平成28年5月16日
(県政記者クラブ主催)
今月の句をまだ読んでなかったので。「滋賀の山 小満の月 照らしけり」。私自身が生をこの世に受けた月だからか、5月が非常に好きでして、この月に感じることを大事にしたいなと思っています。国会議員になることを決意したのも5月。その国会議員を辞めて知事選挙に出ることを決断したのもこの5月。さまざまなことを考えながら過ごしております。
週末も多くの行事に参加させていただきました。信楽高原鐡道事故から25年の節目の追悼法要に参列をいたしました。また障害者スポーツ大会がいよいよ今年度も開幕ということで、長浜で行われましたフライングディスク競技の開会式に臨ませていただくとともに、昨日でございましたが、びわ湖長浜ツーデーマーチの行事に参加させていただき、全てではなかったんですけど、私も参加者の皆さんと歩かせていただきました。このツーデーマーチについては来年が25回目ということで、少し気持ちを込めて来年を迎えたいというふうに考えております。
熊本の地震の発災からひと月ということでございますので、この間の取組を検証しながら、今後のあり方、また日頃の防災対策について取組を進めてまいりたいと思います。
私からは3点情報提供をさせていただきます。
1点目は熊本地震関連でございまして、熊本地震関連で2点申し上げます。今回の地震により多大な被害を受けられた熊本県に対しまして、滋賀県から、お見舞金を贈らせていただきます。
本日午後2時に、熊本県大阪事務所の所長様に見舞金100万円の目録とともに、私からのメッセージを、健康医療福祉部次長よりお渡しをいたします。
災害の復旧に向けてご尽力されておられる蒲島知事様をはじめ、職員の皆様、関係者の皆様に敬意を表しますとともに、一日も早い復興を願いながら、引き続き、本県としても、出来る限りの支援を行って参りたいと考えます。
被災された方々の復興に向けた一助にしていただければと存じます。
もう1点、5月11日からドリームジャンボ宝くじが発売されております。発売期間は6月3日金曜日までですが、このドリームジャンボ宝くじの収益金の一部が熊本地震の被災地支援に役立てられるということでございます。具体的には、発売予定額750億円のうち、100億円を熊本地震の被災地支援分として発売され、当せん金などを差し引いた収益金約40億円が被災地支援に活用されるということでございます。私は既に買い求めましたが、皆さま方に今回の宝くじをお買い求めいただき、被災地の支援につなげていただければと存じます。
なお、被災地支援分を除く収益は地元の事業に役立てられますので、多くの皆さまにぜひ滋賀県内でお買い求めいただければと存じます。
続いて、タイ王国での活動について2点申し上げます。
1点目は、THAIFEX(タイフェックス)2016への出展についてでございます。5月25日水曜日から5月27日金曜日にかけて、タイ・バンコクで行われる食品の展示商談会「THAIFEX(タイフェックス)2016」のジェトロ・ジャパンパビリオン内に初めて滋賀県ブースを出展することといたしました。
タイフェックスは東南アジア最大級の食品展示商談会ということでございまして、昨年度実績で、33か国から1,675社が出展され、35,000人を超えるバイヤーが来場しているということでございます。
このような海外で行われる大型の食品展示商談会に滋賀県ブースを出展するのはこれが初めてとなります。日本や日本食の人気が高く、滋賀県を訪れる観光客の増加率も高いタイには、昨年秋に「食と観光のトッププロモーション」で私も訪問しました。近江牛や湖魚など、滋賀の食材の評判はとても良かったという印象をもっております。
このトップセールスをふまえ、さらに販路の深掘りをしていくために、今回、県としてのブースを、意欲ある事業者とともに出展することとしました。
今回参加する4事業者様は、すべて昨年秋のトッププロモーションに参加した事業者様でいらっしゃいまして、うち近江牛が3、湖魚が1でございますが、前回のプロモーションで得た好感触をもとに、より多くのビジネスチャンスをつかむ意欲が強い事業者の方々でございます。
このTHAIFEXへの出展に合わせまして、タイで効果的なPR媒体と言われているFacebookにおいて滋賀県の食に関するページを開設することも合わせて行います。さらに、タイで絶大な知名度を誇る日本情報フリーペーパー「DACO(ダコ)」のFacebookページにも滋賀県の食と観光の情報を投稿し、出展と県産食材の認知度を高め、効果的な取組としたいと考えております。
この秋、私自身も昨年度に引き続き、タイを中心とする東南アジアでトッププロモーションを行う予定をしておりまして、また詳細が決まればご連絡差し上げますが、この出展も含め、タイでの展開に力を入れていきたいと考えております。ちなみにタイから日本に来られる方は、平成25年が約3,000人、平成26年が約7,000人で倍増以上の伸びを記録しております。
タイとの地方間交流として、今回、職員派遣を行います。これまで本県からタイへの取組といたしましては、観光分野、県農産物の輸出などを中心に取り組んでおります。昨年11月に私もタイを訪問し、トッププロモーションを行いました。今申し上げた食品見本市への出展などを実施します。
一方、就任直後平成26年11月28日に当時のタイ王国大阪総領事館のウィチット・チットウィーマン総領事が滋賀県を訪問された際に面会いたしまして、滋賀の環境保全と経済の両立、治水の工夫などについてお話をし、タイでは洪水等が多いことから、治水や環境分野のレベル向上について職員交流を行うことで意見交換をいたしました。
タイ政府では、タイの地方と日本の地方との協力連携を強化するため、Local to Local (地方間交流)プロジェクトが行われているということでございます。
今回タイ側からの招請を受けまして、今月末29日から6月5日にかけまして、商工観光労働部次長をはじめとして県職員をタイに派遣することとなりました。現地での活動といたしては、滋賀県の琵琶湖での取組を紹介するとともに、水に関する問題を抱える地方を訪れ、意見交換を行う予定となっております。地方訪問先として、まず、タイで2番目に大きいノーンハーン湖を抱えるウドンターニー県で、治水や水質等について地元関係者と意見交換します。
次に、タイで2番目に大きい島であるチャーン島を抱えるトラート県を訪問いただき、ごみ処理等について地元関係者と意見交換する予定となっております。最後ですが、今回の訪問がタイの水問題の改善に役立ち、両国の地方間において環境ビジネス展開や市民活動交流、経済交流も含めて期待しているところでございます。
最後に3点目でございます。県では、電力の自由化に対応いたしまして、平成17年10月からの県本庁舎をはじめとして、4施設について入札を実施してまいりました。
今回これを拡大し、可能な限りの県有施設を対象として入札を実施いたします。対象施設は、知事部局、教育委員会、警察にまたがる101施設となります。今回の電力入札は、コスト削減を図るとともに、本年3月に策定した『しがエネルギービジョン』に掲げます「再生可能エネルギー総合推進プロジェクト」の一環として実施するものでございます。
具体的には、入札参加資格において、再生可能エネルギー導入状況、未利用エネルギーの活用状況、二酸化炭素排出係数等を考慮いたします。
特に、「再生可能エネルギーの導入促進」の観点から、今回の入札においては、再生可能エネルギー導入状況と未利用エネルギー活用状況について、国基準よりも配点を重く見ることとしています。県が率先してこうした取組を行うことにより、再生可能エネルギー選択への社会の関心が一層高まることを期待したいと考えております。
[京都新聞]
電力入札ですけれども、私の印象だとこれまでは施設の拡大がなかなか難しいのかなという印象を持っておったのですけれども、ここにきて、数として100施設くらいに拡大するタイミングになったのは、庁内の準備状況なり方針なりが変わったということでしょうか。それともこの電力の自由化というタイミングの問題なのでしょうか。
[知事]
これまでどういうことが課題で拡がらなかったということについて、詳らかではないんですけれども、やはり、今回電力小売りが全面自由化されたことも1つの契機だと思いますし、これを機に私たちが県の施設で使う電力の在り方を、事業者の皆さんと一緒に考えよう変えていこうという担当職員の皆様の意欲的な検討の1つの結果だと思います。ただ、あくまで入札の門戸を広げるということで、具体な取組はこれからですので、ずっとしっかり視ていきたいなと思っています。
[京都新聞]
狙いとしては、入札の方式にも電気のグリーン購入に配慮した入札制度にするということなので、ここは再生エネルギーの導入拡大というところにも力を入れているということでしょうか。
[知事]
そうです。私たちは原発に依存しない新しいエネルギー社会を滋賀から作ろうということで、ビジョンを掲げ具体の取組を進めようとしています。再生可能エネルギーの導入促進というものが、これは必要不可欠であるという観点から、こういった取り組みをより一層促せる、先程申し上げた配点の在り方ですとか、そういったことも関与して、今回、取組を進めて参ります。
[京都新聞]
現時点で経費削減がどれくらいできるのかという見込みはあるんでしょうか。
[知事]
入札してみないと分からない状態です。
[京都新聞]
熊本の地震から1か月経ちまして、改めで色々な課題が出てきているなと、滋賀県の取組として考えた場合にどういうことを教訓にするのかという課題も多く出てきているかと思うんですれれども、例えば最近報道されている中でも、今日もありましたが、仮設住宅を予めどこで作っておくかという市町の対策や車中避難対策をどうしておくのか、あるいは新耐震基準でも家が壊れているなど、様々な課題がありますので、どれからどう手をつけるのかというのは難しいかなと思うんですが、改めて1か月を経った上で、知事として県あるいは市町と共同で取り組んでいく対策として、見直しを進めていきたい、あるいは検討を進めていきたいという点がございましたら教えて下さい。
[知事]
私も重大な関心を持って報道等で1か月経った熊本地震の状況や課題を自分なりにも整理しています。全庁的にも職員が支援に行き、様々な課題を持ち帰ってきていますので、これらを整理し、滋賀の対策に結び付けていきたいと考えております。本当に幅広くあるんですけれども、例えば罹災証明の発行が随分と時間がかかっているという状況でございますし、その原因が何かと言いますと市町の職員が避難所の対応に多くあたられているということでございます。もう1つの理由として市町の庁舎が被災をし、事務的に多くの課題があるということがございますので、そういうことを想定した県内の市町庁舎の耐震の有り様を早急に点検・確認すると同時に、直下の地震が繰り返し起こるということを想定した防災対策・計画になっているかということですね。また、職員が必要な、私ども危機管理センターを整備させていただきましたけれども、県庁なり事務所なり、こうした危機管理センターまで来られるのかどうかという参集の在り方ですね。また、多くの方が自治会館や学校に行かれるだけではなく、車中で避難されているということからすれば、その居場所確保をどうしていくのか、これはもちろん自治会が活躍してやってくださるということになるんですが、今普及しておりますSNSの機器を使ってどう繋がりを確保していくのかということも私は必要だと考えております。意外にNTTの公衆電話が、役立ったという情報もございますので、県内の公衆電話がどこにどれくらいあるのかということについても、今、早速点検するよう防災部局には支持をしております。ありとあらゆる分野で滋賀も直下に多くの断層を抱える県として、対策を不断に見直していきたいと考えております。
[時事通信]
電力入札の件で、これは再生可能エネルギーの導入目標ですね、施設ごとの。そういった目標値は持っておられるんでしょうか。
[知事]
ビジョンの中で目標を掲げておりますので、それが県として大きな目標ですし、その目標に近づけるために、1つの県で使う施設の入札ですので。特にこの入札そのものに目標を持っているわけではありません。
[時事通信]
先程タイの海外の話もありましたが、東京の舛添都知事の関係で、海外出張の在り方、公用車の使い方、あとは政治資金の問題等々、色々出てきておりまして、同じ知事として、それに関してどのようにお考えなのでしょうか。先日は記者会見もありましたけれども、それも含めてお考えをお伺いできればと思います。
[知事]
舛添知事の報じられている内容について、詳細を存じ上げませんので、そのことについてはコメントをする立場にはないと思います。ただ、選挙で選ばれる公職にある者として、また、前職は国会議員であった者としてですね、やはり公私の区別、また公務と政務の区別については、気を付けながら仕事をしていきたいと思っております。
[時事通信]
公用車の使い方については、何か気を付けておられるとか、基準を作っておられるとかはありますか。
[知事]
公用車の移動も大事だと思っておりますが、私、鉄道とか公共交通好きですので、あまり車ばかり乗るのではなく、鉄道をはじめとする公共交通に乗りながら移動時間も公務に関することに活かしたいなと思います。
[毎日新聞]
熊本の地震では、それほど行方不明者の身元確認は課題にはならなかったと思うんですが、神戸や東北では身元不明、行方不明者の確認が重要な課題になり、滋賀県でも先日、死因究明の対策の提言を受けたと思うんですけれども、そのあたりの対策として考慮されているんでしょうか。
[知事]
今ここで申し上げられるほど、そのテーマでまとまった対策というのはないんですけれども、東日本大震災の時には多くの方が行方不明になられ、身元不明となられ、その確認に時間や労力をかけられたということを記憶しています。その際には、いたましいことですけれども、遺体の損傷が激しくてもその方のものであると分かるものとして、歯ですね、歯科治療の痕跡などということで、歯科医師の方々が随分ご活躍されたというお話も伺っていますので、そういった方々とも連携しながらですね、もちろんそういった事態が起こらないということが第一ですけれども、起こった場合にそのときの知見や経験を活かしていただくという観点からの取組が重要だと考えています。
[読売新聞]
三菱自動車の不正の件で、県内にも工場がありまして、大企業でありますので県内の経済に与える影響についてはどのようにご覧になっていますか。
[知事]
注視したいと思います。非常に伝統ある、また大手の企業さんのこういう問題ですので、当初の報道が出た際には担当部署にご報告に来ていただいているようですが、その後の状況の変化もあるようですので、担当部局と一緒に注視していきたいと思います。関係企業様もいらっしゃいますし、納品業者、取引業者、大手のみならず中小の皆様もいらっしゃいますので、よく注視するようにしたいと思います。
[共同通信]
オバマ大統領が広島訪問を決めましたが、知事自身の個人的な考えとか、感想を伺いたい。
[知事]
オバマ大統領が米国大統領としてはじめて被爆地を訪問されるということが発表され、そのことが実現すれば、私は歴史的に大きな意味のあることだと思います。関係者の皆様方のご努力やご決断に敬意を表したいと思います。本来であればああいう非人道的な兵器は使われないことが第一でしたけれども、使用されあれだけ多くの方が亡くなられ被害を受けられた事態でございますし、唯一の被爆国日本の被爆地に、その投下をされた国の大統領が訪問され、慰霊されるということをもって、私は核兵器廃絶の動きがより一層加速することを期待したいと思います。私も一時期広島に勤務をしておりましたので、岸田外務大臣をはじめ多くの方が努力をされた上で今回のことが決まったということで感慨深く受け止めています。