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知事定例記者会見(2014年9月9日)

平成26年9月9日
(県政記者クラブ主催)

おはようございます。

9月の一句「みずかがみ びわ湖も想い 実る秋」

二つあります。錦織圭さんは残念でした。ストレート負けだったんですかね最後は。でもそうやって世界で活躍する日本のアスリート・選手がいるということを誇りに思います。国体もある、そしてパラリンピックやオリンピックもあるということですので、是非また夢をもって色々な競技を観戦したいと思います。

もう一つは、世界ということでいうと、先般、世界湖沼会議、イタリアのペルージャに参加してきました。1984年に滋賀・琵琶湖・大津の地で始まった会議に、開催国イタリアでも、その当時に学者の方、行政、そして市民の方みんなで始めたこの取り組みを評価していただいておりました。こういうことにも誇りを再確認しながら、私はフォローアンドシェアだと。こういう会議を継続をして、フォローしていくことと、より多くの方にこの成果をシェアしていくことが必要だという観点で、さらに施策を進めていきたいと思っております。


前置きは以上といたしまして、私からは3点、話題提供をさせていただきます。お手元に資料が配られていると思います。


1点目は、総合防災訓練の実施についてでありまして、防災月間、この9月21日に大津市内におきまして総合防災訓練を開催いたします。主に、皇子山総合運動公園で行います。

各機関の参加連携のもと、ボランティアを含めまして157機関、そして延べ約4,100名の方々にご参加をいただいて実施する予定です。当日の午前7時に、琵琶湖西岸断層帯を震源とする地震が発生し、大津市内では震度7を観測し、多数の人的、物的被害が発生したとの想定をもとに各種の訓練を行うこととしておりまして、机上の訓練と現場における実動訓練をあわせて29の訓練を実施する予定であります。

主な訓練を4つ紹介いたします。

一つは、地域自助・共助訓練を行うことにしておりまして、それぞれの地域の住民の方々が、それぞれの地域の中で、避難または安否確認、要配慮者の救出・救護、消火訓練、こういったことにもご参加をいただく必要があるということから、その訓練を行うものであります。

二つ目は、避難所の開設やその運営の訓練でありますとか、福祉避難所の開設訓練でありますとか、そういうことも盛り込んでおります。

さらに三つ目は、その要配慮者の広域的避難の伝達訓練というものを行うことにしておりまして、お一人で移動できない高齢者の方であるとか、障害のある方の大津市外への避難・移送を想定した情報伝達訓練も行う予定にしております。

四つ目は、被災地の現地災害ボランティアセンターとの間の連絡調整、運営支援訓練も併せて実施します。

こういう訓練を行うことにしておりまして、私からは2点、一つは広島で起きた土砂災害を教訓にしたものも是非しっかりと取り入れようじゃないかということで、いま申し上げた4つの特徴に加えて、土砂をどける訓練をする際に、少し水分というものを想定できないかということが一つと、もう一つはDMATの出動訓練も行いますが、DPATですね、精神的なケアをするこういうチームの派遣なり動きについても、今回の訓練の中に入れていこうではないかと申し上げておりまして、いま限られた時間の中で調整をいただいております。


2点目は、丹生ダム対策チームの設置についてであります。お手元の資料にありますように、本日付けで「丹生ダム対策チーム」を県庁内に設置をすることといたします。昭和43年に予備調査を行ってから45年が経過いたしました。

私も先週、現地の対策委員会の方々が来訪され、意見交換も行いました。「当初反対であったが、国が言うから、機構が言うから、泣く泣く、しぶしぶ賛成した。移転にも応じた。」、ところが先般、検証対象ダムというものに指定をされ、そして今年の1月の検討の場において、「『ダム建設を含む案』は有利でない」というこうした歴史的な状況の中で、現地の方々は苦悩をされておられます。今この評価について、地元のご理解を得るために近畿地方整備局および水資源機構が説明を行われているところでありますが、やはり多くの課題があることを伺いましたので、長浜市、また国としっかりと連携するという観点で、対策チームを作り、生活再建ならびに地域振興、この間の歴史的なことを踏まえた対応・対策をより強化していきたいと考えております。

具体的には、ダム建設事業に伴う水源地域対策特別措置法に基づく地域振興事業として、周辺地域の林道整備を担当している森林保全課、さらに道路課、また流域政策局、それに地元の土木事務所である長浜土木事務所と木之本支所からなる対策チームを設置しました。特に山間部ですし、林業の関係がありますので、林務の事についてはしっかりと力を入れてまいりたいと思っております。


知事会見3点目は、滋賀県生まれの「みずかがみ」のCMがいよいよ始まります。後ほどご覧もいただきますが実際に、県が開発しました新品種の「みずかがみ」がですね、収穫の時期を迎えまして、この魅力を多くの方に知っていただくために、この9月から11月まで4回にわたって京阪神地域で試食イベントを開催いたします。今週末の14日に県外デビューを大々的にアピールするために、京都市にありますイオンモール京都五条店で社長にもご参加頂いて販売開始イベントを行います。

当日は、「みずかがみ」で作ったおにぎりの試食やクイズ大会などを企画しておりますので、是非皆様方に発信をしていただけたらと思います。

明日9月10日から約1か月間、関西主要局でテレビCMを放映いたします。記者の皆さんには1日早いお披露目をさせていただきますのでご覧いただければと思います。

かわいいですよね。こういうCMも活用しながら、特に子供の皆さんもしっかり食べて、健やかな成長をという気持ちも込めて、このCMが作られたと聞いておりますので、色々な各イベントでPR等に役立ててまいりたいと思います。

あわせて、滋賀の野菜についても県外PRイベントを行うことにいたしまして、県の伝統野菜であるとか地域特産野菜ですね、こういうものを地域の方々だけではなくて、県外の方々にも知っていただこうということで、関西で定評があります『おとなの愉しい食マガジン「あまから手帖」』とタッグを組みまして、阪急百貨店うめだ本店内の飲食店やカフェ11店舗で、「~『マザーレイク』と雄大な自然にはぐくまれた恵みを味わう12日間~滋賀食・感レストランフェア」を開催いたします。今回は夏野菜中心のイベントで、9月17日から28日までの期間限定で実施いたします。来年1月ごろには今度は冬野菜を使った同様のフェアを計画中でありますが、今回は、「下田なす」でありますとか「愛彩菜」であるとか「愛荘のブルーベリー」とか、こういった食材を料理にしてお楽しみいただく、価格帯もそれぞれですし、料理のジャンルもあるのですが、より多くの人にご活用いただき、お楽しみいただく機会を設けていきたい、今回の事を契機に県外の皆さんにお米や野菜のおいしさをPRすることにも積極的に取り組んでまいりたいというふうに思います。

私からは以上です。

[京都新聞]

丹生ダムの対策チームの件なんですけど、国等の方針が出てから現在まで半年以上経って、このタイミングで改めて対策チームという形になったのは、知事になって改めて色々報告を受けられて、少し対策の遅れであるとか、課題であるとか、感じられたということなんでしょうか。

[知事]

私自身、政府にいる時にダムの問題の担当をして、ダムをつくるところ、ダムをつくるのも止めることを検討している地域と向き合ってまいりました。当然つくることにもずいぶん労力がいりますけれども、中止する際の労力というのはその倍以上の労力が、地元の方々のご労苦に向き合うということも含めて、いるということを実感しておりました。

そうした観点から知事になって、この現地の状況等を確認しましたが、1月に方向性が出され、3月から地元協議が進められてきたというふうにうかがっておりますが、なかなか進展しない状況があるということもお聞きいたしました。

したがいまして、そもそも進まないということはこういうことを前提にした制度がない、国の法律もそうですし、そういう制度がないということも影響しているんだと思いますが、県としても検証作業を円滑に進めていただくために、しっかりと地元の方々に県としても向き合う必要があるだろうということを実感したものですから、今回設置させていただいたということであります。

[京都新聞]

さきほど触れられました世界湖沼会議なんですけれども、現地に行かれて知事なりに感じられたことをフォローし、シェアしていきたいということなんですが、今回の会議に限ってということなのか、30周年トータルでの成果なり、これまで蓄積されたものを県民の方にフォローなり、シェアしたらいいというお考えなのかということと、今回もそうでしたが、市民参加がどこまでいっているのかという辺りが課題もあるんではないかなと、海外にいけるかどうかは金銭的な問題もあると思いますが、大事な当初の理念であった市民参加を少しテコ入れしたほうがいいのではないかということについて、どうお考えでしょうか。

[知事]

1つめのどの部分をフォローしてシェアするのかという部分は、30年の蓄積も今回の会議も、特に30年の蓄積という部分でいうと、ILECそして科学委員会を中心に一定世界各国それぞれの地域にその分野の研究に携わる方々のネットワークができています。こういうものの成果をしっかり共有確認するということが私は必要だと思います。

もう1つは、いみじくも今ご質問の中でいただいたように、市民参加の拡大というものをどう考えていくのか。この30年で得られた蓄積をたとえばどう民間企業の活動につなげていくのか。今回展示ブースありましたけれども、まだまだ少なかったですよね。こういうことをぜひ県内の企業もそうですし、関連する産業、業界にお知らせしていくということも必要だと思いました。

市民参加の拡大の可能性、必要性というのは私も現場で感じました。トラジメノ湖の関係者の方と琵琶湖、高島の豊穣の郷の方々との意見交換が行われ、大変有意義だったと思います。実は翌日トラジメノ湖に視察に行った時に偶然トラジメノ湖の代表として参加されていた漁師の方とお会いをして、魚の加工場をご案内いただいたということがありました。

なかなか費用面のことがあるので、多くの方にご参加いただくのが難しいのであれば、インターネットでシェアする取組を進めるなど、より多くの方が関われるしくみづくりのために様々な提案も行っていきたいということを感じました。参加された方の満足感は高いのですけど、その広がりをもう少し持たせる必要があるというふうに思います。

[京都新聞]

先週内閣の改造がありまして、女性を中心に登用するというカラーを出したりとか、一定の方針に基づいて新しい組閣がされたわけですが、知事の所感をお願いします。

[知事]

新たに内閣を作りかえられて再出発をされたということで、私は今回の内閣改造のキーワードとして受け止めているのは、地方の創生と女性の活躍というものを、特に前面にまた強力に押し出されている感を持ちましたので、そういったところはぜひ滋賀県としても積極的に関わり、さまざまな政策提案をしてまいりたいと考えております。

[滋賀報知新聞]

関西電力は40年を超えた美浜原発の1,2号機の廃炉を検討しているということで、国も計画を出すように促しているようなんですが、まず廃炉問題を隣接県としてどう見ておられるのか。

まだ関電は、最終判断は出してませんが、ある意味では高浜原発とか大飯原発の再稼働とセットという意味合いも含まれていると思いますので、逆に再稼働問題についてどうお考えになっておられるのか。

3点目は、卒原発を掲げて当選されたわけですが、今回廃炉問題も具体的に出てきたわけですが、卒原発の工程表づくりは、庁内にきちんとした体制作りができていないように感じるわけなんですが、どのようにお考えになっているのか。

4点目は、8月に市民団体が九州電力の川内原発の再稼働に対して、鹿児島県知事に対して再稼働しないように要請してほしいという文書が出ましたが、これに対して知事は、再稼働は政府の責任で判断されることだ。だけども万一の事故が起これば大きな影響があるので、実効性のある多重体制が確保されるかも含めて影響を受ける地元の地域の住民や自治を踏まえて判断されるべきものと考えます。慎重に判断されるべきというのは、政府が判断されるということだろうとは思うのですが、鹿児島県知事としての、地元同意も含めて、2つ重ねられているのかどうか確認したいのと、具体的に進んでいくと当然関電の再稼働問題も出てくる。卒原発の工程問題とともに実効性のある手段やメッセージを講じるお考えがあるのかについて、この4点についておききしたい。

[知事]

先週の金曜日でしたか、「関電 美浜2基の廃炉検討」と報道されたことは承知しております。ただ、具体にその中身を関電さんから、もしくは国からご説明をいただいたわけでもありませんし、この件に関した詳細な資料が発表されたわけでもありませんので、まだ具体を承知しておりません。

したがって、中身を即精査した上で、私どもの考えや対応を協議してまいりたいと考えております。ただ一般的に申し上げて、原子力発電で国のエネルギーをまかなっていくということに踏み出したことも人類にとっては大きな一歩ではあったと思いますけれども、そういうものを安全に管理しながら廃炉にしていく。実用炉の廃炉は、もし行われるとするならば初めてのことですので、人類の挑戦だと思います。と同時に廃炉というプロセスそのものは、卒原発に向けた一歩だというふうに感じ、考えております。

そして、再稼働の問題は、4つめにいただいた質問にも連動するのですが、政府の責任で判断されることになりますが、新規制基準に基づく厳格な審査による安全確保の確認というものと併せて、常々申し上げておりますように、万が一のことが起こらないための対策、そして起こった時の広域避難を含めた実効ある体制というものが取られているかということを確認することが不可欠であるというふうに考えております。そういう意味で、多重防護の体制が取られているということ等、住民の方のご理解が欠かせないと思います。そういうことも含めて慎重な、知事にしても、住民の方にしても、慎重な判断がされるものと承知をしております。

滋賀県の対策・体制として、工程表というものについてご質問がありましたが、滋賀県としてできることについて、体制を整えて臨んでいくことは必要だと考えておりますので、庁内において、たとえば再生可能エネルギーの導入促進であるとか、さまざまな情報収集、関係機関との連携協議に専門的、重点的に対応できる組織づくりについて、今検討しているところであります。

[滋賀報知新聞]

関電の情報について具体的に知らないというのは当然だろうと思いますけど、福井県などは少し情報収集しているようですが、関電と廃炉問題について、協議するというか、考えを聞かれる予定はおありですか。

[知事]

隣接する福井県もそうですし、県内に電力供給をしていただいている事業者の方々とも意見交換、情報共有も含め密接に行ってまいりたいと思っております。当然、その中に今回出された廃炉という情報、記事で報道されたことも含まれるということです。

[滋賀報知新聞]

具体的な関電と協議するのはいつごろの日程を考えておられますか。

[知事]

少し状況を見たいと思います。

[NHK]

デング熱の感染者が全国的に広がりを見せている中で、受け止めと県としての対策をお聞かせいただきたいです。

2点目が学力テストの関係で知事のお考えはこれまで一貫されていると思いますが、静岡県の知事が独断で公表を行ったことについてどういうふうに受け止めていらっしゃるかの2点についてお聞かせください。

[知事]

デング熱について昨日の時点で海外渡航歴のない患者の方が80名いらっしゃるということで、内訳をみますと東京都のみならず大阪府に3名いらっしゃるなど、私はこの状況をしっかりと緊張感をもって注視する必要があると思います。アンテナ高く、広く、情報収集に努めるとともに、日に日に更新される患者の情報であるとか、得られた情報をしっかりと保健医療機関に対して県として発信していくということを担当部局に対してはお願いするという取組をさせていただいております。

学力テスト、学力・学習状況調査の結果については、真に子供たちの学力を含めた生きる力の向上につなげていくこと、そしてそれを学校のみならず家庭も含めて、地域も含めて学習状況の改善に結び付けていくことが私は必要だと考えておりまして、そういう意味からすると、多くの方々のご理解をいただけない形での正答率の結果の公表、序列化というものについては、冒頭申し上げた意味を削ぐことにつながるのではないかなあということで、私は賛同できない対応だと考えております。

[時事通信]

内閣改造の件について、地方の創生と女性の活躍がキーワードとおっしゃいましたけれども、地方創生の分野で自民党の重鎮である石破前幹事長が就任され、かなりの力の入れようだと思いますけれども、滋賀県として具体的にどのような政府提案をしていくかについておうかがいできればと思います。

[知事]

人口減少でありますとか、地方の創生再生というテーマや言葉は実は新しくて古いキーワードでありまして、今求められているのは実効性ある対策。そして幻想を抱かず、悲観に陥らない、そういう施策だと理解しております。そういう意味で先ほども人口減少を見据えた豊かな滋賀づくりの推進本部ということで、県で本部を立ち上げて、私は4つのことをお願いしました。1つは「部局連携」2つめは「国の施策の十分な活用」3つめは「市町との連携・対話。そして県民の運動をぜひというご意見もふまえる」4つ目は「人口急増時代に我慢してきたこと、犠牲となってきたこと取り戻していく、そういう機会にもする必要があるのではないか」という観点から、たとえば環境に対する負荷、災害のリスクがあるところへの住宅地の乱開発、そして我慢してきた居住空間、もしくは緑地帯等を豊かにしていくような、そういうきっかけにつなげられるような施策を検討し、そしてたとえば法改正でありますとか、予算事業の充実でありますとか、それぞれまとまった段階で国に提案していきたいというふうに考えております。

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