平成26年9月16日
(県政記者クラブ主催)
おはようございます。9月も16日になりました。
まずは本日の一句、「若者の 心音揺する 秋の湖(わかものの こころねゆする あきのうみ)」。この週末の三連休は、お天気も良くて琵琶湖岸の風景が美しい中、バーベキューを楽しむご家族連れも大勢いらっしゃいましたし、イナズマロックフェスが2日間おこなわれ、多くの方々に滋賀県に来訪していただけました。
また昨日は、国際学生ボランティア協会の約600名の方々がオオバナミズキンバイ除去大作戦ということで滋賀に御参集をいただくなどですね、非常に多くの、特に若い方々が琵琶湖の周りで活動された様子を私も拝見いたしました。是非そういう活動もこれからも大事にしていきたいと思います。
私からは2点、情報提供させていただきます。
まず滋賀の“ちいさな企業”応援月間の実施についてでございます。ご案内のとおり、本県の中小企業は県内企業の99.8パーセントを占めております。その内、小規模企業が9割近くを占めていると。そして、小規模企業の皆さんは、地域の経済や社会の担い手として、生産や消費活動さらには、雇用や地域づくりなどの面でも大変重要な役割を果たしていらっしゃる。
こういう滋賀の経済・社会が今後も持続的に発展していくためには、この小規模企業を中心とする中小企業の活性化が必要不可欠である。
しかしながら、なかなか県庁をして、商工観光労働部をして、昨年度、各種団体や地域にお邪魔しての意見交換会ですとかアンケート調査、また職員による企業訪問、さらには審議会を設置して寄せられたご意見を分析しますに、県民の皆さんに“ちいさな企業”のそういった役割や魅力が十分に伝わっていないということがわかりました。それと同時に、様々な課題や困難を抱えていらっしゃる中小企業、とりわけ小規模な企業向けの施策というものが、なかなか金融機関、それぞれの市町、そして県が実施しているんですけれども、なかなか周知というものが十分ではないと状況がございます。
したがって、この10月を「滋賀の“ちいさな企業”応援月間」というものに設定しまして、各関係団体等と連携し一体となって様々な事業を展開していきたいと思っております。
まず一つは、“ちいさな企業”が担う役割や魅力を積極的に情報発信する。また“ちいさな企業”への支援策でありますとか、諸活動を積極的に実施する。また、“ちいさな企業”への施策の周知および活用を促進するということでございまして、この取り組みは先般の国会で小規模企業振興基本法が制定されました。これを踏まえて全国に先駆けて実施するものでございます。主な内容といたしましては、「滋賀の“ちいさな企業”元気フォーラム」を10月16日に近江八幡市で開催しますほか、「マッチングセミナーin長浜」というものを10月23日に長浜バイオ大学で、また、「滋賀の女性経営者フォーラム」を10月28日に開催するなど、その他の施策説明会や相談会も開催いたします。その他詳しい内容については、別添の各チラシをご覧いただければと思います。
県のみならず、行政のみならず、せっかくの月間を設定いたしますので、各関係団体等において、支援事業等を実施していただくことになっておりまして、経営相談会や融資相談会など、県を含む59の主体で、こういった様々な事業を展開させていただきます。なお、事業一覧取りまとめということで、お手元に冊子があると思いますが、10月中に実施される95事業を中心といたしまして、169事業が掲載されておりますのでご参照ください。
最後になりますけれども、こういった月間を通じまして役割や魅力が発信されるとともに、前向きに頑張っていこうと、強みを生かして前向きに頑張ろうということが伝わる、そういう月間をつくっていきたいと思いますので、ご理解、ご発信をよろしくお願いいたします。
続きまして2点目、米原駅周辺活性化による県広域振興に関する検討会議(チーム)の立ち上げについてでございます。
本年は東海道新幹線開業50年の節目となります。県内唯一の新幹線停車駅である米原駅でありますが、周辺の活性化という意味ではまだまだ課題があるというふうに認識をいたしておりまして、とりわけ米原駅東口の県有地の利活用等を検討する会議を今月中に立ち上げて、検討を開始したいと思っております。
これまでも米原市と連携しながら、企業動向等の把握や企業情報を持つ機関と情報交換を行ってきましたけれども、具体的な利活用方針の決定には至っておりません。したがって、県の玄関口である米原駅、駅前の一等地である米原駅東口の県有地等の利活用を含め、中部圏・北陸圏との結節点としての地の利を活かした滋賀の活性化を進めてまいりたいというふうに考えております。
この検討会議は、総合政策部を中心といたしまして関係部局で構成し、当然のことながら米原市と調整・連携しながら、米原駅東口県有地に隣接いたします米原市有地との一体的な利活用の可能性も視野に検討を進めてまいりたいと思います。
来年度中には、利活用に向けた方向性が見えるように、スケジュールをつくって進めてまいりたいと思います。
なお、最後に一点だけ、びわこ文化公園都市シンボルマークが決定いたしまして、このちょっとかわいいシンボルマークが決定しましたので、またご周知の程よろしくお願いいたします。
私からは以上です。
[京都新聞]
米原駅の活性化ですけれども、長年課題になっていますけれども、知事選でも米原駅もそうですし、栗東新駅を止めた後の新駅の議論というものも話題になっていましたが、改めて東海道新幹線全体の検討の優先順位や方向性について、今の段階で知事の全体のイメージについて教えてください。
[知事]
開業以来50年ですね、この東海道新幹線は滋賀県のみならず、全国に大きな恩恵をもたらし、役割を果たしてきたと思います。それで、滋賀県も大変長い距離区間を風景を見ながら走っていただく、そして米原駅にひとつの大きな駅を構えていただくということがございました。この役割を大切にしていきたいと考えております。そのうえで、私は選挙の時の政策提案集で、米原駅の利活用、そして8年前に事業を中止となりました栗東駅の後継プランの完遂、こういったものを前提に、米原京都間の新幹線新駅のあり方について県民の皆さんと議論を開始するということを申し上げ、その方針、また順序というものは変わっておりません。いずれにいたしましても、この広域の幹線鉄道交通網が来年の北陸新幹線の金沢延伸、さらに敦賀延伸、広域連合で「米原ルートへ」というような様々な方針が決められるほか、リニア新幹線というものの開業が計画されている、そういった状況の中で、滋賀県の幹線高速鉄道網を、駅のあり方も含めて、皆さんと一緒にしっかりと議論ができる、そういう環境づくりに努めてまいりたいと思います。
[京都新聞]
現時点では米原駅周辺の活性化について、商業や工業といった大きな方向性というものは、知事の中では持たれているのでしょうか。
[知事]
こういう検討チームをつくって、集中的に議論をしたいと思っております。国道8号線と東海道新幹線の駅の間にある土地なんです。こんなに恵まれた土地はないということで、国鉄改革以降、色々な経緯があったんですけれども、そういう課題も乗り越えて、多くの皆様に利活用の可能性についてご認識いただき、また御参画をいただけるように取り組んでまいりたいと思います。
[京都新聞]
明日から9月議会が始まります。先日、補正予算も発表されて、知事が就任されて初めて本格的な補正予算を編成されました。大半は災害対応が中心になったわけですけれども、改めて補正予算への思いについてお聞かせください。
[知事]
議会を前に補正予算を編成しました。草の根自治の発展、共生社会滋賀をつくること、経済と雇用の滋賀を推進すること、こういう3つの理念、9つの重点政策を中心に補正予算を編成させていただきました。もちろん災害対応もありますけれども、子ども家庭相談センターの設置に向けた予算、あるいはオオバナミズキンバイ除去に向けた予算、中小企業の資金繰り対策に向けた予算等々、年度途中ではありますけれども、状況を精査したうえで編成した予算ですので、しっかりとご理解を賜り、年度中に効果的に適正に執行できるように知事としても役割を果たしてまいりたいと思います。
[NHK]
台風18号から1年になりましたけれども、前回の県議会でもありましたが、改めて現在の復旧状況について、知事としてどのようにとらえていらっしゃるかということと、あの災害を契機に、県としてどのようなことを防災対策に展開していくのかということがあればお願いします。
[知事]
昨年の未曽有の豪雨による被害から1年が経とうとしております。栗東市内で1名の方がお亡くなりになるなど大変大きな被害を受けました。改めて被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げたいと存じます。そのうえで、県としては河川・砂防・道路、さらには治山事業ということで、この災害復旧事業を鋭意進めているところであります。事業箇所数にいたしまして、河川・砂防・道路で193箇所、そして森林・治山の山腹崩壊で171、渓流荒廃で116という非常に多数の箇所の復旧事業を行っているところでありまして、まだまだ完了率が低い、河川・砂防・道路の公共土木施設の災害復旧のうち、6月末時点での完了率が7.8パーセントということで、まだまだ低いですので、こういったものをしっかりと上げていく。と同時に、ハードのみならず、昨年の台風18号の際にはソフト面・情報提供面で多くの課題を残しました。そういったところをしっかりと検証しながら、情報提供と収集について新たな取り組みをしております。
これは大きく3点ございまして、1点目は危機管理員。県庁内の各部局の幹事課のナンバー2の総括参事の役職を危機管理員として、防災危機管理局との兼務職員として、防災に関する情報を危機管理員を通じて各部局に提供するということで、県庁内の情報提供・情報共有の仕組みを整えなおしております。
2点目は、情報連絡員。市町からの情報収集がうまくいっていなかったという反省がございますので、地方事務所の職員を市町へ情報収集のために派遣する制度を設けて、先般の今年の台風11号の際にも、9つの市町に県職員を派遣し、現場の状況把握、県への報告というものに取り組んでもらいました。
3点目は、タイムライン、事前行動計画というものをしっかりとつくり、実行いたしました。台風の最接近が予想される時刻の120時間、5日前から県として取るべき行動の整理、試行的な実施、対応というものを行ってまいりました。こういうことを先々に行うことによって、より適時的確な対応が可能になったと聞いております。
さらに、報道機関への皆さんへの情報提供のあり方なども、いま皆さまと議論をされているところだと承知をしておりますので、こういった取組を通じて、昨年の18号被害の教訓を今後の防災体制に活かしていくということに努めてまいりたいと思います。
あわせて、最後に、やはり9月はまだまだ台風到来シーズンでございますので、緊張感を持って、県庁職員を挙げて、市町とも連携しながら、災害の被害がなきよう努めてまいりたいと思います。
[中日新聞]
少し先になりますが、9月28日に琵琶湖大橋が出来て50周年の式典があるということで、出来た当時は国内でも最も規模の大きかった橋ということですが、この50年間、滋賀県の発展のどのように寄与してきたのか、県民の利便性にどのように貢献してきたのかなどの知事の所感をお願いします。
また、現在琵琶湖大橋の無料化と有料化継続に対する議論がされていると思いますけれども、そこに関して知事のお考えをお聞かせください。
[知事]
私は父の実家が甲賀、そして子供のころ住んでいたのが大津ということで、子どもの時からこの琵琶湖大橋は多く利用した思い出の橋でもあります。
また、50年、県内の東西の重要な橋として多くの人とモノを運んでこられた大切な橋だと思います。当初は一本でしたけれども、もう一本架けて輸送力増強ということも図ってこられてですね、同時に料金による償還が終了する時期が見えてきて、研究会で検討をされているところです。
私は大切な橋ではございますし、しっかりと今後とも安全性が発揮されるよう修繕にも努めてまいりたいと思いますし、この橋の景観というものも、私たち県民だけではなく、観光の方々にもなじみの深い、思い出深いものにもなってきましたので、こういう景観も含めてですね、大切に守っていきたいと思っております。
と同時に、このあり方については、研究会で関係4市の方にも入っていただいて議論を進めておりますので、これは利用に関わる、将来にもかかわる大切な議論ですので、しっかりと議論していただけるように期待をしております。
[読売新聞]
先ほどの防災にからんでですが、土砂災害の警戒区域を指定することなどが定められている土砂災害防止法の改正がされるということになっておりますが、それについての受け止めと、警戒区域自体を指定するのは県ですけれども、当事者として課題等が有るようでしたらお願いします。
[知事]
広島での災害を教訓として、土砂災害防止法の改正が検討されていると承知をしております。私はこれは大切な法改正と思い、この審議にもしっかりと現場の意見が反映されるようにということで、先週、土木交通部を中心に土砂災害防止法改正に絡む提言ということで緊急に取りまとめをしていただいて、土木交通部長に国土交通省に持参し説明していただきました。
そのポイントは、なかなかこの土砂災害の警戒区域の指定が進まないということがございます。これはなぜかということで言いますと、これには二つあって、一つはその区域内、区域周辺の皆様方のご理解、指定されることで資産価値が低下するのではないかということも含めたご理解がなかなか得られないということと同時に、もう一つは、こういう砂防に関わる人員が足りていない、不測の状況があるのだと思います。こういった2点を解消するために、例えば国をして区域内の皆様にご理解をいただくための広報・周知説明、こういったものを更に強化して進めていただくことでありますとか、区域指定のための調査にかかる費用の補助でありますとか、またそういったことを調査・説明・公表するという法的根拠をしっかりと条文にして位置付けてほしいといったようなことを、今回提言させていただいたところです。
しっかりとこの法改正審議には我々も注目しながら関わってまいりたいと思います。
[読売新聞]
資産価値の低下という面では、滋賀県の場合、流域治水条例の時にかなり議論をされていていましたが、前もってリスクを説明するメリットもあると思いますが、どのような説明をされていくのでしょうか。
[知事]
戦後人口が増えて、開発が進み、多くの方々が以前は山や川のそばであったところに住んできたというような状況の中で起こってきた課題だと思います。
いずれにいたしましても、流域治水条例の時に議論された「地先の安全度」、このリスクの共有ですね、この地域に治水や土砂災害のリスクがどの程度存在するのかということについて、住んでいらっしゃる方と共有するということ、資産価値はその次であって、まずはリスクの共有というところから始めていくことが必要で、そのための調査、そのための人員というものをしっかりと確保して臨んでいくことが必要だというふうに考えております。
[滋賀報知新聞]
米原駅の件ですが、SILC構想やJR貨物の構想もあったように思いますが、どのような所見をお持ちなのか。
[知事]
米原駅は、その周辺も含め、北陸圏と中部圏と関西圏の結節点であるということ。西日本と東日本のちょうど間に位置するという意味においては、私は人の移動、交通のみならず物流の面でもきわめて大きな地の利のある駅であり地域であると考えております。
したがって、この地域の県有地の開発、広域振興というところでも、そういう人流のみならず、物流の観点からも議論を検討されるべき地域であるというふうに思います。
[滋賀報知新聞]
JR貨物は物流拠点として必要という考え方もあると思うのですが、知事はどのようにお考えでしょうか。
[知事]
米原駅はJR貨物の1つのターミナルにもなっていて、コンテナの積み下ろしも一部行われております。大切なことは、やはり物流の意味で言うと、レールアンドトラック、そしてシーアンドレール。やはり物流はそれぞれのモードからの転換ということが可能な地域であるかどうか、可能なインフラが整備されているかということだと思っておりまして、その意味で言うと国道8号線と貨物のターミナルを結節させるための道路の工事を進めているところでありまして、それの進捗状況とあわせて、JR貨物の米原ターミナルの整理・開業を進めていかれるものだと承知をしておりますので、そのタイミングも見ながら、いま申し上げた周辺活性化の検討会議の議論を進めていきたいと思います。
[滋賀報知新聞]
台風18号の件ですが、完全に高度処理しない形で下水道が琵琶湖に流れ込んだという対応については、知事としてどのようにお考えでしょうか。
[知事]
そういうことがあった、あるいはあったのではないかということが指摘されておりまして、そのことによる水質への懸念の声があります。したがって、現在そういったことについて調査をしていると承知していますので、その調査結果を見て対策を検討していきたいと思います。
[滋賀報知新聞]
「チームしが」に関して、対話の会と民主で協議をされていますが、知事は共同代表ということでされていたのですが、当選後は「一線を保ちつつ補完していけるように活用していきたい」とおっしゃっていましたけれども、知事の立ち位置がわかりにくいと思うのですが、現在はどのようになっているのか確認させていください。
[知事]
私の立ち位置というのは、県知事として選挙で頂いたご付託、ご期待に応えた県政を推進していくという立ち位置でございます。それで、「チームしが」の共同代表としての立場はどうかということについては、現在検討をさせていただいております。