平成27年4月14日
(県政記者クラブ主催)
おはようございます。話題提供に入る前に、いま湖国三大祭りの山王祭、また曳山祭りが佳境に入ってまいりました。昨日は私も日吉大社でドイツの総領事や大津市長と一緒に山王祭の宵宮を拝見させていただく機会をいただきましたし、本日は長浜の曳山祭りに行かせていただきます。
それぞれに歴史もありいわれもあり、とりわけ多くの地域の子どもたちが、そのお祭りの伝承に関わるということで、非常に滋賀の地域活性化や教育にとっても大事なイベントだと思いますし、より多くの内外の方々に知っていただく取組を県としても進めてまいりたいと思っております。
また、新年度がスタートいたしまして、新体制ということで、より精力的に頑張っていきたい。そういう中で先般国の予算が成立いたしました。それを受けまして国の直轄道路事業では、例えば課題でありました湖西の161バイパスの坂本北から真野までの4車線化が決定されて、加えて国道8号のバイパスの調査費が計上されたとのことがありました。
その他社会資本整備総合交付金の内示状況を見ましても、今年度の内示額で128億4千万円ということで、前年度比1.06のプラスで、一昨年と昨年の比較が0.99という状況からいたしますと、関係者のご尽力のおかげで、道路・河川・ダム・砂防・都市計画・公営住宅・下水道、いずれもご理解いただき、ご協力いただき、ご差配いただいた結果だと思います。
国との関係、色々と揶揄されることもありますが、ご心配の声もいただきますが、しっかりと情理を尽くし、誠意をもって、予算の編成および配分・要望・提案こういうことにもより精力的に取り組んでいきたいと考えておりますし、適正な事業執行に関係者ともども配意してまいりたいと存じます。
また、一昨日投開票の滋賀県議会選挙が行われました。13選挙区で44人の方が当選されました。一昨日・昨日と私も無投票であられた12名の方には告示日に、残りの32名の方々への当選祝いに各事務所を回らせていただいて、7割から8割の当選された方々とはお会いする機会をいただき、「一緒にがんばりましょう」ということを申し上げた次第であります。
なお、昨日コメントを出しましたが、今回の選挙結果を受けまして、より多様なご意見にしっかりと耳を傾けて、二元代表制である県議会の皆さま方としっかりと議論を重ねながら県政を前に進めると、新しい豊かさを滋賀からみんなでつくると、こういうことのために頑張ってまいりたいと思いますので、またご理解よろしくお願いします。
若干気がかりだったことは、投票率が46.54ですか、前回の49.69に比べましても下がってしまったということに関しては、私は常々「これからはローカルの時代だ、地方の時代だ」と、もちろん国も大事だけれども、「Think Globally、 Act Locally」地方で色々な実践を通じて世界とも直接つながってビジネスであれ行政であれ市民活動であれ、こういうことをやっていくことがそれぞれの生きがいにもつながるし、地域活性化にもつながるんだということを申し上げていることからすれば、こういう低投票率になってしまうということは、やはりあまり望ましくないことだと思っておりますし、選挙で選ばれ権限をいただいている者の一人として、こういう皆様方のご関心をしっかりと高めるための取組も一緒に行ってまいりたいと考えております。
今日は1点資料提供をさせていただいております。
「新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略」ということで、既にご存じの方もいらっしゃいますが、新しい基本構想に基づく戦略ということで、特に基本理念には「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀~みんなでつくろう!新しい豊かさ~」、「今」だけ、「もの」だけ、「お金」だけ、「自分」だけの豊かさではなくて、全ての人が持続的に将来も心で実感できる豊かさをつくろうということを提唱させていただいておりまして、その一つの重要な柱に、この文化・スポーツの力で人生を豊かに、地域・滋賀を元気にということがございます。
これらを体系的に取りまとめたものが「新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略」でございまして、大きな柱として3つ、2024年に国民体育大会・全国障害者スポーツ大会が開催される、開催させていただけるという、こういう期間でございますので、その機を捉え、「する」「みる」「支える」ということに私たち県民が参画をしていくということでありますとか、文化・スポーツの場、施設もそうですしイベントもそうですが、こういうものを定着させていって楽しんでいただく、みんなで盛り上げる。さらには私たち県民が楽しく参加するということだけではなくて、世界からこういうイベントに来ていただく・楽しんでいただく・関わっていただくという取組を進めていこうということでございまして、是非この戦略に基づきまして滋賀の活性化のために取り組んでまいりたいと考えております。
特に文化面では新生美術館の整備がございます。近日中に設計を担当されるSANAAの建築士の皆さんとも意見交換をさせていただくこともございますが、2019年ごろを目指して、いま進めておりますので、これらを活かした取組でありますとか、琵琶湖博物館のリニューアルにも現在取り組んでおります。また、2019年がラグビーのワールドカップ、2020年が東京オリパラ、2021年が関西WMG、2024年は国体と全国障害者スポーツ大会とあわせて、東京の次のオリンピックが開催されるという時期ですので、うまくこの機をとらえて盛り上げてまいりたいと考えております。
お手元のパンフレットは、こういうパンフレットも活用しながら東京オリパラの事前合宿誘致を通じて、世界のトップアスリートと私たち県民との様々な交流の機会をつくる、こういうことにも役立てていきたいと考えております。
私からは以上です。
[朝日新聞]
選挙に関連して一点お伺いしたいのですが、かつていらっしゃった民主党のことです。2012年の参院選からずっと党勢がずっと上向かないということが続いていると思うのですが、一貫して候補者擁立を含めた地方組織の足腰が弱いと言われている中で、かつて県連代表を務められた今の民主党の、全国的なことも含めて、県連も含めて、国会の野党第一党として民主党が存在感を持たない限り、国会においても緊張感が生まれないということがあると思うのですが、このあたりをどう見ておられますか。選挙結果とともにお話いただけないでしょうか。
[知事]
選挙で示された県内に関わらず、全国で示された結果をどう受け止めればいいのかということについて、いろんなデータをもとに自分なりに分析をさせていただいているところです。
私が元所属していた政党の今回の状況をどうみるかということでありますが、今は知事ですので、具体的なコメントは差し控えたいと思うのですが、ただ一つの公党として、元政権与党を担われ、そして今は与党を経験した野党として、国政を中心に活動されている政党として、より多くの方の民意を受けられる、ご指示、ご期待がいただける、そういう政党になっていってほしいなという気持ちは持っております。
今回の結果がどうだったのか。まだ分析の結果を出すには早いのかもしれませんが、なかなか候補者の擁立にご苦労されている状況は漏れ聞いたことがございます。そういう意味で政党は、政治は、理念と政策、そして個々の、日々の活動だと思いますので、自戒を込めて、また自分のやってきたことを振り返りながら申し上げれば、そういうものを磨き高めていくことが必要かなと思っておりますので、いろんな事例を参考に、これは歴史的にも、世界的にも、また他の地域でもいろんな事例がございますので、そういうものも参考にしながら組み立てていっていただければというふうに思います。
[朝日新聞]
ずばり足りないところはなんでしょうか。
[知事]
足りないところというか。常々理念と政策、日々の、個々の活動ということを胸に活動してきました。その際に私自身が心がけてきたことは、日々の活動の中でふれあえる機会というのはあるようでない。だからその機会に同じ政策を語るにも心を持って、情熱をもって語れるか。その方の共感が得られる、琴線に触れる訴え、政策が作れているか。情熱(パッション)が大事だと思っておりましたので、そういうことを私自身が心がけております。
[毎日新聞]
選挙に関連してなんですが、選挙前の会見で知事の半年余りの県政運営の審判も受けるとおっしゃってましたが、今回の選挙結果は審判を受けたという意味では何点ぐらいですか。その根拠も教えてください。
[知事]
点数で評価するのは難しいと思います。ただ、私も選挙の時期、それぞれの地域で各候補者のお訴えを全てうかがったわけではありませんが、選挙公報を通じたり、またいろんな方の意見交換を通じて考えますのは、表だって、目立った形で今の県政の進め方について、厳しく反対されるということは感じませんでした。
むしろ新しい豊かさを作ることや滋賀の力を活かしながら活性化していくこと。そういうことに議会の側からも補完的に向かい合っていこうということが総じて多かったように思いますし、滋賀から新しいエネルギー社会をつくっていこう。琵琶湖を大事にしながら次世代につなげていくということは概ね共有した訴えではなかったかと思っておりますので、今後開かれる議会で出される意見もしっかりと踏まえて、県政運営を進めてまいりたいと思っております。
[毎日新聞]
加えてなんですけど、今おっしゃった「概ね」ということなんですが、共産党さんがハコモノ行政への回帰だとか批判をされていたんですが、共産党が復活とか躍進と言われていますが、8年前と同じ3議席を獲得したわけですが、これについてどう考えていらっしゃるか教えてください。
[知事]
前の構成ではなかった日本共産党の議員の方が3名当選されたという状況を受けて、コメントの中に「より多様な意見を承るべきという民意を感じた」。ということで申し上げております。訴えの詳細は把握しておりませんが、いずれにしても今までなかった政党の方が入ってらっしゃるということであるので、よりさまざまな角度からご意見を承れると思いますので、そこはしっかりと受け止めて県政運営を進めてまいりたいと思います。
[京都新聞]
引き続き県議選のことなんですが、チームしがとして三日月県政を進めるという思いも込めて、政策を作られて、今回県議選に臨まれたんですが、その議論が現場でどれだけ深まったかというのは、全てではありませんが、候補者の訴える現場を回っていてもなかなか深まっていないなあという実感を持っています。もちろん先ほどおっしゃったような厳しく反対される候補者は確かに少なかったと思います。そういう意味では一定知事に対する評価というのは厳しいものではないと思いますが、たとえば原発のことに関しても北部の候補者でも訴える人はほとんどいないと。もちろん国政がらみの課題ではあるんですけど、こういった議論が選挙という場で深まらないというのは低投票率という課題と合わせてある意味深刻な課題なんではないかなと思うのですが、どうお考えでしょうか。
[知事]
自分の経験も含めて考えますと、たしかに選挙の時は公選法上街宣活動が認められ、公報が配られ、自分の名前とともに政策が訴えられるという非常に大事な機会なんですけど、実は対話、政策対話、争点に基づくいろんな論戦等々は選挙の前にいろんなものをつかみながら、それぞれの方のご努力でなされているというのがございます。
したがって選挙の時にことさら、時には無理やり顕在化しないということもございます。そういう面もあったのかもしれません。いずれにしてもせっかくの大事な機会である選挙の機に投票率が低かったり、そのことに関心を持たれる方が通常より少なくなったとすれば、それは残念なことだと思いますし、新年度になり、新しい議会の構成になり、その時々政策テーマがありますので、自分自身ももう一度まちの中に出て行って、いろんな方との対話をこれまで以上に重ねながら、皆さんの思いをくみ取っていきたいと思います。選挙権の年齢もこれから下がっていきますし、若い人の意識がどうなのか、地方創生、地方創生といわれる割に地方、地域が盛り上がっているのかという視点ですとか、少しそういったところを自分なりにも確認していきたいというふうに思います。
[京都新聞]
高島市の住民投票の結果も出ました。高島市政の課題ではあるんですけれども合併した市町村での課題が10年経ってもなかなか解決しないという現状というのもあると思うんですけど、この件についてお感じになることがありましたらお願いします。
[知事]
合併というのはそれぞれ歴史のある町や村が一つになるということですので、並大抵のことじゃない。しかも面積が広ければそうでしょうし、それらを経て一定の合意形成の上でその決断をされ、進んでこられたんでしょうけど、時代の変化というものもある。そういう状況の中で高島市の皆様方が住民投票をやろう、その結果を出そう、さらには進めていこう、時には変えていこうというプロセスですので、それを尊重しながら県としては対応していきたいと思います。
[毎日新聞]
さきほどの訴えの話にからんでなんですが、チームしがの代表をされている嘉田前知事が「共産党に票が流れたのは原発に関しての訴えが共産党の方が明快だったからだ、反省点だ」とおっしゃってたんですが、この件について知事がどう思われるかということと、卒原発という訴えについて十分有権者の支持を得られているのか、変えていくべきなのか。チームしがは三日月知事のマニフェストを参考に原発に関しての主張を固められたわけなんですが、それについての見解がうかがえればと思います。
[知事]
前知事が選挙の結果に対してコメントされたことに対して私がコメントすることはございません。
もう一つ、これは自分自身も心に置きながら選挙、政治はそうあるべきなんだろうと思っておりますのは、選挙の結果を得るために訴えを変えるということはございません。むしろそれは厳に慎むべきであり、しっかりと将来を見越して、私ならこう考える、こうするということを世に問い、有権者が投票するということだと思います。
原発についてそれぞれの地域の方がお考えになることは多種多様で非常に私たち国民としても悶絶する、そういう状況の中で気持ちが吐露される、そういうテーマの一つだと思います。
ただ、いずれにしろ、静脈のところが整っていなかったり、多くの方が心配される実効ある防護体制が築けていない。さらには廃炉という時代に入ってきた、この状況を見越して、原発に依存しない新しいエネルギー社会をつくっていくという要請は、もちろん国という大きな中でやらなければいけないのですが、地方でできることもたくさんありますので、そういうものをもっともっと磨き、示し、多くの方に賛同していただけるような状況をつくっていくために、二元代表制の議会にがんばっていただきたい。そういう気持ちを強く、今回もちました。
[滋賀報知新聞]
選挙の件ですが全国的にも都道府県の知事選を見てましても自民党は非常に堅調であるというか、安倍政権の流れが地方にもきちっと来ていると思うんですが、それについての全体的な知事の受け止めと、逆に滋賀県の場合は自民党は過半数を割ったということをどういう具合に受け止めておられるのか、内部の議長選をはじめ分裂したり、そういうしこり、あるいはしこりに伴う刷新がない、今も続いているということの反映なんだろうと私は見てるんですが、そのあたりのお考えについての二点伺いたい。三点目は自民党が過半数割れしたことでチームしがもそうですが、絶対的なものはない、逆に三日月知事としてはやりやすい位置にあるんだと思うんですが、県政運営についてお聞きしたい。四点目、5日に志位委員長が来られて、三日月県政について、「ノーサイドという形で知事は自民党にすり寄っている、そういう意味では共産党しか県民の声を反映することはない」ということをおっしゃって、共産党は三日月県政を明確にゆがみという形で表現されていました。これについてどう思われますか。
[知事]
政権与党へのご指示が堅調だったのではないかということですね、これは確かにそういう面は私もそのように感じました。一定やはり国で多数を占める政権与党とどう繋がるのかという思考が働くことは、仕方のないことだと思いますが、私自身思ってますのは、そうはいっても地方のことは地方で決めるというその中で出された結論結果だと思いますので、それ以上でもそれ以下でもございません。これも自分自身のことで申し上げると、民意は移ろいやすいものでありますので、それぞれが謙虚に取り組んでいくということが必要だなと思ってます。
二つ目はそれぞれの会派の中でいろんな政党の中でぶつかり合いなり論争がされると、これはもう大小に限らず政治はそういうものだと思います。主張と主張、利害がぶつかり合う中で、多数派工作が行われ時には分裂し、こういうことを繰り返していくのが政治だと思ってますので、そのことに私たちがとやかく動かされたり変えられたりするものではありません。私たちは県政を預かる者として、それぞれの方に等距離で向き合っていくということを心がけていきたいと思います。
したがって三つ目の質問で、どこかの会派が多数だから過半数だからということでやりにくいと感じたことはありませんし、やりやすいと感じることもございません。
四つ目、共産党の志位委員長がどのようなに言われたのかということは私も存じ上げませんが、何から何に対するゆがみなのか、何へのゆがみなのかということを確かめる必要もございますが、いずれにしてもそういうご主張も含めて今まで議会で議席のなかった政党が入ってこられてその場で決められた範囲内でご意見をいただく、答弁をさせていただく、答弁の際に行政内部で検討させていただく、この機会というのは私は極めて有意義であると思ってますので、大切にそれぞれの会派との議論を積み重ねていきたいと思っています。
[中日新聞]
前知事の発言に対してコメントするつもりはないとのことですが、チームしがの嘉田代表がした分析に関して、特別顧問としてどう見てらっしゃるのかお聞かせいただけますでしょうか。
[知事]
チームしがの代表を務めていらっしゃる前知事のご発言、具体的に正確にどのご発言に対してのご質問かというのはまだ詳らかではございませんけれども、先ほどのことも含めて、私が今、特別代表としてもこの知事の会見で申し上げることはございません。
[中日新聞]
知事ご自身、チームしがは18人候補者を立てて、3人が落選、元々の17議席から15議席という形になりますが、今後会派に新しく入ってこられる方は別として、この結果についてはどういうふうに捉えてらっしゃるでしょうか。
[知事]
今回の選挙の結果、選挙で示されたそれぞれの地域の皆様方のご判断だと思います。私が特別顧問を務める政策集団の推薦もしくは公認を受けて出られた方々、当選された方々もいらっしゃれば厳しい結果を受けられた方々もいらっしゃいますので、そういうものもしっかりと踏まえながら、今後の県政運営をやっていきたいと思います。
[日経新聞]
鳥取県の平井知事が若手知事のグループを旗揚げしたいとおっしゃったということですが、これについて三日月知事としてはどのような姿勢で臨まれるのか教えてください。
[知事]
鳥取県の平井知事がおっしゃったのは、「日本創生のための将来世代応援知事同盟」のことだと思います。これには参画する方向で現在調整をしています。経緯・経過を申し上げますと、私が昨年7月知事に当選させていただいた折に、前の子育て同盟といういわゆる若手知事を中心に作られていた組織にぜひ入って一緒にやらないかとお誘いをいただきました。みんなに共通してますのは、年代だとか、実際子育て中だという、こういう実体験をもとにそれぞれの県政運営に一緒に取り組んでいこうということでしたので、私も二つ返事で参画を表明させていただき、その後総選挙が行われるなどして地方創生のメッセージがさらに強くなってきたことを踏まえて、それぞれの地域で日本創生というような考え方で次世代育成をしていこうというご発案があり、そのことにも賛意を示させていただき現在準備をさせていただいております。ぜひそういう他府県の知事とのネットワークの中で滋賀のいろんな政策を高めていけるような、また国に制度変革を促していけるようなそういう取組はぜひ積極的に行ってまいりたいと思います。聞くところによりますと4月20日の全国知事会に合わせて発足会が行われ、来月5月にサミットが岡山で行われると聞いております。残念ながら4月20日は私、他の公務の関係で出席が確約できていないんですけども、そういう状況だと聞いておりますので積極的に関わっていきたいと思います。
[京都新聞]
大阪では大阪維新の会の都構想もあって、非常に全国的な情勢とは違う、そこが第一党を取られるという結果がありましたけれども、都構想を巡る民意の出方とかについて、同じ関西広域連合を構成している県のトップとして知事は何か思われることはありますか。
[知事]
大阪は大阪の民意が示されたんだと思います。全国的に見て注目すべきは、やはり東京都だけではなくて大阪も負けずに都を目指していこう、また、府政の中のいろいろな二重行政の無駄を解消していこうという、そういう挑戦がされているんだと思います。それに対していろんな懸念もしくは反対が出されている過程、来月住民投票が行われるということですので、そういう中でのご注目の一つだと思います。滋賀は滋賀のテーマで滋賀らしく政策を進めていきたいと思います。
[滋賀報知新聞]
統一地方選の中での福井の知事選のときに井戸さんが応援に行かれて、北陸新幹線のルートが決まってない敦賀・大阪間は米原ルートではダメなような気がする、小浜ルートでというような発言があったようですが、この件について知事はどのように対応を考えられるか。2点目は、新幹線の金沢・敦賀までが前倒しになったわけですが、金沢から福井間を前倒しにできないかと応援に来られた安倍さんがおっしゃっていますけども、このことをどう考えますか。
[知事]
井戸連合長が選挙の応援時ですか、北陸新幹線米原経由はダメというような趣旨のご発言をされたと報道で知りました。ご案内の通り、関西広域連合は議論検討の結果、これは平成25年4月25日付で取組方針ということでルート問題について検討した結果、費用対効果・開業までの期間などを総合的に判断すると米原ルート案が最も優位であると提案すると決定し、その旨を国にもいろんな機会を通じて、予算編成に対する提案ですとか、そういった場で直接届けられていると承知をしております。そういう中で私が知事になりましてからいろんな報道等もあったものですから、また、開業もございましたので、その後の状況の変化を受けて今関西広域連合の中で例えば費用負担の問題、経営分離の問題、こういったことについて、検討の深度化を図るべきだということを広域連合の場で申し上げたり、また庁内的にもそのための指示を出させていただいております。そういう中で出されたご発言のようですので、私はその内容および真意を確かめたいと思います。
さらに、国において敦賀までの三年前倒し整備・開業でありますとか、その途中であります福井までの先行開業でありますとか、そういうことも検討または決定されていることも承知をしております。合意形成が得られ、費用負担が可能で、やろうということが決められるのであれば、鉄道整備は早い方がいい、繋がらないよりは繋がったほうがいい、ということだと思います。これは私も国会議員時代から、また鉄道員時代から、政務官時代も副大臣時代も一貫して申し上げております。
ただ、一方で民間企業が経営主体となる鉄道整備、また持続的な経営が求められる鉄道経営、政治による「我田引鉄」は厳に慎まなければならないし、そういうことには有権者納税者がしっかり判断する、意見を言うということも必要だと思いますので、その両面でいろんな合意形成が図られるものだと思います。
[NHK]
さきほどの鳥取のお話の中で、参画する方向でということでしたが具体的にいろんな若手知事とこれをしてみたいとか、滋賀県からこれを促していきたいとかそういうものがあれば教えてください。
[知事]
まず基本認識としまして子育て支援というものを充実させることによってたとえば地域活性化をしよう、地方創生をしようという発想は今に始まったことではなくて、滋賀県は前知事のときからこういうことを言いながら時には全国に先駆けてマザーズ・ジョブ・ステーションですとかいろんな若者のチャレンジ支援をしてきましたし、環境教育、うみのこでの学習、やまのこ、たんぼのこ、ホールの子など、職業や実体験に基づく教育活動の充実ということで取り組んできたこれまでの成果や経過もありますので、そういう滋賀ならではの取組をさらに充実する形で、また水平展開する形で他府県に情報提供をしたり、また、たとえば「うみのこ」などでも、他府県の子供たちを受け入れる航路のスケジュールもございますので、そういったところにこの子育て同盟、次世代応援知事同盟のネットワークの中で横の連携が図れればと思いますし、今までの取組をさらに充実させるために、国の制度変革たとえば労働局との連携、こういったこともまだまだもっともっとできることがたくさんあると思います。そういうこともさらに提案をしていければと思います。中身の伴うものにしたいなと。逆に他府県の先進事例もあろうかと思いますので、そういうものを吸収し政策構築につなげていくという効果もあると思いますので、そういう面も私は期待をしています。