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知事定例記者会見(2016年1月26日)

平成28年1月26日
(県政記者クラブ主催)

「おいしが うれしがマルシェin有楽町駅前広場」をPRする様子
代表理事の上野さんとキャベツのPRをする様子

私は最近、スポーツ観戦にはまっているのですけれども、とりわけ大相撲が大好きでして、場所中はほぼ毎日、見られないときは朝の大相撲ダイジェストを見て、新聞も見て取組結果を確認するのですけれども、琴奨菊さん良かったですね。地道に懸命に努力すれば、また謙虚にやれば結果が出るんだという事を学びましたし、ご家族ご夫婦のほほえましいご支援、応援も良いなと思いながら見させていただいておりました。

また、滋賀県大津市出身の鳰の湖さんも、途中まで優勝争い、4連勝のあと最終的に5勝2敗と勝ち越して、来場所も楽しみです。事前に北の海理事長の名前を配した番付表を送っていただいて、私からも「ぜひ頑張ってほしい」と手紙を出して激励していたところですので、非常にうれしく思いました。山響部屋ですか、是非頑張ってほしいなと思っております。

また、広島で行われた駅伝大会、12位という事で近年まれに見る好成績という事で、第一回が4位ですか、私の記憶が間違っていなければ、当時JRの広島で社員をしておりまして、広島滋賀県人会の皆さんと幟をもって応援に行ったところですが、今回、陸連会長にお祝いのメールを、そして応援してくださった広島滋賀県人会の皆様方にお礼の電話を昨日させていただいたところです。

レイクスターズはbjリーグウエスタンで今5位、Vプレミアリーグで東レアローズ女子バレーボールチームは週末連勝で現在1位ということでございますので、滋賀県ゆかりの選手の応援、今後とも頑張ってやっていきたいなと思っております。

また、今日は錦織圭さんの試合もあるようですので、そういう「するスポーツ」「見るスポーツ」「支えるスポーツ」これからも盛り上げていきたいなと思っております。

さて、本日はお手元に資料があるように、「おいしが うれしがマルシェin有楽町駅前広場」ということで、会見室前廊下にポスター掲載もしておりました。

週末、強い寒波に見舞われ大変寒かったですけれども、こういった冬の寒さがあるからこそ、またその中での農家のご努力があるからこそ育まれる美味しい食材が滋賀県にはたくさんあります。その滋賀の美味しい「食」を首都圏でPRしようということでして、今週末の30日、31日の2日間、東京の有楽町駅前広場を滋賀の食材や加工品でいっぱいにする「おいしが うれしがマルシェ」を開催いたします。

このマルシェでは、環境こだわり農産物の「近江米」や「近江の野菜」はもちろんのこと、朝宮茶、土山茶などの「近江の茶」、全国に誇るブランドである「近江牛」やその串ステーキ、今が旬のヒウオやビワマス、セタシジミといった「湖魚」も鮮度抜群で販売させていただくなど、通常のマルシェの枠を超えまして、大々的にオール滋賀の「食」をPRしながら販売し、東京のみなさまに親しんでいただくことを目的に開催いたします。

チラシ裏面に出店予定の一覧が出ていますが、この規模での、首都圏でのマルシェの開催は初めてとなります。

県内の生産者や加工事業者の方々、27の事業者が出展されまして、丹精込めて生産した食材や加工品を販売していただくということですし、この機会をとらえて、どのような商品がどのような方に売れたのかなど、販売データやお客様の購買傾向というものを収集、分析しながら、今後の商品開発や販路開拓につなげていきたいと思っております。

二日間のマルシェを盛り上げるために、振る舞いやステージイベントも用意しております。

初日の30日には、びわ湖と季節を感じる美味しい振る舞いといたしまして、温かいしじみ汁や、東京ではめったにお目にかかれない鮮度抜群のヒウオの釜揚げを数量限定ですがご来場の方にお配りします。

今週末の東京もまだまだ寒い日が続きそうですので、温かいシジミ汁をお楽しみいただければと思います。

また、マルシェの二日目、31日の日曜日には、私も参加いたしまして、本日の資料にもありますように「観客77名と私・知事とシェフが恵方巻き‘びわ湖ロール’にかぶりつき」というセールスステージを行うこととしています。

まず、私と一緒にステージを盛り上げていただくシェフですが、滋賀県甲賀市ご出身の30歳という若手のフランス料理人で、船岡勇太(ふなおかゆうた)シェフでございます。

船岡シェフは、18歳からフランス料理を勉強されるために滋賀を離れ、現在はミシュランガイドにも掲載されている大阪中之島にある「ビストロノミーDUMAS(デュマ)」のシェフを務めておられます。

私もまだお会いしたことはないのですが、非常に郷土愛のある方で、故郷、滋賀の食材の魅力を熟知され、普段から愛用しておられるとお聞きしておりますので、滋賀県出身の若い方が、大阪でももちろんご活躍中ですが、東京でも一役買っていただけるということで、誇りに心強く思っております。

もうすぐ節分ということで、シェフが考案されたフレンチ風滋賀の恵方巻き「びわ湖ロール」を披露いたします。近江米「みずかがみ」、上質な脂の乗った「ビワマス」、近江の伝統野菜の「水口かんぴょう」や「日野菜」、春の訪れを告げる「菜花」など、滋賀らしい食材を贅沢に使った、見るからに美味しそうな恵方巻きを一緒に頂きたいと思います。

私もどんな味がするのか、今から非常に楽しみにしているのですが、皆さんと一緒にPRしたいと思います。

また、77名の方に「びわ湖ロール」をお配りするのですが、滋賀と節分にちなんだイベントということですので、恵方巻きは滋賀の方角を向いていただこうと思いますし、77名の皆さんと一斉にかぶりつくという事でございます。

その他、船岡シェフと食材の生産者が同様にステージで食材の魅力を語りながら、琵琶湖の幸と山の幸を使った香味豊かなオリジナルスープ「滋賀のスープ ド ポアソン」を振る舞いするなど、マルシェを大いに盛り上げたいと思っております。

東京ということで、少し遠いですが、お時間が許せば取材していただければ幸いです。

関連して、昨日資料提供させていただいた近江のお茶をPRするキャンペーンですね、マルシェに引き続き2月1日から一か月間、首都圏と滋賀県内で開催するという事でございます。

期間中、ホテルや飲食店で近江のお茶を使った料理が提供されます。このキャンペーンをきっかけに、近江のお茶を味わっていただけるお店を増やして、消費者の皆さんに近江のお茶の良さを知っていただき、味わっていただき、近江のお茶を選んで飲むという消費拡大に結び付けていきたいと考えております。

ちなみに、京王プラザホテル、リーガロイヤルホテル東京、赤坂エクセル東急はじめ、首都圏の多くのホテルで近江のお茶という事で出していただけるという事でございます。

さて、今月のイチオシ、今回で第16弾という事になりますが、大津市の「関津キャベツ」。ここに美味しそうなキャベツが並んでいますが、「関津キャベツ」でございます。

後ほど皆さんにインタビューもしながら、なぜキャベツを栽培することになったのかという事を聞いてみたいと思うのですが、このキャベツ、水稲の刈取後に栽培できる冬キャベツでして、昨年度は第22回JAレーク大津農業まつり農産物品評会で「大津市議会議長賞」を受けておられます。また今年度は、大津市の「実りある地産地賞」を受賞されたということです。

品種は、葉が柔らかく甘みが強い「彩音(あやね)」と、湿害に強く生産が安定する「冬武将(ふゆぶしょう)」の2つが中心です。

平成25年度に、刈取後の水田を活用できないか検討した結果、キャベツの試験栽培をスタートされました。

1年目に45a、2年目に86aと面積を増やされ、3年目の今年度は1haを超える産地に成長したということです。そのうち30aは、滋賀県の環境こだわり農産物の認証を受けていただいております。

試験栽培開始時から、大津市内の学校給食にも継続的に供給していまして、今年度は6.7tのキャベツを供給していただく予定です。

この関津キャベツを栽培しているのは、今日お越しいただいている「農~夢せきのつ(のーむせきのつ)」の皆さんです。大津市南部の田上地域の農事組合法人でして、役員さんを中心に自分達で苗をつくるところから栽培していただいております。

ご紹介します。代表理事の上野透(うえのとおる)さん、理事の宇野増蔵(うのますぞう)さん、そして上野眞(うえのまこと)さん、エプロン姿で美味しそうな料理を運んでいただきました上野壽久(うえのとしひさ)さんです。

ちょっとお聞きしましょうか。

「なぜキャベツの産地化に取り組まれるようになったのでしたっけ?」

【上野さん】

減反政策の裏作として麦大豆をしていましたが、補助金が平成29年度にはなくなるという話も聞き、補助金なしで運営できるような経営状況をつくりたいと思っていたところ、大津市からキャベツの栽培をしてはどうかという話があり、まずキャベツ栽培をしてみようという事で取り組みました。

それで、我々にはノウハウがありませんので、県に指導いただきながら今日まできました。皆さんには感謝しています。ありがとうございます。

ということでして、キャベツというと千切りなどを良くいただくのですけれども、このキャベツの美味しさを十分に堪能できる調理の仕方というものがあるのですね?

【上野さん】

私どものキャベツは千切りで食べていただいてももちろん美味しいのですけれども、より甘さを引き立てるために熱を入れると甘みが出て美味しくなります。

今日はキャベツカレーをつくりました。5,6人分のカレーですが、キャベツ半分650g程を入れています。それと関津産のにんじんと玉ねぎ、そして環境こだわり米のコシヒカリと関津で統一したカレーとなっています。是非お召し上がりください。

それと、もう一つはカレーにするとキャベツがどうしてもわからなくなってしまうような印象がありましたので、残りの半分のキャベツをブイヨンで煮込みました。シンプルですがキャベツの美味しさはわかっていただけるものと思います。

では、キャベツの煮込みから食べます。

(知事試食)

甘いです。キャベツ独特の風味が。すごく甘いです。この時期特に美味しいのですよね。キャベツカレーをいただくのは初めてなんですが、あいますね。

「農~夢せきのつ」の皆さんは新しい時代を見越して、国の農業制度の変更も見越しながら、自分たちで何かできることはないかという事で、このキャベツ栽培に取り組まれ、いろいろと植える時期や、寒くなる季節の状況など色々な心配をしながら現在3年目を迎えていらっしゃいます。

キャベツだけではなく、米の栽培でも環境こだわりコシヒカリや環境こだわり日本晴を関津産でつくっていただいておりまして、米の栽培はヘアリーベッチというマメ科の植物を緑肥として化学肥料は使用せずに栽培した環境こだわり米をつくっていらっしゃるという事です。こういう取組とあわせて、県としてもPRしていきたいと思いますし、地域の販売所で販売されておりますし、色々な皆さんから喜ばれてお買い求めいただいているところですので、皆様もお知りいただき食べていただければと思います。

以上で私からの報告を終わります。

[読売新聞]

おいしがうれしがマルシェについて、この規模で東京でというのは初めてという事なんですが寒い時期にあえて選ばれたのはヒウオの時期を選ばれたということですか。行楽時期のほうが外のイベントだと人に訴える機会は多いのかなと思ったのですがあえてこの時期を選ばれた理由は。

[知事]

まずこの時期になったのは国の交付金を活用して正直申しあげて、やらせていただけるということなので、その採択を受けて準備している、今年度中にやるということからしてこの時期、ということです。どの時期にもおいしい食材はあるんですが、せっかくなんでこの時期においしいものをPRしようということでヒウオはじめ食材を用意するということでございます。今後、今回の開催を通じて結果を見て、反応を見て、今後の方策についても考えていきたいなと思います。

[読売新聞]

77人という数字はなにか意味があるのですか。

[知事]

ラッキーナンバー、ということです。担当者のみなさんがご考案いただいたということで、77人来てくださいますよね。

[読売新聞]

米原ルートの件なんですが、今度は大阪府のほうも知事も行かれた与党の場面でですね、こだわらないということをおっしゃったという報道も出てるんですが、知事が米原ルートを推されている理由に関西広域連合が採択しているのと、費用面とか時間的に米原ルートが最適であるということをおっしゃっていたかと思うんですが、まずその理由の一つだった関西広域連合の主要な京都・大阪がなかなか足並みがそろっていないんじゃないかというところと、コスト面のところよりも京都を通るという費用対効果で見込まれるほうが魅力的なのではないかというような流れが出ている気がするんですが、このままだとそういった大きな力に滋賀の米原ルートというのが消されてしまうのではないかという懸念があるんですが、知事としてはこれまで通りの主張を続けられるのでしょうか。

[知事]

私はこれまで通りの主張を続けます。まずこの北陸新幹線敦賀以西ルートについては、私どもは地域のことを考えて、もちろん滋賀のことを考えて、日本全体のことを考えて、費用面、また時間面、さまざまな合理性の観点から米原ルートが最適ではないかと。このことは、費用負担分担の在り方、並行在来線の在り方で一定の留保、検討条項は残しつつ、関西広域連合でもその方針を、3年前に確認しているところです。その後いよいよ現実味を帯びて検討する段階で様々な意見が出ているのかもしれませんし、大阪府知事の先般の与党の検討の場でおっしゃったことを私はすべて承知しているわけではありませんが、いずれにしても決定権者である政府与党をして、早期に決めてほしいという趣旨で発言されたのではないかと思います。しかし、関西広域連合で決めたことは、その経緯経過を踏まえるべきであると思います。したがって今後関西広域連合の場をはじめ、様々な機会を通じてしっかりと議論し、決めたことをどう実現していくのかという観点での議論を喚起していきたいと考えております。

[読売新聞]

関西広域連合は首長同士の会ですので、上下関係はないと思いますが決まったことが覆る可能性もあると思うのですが、そのような場で、米原ルートに心が向いていないと思われる首長さんに対して、これまでの主張でとおるとおもっていらっしゃるのでしょうか。

[知事]

敦賀以西のルートで決まっていることは、昭和48年に国の閣議決定で小浜市附近を通り大阪にという「小浜市附近」というのが決まっています。

したがって、国として今どう決めていますかというと、小浜市附近ということを決めています。しかし、時代や事情の変化や、また関西広域連合の見解として米原ルートが最適なのではないかという事を決定して提起しています。その意味からすると国の決定を地域の主張で覆してくださいということを申し上げていることからすると、これも一つ大きなハードルだと思いますし、3年前の4月に関西広域連合で、まだまだ十分わかっていなかった情報もあるけれども、一定米原ルートが良いんだと決めた以上は、その方針をどう実現すればいいのかという観点での議論をもう少し加速させるべきだと思います。

ただ、いろんな考えをもって臨まれる方もあるでしょうから、それらをしっかりと承った上で、今後の方針・方向性を見出していきたいなと思います。

これまではなかなか伺う事の出来なかった営業主体となるであろうJR西日本のご意向というものも本日、国において一定示されるということですので、色々なものが出てきたら、またそれらも題材にして議論することになるのかもしれません。

[産経新聞]

北陸新幹線に関して、関西広域連合でもしっかり議論していきたいという事でしたが、今度また関西広域連合委員会が予定されていますが、現在関西広域連合の中ではコンセンサスが取れない状況になっていて、いまさら米原ルートが全員の意思決定とはなかなか言えない状況かとは思いますが、そのような状況の中で知事は「関西広域連合として確認したい」といったような発言をしていく予定はあるのでしょうか。

[知事]

滋賀県としては、米原ルートが最適であると申し上げています。引き続き結節点としての役割を果たしていこうということですし、当然北陸と中部、そして関東・中部を含めた関西圏との流動、その結節点としての役割を米原が引き続き果たしていきたい、行くべきだ。同時にこれだけ国家財政がひっ迫した折に、費用面からいって、時間軸の面からいって、どのルートが一番合理的なのかというと、私は米原ルートだと思っています。そのことを3年前の関西広域連合でも確認されて発信されたわけですから、まずは関西広域連合で決めたことを再確認して、様々な主体に提起・要望するという事だと思います。

同時に先ほども申し上げましたが、国の計画は米原ではなくて小浜市附近を通るという事ですので、こことの違いをどう乗り越えるのか、また、費用負担についてはこれまで沿線自治体が3分の1を負担する。並行して走る特急から代替される在来線については経営分離して自治体がつくる第3セクターで賄っていくという事は、関西広域連合の決定の中で、それらについては今後さらに議論をし今までのルールと違うものですから国に対して提起していくという事もあわせて決めていますので、これらも乗り越えていかなければいけません。あわせて、これまでなかなか伺う事の出来なかった、米原ルートでどうですか、湖西ルートでどうですか、それ以外のルートでどうですかという事について、営業を担うであろうJR西日本さんからの、じゃあこのルートが良いです。このルートにはこのような課題があります。このルートを通る場合の並行在来線はここになりますというような色々な披歴がこれまではなかった。したがってこれらが一定揃うとすれば、その段階で関西広域連合の方針を再確認し、国やJRとどう合意形成するのかという事だと思います。

[産経新聞]

関西広域連合で再確認した結果、米原ルートと違う結果になった場合は、どうされるのですか。

[知事]

関西広域連合だけで物事を決められるわけではありませんので、関西広域連合で決めて再確認したことと、今度は決定権者である政府・与党とどう擦り合わせていくのか、こういう作業がいります。

したがって、それぞれの段階を経て、決めたことがどう変わるのか、構成自治体にどういう影響があるのかということを勘案しながら判断していくという事だと思います。

一概に決めたことと違うからどうだという事ではなくて、どう違うのか、違うことによってどう影響を受けるのかということをよくよく把握しながら、県民の皆様にも出来るだけ詳らかにしながら、判断していくという事だと思います。

[中日新聞]

昨日の関電との安全協定との件です。あらためて一夜明けての締結されたことに対しての受け止めは。県民や様々なところからの反応に関して改めてどのようなご所感かお願いします。

[知事]

安全協定の締結は、稼働非稼働にかかわらずどう向き合っていくのかという事の中で、私が知事になる前から、私が知事になった当初から最重要課題と位置付けて部内でも協議をし、関係当事者と協議・交渉してきたテーマです。とりわけ私たちは立地自治体並みの同意権を求めると。万が一事故が起こった時に、県境で何か食い止められるものではないとすれば、しっかりと同等の権限を付与させたうえで、もちろん自治体も関与参画していくことをもって交渉してきました。

長浜市の美浜原発の例もありますように、今回の高浜原発については、高島市も協定当事者として、しっかりとした対応をすべきだという事を申し上げてまいりました。

今回、私たちの主張を全て実現できたわけではありませんが、今後協定の在り方について不断に見直しを重ねていくという事でありますとか、琵琶湖への配慮、また滋賀県のエネルギー政策への協力など、これまでにないものも加わる形で一定の協定締結に至ったということです。

ただ、このテーマは原発そのものに対する多くの皆様の不安の問題や、静脈というものが整備されない状態で再稼働はしてほしくない、私たちは再稼働を容認できる環境にはないと申し上げていますが、そういった主張などなど、多くの方々に不安のあるテーマだと思います。そういう意味でこの協定締結そのもので何かが解決したというものではなくて、むしろ出発点についた、新たなスタートラインに立ったという事だと思いますので、今後引き続き協議を重ねていき、廃炉・安全対策・万万が一にも事故を起こさないということを含めた対応を構築してまいりたいと思っています。

なお、県民の皆様に対する丁寧な説明は今後しっかりと議会を通じてもそうですし、色々な機会を通じてしていく必要があろうと思いますし、様々なご意見・ご指摘・ご提案等について真摯かつ謙虚に承っていきたいと思います。

[中日新聞]

出発点として不断に協議をしていくという事ですが、協議のスケジュールですとか、今後どういった形で協議を進めていくのか、決まっているものはあるのでしょうか。

[知事]

色々な機会をとらえて協議をするという事ですし、相手もあり当事者もあるわけですから、色々な機会を通じて協議の場をつくり、一歩でも半歩でも前進させていく努力をしていきたいと思います。

[中日新聞]

目標としていつまでにどういった形の内容にしたいというような思いはありますか。

[知事]

現時点ではございません。

[中日新聞]

昨日協定を結ばれたのですが、県民の中には、三日月知事を選ばれた理由に、粘り強く交渉してくれるであろうと期待を持って選ばれた方も多いと思います。そういった方々に責任を果たすには、一期目の内に何かさらなる踏み込んだ一歩を目指すというのもあると思うのですが、そのあたりはどうでしょうか。

[知事]

そういうご指摘・ご期待には応える努力をしたいと思います。ただ、私たちで何か事が成るという事ではありませんので、粘り強く努力するということです。

[中日新聞]

これまでも協議のスケジュールや協議内容について、なかなか見えてこないところがありました。本気度みたいなところがあまり見えないという印象を持っていまして、先日の会見でもありましたが、社長と頻繁に会っているわけではなく、担当者での協議がほとんどだと思うのですが、これほど高いハードルとなれば、直接、八木社長と直接話が出来るのは県では知事になると思いますが、今後どのくらい本気で取り組んでいかれるのかというところについて、県民の方たちにわかるようにお話しいただいてもよろしいでしょうか。

[知事]

ご指摘・ご質問の趣旨はよくわかります。ただ、社長と知事が会えば物事が解決するというものでもありませんし、やはり実務レベルも含めて、理解と合意を積み重ねていき、前進していくという事も必要だと思います。したがって、協議・交渉の過程をもう少し見せてほしかった、その過程で本気度が伝わればなおいいねというご指摘は承った上で、今後の協議交渉の過程はつくっていきたいとは思うのですけれども、必ずしも知事が社長に会うことだけが、私は本気度を示す取組ではないと思います。

[滋賀報知新聞]

今の質問に関連するんですが、滋賀県は京都府と若干内容が違うと。京都府は福井県を立地協定とすると準立地協定。今回非常に低い内容だったと思うんですが、これをせめて京都府並みにするとか、立地県並みは最終段階としても段階的な目標設定のもとに安全協定の方向性をもっていこうと考えられているのか。具体策のビジョンはどう考えられていますか。

[知事]

まずは今回、第一段階の第一段階ということですので、これまでの協議交渉の経過ですとか、その中での議論をひもときながら、今後のあり方、また目標設定の段階、これも含めて検討していきたいと思います。今の段階でどこまでということは申し上げることはできません。

京都とのことも当然念頭に置きながらこの間協議をしてまいりましたが、距離ですとか、福井県との関係で言うと、そのものが立地しているということとか、これまでの慣習ですね。こういうことがどうしてもハードルになってしまったということがございますので、今回あわせて提起しておりました、こういう自治体の関与の在り方、手続、安全協定の取決め、こういうことについてもルール化すべきだという主張も含めて、整備して関係者の方々に提起してまいる。こういうことが必要だと思います。

[滋賀報知新聞]

県が3月に予定している地域防災計画の原子力編ですね。これの修正というか、国の原子力災害対策指針の全部改正を受けてのものだろうということなんですが、まずSPEEDIは使用をやめたということについて、どう対応されるのか。あるいはUPZがもしこれを百歩譲って琵琶湖環境科学研究センターが作成した、それを活用するんだというお考えを県の原子力編に盛り込まれるとするならば、逆に研究センターが出した汚染物質の拡散が最長43キロに達している。そうするとUPZの30キロで本当にいいのかということに対して、県としては国に対して、原子力編で出していかれるのか、等々あるんですが、要するに国の指針に県が従うというレベルの考えなのかうかがえますか。

[知事]

まず地域防災計画にどう反映しようとしているのか。また国との関係をどう整理するのかというのはテーマによってそれぞれだと思います。従うべきは従い、独自で作るべきは作るということです。SPEEDIについていえば、予測に基づく避難であるとか、予測に基づく対策であるとか、こういったことで一定SPEEDIは一定活用する価値があるのではないかというのが、私たちもそうですし、関西広域連合の主張です。あくまで発生源の状況、また気象の状態、こういうことで実測値に基づく形で対応するというのが国の見解であります。

私たちはなおさらにこれは追加質問で申し上げていますが、その実測をする場所はどこなのか。モニタリングポストはどこなのかということにSPEEDIを使いたい、使うべきだということで申し上げてまして、なおここは国との見解に開きがあるのであります。こういったことをギリギリまで埋め合わせられるのか、埋め合わせられないとすればどうするのか。これは最終段階まで協議を続けたいと思います。

また、琵琶湖環境科学研究センターで行った大気、水および生態系の循環モデル、これ基づく拡散シミュレーション、これも一定今年度から来年度初にかけて一定の結論、調査結果を出していかなければならないと思っておりますし、それに基づく対応をどう考えていくのかということも課題だと思います。

当然私たちは県版UPZを設定しながら、必ずしも30キロ圏内だけに影響は留まらないことにどう対応するのかということについても、これも県として検討していかなければならない課題もあるのではないかと思います。

だから必ずしも国のとおりだけではないのではないかと思います。

[滋賀報知新聞]

そうしますと県版UPZというのはあくまで今後も続けていくというお考えですか。

[知事]

その取扱いも含めて最終段階まで検討したいと思います。

[京都新聞]

昨日、長浜の丹生ダムなんですが、実質2年ぶりに止まっていたものを前に動かそうということで、地元として建設へという思いが含まれた意見書ということになろうかと思いますが、知事のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

[知事]

どうぞご質問があれば。

[時事通信]

先ほどの安全協定との関係なんですけれど、以前から知事は事故が起これば県境はないとおっしゃっていたんですが、各市町の首長との連携ですね。安全協定の法制化を含めて、見えてこないかなという印象なんですが、県と市町の首長さんとの連携についてどのようにお考えなのかおきかせいただけますでしょうか。

[知事]

ではテーマが続きなので、こちらから。

当然住民、市民、町民の皆様に近い、市町との連携、これは滋賀県のみならず重要だと思います。これまでも見えてないというご指摘もありましたけど、いろんな協議会を含め、今回の高浜対応の時には長浜市および高島市といろんな協議を重ねた上で事ここに至っておりますので、これからもそういう連携は大事にしていきたいと思います。

昨日も高島市の福井市長のご発言の中にもありましたように、相当それぞれの自治体ごとに違いがあって、原発ごとに違いがある協定のあり方というのは自治体にとっても戸惑いが大きいという事もありましたので、福井市長から改めて法定化に向けた言及がありました。そういったこともぜひ市町としながら国をはじめ電力事業者にある意味チームを組んで、束になって要望していく、こういう機会も大事にしていきたいなと思います。

また先ほどいただいた丹生ダムの件については、これは昭和40年代から水没地域の皆様方には多大なるご迷惑、ご負担をかけて今日に至っております。もう半世紀です。もともとは地域の事を考えてダムは反対だというところから、国と県が一緒になって下流のために、利水のために、治水のためにつくってほしいとお願いし、泣く泣くそのことをご理解いただき、そして移転等にもご協力いただき、しかし利水需要、時代のさまざまな変化の中でダムを含む案が有利ではないという現段階において地元の方々がどう考えておられるのかということだと思います。

これまで過ぎた時間を取り戻すことはできないんですが、私も当該地域をうかがって思いますのは、この状態、それぞれの村の状態、お過ごしの方々の年齢等々さまざまなことを勘案しますと、やはり非常に強い危機感をお持ちであるという事は理解しておりますので、今回県も副知事に一緒に入っていただいて、出していただいたご要望をしっかりと咀嚼しながら今後の対応を見極めてまいりたいと思いますし、国に対してもしっかりと求めるべきを求めていきたいと考えております。

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