記者クラブ主催)
5月も末となりました。今日の昼休みに、公館の梅の木に実がなっておりましたので、梅の実を詠みました。「葉に隠れ 梅の実育つ 近江かな」。この梅の木は昨年の夏の豪雨の時に倒れたものでございまして、非常に心配しておったんですけど、無事初春に花を咲かせてくれて、このたび実をつけてくれました。感慨深く梅の実を採りました。これから梅酒をつけて皆さんにふるまえればと思います。
本日は話題提供3点でございます。
「今月のイチオシ」ということで「草津ブランド」を紹介させていただきます。私も10年あまり住まいをしておりました大変ゆかりのある草津で、現在草津ブランドということで、新たなブランドを作られて産品のPRをされております。草津はご案内のとおり古くから良質な近江米の生産地であるとともに、水菜や大根、ほうれん草、小松菜、愛彩菜など施設野菜の栽培が盛んであります。草津市では、そういった魅力はあふれる農産物と琵琶湖固有の水産物6品目を集められて、草津メロン、愛彩菜、匠の夢という米と草津産のアスパラガス、草津あおばな、草津ホンモロコ、これをブランド認証されました。
草津メロンは、そろそろ出来上がるということで楽しみにされているんですけれども、昭和57年からJA草津市が栽培、検査、出荷、販売にわたり一貫管理されておられまして、その30年超の栽培技術の蓄積によって栽培された草津メロンは、私も大好きなんですけど、全国でもトップレベルの糖度を持っております。贈答品としても人気がありまして、毎年直売所では行列ができるほどということでございます。
愛彩菜と名付けられた、このわさび風味の菜っぱは、草津市が特産にしようと平成18年より栽培されています。昨年開催されたマヨ1グランプリでは「愛彩菜のかき揚げバーガー」がキューピー賞を受賞されたということでございまして、地道なPR活動により知名度を上げ、現在では子どもから大人まで人気のある野菜でございます。
つづいて、「匠の夢」という米は、みずかがみや秋の詩は全県的にやっているんですが、草津市の水稲農家、9名の方が、草津産米の地位向上と栽培技術向上を目指して自ら課した、食味値85点以上かつ外観1等級という非常に厳しい基準をクリアしたコシヒカリだけを「匠の夢」に認定して、出荷されているプレミア米ということでございます。
そして、最近売出し中のものが草津産アスパラガスです。元気アスパラということで、以前紹介したことがあるかもしれませんが、アスパラギン酸というものが疲労回復効果が高いということでございまして、たくさんの方に食べていただき、元気になってもらいたいという想いから平成27年より栽培されておられます。収穫直後が一番味がよく、水が滴るほどのみずみずしさが特徴でございます。
そして、間もなく咲きますが、草津あおばなですね。関連するお菓子、あおばなクッキーとか作っておられます。
草津ホンモロコ。休耕田を利用した、琵琶湖の固有種であるホンモロコの養殖に着目されまして、平成19年に「草津ホンモロコ生産組合」を設立されて、道の駅草津ですとか、地域まつり等で試食販売を行っておられます。最近では6次産業化にも取り組まれ、加工品の開発も行っておられ、瓶詰のアヒージョといったものも作っておられます。
草津野菜マルシェということで、こういった草津産のおいしい野菜やメロン等を皆さんにお買い求めいただくPRを兼ねて、6月12日に近鉄百貨店草津店で草津野菜マルシェを開催されるということでございまして、採れたて草津野菜をはじめて、「匠の夢」の試食もあるということでございますので、いよいよこういった産品も最盛期を迎えますので、ご承知いただき、またお買い求めいただければと思います。
今日は試食コーナーということで、「あおばなどら焼き」というものがあるんだそうです。これを10秒以内に食べろということなんですが、私もたいがい甘いものは好きですが、こんなにたくさんいただいたことはありませんので、あおばなの粉末が入ったどら焼きということでございまして、マスコットキャラクターも入っています。
では、いただきます。粉末の風味がちょっと香ばしくて、ぜひ皆さんも。三日月型になるまで食べてくれといわれたんですけど、時間の関係でこれで失礼しますが、大変おいしい産品でございますので、ご賞味いただくよう、よろしくお願いいたします。詳しくはのちほど草津市の皆さんにお問い合わせいただければと思います。
次の話題提供2点ございます。
1点目は、琵琶湖博物館のリニューアルオープンについてご報告いたします。昨年の夏から琵琶湖の環境と人々の暮らしを扱うC展示室、淡水生物を扱う施設としては日本最大級の規模を誇る水族展示のリニューアル工事を行ってまいりました。工事はおかげさまで順調に進んでおりまして、当初の予定どおり、本年7月14日木曜日にリニューアルオープンいたします。
新展示は、体感型・参加型展示でありますとか、実物資料などによりまして、子供から大人まで楽しめる「驚きと感動」「学びと発見」の機会に満ちた発信力の高い展示となります。C展示室では、「湖のいまと私たちから暮らしとつながる自然~」をテーマに、琵琶湖から上流部の森林までさかのぼって、琵琶湖とその流域の多様な生き物や固有種、そして、人との関わりを紹介いたします。
「ヨシ原に入ってみよう」というコーナーでありますとか、「田んぼへ」のコーナーでは、ヨシ原の中の世界でありますとか、田んぼの中の生き物、暮らしとのつながりを臨場感あふれるジオラマで紹介させていただく予定です。また、「生き物コレクション」のコーナーでは、これまで収集してまいりました琵琶湖やその集水域に生息する生き物の実物標本を展示いたしまして、滋賀の生き物の多様さを感じられる空間を演出いたします。
水族展示では、人とのかかわりを中心に琵琶湖にすむさまざまな生き物を紹介するとともに、日本初展示となる世界最古の湖バイカル湖に生息する魚や、関西初展示となります淡水アザラシ「バイカルアザラシ」、目がクリッとして大変かわいいアザラシなんですが、を紹介することにより、古代湖としての琵琶湖の価値も発信いたします。
「川の中へ」というコーナーでは、水槽に簗を再現することで、簗に飛び跳ねる魚の様子や、産卵する魚の様子を観察していただく施設となります。さらには肉眼では見えない微小な生き物の生態をダイナミックに展示する「マイクロアクアリウム」のコーナーも設置いたします。
7月14日のリニューアルオープンに先駆けまして、7月12日にプレス内覧会を開催いたしますので、ぜひご予定いただき、ご参加をお願いいたします。
最後に、平成36年、2024年に本県で開催されます第79回国民体育大会および第24回全国障害者スポーツ大会に向けて、将来、両大会に関わり、参加する子ども・若者の視点や考えを両大会の開催準備や本県のスポーツ振興等に反映させるために設置しております「子ども・若者参画特別委員会」、通称:ジュニア・ユースチームの第3期メンバーを6月24日まで募集することとなりました。そのお知らせでございます。対象は県内の小学校5年生から20歳代前半の大学生世代の方でありまして、12名程度を公募いたします。
このジュニア・ユースチームは、一昨年度からスタートいたしまして、私も報告会等参加させていただいているんですが、1年目は「湖上スポーツ」を、2年目は「スポーツボランティア」をテーマに活動していただきました。メンバーからは、湖上スポーツを体験できる観光ツアーを企画することやスポーツボランティアの心得7ヶ条の提案など、それぞれユニークなアイデアをいただきました。3年目となる今年は、「パラスポーツ」、障害のある方のスポーツをテーマに、募集チラシに記載の調査・体験活動を予定いたしております。
本県では、国体と全国障害者スポーツ大会の一体感のある開催を目指しているところでございまして、今後一層、パラスポーツへの理解・普及が望まれるところでございます。
今回の活動では、パラスポーツに関わる人たちからお話しを伺うとともに障害のある方とスポーツを通じた交流をすることによって、障害に対する理解を深め、環境改善に対する方策やスポーツの普及策を検討していただく予定でございます。ふるってご参加いただけるように、またよろしくお願いいたします。
[京都新聞]
イチオシをはじめて全市町順番にご紹介されて、これでひと回りされたんだろうと思ったんですが、ここに色んなものが登場して知事も試食をされましたけれども、改めて発見された魅力とか、あるいはPRの仕方として、今後どのようにしていこうかと感じられたことがありましたらお願いします。
[知事]
改めて本県各地の魅力、また本県各地の関係者のご努力ですね、これを感じることができましたし、この草津の野菜もそうですし、お米もそうですし、既存のものをそのままではなくて、加工ですとか、まとめてブランド化する売り方ですとか、そういったことに今後可能性を感じるイチオシのコーナーになったと思います。同時に県の行っているブランド戦略ですとか、広報戦略ともっとタイアップできることもあると思いますので、今後こういうPRの仕方を検討し改善していきたいと思います。
[京都新聞]
琵琶湖博物館の内容については、説明をしていただいたんですけれども、改めて、これからまだ段階的にやっていくんですけれども、知事として琵琶湖博物館が今後どういう施設になっていくことを期待されているかを一言お願いします。
[知事]
琵琶湖博物館が出来たのが平成8年ですかね。私もよく子どもを連れて遊びに行きましたし、多くの方が子どもを連れて来ていただいているのも目にいたしますが、やはり体験型の琵琶湖の大きさや深さや生き物の多様さ、生活の関わりを体験できるということに非常に良さがあると思うんですね。もって、琵琶湖の入り口といいますか、環境学習の入り口といいますか、そういったことに繋がる施設だと思います。
今回リニューアルをし、先程申し上げた様々な施設やコーナーでそういった面を更に深くするということですので、今回のリニューアル、今後のリニューアルを含めてより多くの方にそういった大切さを体感していただける施設にしていきたいなと思います。鉄道博物館に負けるなということで頑張りたいと思います。
[京都新聞]
あと1点、変わりまして国政に関する話ですけれども、正式にまだ安倍首相から発表という形ではありませんけれども、消費税の引き上げ予定を2年半伸ばして、その理由として、リーマンショック並みの世界的な経済状況の悪化にあるという理由をされていますけれども、そのことについて一度、1年半前の衆院選でこれ以上の延期は無いということで、衆院選に臨まれたにも関わらず、こういう状況になっているということについて、知事が感じておられることをお聞かせ願えればと思います。
[知事]
経済は変動するものですし、また日本国内のみならず世界との関わりの中で考えなければならないものだと思います。従ってそういったことを勘案され、また判断されるのだと思いますが、安倍総理はじめ政府のご見解、また与党の考え、国政でのご議論、よく注視しながら、どういった考えに基づき今回の判断が行われるのかということをよく確かめたいと思います。もちろん津々浦々人々の生活に影響する消費税ですので、高いより低い方が良い、生活の状況非常に厳しい方もおられますので、そういった面、また経済の動き等々大事だと思いますが、一方で、私も国政にいたときに議論致しましたが、長生きできるようになり、かさむ社会保障費をどういった財源で賄っていくのかという中で社会保障と税の一体改革で今回の消費増税を法制化してきた経緯がございます。もちろん1回延期をされて、経済更に改善させるということでございましたが、そういったことがどう機能してきたのか、機能しなかったのか、また滋賀県では市町分を含めて、今回もし増税が先送りされると、単年度で120億円の税収減が見込まれるということに対しての措置ですね、これは支出面はこれからですけれども、どういう支出や政策が行われこの減収分をカバーしていくのかということを、よくよく国と協議しないといけなと思っております。この点、地方財政を預かる者として強い問題意識を持ってみていきたいと思います。
[中日新聞]
経済団体の方から金曜日に申入れがあり、スポーツ施設について県立体育館の場所を考え直してくれということとか、あとJリーグのスタジアムを造ってくださいということがあったと思うが、それを受けて、まずは県立体育館の場所について、どういうふうに受け止めておられるのかお伺いできますでしょうか。
[知事]
改めて経済団体からですね、ああいう通常総会の場で、皆さんの前でご要望をいただきました。内容は私も拝読いたしましたが、内容の背景はまだきちんと伺っておりませんので、よく団体の皆様と意見交換します。よくお考えを承ろうということを指示致しました。同時にある面では心強いことだなと思いまして、今後、文化とスポーツの10年というものを作る中で、国体を開催させていただく、オリパラ、また関西ワールドマスターズゲームズに関連する施設整備をする際に経済団体の皆様のご理解とご協力なくして、こういったことは出来ませんので、むしろ経済団体の皆様方のお力もいただきながら、こういった取組が推進できればと思っております。
[中日新聞]
今回、びわこ文化公園都市の方に移転するということで、基本計画の予算も6月議会に提案するご意向があると思うんですけれども、それについて見直すことはあるんでしょうか。
[知事]
現時点で明日から始まる6月議会に提案させていただく案件を変更する考えはございません。むしろ県議会でもこういった動きを踏まえてご議論いただくことになると思いますので、その中で出るご意見等を真摯に承って、私どもの考えをお伝えし、もって県民の皆様に広くご理解いただく機会となればと思っております。
[中日新聞]
あちらに大学、医療機関等があるということで、1つの選択理由になったということをおっしゃっていたと思うんですが、連携というのは具体的にどういったイメージの内容があるのかを教えていただければと思います。
[知事]
そういった体育施設、体育館、アリーナというのは、その場に来られる方が、競技を楽しまれるということもあれば、見に来られた方が楽しまれるということもあるでしょうし、やはり体験、体感、運動というそういう施設だと思うんですね。今回、一定の人口集積がみられる、交通アクセスが便利である、課題はありますけれども利便性がある、また医療機関、福祉施設、教育機関、大学等々との連携が可能である、期待できる、また図書館や美術館、文化施設との連携も作っていこう。更には、一定の広さがある。こういったことを理由にびわこ文化公園都市ゾーンにですね、新設・移転をさせていただければと考えております。
具体的なことについては今後でありますが、県立の体育館を整備するわけでありますから、例えば全県にどう波及効果を及ぼすことのできる施設になり得るのか。例えば県民の皆様方の運動ですとか、健康ですとか、そういった情報共有ですとか、アドバイス機能ですとか。同時に近隣に大学がある。また、新たな食・科学ですとか、理工ですとか関連する学部等を設置されるということであれば、そういったところとのヘルスサイエンス・ヘルスアカデミーそういった連関がどう作れるのかといった視点。また、滋賀医科大学病院をはじめとする医療機関の近くにあるということからですね、治療、リハビリを受けられる方々と運動との連関性、そういう意味で色んな近接するということをもってできる連携の取組があると思いますので、そういったことを追求、検討していきたいと思います。
[中日新聞]
近くに大学があるということは、つまり体育館ももう持っていると思うんですね。そうするとあえてあそこにですね、包括連携協定とか龍谷大とはあるわけで、そこを使えばいいのではないかと見えてしまうのですが、その辺りというのは。
[知事]
もちろんそれぞれの大学、敷地内、若しくは大学所有の体育施設等々お持ちでしょうけれども、大学のスポーツというのもかなり大規模化若しくはビジネス化される時代に入っていると思います。当然大学の敷地内でされることもあるでしょうけれども、よりインターユニバーシティーに開催されるようなこともあろうかと思いますので、そういったことで役割を果たしていければと思っております。
[毎日新聞]
4月16日に宮崎市で地方創生のための将来世代応援知事同盟が予定されていましたが、熊本地震の影響で中止になったということで、その場で滋賀県の企業が最優秀将来世代応援企業賞を表彰されると聞いていたので楽しみにしていたんですが中止になったと。それで先日、知事室で表彰されるので取材したいと思っていたが、知事室に入ろうとした瞬間に、意見交換の場は取材しないで下さいということで泣く泣く断念したんですが、意見交換が見せられない理由があったんでしょうか。
[知事]
いえ、なかったと思います。
[毎日新聞]
そしたらなぜ取材しないでくれといわれたのか。
[知事]
私も取材をされなくなった経緯というのはよくわかりませんが、頭撮りをしてその後自由闊達な意見交換をしようということで判断されたものと思います。特に見せちゃいけないことがあったというわけではありません。
[滋賀報知]
原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定について、先だって経産省の資源エネルギー庁が県内の自治体担当者を集め説明会を大津でおやりになりましたけれども、かつては余呉町が最終処分場をつくったらどうかという動きもあったように記憶していますが、滋賀県として、琵琶湖を抱える、この高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定についてどのようにお考えになっているのか伺いたい。
[知事]
まず、大きく一般論として、国を構成する一県としても、かねてから申し上げていますように静脈というものが整備されたエネルギー政策であるべきということを申し上げております。したがってそういったものの整備ができていないエネルギー政策は大きな課題を抱えているだろうということを提起してまいりました。したがって国全体で処分のあり方、管理面、といったことを考えていかなければならないと思います。
そういったことを、国の問題意識を共有しながら今、最終処分場に関する説明会を開催されていると承知をしています。現在、「科学的有望地」の前のどういった地域、どういった地理的条件が必要だという説明が先般されたように承知をしています。今年中に国のほうから「科学的有望地」が示されるということでございますので、そういったものを見ながら滋賀県とどう関わりがあるのかという部分について検討していきたいと思います。特に県として積極的に誘致するとか、県内に適地があるという考えはございません。
[滋賀報知]
国は、海岸とか港湾から20キロ程度を目安に、かならずしもこれにとらわれてないようですが、そうなると、長浜とかですね何か所か可能性として持つだろうと思いますが、そのへんについての、どうしてもこれは避けるべきだというような県としての強い思いはあるのか、それとも国の出方を見てから考えていくという、そのへんはどちらの方向を取られるのでしょうか。
[知事]
どこかにそういう施設を作らねばならないという考えや、それを目指した動きについては、私は見ますし聞きますけれども、例えば琵琶湖を抱えている本県。その集水域の山々や地層の状態、断層の状態等々を勘案すると、いわゆる海岸から同心円状に引いた距離圏内に含まれるから、ここに処分地を、管理地をといったような議論とはまた違うという考えがあると思いますので、滋賀県知事としては、そういった責任を果たしていきたいと思います。
[産経新聞]
三日月知事として最終処分場を県内に受け入れるということに対しては、反対ということでしょうか。
[知事]
反対というよりもまだ受け入れてくれとも言われていませんし、受け入れる地域がどういうことかということも聞いておりませんのでよく国とは議論したいと思います。
[産経新聞]
受け入れてくれという話になったときに、受け入れるお考えはあるのでしょうか。
[知事]
その話によって考えます。ただ繰り返しになりますけれども、琵琶湖をお預かりし、地層の状態があるという本県の特徴はよく踏まえそういったものを預からせていただいている責任を果たしていきたいと思います。
[NHK]
一部の報道で高浜原発の事故を想定した広域避難訓練をやるという報道が出ていましたけれども、県としてどういったことを聞いていますか。
[知事]
まず、国が主導する、主催する、もって国が前面に立つこういった原発防災のための訓練の必要性は県としても主張しております。動いている動いていないにかかわらず、当地に多数の原発が立地している訳ですから、そういったことにどう備えるのかというための訓練は必要だと思います。
ただ、現時点でまだ具体的にいつどこでどのような訓練といったようなことについては承知していません。
[NHK]
仮にやるとして、報道では滋賀と京都と福井をまたいでするように書いてありましたけれども、県をまたいで広域的にやるということの意味はどこにあると思いますか。
[知事]
私どもが前から申し上げているとおり、万が一の事態が起こったら、という訓練ですから、そういった事態が発生すればその影響は県境にとどまらないということですし、広域的な避難、広域的な支援、広域的な対策ということが必要だという観点から、県境をまたいだ訓練はたいへん意味のあることだと思います。
同時にそれを地方自治体だけ、もしくは電力事業者だけに任せるのではなくて国がしっかりと前面に立った責任を持てるそういう訓練のあり方ということも私は必要だと思います。
[日経新聞]
リニア新幹線の名古屋から大阪までの区間が、最大8年とか言われていますが、短縮される前倒しになる話が出ていますが、これについての知事の感想をお聞かせください。
[知事]
どういう内容もしくはどういう仕組みで、そういうことが決められているのか決められようとされているのか詳らかではありませんが、東海道の高速輸送機関が名古屋にとどまらずより早く大阪までつながるということについては、これは意味のあることだと思います。
しかも、今の計画では2027年と2045年ですから17、8年のタイムラグがあるということですので、それができるだけ早く前倒しでという方針が決定されるとすれば、関西にとっても日本全国にとっても効果の高いということだと思います。
[日経新聞]
北陸新幹線のルートの議論で滋賀県は米原ですけれども、米原が不利な条件として東海道新幹線が米原から京都、新大阪までが非常にダイヤが過密で厳しいという点も指摘されていますけれど、時期的にズレますけれどリニアが仮に早く大阪まで伸びた場合に、北陸新幹線の議論に影響してくるということは考えられるでしょうか。
[知事]
リニアが仮に名古屋大阪間を今の計画よりも早く通ってくる。かつ、民間企業だけでなくて公的支援も入れながら作っていくとするならば、これは当然北陸新幹線の議論にも影響してくると思います。
ひとつは財源についてどう工面するのかということが必要でしょうし、また、人の流路を、例えば北陸地域の方が東京に移動される際に、どこを通られどこで乗換えて移動されると想定するのかといったようなことも影響してくるでしょう。潤沢な財源、整備新幹線整備財源が、まず整備新幹線の財源を使うのかという議論がありますが、潤沢な財政状況ではないなかであれもこれもといったようなことができるのかできないのか、私どもはそういう面からしても時間面、費用面からいって米原につなぐことが一番合理的ではないですかという主張をしていますので、当然今回のことも、リニア前倒しといったことも含めて国土交通省、政府として行われる比較検討のなかで議論されるものと承知しております。
[京都新聞]
新生美術館ですけれども、基本設計を出す時期の目途が5月末ということになっていましてまさに今日ですけれども、議会でも指摘があった45億円内で収めるということだったんですけれども現時点で基本設計がどういう状況でまとまっているのか、また今日なり明日以降どういった形で公表されるお考えがあるかお聞かせください
[知事]
この間、昨年以降、新生美術館の基本設計を行い、取りまとめるべく努力をして参りました。5月でその基本設計をまとめるということでやっておりましたので、明日から始まる議会できちんとご説明をさせていただきたいと思います。今その最終の調整をさせていただいております。
[京都新聞]
少なくともその45億円を基本設計の段階で超える、あるいは6月の議会ではまとまったものが報告できなくて更に先に延びるという状況では無いということでしょうか。
[知事]
今、ご質問の中に45億という数字がございましたが、私の記憶が間違っていなければ、美術館の建物工事そのものに係る費用が47億円という形で説明し、公園整備等で5億円、またその他の費用等もございますが、一定議会にご説明していることについては、その範囲内でやらせていただくということですし、スケジュールも当然5月でまとめるということにしておりましたので、そこでまとめたものを明日からの議会で説明をさせていただくということです。