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知事定例記者会見(2023年3月20日)

令和5年3月20日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。春のお彼岸に入った、少し肌寒い日ですけれども、今日もよろしくお願いいたします。

週末は皆さんそれぞれに御予定があったと思いますが、また御取材も一部いただきましたけれども、第4回死生懇話会を開催しました。写真家でジャーナリストの國森康弘(くにもり やすひろ)さんにゲストでお越しいただきまして、「レンズを通して見つめ続けた『生』『老』『病』『死』~限りあるからみんなでつなぐ~」をテーマに國森さんがお撮りになった写真を御紹介いただきながら、お話をいただきました。

大阪の路上生活者の皆さんの写真ですとか、インドのガンジス川が流れるバラナシの、まさに死が日常生活の真ん中にあるお話ですとか、東近江の奥永源寺、君ヶ畑町の山間にお住まいになる御高齢の方の看取りの様子ですとか、また東日本大震災の様子などを紹介いただきながら、みんなで考えることができました。

また、私は行けなかったのですが、3月18日には国際女性デーにちなんで、滋賀県立男女共同参画センター「G-NETしが」で「#(ハッシュタグ)みんなで元気になろうフェス」を開催していただきました。大変多くの方がお越しいただいたということでございまして、たねや様に御協力をいただく、また護身術を警察の皆さんに御指導いただく、またFemtech(フェムテック)の関連展示も行われるなど、大変有意義であったと聞いておりますので、またいろいろと内容等をお確かめいただければ幸いでございます。

スライドにも出しますが、今日、滋賀県広域ワクチン接種センターでの新型コロナワクチン接種を終了することといたします。最初は、令和3年7月に県内市町における一般県民への接種の加速化を図るために、職域を限定する形で接種を開始いたしました。以降、令和4年3月からは追加接種、そして令和4年10月からはオミクロン株対応ワクチンの接種も実施してまいりました。南北会場合わせて延べおよそ10万人の方に接種し、サポートナースをはじめとする合計905名の医療従事者の方々に御協力いただきました。感謝申し上げたいと思います。

令和5年4月以降も新型コロナワクチンは無料で実施いただけることとなっておりますが、65歳以上の高齢者など重症化リスクの高い方は春夏と秋冬の2回、それ以外の方は秋冬に1回の追加接種となります。それぞれ市町から御案内があるということですので、お待ちいただく、また御覧いただければと存じます。

もう1つスライドに出していると思いますが、今週3月25日に滋賀県と中国・湖南省とが友好提携を締結してから40周年を迎えるということでございます。これまで、様々な友好交流を行ってまいりました。環境、文化、経済、貿易、観光、青少年などの様々な交流があり、往来が行われてきました。これまで、この友好交流に尽力された方々に改めて敬意を表したいと存じます。

また、令和元年7月には、交流の拠点といたしまして、湖南省長沙市に滋賀県誘客経済促進センターを開設し、滋賀県と湖南省の関係を一層深めていこうとしているところでございます。来年度の令和5年度には、友好提携40周年の記念事業を行うこととしております。具体的なことはまだこれからでございますが、記念式典を開催したい、また次代を担う若い世代の交流をしていきたいということで、今鋭意準備をしているところでございます。

先週に行われた中国の大会で瀋暁明(シンギョウメイ)湖南省書記が就任されたと伺っておりますので、できるだけ早くお会いをして、直接交流を持ちたいというふうに思っております。

それでは資料が2つあります。

1つは県政150周年の記念事業の一環といたしまして、滋賀県史編さんの事業に取り組んでいるところです。今年度は滋賀県史のあり方検討懇話会を開催いたしまして、活発な御議論をいただきました。県民政策コメントを踏まえた上で、県として、去る2月28日に滋賀県史編さん大綱を策定いたしました。この県史は、滋賀県が誕生した明治5年(1872年)から令和4年(2022年)までの150年間を主たる対象とする近現代史とし、県内外の多くの方々に親しんでもらえることを目指しております。

歴史を振り返ることは、県の未来を考える上での重要な知的資源を県民に提供するだけでなく、県行政自らがこれまでの経験を振り返り、これからの県政に生かすための絶好の機会になると考えております。そこで、事業開始にあたりまして、今年度の検討懇話会の会長をお務めいただいております京都大学名誉教授の伊藤之雄(いとう ゆきお)先生から、一次資料に基づく客観的な評価の重要性と、そこからみえる歴史から変革を学ぶことの意義につきまして、今週3月24日に私をはじめとする県職員を対象として御講演いただくことといたしました。できれば、県民の皆さんにも開かれた場になればと思いますけど、このあたりは調整いたします。伊藤先生は大変尊敬する偉大な方でもありますので、ぜひ県史編さんのキックオフとして有意義な場になりますように準備させていただきたい、また皆さんにもその情報を共有させていただきたいと思います。

もう1つは、共生社会サポーターの募集開始についてでございます。令和元年に「滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例」の施行後、相談体制の整備や普及啓発を進めておりますが、条例を内容まで知っている方は1割程度にとどまっております。普及はまだまだ道半ばだと考えております。

そこで、この度、事業者向けの新たな啓発ツールとして「共生社会サポーターステッカー」を作成いたしました。お手元に配られていると思います。障害のある人もない人も共に生きる社会の実現に向けて積極的に取り組んでいただく事業所を共生社会サポーターとして募集したいと思います。サポーターは配布されたステッカーを表示いただきまして、お客様や地域の方などから、合理的配慮のお申し出があるときに積極的に御対応いただくことといたします。

サポートとなられた事業所名を県のホームページに掲載いたしますとともに、特に優れた取組を実施されている事業所は、その内容等も紹介いたしまして、県内外に広く周知する予定でございます。

滋賀県の条例は国に先駆けて、民間事業者に対しても、合理的配慮の提供が義務付けとなっているところでございます。障害者差別解消法の改正により、令和6年度から民間事業者の合理的配慮の提供が法律上も義務となります。また、令和7年度(2025年度)に滋賀県で開催いたします全国障害者スポーツ大会では、県内外から多くの選手等の参加が見込まれるところです。これらに先行いたしまして、多くの事業者の皆様に、共生社会づくりのサポーターとなっていただき、障害のある人もない人も暮らしやすい社会づくりに向けた取組をより一層進めてまいりたいと存じます。私からは以上でございます。

[中日新聞]

先ほど、冒頭でもお話がありました広域ワクチン接種センターのことですけれども、今日、閉所式ということで、(令和4年10月以降のオミクロン株対応ワクチン接種人数が)1万9000人弱の見込みでいるということですけども、なかなか接種が伸びない中で、県としても予約なし接種とか、接種対象者を拡大してやってきたと思いますが、知事としては接種人数をどう評価されているのでしょうか。

 

【知事】

接種者人数は確認して御紹介しますけど、この間(令和3年7月の開所から今まで)、南北会場を合わせて約10万人に接種。多くの方々に接種をしていただきましたし、御協力いただいた方々も大勢いらっしゃるとのことですが、今後は一定役割を終えたということですので、県としては広域接種センターを閉所させていただきます。今後は、それぞれのお住まい近くの場所で、それぞれの対象者の方に接種をしていただくということになりますので、その御案内等をしていきたいと思います。

 

[中日新聞]

延べ10万人というのは、想定よりも多かったり少なかったりとかはあるのですか。

 

【知事】

わかりません。ただ、当初は皆、打ちたかったし、早く打ちたかったし、打っていただきました。待っていただいて、並んでいただいて打ちましたけど、段々、感染症のこともわかってきたし、(新型コロナに)かかってもそんなに大したことはないという認識も広がったので、その後、打たない方も増えてきたので、接種率は伸び悩んできたということがあります。ただ、今までやったことのないオペレーションでしたけれども、多くの方に御協力いただいて、一定、市町でなされる接種を、県は広域自治体として補完することができたのではないかというふうに思っております。

 

[毎日新聞]

先ほど、余呉南越前第一・第二ウィンドファームの発電事業にかかる環境影響評価準備書に対する知事意見を提供いただきましたけれども、かなり多岐に渡って、水環境とか動物、渡り鳥、イヌワシ、クマタカとか、かなり厳しい意見が並んでいるように思えるのですが、全体的な計画に対する知事の印象等をお聞かせ願えればと思います。

 

【知事】

自然の中で生み出される風だとか、太陽光など水力も含めてですけど、そういう力を生かしながら発電をしていくというのは大きく夢のあるテーマだと思います。同時に自然環境の改変を伴いますので、様々な影響等が予想される・懸念されるということがございます。そういった事々を評価するための過程、いわゆる環境アセスというものが行われておりまして、この間、それぞれの段階を踏んで行われてまいりましたし、配慮書、方法書、準備書という段階を経まして、今回出させていただいたのが準備書に対する意見というところでございます。

本事業に対して知事意見として出させていただくのは、今回が最後になると思いましたので、私自身もどういう内容で最終取りまとめをすればいいのかというのは事務方とも協議をいたしましたし、確かにおっしゃったように多岐にわたる評価をいただいております。公聴会等も行われ、地元市長の意見も伺った上で、さらに審査会でも議論をしていただいて、審査会意見を受理した上で知事意見を提出するということであります。

その知事意見はお手元にあるとおりですけど、最初の全般的事項のところに総括を書かせていただいておりまして、資料3ページのところでは、あらゆる環境保全措置を講じても、なお、イヌワシ・クマタカのバードストライク等の重大な影響を回避、または十分に低減できない場合は、事業の取りやめや事業規模の大幅な縮小など、事業計画の抜本的な見直しを検討することということで、この3行に総括させていただいております。大変重要なテーマだと思いますので慎重な議論・検討を経て、知事として意見を出させていただきました。この意見に基づく対応等を真摯に行っていただくことを期待したいと思います。

 

[京都新聞]

同じく、この風力発電事業でお聞きしたいのですけれども、事業者側の準備書の段階での調査に対して、調査内容が不十分であったり、誤りも指摘されていたりということで、専門家の方からこの計画に対してかなり疑問視する声が出ているようです。今回、知事が意見を述べる機会は最後だということですけれども、この知事意見が事業計画の修正にしっかりと反映されるかどうかにあたり、知事としては事業者への期待や信頼はありますか。

 

【知事】

先ほども申し上げたように、この間、この準備書を作成する過程においても様々な御意見、また御審査等をいただいたところでございますので、それに基づいて評価できるところは評価すると同時に、評価できないところは、さらに対応等を求めているということでございます。

また、加えて先週には御要望もいただいておりまして、それは鳥類、植生に関する調査の再実施でありますとか、事業者が広く住民の意見を聞く機会を設けることの必要性ですとか、こういった様々な風力発電のプラン・プロジェクトが与える影響等についてもっと発信すべきではないか・言及すべきじゃないかといったような内容のお話をいただいているところでございますので、そういったことも総合的に勘案した上で、今回、知事意見を付させていただきました。

大変多岐に渡るものでございますが、先ほど申し上げたところに全体的事項・評価として総括を書かせていただいておりますので、ぜひこういった趣旨を踏まえて対応していただきたいと願うし、対応していただけると期待をしたいと思います。

[京都新聞]

この環境アセスメントの手続きは、県から意見を述べるのが最後になって、最終的には経済産業大臣の認可になるように聞いています。手続き的には県の関与がしにくくなると思いますが、今回の知事意見の内容がしっかりと反映されているかどうかの確認ですとか、それが不十分だと県が判断して、事業者に要望していくとか、今後も関わっていくということに何か知事のお考えはありますか。

 

【知事】

当然、こういった意見を付させていただきましたので、付させていただいた意見に対してどのような対応が取られるのかというのは注視していく必要があると思います。それと同時に、法律に基づく権限、また許認可手続き等、今の仕組みに則って行うことも必要だと思います。したがって、当然、限界などもあるのかもしれません。また、スケジュールというのもあるのかもしれませんが、その中で最大限対応できることは対応していきたいというふうに思います。

 

[京都新聞]

先ほどおっしゃった制度的なところでは、最終決定を認可するのは国の方になるということで、今回のように滋賀県の環境に大きな影響が懸念される事案に対して知事の関与がかなり少ないと思います。今後も大規模再生可能エネルギーの関連で大規模開発が十分にあり得ると思うのですが、知事の権限が限定されていることに対して、制度的な改善点を感じられるところはありますか。

 

【知事】

現時点で具体的なものを持ち合わせているわけではありません。当然、こういうものは天や神から与えられるものでもありませんので、その時々、私たちがつくる過程において、どういう問題点があるのか、そして、それを改善するために何をすればいいのかということを考えながら、必要な改善を行っていくべきものであると思います。

先ほども申し上げましたし、以前の会見でも申し上げたかもしれませんが、当然、自然の改変を伴いながら私たちが生きているということからすれば、その影響をどのように評価し、それが甚大なものなのか、最小限のものなのか、必要不可欠、不可避なものなのか、それが後々に生活環境保全上、何か問題があるものにつながるのかどうかという評価は、環境アセスの手続きに則って、審査、もしくは御意見も聞きながらやっていくということだと思います。それと同時に、土地や山などをどう生かしていくのかということとの兼ね合い、それらが地域活性化にどの程度つながるのか、つながらないのかということとの兼ね合いもみながら、最終的には許認可手続きが行われるということですが、今お尋ねいただいた評価は環境影響評価の手続きですので、環境影響評価の観点に立って私たちは意見をさせていただいております。当然、付した意見がどのように取り扱われるのかはしっかりみていく必要があると思います。

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