平成27年4月27日
(県政記者クラブ主催)
ネパールを中心に大地震が発生いたしました。まだ被害状況の全容が明らかにはなっておりませんが、多数の方がお亡くなりになられたということで、お悔やみを申し上げながら、被災された方にお見舞いを申し上げたいと存じます。
また、国からも先遣隊、救助隊が現地に向かいました。その隊の中に滋賀県からの派遣というものはなかったと聞いておりますが、県民の方の渡航の状況等情報の把握に努めているところです。
同時に、断層はじめとする地震はいつ起こるかわかりませんので、防災の意識をしっかりと持って対応していきたいと存じます。
もう一点は、先週末国から大変うれしいお知らせがまいりました。今般新たに定められる日本遺産に滋賀県の「琵琶湖とその水辺景観―祈りと暮らしの水遺産―」が認定されました。これは水というものと祈りと暮らしというものについて、また水辺の景観というものについて世界に誇るべきものがあるのではないかということで、関係市町と連携をしてつくってまいりました。それが国で認められ、Japan Heritageということで、世界にも発信していただけるということですので、しっかりとこの認定を機にわが県としても取組を深めてまいりたいと思います。
さて、県障害者雇用対策本部の組織体制の一部強化をさせていただきます。
県議会でも議論がございましたが、私どもは全ての人に居場所と出番をということで、障害のあるなしに関わらず、誰もが自らの能力を発揮し活躍する夢と希望に満ちた滋賀というものを基本構想の中にも掲げさせていただいております。
この目指す姿を実現するために、障害者雇用をより強力に推進することが不可欠であるということから、私が障害者雇用対策本部の本部長に就任させていただくこととしました。
県は平成24年12月に本部を設置して以来、関係部局および労働局が連携して民間企業の障害者雇用の推進に取り組んでまいりましたが、昨年の6月1日現在の障害者雇用状況報告の中で、一つ目に雇用されている障害者の数が過去最高を更新。また、実雇用率は1.87%で、全国平均の1.82%を上回ったということ。さらには法定雇用率達成企業の割合が54.9%、全国平均の44.7%を上回っておりますが、なお半分近くの企業が達成できていないということですので、こういう状況の中、障害者雇用の推進が着実に進んできているがまだ課題があるということでございます。
今年度、県では知的障害のある方の介護現場での就労の一層の促進や、発達障害者への就労支援を新たに行うことといたしておりますが、障害者働き・暮らし応援センターなど、地域の関係機関との連携をより強めて法定雇用率の達成と障害者の自立と社会参加の促進をしてまいりたいと考えております。
2点目は、琵琶湖環境科学研究センター10周年となりますので、その記念事業についてです。
平成17年の開設以来、10年が経過することとなり、今年5月30日の土曜日に、センター10周年記念事業を開催させていただきます。お手元にチラシを用意していますのでご覧ください。
「一緒に琵琶湖の未来を考えましょう!」ということで記念シンポジウムを開催いたしまして、お茶の間で人気の気象予報士 天達 武史(あまたつ たけし)さんが、基調講演をしていただくほか、研究員や元研究員がこれまでのセンターの研究報告を行います。
また、パネルディスカッションも行われ、内藤センター長の進行で多士済々のパネラーと、琵琶湖の未来を語ってまいります。
県立大学の上田洋平先生は、ふるさと絵屏風(えびょうぶ)づくりを通じて県内各地で活躍いただいておりますし、さらにはプロダクトデザイナーの高杉昭吾さん、この方は滋賀クリエイティブフェア2015同時開催の“勝手に滋賀PRアワード”において鮒ずしのPRポスターでグランプリを取られた方ですが、そういう方々によるパネルディスカッションです。
当日は、午前10時から午後4時まで、琵琶湖ホテル前の大津港において「体験イベント」も行いますし、2月に竣工しました新しい調査船「びわかぜ」の一般公開も行います。“船長さんの制服”も用意してあるようですので、是非ご参加ください。
また、ゴールデンウィークの予定ということで、私自身も知事として初めての期間を迎えるということで、この期間ならではの各地域の行事等々に積極的に参加してまいりたいと思います。先週末も土曜日は菜の花プロジェクト、午前中は田植え、また昨日は草津の宿場まつり、コンサートなどなどに参加させていただきましたが、やはりリラックスした雰囲気で県政に対するご意見等々を伺える機会、その地ならではの、そのイベントならではの県政にまつわる課題や可能性が把握できるという意味においては極めて友好的な場だと思いますので、精力的に参加してまいりたいと思います。
また5月3日はWings for life World Runでありますとか、5月10日は某新聞社さま主催のツーデーマーチに参加させていただく予定にしております。
なお、この期間も危機管理等々、県民の皆様の安全第一で行動させていただきますので、予定の変更があった場合にはご了承をいただきたいと思います。
さて今月のイチオシですね、いよいよ6つの町が終わりましたので、今月から市の特産品の紹介に入るということで、今月は近江八幡市の商品です。
ということで私は沖島の法被を着てまいりました。「日本でただ一つ、湖に人が暮らす島、沖島」ということで、私も昨年学生の皆さんとまいりましたが、約300名の島民の方が暮らされていて、島内にある小学校には今は10人の子どもたちが通っている。離島振興法のひとつにも位置付けられて、これからの島のあり方について皆で議論しようということでございます。
今日は近江八幡市の新しい「ゆるキャラ」ですね「赤コン君」です。
市政5周年を機に制作されたものです。特産の赤こんにゃくをイメージした、ちょんまげまで付いた、大変勇ましい、でもかわいいキャラクターでございます。
今日は近江八幡市さんからは、なんといっても近江牛。それを加工した近江牛カレーということでPRさせていただきます。
近江牛をふるさと応援寄付金の謝礼品に追加されたところ、大変ご好評で、昨年12月に追加したところ、3月末現在で1億2,700万円が集まり大変好評であるほか、関連してこのような加工品でお楽しみいただくということでございます。
また、滋賀県では早くからこの牛肉の産地ということで、畜産課を昭和23年から設けておりまして、もちろん安全な生産流通ということと同時に、ブランド発信もより強力に進めてまいりたいと思っています。
もう一つはトマトです。
最近非常に売れ筋でございまして、今がハウス栽培のトマトは旬でして、むちゃめちゃ美味しいです。浅小井農園さんでは、浅小井町と「朝に恋する」を掛けて「朝恋トマト」というんですが、地下水を利用されてコンピューターで栄養等々を制御管理しながら非常に先進的な農業をされておられますし、おしゃれなパッケージ、またミネストローネなどの加工品も販売されています。
加えて、青友農産さんのトマトは「大人のトマト」ということで、八百屋さんだけではなくて、デパートや色々なところで販売し、非常にヘルシーで健康にも良いということですので、問題のある数値の改善にもつながるということですので、是非この機会にこのトマトのPRをしていきたいと考えております。
赤コン君、何かありますか?よろしいですね。あまり動きが俊敏ではないですが、非常にかわいいキャラクターですので是非ご承知おきよろしくお願いします。
私からは以上です。
[時事通信]
琵琶湖環境科学研究センターが10周年を迎えたということについてお聞きしたいのですが、これまでの成果とこれからどのようなことを期待するのかという点についておうかがいできますでしょうか。
[知事]
琵琶湖環境科学研究センターは、水やプランクトン、大気等の継続的な監視と研究によって、琵琶湖と滋賀の環境に関する課題解決を目指す一研究機関でございます。加えて昨年度から森林センターの研究部門も移管されて、山から湖までをトータルに視野に入れて研究するということに取り組んでいただいております。
この間、いろんな研究ですとか、監視を継続されたことで、琵琶湖に生息するプランクトンの種類数が30年で半減したことを明らかにされたり、最近動物プランクトンに食べにくい藍藻が増加傾向にあることを明らかにされました。
また、大気や水物質循環のモデルを構築し、光化学オキシダントの発生予測でありますとか、湖沼計画の策定でありますとか、そういう県の環境政策に一定の寄与をしていただいたり、最近では放射性物質の拡散予測シミュレーションにより、地域防災計画の見直しにもご貢献いただきました。
これからさらに山と湖のつながりの中で在来魚介類のにぎわい復活も進めていくところですので、学術的な面からの連携を水産試験場や琵琶湖博物館もございますので、取り組んでいっていただくことを期待します。
[時事通信]
全国的な話題で2点おうかがいしたいのですが、原発に関することなんですけど、福井地裁では高浜3,4号機の差止め仮処分申請が認められて差し止めるという決定が出されましたけれども、鹿児島県の川内原発では仮処分申請を却下する決定が出ました。司法の判断が二つに分かれたというところなんですけれども、一方で滋賀県は差し止められた高浜原発に近い。司法判断が分かれていることについての知事のご見解をおうかがいできればと思います。
[知事]
司法の判断に私がコメントすることはいたしません。福井地裁で出された判断は重大な問題提起と受け止めるべきだということを申し上げました。
いずれにしても原子力発電所の安全の問題については、住民の皆様方にしっかりと、丁寧に説明していくことが必要であると考えております。
[時事通信]
首相官邸にドローンが飛来した事件についてなんですけれど、福井の男が飛ばしたと福井県警に出頭し、逮捕されるという展開を見せました。首相官邸の空からの防護体制が不十分だったということが浮き彫りになったと思うのですが、政府の方では対策を急ぐということで、いろんな動きもありますが、滋賀県としては空からのテロも十分考えられるということで、何か対策なり、指示なりとられているところはありますでしょうか。
[知事]
ドローンの官邸での事案ですね。いずれにいたしましてもドローンに限らず空からのことも含めた危機管理というものを不断に見直すことが必要だと思います。
ドローンそのものについて申し上げれば、操作して人間の行けない所に行って飛ばすことができるという意味においては災害時の映像情報の把握でありますとか、高所、もしくは閉所等々での私たちがつかみえない情報の把握等々で非常に有効なものでもある。
また、世界では物品の搬送にも活用をされているようなことも一部報じられております。そういう意味では可能性の部分を追求しつつも、安全面で不備があるとすればそれを早急に見直していくということが必要だと思います。
わが県においても、今国で所管省庁の議論が始まっているということですので、それを受けて対応していきたいというふうに考えております。
[産経新聞]
今日、大阪都構想の是非を問う住民投票が告示されました。大阪都構想を巡っては賛成、反対に分かれて様々な議論がされていますが、知事としては大阪都構想についてはどのようにお考えでしょうか。
[知事]
大阪都構想の住民投票が本日告示ですか。私は、一つの大きな意義のある取組だと思います。といいますのも自分たちの住んでいる地域のことを行政効率面でどうなんだろうか、将来の活性化のためにどうするべきなんだろうかということを議論し、そして住んでいる住民で決していくということは一つの自治だと思いますので、そういうことが皆様方にとって有意義に進められるように、琵琶湖の水を送るわが県としても注視したいと思っております。
[産経新聞]
大阪都構想そのものについては知事はどのようにお考えでいらっしゃいますか。
[知事]
私が賛否を申し上げる問題ではないと思います。やはり府と市のさまざまな二重行政の問題点もあったときいておりますし、それを都構想で解消、改善できるのかという疑問もございます。いずれにしても住んでおられる人たちが決められることではないかと思います。
[毎日放送]
先ほど第1回のブランド推進本部員会議が開かれましたけれども、ブランドの会議を開くという意味での滋賀県の知名度も含めた知事の認識と課題についてお伺いしたいのと、これに関連しました2月の議会でも質問が出ておりました県名の変更についてどのようにお考えをおうかがいできればと思います。
[知事]
ブランド推進本部、本日第1回目をスタートさせました。いいところが沢山ある。だけどもまだまだ知られていないということからすると、非常に伸びしろもある、可能性のある取組だと思っております。また、「おいしが、うれしが」「Mother Lake」「Kokocool」をはじめ各部局がそれぞれの分野でつくってきた、こういうものを束ねて、つなげて、より多くの方に知っていただく、来ていただく、食べていただく、買っていただく取組を皆さんと一緒に進めていきたい。その意味でまだまだできることのある、非常に私たちのやりがいのあるテーマだということで力を入れて取り組んでいきたいと考えております。
同時にそういう取組の中でわかることもあると思うんです。ぜひマーケットインの、ものを売るということだけでなく、来ていただくことも含めておもてなしのあり方ですとか、一次産品の加工のあり方ですとか、そういうことも改善につなげていくようにしていきたいと思います。
2点目にいただきました県名の問題は、先般議会で質問を受けて私は2点申し上げました。「滋賀」という県名は非常に重いものであるということ。そしてこれまで多くの方が使って、一定の定着がある。
ただ私たちの滋賀にはどういう意味があるんだろうか。名前を変えるとすればどんな名前があるんだろうか。変えるべきなんだろうか、変えるべきでないんだろうかと議論をすることについては、大いに自分たちの住んでいる県のことを考えるいい機会になると思いますので、この議論を広め、深めていきたい。そういう意味で「検討します」ということを答弁させていただきました。
近く予定しております県政世論調査の質問項目の一つにこのテーマを入れさせていただく予定で準備を進めております。そもそもそのままでいいと思いますか。変えるべきだと思いますか。変えるとすればどのような名前がいいと思いますか。そういうことを県民の皆様方にも問いかけてまいりたいと思います。
[中日新聞]
先日、国から地方に移転してもいい機関が示されたと思うんですけど、それについては人口減少問題の中でも議論していくとのことですが、どういうスタンスで臨まれるかおうかがいできればと思います。
[知事]
まずどこから申し上げましょうか。今いみじくもおっしゃいましたが、国から移転してもいい。その裏にはしてやってもいいという思いがあるのかもしれませんが、何かほしいならどうぞ、自分たちでどうぞ的なニュアンスがあるように思えてなりません。
したがって本気で国が一極集中を是正しようとするならば、もう少し国の主体的な、「この機能はこの地域に」という議論があってもいいのではないか。
また、もう一つはかねてから危機管理の一つとして議論のありました首都機能の移転、国会の移転というものも国会で特別委員会までつくって議論しておりましたが、その後少し止まっているということがございますので、むしろ国の議論、国からの本気度も確かめていきたい。とはいえ滋賀県としてどのような国の機関、政府の機関があったらいいと思うかということについては各部局で滋賀らしい提案をすべく議論をさせていただいております。
[中日新聞]
先日の自民党大会に知事もいらっしゃっていて、石破大臣が「県からこんなことができるとか、そういうことをアピールしてほしい」とおっしゃっていましたが、今のお答えですと国でもうちょっとやってほしい部分があるのかどうかということと、滋賀として何ができるのか、どういうことを売り込んでいこうとしているのか。
[知事]
大臣の発言なり国の方針ですね、「県から是非提案を」ということについては、県からも提案をさせていただきます。国の本気度も示せということも申し上げていきたいと存じます。
と同時に、滋賀県ならではということについては、例えば環境の取組は古くから琵琶湖を抱える特性上、様々な知見も経験もございますので、こういう分野でどうなのか。また、日本を代表する、世界に誇るモノづくりの立地がありますので、こういうところでどうなのか、さらには京都に負けずとも劣らない文化財等々がある、その保存をしていくという観点で文化行政というものについて可能性があるのかないのか、是非ここは東京にあるから東京に行けばいいということだけではない視点でもって検討してまいりたいと思います。
[中日新聞]
昨日、統一選が終わり、チームしがの嘉田さんが大津市でトップ当選するとか、その一方で投票率が3市町で過去最低になるとか、そのあたりも踏まえて今回の選挙結果というものをどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
[知事]
4年に一度の統一地方選挙ですね、本県でも県議会選挙をはじめ、様々な選挙が行われました。まだ詳細に見る必要はあると思いますが、全体に見て投票率が上がらなかったり、また、民意というものが既存の枠組みの中で縛られない、縛れない、もしくは既存の会派や政党の枠組みが捉えきれていないというようなことがあるのかもしれないなということを感じました。
県議会においては、構成された議会の中で真摯に議論をしてまいりたいと思いますし、県内各地を回りながら、こういう現状に対する様々なご意見、将来に対する展望、それぞれの方の色々なご意見を承ってまいりたいというように思います。
[滋賀報知新聞]
知事は5月3日にレイクスターズの試合を観戦されるということですが、先般、川淵チェアマンが来られて「5,000人収容のアリーナをつくってほしい」と要請され1ヶ月が経過しましたが、この間に県と草津市ではどのような話合いが持たれているのか。
それから、チェアマンとしては3月か4月くらいには何らかの確約なり支援のありようについて要請があったと思うのですが、どのようにされるのか。
また、県立体育館については国体という枠組みで検討したいとおっしゃっていましたが、県教委が県立施設の整備の必要性等の調査をやられていますが、6月に公表に踏み切ると思うのですが、この時に調査と関連して県立体育館5,000人収容の問題に一定の方向性を出す計画はあるのかどうか。
最後に草津市の計画では3,000人で55億円の体育館について、県が支援するとしたら、どの程度持たれるのか、同時に市町の体育施設を造る場合の支援との整合性についてどのように考えるのかについて伺いたい。
[知事]
レイクスターズはこれからプレーオフということでございますので、県内唯一のプロスポーツチームでございますので、県民皆で応援していきたい。
それで、bjリーグのリーグ改編の時期にありますので、その条件にどう合うのか、あわせられるのか、チームと草津市と関係団体と協議をしたい。
したがって、現時点での協議の内容は私も全てつまびらかではございませんが、担当部局間でいま検討をさせていただいております。
それで「3月か4月に」とご質問がございましたが、リーグ改編のスケジュールの中で、先般はチームの意向として、どの方向性なのか申請書を提出されたと承知をしておりまして、具体な条件にどうあうのか、あわせられるのかということについては今後の課題だというように受け止めております。
また、県立体育館、これは国体に向けどうしていくのかという検討協議をさせていただいておりまして、公表できる時期にこの問題について方向性を発表させていただきたいと思います。
また当然その規模に応じて、かかる費用や期間もあるでしょうから、そういうものが大会のスケジュールとどうあうのかあわないのか、これをしっかりと踏まえたうえで発表することになると思います。
[滋賀報知新聞]
そうすると川淵チェアマンのところへ、やるやらないということも含めてその時期というのは、タイムリミットはあるのでしょうか。
[知事]
私もリーグの方からどのタイミングでどこまでの決定を求められているのかというのは存じ上げませんので、わかりません。
ただ、そういうスケジュールに沿った形で検討をしていく必要があると思います。