平成27年8月25日
(県政記者クラブ主催)
昨日から高島市に移住いたしまして、安曇川町中野の皆さんと生活をさせていただいております。今日も湖西線で通勤いたしました。
一昨日に詠んだ句ですけれども「災いを 越え稔り田に 陽が昇る(わざわいを こえみどりだに ひがのぼる)」、2年前被災しました鴨川の復旧現場を視察しまして、昨年は稲の作付けをしていただけなかったのですが、今年は作付けをしていただき、まもなく稲刈りという実りの季節を迎えておりまして、胸が熱くなりました。
今、台風が近づいておりますので、県内の皆様方に注意喚起をしながら先ほど行われました県政経営会議での状況を確認し、抜かりなく対応を取ることを確認した次第です。とりわけ、実りの季節が間近で農家の方々にはしっかりと注意喚起するように要請したところです。
私からは、今月のイチオシを含めて5点、話題提供させていただきます。
1点目は総合防災訓練についてです。
来る9月6日に「平成27年度滋賀県総合防災訓練」を実施します。時間は7時から11時30分、訓練終了後に総合閉会式を引き続き行います。
主催は、滋賀県と米原市および長浜市で、会場は湖北地域、訓練主会場は米原駅東口の県有地および市有地で行います。
訓練目的は、各防災機関、関係団体、企業、地域住民および児童生徒の参加のもとに、関係者が連携して、迅速、的確に対応できる体制の確立と県民の防災意識の高揚を図ることを目的としておりまして、民間団体や医療関係機関、自治会、ボランティアを含みます159機関の団体に参加いただき、延べ18,000名の人員で実施する予定です。
訓練想定ですが、当日の午前7時に、柳ヶ瀬・関ヶ原断層帯を震源とする大規模地震が発生、湖北地域では震度7を観測、多数の人的、物的被害が発生、また、折からの大雨で河川は増水、一部に氾濫が生じているという複合災害を想定した訓練を行うこととしております。
机上の訓練と現場における実動訓練をあわせて44の訓練を実施する予定でございますが、そのうち主なものを資料1にまとめてありますのでご覧ください。
本日は各項目のうち、東日本大震災や平成25年度台風18号の被災状況を踏まえて重点的に取り組んでいる訓練として、*印を付けた特徴的な訓練について簡単に紹介させていただきます。
資料1と別添のパンフレットのP4と併せてご覧いただきながら、お聞きください。
まず、1の「応急対策活動・住民参加型等訓練」の中で、1.の「地域自助・共助訓練」につきましては、住民自身が、自助、共助の意識や対応能力を高めるため、シェイクアウト訓練、避難、安否確認、要配慮者の救出・救護、消火訓練など住民の皆さんが中心となって行うものであります。
3.の「福祉避難所開設訓練」につきましては、避難所での要配慮者への適切な対応のため、避難所での生活が困難な要配慮者を対象とした福祉避難所への移送および施設の開設訓練を実施します。
4.の「要配慮者広域的避難の伝達・誘導訓練」につきましては、米原駅構内の要配慮者を含む利用客の一時避難所への誘導訓練では、ろうあ協会の協力を得て、聴覚障害者の方々も参加して訓練を行います。
次に、2の「防災関係機関による連携訓練」の中で、3.の「滋賀県災害ボランティアセンター非常体制移行・機動運営訓練」は、ボランティア活動を迅速に組織化し、被災者のニーズに的確に対応するため、県災害ボランティアセンターの非常体制への移行、被災地の現地災害ボランティアセンターの運営支援訓練を行うものでございます。
次に、7の「災害対策本部の運営に関する訓練」の中で、2.の「輸送調整所設置・運営訓練」は、東日本大震災における避難所への迅速・的確な物資の輸送の必要性を踏まえ、輸送路・輸送力が制約される状況下で県の備蓄物資や県外からプッシュ式に送られてくる物資を円滑に避難所へ輸送するため、トラック協会、全国物流ネットワーク協会および倉庫協会との協定に基づいた輸送調整所の設置・運営訓練を今回初めて行うことといたしております。
以上、要点を簡潔に述べましたけれども、地域防災力を高めていくためには、公助はもとより、自助・共助が一体となって効果を発揮することが大切でありまして、それを達成するための重要な柱の一つが訓練であると考えております。
この防災訓練は、地域の皆さんをはじめ、防災関係機関だけでなく様々な機関や団体が一堂に会して訓練に取り組むものでございまして、この訓練を体験することが、参加する皆さんの意識、知識を高めることに繋がり、組織を強化するものに繋げていけるよう取り組んでまいりたいと思います。
2点目は、『司馬遼太郎20周忌記念シンポジウム-「街道をゆく」は近江からはじまった-』を開催いたします。
滋賀県の歴史・文化・自然に心惹かれた文化人は、古くは松尾芭蕉、日本美術を再評価したフェノロサ、近くは白洲正子さんや井上靖さんなど多くおられます。
中でも作家の司馬遼太郎氏は、滋賀に対して強い愛着を持っておられ、四半世紀にわたって連載された「街道をゆく」は自らの「近江からはじめましょう」とのご発案で「湖西のみち」から始まり、以下5巻にわたり滋賀県中を訪ね歩かれたということです。
来年、司馬氏が亡くなって20年になるのを機に、滋賀県としてもその思いに応え、足跡を改めてしのぶシンポジウムを4月23日の土曜日に米原の県立文化産業交流会館で開催することといたしました。現在その準備にあたっております。
開催にあたっては、司馬遼太郎記念財団に全面的なご協力をいただいておりまして、基調講演として、司馬氏の夫人・福田みどりさんの弟にもあたります記念財団理事長・記念館館長の上村洋行(うえむら ようこう)氏に基調講演をいただくことといたしております。
シンポジウムのパネラーなど詳細については後日発表いたします。
このシンポジウムをきっかけに多くの人が、これは県民も滋賀県外の人もですね、滋賀と司馬遼太郎氏の結びつき、絆の強さを再認識していただいて、司馬氏の目を通した滋賀の美しさ、すばらしさを体験していただく、実感していただく、そういう機会にしたいというふうに考えております。
3点目は東京・秋葉原「ちゃばら」滋賀県コーナーのオープンについてです。
来る9月13日に、東京・秋葉原にあります「ちゃばら」に滋賀県コーナーがオープンいたします。
本県が全国に誇る、近江米や近江のお茶、鮒寿し、ドレッシング、滋賀の地酒など滋賀の魅力が詰まった商品を販売することといたしております。
現在2次選考の商談会が終了しまして、オープン時には約200品目の商品の陳列を予定しております。
今回、オープン時に陳列させていただく商品がすべてではなく、今回、季節の関係から商品公募のタイミングとあわなかった商品ですとか、今後も新たに誕生する商品など、まだまだ滋賀県には数多くの魅力的な商品があると考えておりますので、商品公募は今後も継続して行います。県内事業者の方の販路開拓に、また市場調査につなげていきたいと思います。
この「ちゃばら」には、日本全国の逸品が集まっております。滋賀にはいいものがたくさんあることを首都圏でPRするためには、まずは食で滋賀の魅力を発信したいという思いであります。
当日のオープニングイベントには、私も出向く予定としておりますし、昨年度全日本国民的美少女グランプリを受賞された、滋賀県出身の髙橋ひかるさん、タレントの松尾貴史さんといった豪華ゲストと「滋賀の食」、「滋賀の地酒」について対談を予定しております。
他にも、甲賀市と甲賀もち工房による忍者衣装での餅つき、長浜市と長浜ご当地ユニットCan’ce浜姫(きゃんせはまひめ)によるPRやJAの皆さんにもお願いして、マルシェも開催していただくこととなっておりますので、県と市町、関係団体で一体となって、滋賀の魅力発信に取り組んでまいりたいと思います。
ぜひ皆様方のご参加をお待ちしております。
続いて、先ほど本部会議を開き確認しまして、現在同時並行で議会の特別委員会でも説明させていただいておりますが、「(仮称)人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略」(原案)について申し上げます。
この間、皆様方と課題を共有しながら、議論を重ねてまいりましたこの総合戦略が原案という段階まで参りました。
国立社会保障・人口問題研究所によりますと、このまま出生数が減り、若い世代の流出が続けば、滋賀県も2040年に約131万、2060年に約113万まで減少し、高齢化率も2040年には32.8%、2060年には35.8%まで上昇すると推計されております。
このため、総合戦略の原案では、出生数を現在の水準である年13,000人、13,000人の子どもが県内で生まれるということを目標とする、すなわち現水準を維持するということですね、また、20~24歳の社会増減を0(ゼロ)にすること、出て行かれる方もいるんだけれども、入ってくる人をしっかりと維持していきたいというものを目標に据えて、そういう様々な政策を行いまして、2040年に約138万人、2060年に約129万人を確保していきたいと考えております。
このことによりまして高齢化率を低下させるとともに、人口構成をバランスよく安定させたいと考えております。
3つの視点として私がこだわったのは、「3世代の自立・共生と健康」、「未来・次世代への応援」、「「働く力」、「創る力」、「稼ぐ力」の向上」ということでして、こういう視点を重視しながら3つを基本的方向「少子化を食い止め、人口を安定させる」、「人口減少の影響を防止・軽減する」さらに、「自然と人、人と人とのつながり、生活のゆとりを取り戻す」という方向をつくるべく19の先駆的・重点的なプロジェクトを展開することといたしております。
かねてから申し上げているように、これは過程をしっかりとつくっていこうと考えておりますので、産官学金労言の議論や、今後もこの原案を基に皆様方の意見を承り、県民政策コメントも承りながら、さらに、住民の皆様方に一番近い市町の皆さんが作られる総合戦略にも、しっかりと寄り添いながら、それらを反映させる形で県の総合戦略を策定してまいりたいと考えております。
以上が話題提供です。
お待たせしました、今月のイチオシとして、今ちょうどいい時期を迎えております栗東市の「いちじく」です。
いちじくは漢字で「無花果」と書きまして、花がないように見えるが、実の内側のつぶつぶした種のような部分が実は花であるということです。
茎からで出る白い汁が民間療法に使われるなど、なじみのある果物ですが、食物繊維やミネラル分を豊富に含み、しかも低カロリーで、高血圧予防や整腸作用が期待されるほか、美容にも良いということで近年人気が高まっている果実だそうです。
デザートとしてそのまま食べるだけでなく、パスタや天ぷらにしてもおいしいそうです。
この「栗東いちじく」は、平成5年に4名の生産者がハウス栽培をスタートさせられ、現在は16名が約1.6ヘクタールで栽培しておられ、昨年度は約32,000パックを出荷されたということです。
雨に弱く、カビが生えやすいため、全てハウス栽培して、農薬や化学肥料を通常の半分以下に削減した「環境こだわり農産物」として栽培していただいております。
収穫時期が7月下旬から10月上旬までで比較的短いため、一人でも多くの方に年中「栗東いちじく」を食べていただけるよう、これは6次産業化の一環でジャムやワイン煮も生産されております。
ジャムは通常の皮なしタイプのほか、皮つき丸ごとタイプもあり、人気を博していらっしゃいます。
「道の駅アグリの郷栗東」、「こんぜの郷りっとう」などで販売しておられますので、ぜひお買い求めいただきたいと思います。
[日経新聞]
豊かな滋賀づくり総合戦略原案ができたということで、19の項目が上げられています。どれも大切だなと思うんですけれども、たしか10月をめどにまとめられると思いますが、19の項目すべてを活かしていくのか、取捨選択をして重みづけをしていくのか、そのあたりの進め方をお聞かせください。
原案ですので、「人口減少を食い止めて、人口構造を安定させる」ために6項目、「人口減少の影響を防止軽減する」ために9項目、自然と人、人と人とのつながり、生活のゆとりを取り戻す」ために4項目をプロジェクトとして提案させていただいておりますし、大切なプロジェクトだと考えておりますが、市町はじめ民間団体、また県民の皆様のご意見をうかがって、プロジェクトのあり方を考えていきたいと思います。
一定これまでいろいろなご意見をうかがう中で、言ってみれば行政だけで考えたわけではないプロジェクトでありますが、よくそこはご意見をうかがいたいと思います。
今年度から進めております基本構想にも連動させる形でつくっておりまして、かねてから申し上げておりますとおり、基本構想に書いてあることを進めるエンジンとしてこの総合戦略を使っていこうと考えております。そういったことも意識しながら今後の議論を図っていきたいと思います。
[日経新聞]
もう1点なんですが、先週なんですけど武藤貴也議員について、週刊誌報道があって、その後離党ということなんですが、現状としては本人からの詳しい説明もない状況です。この点について知事の受け止めを。
事実であるとすれば非常に問題の多いことなのではないかなと思います。まずはご本人がきちんと説明されるでしょうから、それを承りたいと思います。ただ、選挙の時に選ばれた所属政党を離党されるという、有権者の皆様方からしても非常に失望感の大きいことでしょうし、滋賀県選出の国会議員の方がこういう状況にいらっしゃるということは知事としても残念なことだと思っております。今後はご本人の説明をうかがっていきたいと思います。
[NHK]
学力テストの結果を率直にどうとらえているのか、お願いします。
私も昨日説明された内容を詳らかに見ながら、今年4月に行われた学力・学習状況調査の結果について、今、私自身も分析をしているところです。詳細全てをつかめている訳ではないんですが、去年から「学ぶ力向上プラン」ということでやっておりますので、その視点に沿ってどうなのかということについて、さらに深く分析をしたいと思っています。
たとえば、「400字詰め原稿用紙2~3枚の感想文や説明文を書くことが難しい」と思う人が全国よりも多い。だんだん年を経て減ってはきているんですけど多いということであるとか、「一日当たり30分以上読書しますか」という比率が全国よりも低いという傾向であるとか、また「国語、算数で学習したことは将来役に立つと思いますか」はおかげさまで年を経て増えてきてはいるんですが、少し全国との差があるようにも思いますし、こういう伸びたところと全国との差というものを少しつぶさに見ながら対策を取っていきたいと思います。
[読売新聞]
関連なんですけど、2年連続で全教科全国平均を下回ってしまったという結果についての感想をいただけたらと思います。
2年連続で平均正答率を下回る。もちろん正答率は高い方がいい、また平均正答率より高い方がいい、というのが一つの尺度になると思うんですが、昨年よりも上がったものもあれば、なかなか上がらないものもある。昨年からこういう傾向を正答率そのものではなくて、学ぶ力を向上しようという視点で取り組んでいることもありますので、そういう施策と今回の正答率の連動連関というものを見てみたり、また市町ごとの取組ですね、こういうものと正答率との違い連関も見ながら、今後の対策を講じていきたいと思います。
[びわ湖放送]
滋賀レイクスターズについてのおうかがいなんですが、レイクスターズが新しいリーグに向けて県立体育館の増席、5000人規模を元にした書類を提出したという報道、発表があったんですが、県立体育館ですので、レイクスターズが独断で書いたというふうには受け止めていないので、県としてどのような話合いがこれまであったのか、どういうふうにとらえているのか、今週末には最終のリーグの振り分けがありますので、知事としてどんな思いをもっておられるのか、おうかがいできますでしょうか。
滋賀レイクスターズさんはバスケットボールという種目で県内唯一のプロスポーツチームということで多くの感動を皆様方に与えてこられた。それのみならず幅広い活動をしていただいております。したがって、私自身も知事としてもそうですし、県民としてもしっかりと応援していきたい。そして県としてもさまざまな取組を前向きに行っていきたいということでございますので、今回リーグ改編、一部リーグ参入に向けた取組についても累次にわたり、多々検討協議をしてきました。
以前は草津市の野村体育館で5千人収容のアリーナが可能なのかどうかという協議を行ってきましたけれども、増設によるホームアリーナ化ということについては難しいということでございましたが、引き続き県としてどういう支援ができるのか、レイクスさんのご意向はどういうことなのか、ということを探ってくる過程で7月30日に新リーグということで、12チーム。ホームアリーナの入場可能数5千人、ホームゲーム8割を実施できるホームアリーナの確保、年間売上2,5億円という条件を中心とした総合的判断ということで、選出をされ、なお数チームが選ばれるという状況がありましたので、レイクスのご意向の中で県立体育館において、引き続きホームアリーナとしてできないか。ついては5千人収容できる構造に問題はないのか、どうすれば収容できるのか、またレイクスさんがシーズン中8割を使用されるということになれば、他の団体との関係は大丈夫か等々、県も一緒になって検討協議をしてまいりました。その現時点での結果としてレイクスさんも発表されているということでございますが、この県立体育館をホームアリーナとして1部リーグ参入にむけた申請をされているということでございますので、リーグの方での検討状況を見極めながら、待ちながら県としても引き続きできる限りの協力をしていきたいと考えております。
[びわ湖放送]
確認ですけれどレイクスさんが増席した上で県立体育館をホームアリーナとして書類を提出されたというのは県としては把握されているところなんですか。それとも正式な連絡は来てないんでしょうか。
関係部署を通じて、ゾウセキというのがどういうことをおっしゃっているのかわかりませんけれども、レイクスさんのニュースリリースの資料によれば「8月29日土曜日、JPBLバスケットボール新リーグ第1部から3部の全所属の発表に向けたレイクスターズの取組について」ということで資料提供を発表されているということを承知いたしております。これはアリーナ整備が課題とされていた滋賀県立体育館の収容人増を図り、体育館内のステージを利用した椅子席の増設であるとか、立ち見席の設置というものを含めながら5千人規模収容だという資料をもって申請されているという発表をされていることを承知しております。
[びわ湖放送]
イメージなんですが、県立体育館ですので、県の持ち物ということで、県にも相談というのはあったと思うんですけれど、立ち見席であったり、いろんな増席といったことについて相談はあったんでしょうか。
ゾウセキというのは席を増やす、容積を増やすどちらですか。
[びわ湖放送]
知事の話しぶりですと、レイクスがそういう資料を出したのは知っているという話し方だったのですが、出す前にこういうことで出しますよという話はあったのでしょうか。
当然あります。協議の結果、整ったものを出しております。
[時事通信]
先ほどの武藤氏の離党に関して、あのような報道が事実であれば非常に残念で説明を伺いたいとのことですが、報道が事実であったとすれば議員辞職までするべきだとお考えでしょうか。
ご自身で判断されることだと思います。
[時事通信]
話は変わりますが、先ほど地方創生特別委員会で国の政府機関の移転に関して、国立環境研究所の一部機能を琵琶湖環境科学研究センター内に移転するという案を出すという事ですけれども、徳島県は消費者庁を移転する方針を示したり、手広く示している県もある中で、滋賀県は国立環境研究所の一部という絞った誘致案を出した狙いについて教えてください。
前回の会見でも申し上げましたが、政府機関の地方移転に関しては、滋賀県らしい、滋賀県の施策との親和性というものを勘案して検討してきました。今回、国立環境研究所の一部移転ということを提起させていただいております。
地方側の負担ということもございますし、移転させることだけが滋賀県の施策ではありませんので、あまり大規模・小規模、広く・狭くという視点を持って選んだつもりはありません。
[中日新聞]
学力テストの件です。知事は昨年の結果が出た時に「非常に重い使命感を感じる」と所感を話されていましたが、今回の結果を見て率直な感想、どのような印象を受けられたのかをお願いします。
私自身も4月に出された問題を解きました。わからない問題が多かったですね。今の子どもたちはこういうことがテストで問われているのかということを改めて思いましたし、むしろ私が感じたのは、わからない問題もどうしたらわかるようになるのかなという事が大事なのかなぁと。そしてわからないことをわかるようにする、出来ないことを出来るようにするという意欲や能力、ノウハウだとかを身につけていくことが学校教育の役割なのかなと考えました。
引き続き知事として総合教育会議を主催することになり、この子どもたちの生きる力の大きなウエイトを占める学力を伸ばすことに私は重い使命感を感じておりますし、こういうテストの正答率と、様々な学習状況調査から見えてくる課題というものを克服するために頑張っていきたいなと思います。
[中日新聞]
昨年、結果が出たあと、知事は様々な場面で学ぶ力に対する取組に力を入れているとおっしゃっていましたけれども、全国平均を全ての教科で下回ったとはいえ、滋賀県の結果を見ると全国との差は縮まっているという一つの成果も出ているようですが、施策の方向性や力の入れ所については一定の評価をしていらっしゃるのか、どうなのでしょうか。
なお時間をいただいて、詳細をつぶさに見たいと思います。昨年と結果を比較してどうだったのか、昨年の結果を受けて小学校5年生、中学校2年生の段階で非常に大切なことを算数や数学で学ぶ。しかしそこでわからないことが増える。わかる子とわからない子との差が広がるという段階に、少し重点的に手当てをしようじゃないかということを行いました。そういう結果がどう出ているのかということなど、詳細を分析したいと思います。
そういう中で私自身は4つ、こういう視点で見ようと思っているのは、わからない子ども、わからないところに対する手当てがどうなっているのかという事。個々の子どもたちに対して、土日の活用策について、放課後の活用策について、まだまだ出来ることがあるのかないのか。授業を工夫改善する余地がないのかという視点。やはり読む力、書く力が問われ求められているようですので読書のあり方。こういう4つの視点で学力テストの詳細を私なりには深く分析し、今後の対策を検討していきたいと考えています。
[中日新聞]
滋賀県として取り組んできたことが数値として伸びたりしている部分もあるのですが、一方で同じように全国も数値を伸ばそうとして、全体として差が開いているという事もあります。滋賀は滋賀でというスタンスでいらっしゃると思うのですが、全国を意識して目標を立てたりするお考えはあるのでしょうか。
滋賀は滋賀の良さがあります。繰り返しになりますが、地域活動に参加する割合が全国より高いなど。滋賀の良さはありますが、おっしゃる通り他の府県に比べて落ちているところ、下がっているところ、差があるところもございまして、そういう全国との差、滋賀より高いところも見ながら、良いところは取り入れて滋賀の学ぶ力向上のための取組をさらに磨いていきたい、進めて行きたいと考えております。
[京都新聞]
北陸新幹線に関して2点、先日商工会議所が中心となって米原ルート決起大会がありました。経済界としても取り組もうということで、より幅広く期成同盟のような流れもできないかという意向もあるようですが、これについての知事のご意見は。
経済界の皆さまが滋賀県のために滋賀一丸となって米原ルートの実現をということで集まり、声を上げていただいた、拳を上げていただいたということは大変心強い事だと思います。
以前から申し上げている通り、経済界の皆さま方とも連携し、しっかりとタッグを組んで、この米原ルート実現に向けて取り組んでいきたいと思います。
同時に、新幹線には光と影があり、多くの方がご存じない側面もあるのではないかなぁと考えながら、例えば北陸新幹線の乗客は増えたけれども、小松空港の利用者が減ったというものや、新幹線効果は強調されますが、並行在来線の状況はどうかという視点も、今後明らかになってくることがあるでしょう。
滋賀県の場合は、並行在来線の事も含めて地域の発展が阻害されることがないように、地域の利便性が損なわれることのないように取り組んでいくということが大事な視点だと思いますので、そういう視点も持ち合わせて経済界の皆さんと連携して取り組んでまいりたいと思います。
[京都新聞]
まさにその並行在来線の事を伺おうと思っていたのですが、まだ詳しく知らされていないというか、マイナスイメージがあるのか、地元の長浜市長や米原市長は、積極的に声を上げる印象にないと思うのですが、先日の首長会議で「第4のルート」という話もありましたが、これは地元で並行在来線を含めたマイナスイメージを払しょくできない場合、第4のルートみたいなことも可能性として浮上してくるということを知事は考えていらっしゃるのでしょうか。
整備新幹線プロジェクトには光と影があります。それぞれの地域・地域によって、時期・時期によって、それぞれ考えられることが違う、変わるという、非常に夢のあるプロジェクトですが、合意形成が難しいプロジェクトだと思います。
40年も前じゃないかと言われますが、整備計画で決められている地域があり、国と地方公共団体が費用負担するとはいえ営業運行を担うJRという主体がある、そういったところの意向も確認しながら物事を決めていくことだと思いますので、相当難しい、厳しい協議になるということを自覚しています。従って、今までは米原ルート、この米原ルートにも米原から直通線を引いて京都・大阪に行くルートと米原乗換えルートがあり、湖西ルートと小浜ルートがあるということですし、それ以外のルートが出てくるとすれば、第4のルートということも当然検討されてくるんだろうということから、私は言及したところですので、まずは関西広域連合の中でも議論し、研究し、決定した、米原ルートが極めて時間的にも、費用的にも、費用対効果の面でも、波及効果の面でも、効果が一番高いということを国にも与党にもしっかりと説明・要望していくということに取り組んでいきたいと思います。