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知事定例記者会見(2023年3月7日)

令和5年3月7日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。

ずいぶん、春らしくなってきましたね。啓蟄(けいちつ)も過ぎると、いろいろなものが動き出すという季節であります。3月12日には「びわ湖マラソン2023」を開催いたします。歴史がある「びわ湖毎日マラソン」の伝統を受け継ぐ新たなマラソン大会です。皇子山陸上競技場をスタートいたしまして、近江大橋を渡って、湖岸道路を北上しながら守山で折り返して、烏丸半島でフィニッシュとなります。42.195kmの日本陸連公認コースで行います。参加ランナーは7,244人。ボランティア等、スタッフとして御参加いただく方が約3,000人となっています。

スタートセレモニーのゲストとして、最後の「びわ湖毎日マラソン」で日本記録を樹立され、現在もマラソン日本記録保持者でいらっしゃいます鈴木健吾さんもゲストとして、応援にお越しいただくことになりました。

烏丸半島芝生広場のフィニッシュ会場では、ウェルカムフェスタを開催いたします。地域の皆様には交通規制等で御迷惑をおかけすることになりますが、ぜひ御理解いただき、御協力いただき、同時に全国から集まるランナーの皆さんを温かくお迎えすることとしたいと思います。ぜひ、走る皆さんはもちろんですけれども、スタッフの皆さん、またボランティアとして支えていただく皆さん、沿道で応援していただく皆さん、みんなで楽しむ大会にしたいと思います。

明日3月8日は「国際女性デー」でございます。地域や職場でジェンダー平等のために御尽力いただいている皆様に敬意を表し、感謝を申し上げたいと存じます。私自身は「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」の一員でございまして、その立場から、女性の活躍の場の拡大ですとか、男性の育休取得促進など、性別に関わらず全ての人がチャレンジできること、また笑顔でいられる環境づくりのために頑張っていきたいと思います。

初めての企画ということですが、県ではこの日にちなんだ取組として「#(ハッシュタグ)みんなで元気になろうフェス」を3月18日の土曜日に県立男女共同参画センターで開催いたします。性別、年齢を問わず多くの方に御参加いただいて、自分らしく輝く生き方を考える機会にしていただければと存じます。

コロナについてでございますが、病床使用率が20%を下回るということもございます。おかげさまで、医療提供体制、療養体制は落ち着きつつあります。3月1日からは確保病床を削減してきております。こうした状況を踏まえ、「コロナとのつきあい方滋賀プラン」におけるレベルを、今日からレベル1になることを判断し、皆さんにお知らせしたいと思います。

いろいろな指標はありましたけれども、レベル1に引き下げられるのは11月25日以来ということでございます。伴いまして、マスクの着用についてでございますが、3月13日からということで政府の方針が示されておりますが、滋賀県においてよりシンプルにお示ししたいということで「マスク外してよし」ということを皆様方にお伝えしたいと思います。その前提として、個人の判断ということがございますが、基本的にマスクは外していいということを皆さんにお伝えをしたいと思います。

周囲の人にうつさないためにマスクを利用するという、最も基本的で、また基礎的な考え方に立ち返って、配布しております資料のとおり、日常生活においてはマスクを外してよいということをお伝えしたいと思います。ただ、次に該当する場合は、これからもマスク着用をお勧めするし、お願いしたい。発熱や咳などの症状があるとき、また医療機関や高齢者施設など訪問されるときは、ぜひマスクをつけて御対応いただきたいと思います。ただ、繰り返しですけど、それぞれ個人の御判断もあると思います。こうした基本的な考え方に合わせて、感染拡大時にはマスク着用を含めた対策の強化について推奨していきたいと思います。

なお、手洗いですとか、手指の消毒といった基本的な感染対策として、これからも実施していくことが、かからないため・うつさないため・コロナ以外の感染症を防ぐためにも大変有効であるということでございます。

これまでは県民の皆さんに一律の対策をお願いしてきました。県民全体で対策を実施してまいりましたが、ここにきて状況の変化、対策の変化に伴うメッセージも皆様方に届けていきたいと思います。個人の対策、考え方には当然違いがございますので、お互いの考え方も尊重し、お互いを受け入れながら、コロナ後という新しい社会のステージに臨んでまいりたいと思いますので、報道機関各位のお力添えも賜れれば幸いでございます。

さて、それではお配りした資料に基づいて今日は3点、お伝えをいたします。

まず1つ目は、滋賀の地域交通の姿をみんなで考える「SHIGA SMART ACCES 2040s」Webプロモーションを始めますというお知らせでございます。新たな「滋賀地域交通ビジョン」を来年度に策定しようということで現在議論を始め、進めているところです。このビジョンでは、2040年代を展望した、私達が住んでいる・働いている滋賀県が目指す地域交通の姿を描くことにしておりまして、これまで「滋賀地域交通ビジョン」見直しに向けた懇話会を3回開催いたしました。目指す地域交通の姿とその実現に向けた負担分担のあり方等について議論を深めているところです。この内容を県民の皆さんをはじめ、関係者の方々にもわかりやすくお伝えし、「こういう社会、こういう暮らしをみんなで一緒につくりませんか」という議論を本格的に広げ深めていくために、Webプロモーション「SHIGA SMART ACCES 2040s」という取組を始めることといたしました。この素材として動画を作成いたしましたので、その一部ですけど、御覧をいただきたいと思います。

(動画の上映)

 

全体は5分の内容となっています。滋賀県が目指す地域交通の姿について、私たち県民一人ひとりが自分ごととしてイメージしていただきやすいように、4つの地域特性、またいろいろなライフスタイルを踏まえた2040年代における滋賀の暮らし、地域社会の将来像を4つのケースで描いております。

明日3月8日の水曜日10時から、この動画を配信いたしますとともに、Twitterも活用いたしまして、県民の皆さん、また県民以外でも御意見を募る場を設けたいと思います。ぜひ、皆さんに動画を御覧いただいて、率直な御感想、また御意見等をお寄せいただければと思います。

民と公で共創しようということとか、公論を熟議していこうということを申し上げております。公論熟議ですね。ぜひ、私自身も参加する対話イベントなども予定しておりますので、皆様方にも御参加いただければと思います。

続いて、こちらも資料があると思いますが、公園でくつろいでいただくのに、いい季節になってきました。湖岸緑地をより良くするための、世界一の公園をつくっていくための社会実験、有料化の社会実験を行わせていただきたいという御案内でございます。

大型連休のときに、湖岸緑地において有料予約制で駐車場およびバーベキューを行っていただくということをしてみます。トイレですとか、水場をより綺麗にしたいと思っています。マナーよく利用していただくことを広げていくために、また、そのことを実現するための費用などを捻出していくために、またそういった有料化にどのように御反応になるのかということを確認するために、この社会実験をやらせていただきます。

多くの方に来ていただいています。どれぐらいたくさん来てられているかというと、コロナもあって、利用者数が3倍以上の伸びがあるということです。ただ、一部マナーの良くない行為などもあり、トイレ・水場が汚い、特にトイレが汚い、あとゴミが散乱するということもございまして、こういった事々を改善・克服しながら、次の行楽シーズン、そのまた次の行楽シーズン、その他の公園に広げていきたいと考えております。

今回の社会実験は、湖岸緑地の中でも水洗のトイレもあり、比較的人気の高い草津市志那町、志那2エリアで行うということでございます。実施期間は大型連休を含みます、4月28日の金曜日から5月7日の日曜日までの10日間です。社会実験の内容は、有料駐車場が1日30台分、有料バーベキューということもやってみます。1日10組まで、いずれも事前予約、事前支払い制としてみたいと思います。

バーベキューは食材や燃料の提供もあり、またグリルなども貸し出し、手ぶらでバーベキューに来ていただけるというスタイルをとろうということでございます。予約は専用のサイトから受け付けまして、4月3日の月曜日の正午からということでございます。実験の後は、その結果等を検証いたしまして、より快適に湖岸緑地の魅力や価値を感じていただける取組を考えていくということにつなげていきたいと思います。

最後は、小さく生まれた赤ちゃんと家族のための「リトルベビーハンドブック」が出来上がりましたので、その完成お披露目・配布開始セレモニーを3月9日「生まれてきてくれてありがとうの日」に行いたいというものでございます。

「ベビーハンドブック」については、皆様方に御案内のとおり、お手元にもあると思いますが、小さく生まれた子どもとその御家族のためのものとして作らせていただきました。小さく生まれた子どもの御家族は、成長の見通しがどうなるのだろうという不安ですとか、今配布されている母子健康手帳は、生まれたときの子どもの曲線が1,000グラム以上からとなっていて、それ以下で産まれると書くところがないということで、悩みですとか、傷つくということがあるそうでございます。そのため、小さく生まれた赤ちゃんの成長や状況を記入することで成長を感じられる、家族の不安や心配が軽減されるということを願いまして、母子健康手帳を補完する滋賀県版リトルベビーハンドブックを作成いたしました。

ハンドブックの特徴は、配布資料にも一部記載しておりますが、医療従事者や、もちろんお父さんお母さん、産まれてきた子どもの家族が共に記入できるというものでございます。滋賀県独自の工夫として、やさしい日本語で表記しようということに心がけました。「生年月日」ではなくて「生まれた日」とか、日本語が母国語ではない方も使用できるようにしようということとか、小児科医など成長してから関わる専門家が参考にしたい情報も記載できるようになっています。

明後日3月9日には検討会の委員を務めいただいた2名の方と、県庁知事室でハンドブックのお披露目会をさせていただきます。今後、NICUのある医療機関や市町の母子保健担当窓口を通じて、このハンドブックを必要とされる方々にお届けしたいと思いますので、ぜひ周知等にお力添えをいただければありがたいと思っております。一人ひとり生まれてくる子どもを大切に、誰1人取り残さない滋賀をつくっていくために活用させていただきたいと思います。長くなりましたが、私からは以上です。

[中日新聞]

コロナのレベルの引き下げについてですけども、今日からレベル1に引き下げるということですが、どういう理由というか、指標をもって引き下げるのかを改めて教えてください。

 

【知事】

以前から(レベルを)上げるときも、また下げのときも申し上げていましたけど、大切な命を守るための医療の体制がどういう状況で推移をしているのか、推移をする見通しなのか。当然、その基礎には感染の状況がどうなっているのかということを見定めた上で、上げるときは早めに、下げるときは遅めにやろうということにしていました。こういう病床が安定する状況は2月に入ってからも確認できるようになっていたのですが、もう少し様子状況をみようということで、今般に至ったということでございます。

 

[中日新聞]

「マスク外してよし」のチラシを製作したということですが、以前から子どもにも高齢者にもわかりやすくというお話がありましたけれども、わかりやすくというところは、今回、このチラシのどういうところに反映させているのでしょうか。

 

【知事】

なかなか難しいですよね。私たちの国は何でもかんでも言わないとわかりにくいというところがあるのでしょうか。でも、何でもかんでも言うと、かえって難しくなるという傾向があります。できるだけシンプルにいこうということで、スタッフみんなで考えてくれました。以前から三方よしに絡めて、ステージ判断などをしてきた経過もありますので、基本的には「マスクを外してよし」ですと。ただ、私も心がけていますけど、いろいろな方に会いますので手洗い励行とか、あと「こういうときは着けた方がいいね」ということを、場面を絞ってお伝えするということにしてみます。

ただ、着けたいという人は着けてもらったらいいし、こういうことが不安だという方は着けられるでしょうから「そのことを咎め合うようなことはやめましょう」ということも併せてお伝えしていければと思います。

 

[中日新聞]

この「マスク外してよし」というのは、屋外・屋内限らずということですか。

 

【知事】

基本的にはそうです。

 

[中日新聞]

あと、びわ湖マラソンで鈴木選手がゲストとしてこられるということですけども、鈴木さんにはどういうことをしてもらうのですか。

 

【知事】

スタートセレモニーで激励いただいたり、当然、鈴木選手が来ていただくということは、今日もそうですけど、アナウンスをしたりと。鈴木選手は2時間4分56秒、日本最高記録を樹立されました。今回の大会と全く同じコースではないですけど。

記憶にもまだ新しく、滋賀・琵琶湖とは極めて馴染みの深い選手ですので、自分たちも自己ベストを目指して走ろうという機運をつくれたらいいなと思います。

 

[日本経済新聞]

湖岸緑地の有料化について伺います。ひとまず実験をするということですが、これは将来に有料駐車場のエリアを広げるとか、有料バーベキューを提供する場所を広げるとか、そういったものを見据えているのでしょうか。

 

【知事】

まだ、そこまで見据えているとか、考えているということはありません。まず、やってみて、どういう御反応があるのかというのをみたいと思います。有料にするなら、全く来ないということになるのか、有料にしても来ていただけるのか。また、先ほど申し上げたように、トイレとか水回りの環境がどうなるのか、ゴミがどうなるのか、県内外のお客様がどういうふうに振れるのか振れないのか。十分に情報をお持ちでないまま来られて、「前は無料だったけど、今回は有料?」という御反応もあると思います。そういった事々をみて、例えば夏をどうするのかとか、他の場所でどうするのかというのも考えようとしています。

 

[日本経済新聞]

7月に策定する予定になっている産業誘致戦略について伺います。近く骨子の素案というのが議会に示されるというふうに聞いているのですが、内容というのはどういったものになるのでしょうか。

 

【知事】

元々、企業誘致という言い方、また工場立地、工場誘致という言い方をすることが多かったのですが、少し将来、中長期的な視点なども考えながら、産業誘致というような少し広がりを持ってつくっていきたいと考えています。

2030年代以降、想定される社会像をみんなで共有し、かつ滋賀県の強みも生かしながら、これから成長が期待される、また成長を後押しする産業分野をいくつか定めた上で、その産業分野を重点的に誘致する戦略というものを構築していきたいと思っています。そのためにどういう施策が必要なのか、またどういった場所に、今後そういった産業を集めていくのかというようなことを定められればと思っているところです。

 

[日本経済新聞]

こういったときのインセンティブというか、課題というのは、用地と補助金だと思うのですが、特に滋賀の場合は補助金も少ないですし、用地も不足していると聞きます。今回の産業誘致戦略の中では、そうした指摘されている用地不足であるとか、補助金の、競争力のなさという部分まで踏み込むお考えがあるのでしょうか。

 

【知事】

今おっしゃった用地と補助金を含むインセンティブというのが重要だという認識は私も共有いたします。ただ、滋賀が産業を誘致する際に必ずしも補助金また税制を含むインセンティブが必要かというと、現状をみていただくと、そうでなくても十分に立地されていますので、使わなくてもいい補助金や創設しなくてもいい税制優遇というのは創設するつもりはありません。

ただ、企業のニーズに比べて、用地というものが不足しているという指摘はありますので、この用地をどのように確保していくのかということは、この戦略をつくった後の非常に重要な課題だと思います。これは公的に整備する工業団地、産業団地という考え方もありますし、市や町が整備する工業用地への産業誘致ということもあるでしょうし、既存の企業が隣接する土地等を広げて拡大していく、もしくは再投資されていくということもあるでしょうから、いろいろな可能性があるのだと思います。昭和の時代、平成の時代のやり方だけを踏襲しない取組になればと思っています。

 

[日本経済新聞]

熊本ではTSMC、北海道ではラピダスと、大型の工場誘致の案件が注目を集めていますけれども、知事はそういった動きをどのように御覧になっていますか。

 

【知事】

それぞれの企業やそれぞれの地域がニーズ・シーズを組み合わせながらやられているのだと思います。そういった企業にモノを届ける、モノをつくっている企業は滋賀県にたくさんありますし、そういったところでできたものを組み合わせて、モノをつくる企業もたくさん立地しています。滋賀県は真ん中にありますし、様々な企業もありますので、そういう国内への企業誘致というものをむしろ強みに生かしていけるような、そういう投資ですとか、あとはそういったところに人材を供給する取組を強化していければというふうに思っています。

[毎日新聞]

びわ湖マラソンのことについて。知事自身は以前に走ってみたいなことをおっしゃっていましたけれども、当日、どうされるのか。走られるなら、その意気込みをお願いします。

 

【知事】

当初は私も走ろうと思って、靴も買って練習も始めたのですけれど、第1回はなかなか難しいと思っています。ただ、初回ですし、コースも気になるし、皆さんがどんな顔をして走られるのかというのも気になるので、スターターをした後、最後尾から第1関門、イオンモール草津までを走る予定をしています。制限時間内にそのポイントを通過できるように頑張りたいと思います。

 

[京都新聞]

2点お尋ねします。まず、マスクからですけれども、滋賀県の方ではこれまで「withマスク、着けてよし!外してよし!みんなよし!!」というのを言ってこられたかと思うのですけれども、3月13日はこの「withマスク」を改めて「外してよし」ということを前面に出すという理解でよろしいでしょうか。

 

【知事】

メッセージの根幹には個人の判断というものを尊重しつつ、基本的には外してよしという、3月中旬以降は外していいですということを前面に出したメッセージにしていきます。

 

[京都新聞]

もう1つ、日野町事件についてお尋ねします。昨日、大阪高検が、再審開始を認める大阪高裁決定に特別抗告をしました。判断は最高裁に求められるわけですけれども、それについて知事の受け止めを教えてください。

 

【知事】

いろいろな報道もなされていますし、いろいろな思いも交錯する事案だと思いますが、基本的には公判中のことですので、私自身のコメントは控えたいと思います。ただ、この特別抗告されて、今後、最高裁に判断が委ねられているということですので、それを注視したいし、できるだけどうするのかということが速やかにお示しされるように期待もしたいと思います。

 

[京都新聞]

注視するということですけれども、大阪高裁での判断では、新証拠が事実認定に合理的な疑いが生じたという判断もありました。自白については警察官による暴行とか脅迫的な文言とかの結果、自白に至った可能性もあるということも認定されていますが、疑問が生じたのであったら再審をすべきではないかと、知事はそのように思われませんでしょうか。

 

【知事】

そういった判断ですとか、認定もしくはそれを受けた報道がなされたことは承知していますけれども、そういったことも含めて、公判中の案件、司法で判断される、認定される事柄だと思いますので、この点について私が何かコメントを申し上げることは控えるべきだと思います。

 

[びわ湖放送]

マスクのお話ですけれども、このニュアンスは、政府が個人の判断に委ねるという内容より滋賀県は一歩進んで、基本的にはマスクを外して、当然、したい人はしてくださいという言い方でいいのでしょうか。

 

【知事】

このメッセージのとおりです。外してよしということですし、ただ普段から手洗いしよう、そうするとなおよしです、こういう場合は着けましょうと。基本的には外してよし、こういう場合には着けましょうというメッセージです。

 

[びわ湖放送]

政府のとは少し違うということになりますか。

 

【知事】

以前に出た政府の内容というのは、もう手元にないのでわかりませんけど、いろいろ書いてあったし、いろいろ言っていたので、結局どうしたらいいのかというのが少しわかりにくかった印象があります。したがって、よりシンプルに皆さんにお伝えした方がいいだろうということで考えて、このような言い方にさせていただいています。

ただ、そうは言っても、今だったら花粉症もあるし、少し目立たないようにしたいからマスクで覆いたいという人もいらっしゃるでしょう。その御判断一つひとつをとやかく言うつもりではありませんし、そういった個人の御判断をお互い尊重し合おうということも併せてお伝えしていきたいと思います。

 

[共同通信]

2点伺います。また、湖岸の有料実験のことですけれども、もう一度これを始めようと思ったきっかけを教えていただきたいです。先ほどもお話があった、例えば人が増えたことによって水回り関係とかがすごく汚くなってしまって、それをどうにかしてという思いから有料化実験を始めようとなったのか、はたまた日経新聞さんが言われていましたけれども、もしかしたら将来的に有料化できる可能性を探ってみたいということでされるのか、その辺をもう一度教えていただければと思います。

 

【知事】

元々、多くの方々を引きつける場であったのですが、この3年のコロナでより多くの方が来ていただけるようになりました。そういったこともあって、来ないでくださいということで、3年前には駐車場の閉鎖をさせていただいたことがありました。また、関連するのですが、キャンプとかバーベキューというのもすごく人気を博していますので、その適地としてもこの湖岸緑地があるのだと思います。

私が常々申し上げているように、滋賀の持つ公園の魅力を高めていきたい。これは、私のこの3期目の1つの大きなテーマです。とりわけ、琵琶湖岸の公園というのは世界一の魅力を持つ公園だと思いますので、その価値や魅力を高めるためにはどうしたらいいか。やはりゴミの多さとか、草刈りを頻繁にしなければならないとか、何よりトイレが汚いです。最近、行った人はいますか。(トイレが)すごく汚いです。このトイレとか、水回りとかゴミの環境をやはり綺麗にしなければならないということがあります。そのために、有料にして、マナーを守っていただくことの呼びかけも併せて行って、費用を全てこの料金だけで工面するというのはなかなか難しいでしょうけど、消費行動として、ここで過ごされる行動がどのように変化するのか、しないのかをみてみようということです。

 

[共同通信]

今、画面に出ていますけれども、例えばバーベキューはしないけれども湖岸の景色を見たいということであれば、駐車場だけ利用するというような使い方も可能でしょうか。

 

【知事】

はい。そういう駐車場の使い方もあるでしょうし、御自身で持ってこられてお弁当を広げられる方もいらっしゃいますし、そういう楽しみ方もあります。有料だったらもういいという方は、隣接するそれ以外のところは、これまで通り無料のままですので、そういったところに行っていただくと。

こういうサービスもそうですし、逆に有料のところが他よりも綺麗さが保たれるということなどが、この期間中だけでできるかどうかわかりませんけど、できるならば、その後の展開にもまた弾みがつくのかなと思います。利用者の方からいろいろなアンケートとか反応とか、そういうものもぜひ取ってみたいと思います。

[共同通信]

琵琶湖博物館の件ですけれども、また別の水槽にも破損があったということで、原因追及の進捗状況がどんなものかお聞かせいただければと思います。

 

【知事】

いろいろと御心配をおかけしております。ビワコオオナマズのいた大きな水槽が壊れまして、現在、水族展示はお休みをさせていただいております。こういったこともありましたので、他の水槽なども、生き物だけではなくて、その水やそれを囲む水槽はどうなっているのかというのもかなり細かくみるようにしております。その結果、ふれあい体験室にあるふれあい水槽に亀裂があることを3月2日に発見いたしました。したがって、今、この水槽は使わずにしています。いずれにしろ、この水槽もそうですし、以前のビワコオオナマズの水槽も、まず原因究明をしっかりしようということで近く第三者委員会を設置いたしまして、専門家の方のお力をいただきながら、原因の究明・解明に努めていきます。その上で、どういう点検をすればいいのかとか、あとどういう対策を講じていけばいいのかなどを取りまとめた上で、今後の方針をつくっていきたいと思っています。いろいろと御心配をおかけしておりまして、お詫びを申し上げたいと思います。

 

[京都新聞]

北陸新幹線の敦賀以西の延伸の関係でお聞きしたいです。統一地方選が来月に迫ってきました。隣の京都府では、府議選ですとか京都市議選の方で小浜-京都ルートの是非が争点の1つになってくると思います。京都でどういう民意が示されるかわからないですけれども、環境アセスメントが大きく遅れている現状について、小浜-京都ルートへの評価を改めてお聞きしてよろしいでしょうか。

 

【知事】

北陸新幹線の敦賀以西、小浜を通って京都に通る、大阪に通していくというこのプロジェクトにつきましては、1日も早く着工され、供用されるように、関西はもとより北陸圏とも連携しながら必要な要望活動等を進めていきたいと思っております。ただ、そのためには着工条件を整えていく必要があると思います。着工条件を整えるための環境アセスメントなどにつきましては、当該地域の皆様方のいろいろな御不安や思いもあるでしょうから、丁寧かつ迅速に行って着工条件を整えていくことが肝要だと思いますので、そのことも国や機構等にはしっかり行っていただきたいというふうに思っています。

 

[京都新聞]

おっしゃった環境アセスなど課題解決がなかなか不透明な状況ではあるかと思うのですが、昨年12月ですとか、今年1月にも米原ルートの可能性についてお聞きしたときに、小浜-京都ルートが進まないときの代替策として、滋賀県が米原ルートに再チャレンジするかということについては消極的な姿勢を示されたかと思います。そのあたりも現状、お考えに変わりはないでしょうか。

 

【知事】

現時点、滋賀県知事として、北陸新幹線敦賀以西のいろいろな課題がある、その代替ルートとして米原ルート、米原につなごうということを申し上げるつもりは毛頭ございません。ただ、以前も申し上げたかもしれませんけど、北陸と中京を結ぶ北陸・中京新幹線というのが基本計画路線として、昭和40年代に決定されているものがございますので、北陸新幹線が大阪まできちんとつながるめどが立ってきたら、この北陸-中京を高速鉄道でどうつないでいくのかという議論は、我々の地域もそうですし、国でもしっかりと行っていくことが必要ではないかと考えています。

 

[京都新聞]

その北陸-中京の方で言いますと、リニア中央新幹線の名古屋開業が2027年を目指して進められていると思います。おっしゃったように北陸新幹線の決着というのか、めどを待ってからというのは動きとしては遅いのではないかなと思うのですけれども、積極的に北陸-中京(のルートの誘致を)を滋賀県として進めていくというようなお考えは。

 

【知事】

あれもこれも、あっちもこっちもというのはなかなか難しいということと、その整備によってどれぐらい時間短縮効果が得られるのかということとの見合い・兼ね合いもあると思います。一定、今進めているプロジェクトのめどが立つということは1つのメルクマール(指標)になるのではないかと考えています。

[京都新聞]

北陸新幹線の米原ルートを関西広域連合として推進していた時期もあったかと思いますが、その時ですと工期が短く、費用対効果も高いというようなことで推進されていたと思います。そうした評価というのは現状でも大きく変わらないものではないかと思いますが、北陸新幹線の大阪開業が大幅に遅れる可能性も指摘される中で、米原ルートのネックとなっていました東海道線への乗り入れについて、リニア中央新幹線と大阪北陸新幹線の大阪開業がほぼ同時期になるようであれば、その課題も解消されるのではないかという指摘も聞きまして、そうなりますとさらに米原ルートの優位性みたいなのも出てきているのではないかと思います。

現状、知事は小浜-京都ルートを推進というお立場かと思いますし、滋賀県としても当時、関西広域連合とあわせて推進の立場に立っていたと思うのですが、当時と現状で、この米原ルートの評価が大きく変わっているかと思います。5,6年ぐらい経って、評価が変わった環境の変化というのか、どういったところにあるというふうに考えたらよろしいのでしょうか。

 

【知事】

まず、つなぐために行う工事の区間が短ければ短いほど早くできる、安くできるということはあると思います。私は当時いませんでしたけれども、そういうこともあって、当時の関西広域連合としてこれから敦賀以西につないでいくのであれば米原ルートが一番いいのではないか、滋賀県だけで負担するのもかわいそうだから関西全体で便益に見合いながら負担を分担していこうという議論なり、決定があったと承知をしています。だから、私たちもこのルート、敦賀以西が検討される際にそういうことを申し上げてきましたけど、当時いろいろと議論された結果、例えばJRのいろいろな考え、JR東海とJR西日本、北陸新幹線と東海道新幹線システムを結合させて直行乗り入れというのは難しいということとか、北陸圏は京都、大阪との経済圏・文化圏があるのでそこを当初の計画どおりつなぐべきということがあって、縷縷(るる)検討された結果、小浜を通って京都、そして大阪へというルートが決定したと承知をしています。その決定に従って様々な条件を整え、工事をし、供用していくということは、私は望ましいと思っています。その後、京都を通そうと思ったけど、いろいろな反対があったり、いろいろな課題があったりと、こういうことは当然予想もされていたでしょうし、予想を超えてあったのかもしれませんけど、そういうことを受けてどうするのかということは一緒に考えていきたいと思います。だから米原ルートということでやるよりも、むしろその課題を克服していくことにみんなが注力するべきなのではないかと私は思います。

 

[京都新聞]

滋賀県が米原ルートを推していた当時は、関西広域連合の後押しがあったというようなところでおっしゃったと思うのですが、小浜-京都ルートがなかなか難しいとなって、関西広域連合が見直そうとなったときは米原ルートという可能性というのはどうでしょうか。

 

【知事】

仮定の話にお答えするのは難しいですし、全て物事に絶対というのはないので、いろいろな議論、いろいろな可能性があるのだと思いますけど、行って戻って、またこっちもあっちもというのは生産的ではないと思います。

 

[朝日新聞]

今、国会では、異次元の少子化対策など、子ども施策を巡る議論が進んでいます。一方、滋賀県内の市町の新年度の予算を見ても、様々な子どもたちの子ども施策が盛り込まれています。そこでの知事にお聞きしたいのですが、この子ども施策について、国がやるべきこと、基礎自治体である市町村がやるべきこと、都道府県がやるべきことというのは、それぞれの役割分担としてどのようにお考えですか。

 

【知事】

大事な視点だと思います。まず、前提として、今、全国知事会の平井会長とも常々、国と向き合うときに申し上げているのは、国と地方が同じ方向を向いて、まさに車の両輪として、この子ども施策を前進させていこう、もしくは拡充させていこうということを申し上げています。国もそういったことに理解をしてくれています。その際に出てくる話が、今お尋ねいただいた、国、そして都道府県、基礎自治体である市町村が役割をそれぞれに担い、果たしながら、それらを拡充していこうという議論になっています。

私が考えますのは、基礎自治体というのは目の前の地域住民への寄り添い、母子保健もそうですし、子どもの居場所づくりもそうですし、保育園・幼稚園・小中学校といったところは基礎自治体が主に担っていくことだと思います。そして、国はユニバーサルサービスという全国一律で制度を整えるということですとか、それを保障するための財源の確保等、その配分といったことが国の大きな役割ではないかと思います。その間にある都道府県は如何ということでいうと、市町村では小さすぎる、国レベルでいうと遠すぎるという事柄について、都道府県ならではの市町村の行う施策の補完を行うということだと思います。

例えば、今日、御紹介した「リトルベビーハンドブック」。母子手帳はそれぞれの市町村で出されていますけど、それぞれの市町村にも小さく生まれてくる子どもたちいますが、数も少ないので都道府県レベルで作ろうということだとか、私たちがやっています不妊治療といった、高度かつ専門的な様々な対策や取組が必要な事例につきましては、市町村だけだとなかなか心許ないし、できない。でも国でやるというと少し遠い。やはり、一定、医療政策をカバーしている都道府県が主体的にやる。

あと、もう1つ挙げるとすれば、人材の確保。保育士だとか、医師、看護師といった専門人材を確保していくということなどは、県が役割を果たしていくべきではないかと思います。とりわけ、最近、高等教育とか、高校や大学に行かそうと思っても教育費のことが望む子どもの数が持てない原因だとも言われていますので、そういったことに方向性を見出していくということなども、都道府県の役割として期待されているのではないかと思います。

 

[朝日新聞]

そういう役割を踏まえて、市町村だけではなかなかできないことは、それを包括している都道府県が手をつけるという考え方のさらに延長線というか、例えば関西広域連合は都道府県の県境を超えた形での施策というのも打ち出せるような可能性を持っていると思うのですけれども、こうした関西広域連合的なところで何か考えられる、そういうところでこそできる、ふさわしいやり方というのは何かプランとしてあれば、今この対策の先頭に立っていらっしゃる三日月知事が連合長をやっている関西広域連合で何かできたら面白いなと考えます。

 

 

【知事】

そこは私たちも模索・検討している過程ではありますけれども、基本的には市町村でできることは市町村で、そして市町村にできないことを都道府県で、都道府県域を超えてある広域自治体については、都道府県だけでやるよりも広域自治体でやった方が効率的なことについて国に代わってする。もしくは、スケールメリットを生かしてやる。こういうことが重要だと思いますので、子ども施策では、むしろ市町村、都道府県が頑張って連携しながらするということがいいのではないかと思っています。

例えば、今も検討しています2025年に行う万博については子どもたちの将来にとってもとても楽しみなビッグイベントでもありますので、そういったところに子どもをどのように行けるようにするのかという取組は、都道府県の域を超えてやっていく1つのテーマというふうに思っています。

 

[朝日新聞]

あと、その他の私立の学校は県境を超えた通学の生徒とかもいると思いますし、そういうところを含めて県境を超えた取組というのも目指していかれるという考えがあるのでしょうか。

 

【知事】

そこはとても大事なことだと思います。この前も広域連合議会で御紹介されている議員さんがいらっしゃいましたけれども、都道府県域を超えて学校、特に私学、私学の高校・大学などに通学する人たちも多いので、そういったことでどのような施策を講じていけるのか。これは広域自治体としても、ぜひ情報共有しながら考えていきたいというふうに思います。

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