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知事定例記者会見(2016年2月9日)

平成28年2月9日
(県政記者クラブ主催)

「石田三成」発信プロジェクトの事業概要を紹介する様子
記者からの質問に答える様子

今日は家来を連れてまいりました。

情報提供は大きく1点ですが、その前に、台南市で大きな地震が発生し、多くの被害が出ております。被災された方々にお見舞い申し上げ、また、不明の方が大勢いらっしゃるという事で、一人でも多く、一刻でも早い救出をお祈りしています。

また、台南市との関係におきましては、当県も様々な経済的関わり合いがございまして、2013年に滋賀県と台南市との間で経済産業分野等の交流に関する覚書を交わし、様々な取組を現在行っているところですが、現時点で確認したところ、それぞれビジネスをされている方々は無事でいらっしゃるという事を確認いたしております。

また、事態は刻々と動きますが、現在私から頼市長あてのお見舞いメッセージを発出すべく、文案等を調整しています。しっかりと事態を見守っていきたいと思います。

さて、本日は、県で進めております「石田三成」発信プロジェクトの事業概要をご紹介させていただきます。

まず、事業の目的ですが、本県は、古くから歴史の舞台となりまして、様々な戦国武将とゆかりのある地が多くあります。戦国コンテンツは魅力的な素材の一つであります。

その中でも、石田三成公に関しては、長年マイナスイメージで語られることが多いということでしたが、また、本県との関係性も十分に発信されてこなかったが、近年若い人たちの間において、戦国時代ゲームでは、人気の戦国武将のイメージが定着してきていると聞いておりまして、また、現在放送されておりますNHK大河ドラマ「真田丸」においても、好意的に描かれるなど石田三成公に対する世間の注目が集まってきていると捉えています。

この機を、社会的潮流を好機として滋賀県の認知度・好感度を向上させていこうとするのが本事業の目的でございます。

事業の具体的内容としましては、WEBサイトの構築、PR動画の制作、東京および県内でのイベント開催、メディア媒体での情報発信の4つを事業の柱としております。

まず、WEBサイトの構築についてですが、石田三成公の基本情報、数々のエピソード、PR動画を掲載する情報発信のための基幹サイトを構築します。いま画面に出ているようなものです。こちらのホームページは本日公開いたしますので、ぜひご覧ください。

2つ目、PR動画の制作についてですが、石田三成公を題材とした話題性のある動画を制作して、今まで滋賀県に関心のなかった方々に興味を持っていただいて、石田三成、滋賀県の魅力の拡散を目的としております。こちらは、現在制作中であり、公開まで今しばらく時間をいただければと思います。

3つ目は、東京および県内でのイベントについてです。

まず、東京でのイベントについてですが、3月5日(土曜日)12時から東京駅前のKITTE 1階アトリウムにて「近江の将 石田三成出陣式」を開催いたします。

こちらのイベントでは、NHK大河ドラマ「真田丸」で石田三成役を演じられます山本耕史(やまもとこうじ)さんにご協力いただき、広く全国に向けて情報発信をしていきたいと考えています。また、あわせて、ゆかりの地であります長浜市、米原市、彦根市による物産展などを予定しております。

県内でのイベントについてですが、3月26日(土曜日)13時から滋賀県立大学交流センターに於いて、「三成フェス~今こそ再発見!近江の武将石田三成」と題したイベントを開催いたします。こちらのイベントは明日10日から参加募集を開始いたします。申込みは、ホームページ、FAX、郵送にて受け付けております。詳しくは今回公開しますWEBサイトをご覧いただければと思います。

このイベントでは、歴史学者の小和田哲男(おわだてつお)先生による基調講演、元NHKエグセクティブアナウンサー松平定知(まつだいらさだとも)さん、「真田丸」制作統括プロデューサー屋敷陽太郎(やしきようたろう)さんらによるパネルディスカッションを予定しておりますほか、ホール外でも観光ブースの設置、三成グルメの出展、お茶の逸話にちなんだ近江のお茶のPRなども予定しております。地元自治体や民間団体と連携したイベントになる予定でございます。

また、お伝えしたい情報告知は以上ですが、もう一つお手元に資料があるかと思います。

ジャストインフォメーションですが、2月の12日金曜日に滋賀県公館でセブン-イレブンとの共同記者発表をさせていただきます。これはセブン-イレブン・ジャパンさんとの包括連携協定締結7周年記念事業に関する記者発表でして、7周年の記念の年、セブンの7ということで、新たなご当地商品の発売を予定しているという事ですので、ご承知おきいただき、また取材よろしくお願いします。

私からは以上です。

[讀賣新聞]

石田三成について、1年間にわたるプロジェクトということですが、3月にわりとイベントが集中しています。新年度以降は何か考えていらっしゃるんでしょうか。

[知事]

今回3月に集中的に開催してキックオフですが、たとえば来年度も「三成会議」という長浜市、米原市、彦根市3市がやっている会議があるんですが、その中で大河ドラマ特別展、三成グルメの認定・普及活動などを予定しております。したがってドンとここで盛り上げて来年度以降も事業を続けていきたいということです。

[讀賣新聞]

これまで県内武将がPRされてこなかったのは知事としてはどういう原因だと思われますか。

[知事]

おそらく県が盛りだしてPRしなくてもご高名であられた武将が多かったんじゃないかと思います。織田信長はじめ豊臣秀吉、浅井長政、蒲生氏郷。もちろん滋賀県だけじゃないんですけど、各地を転戦され、しかし主に滋賀で活躍された武将のいろんなゆかりの地、合戦の地などが滋賀県が乗り出さなくてもご存じだったことがあったのかもしれません。しかし歴史的に諸説あるが、優秀だったんじゃないか、人柄もよかったんじゃないかと改めて見直されたり、ドラマを通じて、新たな人物像が紹介されたり、若い人にも人気のある、この機にもう一回石田三成公を見直すきっかけになるんじゃないかと現場の担当者が発意発案してくださって、大変多くの方のご理解をいただいて、事業に結びついたという事です。

[讀賣新聞]

昨日、大戸川ダムの関係で知事も行かれたと思うんですが、改めてお聞きしたいんですが、四府県合意された時は嘉田前知事、環境重視型の知事でもあられたと思うんですが、知事が当時の知事と考えを同じくしていらっしゃるのか、今後ダム政策に関して別の考えを、環境も変わってきていると思うんで、その辺をどのように受け止めてらっしゃるのか。

[知事]

前知事でいらっしゃった時に四府県知事合意をされました。これは平成20年11月と承知をしておりますが、その合意をした時と状況の変化はない。したがって四府県知事合意を見直す必要はないというのが私の考えでありますので、そういう意味で四府県合意内容と照らしてどうかということについては変わっておりません。

[讀賣新聞]

四府県合意をした時は中上流域の河川改修が進まない限り大戸川ダムの治水能力が発揮ができないので、河川整備計画に盛り込む必要が当面ない、優先順位が低いとされていて、ダムの能力自体を疑うものではなかったと思うんですが、滋賀県にとってのメリットでいうと流域の自治体などは整備の要望なども強かったと思うんですが、知事の考える、流域全体ではなくて滋賀県にとってダムを今作らないことのメリットはどんなこととお考えなんでしょうか。

[知事]

直接のお答えになるかどうかわからないんですけど、ご質問の中でご指摘いただいたようにダムそのものに一定の治水効果はあります。これはかねてから多くの方が指摘もされているし、認めもされている。しかし同時に大戸川ということに特化して申し上げれば、ダムだけで、ダムをつくったからといって全ての浸水を防げるかというとそういうことではない。ダムを作ったとしても防げない浸水というものがあると想定されておりますので、これはハード対策だけではなくて、ソフト対策も組み合わせて対策を講じていくことが必要だと思いますので、そういう意味では滋賀県の甲賀市ならびに大津市の大戸川沿川についていえば一定の効果もあるというふうには思っております。

同時にダムというのは流域、上下流全体でつくるかつくらないか判断するということだと思います。その意味で河川整備計画というのがあるんですけれども、その中で凍結をする。本体工事建設を凍結、実施時期を検討、こういった状況というのは変わっていないと思いますので、その方針を変えたものではありません。

[京都新聞]

ダムの関連ですけれども昨日の会議でも知事が四点要望、要請という形で意見を述べられ、自然環境への影響が懸念されるので十分検討をということでしたけれども具体的にどういうあたりを意識されているのか。大戸川流域そのものの話なのか淀川水系全体のことを含めて言われているのか、今の時点で詳しく伺いたい。

[知事]

おもに大戸川流域ですが、川はつながっておりますし水も流れておりますから、つまるところ上流下流の影響になると思います。おもに大戸川、また大戸川から直接流れそそぐ、琵琶湖ではなくて瀬田川なんですが、のことを抄写した表現というふうに私はとらえています。

[京都新聞]

昨日の評価結果でも環境面の評価では、ほかの代替案と有意な差はないという評価になっているんですけれども、その評価の文面を読むと必ずしもそう言い切れるのかなあと、やっぱり自然環境には影響があるんではないかなあとも読めるんですけれども、その部分の環境面の評価についての配慮のところも昨日の時点では知事も一定納得されたということなんでしょうか。

[知事]

このダムですね、もちろんダムで流れをせき止めるわけですから、流水面または流下面の影響はないわけじゃないんでしょう。と同時にこの間様々な検証なり事業の見直しの中で、穴あきダムということでつながった状態で流下をという、そういう中で一定解消されたこともあれば、なお残る影響もあるのかもしれません。大戸川上流沿川というのは花崗岩土質のいわゆる真砂土といわれ非常に削れやすい、そういう意味で堆積土砂が他の川よりも多く発生するといそういう影響もあるでしょう。ならびに魚をはじめとする生き物に対する影響等もないわけではないでしょう。そういったことを包含して私としては申しあげましたが国としては一定、費用面、安全面、様々な面を総合的に勘案しああいう結果を出してきたんだと思います。

[京都新聞]

経過をたどると検証手続自体を知事自身が政務官時代に携わられて策定した経過がありまして、当時弊紙で行ったインタビュー記事を改めて読ませていただくと、やはり住民の意識の共有とか合意というところがポイントになるというふうに言っておられました。この検証の一連の手続きを見ると、閉じた世界だけで行われている印象があって、これからも手続まだ進みますけれど、いろんな長い経過があったこの問題に関して、期待する地元の方、反対をしている側の両方の方がいまいち検証の中身を十分認識できていない、納得されていないというか、昨日取材をしていて感じまして、始めた経過を振り返られてもそもそもこの手続だけで問題がないのか、そこらへん思いはいかがでしょうか。

[知事]

進化の途上にあると思います。その進化というのは進めるうえでの進化もありますし、深めるという意味でも深化の途上にあると思います。治水というのはきわめて多くの人がかかわる、また長い時間をかけて行われる事業でしょう。古来、治水こそ政治といわれたのも、その所以かもしれません。しかし一部の河川工学者がその専門性が高いゆえにそれを担いすぎ、かたや住民のほうはその河川工学者にそれらを任せすぎ、なにか施設ができればそれで安全かのように誤解、錯覚、依存してきてしまった面がある。しかし以前のようにハード整備するだけの予算が潤沢かというとそうではない。同時に気象も変化してきていろいろと雨の降り方も変わって、都市開発も進んできて、そのハード整備だけに任せていては防ぎえない洪水や浸水というものもある。そういう中でこのダム検証も手続を定め、平成22年以降行われている。滋賀県ではですね、同様の問題意識の中で流域治水と、流域全体で考えよう、川のことも含めて考えよう、ソフト対策も含めて考えよう、こういう治水の在り方というのをまさに条例化までして私権を半ば少し制約するようなことまで含めてやろうとしている。私は画期的なことだと思います。今回国も鬼怒川の災害を含めて同様の方向に昨年末ですか、水防災意識再構築ビジョンというものを定めて新たな治水防災対策のステージに入ろうとしている。だから私はそういう意味でまだまだこのダムをめぐる治水をめぐる議論というのは進化(深化)の途上にあるという風に考えております。この手続そのものがどうだったかというと、一定開かれた、コメントを出す手順もあったと思いますし、その時々そのコメントに基づいて論点を増やしたりということも行われてきているので、この手続について、私は一定開かれたこの検証手続を定めた時の趣旨はきちっと守った形で行われているのではないかと考えております。

[京都新聞]

この先あらためて知事意見聞かれると思うんですけれども、その場合にその時点ではダム建設そのものについて昨日よりももう少し明確に賛成反対ということがはっきり示されるのかどうかということについてはどうでしょうか。

[知事]

この大戸川ダムを建設することを凍結しているということについては何ら変わりません。当然河川整備計画の中では、じゃあ有利な案と評価されたダムをどうしますかという議論になるんでしょうけれども、これは淀川全体で上流下流でまさにいま申しあげたような途中、中流地域での工事の進捗状況も確かめ、またこの大戸川ダムをつくることの治水上の効果もしっかりと検証して、かける時間、コストと、費用対効果も検証しながら、上流下流、国とさあどこまでやりますかいつまでにという議論になるんだと思います。私は凍結を解除する段階には至っていないというふうに考えておりますので、いつどう議論されるかという段階は、まだ私は聞いておりませんけれども、しっかりと申しあげたいと思います。

[滋賀報知新聞]

四府県知事合意はいま変更する必要はないということですが少なくとも治水上有利と出た以上、下流府県とももうひとつしっくりいっていない、足並みをそろえる必要がある、もう一度話合いを持つというかそのへんのお考えはないですか。

[知事]

このダムについてですか。

[滋賀報知新聞]

そうです。4府県合意はいじる必要はないにせよ、今後4府県で協議を持つというかそういうお考えはありますか。

[知事]

このテーマもそうですし、それ以外の広域課題もそうですけれども、必要なとき必要な方々と協議はしていきたい。

[滋賀報知新聞]

今は必要でないんでしょうか。それとも必要であるのか。大戸川で。

[知事]

大戸川の検証結果これからまた次の手続に入っていく段階で、自治体だとか有識者の方々の意見を聞かれるステージに入ってきますのでその段階でまたどういう問題が提起されるのか、それらが自治体にどう影響するのかということを勘案し検討したいと思います。

[中日新聞]

先ほどバスケットボールBリーグの大河チェアマンが表敬訪問されまして、お話されているところを取材しておりましたが、その中でアリーナの問題について、リーグ側やレイクスターズ側から、こういったものを考えているし、こういったものが必要だという話がありましたが、この辺りは話を聞かれてどのように受け止めていらっしゃいますか。

[知事]

今年の秋から、いよいよ新リーグがスタートするということで、その方針やエンブレムマークやポスターなど、そういった意気込みを感じた訪問であったと。まさに始まるんだなぁと実感しました。同時にこのリーグで戦っていくことに課されるアリーナの条件等々についても一定理解しつつ、滋賀県は滋賀県の立場で対応していくという事ですけれども、民間の側から安く、バスケットだけに限らず全天候型で、多くの方がお楽しみ頂けるような施設を検討されているということを改めて聞きましたので、その内容をまた聞きまして、県と連携できるところがあれば連携していきたいと思います。

[中日新聞]

会談の際、リーグに関しては知事から自治体の事情に見合った柔軟な対応を求めたいとおっしゃいましたが、そのあたりはどのような真意をもっていらっしゃったのでしょうか。

[知事]

例えば大きな企業がバックにいるチームであれば、チームの運営や施設整備も自前でなさるでしょうし、大きな政令市や大きな大都市であれば、そういう施設整備も滋賀より容易なのかもしれません、財政的にも。

しかし、滋賀県は人口141万人の都市で、唯一のプロスポーツチームであるレイクスターズにいろいろな形で応援しているのですけれども、さらに県立体育館でもって無条件にそれらをクリアする、そういう施設整備を短期間の間にできるかというと、これには県民の皆さんの理解、また財政の工面、そういうことも必要であるでしょう、そういった事に柔軟に配慮いただきたい旨申し上げたところです。

[滋賀報知新聞]

今日チェアマンと一緒に来られた坂井代表から、県立体育館とびわ湖ホールの中間を、浜大津なりの県有地に。県立体育館としては5000人としても公共性の問題が強くて使いにくい。だから浜大津の県有地に造りたいというという話がありましたが、今までの知事の話では県立体育館というものがベースに5000人という事でしたが、坂井代表からのこの別地での提案については、どのように考えますか。

[知事]

現時点、一部リーグ本格参戦に向けて最初のシーズンを、県立体育館をホームアリーナにどう戦っていただくのか、これはホームゲームの8割使用、可動席も含めて5000人収容という、例えば日程面の調整や施設面での協力、こういうことを何とか行えるようにしようというということで最終調整していますので、まずはスタートダッシュに向けて、県も県立体育館もできることをするという事だと思います。

今日話があった、浜大津に云々という話は初めて伺った話ですし、具体にどの場所でどのスキームでということを伺ったわけではありませんので、また具体に詳細を伺ったうえで必要な検討を行っていきたいと思います。

[時事通信]

新たに滋賀県として米原ルートのこういう点が有利だということを提供して関西広域連合で主張するということはあるんですか。

[知事]

何をもって新たにとおっしゃっているかわからないですけど、私どもは年末に機会をいただいて与党検討委員会に意見発表した際に持ちうる最新のもの、また集めうる最大のものを申し上げたつもりです。その後状況の変化があったとすればJRが意向を正式に表明されたという事でありますので、そういったことと比較対照しながら今後議論されると思いますので、その過程において滋賀県なりの考えを伝えていきたいと思いますし、滋賀県の並行在来線の調査については、予算項目にも上げながら滋賀県としての調査をすることに現時点でしているんですが、そういう具体のものも明らかになってきた時点で議論に加えていきたいと思います。

[滋賀報知新聞]

関西広域連合という枠組みでどのルートがいいかということがあるんですが、3ルートの中で米原ルートが最有利だという形で来ていて、県民の方からすると、それができることによって滋賀県にどういうメリットがあって、どうしても百年の計でいるんだという、逃がした魚がどれだけ大きいのか、どうお考えになっているのかというのが一つ。

それから京都や大阪から小浜まで行ったとして、並行在来線に湖西線も入るとすれば米原有利だといいながら結局ふんだりけったりというか、どんなメリットがあるのかわかればもっと県民も動けたと思うんですね。それが示されずに来て、工期とか経費という形だけでルート設定だった。

要するに事実上変わると思うんですが、逃がした魚はどれだけの大きさをもつとお考えですか。

[知事]

そもそも魚を獲りにいっていたのかどうかということだと思いますし、私はまだ、これからだと思いますよ。多くの県民の方々の議論する段階になっていたかどうか。私はこれからだと思います。魚を獲りに行こうとしているのか、カニやエビを獲りに行こうとしているのか、鳥を獲りに行こうとしているのか。獲りに行く際にどれだけのコストをかかるのかということもオープンにして、いよいよ切実感を持って議論する、そういう段階だと思います。

[滋賀報知新聞]

県民はわからないわけですよね。そういうメリットがあるんだと。意外となくてもいいんだと。県民に材料が全然提供されてない。広域連合だけで政治的というか、はっきりいえば大戸川ダムも嘉田さんの時にダム全部やめちゃったと。それで京都や大阪の負担がなくなった。じゃあ滋賀県の顔をちょっと立てましょうかということがあったと思うんですよね。松井さんみたいなプラグマティズムな人たちが登場したから滋賀県なんかいらないよと。京都の国際的に評価の高い所を通しますよ。きわめて政治的な知事も含めて、その中で決まっているわけですが、米原ルートというのが計算もありますが、政治的にもあったと思うんですよね。もっとぶっちゃけていえば東海道新幹線の駅一つぐらいあんたたち関西広域連合で責任もってやってよと。それぐらいのこと言ってもいいんじゃないですか。脱退するよと。大阪とか京都とかが中心で広域連合が動いて小さな周辺の県がどんどん否定されるというお考えはないですか。

[知事]

もちろん整備新幹線のルート等々は政治的にも決定されていくことは私も一定理解しておりますが、例えばということで表現された治水政策で何かというような類のものではなかったと私は考えております。

関西広域連合というものは地方自治体の挑戦だと思うんですよね。対立する利害をどう調整し、霞が関や永田町で決めなくても決めていけるよというある意味で挑戦だと思うんです。その中で、たとえば治水政策や交通政策についての議論もある意味広域連合が問われ、試されるものだと思います。

こと整備新幹線は、関西の中だけで完結しないことですので、もう少し広いエリアで考えなくてはいけないということからすると、少し難しい要素があるのかなと思って見ていますので、この今の状態をもって広域連合の意義役割が問われ直すということではなく、むしろこれをうまく活かしながら関西全体のメリットになるようなものにしていきたいなと私は思います。

[滋賀報知新聞]

高浜原発なんですが、再稼働して、4号機もまもなく今月下旬に再稼働するということですが、その条件に西川知事は使用済み核燃料を県外にもっていってくれと国と関電にいわれて、それに対して京都府はノーと明言されて、和歌山県も先月中旬の会見で津波や地震があって適地ではないという発言があると、関電の考える県外、海があるとかいう設定が徐々に狭まっている。あるいは変えていかざるを得ない。普通に考えると大阪や兵庫はありえないと。人口密度から考えると無理ですから。兵庫は日本海側とかはあるかもしれませんが、もう一度滋賀県というものが出てこない保証も限らない。中間貯蔵施設についてイエスもノーもまだおっしゃってない。これについてなぜおっしゃってないのかということと今どう思われているのか。この2点についてお願いします。

[知事]

使用済み核燃料の問題は、まず大前提として動脈の部分のみならず静脈の部分も整理していくことの緊急性・必要性は私どももかねてから主張しておりますし、そういう部分もない段階で、もちろん履行された防護体制というものもありますが、容認できる環境にはない。使用済みの核燃料を生み出すことを容認できる環境にはないということを申しております。

いろいろなアンケートもいただいておりますし、会見でもお答えしておりますが、そもそもイエスもノーも言っていない。その問い自体がどうするかイエスですかノーですかという問いかけもないので、イエスもノーも言える状況にはないということでございます。

そういうことも含めてどうするのか、最終処分をどうするのか、安全対策はどういったことがいるのか、中間貯蔵はどうするのか、最終処分はどうするのか、安全対策はどういったことがいるのか、自治体の関与はどうするのか、運搬はどうするのか、今国においても検討されているときいておりますので、そういう議論の動向を見守りながら県としての判断もしていかなければならないと思いますし、これは次の時代を生きる人類にとって極めて根源的なテーマだと思っていますので、国を挙げて議論し、今後にツケを残さない対応をしていかなければならないと考えております。

[滋賀報知新聞]

関電からそういう話はないということですか。

[知事]

関電からも国からもそういう話はありません。そういう相談を受けたこともございませんし、あくまでこういうことが議論されていますが、どうでしょうかという漠然とした問ですので、この時点で県として、知事としてお答えする段階にないと考えております。

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