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知事定例記者会見(2023年2月13日)

令和5年2月13日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

今日もよろしくお願いいたします。

まず、トルコ・シリアで起こった大地震は3万人を超える方々が既にお亡くなりになっていらっしゃるということでございます。まだ、現地の状況は十分に判明していないこともありますが、尊い命ができるだけ多く救えるよう、お祈り申し上げたいと思います。私が支部長を務めております日本赤十字社におきましても、現在、トルコ・シリア地震救援金の募集をしておりますので、ぜひ御協力いただければと思います。

また、先週、琵琶湖博物館の水槽が破損するという事故がございました。御心配いただいている方、御迷惑をおかけした皆様方にお詫び申し上げたいと存じます。現在、原因を調査・究明中でございます。当面の間、この水族展示室は閉めて対応させていただきますし、観覧料を一部減免させていただきますが、これが開館中に多くの方がいらっしゃる時間帯だったらどういうことになっていたかと思い、私も大変危機感を持って水槽の状態等を管理する必要があると感じましたので、県政経営会議でもその旨を指示したところでございます。原因の究明と再発防止の徹底を行っていきたいと思います。

さて、先週末から、うぐいすでしょうか、鳥の鳴き声が聞こえました。

 

(俳句)湖国にも 笑顔届けし 初音かな

 

鳥の鳴き声が聞かれる季節になりました。明日から県議会2月定例会議が行われます。令和5年度の予算案をはじめ、多くの議題をかけさせていただく、御議論いただくことになりますので、しっかり気持ちを入れて臨んでいきたいと思います。

また、資料にはないですが、総合土木職の採用試験を先行実施するという情報提供を先週にさせていただいております。ぜひ、改めて御案内できればということで申し上げます。近年の異常気象ですとか、災害等、雪の対応もそうです。また、計画的な安全・安心のための県土整備ということからも、こういった事業を担う総合土木職の必要人数を確保することというのは大変重要な課題になっております。追加募集を行っても、民間企業や他府県と競合してなかなか採用できないという状況もあるようでございます。

そこで、例年6月に実施しております職員採用上級試験に加えまして、総合土木職を対象とした採用試験を新たに4月にも実施することといたしました。民間企業を志望される方にも受験しやすいように、教養試験に代えてSPIを導入いたしまして、6月の上級試験との併願も可能としております。さらに、この試験から、卒業見込みの方も含む高等専門学校を卒業の方につきましては21歳以下でも上級試験を受験可能としております。申し込みは3月1日から3月27日までということでございます。3月10日の金曜日には、滋賀県庁土木現場見学ツアーも開催されます。まもなく供用開始になる彦根総合スポーツ公園陸上競技場、平和堂HATOスタジアムの現場見学ですとか、若手土木技術職員のリアルな声を聞く機会もあるということでございますので、御活用いただければと存じます。

それでは1点、資料に基づいて御案内をさせていただきます。「おうみデジタル活用サポーター」を設けることといたしました。令和5年度から本格的な活動を開始すべく養成研修を実施することといたしました。この「おうみデジタル活用サポーター」とは、日常生活の中でデジタルに不慣れな方に対しまして、スマートフォンの基本的な操作方法などを教える方のことでございます。日常生活においてデジタル技術が広がっていく中で、なかなか不慣れという方もいらっしゃいますので、そういったことから情報通信技術を十分に利用できないことから生じる情報格差、いわゆるデジタルデバイドを解消し、県民の皆様の生活の質の向上を図っていきたいと考えております。

今年度は、滋賀県社会福祉協議会の御協力もいただいて、レイカディア大学の学生などを対象に募集を行いまして、27名の方から御応募いただきました。この研修ではデジタル活用サポーターとしての心構え、相談対応のポイント、スマートフォン機能の基本知識、活用方法などを学んでいただく予定でございます。今年度はサポーターの募集と養成研修を実施いたしまして、来年度から県が主催いたしますスマホ教室で補助スタッフとして御参加いただきますほか、サポーターがお住まいになるそれぞれの地域で相談対応も行っていただく予定でございます。サポーターの皆さんには、それぞれの地域でデジタルに関する困りごとを抱えていらっしゃる方々に寄り添い、支えていただき、一人ひとり全ての県民がデジタル化の恩恵を受け、より安全で便利で豊かな暮らしができるようお力添えをいただきたいと存じます。私からは以上でございます。

[びわ湖放送]

教育会館についてですけれども、先週の2月9日に最高裁が本件を上告審として受理しないということを決定したということで県が勝ったということになるのですが、裁判に4年半ぐらいかかりまして、元々、医療福祉拠点の整備に向けて取り組んでいらっしゃったので、だいぶ時間がかかったという感じがします。知事のコメントとしては「速やかに退去を求めるとともに医療福祉拠点整備に向けた手続きに着手したい」というコメントを出していただいたのですが、今後のスケジュールを教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

滋賀県教育会館に対する建物収去土地明渡等請求訴訟に関しましては、この教育会館の土地が行政財産ですと、そして許可が終了した後は速やかに退去を求めますという県の主張が認められたものと受け止めております。したがって、確定した判決の結果を踏まえて、適切に対応していきたい。まず、できるだけ早く退去を求めて、医療福祉拠点整備に向けた手続きに着手していきたいと考えております。既にこういった事態が動くことも想定いたしまして、この間、準備してきたこともあります。今日的な医療福祉のセンター機能と人材養成機能と、最初に申し上げたセンター機能ということでは変わるものはないと思いますが、むしろここに健康危機管理事案への対応の必要性というものがあるのではないか。また、人材養成機能ということでいうと、以前はリハビリ人材ということで予定しておりましたけれども、このコロナ禍を受けて加えるべきもの、今日的な課題を受けて含めるべきものあるやなしやという準備をしてまいりましたので、そういったことを踏まえてできるだけ早く次の段階、また、その次の段階へと移していけるようにしていきたいと考えております。

 

[びわ湖放送]

何年までにというのはいかがでしょうか。

 

【知事】

今、最終調整しているところもありますし、もちろん判決は確定しましたけど、現にまだ入居していらっしゃる状況がございますので、こういったことのめどを立てた上で、スケジュールがみえてくると思います。

 

[びわ湖放送]

改めて、知事の医療福祉拠点の整備に向けた決意を教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

県が行政財産として持たせていただいているものは有効活用するということが基本です。そして、この県庁と隣接する広大な土地の活用ということにつきましては、県民の皆様方のニーズに資する形で、かつ駅前に近いという場所にふさわしい形で活用させていただくというのが望ましいと思っております。ただ、歴史経過があり、この間、司法において御判断いただくこともございましたので、当初の予定よりも大きく遅れることになりましたが、こうして判決が確定しましたからには、その次の手続き、医療福祉拠点、人材養成機能と医療福祉センター機能が確保された拠点を整備できるよう全庁挙げて取り組んでいきたいと思います。

 

[びわ湖放送]

新型コロナについてですけれども、政府の方が来月の3月13日からマスクは個人の判断でという方針を出されましたが、このことについてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

 

【知事】

(ウイルスの)変異の状況をみて、感染が以前よりも落ち着いてきた状況もみての判断、また方針の表明だったと受け止めています。ただ、この国から出された内容「マスク着用は個人の判断が基本となります」というのはわかりにくいので、県として小学校に入るまでの子どもたちにもわかる言い方を考えようということで、今、指示をしているところです。できるだけ早く県として県民の皆さんにどのように呼びかけるのかを考えて練って、お伝えできるようにしたいと思います。

 

[びわ湖放送]

それは3月13日までにということでしょうか。

 

【知事】

それまでに卒業式もありますし、春の行事もありますので、3月13日というものを待たずにお伝えできるものがあればお伝えしていきたいと思います。

 

[NHK]

トルコの地震についてですけども、まだ状況がよくわからないというところもございますけども、日々犠牲者が増えておりまして、県独自あるいは関西広域連合として支援の御検討とか、そのあたりはいかがでしょうか。

 

【知事】

県独自というもの、また連合長を務めます関西広域連合としてどうするのかは引き続き考えていきたいと思います。発災直後から関西広域連合の広域防災の方に状況の把握と、広域連合としてできることを検討するように指示させていただいておりますが、現時点、情報収集に努めております。

構成府県市の中では、例えば国同士で関係のある和歌山県などが様々な県内の市町で取組が行われているということを聞いておりますが、現時点、広域連合として、滋賀県として何か組織だってするということよりも、現にこれまでの実績もあり、そして開設されている日本赤十字社の支援救援の取組の中に、皆さんの気持ちを寄せていただくということにしたいと思います。

(被災された)この地域は行ったことありませんけれども、私自身はトルコもシリアも訪問させていただいたことのある国ですし、3万人を超える被害者というのは、東日本大震災以上ですし、まだ余震もあって報道を見る限り、救助中に建物が倒壊してくるとか、寒くて避難されている方の生活が厳しいとか、また、トルコに比べて内戦状態が続いているシリアに救援物資が届いていないといったような状況も報じられておりますので、こういった状況を注視して、こういったときは皆でお互い様・助け合いという気持ちが寄せられるように皆さんに呼びかけていきたいと思います。

[朝日新聞]

先週、新年度の予算案についての御説明がありました。第1の柱に「子ども・子ども・子ども」とおっしゃられて、子ども政策に重点を置かれた予算案だったと思います。滋賀県では、御存じのとおり糸賀一雄さんという障害福祉の父と呼ばれた滋賀県庁の職員としても偉大な先輩がいらっしゃいます。糸賀さんの思いというのは、近江学園という形でも継承されていると思うのですが、特に糸賀さんが残された「この子らを世の光に」という言葉というのは、非常に重みというか深さというか、学ぶところも多いというか、障害福祉に限らず、本当に生き方の大きな支えになっていくような言葉なのかなと思います。まさに、これは滋賀県の宝と言ってもいいのかなと。こうした言葉から導き出されるような施策というのは、やはり滋賀県らしさということが言えるのではないのかというふうにも思っています。

こうして障害のある子もない子も、子どもというのは単なる保護の対象ではなくて、生きていることそのものが光り輝くような思いにつながっていくような施策というか、世のあり方というのは、今回の予算案や盛り込まれた事業の中ではどういうところに込められているというふうに知事はお考えでしょうか。

 

【知事】

糸賀先生は、私たちが尊敬し、また様々な政策の中心的支柱になるお教えを実践活動とともにたくさん残していただいていると思っております。現に、滋賀県庁職員としても働かれ、自覚した人が実践者になろうということで活動してこられましたので、そういった思想をこれからも大切にしていきたいと思います。「この子らを世の光に」という教えはいつも反芻しながら私たちは考えていますし、不遜な言い方になったらいけないですけれども、私は「この子らと世に光を」という思いでやろうということで、よく自分の中では助詞を入れ替えて奮起の材料にしているところがあります。

子どものために、子どもと共につくる県政というのは、まさにそういう気持ちを込めておりますし、「子ども・子ども・子ども」と3回繰り返して言うことは、以前もこの会見で申し上げたと思いますが、一人ひとり存在主体としての子どもと、社会の一員である子どもと、未来・「シン・ジダイ」への希望としての子どもという3側面から子どもというものをみて施策に生かしていこうということです。

中心的な施策は「(仮称)子ども基本条例」というのが1つあると思います。子ども・若者の声を聞きながら、どういう物事の決め方がいいのか、どういう社会のありようがいいのかというのをこれから条例として整備しようとしていますし、お尋ねの中にありました近江学園につきましては、今、リニューアルの途にあります。また、障害のある子どもたちということで言えば、医療的ケアが必要な子どもたちの学びの支援ということに対しても取組を進めているところです。困難な環境にある子どもということで言えば、社会的養護の必要な子どもたちに対する学習支援という事業も、今般、予算案の中に入れているところです。まだまだ十分ではないところがあると思いますが、今、お尋ねいただいた思想というのはこれからもしっかりと踏まえて施策づくりに生かしていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

今回の予算案の人づくりの項目の中で、笑顔あふれる学園づくりとして、子ども一人ひとりの学びの最適化というところにインクルーシブ教育の構築というのが設けられています。そこでは、障害のある子もない子も、それぞれの学校現場に行って学び合う。それは本当に障害のない子にとっても、障害のある子の生き方というのが本当に大きな学びにもなるかと思いますので、こうした形が糸賀さんの「この子らを世の光を」というような考え方にも関わってくるような取組なのかなと。これが書かれているとおり、共生社会の実現へとつながっていくような取組なのかなというふうに思います。とはいえ、一気にこのインクルーシブ教育に変わっていくというわけではなく、今の段階においても障害のある子にとってみれば、それなりの特別な支援というのが必要な場面がまだまだあるかと思います。こうした障害のある子にとっての特別支援教育というのはまだまだ必要だし、重要ではないかなと思いますけれども、この特別支援教育についての知事のお考えをお聞かせいただけますか。

 

【知事】

これは両面必要だと思います。今、おっしゃったように、障害、個性・特性のある子どもたち一人ひとりに特別に支援を行いながら学びを深めていくという特別支援学校、特別支援学級も大切です。大規模校の課題もありますので、分離・新設も含めて検討するという公約にありますとおり、現在、教育委員会をして、どのようなあり方で学校整備していけばいいのかを鋭意検討しているところです。それと同時に、この地域を望む子どもたち、地域の学校で(教育が)回り、近所の友だちと一緒に学びたいという(子どもや親御さんの)希望を叶えることや、障害のある子どももない子どもも一緒に学びながら「こういうことができるのか、できないのか」「こうやってやればみんなで楽しい」という学びをすることもインクルーシブ教育ということで大変重要だと思います。

ただ、すぐにできるわけではありませんので、この間、滋賀県では研究事業を行ってきて、地域の学校に主たる学籍を置く、そして特別支援学校に副籍を置く。特別支援学校に主たる学籍を置き、地域の学校に副籍を置くという学び方の課題を検証してきて、それらを水平展開したときにどういうことになるのかということを実施しているところです。今年度の第4回の総合教育会議においても、その実践の途中経過の報告を学校からいただいたところでありますので、課題を見極めながら、より広く深く学びが充実する方向で進んでいけるようにしていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

子どもに対する施策という教育施策については、先日も知事も地方自治体の役割として現金給付というのではなく、もっと違うあり方ということもおっしゃったと思います。元来、知事も考えていらっしゃると思いますけども、安全・安心な学び場を提供するとか、それに必要な教職員を適正に配置するというようなことというのは、まさに地方自治体の役割と思っています。高等専門学校をつくるということは非常に重要なことだと思いますけれども、特別支援学校については、保護者や通っていらっしゃる子どもさん、あるいは教職員からは非常に切実な声も出されていますけれども、こういうことを受け止めた上で、特に特別支援学校に対する県としての取組というのをもう一度聞かせていただけますか。

 

【知事】

特別支援学校につきましても、大変重要な学びの場であります。したがって、特別支援学校のあり方検討ということで、併設ですとか、分離・新設等を含めて現在検討を進めています。草津養護学校におきましては分教室というか、一部敷地内に教室等も建てながら、生徒拡大への対応をさせていただいているところです。もう少し中長期でみて、どういう対策が必要なのかということは、教育委員会としっかりと議論・検討した上で、方針を県民の皆さんに説明していきたいと思います。それと同時に、先ほどお尋ねいただいたように、特別な学校で学ぶ教育の機会の保障と、地域の中で友だちと交流して学び合う機会の保障というものをあわせて整備するということが重要だと思います。その両面に立って議論をしていきたいと思います。

また、いろいろな課題がありますが、小中学校、義務教育段階に入る前の早期発見と早期支援のあり方、中学校卒業するまではいいけれども、中学校から高校段階、また就職段階につながる個別支援のあり方、その引き継ぎなど、この間、市町との連携など様々な策をしてきていますけども、それらが有効に機能しているのかどうかも含めて検証しながら改善していきたいと思います。

[読売新聞]

知事が冒頭に御説明いただいた総合土木の関係ですけど、この分野は民間の企業でも、かなり人手不足が進んでいる分野だと思うのですが、その中でもどれだけ新卒あるいは中途を採るかという話だと思いますが、滋賀県のセールスポイントと言いますか、アピールしたいことはありますか。

 

【知事】

日本の真ん中にあって、私はよく申し上げるのですが、寒冷気候の南限にあり、温暖気候の北限にあるので、非常に特徴のある生態系を持っています。雪が降るところもあれば、そうでないところもある。また、真ん中に琵琶湖があって、それぞれ周りの山々から流れ注ぐ河川。もちろん、治水上、難しい面もございますが、だからこそ、こういった土木技術職の人間が地域住民とも対話しながら、どういう政策を、ハード整備を、ソフト対策をやっていくのかということは、他の自治体にはない対話のメニューですとか、もちろんハードルもありますけれども、自分の人生を豊かにするテーマというのがあるのではないだろうかと思っています。また、街道文化を含め、道や交通によって栄えてきた県でもありますので、令和の時代、次の時代を見通しながらどういう整備をしていくのかということにも夢とロマンを持ってやろうじゃないか。また、建物ですとか、公園ですとか、特に公園というものに力を入れてポストコロナに向けて、癒しの空間、くつろぎの空間として再整備しようというテーマを今打ち出していますので、その取組に参画していただく職員というものを、ぜひ我こそはと思う人に参画いただきたいと思います。

もちろん、入ってきてくれた職員もいろいろな思いを持ってやってくれているようです。女性も男性も若い人もシニア・ミドルの世代も、みんなそれぞれ頑張っておりますので、そういった職員と直接触れ合いながら、どういうことが面白いのか、難しいのかというのをできる限り試験を受ける前にも確かめながら来ていただけたら嬉しいと思います。民間も面白いのでしょうけれども、パブリックな立場で、公的な役割を持ちながら仕事をするというのも面白いと思います。

 

[京都新聞]

教育会館のことに戻りますけれども、お尋ねさせてください。確定判決が出たからには速やかな退去を求めるという一方で、これまでの歴史や経緯もあるという御発言がありましたけれども、今までの会館内には10ぐらいの事務所が入っているかと思います。スムーズに退去をしてもらうために県として何らかの支援する考えはあるのかということをお尋ねします。

 

【知事】

まず、判決確定を受けて、私どもとしてはこの決定に基づく行動を求めたいし、呼びかけていくというのが基本になります。その会館を運営される皆さん、入居される皆さんがどういう御事情にあられるのかというのは、申し訳ないけども詳らか(つまびらか)ではありません。したがって、基本はそれが原則になると思います。ただ、長い歴史のある建物ですので、そういう御事情の中で、どういうことがあるのかというのは、今後出てくるのかもしれません。出てくるものに応じて考えていきたいと思います。ただ、基本は行政財産である土地を公的役割のために使うということで行ってきた司法の手続きも、県の主張が認められる形で確定しましたので、それに基づいて対応するということになります。

 

[京都新聞]

そこに整備される医療福祉拠点ですけれども、医療や福祉の団体が入居するセンター機能の役割と、リハビリの人材育成ということですけども、医療福祉の団体が入るところというと県庁の前の厚生会館という会館があり、リハビリ人材を育成している教育機関が県内にいくつかあると思いますが、それを県としてまとめて整備していく意義を改めてお願いできませんか。

 

【知事】

まず、先ほども申し上げたとおり、医療福祉のセンター機能と医療福祉に携わる人材養成機能を持った拠点を整備するという基本を持って進めていきたいと思います。ただ、この間、様々やってきた事業や調査の中で、民間の事業収益を得て公的な機能を担っていくということの事業スキームの可能性というものの難しさですとか、あとはコロナ禍を経て健康危機管理事案に県庁としてより機能的に対応していく必要性ですとか、近接いたします厚生会館に老朽化の課題があり、関連する諸団体が入居されているというようなことに対応する必要性ですとか、司法の手続きをする間に明らかになってきたことに対応する必要がございます。したがって、そういうことも含めた形で県庁に隣接する行政財産を有効に活用するということ、さらに今日的な課題なども含めて対応する可能性があるのではないかと考えております。そのあたりのことを、今、最終準備して皆様方に御説明できるようにしていこうとしているところです。

 

[京都新聞]

コロナの関係で、先ほど最初の方でマスクの政府の着用方針でわかりにくいところがあるというふうにおっしゃられたと思います。どのあたりがわかりにくいというふうに知事は感じておられるのでしょうか。

 

【知事】

これまで屋外では原則不要、屋内では原則着用としていましたが、令和5年3月13日からマスク着用は個人の判断が基本となります。ただし、以下のような場合には注意しましょうという内容で、わかった方がどれぐらいいらっしゃるのかということです。

 

[京都新聞]

 表現をもう少しわかりやすくというところですか。

 

【知事】

はい。もっとわかりやすく、小学校に入るまでの子どもたちにも御高齢の方にも伝わるようにしようと。ただ、もちろん、外してもいい、今までどおり着け続けなくてもいいというのが基本だと思うのですが、どういう場合に、どういう人が着ける方がいいのかというようなことも含めてお知らせすることがいいのではないかと思います。今、考えているところです。

 

[京都新聞]

個人の判断に委ねるという方向性としては、特に異論がないということでしょうか。

 

【知事】

究極はそうですね。全て個人の判断だと思います。基本原則はそうです。個人が判断して着ける、着けないかを決めるということがまず基本です。ただ、今般の感染状況を踏まえて、日本は同調圧力もあって、皆が着け続けてきたところもあります。教育現場でも、今般、見直しがされるようですけれども、これでいいのかということもございました。そういったことも含めて、どういうメッセージを発していけばいいのかということを考えようとしているところです。

[京都新聞]

感染状況について、かなり感染者数が減ってきて、病床使用率も3割を下回るような日も出てきていると思いますが、警戒レベルの変更ですとか、そのあたりを考えておられますか。

 

【知事】

御指摘のとおり、以前に比べると大きく日々の感染者数も減ってきていますので、以前の厳しい状況は脱しつつあるのではないかと思っています。とはいえ100人を超えるとか、こういう日々の感染者、そして御高齢の方・基礎疾患のある方は重症化するということ、季節性インフルエンザの流行期はまだ脱していないということ、病床の使用も以前よりは良くなってきましたけれども、まだ30%前後で推移しているということでいうと、現場の状況はまだまだ大変なことも多いと私は思いますので、そういった状況をよくみた上でレベル判断をしていきたいというふうに思います。

 

[共同通信]

2点伺いたいのですけれども、マスクの関係で3月13日からの個人の判断でということになりますが、知事はどのようにされる御予定ですか。

 

【知事】

咳が出るときは着けることになるでしょうし、しんどいときは着けるでしょうし、人混みだと着けることもあるでしょうし、知事の三日月だと知られたくないときは着けることもあるでしょうし、ケースバイケースです。

 

[共同通信]

もう1点の教育会館の関係で、今後、医療拠点を整備するときに、コロナ禍の出来事を踏まえて対応できるようにというようなお話があったかと思います。具体的なイメージがわかないのですが、知事の中で具体的なイメージがあれば教えていただけますか。

 

【知事】

3年間の振り返りは、現下の状況に対応しながら、迅速性と客観性を持ってやらなければいけないと思っています。そういう中でも明らかになってくるのかもしれませんが、この間、県庁に隣接する危機管理センターも使いながら、会議をしたり、一時的には入院を待機する方々が療養される施設をつくったりすることもやってきました。今もコントロールセンターが入って24時間体制でしてくれています。

この状況で地震が起こったらどういうことになるのかというようなことなどを考えますと、健康危機管理事案に対応する必要性は危機管理センターを建てたとき以上に肌身に染みて感じることがありました。そういうものをどうするのかということとか、直接的に関係しないのかもしれませんけれども、間接的にはとても重要だと思っています「厚生会館」は、建築基準法に照らしても非常に問題が多く、できるだけ早く対応しなければならないという課題も指摘されております。入居団体には、健康危機管理事案に即応していただく必要がある団体様もいらっしゃいますので、そういったことをどう考えるのかというようなことなど、この司法の手続きをやっている5~6年の間に明らかになったことは、ぜひ、この機に盛り込めるものは盛り込んで対応すべきではないかということで検討しています。

 

[共同通信]

先ほど、京都新聞さんから退去の関係で、どのようなスケジュール感かというようなことを聞いていらっしゃいましたけれども、確か裁判途中だったかと思うのですが、入居していらっしゃるところから「そう簡単には出て行けない」みたいな話を伺ったことがありまして、今後、原則退去していただくという方針であっても、簡単に進む問題ではないのではないかという気もします。県としては、自主的に退去していただく期限を決めて、1年以内にとか、2年以内にとか、何かそういうめどのようなものは考えてはいらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

今回の判決確定を受けて、どうするのかというのは先ほども述べたとおりですけど、できるだけ早くその物件の明渡しをしていただくということが基本原則になると思います。おっしゃったとおり、様々な御事情があるのかもしれませんが、この間、用意してきた時間もありますので、もちろん確定自体は先週でしたけれども、当方もいろいろな場合を想定して準備してきたこともありますし、先方もそういったことがあるのかもしれません。確定したからには、その確定したことに則ってやるというのが法治国家の1つの原則だと思いますので、ここは先方も御理解いただいているのではないかと思います。事情やお伺いしなければならないことがあるとすれば、それは伺ってどのようにするのかというのは考えていきたいと思います。

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